電話のマナー

先日、ラジオで、電話のアンケートに関するアンケートをやっていた。

質問は「あなたは、自宅で電話を受けた時に、自分の名前を名乗りますか」
といったもので、70%以上の人が「名乗らない」ということだった。

これにはちょっと驚いた。もちろん、電話のマナーでは、これまで、かけるほうも
受けるほうも名乗るのが正しいマナーだった。この変化には、いろいろな原因がある。

まず、携帯電話の普及。携帯電話では、番号が正しければ、電話に出る相手は
わかっているからほとんどの場合最初の「もしもし」の声で判断するか、かけたほうが
「***さん?」と確認することが多い。

結果として、かけるほうも、受けるほうも、自分の名前を名乗らないことになる。
さらに、オレオレ詐欺(さぎ)が、大きなダメージを与えた。
手当たり次第に電話をかけて、「もしもしオレだけど」と名前を名乗らずに
「事故に会ったので、お金を振り込んでくれ」などと言って騙すことが
この名前の由来だ。

一時期、地方の高齢者などが騙される被害が続いた。たまたま、孫や息子が東京で
仕事をしていたりすると、心配してお金を振り込んでしまうのだ。
中には、警察や弁護士のまねをして騙す、おおがかりなグループもあったそうだ。
この事件が続いてから、電話を受けても名乗らないように、というムードになったもし
「はい、たなかです」などと名乗ると、「たなかさんのおうちで間違いないですね」などと、いかにも最初から知っていたかのような巧妙な手口にのせられてしまう。

また、その電話番号が田中さんという情報が相手に知られることになる。
相手の「犯罪電話帳」に情報を加えてしまうというわけだ。

もう、電話に出ても名乗らないほうがいい、と私でも、高齢者や1人暮らしの女性には
アドバイスするだろう。

最近の電話には、だれからかかってきたかを表示する機能がついている。
電話番号と名前を登録していれば、知り合いなら、名前が表示される。
これが表示されない場合は、電話にでない、という人もいる。

つまり、電話というのは、知り合い同士だけのコミュニケーションの道具と
なりつつあるということだ。これは、大きな変化だ。


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