国民的

日本で人気とあるスポーツといえば、相撲と野球であった時代は
終わったようだ。

相撲は、外国人力士の活躍で一時は人気復活の兆候があったが
今ひとつ伸び悩み低迷している。

一方、野球の人気の落ち込み方は驚くほどだ。

ほんの数年前までは、人気球団の試合は、ほぼ全試合がテレビ中継され
視聴率も20%前後だったが、今年は、優勝が決まる試合すらも放送されなかった。

では、サッカーが人気スポーツになったのか?

いや、日本代表の試合でも、人気選手がでないと視聴率は10%をやっと越える
程度だし、国内リーグの中継は、民間放送では、数えるほどしか中継されない。

多チャンネル化の影響?

いや、これも違う。

10年ほど前から一部CS放送などで多チャンネル化は進んできているが、伸びは
ひまひとつ。人気のある専門チャンネルは、映画を24時間流しているものだけで
これまでのテレビ局の人気にせまるようなテレビ局というのは、でてきそうにない。

多様化? 

これまた、違う。むしろ、逆かもしれない。

テレビの中の中心の話題は、たいてい、ひとつかふたつで、昼間のテレビ番組ではそのことばかり
繰り返し放送している。

少し前は、女優が映画の舞台挨拶で失礼な態度をとった、というもの。
今は、おかしな親子がボクシングで世界チャンピオンを目指し、大事な試合で反則を犯し
追放されそうだ、という話題。

夕方からは、食べ物関係の番組と旅番組と、おなじみのテレビタレントが出てくる娯楽番組。

テレビを見なくなった人々は、まるで法律で義務付けられているかのように、週末に、車で子供と
大型ショッピングセンターに出かけ、帰りにファミリーレストランで焼肉を食べている。

ミニバンに乗った大人しい子供たちは、車内では、寝ているか、携帯ゲームを
やっている。

国民的スポーツ、国民的ヒーロー、というものが存在した時代は完全に終わり
「消費」こそが、国民的な娯楽になる、という、それほど新しくもない順路を
辿っている、ということのようだ。



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