4人

今日は、スーパーに行く前に、ケーキ屋に寄った。

ケーキ屋の駐車場でタバコを吸っていると、店から30代の夫婦と8才ぐらいの女の子
が出てきた。ケーキの袋を持った女の子は、お父さんに「ねえ、お父さんはほんとに
食べなくていいの?」と訊いていた。
夫婦は笑って、「いいんだよ」と言っている。
納得いかない女の子は「本当にいいの?」と何度も訊いている。
夫婦はいい洋服を着ていたし、お金がなくて自分のケーキを買わなかったわけでは
ないようだった。

街中で痴呆の症状が進んでいるらしい老人を見た。
久しぶりに会った家族に興奮しているらしく、口からつばを飛ばして泣き笑いの表情
になっている。感情は昂ぶっているが、言葉を発することができないようだ。
ただ、表現手段がないことに、もどかしさを感じるような様子はない。
痴呆というのは、記憶は薄れ、判断力は鈍るが、感情は残ると言われている。
ただし感情と表現とが結びつく手段が少なくなり、次第に感情も失われていくそうだ。

買い物を済ませて家に帰る途中に、車が子供を跳ねた現場に遭遇した。
10才ほどの子供は、3Mほど、空中に飛び、倒れた。鼻血を出していたが量が多い
ので頭をうった影響かもしれない。言葉を話しているが、動けないので、そのまま
動かさないようにして救急車を待った。親切な人が数人集まってきて毛布をかけたり
励ましたりしている。

30才くらいの草履を履いた運転手は、気持ちが動転しているのか、質問しても生返事だ。
子供を心配する様子もなく、怖いのか、子供には近づかない。携帯電話で、警察と会社
に電話をしている。「逆光(ぎゃっこう)だったんですよねー」などと会社の
上司らしい人に電話で話している。しばらくして、救急車がきた。後遺症が出なければ
いいが。。。

しばらくすると、パトカーも来て、男性は事情を訊かれている。

さて、家についた。さっきから、父親のケーキを心配する女の子と、老人と
ケガをした子供、うつろな目をした運転手、の4人が順番に頭に浮かび
書く予定だったコラムのテーマをすっかり忘れてしまった。

この4人に共通項があるとか、何かの教訓があるというわけではないがひとつ
思い浮かんだのは、家から数時間外出するだけで、いろんなドラマに出会うものだ
ということ。

もうひとつ。今日、寝る時は、両親のケーキを心配するあの女の子のことを
最後に思い浮かべて寝よう、と考えています。
少しでもいい夢をみたいですからね。


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