オリンピックの妄想

オリンピックが始まる前には、必ず、ニュース番組などで選手村が紹介される。
これが楽しそうだ。

普通のホテルのシングル程度の部屋だが、世界各国の料理が食べ放題で
自分の国の料理も揃っている。
遊ぶところもたくさんある。

ゲーム会社は、宣伝も兼ねているのか、最新式のゲームを置いているらしい。
インターネットは、使い放題であるし、まだ紙面に載っていない情報も聞くことが
できるかもしれない。
各国メディアの美男美女達もいる。
おまけに今回は、イタリアだ。

街に出ても、美味しいレストランは、たくさんあるし、車を飛ばせば、観光地には
事欠かない。
床屋やネイルサロンも無料らしい。
マッサージの腕もオリンピック級の人々が揃っているだろう。
あとは、温泉が欲しいところだが、これはジャグジーで我慢しよう。
そうそう、一流の医者もウヨウヨしているのだからどんな病気になっても大丈夫だし
ケガをしたら、世界で最高の治療を受けることができる。

もちろん、ここに住めるのは、一流のアスリートに限られる。
だがスキーやスケートの用具のメンテナンスの職人になるという方法もあるかもしれない。

こういうのは、いかが?

例えば、カーリング(Curling)という競技があるが、あなたはあの「ブラシ」のような
用具の、天才的なメンテナンス職人で、オリンピック村で、ブースを構えている。
といっても、仕事は競技の前に、ブラシの先をあなたの「魔法の指先」で
ちょっと撫でる程度だ。

カーリングの世界では、この魔法にかからない者はいない。
あなたは、世界各国のカーリングの選手から信頼を受け、親しまれている。
といっても、たいした仕事はないので、朝からワインを飲み選手村をフラフラと散歩する。

美しい女性選手が、「ハーイ」なんて挨拶をしてくれる。
隣のスケート選手は、訝しげな顔をして「誰、あのヨッパライ?」と聞く
カーリングの美女は
「天才的なメンテナンスの職人よ、世界中であの人に感謝しないカーリング選手はいない
わ」とため息まじりに答える。

その呟きを背中で聞きながら、今日は、ルーマニア料理にするかとぼんやりと考える。

メダルを取った選手達が、「あなたのおかげです」と目を輝かせて報告に来てくれるが
まあ、そんなことには関心がない。
職人ですからね。

「ああ、そうかい、よかったね。 でも今日の氷の状態はひどかったらしいじゃないか」
なんて言いながら、アタマの中では、「生ハムも飽きたな、今晩はロシア料理でも
食べに行くか、あいつら、銅メダルとったらしいからな」と、考えてたりしている。

そして、ロシア選手団のところに行くと、大歓迎されるのである。


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