漁村

小さな漁村。

港を囲むように小高い山があり、そこには、海の安全を見守る小さな祠(ほこら)がある。

年に一度、海の男達は、正装をし、そこに参ることになっている。

この祭りは、昼過ぎには終わってしまい、夜店もでない。
おごそかな、しかし、大切な行事だ。

男達は、概して荒っぽく、無口だが、人はいい。

一度、選挙の時、「演説がうるさい」と、候補者を海に投げ込んで逮捕されたのが
今の村長。

町の食堂は、寿司もてんぷらもラーメンもある、いわゆる大衆食堂だが、なにせネタが
新鮮で、村中の人々が魚を知り尽くしているから、何を食べても魚の味がするけれども
うまい。

海岸沿いに、国道が通っており、宿を兼ねたドライブインがあるが、ここは村の
宴会場となっていて、宿泊客は少ない。

魚料理がうまいので、ガイドブックに載せようと出版社から依頼が何度もあったが
「いつ宴会が入るかわからないから」
と、なかなかOKしない。

ああ、こういうところで、一週間のんびり休みたい。


Bookmark the permalink.

Comments are closed.