犯罪を減らす方法

今日からコラムを再開します。

なるべく一週間に一回は掲載できるようにします。

さて、日本には民間の大きなテレビ局が5つあり、それぞれ、新聞社をスポンサーに
メディアグループを形成している。
そのうちのひとつである読売(よみうり)グループのテレビ局のアナウンサーが
電車の駅で、女性のスカートの中を盗撮(とうさつ)し逮捕された。

顔を見れば、誰もが、知っているとまではいかないかもしれないが人気番組にも
出演しており、ほとんどの人が見たことがあるというようなアナウンサーだ。

事件は、三ヶ月前に起こっていたが、テレビ局はその事実を公表せず同じグループの
新聞でも報道はされなかった。
つまり、そのグループでは、その事件は、まったく存在しなかったことになっている。

これは、2週間ほど前に週刊誌のスクープで、あきらかになり、一斉に他社の新聞や
テレビ局が、報道を始めた。
しかし、この読売グループでは、現在に至るまで、新聞でもテレビでも一切報道されて
いない。

もうひとつ、不思議な現象が起きている。
他社の新聞では名前は出ているが、他のテレビ局は、どの局も名前を出さなかった。
テレビに出演しているような人物が逮捕されて名前が伏せられるというのは
聞いたことがない。

つまり、「盗撮ぐらいで名前を出して報道してたら、お互い、困るでしょ?」という
暗黙の了解が、「明日はわが身」と感じたすべてのテレビ局関係者の間で一瞬のうちに
共有されていたということだ。

運の悪いことに、この読売グループのテレビ局は、盗撮を社会的な問題として
取り上げているキャンペーン中だった。

事件が明るみになってから、このキャンペーンはピタリと止んだ。
このグループのテレビと新聞からは、「盗撮」という犯罪が消えてしまったかのようだ。

このメディアグループは、民間では最大手なので、田舎では、読売新聞を読み公共放送
(私の知る限り今回の事件は報道していないようだ)か、読売グループのテレビしか
見ない人もたくさんいる。
そういう人々は、「盗撮という犯罪は、最近報道されなくなった。
さすがに、バカバカしいので、やる奴も少なくなったんだろう」と考えているに違いない。

つまり、こういうことだ。Aというメディアグループの関係者が、放火をすれば
「放火」は今後報道されなくなる可能性がある。

そのうちに、Bというメディアグループ関係者が横領(おうりょう)で逮捕されると
横領は、B社の犯罪リストから消えるかもしれない。

Cというメディアグループは、「私たちは、すべての犯罪に対してフェアです」と
宣伝しているが、注意して見ていると、ある時期からスリに関する報道はさっぱり
されなくなっている。

もしや。。。

まるでSF映画だが、数年後、私たちは、「最近、殺人も幼児誘拐もずいぶん減ったねえ」
と話しているかもしれないのだ。


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