あおり番組

ワールドカップに日本が出場するなんて想像もしていなかった時代
国営放送で、深夜に密かに放送されていたころは、いつも同じアナウンサーで
解説者の声もお馴染みだった。

試合開始の10分ほど前に番組は始まり、淡々と試合だけを中継していた。
翌朝、目を赤くして学校へ行くと、40人ほどのクラスで見たのは3,4人だけだった。
忘れないうちに、と、昼休みにマラドーナのステップを研究したものだ。

そして今は、、、

テレビ局は、ワールドカップのテーマソングを作り、有名な歌手が
歌いワールドカップキャスターと称するテレビタレントやコメディアンが
「ブラジルは伝統的に4バックですね」と、いかにも先週、覚えてきたような知識を
披露する。

ゲームの1時間も前から、番組は始まり、代表選手の地元の学校が映る。
そこには、大型テレビが設置してあり、若者が大騒ぎをしている。
両親に「がんばってほしいです」などと言わせる。予想や分析らしきものを少しした後
最後に「で、**さん、日本は勝てますか?」「3対1で勝ちます」
「イエー! がんばってほしいですね!」

この種の番組を「あおり番組」というが、これが長かった。

試合の開始時間を調べて、見ないようにするのが大変だった。
とにかくお祭り騒ぎだったが、日本が負けたとたん、すっかりワールドカップは
終わったかのようである。

もちろん、ワールドカップはこれからが本番。日本が負けたのは残念だが、おかげで
少しは静かに見られそうだ。この際、中継が始まる時の、変な「テーマソング」には
目をつぶろう。

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予選リーグの感想。

今回は、全体的に、質の高い試合が多く、今のところ順当な結果になっている。
久しぶりにレベルの高い大会になりそうな予感がする。

監督がゲームに関与する度合いも益々、大きくなっているような印象だ。
もう一線で活躍するプロフェッショナルな監督の元でないとワールドカップは
勝てなくなったようだ。

アルゼンチン、スペインは、最後まで今の調子を維持できるかどうかが課題。
ポルトガルは、ルイ・コスタがいないことに、まだ納得ができないけれども
フィーゴやヌーノゴメスが放つ最後の輝きを感謝とともに見つめるしかない。

ポルトガルの黄金世代は、確実に黄金時代を作ったのだ。

4年後の日本は、今年のポルトガルのようなチームは作れないだろう。

コートジボアールは、素晴らしかった。
アルゼンチン戦は、今大会のベストゲームのひとつだ。組み合わせに恵まれれて
決勝トーナメントに進んでいたら大きなサプライズを起こしたかもしれない。
チュニジアがいいチームになっていたのにも感動した。しかし、圧倒的な存在だった
ベンアシュールは、なぜ、チームにいなかったのか。
日本のメディアは、いつも肝心のことは報道しない。

不器用で荒っぽかったオーストラリアは、ここ数年でずいぶん洗練されてきた。
そこにいい監督が来て、ピタリとはまったようだ。
サプライズではクロアチアと引き分けることはできない。いいチームだった。

韓国は、戦略ミスだった。このグループは、スイスがトップで、フランスとの
勝負だという戦略で挑むべきだった。
実際にフランスは引き分けて喜ぶ相手ではなかった。勝てたし。勝つべきだった。

それにしても、イーチョンスの運動量は信じられない、驚異的だった。

決勝トーナメントを4組に分けて考えてみると、、、

A組は、ドイツがすんなりスウェーデンに勝てば、その勢いでアルゼンチンにも勝てる
かもしれない。

B組は、スイスが最強で、イタリアがどこまでできるか。

C組は、は、横一線。ポルトガル、ガンバレ!

D組は、「死のトーナメント」になった。
決勝の最初のゲームは、予選で苦労したチームのほうが有利。
スペインとブラジルは、楽だった。
フランスとガーナは、苦しんだ。    

さあ、どうなるか。というところだろうか。

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日本は、まったく結果を残せなかった。全試合を通じて、1人だけ圧倒的な運動量と
冷静で、正確な状況判断を保っていた中田(なかた)の孤独は見ていて
痛々しいほどだった。

報道によると、かつてユーゴを率いた、オシム氏が次の監督だそうだ。名将だし
メディアを煙に巻く技術も身につけているし、「思慮深い」という日本ではほとんど
死語(しご)になった言葉があてまはる魅力的な人物だ。

私は、彼には、監督になるのではなく、監督を選んでほしかった。
つまり、サッカー協会の会長になってほしかったが、まあムリですね。

さて、同じグループの盟友として、ブラジルのことを。パレイラは、手堅いやり方で
しっかりと調整試合をコントロールした。だけど、ブラジルの調整相手としては
グループFは力不足だったかもしれない。

ブラジルは、まだベストとはいえない。
ロナウドは、点はとったが、残念だけど、もうダメなのではないだろうか。
今のところ、ガーナにもスペインにも勝てる保証はまったくない。


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