S1グランプリ

最近のスーパーマーケットは、大型化し、サッカーグラウンド並のものも増えたが
主流は、ミニサッカーのグラウンドぐらいの大きさである。
レジは、4つぐらいあり、そこで働いているのは、パートタイムの女性がほとんどだ。

さて、スーパーで買い物をしよう。
まず、入り口でカゴを取る。
たいていは、時計回りに進むように出来ている。
ぐるりと店内の外側を回る。

最初に野菜、魚、肉、お惣菜、という順番になっていることが多いようだ。

2,3日分の買い物を済まし、今日のおかずは、お惣菜を温めて手抜きをしようかという
心の動きに合わせたものなのだろうか。
最近は、スーパーの中にパン屋が別にあることがある。
会計も別なので、このパン屋をチラっと見てから、買い物は終わりをむかえる。

さて、会計だ。

レジは4つある。

ここからが、勝負だ。
私は、F1グランプリではなく、スーパーのグランプリS1グランプリと呼んでいる。

4つのレジがすべて開くのは、最も忙しい夕方5時ごろだけだ。
たいていは、2つで、3つ空いているときは、比較的お客さんも多く忙しくなってきた
時だ。今日は、3時過ぎに行ったので、レジは、3つ開いている。
それぞれ、4人ぐらいづつお客さんが並んでいる。
このスーパーのレジには、若く口元がセクシーな、ジョリー(あだ名です)と
少々太り気味のおばさん、ガマ子(これもあだ名)がいつもいる。
3つ目のレジは、日によって変わる。まだ顔は覚えていない。
ジョリーは、安定したスピードを誇る。商品の値段が分からず、先輩に尋ねることも
少なく、順調に行列は減っていくと思われる。
ガマ子は、気分次第だ。本気を出すと、ジョリーより早いが、ちょっと空いている時
などは、知り合いの買い物客とおしゃべりが始まったりする。
3つ目は、今日は、ベテランのパートのおばさんのようだ。
ジョリーやガマ子ほどではないが、そこそこに速い。

次に、並んでいる人の買い物籠をチラと覗く。

ジョリーに並んでいる客は、若い主婦が多く、ビールを数本入れいているようだ。
ビールは、買い物籠がいっぱいになるわりには、計算が早い。
それに若い主婦は、品数が少ない。
ここが狙い目かもしれない。
ガマ子のところは、おばさんが多いようだ。
やはり、おばさんは、おばさんを呼ぶのであろうか。しかも、おばさんは、品数が多く
計算に時間がかかることが多いのだ。つい、漬け物やオカキを買ったりする。
レジのところに置いてある小さな和菓子の罠にはまったりする。
「あ、そうそう」と余計な単三電池を買ったりする。

3つ目のレジは、一番行列が長い。買い物籠の量は普通だが、男性の客が2人いる。
男性客は、通常、買い物の量が少ない。ビールとイカだけ、とかね。

このレジの人と客と客の買い物カゴの中身、これらすべてを数秒のうちに把握し
どのレジを選ぶか、これが、S1グランプリのすべてだ。

行列が同じくらいなら、セクシーなジョリーを選ぶところだが、今日は思い切って
3つ目を選んだ。行列が長いが、男性客がいるところだ。
素人なら気づかないが、順調なら、ここが一番早く済むとよんだのだ。

1分経過。

ジョリーより、ガマ子がリード。
私のところは、ガマ子とジョリーの間くらいだ。

2分経過。

ガマ子は、予想どおり、お客と会話が始まった。
「先日お祭りのとき、お孫さん、見かけたよ」なんて、話している。
ジョリーとガマ子が並んだ。
ここで、私のところは、私より2つ前の男性客になった。
ビールと昆布とから揚げだ。会計はすぐに済み、私のところがトップに躍り出た。

ここでアクシデント発生!

ジョリーのところは、レジの領収書を打ち出す用紙が切れたようだ。
すばやく取り替えているが、この遅れは痛い。
タイヤ交換のミスに匹敵する痛恨の出来事だ。

ああ、ジョリーのところに行かなくてよかった。今日はついている。
予想通り、最も早く、私の順番になった。
明らかに、ここに並んだのは正解だったようだ。

しかし、最後のどんでん返しが起こる。

なんと私が買い物籠に入れた、安売りのポン酢は値札が剥がれていたのだ。

レジのおばさんは、「アラ!」と言って「少々お待ちください」と店長を呼びに
消えてしまった。

ジョリーのところも、ガマ子もみるみるお客が減っていく。
私の後ろの客も、どんどん、ジョリーやガマ子のところに移っているが
私は移るわけにはいかない。。。


Bookmark the permalink.

Comments are closed.