怪談(かいだん)

昔から日本には、数限りない怪談があるが、夏が舞台になっていることが多いそうだ。

夏の夜は寝苦しく、夜更かしをすることが多いからか、それとも仏教行事が夏に
多いからだろうか。

現代の日本人は、夏は、キャンプや学校で泊まりに行く行事が多い。
キャンプに行くと、必ず、怪談を上手に話す人がいて、その人のまわりに座って
話を聞くことになる。
怪談というのは、筋は単純なことがおおい、とにかく、いかに上手に話すかにかかって
いる。怪談を専門にしているコメディアンや落語家もいるぐらいだ。

よくあるパターンは、不運にも命を落とした人が、毎晩同じ時刻、同じ場所に現れる
とか、廃屋や閉鎖されたトンネルなどにまつわる、奇妙な現象の話などだ。

私が中学生のころに作った怪談は以下のとおり

私たちの町から学校に行くには、長い坂を通らねばならないことになっている。
その坂は、きれいな道だけれども、バスなどが通らないので、夕方を過ぎると人通りは
見られなくなる。

毎晩、夜8時ちょうどに、この坂の上に突然自転車が現れる。
その自転車には、ボウズ頭の兄弟が二人乗りをしている。弟は後ろに乗り、兄の腰に
しっかり、しがみついている。その自転車は、全速力で、坂の下まで駆け下りる。
ただ、その兄弟は、血だらけで、無表情。驚いて坂の下まで目で追うと、急に消える
ゾッとして、急いで坂を上ろうと前を向くと、また、坂の頂上には、自転車が現れる。
というものだ。

皆、黙って聞いていた。
強がりな友人などは、笑って、「ゼンゼン怖くないな」と言ったが
後で聞いたところによると、その友人は、学校中の知人にこの話をしたらしい。
本当は、相当怖かったに違いない。

後に、私が高校生になったころ、中学生が、「この町に言い伝えられる古い話」として
血だらけの自転車兄弟の話をしていたのを聞いたときは、うれしかったものだ。

勇気を試すために、夜の8時にこの坂を探検する子供のグループも出てきたそうだ。
もちろん、たまたま自転車が通りかかったら、大声を出して逃げ惑うだろう。


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