1998年12月


 
12/01

日本では、人物の名前を書く際に、「その国の発音に近いものを使う」 という原則がある。

時々、北欧やアフリカなどから来た人の名前などは、本人からクレームが付き、 途中で変わることもある。日本語にはない音が多いからだ。英語でも、 例えば、レーガン大統領は、最初、リーガンと呼ばれていた。

韓国、中国などの漢字を使う国の名前だけは、日本式の読み方を使うことが 多かったが、90年代に入ってからは、韓国の名前や地名は、韓国式の発音に改められた。 今は、報道番組などでは、すべて、韓国式に発音されている。

しかし、なぜか、中国の名前や地名は、日本式の読み方だ。 これについて国営のテレビ放送局のNHKに問い合わせたところによると、 漢字を使わない国々の場合は英語の読み方。 漢字を使う国の場合は日本式の読み方。 ただし、その国から、「自分の読み方で読んでほしい」と言われた場合は、 その国の読み方を使う」というルールがあるそうだ。

おそらく、これは、個人の名前の読み方でも、個人から申し入れがあれば、 それに従うことになると思う。 以前、スエーデンのテニス選手の名前がある時期から変わったこと があった。

今のところ、韓国からは、正式に韓国の発音で読んでほしいと、申し入れがあった そうで、中国からは、ないそうだ。 (もっとも、日本式の漢字の読み方とは、昔の中国の読み方で、たまたま、中国 では、廃(すた)れてしまっただけだ)

しかし、なんとなく中途半端(ちゅうとはんぱ)ですね。 すべて英語の読み方か、相手の国の読み方に、統一したほうがいいかもしれない。

ちなみに、NHKは、放送(ほうそう)の言葉遣いに関して、 いつでも、電話で答えてくれます。 分からなかったら、聞いてみよう!

 


 
12/02

日本語の授業の中で、「外食」という言葉がでてきた。 これは、レストランなど、外で食事をすること。

日本語のレッスン中に「内食というのは、ありますか」と聞かれ。 自信満々に、教師は、「ありません」と答えた。 その後、マーケティング用語で存在するということが、偶然 (ぐうぜん)わかった。
実は、外食産業との対比(たいひ)で、「中食産業」というものが あり、(おべんとうや、おかずなど家で食べるものを売る店など) それらの話しをする時に、「内食」という言葉も使うそうだ。

日本語教師も知らない言葉というのは、まだまだ、ある。
日本語教師を、あまり信用しないように。

 


 
12/03

江沢民主席(しゅせき)が来日した。
経済担当の首相のほうは、日本人は建て前ばかりで肝心(かんじん)の話しをしないから会わない。 と言ったそうだが、さすがに、12億人のトップに立つ人物だけあって主席は、 いろいろと会談(かいだん)を持ったようである。

最近は、欧米のVIPが来日すると、自国の大企業のトップといっしょのことが 多い。さながら、高級なセールスマン(セールスウーマン)といったかんじだ。 おまけに、たいてい、2日くらいで帰ってしまう。

江沢民主席は、1週間近く滞在し、日本各地を回った。
ことあるごとに、戦争の反省を口にしていたことに、日本の人々はうんざりもしたようだ。 しかし、ゆっくり滞在してくれることに悪い印象はなく、こなかったり、 途中で帰ったりする人よりは、いいのではないだろうか。

また、同時期に韓国の首相が九州を訪問し、日本語でスピーチをした。
その完璧な日本語に、植民地支配の罪を感じなかった人は少ないのでは ないだろうか。

先日は、サッカーのクラブチーム世界一を決めるゲームが日本で行われた。 ちょうど来日したアルゼンチンの大統領が、小渕(おぶち)首相と会う前に スタジアムに駆け付け、観戦していた。

そのゲームは、多くの重要なサッカーの試合がそうであるように、退屈な内容 だったが、それでも、首相と話すよりは面白かったと思う。

アルゼンチンの大統領の決断は正しい。

 


 
12/04

古いアパートに住んでいる人は毎月、大家(おおや)さんに 家賃(やちん)を払いに行く。その時に少し話すことになる。

「きゅうに寒くなったねえ」
「そうですねえ。もう少しゆっくり寒くなるといいんですけどねえ」
「ああ、そうそう、これね、おちりんごって言うの。あの木から 落ちてきずが
  ついたりんごね。よかったら、どうぞ。」
「あ、ありがとうございます。これ、きれいですよねえ」
「私もそう思うんだけど、売れないんだって」
「昔は、こういうのは、よく店で、見かけましたよね」
「そうねえ、みんな贅沢(ぜいたく)になっちゃって」

大家さんは、親戚(しんせき)の知り合いから、ただ同然(どうぜん) で
買ったそうである。

 


 
12/07

映りが悪くなったテレビ。
古くなったコート。
ぼろぼろの洗濯機。
温度調節(おんどちょうせつ)がうまくいかなくなった冷蔵庫。
巻き戻しの調子が悪いカセットデッキ。
CD-ROMドライブが動かなくなり フロッピーディスクが壊れた、2年前に買ったパソコン。
塗装(とそう)が剥がれたレコードプレーヤー。

これらのものは、使えないわけではない。パソコン以外は10年以上も 使っているものなので、愛着(あいちゃく)もある。 しかし、数あるものの中で、パソコンだけは、我慢(がまん)できなくなってきた。 新しいソフトの動作が遅いのだ。

コンピューター会社が儲(もう)かるわけである。

 


 
12/08

最近はずいぶん減ったが、10月ごろから、電車の中は、学校の広告で いっぱいだった。

現在、日本の出生率(しゅっしょうりつ)は、1.3%。子供の数は減り続けている。 高校、大学は、これから淘汰(とうた)が始まると言われている。

長い間、女子高、男子高だった所も、共学(きょうがく)になったり、 工業高校、農業高校が、ふつうの高校になったりして、学生を確保(かくほ) するのに必死だ。

主に、高校、大学の広告の宣伝文句(せんでんもんく)の中で最も 目立つのは、「国際(こくさい)」。 「国際科」「国際的な人材育成(じんざいいくせい)」

大学では、 「国際マネージメント科」なんていうのもある。

日本の大学進学率は、50%を越えようとしている。

 


 
12/09

すっかり冬になった。 最近は暖房は、ほとんど、エアコンを使う。

特に都心では、仮住(かりず)まいが多く、 石油やガスを使った暖房は、禁止されていることが多い。

お隣の韓国では、床暖房(ゆかだんぼう)が主流だ。冬になると、韓国から来た人は、 「日本は寒いですねえ」をくり返す。

日本には、こたつがある。 テーブルの表には、合版(ごうばん)が貼ってあり、裏は、緑色の布ばりに なっていることが多い。 この緑色の面は、麻雀(まあじゃん)用。

こたつで暖かいのは、腰から下だけ。農家などでは、冬にいろいろと細かな 仕事をするため、上半身は寒いくらいがちょうどいい。だから、こたつが 普及(ふきゅう)したのだ。という説もある。

わたしは、このこたつを、自分の国に持って帰った外国人を5人知っている。

 


 
12/10

三島由紀夫は、寿司屋でトロばかり注文していたという。
この話は有名で、なぜかというと、ふつうは、これは、やってはいけないこと だからだ。

良心的な寿司やでは、トロやうにでは、ほとんど、儲けがない。これは、仕入れ値 が高いので、お客さんへのサービスといった意味が込められている。 すべてのネタは、なるべく均等に、注文しなければならない。

好きなネタをもっと食べたい時は、「すみません、あなご、もうひとつ」と、 遠慮しながら注文する。

一つのネタが売り切れてしまうと、後の商売に差し支えることになる。
「トロください」
「すみません、あいにく、午前中で、きらしちゃって」
では、寿司屋として格好がつかない。 これは、高いネタに限らない。

裕福(ゆうふく)な家庭に生まれ、おぼっちゃん育ちの三島由紀夫には、このへんがわからなかったようだ。

 


 
12/11

アジア大会がタイで行われている。人口が多いこともあるのか、中国、韓国、日本が圧倒的に強いが、 最近は、タイやモンゴルの活躍(かつやく)が目立つ。

一般的な関心はサッカーにある。

日本語に敬語があるからと言って、サッカーの話をする時は、「小野さんは足が遅いですね」 なんて、言わない。

「小野、足、遅せえなあ」と言う。

きっと、日本語が上手な外国人も分からないに違いない。 サッカーフアンを除いては。 (人の名前がたくさん出てきますが、みな、サッカー選手です。)

A「福田って、だめだね。」
B「どうして、使うかねえ」
A「Jリーグでは、活躍してたからね。」
B「それにしても、3バックで、あんなにバックラインを上げて、大丈夫かね」
A「リスキーだね」
B「ああいうのは、バックスがヘディングで勝てないと、すぐ、裏をつかれる
  からなあ、今の日本には、無理じゃないの」
A「足は早いんだけどね、当たりにも弱いから、危ないね」
B「小野は変だったなあ」
A「まだ、子供なんじゃないの。稲本(いなもと)くらいかなあ使えそうなのは」 B「あのトルシエってのも、わかんないねえ、なんか、動物を調教 (ちょうきょう) するようなかんじ」
A「ははは、そうそう、インテリなんだろうな」
B「チェヨンスみたいなフォワード、欲しいねえ」
A「そうそう、なんか、あの殺気(さっき)がね、日本の選手にはないんだよなあ」
B「それもそうだけど、ヘッドも足も、大丈夫っていうフォワード、まだいない
  もんね、日本には」
A「そうか、言われてみれば、どっちかに、片寄ってるな」
B「いい方法、知ってるよ」
A「何」
B「これから15年くらい不景気が続けば、解決するよ」
A「ああ。。」
B「サッカー選手は、出稼(でかせ)ぎに出るしかないだろ、海外で 揉(も)まれて 強くなるよ」
A「そうか。。。」
B「そう、景気をとるか、サッカーをとるか」

 


 
12/14

夜逃げ(よにげ)という言葉は、日本語の教科書には出てこない。 これは、家賃や借金が払えなくなった家族が、夜に家財道具(かざいどうぐ) をまとめて逃げること。12月に多い。

日本では、12月の終わりには、貸したお金も、借りたお金も、精算して、 正月は、気持ちよく迎えたいという気持ちが強い。したがって、12月の月末は お金に困ることがある。

往年(おうねん)のハリウッド映画は、ラストシーンがクリスマスであること が多かったが、落語では、12月の夜逃げが舞台になることが多い。

大家(おおや)が夜逃げを手伝ったり、ゆっくりしている間に、朝、逃げること になったり、家賃が払えない住民が多い大家が夜逃げをしたりといろいろと バリエーションがある。主人公(しゅじんこう)にお金を貸していた人たちも 「夜逃げをするくらいなら仕方ない」と見て見ぬふりをすることも多かった ようだ。

実は、最近は、夜逃げ専門の引っ越し屋がある。もちろん値段は高いが、深夜に 音を立てずに、家具(かぐ)を運び出す。 時々、大家などに見つかり、カーチェイスになることもあるそうだ。 もちろんダミーの車も用意してあり、万全(ばんぜん)だ。

この夜逃げ屋をテーマにした映画も作られたが、残念ながら、ドキュメンタリー ほど面白くはなかった。

私も、夜逃げをされたことがある。 ある朝、レッスンに向かったら、ドアに、英語で、「すみません、急に引っ越す ことになりました。」と書いてあった、3回分のレッスン料は、未払いだった。 しかし、それよりも、日本語で、「ありがとごぜました」と書いてあったことがショックだった。

最後くらい正しい日本語を書いてほしかったものだ。

 


 
12/15

地方では、今でも、バスが最も重要な交通手段になっている。

料金は距離によって、変わることが多く、だいたい1000円以内だ。 都心では、料金は統一(とういつ)されていることが多い。 東京では、およそ、200円。東京は、高齢者(こうれいしゃ)に、無料の パスを配付していることもあって、老人が多い。

バスは、 決して、老人にとって、使いやすい乗り物ではない(揺れがひどい)が 都内では、70才くらいの老人が、80才くらいの老人に、席を譲る場面もよく、見られる。

この他に、駅と学校を結ぶ「学バス」というものもあり、これは、学生 でいっぱいになる。 どちらにしても、外国人には、使いにくい乗り物だ。経路(けいろ)も複雑 でバス停も、地図を読めなければ、見つけるのは、難しい。

東京で、バスに自由に乗れるようになったら、上級者になったと思ってもいい。 バスの中には、三味線屋(しゃみせんや)の広告などもあり、楽しい。

 


 
12/16

東京から近いある街には、「ゴジラのうんこ」と地元の子供達が呼ぶものがある。

それは、バブル時代に、市が街のメインストリートに作らせた彫刻 (ちょうこく)の数々だ。 今では、よごれてしまい、原形をとどめなくなっている。

その彫刻を 作った作家は、「バブル芸術家」と呼ばれた人で、前衛的な造型(ぞうけい)を 得意としている。当時、ロスアンジェルスに住んでいたらしく、その街には、 一度も来たことがないらしい。

その後、投資に失敗して行方不明 (ゆくえふめい)となった。 だから、今では、その彫刻が何なのか、誰もしらない。

今、その彫刻を見ると、ゴジラのうんこという名前は、すばらしい。
それを聞いて、あらためて、眺めてみると、まさに、ゴジラのうんこだ。
名前の付け方ひとつで、生きるものもある。

 


 
12/17

ベートーベンの九番目の交響曲(こうきょうきょく)は、なぜか、日本では、 年末のコンサートで演奏するものと決まっている。 年末には、各地で、この交響曲の合唱部分の練習が行われる。

中にはこのことを嫌って、「年末は 第九は演奏しない」という指揮者(しきしゃ)もいる。

以前に、アルバイトで、年末の第九のコンサートを手伝ったことがある。

合唱に参加するのは、すべて素人で、子どもからおじいさんまで、 大勢の人がいた。
しかし、それほど、楽しそうには見えなかった。私はお弁当を配る仕事をしたが 「まずい!」とか、「辛いものは、のどに悪い、そんなことも知らないのか!」 など、いやな思いをしたことも多かった。

演奏を聞きに来た人たちも、合唱に参加する人たちの家族がほとんどで、 誰もが知っている合唱が始まる第四楽章(だいよんがくしょう)まで、喫茶店でたばこを吸っている人も 多かった。 合唱に参加した人たちも、それを聞きに来た人たちも、演奏が終わると、 そそくさと帰路(きろ)についた。

「第九」はもはや、年末の退屈(たいくつ)な行事のひとつとなったのかもしれない。

 


 
12/18

アメリカでは、貧乏な野球選手を称(しょう)してチーズバーガーズという そうだが、私もマクドナルドで、時間をつぶすことが多い。
まわりは、高校生が多い。 女子高生3人。

「クリスマスは、どうするの」
「あたしは、彼のうち」
「ゆきの彼氏、自宅じゃなかった?」
「ああ、それは、前の彼。」
「え、あいつ、ちょー、かっこよかったじゃん」
「そ、ちょっと、もったいなかったけどね」
「へえ」

男子高校生の会話

「やっぱ、キス、うめえほうがいいよな。」
「とうぜんだろ」
「練習すりゃあ、いいんだよ、ほら、ならざきとかと」
「あいつ、男いるよ。すげえ、おっかねえやつ」
「だれ」
「なんか、知んねえけど、デザイナーとかってやつ」

サラリーマン2人の会話

「ウインドウズ98、インストールしたけど、動かなくてさ」
「あれ、だめですよ、95のほうが安定してますよ」
「USPって、何?」
「UBSですよ。あれ、USBだったかな?」

翻訳(ほんやく)が必要だ。

ちょー:すごく、とても、
うめえ:うまい、
上手な 練習すりゃあ、いいんだよ:練習すれば、いいと思うよ
ならざき:(女の子の名前らしい)
男いる:ボーイフレンンドがいる。
おっかねえやつ:こわいひと
知んねえけど:知らないけれども

マクドナルドは、小さな駅前には、ほとんどある。全国で5000店近くになるそうだ。
安いこともあって、 高校生が多い。 朝、7:00ごろから開いているところもあり、通勤 (つうきん)前のサラリーマンが、朝食をとっている所もよく、見かける。 昼は、子ども連れの主婦でにぎわう。

 


 
12/21

アジア大会は、タイで行われた。昨日、終わった。

アジア以外の地域の方は、あまり興味がわかないかもしれない。
世界レベルの記録は、あまり見られない。

陸上競技では、短、中距離で、世界記録とおよそ、1秒から2秒の差がある。 長距離では 中国選手が優秀で、質の高い勝負になる。

水泳では、ほぼ世界レベルの戦いが繰り広げられた。

柔道や空手などの格闘技が多いのもアジア大会の特色だろう。 柔道では、技術の戦いというよりも、駆け引きの要素が多くなり、ルール改正 を含めた今後の検討が必要だと感じられた。

セパタクローなど、個性的な競技も楽しい。セパタクローとは、タイで人気の あるスポーツで、バトミントンくらいのコートで、3人づつで争う。 ボールは、ハンドボールのボールよりちょっと小さいくらい。 それを、足と頭だけを使って、バレーボールのように相手のエリアに返す。 下に落ちたり、からだに当たると、ポイントを失う。

日本にも同じような遊びがあり、蹴鞠(けまり)という。これは、ある種の 宗教行事で、セパタクローと同じ大きさのボールを5.6人が輪を作って 落ちないように蹴り合う。

今回、あまり報道されなかったが、一部の国では、経済的な理由から 参加をあきらめた選手や、十分な用具を持てない選手も多く見受けられた。
アジア地域以外では、あまり報道されないこともあって、大手のスポーツ メーカーもスポンサーには、なってくれないようだ。

 


 
12/22

冬になるとおいしいもののひとつに、ふぐがある。

ふぐには、毒があり、料理するには、免許(めんきょ)が必要だ。

3年前、アイルランド人で日本語を勉強している人がいて、彼は、アイルランドに 帰る前に、ふぐを食べるためだけに下関に1週間、滞在(たいざい)した。

ふぐの本場(ほんば)は、下関。山口県の港町だ。地元では、厚く切ってたべる。 大坂では「てっちり」といって、ふぐを安く食べさせる店が多い。

一般的には、「うすづくり」といって、ふぐを薄く刺身にして、大きめのお皿 にのせる。お皿にはたいてい絵が書いてあり、その絵が透(す)けてみえなければ ならない。

東京で食べると、一人前、1万円から3万円は、覚悟しないといけない。

 


 
12/24

日本では、キリスト教を信じている人は、1%程度だと言われているが、 サンタクロースを信じている人は、多い。 12月になると、親は、さりげなく、子どもに、欲しいものを聞いたりする。

しかしながら、若い女性は、自分のボーイフレンドに、はっきりと、 「今年は、ハンドバックは、いらないからね」なんて言うらしい。

調査によると、今年は、女性は、ボーイフレンドに、平均 3万円程度のプレゼントを期待しているそうだ。

また、若い人の間では、クリスマスイブは、恋人と過ごすのが、慣例 (かんれい)となっている。 レストランやホテルの料金は、普段の日の1.5倍になる。
といっても、レストランでは、小さなケーキが付き、ホテルには、リボンを かけたチョコレートが置かれる程度のことだ。稼(かせ)ぎ時でもあり、テーブルの数は増え、隣の人と肘(ひじ)が当たったりする。

調子にのって、シャンパンなどを頼むと、あとで後悔(こうかい)することになる。

 


 
12/25

カナダ人の女性が、「日本では親しい間柄(あいだがら)の相手の体に 触れてはいけないのか」と質問してきた。

彼女によると、 「カナダや欧米では、あいさつの時に、握手(あくしゅ)をしたり、抱き合ったり するの。スキンシップは大事なことなのよ。親子の間でも、よく、抱き合ったり するし」 とのこと。

一方、日本では、握手の習慣さえなかった。 1年ぶりに、夫と(彼女は日本人の男性と結婚している)実家(じっか)に 帰った時、夫が両親と「ただいま」「おかえり」といったあいさつだけだったので、 驚いたという。

「カナダなら、抱き合ったり、キスしたり、もう、大変よ」
「でも、その、ただいま、とおかえりという言葉に、思いがこもっているんだよ」
「ええ、それは分るような気がするわ。でも、それじゃあ、ちょっと寂しい
  じゃない」
「そうだねえ。でも、特に日本人の男の人は、人前で、異性(いせい)の体に
  触れるのが、恥ずかしいんだよ」
「人が見てないと、大胆(だいたん)よ」
「解放されるんだろうな。。。それは、ともかく。。」
「でも、変な意味はないのよ。あいさつだけ」
「わかってるんだけどねえ。ああ、あの両方のほっぺにキスするのもいや だなあ」
「どうして?女の子の頬(ほお)にキスできるチャンスじゃない」
「いや、オレの場合、たいてい、女の子のほうが、背が高いから、かっこわるいんだよ。 だから、相手の女の子が体をかがめて、頬(ほお)を向けてくると
  『ああ、この子とは、いい仲になることは、ないだろうな』って、最初から
  がっくりするんだよ」
「そんなことないわよ」という彼女の言葉に力はなかった。

 


 
12/28

「いたずらの天才(てんさい)」という本がある。 著者はアメリカ人。アメリカで実際に行われた数々のいたずらを集めた本で、非常に面白い本だ。

中でも興味深いところは、エイプリルフールについて。

いたずらの名人は、 エイプリルフールは、あえて、何もせずに、他人のいたずらを、暖かい目で 見守るというところだ。
友人達は、あいつのことだから、何をやるかと待ち構えているが、 すました顔で、「やあ、今日は4月1日だね」なんてあいさつを返す。

なかなか、粋(いき)ですね

日本語教師は、一般的に、日本の文化一般に、多少は詳しいと思われている。
また、じっさいに、いろいろな質問に答えるたびに、調べることも多いので、 知識だけは、一人前だ。 日本の正月の過ごし方について、授業で教えることもある。
(教科書では、必ず触れられている)

では、日本語教師の正月の過ごし方は? 他の人は、知らないが、私の場合、朝、起きて、まず、たばこを吸うでしょうね。 そして、コーヒー。
ボサノバなどを聞きながら。メールのチェック。 ああ、今日は、休みだった。と、また、寝るかも知れない。 世紀末の一人暮らしの男性の正月は、こんなものです。

 



1998年11月


 
11/02

先日、サッカー雑誌を読んでいると、「韓国の選手に上半身裸(はだか) の写真を拒否(きょひ)された。まだ、日本の取材陣(しゅざいじん) を警戒(けいかい)しているようだ」という記事を目にした。

これは、私の知る限り、記者の誤(あやま)りで、韓国や中国では、人前で裸になることは、ほとんどない。 それは、マナーに反することなのだ。 日本の新聞や、雑誌の情報は、韓国にはすぐに伝わる。 彼が拒否したのは、当然なのだ。

一般的に、日本の人は、韓国や、中国に対して、親近感(しんきんかん)を 感じているが、このように「似た文化を持つ」という先入観から誤解が生じる ことも多い。

現在、日本でプレーしている韓国人のスポーツ選手は、一流の選手ばかりで 皆、すばらしい。やはり、サッカーで、韓国に追い付くのは、あと10年 くらいかかるような気がする。

 


 
11/04

「日本から見える外国」は、いくつあるでしょうか?

答えは、3つ。台湾(たいわん)は与那国島(よなぐにじま)から。
韓国は、壱岐対馬 (いき、つしま)から。
ロシアは、北海道から、それぞれ、見ることができる。

もちろん、昔は、国境(こっきょう)は、あいまいだったので、自由に貿易 (ぼうえき)が行われていた。鎖国(さこく)をしていた江戸時代でも 実は、ひんぱんに行き来(いきき)があったようだ。

そこで、自分の国から、最も多くの外国を見ることができる国は、どこかな、 と考えた。 少し考えて、ばかばかしくなった。答えは、おそらくイギリスなんですね。 イギリスには、イギリス領というものが、まだ世界各地にあるのでした。

 


 
11/05

少し前までは、だれもが毎日使う言葉で、今でも使う人は、少なくないもの のひとつに、「ごめんください」がある。 代表的な日本語の教科書には、載っていない。

小さな商店(しょうてん)などに入る時、 また、店に入ったが、店主(てんしゅ)がいないときなどに使う。 また、電話を切る時のあいさつにも、使う。これは、女性に多いようだ。

都会では、小さな店は少なくなった。使う機会は少ない。たまたま、 小さな店で、店主がいない時などは、「すいません」という人が多いように 思う。

1950年代のドラマや、映画などでは、「ごめんください」「ごめんよ」 「くださいな」「くださあい」など、いろんなバリエーションが聞かれる。

先日、70才ぐらいのおばあさんと話した。何かの拍子(ひょうし)に「ごめんください」は、教えないということに話題が及ぶと、 「じゃあ、ガイジンさんは、なんていうのかねえ。」 と心配していた。

 


 
11/07

銭湯(せんとう)の中で聞いた話。一人は80才くらい。もうひとりは 70才くらい。近所の顔みしりらしい。

おじいさん80「おや、見なかったねえ、元気?」
おじいさん70「しばらくちょっと病院、はいってたもんで。」
おじいさん80「ああ、ほんと! 何、このあいだの腎臓(じんぞう) が
        悪いとかいってたやつ?」
おじいさん70「いや、こんどは、喉(のど)がおかしくなっちゃって」
おじいさん80「ああ、そう。でも、もう、いいんでしょ」
おじいさん70「ええ、もうすっかり。」
おじいさん80「おたがい、歳とると、あちこちと、ねえ」
おじいさん70「でも、富沢さん、おたっしゃですねえ」
おじいさん80「いやいや、あたしも、最近は、もうろくしちゃって」

このあと、二人の話しは、近所の友人が亡くなった話になり、その後、 70才のおじいさんは、孫(まご)の話しを始めた。 両者とも元気そうだった。お風呂からあがって、二人は、ビールを おいしそうに飲んでいた。最近の銭湯には、ビールを飲むスペースも あるのだ。

*男性で、自分のことを「あたし」というのは、老人に多い。 東京では、よく聞くことがある。

 


 
11/09

11月に入り、ずいぶん寒くなってきたが、日中はシャツ一枚でもなんとか 過ごせる陽気だ。

季節の変わり目は、暑かったり寒かったりするせいか、かぜをひく人が多い。

かぜには、各国いろいろな民間療法(みんかん りょうほう)があるが、 日本で最も有名なものは、卵酒(たまござけ)かもしれない。 これは、作り方も地方によって違うが、主な材料は、卵と日本酒、それに砂糖 (さとう)だ。

日本酒を少しあたためて、それに溶いた卵と砂糖を入れる。 かつては、子供から大人まで、これを飲んだ時期があった。
おそらく、卵は栄養がある。お酒は、よく眠れるように。との理由から 使われることになったのだと思う。

昔、外国人にこれを話したところ、「かぜをひいた時にお酒を!」と 驚いていた。 しかし、こういう民間療法というのは、どこの国にもあるものだ。 ヨーロッパのある国では、水風呂に入るそうだ。

 


 
11/10

日本には、たくさんの島がある。

戦後しばらくは、水や電気、通信などは 不便な時期が続いたが、現在は、どこへ行っても大丈夫だ。 子供が一人でもいれば、小さな学校が作られ、教師が派遣(はけん)される。

先日、ある島出身の友人と釣りにいった。彼は信じられないくらいうまく、 実は大学生の時に、東京の大きな大会で優勝したそうである。 しかし、そのことを話す彼は、恥ずかしそうだった。私達は、「すごいねえ」 といったが、彼は、なおも、恥ずかしそうだ。

その夜、彼が話したところによると、先日、島に帰った時、島の友人に釣り大会 のことを話すと、友人は、笑って、「おまえが優勝なら、おれは、オリンピック に出られるよ」と言ったそうである。怒った友人は、「じゃあ勝負しよう」と 言ってしまった。

翌日、彼の同級生10人でやったつり大会で、彼は10位だった。

「東京のやつらは、釣りをしらないのじゃないか」 とまた、笑われたそうである。

 


 
11/11

商品券(しょうひんけん)政策(せいさく)というものが実現しそうだ。 これは、15才以下の子供と、65才以上の所得(しょとく)の少ない人に 2万円程度の商品券を政府が配るというもの。期限は半年。

いろいろな批判(ひはん)があるが、中でも心配されているのは、偽造 (ぎぞう)だ。この商品券は、全国の商店街などほとんどの店で使えるように なりそうなので、当然、本物かどうか見分けることは難しい。
人々は、長年の 経験から、無意識(むいしき)のうちにお札を判別することはできるが、 新しいものは、不可能に近い。 20%程度は偽造の商品券が出回(でまわ)るのではないか、と言われている。

ちなみに、最初は、日本に住む外国人にも配るという案だったが、いつもまにか 消えてしまった。日本語のレッスンに使ってもらえると思ったのに、残念だ。

 


 
11/12

今日、亡くなった淀川長治さんをどう説明したらよいだろうか?

1909年 神戸生まれ。3才のころから両親に連れられ映画館へ。

11才のころ、すでに一人で映画館に通うようになっていた。
中学のころは、問題を起こし、教師に呼び出された時、 「先生、ステラグラスを見てから、叱(しか)ってよ」
教師3人は、その夜、ステラグラスを見に行き、 感激した教師は、校長を説得、その中学校全員で見に行くことにした。

その後、映画雑誌の編集者となり、編集長に。 1930年代から40年代にかけて、多くの映画人に会っている。 ちなみに戦前は、開戦の前日まで、「Mr.Smith goes to Washington」などが上映 されていたそうである。

戦後、アメリカ兵が東京に溢れる。 「あなたは、アメリカのどこの生まれですか」 「シカゴだ」 「あなたたちは天使だ」 兵士はドッと笑う。 「泥だらけの顔の」 兵士は爆笑。すぐにジェームスキャグニーのまねをしてみせた。

戦後の混乱の中、”民主主義教育”のために多くのアメリカ映画が上映された。
「映画の質はいまひとつだ」と感じながらも、宣伝に日本各地を飛び回った。

戦後、ハリウッドを訪問した時には、最初の飛行機でクラレンスブラウン監督 と乗り合わせる。「Singing in the Rain」に出演する前のデヴイレイノルズと二人で「主題歌(しゅだいか)を歌ったこともあるそうだ。

ジョンフォード、フランクキャプラ、アドルフズーカー(パラマウント映画の創始者) などの大物の他にも、数々の名優(特に脇役が好きだった)、名監督にもインタビューしている。

その後、自費で、映画の会をつくり、雑誌の編集、テレビの映画の解説のかたわら 多くの映画好きの人のために映画の「伝道活動」をはじめる。

シェルタリングスカイに心酔(しんすい)した氏は、宣伝部長を自称(じしょう)し、日本全国を 回った。当時85才。

多くの本もでている。おすすめは、 「映画千夜一夜」「淀川長治 自伝」 これらの本を読みながら、淀川さんの語り口を思い出すことができる我々は幸せである。

同時に、淀川さんに見られることのない、これから作られる映画達の不幸を思う。

 


 
11/13

11日のコラムにも書いたとおり商品券が来年、配られるそうだ。
結局、 対象 (たいしょう)は15才以下と65才以上になりそうだ。

おばさんA「うちの息子なんか、さっそくおじいさんに予約してたわよ            ちゃっかりしてるでしょ」
おばさんB「ああ、あれね、うちも年寄りが一人いるけど、歩けないからね」
おばさんA「自分でつかうわけには、いかないしね」
おばさんB「そうよねえ」
おばさんA「結局、一回、ごちそうして、おわりね。」
おばさんB「そうね。」

結構、うれしそうだった。さて、おじさん達は

おじさんA「あんなもん、だめだよ。結局さ、ほら、デパートの商品券みたい         なもんだろ。1000円の券なんて、すぐなくなっちゃうよ。」
おじさんB「ああ、1000円なの? じゃ、だめだな。」
おじさんA「あれ、ゴルフ場で使えんの」
おじさんB「どこでも使えるって、言ってたよ」
おじさんA「ああ、じゃあ、行くか?」

今のところ、65才以上の人、すべてに配られるかどうか、わからない。
健康な人には、配られないという話しもある。ゴルフ場で使うのは難しいかもしれない。

 


 
11/16

先日、ホームページを作るソフトを買った。 今まで使っていたものより価格は半分で、機能は、倍。

5000円程度のこのソフトは、1年前なら、6.7万円で、売られていたレベル
のものだ。 ライバルのソフトを買う理由は、見当たらない。

コンピューター業界は 白黒がはっきりしている。このソフトを超えるものも、すぐに、発売される だろう。 現在、日本国内で、本当に力のあるソフトを作っているのは、日本語の入力 ソフトを作っているメーカーを除くと、あまり見当たらない。
ハードも国内メーカーは、ほとんど海外のパーツを使っており、95%以上が 海外製だという話しなどをよく聞く。

そういったコンピューターも「国産」として売っているわけだ。もっとも、 昨今、電化製品(でんかせいひん)は、「**国製」というのは、無意味になりつつ あるようだ

 


 
11/17

東京でコンピュータを買うなら、秋葉原(あきはばら)と新宿の西口。 値段はほとんど変わらない。ただ、秋葉原のほうが、種類が多いようだ。

例えば、秋葉原では、英語のOSがインストールされたコンピュータが、ほぼ 外国と同じ値段で買える。モニター、モデム付きで、12万円程度。 日本ではプロバイダは、加入(かにゅう)が、3000円。接続(せつぞく)は 一ヶ月で3000円くらい。

5.6年前、ビデオの値段は、10万円程だった。少し高かったが、日本に住む 外国人のアパートには、収入の多寡(たか)にかかわらず、必ずあった。 韓国人は韓国人用の。タイ人には、タイ人用のビデオ店があり、貴重な情報源 となっていた。

現在、東京に住む平均的な収入の外国人にとって、次に欲しいものは、ケーブル テレビ(BBCやCNNなどが見たい)か、インターネットの接続機器だ。 両者を合わせたWebTVという選択肢(せんたくし)もあるが、これは、まだ 宣伝不足。外国語のサポートも少ない。

とにかく、あと、2年もすれば、日本に住む外国人のほとんどがインターネット に接続するようになるだろう。

 


 
11/18

「星に願いを」はディズニーの名曲で、いろいろな演奏(えんそう)がある。 ジャズでは、ルイアームストロング、ソニーロリンズなど、 サービス精神旺盛(せいしんおうせい)なミュージシャンはよく演奏 している。しかし、ジャズミュージシャンにとっては、コード進行に面白み がなく、やりにくい曲だ。

日本の芸術では、なぜか、星がモチーフになることは少ない。和歌(わか)や 俳句、日本画でも、星が描かれたものを、見ることは、まれだ。 「星に願いをかける」という考えは、あったのだろうか?

今夜の獅子座(ししざ)の流星群(りゅうせいぐん)は、日本からは、東の空に見える。 東アジアでは、ちょうど夜なので、はっきり見える。 いろいろな場所で、いろいろな願いが聞かれるだろう。

今回、この流星群を見た人は、生涯(しょうがい)、これを超えるものを見ることは難しいそうだ。 景気の回復など野暮(やぼ)な願いではなく、愛する人の健康でも祈りましょう。

そろそろ、はじまるので、行ってきます。

 


 
11/19

Windows95の発売後、インターネットブームとなったが、1年ほどで終わって しまった。企業でも、インターネットは商売にならないと、次々と、手を引いた。
現在では、製品の紹介と、会社の地図がある程度だ。 電子商取り引きも、軌道(きどう)に乗っていない。

「儲からなければやらない」こういうことは、この国では徹底している。 企業の情報開示(じょうほうかいじ)などは、まったく進んでいない。 環境への取り組みも「儲けにつながらない」ので、やらない。

では、大学はどうか?

日本の大学のウエブサイトは、退屈なサイトのお手本(てほん)のような ものだ。論文はリストがあればよいほうで、論文そのものは、読むことは できない。 有用な情報はいっさいなく、代わりに、関係者の趣味などがだらだらと書いて あったりする。 国内では有名な大学でも、英語版は2年も工事中だ。

友人の外国人に、「なぜ?」と聞かれるたびに、答えに窮(きゅう)してしまう。 せめて、学部に一人、ウエブ担当を雇えば、問題は解決するのだが、まあ、 やらないでしょうね。

大学のウエブサイトが充実しないと、インターネットなど、なんの役にも 立たないと言われても、仕方のないところだろう。 電子取り引きや、ビデオ技術などより、まず、テキスト情報の充実が大事だ。

インターネットが真価(しんか)を発揮するのは、こういうことだと思っている。

例えば、 ルーマニアの魚屋のおじさんが、ふとしたことで、東洋の絵を手にする。 絵には、変なサインが入っている。彼は、気に入って、リビングに飾る。 最初は、単なる、東洋趣味に過ぎなかったが、年月を経て、彼の人生には、 欠かせないものとなり、画家に対する興味が生まれる。

ある日、たまたま、家に来た、友人が、「それは、ウキヨエというものだ。日本の絵だよ」

さあ、彼は、インターネットで、浮世絵について、調べる。 しかし、今、日本の大学には、浮世絵に関する情報は、限り無くゼロに近い。
文学でも、歴史でも、科学技術でも、同じことだ。大学というのは、 世界中の好奇心に答えなければならない公的機関なのだ。 ルーマニアの彼は、今なら、迷わず、アメリカやイギリスの大学や、美術館の ウエブサイトにアクセスするだろう。浮世絵のデータはこれらの所には豊富にあるからだ。

現在の日本の大学のウエブサイトで役に立つのは、大学への地図ぐらい だろうか? そう、彼等は、身内(みうち)のために、作っているのに過ぎないのだ。 大学に備品(びひん)のセールスに行く時には、役に立つと思う。

 


 
11/20

先日の流星群(りゅうせいぐん)の見物には、深夜にもかかわらず、 多くの人が集まった。私のアパートから、歩いて10分のところにある河川敷にも 100人以上の人がいた。高校生のグループや、家族連れ、カップルなど。

カップルは、、、

男「星を見るのは、何年ぶりかなあ」
女「私、天文部(てんもんぶ)だったから、よく見たよ」
男「えっ、ホント、どうして、今まで、教えてくれなかったの」
女「だって、かっこわるいじゃん(かっこわるいでしょう)」

高校生は、

女の子1「あっ、でたでた、すごい、私4っ目」
女の子2「えー、むかつくー、わたし、また、見れなかった」
女の子3「(けいたい電話で)もしもし、今、右のほうにでたよ」

家族連れは

妻「どこにあるか、わからないよ、寒いし、帰ろう」
夫「じゃあ、先に、帰れよ」
妻「歩いて? 運転してよ」
夫「だいたい、おまえが、見たいっていうから、来たんだろ。じゃあ、車の中     で待ってろよ、オレは、あと1時間はいるから。」
妻「そんな、カゼひいちゃうよ。どうして、あなたは、、、、、」

この後、小声(こごえ)で、ケンカが始まった。 私は、携帯電話(けいたいでんわ)の高校生も、この喧嘩(けんか)も うるさかったので、帰ることにした。
流れ星(ながれぼし)は、5つ見た。

 


 
11/23

日本でプロサッカーが始まったのは、5年前だが、今年は、不況(ふきょう)の影響もあって、次々と企業は チームを手放しはじめた。 テレビの視聴率(しちょうりつ)も落ち、放映権(ほうえいけん)も売れなく なった。リーグのスポンサーも撤退(てったい)しはじめた。

日本のプロサッカーリーグ(Jリーグと呼ぶ)の基本的な考え方は、地方の 自治体
(じちたい)などといっしょに、市民(しみん)スポーツを育てることにあった。

日本では、大人がスポーツを無料で楽しむことは不可能に近い。

例えば、東京では、公営のテニスコートは、平日の昼間に抽選(ちゅうせん) が行われる。大人は、当然、行けない。 また、土日のコートの予約は、よほど運がよくないと、難しい。 しかも、これらのコートは、シャワーなどがない土のコートで、 あまり快適(かいてき)とはいえない。 当然、公営のサッカーグラウンドを予約しようなどという人は、ほとんどいない。 競争は、激しいし、予約できても、2時間程度だ。

では、私営(しえい)のテニスコートはどうか?

私のアパートの近くのテニスコートは、1時間一人4000円である。。。。 したがって、私営のサッカーグランドなどは、存在しない。採算があわないからだ。

都心には、企業のグランドや、室内スポーツ施設があるが、これは、一般に 開放されていない。あくまでも、社員のために使われる。

Jリーグの試みは、日本で、スポーツを楽しみたい人々が、気軽に楽しめる 施設(しせつ)を作る最後の選択肢だ。現在、地方自治体(ちほうじちたい) も赤字(あかじ)に苦しみ、次々と、土地を手放している。
企業の協力なしには、スポーツ施設の建設は進まない。 Jリーグは、サッカーだけでなく総合スポーツ施設を企業と共同で作っていく 国家的なプロジェクトだったと言ってもいい。

5年前は、この企画に、賛同し、揃って「これからは、豊かさを実感できる 環境作りをお手伝いしたい」などと言っていた企業も、手のひらを返したように 「赤字続きで、宣伝にもならない」と、批判をくり返すようになった。

中にはライバルチームへチームを売る企業なども現れた。
サッカーファンもなめられたものだ。 経営に苦しむチームは、現在、5つ以上ある。外資系の企業は、チャンスだ。 年間最大10億の赤字は、これからは、減る一方だし、見返りは、 計り知れない。

この種のことは、はじめたからには、責任がともなう。 私は、不況(ふきょう)の中、チームの維持を決めた、各スポンサーの 商品は、無理をしてでも、買おうと思う。

そして、チームを、備品のようにライバルチームに売り飛ばした全日空(ANA) には、乗らないことに決めた。

しかも、この会社は、最近、整備体制(せいびたいせい)の不備で、国から史上初の勧告(かんこく)を、受けている。 つまり、「安全」と「社会への還元(かんげん)」をまっさきに「削減 (さくげん)」したわけだ。

しかし、その後、チームの売却(ばいきゃく)を決めた全日空の株価(かぶか) は上がった。 市場(しじょう)は、会社の品格(ひんかく)は判断できないのだ。

 


 
11/24

東北や北海道では、雪が降るようになった。

日本の電話は、3分10円。夜11時から朝8時までは、一ヶ月1800程度を払えば 使い放題(ほうだい)だ。 したがって、インターネットのユーザーは、その時間帯に集中する。特に11時 から深夜の2時までは、渋滞(じゅうたい)が激しい。

日本は、ISDNの普及度(ふきゅうど)が高く、コストも安い。 初期投資(しょきとうし)に3万円程度、あとは、月々2000円程度の出費だ。 結局、インターネットに接続する費用は、一ヶ月3000円から5000円でしょうか?

あなたの国と較べると、高いですか?

 


 
11/25

日本の場合、不景気(ふけいき)の対策(たいさく)の最初に考えられるのは、 公共事業(こうきょうじぎょう)だ。 これは、100年間、ひょっとすると、もっと昔から、変わらないやり方だ。

道路(どうろ)や、橋(はし)の整備(せいび)。河川(かせん)の整備など が行われ、地方の雇用(こよう)が増える。建設業界が、活気(かっき)を 取り戻し、不動産事業も、資金を運用できるようになり、住宅事情にも、 好影響(こうえいきょう)がでる。

しかし、今回は、そうならない。なぜなら、建設各社は、この需要(じゅよう) を、見越(みこ)して、淘汰(とうた)を先延(さきの)ばしにしてきたからだ。

現在、日本には、多くの建設会社があり、ゼネコンと呼ばれている。
そのほとんどは、実質的には、倒産(とうさん)しても、おかしくない 状態だ。

雇用が減り、主要な産業を公共事業に頼る地方は、ともかく、仕事が欲しい。 そこで、大規模な河川事業やダム建設が行われる。これらは、道路や橋の工事 に較べると、桁違(けたちが)いに、大きな収入となるからだ。倒産すべき会社を公的なお金で守ることは、「緩慢(かんまん)な死」を先延ばしにするだけであることは明らかだ。

また、言うまでもなく、理由もなく行われる河川事業が環境にもたらす影響は深刻だ。

ちなみに、日本には、多くの川があり、都市には、代表的な川がかならずある。 現在、30才以上の人は、子供の頃、その川の上流(じょうりゅう)や中流 (ちゅうりゅう)で、遊んだ記憶があるはずだ。 しかし、その記憶は、30才以下の人々とは、もはや共有できない。 日本の川は、今や、子供には、単に危険な場所でしかない。

 


 
11/26

寒くなってくると、「そろそろ、鍋(なべ)でもやりますか」と友人から 電話がかかってくる。

鍋とは、ちょっと大きめの鍋に肉や魚、野菜などを入れ、煮ながら食べる 料理。

ひとつの鍋のまわりを何人かで囲んで食べる。 材料は、なんでもいい。肉でも魚でも、野菜といっしょに水か出汁(だし)で煮ればいい。 それぞれ、小皿に大根(だいこん)をおろしたものに、ポン酢しょうゆなどを 入れ、食べる。
鮭や牡蠣(かき)を入れたり、みそで味付けをしたり、キムチを入れたりするのも おいしい。

たいてい、4.5人で食べることになるので、必ず一人は、 「その肉、もう食べられるよ!」 「そろそろ、野菜を入れた方がいい」 などと言う人がいる。こういう人を「鍋奉行(ぶぎょう)」とか「鍋将軍(なべしょうぐん)」という。

私のやり方は、鍋に水を入れて、骨付きのとり肉を入れ、水から煮る。 しばらくして野菜、豆腐などを入れる。それだけ。 とりの骨からスープが出るので、大根おろしと、ポン酢しょうゆだけで食べる。
最後に、うどんや、ごはんを入れて、食べると、また、美味しいんですね。 このやり方は、九州でよく見られ、「水たき」と呼ぶ。

冬に首脳会談(しゅのうかいだん)を行う時には、フランス料理などではなく、 鍋でやればいいのに、と思う。

「あ、金さん、そこ、肉、もういいですよ」
「マハティールさん、ちょっと、しょうゆ、とって」
「ブレアさん、それ、ポン酢しょうゆ、入れ過ぎ」 などといいつつ
「それにしても、ヘッジファンド、ちょっと、問題あるねえ」

なんて会議はなかなかいいと思いませんか?

 


 
11/27

日本、特に東京の物価は高い。マクドナルドのハンバーガーは、 今、ひとつ130円。(2000年には65円になった)ちょうど、1ドルぐらいだ。

マクドナルドのアルバイトは、1時間750円。
映画は、1800円。
ビデオのレンタルは、新しい作品は一日400円。
タバコ (フィリップモリス)は230円。
たまごは、ひとつ10円ぐらい。

イギリス人「日本はなんでも高いねえ」
日本人  「何か、日本で安いと感じたものある?」
イギリス人「タバコぐらいかなあ」
アメリカ人「コピーも10円だから、安いかもね。でもアメリカだともっと安いよ」 日本人  「そうか。食べ物は?」
イギリス人「うううん、高いし、あまり、おいしくない」
アメリカ人「ああ、そうそう、肉とか、野菜は、どうして、おいしくないの」
日本人  「日本では、肉も野菜もほとんど工場みたいなところで作るからね」

これは、説明が難しい。

アメリカ人「レストランのステーキなんかは、おいしいけど、高いよね」
日本人  「あれは、ちょっと、ねえ。ほかに、安いものは?」
イギリス人「あ、そうそう、ティッシュは安いよ」
アメリカ人「そうそう。ただで、配ってるしね」
日本人  「ううん。そうか….」

日本の物価の高さは、実際に生活してみるとよくわかる。

 


 
11/30

先日、クリントン大統領が来日し、あるテレビ局で、視聴者(しちょうしゃ) との対話(たいわ)が行われた。

大坂の女性が、例の女性問題について、「わたしなら許さないが、奥さんは 許してくれましたか」と聞いたことが話題になった。
あとは、クリントンさんが喜びそうな質問ばかりで、 退屈なものだった。

面白かったのは、質問者が最初に自分のことを述べるところ。

「Sonyの**です。」

「三井物産(みついぶっさん)の**です。」

と、自己紹介する人がいたので、何か、会社のことでも質問するのかと 思うと、まったく違う質問をしていたことだ。

これは、日本では一般的な自己紹介のやり方で、まず、最初の自分が所属する 会社、団体、グループの名前。それから、名前。の順番で、 「**の**」となる。
しかし、この日の場合は、国際的に有名な会社に限られますね。

困るのは、ガールフレンドの家に電話する時。

「もしもし、山田と申しますが」と言うと、かなり高い確率(かくりつ)で 「はい、どちらの山田さんですか?」 などと家族の人に聞かれることだ。

どこかに所属していないとガールフレンドの家にも電話ができないのだ。

 



1998年10月


 
10/01

日本の会社のほとんどは、株式(かぶしき)会社と有限(ゆうげん)会社だ。

法律(ほうりつ)では、株式会社を作るのには1000万円。有限会社は、 300万円必要となっている。しかし実際(じっさい)は、業種(ぎょうしゅ) にもよるが、準備など、少なくとも、3倍は必要だと言われている。

ヨーロッパと較(くら)べると、3人から5人くらいの小さな会社は少ない。
特に東京では、ランニングコストが高く、小人数ではほとんど利益(りえき)が でないからだ。 法律の手続きも難しく、専門家(せんんもんか)が必要だ。

インターネット上では、COMドメインというのは、100ドルだ。 それで、IBMやマイクロソフトと同じということになる。

Web Japaneseは、今日からCOMドメインになりました。

 


 
10/02

ラッシュアワーの電車の中で、座っている人は、半分は、寝ている。
立っている人は、黙(だま)って、広告や窓の外を見ている。

20%の人がやっていることがある。何だと思いますか?

日本では、通勤の電車の中で本を読む人が多く、5人に1人は本を読んでいる。
そういう人のかばんには、常に1.2冊の本は入っている。

私のアパートの近くの地下鉄の駅には、無料で本を借りられる本だながあり、 好きな本を持っていってよいことになっている。
その本だなは、全部で50冊 くらい。夏目漱石の「草枕」もあれば、谷崎潤一郎(たにざきじゅんいちろう) もある。 シェイクスピアもあるし、「インコの飼いかた」まであった。

本には、カバーをかけている人が多い。自分がどんな本を読んでいるか、 他の人に知られるのが、はずかしいのだ。 先日、源氏物語(げんじものがたり)を読んでいる人を見かけた。

 


 
10/02

今日は朝から、ひんやりとした風がふいている。本格的な秋だ。

10月と6月は「衣替え(ころもがえ)」といって、制服(せいふく)が 変わる季節でもある。 日本の学校は大学を除いてほとんど制服を着ることになっている。
会社でも女性の社員の一部は、制服を着なければならない。

10月1日から、いっせいに、変わるので、町の風景(ふうけい)にも影響する。
長袖(ながそで)になり、夏の制服より濃い色になる。

虫の音(ね)に秋をきき、木々の色に秋を見ることは、 都会(とかい)では難しい。 衣替えは、最後に残された秋のサインかもしれない。

 


 
10/03

日本人は麺類(めんるい)が好きだ。私は、毎日、食べるという友人を二人、知っている。

どんなに小さな町でも、必ず麺類の店がある。 特に人気があるのが、そば、うどん、ラーメン、などだ。夏にはそうめんも 食べるが、これは、なぜか店のメニューにはなかなかなく、家で作ることが多い。

そばは、東日本、うどんは西日本で人気がある。 また、つゆの種類も違う。東日本は、黒っぽい。西日本は、透明(とうめい)。

ラーメンは、北海道は、豚(ぶた)の骨(ほね)からスープを作り、みそを加える。 関東は、鳥と豚の骨のブレンドにしょうゆ。九州は、豚の骨だけで、かなり濃いスープだ。

また、季節によっても、変わる。

夏は、「冷(ひ)やし」と呼び、冷たい麺。 それを、つゆに浸(ひた)して食べる。 夏はひとつの容器(ようき)に、酸っぱいスープと麺が入る。 冷やし中華(ちゅうか)というものもあり、これは、冷たいラーメンの麺に、 たれをかけたもの。
夏になると、「冷やし中華、始めました」という 貼紙(はりがみ)を、ラーメン屋で見ることができる。

ラーメン、うどん、は外国人にも人気がある。ラーメンは、中国の食べ物だが、 日本に輸入されてから、ずいぶん変わった。

そばは、主に関東で人気があるが、マナー好きの関東の人間は、いろいろと 食べ方に対して意見があるようだ。それについては、また後日(ごじつ)。

 


 
10/04

日本のテレビ、雑誌は、最近、起きた保険金(ほけんきん)殺人の話題でもちきりだ。

東京では、テレビ局は、7つある。そのうち2つは、国営放送で、残(のこ)りは、 新聞社がスポンサーのテレビ局だ。民放(みんぽう)と呼ぶ。 民放の娯楽(ごらく)番組(ばんぐみ)の割合は高く、一日のうち、 80%は、ドラマやスキャンダルを扱う番組などだ。個性(こせい)は、 ほとんどないといって言いだろう。

テレビの影響力(えいきょう りょく)は新聞や雑誌よりも強く、朝、起きて から、寝る前まで、ずっとテレビをつけている人は多い。

しかし、最近、20から30代前半の人に、テレビを見ない人が増えてきた。 私の回りには、ニュースとスポーツしか見ないと言う人が多い。

少し上の30代の後半から40代にかけては、テレビ世代と言える。この人達は、 どんなことがあっても、まず、テレビをつける世代だ。

一方で、新聞の権威(けんい)は、下がってきている。 日本のインターネット ブームは、テレビと新聞の間を埋めるものと考えて いいだろう。

 


 
10/08

昨日、韓国(かんこく)のキム大統領(だいとうりょう)が来日(らいにち) した

民主活動家(みんしゅ かつどうか)として知られるキム大統領は、 73年、日本で、当時の韓国の軍事政権(ぐんじせいけん)によって韓国に、拉致 (らち)された。
日本政府は、当時の韓国の政権や経済界との関係を重視(じゅうし)し、沈黙(ちんもく) した。

25年前、後手(うしろで)に縄(なわ)をかけられ、出国したひとりの民主活動家が 大統領となって、再び、来日した。

キム大統領は、韓国内での日本文化の解禁(かいきん) に積極的(せっきょくてき)だと言われている。 (現在は、韓国で日本語で歌を 歌ったり、日本の出版物を自由に出版することは、できない)これが実現すれば、今年、唯一の、よいニュースになるのではないだろうか。

 


 
10/09

今日は、あたたかかった。野球では、横浜ベイスターズが優勝(ゆうしょう) した。近くに、横浜出身の日本人がいたら、「おめでとう」といってあげて ください。38年ぶりなんです。

韓国のキム大統領は、今日、日本の国会(こっかい)で、 力強いスピーチをした。

韓国人と日本人は、よく似ていると言われる。実は、日本人にも見分けが つかない。 日本の地名にも古い韓国語が、たくさん残っている。 中世に朝鮮半島から日本へ渡ってきた人の数は、一説(いっせつ)には、 数十万の単位(たんい)で、これは、当時の日本の人口の10%近くになるそうだ。

しかしながら、文化は、ずいぶん違いがある。韓国は肉食(にくしょく)の伝統が長いが 日本では、まだ100年たらずである。 また、韓国では、儒教(じゅきょう)的な考え方は、現在でも非常に影響力を持っているが、 日本では、それほどでもない。儒教に関しては、韓国はいつも教室でも前の机に座る とびきりの優等生(ゆうとうせい)。
日本は、教室の中で、窓から外ばかり見ている。不良(ふりょう)学生。 といったところだ。

もうひとつ、大きな違いは、性に対する考え方だ。韓国は、非常に保守的。 対する日本は、おそらく、アジアで最も開放的ではないかと思う。

しかし、私は、密(ひそ)かに、韓国はアジアのイタリア。と呼んでいる。 まじめそうだが、本来、明るく、冗談(じょうだん)が好きで、人がいい。 家族を何よりも大事にする。少々、時間にルーズなところも似ている。

隣国(りんこく)同士というのは、仲が悪いものだと相場(そうば)が決まっている ベルギー人がオランダ人をジョークの種(たね)にし、ドイツ人がフランス人を バカにするのを、うらやましいと思ったことがある。

今、日本では、韓国人の悪口を言うのはタブー視(し)されている。
お互いに、悪口くらい気軽に言える仲になりたいものだ。

 


 
10/13

今日は俳人(はいじん)の松尾芭蕉(まつお ばしょう)が亡くなった日。

芭蕉が代表作、「奥の細道(おくのほそみち)」を書いたのは晩年(ばんねん) であった。この書が日本の紀行文(きこうぶん)の人気の出発点となった。
いまでも、日本の書店では、紀行文のコーナーに大きくスペースが割かれる。
人気があるジャンルだ。

芭蕉は武士として生まれ、その後、俳句で生きることを決め、 結婚もせず、住居(じゅうきょ)も持たない生活を続けた。 資料(しりょう)によると、旅行中は、書(しょ)を書いたり、教えたりしながら 生活していたようである。

江戸時代というのは、不思議な時代で、普通の農民(のうみん)でも、話すのが 上手だったり、歌がうまかったりすると、無料(むりょう)で旅ができたらしい。
地方では、旅人が運んでくる新しい技術(ぎじゅつ)や情報(じょうほう)を 大事にした。

「奥の細道」を書いたころの芭蕉は、すでに有名だったので、 少しは、旅も楽だったと思われる。

 


 
10/14

そばは、食べ方が難しい。人によってルールが違うからだ。

メニューはたくさんあるが、通(つう)が注文するのは、もりそばか、てんぷらそば。そばが来たら、めんは、 真ん中から少しづつ取り、麺の下のほう2割ほどをつゆにつける。

おそらく、外国人にとって一番難しいのは、ここからだ。 音をたてて、素早く(すばやく)食べる。そばはゆっくり食べるものではない。
食べ終わると、店の人は、そば湯を持ってくる。それを、つゆの中に入れ、飲む。

吉田健一という批評家(ひひょうか)によると、本当の通というものは、まず、天ぷらそばを注文して、 それを「見ながら」お酒を飲むそうである。
ときどき、はしで、天ぷらを つつく。
つつくだけ。
食べない。

東京出身で、中年の男性に「この食べ方でいいですか」と聞いてみよう。
必ず、「だめだよ。そんなのは田舎者(いなかもの)だ。」と言うに ちがいない。
いい日本語のレッスンになるので、試してください。

 


 
10/15

紅葉狩り(もみじがり)というのは、いい日本語だ。

今はもみじは楓(かえで)のことと考える日本人が多いが、本来(ほんらい)、 葉(は)の色が赤や黄色に変わることを意味した。最近は「こうよう」と 読み、一般的に葉の色が変わることを言うことが多い。

紅葉の名所(めいしょ)というは、各地(かくち)にある。電車で2時間ほど の距離(きょり)であることが多い。しかし、最近は雑誌が特集(とくしゅう) するので、有名な所は、若いカップルが多くなった。

結果として、紅葉の名所の近くの駅には、マクドナルドができる。 駐車場(ちゅうしゃじょう)が増える。ごみは、あふれる。 ラブホテルが建つ。

「名物(めいぶつ)に、うまいものなし。」とよくいわれるが、今や、 「名所に、よいところなし」ということに、なってしまった。

 


 
10/16

ここ10年で、急激(きゅうげき)に、町の中から減ったものがある。

灰皿(はいざら)だ。

嫌煙権(けんえんけん たばこのけむりを拒否する権利)という言葉が 日本でも使われだしたのが、約10年前。ちょうど、日本の経済が 下り坂(ざか)に向かったころで、ビル管理会社(かんりがいしゃ)や 鉄道会社には、人件費(じんけんひ)を減らせるよい口実(こうじつ)と なった。

また、ここ5年で、会社にコンピュータが本格的(ほんかくてき)に 導入(どうにゅう)された時期と重なり、社内でも吸いにくくなった。

日本では、最近、男性の喫煙者(きつえんしゃ)は減っているが、女性は 増えている。 駅の喫煙(きつえん)エリアでは、40才以上の男性と、若い女性の姿をよく みかける。

現在、たばこは、一箱、約220円。来年から240円になる。

 


 
10/19

「修理する」という日本語は、使うことが少なくなった。

例えば、ビデオデッキ。

現在、新しいものが、3万円くらいで買える。 2年くらいで、壊れるので、修理に出すと、1万5千円ほどかかる。
ここで迷ってしまう。新しいものならバーゲンで、2万円で買えるからだ。

多くの人は、古いものを捨て、新しいビデオデッキを買いにいく。 店の人に、「少しよいものを買ったほうがいいですよ」などと言われ、 5万円くらいのものを買ってしまう。

もちろん、このビデオデッキも2年後に、壊れるのだ。

 


 
10/20

先日、8さいの子供をマンションからつき落とす。という事件があった。

犯人は19才の少年。前日に事件を起こしており、少年院(しょうねんいん)に 行くのが、いやだった。そこで、自殺(じさつ)しようと考えた。 彼は、本当に死ねるかどうか、「実験のため」子供を、つき落とした。

この事件は、比較的、小さなニュースとして扱(あつか)われた。 現在、毒物(どくぶつ)を使った殺人事件が多発(たはつ)しており、 容疑者(ようぎしゃ)の逮捕(たいほ)が近かったからだ。 後日、少年は、覚せい剤(かくせいざい)をやっていたことが分かった。

日本では、覚せい剤などの麻薬(まやく)は、禁止されている。 他にも、睡眠薬
(すいみんやく)などの常習(じょうしゅう)性の高い薬品は 規制(きせい)が厳しい。 マリファナなどは、人体に害はないと言われ、許されている国も多い。

しかし、幸いなことに、国内では、よくないことだと考える人は多数派で、今のところ 規制は続きそうだ。

 


 
10/21

10月から11月にかけては、各地(かくち)で祭が行われる。 この時期は米の収穫期(しゅうかくき)にあたるので、収穫を感謝(かんしゃ) する最も重要(じゅうよう)な祭だ。

東京に住む読書好きの人が待っている祭、それは、毎年、今月の30日から一週間ほど 神田で行われる「古本祭り」。 神田には、200店以上もの古書店(こしょてん)があり、いっせいに、バーゲンをする。 漱石(そうせき)も谷崎(たにざき)も、源氏物語(げんじものがたり)も 一冊、30円から100円程度で買うことができる。

ところで、古書(こしょ)とは、古くて貴重な本のことだそうで、 古本(ふるほん)は、単に古い本。と 分けて考えるようだ。

一般的に、店主は、古書店(こしょてん)と呼ばれることを好み、 古本屋(ふるほんや)と呼ばれると、聞こえないふりをする。

 


 
10/22

エスキモーというのは、「生肉(なまにく)を食べる人」という意味で、これは、 差別(さべつ)にあたると考えられている。最近はイヌイットと呼ぶそうだ。

日本では、生(なま)で食べることが多い。海で取れるものは、ほとんど生で 食べる。ただし、肉類は、火を通して食べる、という考えが強く、レアの ステーキを注文する人は、昔は、少なかった。

最近は、韓国料理の影響で、焼き肉屋などで、生の肉を出す所も多く、生肉を食べることには、 抵抗(ていこう)がなくなった。

欧米の人は、まだ、魚を生で食べることに抵抗を感じる人が多いそうだ。

秋は、そういう人も、楽しめる季節だ。そろそろ、牡蠣(かき)の季節だ。

 


 
10/23

「面白い日本のジョークを教えてくれ」 これが、最も困る質問だ。

もちろん、面白い短い話は、落語(らくご)にもたくさんあるが、あれは、 「どう話すか」が重要なのであって、「何を話すか」はそれほど問題では ないからだ。これを外国語に訳すのは、不可能だ。

俳句(はいく)に似た川柳というものがある。これは、俳句と同じ字の数で 作る。季語は必要ない。 最近は、サラリーマン川柳というのが流行っていて、面白いものがたくさんある ただ、これも、日本の会社の事情(じじょう)がある程度わかっていないと 分かりにくい。

コメディアンが、日本語に与える影響は、最近、非常に重要に なっている。夏目漱石の小説が、江戸落語を規範(きはん)としていたことは 有名だ。

 


 
10/27

日本でもペットとして飼(か)う動物(どうぶつ)は、犬(いぬ)と猫(ねこ)だったが、 最近は、へびや、ハムスターを飼う人も増えている。

最近は野良犬(のらいぬ)は少なくなったが、野良猫(のらねこ)は、多い。 これらの犬、猫は、保健所(ほけんじょ)に送られ、「処理(しょり)」される。
つまり、殺されるのだ。 この数は、世界で最も多いということだ。特に都会では、多いそうだ。

飼主(かいぬし)に捨てられた猫や犬を、捨(す)て猫、捨て犬という。 かわいいから飼う。かわいくなくなったから捨てる。こういう人が増えてきた。

しかし、新しいから買う。新しくなくなったから捨てる。というサイクルの早い消費文化が 日本の経済を支えてきたのも事実だ。

この捨てられるペットの増加(ぞうか)もある意味で日本的な現象(げんしょう) なのだろうかと考えると、うんざりしてしまう。

 


 
10/28

昔、山上憶良という人がいて、宴会(えんかい)の途中で帰る時に、
『憶良らは、今は罷らむ、子泣くらむ そを負う母も吾を待つらむそ』
という和歌(わか)を詠(よ)んだ。

「ら」は謙遜(けんそん)のことば。「罷らむ」まからむと読み、帰ります。 という意味。「そ」はそれ。吾(わ)は私。 この解釈は、二つあって、ひとつは、早く家に帰りたいので、帰ります。 という憶良の家庭的で純朴(じゅんぼく)な性格がでている和歌だとする 説(せつ)。 もうひとつは、早く帰って、妻と愛しあいたい。というジョークだ。 という説。

いづれにしても、8世紀ごろから、宴会の途中で帰るというのは、言い出し にくく、苦労するものだったということは、よく分かる。 ひょっとして憶良は、お酒に弱かったのではないだろうか。

私は宴会が始まって1時間くらいたつと、いつもこの和歌を思い出す。
日本の宴会というのは、酒に弱い人間には、退屈なのだ。

宴会は最後までいるのがマナーだ。と、よく言われる。特に、会社の宴会 などでは、若い社員は、なかなか帰れない。

私の友人は、宴会の最後までいるやつは、ばかだ。と言う。 彼は、宴会が始まって1時間くらいで、すぐにいなくなる。 同時に、若くてきれいな女性も一人、いなくなることになる。 こういう人、あなたの国にもいるでしょ?

 


 
10/29

ここ何ヶ月か、新聞をにぎわせている事件は、ひ素(arsenic)を使った 殺人事件 (さつじんじけん)だ。

ひ素を使った毒殺(どくさつ)で有名なのは、江戸時代の終わり、孝明天皇 (こうめい てんのう)の暗殺(あんさつ)だ。 これは、まだ、事実は、解明(かいめい)されていない。 ほんとうに暗殺だったのかは、わからない

毒殺というのは、陰湿で、いやな感じがする。日本のテレビは、この事件を 毎日、スキャンダラスに報じている。 この報道のきっかけとなったカレーに毒物を入れた事件が起こってから、 次々と、大学の研究室などで同様(どうよう)の事件が続いている。

人が死ぬ、という事実に対して、毒を盛る、という行為のあっけなさに、 また、そのコントラストに、違和感(いわかん)を感じるのかもしれない。 そういえば、湾岸戦争(わんがんせんそう Gulf War)の映像も死のリアリティを欠いた感覚にゾッとしたものだ。

 


 
10/30

先日、友人に会った。彼の会社は、今年、アメリカの会社に買収 (ばいしゅう)された。
以下は、その会話。
友人「あのさ、外人の女にもてるにはどうすればいいの。」
私 「えっ、会社にいるの」
友人「10月から、また増えて、同じフロアの30%が外人の女なんだよ」
私 「へえ、さあ、まず、外国人の女性とか、いったほうがいいね」
友人「そうか、そういうこと、厳しいのかな。でもわからないだろ」
私 「日本語、できないの」
友人「ちゃんと話せるのは、2人ぐらいらしいよ。ほかに、何かある」
私 「え、何が」
友人「もてる秘訣(ひけつ)」
私 「もてたことないからなあ。」
友人「でも、最近、日本人の男とつきあってるケースって多いんでしょ」
私 「ああ、多いよ。」
友人「じゃあ、なんとなく、基準みたいなものって、ない」
私 「ああ、背が高くないとねえ、175センチ以下は厳しいな」
友人「そうか」
私 「それから、やっぱり英語、みんな、うまいね」
友人「そりゃ、そうだろうな」
私 「必要以上にレディファーストでなくてもいいけど、家事は ひととおり
   できたほうがいいかもね」
友人「家事ねえ…..」
私 「あとは、そんなに日本人の女の人と変わらないと思うよ」
友人「いや、でも、それじゃ、日本の女の子と、まったく同じだよ」

 


 

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1998年09月


 
09/01

1923年の今日、東京で大きな地震(じしん)があった。

記録(きろく)によると、だいたい95年の神戸の地震と同じ規模(きぼ)だった ようだ。 ただ、日中(にっちゅう)だったので、火事による被害(ひがい) が大きかった。当時は、木造(もくぞう)の建物が圧倒的(あっとうてき) に多かった。

また、人々はパニック状態(じょうたい)になり、東京に住む 外国人、主に朝鮮半島(ちょうせんはんとう)や中国大陸からきた人々を、「彼らが火を付けた」と、襲(おそ) ったりといった愚(おろ)かな行動に出た。 しかも、彼らは、当時、労働(ろうどう)人口を補充(ほじゅう)する ために強制的(きょうせいてき)に日本へ連れてこられた人々であった。

このころを知る人は、すでに90才前後で、少なくなった。

戦後、9月1日は防災(ぼうさい)の日となり、地震や火事に備(そな)えた 訓練
(くんれん)をする日になった。 しかし、神戸の地震でも、先週の大雨でも被害者(ひがいしゃ)は多かった。

日本の警察(けいさつ)や自衛隊(じえいたい)は、災害の度に、夜も寝ずに、 復旧(ふっきゅう)に努める。 災害時の救出のノウハウは、国際的にも高いそうだ。

日本の建築法(けんちくほう)は世界で一番、厳しいと言われている。 そのおかげで、建築技術は高い。しかし、東京でもまだ、古い建築は多く、 神戸と同じ規模(きぼ)の地震が、日中に東京で起きたら、東京は消滅(しょうめつ) してしまうのではないかと思う。

昨日は、北朝鮮から放(はな)たれたロケットが日本を越えて、太平洋に落ちたそうだ。 日本は憲法(けんぽう)は、防衛(ぼうえい)目的以外の軍事行動 (ぐんじこうどう)を禁じている。 しかし、これは、落ちてからでは遅い。

大変な「防災の日」になってしまった。

 


 
009/03

朝晩(あさばん)は少し涼しくなりました。毛布(もうふ)が必要です。

そろそろ、夏も終わりなので、「夏」で思い出すことを少し書くと…。

小津安二郎の「浮草(うきくさ)」は、カラー作品。
キャメラは、例外的に 溝口健次(みぞぐちけんじ)の作品で知られる宮川一夫(みやがわかずお)。
浮草とは、川や池を漂っている草のこと。安定しない、社会的な 信頼(しんらい)がない職業を「浮草稼業(かぎょう)」ということがある。
旅役者(たびやくしゃ)の地方での公演(こうえん)を舞台にした この映画は、あまり見られなくなったが、夏のシーンが印象的だ。

東京から3時間電車に乗れば、田園風景(でんえん ふうけい)が見られる。 そこには、木陰(こかげ)もあるし、川の水が飲めるところもある!

早起きすると、朝露(あさづゆ)に湿(しめ)った植物の放(はな)つ 湿気(しっけ)が、体を休めてくれる。

「浮草」はリメイクで、オリジナルは白黒。こっちのほうがいいという 人もいる。白黒版のタイトルは「浮草物語」これはまだ見てない。

 


 
09/07

映画監督の黒沢明氏が亡くなった。88才。

追悼(ついとう)の言葉は これから、いろんなところで、聞かれるだろう。

私は7.8本しか見ていない。これは、30代の日本人としては、多いほうではないだろうか。

70年以降は俳優(はいゆう)に恵(めぐ)まれなかったように思う。特にカラー時代は日本ではまったく評価されていないといっていいだろう。

彼が作った日本製のサムライ映画のイメージに後の映画監督達は苦しむことになるが、 しかし、それだけ、黒澤監督の映画には、力があったということだ。

 


 
09/08

黒沢監督の死は、日本で大きく報じられている。

最近の黒沢監督の映画の資金(しきん)は、ほとんどが海外(かいがい) のものだった。 遺作(いさく)となった「まあだだよ」を東京の下町(したまち) の映画館で見たが ,観客は少なかった。助演(じょえん)の香川京子 (かがわ きょうこ)の白い手が印象(いんしょう)に残っている。 当時のメディアの扱(あつか)いも、低いものだった。

70年以降、映画好きの間でも、マスコミでも黒沢の映画が話題に上ることなど、ほとんどなかったと言える。 もちろん、戦前、戦後を通じて、国も企業(きぎょう)も映画に 理解(りかい)がなかった。東京にあるフィルムセンターは、管理がずさんで 一度、火事を起こし、貴重(きちょう)なフィルムを焼いてしまっている。

これから、1か月くらいは、「クロサワブーム」で彼の映画を見る人は 増えるかもしれない、しかし、10月になれば、皆、新しいハリウッド映画 を見に、映画館に駆(か)けつける。日本はハリウッドにとって重要な市場に なっている。

東京では、1本、1800円だ。おそらく世界一高いと思う。1800円は日本では マクドナルドのハンバーガーが27個買える。 信じられますか?

 


 
09/09

黒沢監督は時代劇(じだいげき)の脚本(きゃくほん)を準備していた そうだ。

しかし、もはや ハリウッドで西部劇(せいぶげき)を作れる監督はクリントイーストウッド ぐらいだろうか? 日本では、黒沢監督の他には考えられない。

実は、黒沢監督の時代劇は、オーソドックスなものではない。 効果音(こうかおん)や、死に方など、それまでの映画とは、まったく 違っていた。簡単(かんたん)に説明すると、リアリズムから離れ、おおげさに、おもしろくしたのだ。

フォード、ホークス、シーゲル、イーストウッド、とリレーのバトンが つながったハリウッドに較べると、日本では、心もとない。

黒沢の残した時代劇の脚本は、イーストウッドか、コッポラに任せるしかない。

 


 
09/11

「Runaway train」という映画は監督がアンドレイコンチャロフスキー。
85年に公開された。主演はジョンボイド。

脱獄(だつごく)した囚人(しゅうじん)が乗った列車(れっしゃ)の ブレーキが故障し、暴走(ぼうそう)しはじめる。日本でのタイトルは 暴走機関車(ぼうそうきかんしゃ)。

囚人を追いかける警察所長(けいさつしょちょう)との列車での決闘 (けっとう)は、迫力(はくりょく)があり、ラストシーンも心に残る。

原作脚本は黒沢明。最初は、彼がアメリカで撮影する予定だった。 3回、実現(じつげん)しかかって、結局、監督はできなくなり、 コッポラにコンチャロフスキーを紹介してもらった。 コンチャロフスキーは、黒沢の信奉者(しんぽうしゃ)。
その結果、クロサワタッチのアメリカ映画で、ロシア人が監督という面白い 映画になった。まだ、当時はソビエトだった。

あなたの近くのビデオ屋に黒沢の映画がなかったら、この映画をどうぞ。
DVDでも、英語の字幕(じまく)付きの「七人の侍」(Seven Samurai ) が発売されている。

 


 
09/12

インターネット上では、背景の色が上から少しずつ現われる効果(こうか) は難しい。最近は時々みかけるが、時間がかかるので、使う人は少ない。

映画でこの手法(しゅほう)をワイプという。黒沢はこれをよく使った。
若い映画監督で、これを使う人は少ない。すでに古い手法だと考える人も多い。

また、黒沢の映画には、雨が降っていることが多い。有名なのは「七人の侍」 (しちにんのさむらい)の土砂降り(どしゃぶり)のシーンだ。

また、旗(はた)がよく出てくる。いつも強い風に、はためいている。

私の映画好きの友人は、どしゃぶりの時は「くろさわの映画みたいだ」 と言い、天気がよいときは、「小津(おず)の映画みたいだ」と言う。 どこの国にもこんな映画好きは、いるものだ。 小津は、もう一人の日本映画の巨匠(きょしょう)で、彼の映画は、いつも 晴れている。

黒沢が亡くなった日曜日は、どしゃぶりではなかったが、急に雨が降った。

 


 
09/15

今日の東京は台風(たいふう)。電車が止まりそうだ。

さて、昨日の15日は敬老(けいろう)の日。簡単(かんたん)に言うと 「老人(ろうじん)を尊敬(そんけい)して、親切にしましょう」という日だ。

人口における老人の割合は、スウエーデンやモナコが高く、20%前後 (ぜんご)だ。 日本の人口は約1億2千万人。現在、65才以上の人は、2000万人。 100才以上の人は1万人だ。

2015年には老人の比率(ひりつ)は25%となり、 世界一になるそうだ。 ちなみに、現在の日本人の平均寿命(へいきん じゅみょう)は、男性で75才。 女性は約80才。1組の夫婦から、生まれる子供の数は、非常に少なく、約1.3人 。

老人大国になる日は近い。

 


 
09/17

最近、日本では、老後の住居(じゅうきょ)や、介護用品(かいごようひん) などのビジネスが盛(さか)んだ。

介護が必要になるのは、だいたい70才ごろからであることが多い。 介護の主力となるその子供は40代から50代。 日本では、40代に介護のために会社を休むことは不可能だ。残業(ざんぎょう) が多い世代(せだい)でもある。
結果として、主に介護には妻があたることになる。

「長男とは結婚しないほうがいい」というのはここから来ている。

また最近は痴呆症(ちほうしょう)になる人が多い。 これは、元々、塩分を多くとる傾向のある和食の影響を指摘(してき)する 人も多い。

痴呆の原因の多くは、脳硬塞(のうこうそく)の後遺症(こういしょう) であると言われている。高度成長期(こうど せいちょう き)のサラリーマンで 趣味の少ない男性が老後の時間をもてあまして、痴呆が進むことも多い と言われている。 40代で痴呆の親をかかえたサラリーマンの悩(なや)みは、深刻(しんこく)だ。

そして、彼等も、残業と介護のやりくりに追われ、趣味を育てる時間などなくなってしまう。

次の痴呆老人の候補達だ。

 


 
09/21

食事の中で、最も、国の文化が現われるのは、朝食である。

日本に長く住み、日本の食べ物も、大好き。という人でも、朝食だけは オートミールを食べていたりする。

さて、日本の典型的(てんけいてき)な朝食とは、なんであろうか?

まず、ごはん。味噌汁(みそしる)の具(ぐ)は、豆腐(とうふ)が 妥当(だとう)なところだろう。これに焼き魚が加わる。塩じゃけであること が多い。この3つが基本。 この他に2.3つ、おかずがでることもある。

旅館(りょかん)などで出てくる朝食を参考(さんこう)にすると、のり、 納豆(なっとう)、漬物(つけもの)、生卵(なまたまご)などである。
生卵は、納豆にかけて、それをさらに、ごはんにかける人もいるし、生卵に しょうゆをかけて、かきまぜ、ごはんにかける人もいる。 これを、「たまごごはん」という。

さて、私の食べ方は、最初のごはんは、塩じゃけで食べる。塩じゃけは、「しっぽ」のところがおいしい。 納豆があるときは、2杯目を納豆で食べる。ないときは、たまごごはん。
最後にお茶を、ごはん茶碗(ちゃわん)に注ぎ、飲む。

 


 
09/22

留守番電話(るすばん でんわ)の普及率(ふきゅうりつ)は高い。
今や、普通の電話を探すほうが難しいほどだ。

留守のときのメッセージは、一般的なものは、「ただいま、るすにしております 発信音(はっしんおん)のあとに、おなまえとメッセージをお願いします」 というものだ。 ほとんどは、女性の高い声で録音されている。

もちろん、自分で録音し、この文章を作ることもできる。私が聞いた中で、いちばん 短いものは、「メッセージおねがい」だった。 買った時は、いろいろとこのメッセージを作ったりするが、そのうちに飽(あ)きて 最初から設定(せってい)されている女性の声に戻すというのが、多いパターンだ。

面白かったのは、俳句(はいく)好きの外国人の留守番電話。

「お名前と、伝言(でんごん)あれば、頼(たの)みます。」と、ちゃんと、 575になっていた。 私は、一旦(いったん)電話を切って、少し考え、もういちどかけて、 「またこんど、授業(じゅぎょう)のときに、もうします」 と入れた。

季語(きご)を入れるべきだった。忘れた。

 


 
09/23

「四季(しき)の中で、いつが一番好きですか?」というのは、日本では よく聞かれる質問だ。 答えは、圧倒的(あっとうてき)に「秋」が多い。

最近、ピーターグリナウェイによって映画化(えいがか)された「枕草子」 (まくらのそうし)にも、秋は夕暮れに雁(かり)が飛んでいるのを見るのは いいものですねえ。と書かれている。 10世紀ごろから、日本人は秋が好きだったようだ。

一般的に秋は「読書の秋」「芸術(げいじゅつ)の秋」などと言われる。 国内旅行に出かける人も秋が最も多い。

秋は、野菜(やさい)や、魚がおいしい季節でもある。
「食欲(しょくよく)の秋」と言うこともある。  

*清少納言(せいしょうなごん)著(ちょ)B.C.10-11c

 


 
09/24

現在、日本の首相(しゅしょう)は、アメリカに行っている。 これは、新しい日本の首相が必ず行うことだが、最近はファーストネーム で呼びあうことを約束するのが、慣例(かんれい)となっている。

日本語を勉強している人は知っていると思うが、日本では、ファーストネーム を意味する言葉は、あまりない。使わないのだ。 役所などで、名前を書くところには、ファーストネームのところには、「名」 と書いてある。普段は「下の名前」などという。

日本人の名字は数が多く、10万程度(ていど)あると言われている。 同じ名前の知人が2.3人いるということは珍しくないが、例えば、 「ソニーのすずきさん」「大阪出身(おおさか しゅっしん)のすずきさん」 などと言うことが多く、それほど不便(ふべん)ではない。

例えば、韓国では、学校などでも、教室のほとんどが「金(きむ)さん」や「李(いー)さん」であり、下の名前まできちんと呼ぶことが普通なのだそうだ。

日本では、「下の名前」は知っているが、使うことは、ほとんどない。 恋人(こいびと)同士(どうし)や家族でしか使わない。 結婚すると、妻(つま)は夫(おっと)を「あなた」 夫は妻を「おまえ」と呼ぶことが多い。

日本の首相を「けいぞう」とファーストネームで呼ぶのは、今のところ 彼の父親と母親。それとクリントンさんだけだ。

しかし、クリントンさんは、「けいぞう」と呼ぶ資格(しかく)がある。 なにしろ、わざわざ、仕事を休み、飛行機をチャーターして、そう呼んでもらうためだけに、 アメリカまで行ったのだから。

 


 
09/29

深沢七郎(ふかざわ しちろう)の代表作(だいひょうさく)に「楢山節考」 (ならやま ぶしこう)という小説がある。

これは、古くからある「姥捨て伝説」(うばすてでんせつ)を小説化した もので、貧しい村に伝わる、年をとって労働力にならなくなった老人を近くの山に置(お)きざりにする という風習(ふうしゅう)を描いたもの。
ただ残酷なだけの小説ではない。ぜひ、御一読を。

ハンガリーにも同じ風習があったということで、作者の深沢七郎は、当時、 まだ、共産国であった当時のハンガリー政府の招きで、公演旅行をしている。

このような風習は、形を変えて、いろんな国で見られるということだ。 実際に20世紀(せいき)の始めには、日本でも、まだ、あったのではないかと 言われている。

21世紀は、また、この風習が形を変えて復活するかもしれない。

 


 
09/30

日本人は背が低い。というイメージはまだ、根強(ねづよ)い。

夏目漱石(なつめそうせき)はロンドンに2年間滞在した。 滞在中の印象(いんしょう)は最悪(さいあく)だったらしい。
彼は、ほとんど人と話さず、コンプレックスに悩まされ続けた。

彼は背が低かった。160cm以下だったそうだ。2年間で自分より背が 低い人を見たのは、一人だけだった。 また、彼はお酒が飲めなかった。これも、滞在(たいざい)を寂 (さび)しくした。

去年、私は、アムステルダムに行った。2日間いた。私は漱石よりちょっと 背が高いが、自分より背が低いのは、子供と犬だけだった。

 



1998年08月


 
08/02

2.3年前から電車の中で中国語を勉強している男性が増えた。
日本にとっても 中国は新しくて、魅力的(みりょくてき)な市場(しじょう)だ。

現在、日本では女性を中心に源氏物語(げんじものがたり)が流行している。
女性作家による新しい翻訳(ほんやく)が発表され、それを記念した展覧会にも
大勢の人が訪れたらしい。

男性は漢文(かんぶん)、女性は源氏、というのは、なんだか、江戸時代のようだ
もっとも、江戸初期には、源氏物語は、あまり上品な読み物とはされていなかったようで、源氏物語が 「教養(きょうよう)」として認められはじめたのは、江戸後期に入ってかららしい。
漢文のほうは、男性にとって、中世以前から、出世するには、必要な学問であった

150年前の日本語は、普通の人は読むのはとても難しい。文法や語彙(ごい)が難しいこと もあるが、源氏物語や、日本の古典文学、中国のいくつかの本は、読者は当然、知っているという前提(ぜんてい)で書かれているからだ。

 


 
08/04

ここ二三日は、むし暑い日が続いている。

東京は、デパートや、コンビニエンスストアは冷房(れいぼう)が 強すぎて、長時間いられないことになっている。ランチメニューで人気のある店の椅子は、座りにくいものに なっているそうだ。

日本の会社の多くは12時から1時までお昼ご飯。会社の近くのレストランや食堂は、この1時間で 店の運命が決まる。少なくとも1時間のうちに3回は、お客さんの入れ替えがないと採算(さいさん)が合わない。

そこで、椅子は座りにくいものでなければならない。冷房も強くする。これは、最初に店に入った印象が強いからという理由もある。

食べたら、すぐに帰ってほしい。 もちろん、そういうことがなくても、日本人はせっかちだ。20分ほどでほとんど帰ってしまう。また、10分以内に注文したものがこないと、 「我慢できない」と考える人が多く、食堂を始める人は、まず、そのことに注意しなければならないそうだ。

短い時間に何度もおきゃくさんが、入ったり、出たりすることを「回転率(かいてんりつ)」といい、その 回転率の高さを競(きそ)う。

ところで、日本の会社は、会議が長いことで知られている。また、何かが決まるのが遅いことでも有名だ。

会議室の経営を、食堂に依託(いたく)するのはどうだろう。 固く、座りにくい椅子。会議が30分を過ぎると、急に冷房が強くなり、コーヒーを持ってくる秘書が 段々、不機嫌(ふきげん)になる。 会議が終わると、急に愛想がよくなり、「また、おこしください」なんて言うようにすれば、会議も短くなるかもしれない。

 


 
08/05

今年は冷夏(れいか)だという発表があってから、その経済的なダメージを 心配する記事が増えた。
日本では、何かと経済効果(けいざいこうか)に結び付けて語られる。

まず、冷房(れいぼう)が売れない。海へ向かう観光客がへり、交通機関 (こうつうきかん)の収入が見込(みこ)めない。

いちばんの問題は、 「ビールが売れない」ことらしい。 居酒屋(いざかや)では、まず、最初にビールを注文することが多い。 国内には、有名なビール会社が3.4社あり、戦前から、ずっと大企業(だいきぎょう)だ。

私の知人もビール会社に勤めている。冷夏のときは、いつも、元気がない。

 


 
08/06

私の祖母は広島に住んでいる。

広島に引っ越したのは、戦後のことで、 原子爆弾(げんしばくだん)に関しては、当然、記憶(きおく)がない。

昔、そのことを知らずに、「原子爆弾は大丈夫だったの?」と祖母に 聞いたが
「ようわからん(よくわからない)。戦争が終わってから、ずっとあとで知った。」と 言っていた。

日本では「唯一(ゆいいつ)の被爆国(ひばくこく)として」という表現は、 よく使われるが、フランスや中国、インド、パキスタンなどに、 「被爆国の国民として」なにかを言う気にはならない。

原子爆弾は、第二次世界大戦の終わりを告げた。
戦後は、もはや、 兵器(へいき)ではなくひとつの象徴となって、50年を越えて 機能(きのう)してきた。 生産コストも下がり、旧ソビエトの崩壊(ほうかい)による科学者の流出(りゅうしゅつ)で 昨今(さっこん)は、比較的、作りやすい兵器ということだ。威力(いりょく) も増した。 ただし、実効性(じっこうせい)には疑問符(ぎもんふ)がつくらしい。

第二次大戦後、核爆弾というのは「使われないこと」によって、その威力 を増してきたといえるだろう。 その意味では、使うことよりも、保有(ほゆう)したり
実験したりするほうが罪が 重いとも言える。
彼等は、広島や長崎の惨状(さんじょう)を、意識的に利用しているわけだから。

その意味で実験することと、保有することは等価値(とうかち)だ。核実験 を批判(ひはん)するならば、同じ視線を保有国に対しても向けなければ ならない。

「唯一の被爆国の国民」はそれができるだろうか? 
また、それをやってきただろうか?

 


 
08/07

夏の果物(くだもの)と言えば、西瓜(すいか)だ。

ひとつ1500円くらい。 種を飛ばすのも楽しいらしい。 「らしい」というのは
私は西瓜が嫌いで、いつも、そのかわりに 葡萄(ぶどう)を食べていた。
時々、梨(なし)や桃(もも)の時もあった。

夏の果物には、階級(かいきゅう)がある。
西瓜の変わりにぶどうなら 大丈夫だ。他の子供も納得(なっとく)していた。 でも桃の時は、他の子供の嫉妬(しっと)を感じながら食べた。

西瓜といっしょに、私に出される桃の量も少なかった。 時々、李(すもも)も食べた。他の子供は、「李なら、仕方がない」 というような顔をしていた。
私は少し安心しながら食べた。

さて、クイズです。下のことばは、どんな意味でしょう? 答えは下。

「すもももももももものうち」

李も桃も桃の中。:李も桃も桃の仲間(なかま)だ。という意味。

 


 
08/10

普段、我々が「静かだ」というとき、音がまったく聞こえない。という意味ではない。

夏ならば、蝉(せみ)の声がしなければならない。子供の遊び声も 「静かさ」を邪魔(じゃま)するものではない。もちろん川の音も。 つまりそれらの自然の音が聞こえる程に「静か」であることが大事なのであり、音は、静かさを味わうために欠かせないスパイスとなる。

大きな都市では、それは味わえない。特に東京では、どの店に入っても 趣味の悪い音楽が大音量(だいおんりょう)でかかっている。
スーパーでも、喫茶店(きっさてん)でも居酒屋(いざかや)でも同じ。

逃げるようにして、家に帰ると、必ず近くで、新しいアパートの工事を やっているのだ。

 


 
08/11

東京の道路を走る車の70%はトラックだ。 そのほとんどが食物。魚や野菜、肉などを運んでいる。

また、宅配(たくはい)サービス も充実(じゅうじつ)していて、東京から北海道まで2日以内で届くのが 普通だ。 遅れることはほとんどない。

一度、台風で、飛行機が飛ばない時も、 わずか半日遅れて荷物はやってきた。
配達人は、「遅れてすみません」と言った。

 


 
08/12

今年は、天気のよい日はあまり続かず、夕立ち(ゆうだち)が多い。

会社で働いている人は、予備(よび)の傘(かさ)を会社に置いている。 これを「置(お)き傘(がさ)」と呼び、「置き傘をする」という。 しかし、これをしない人もいる。なぜなら、雨が降ると、「ビニール傘」 という500円くらいの傘を売り出すからだ。

このビニール傘は、こわれやすく、すぐに錆(さ)びるので、何度も 使われることはない。 捨てるのも勿体(もったい)ないので、家には、多くのビニール傘が溜(た)まることになる。

調査(ちょうさ)した人はいないが、私は、すでに、日本の人口(じんこう) を越えたのではないかと、考えている。

 


 
08/13

今は、お盆(ぼん)休み。会社も休みになり、東京は静かだ。

東京に住む人の半数以上は、地方から来た人なので、お盆は、 お墓参りのための宗教的な行事(ぎょうじ)というより、実家(じっか)に 帰ることが、主な目的だ。 これを、「里帰(さとがえ)りをする」とか「帰省する」という。

今ごろ、株価(かぶか)が下がったり、円が安くなったりしているニュースを 聞きながら、日本のサラリーマンは、子供の頃(ころ)に歩いた道などを 散歩しているかもしれない。

 


 
08/14

日本人は、外国旅行へ行くと、饒舌(じょうぜつ)になる。

といっても英語が上手なのではなくて、レストランやホテルなどで
「けんじ!そっちいっちゃだめ!」とか
「みき!これみて、かわいー!」 などという声がよく聞かれる。

一方、国内では、静かにしなければならない場所がある。 エレベーターの中や、電車の中など、密閉(みっぺい)された空間(くうかん) では、まるで葬式(そうしき)のように静かだ。 時々、大声で話す人がいるが、あまり上品ではないと考えられている。

ただし、これも夕方の7時までで、お酒を飲むと、ガラリと変わる。 ほとんどのバーや居酒屋では、大きな音で音楽をかけているので、 遠慮することなく、大きな声を出せる。

おそらく、これも、大きな声で話すのは、下品だという考えが無意識の中にあり、あの うるさい音楽は、それをカムフラージュするための音のカーテンなのではないだろうか。

 


 
08/18

日本は、南北(なんぼく)に長いので、いろいろと便利なことがある。
つまり、暑い地域のノウハウ(know how?)も寒い地域のノウハウも あるということだ。

暑い時は、暑いところ、すなわち、沖縄(おきなわ)料理がおいしい。

沖縄では、ぶた肉をよく使う。これは、九州全体でも同じだ。 また、沖縄では、寿命(じゅみょう)が長く、80才、90才になっても、 男女共に働いている人が多い。(女性のほうがよく働くそうだ)

また、沖縄の陶器(とうき)類もすばらしいし、音楽も面白い。

沖縄のこと、沖縄料理のことは、Yahooで「沖縄料理」と書いて、探してください。たくさんありますよ。

 


 
08/19

宇野(うの)総理(そうり)は10年前、選挙(せんきょ)で負けた責任を とってやめた。総理だったのは、69日の短い期間(きかん)だった。 選挙に負けたのは、いろいろと理由があるが、直前(ちょくぜん)に 愛人と言われている人のインタビューが雑誌(ざっし)に載ったのが 大きかった。

戦後の一時期(いちじき)までは、日本人は、こうしたことに比較的 (ひかくてき)、寛容(かんよう)だった。 初代の総理である伊東博文(いとうひろぶみ)は、何人もの愛人がいたと 言われている。

アメリカでは、大統領(だいとうりょう)のスキャンダルにうんざり しているそうだが、日本でもこれはトップニュースで、伝えられている。

ところで、宇野氏とクリントンさんには、「2つめの」共通点(きょうつうてん)を御存じだろうか。

両者とも楽器(がっき)ができるということだ。 宇野氏は、ピアノ。ただし、リズム感は最悪(さいあく)。 クリントンさんは、テナーサックス。リズム感はまあまあだが、フレーズの バリエーションが少ない。音も迫力(はくりょく)に欠ける

つまり、両者とも音楽の才能(さいのう)はない。
もちろん、音楽の才能は、政治家には必要ないのだが。

 


 
08/20

日本で最も人気があるスポーツは野球(やきゅう)だ。

今は、高校生の野球の全国大会(ぜんこく たいかい)が行われている。
これはテレビで全国に中継(ちゅうけい)され、非常に人気がある。

テレビで中継されるので、私立(しりつ)の高校にとっては、よい 宣伝(せんでん)になる。 宗教団体は競って高校を作り、全国からよい選手を集め、強いチームを作る。

もちろん、ユニフォームには、高校の名前が大きく書いてある。

 


 
08/24

8月後半になると、「残暑(ざんしょ)」という。
これは、「残った暑さ」という意味。

電話で話した後、すぐに切ると、「残心(ざんしん)がない」ということがある。

これは、話しが終わって、すぐ電話を切るのは、ちょっと失礼だということで、 話しが終わりかけたら、そろそろ終わりますという、雰囲気(ふんいき) を相手に伝えなければならないということ。

具体的(ぐたいてき)に言うと、少し、話すスピードが遅くなる。 話しが途切(とぎ)れるようにする。 それから、また、電話するか、会うことを確認する。
それから、「電話を終わるのは残念ですが….」という口調で
「それでは、失礼いたします」とか「ごめんください」と言って切る。

最後のセリフを言う前に、「あっ、すみません、子供が…」などとうそを付く
人もいる。

最後にこれが大事。「電話はこちらから切らない。相手が切った音を 聞いてから、切る」のがよいマナーと言われている。

このルールを両者が知っている場合は、どうするか?

そう、だから、電話を終えるのは、難しいのだ。

 


 
08/25

夏は冷奴(ひややっこ)がおいしい。

例えば幸運(こううん)なことに近所に多くの豆腐屋(とうふや)があるとすると。。。

豆腐を買ってくる。通(つう)は木綿(もめん)。 生姜(しょうが)を、おろして、鰹節(かつおぶし)を削(けず)る。 それらを豆腐の上にかけて、しょうゆをかける。 好きな人は葱(ねぎ)も刻(きざ)む。

これだけ。 豆腐はいろんな料理があるが、これがいちばんおいしい。 また、これは、豆腐も鰹節も、しょうゆも、いいものでないとダメ。

現在、世界中に日本料理店があるが、これがまずいところはダメ。 日本料理店の真価(しんか)が問われる料理だ。 近所の日本料理店で「ひややっこ、できる?」と聞いてみよう。

 


 
08/27

今日は、朝から大雨。時々、かみなりも鳴(な)っている。

笠智衆(りゅう ちしゅう)著(ちょ)『俳優(はいゆう)になろうか』 によると、日本の名監督(かんとく)、清水宏(ひろし)の 戦前のロケ(ロケーション)はリヤカーにカメラを積(つ)んで、ムシロを 抱(かか)えてトコトコ歩くといったやり方だったらしい。

戦前や戦争中に日本の映画監督が何をしていたか、というのは、 興味深(きょうみぶか)い。小津安二郎監督は、シンガポールで イギリスの捕虜(ほりょ)になって、施設(しせつ)の中でオーソンウエルズ の新作を見たりしている。

笠智衆さんは、日本を代表する俳優で、亡くなる前に、ドイツ人監督のベンダースの 「Tokyo-ga」に出演(しゅつえん)している。 もちろん、小津安二郎監督の作品にはほとんど出演している。

 


 
08/28

東京では、アパートが多い町には、必ず銭湯(せんとう)がある。
値段は現在一回385円。タオルや石鹸(せっけん)、シャンプーなどは 売ってもいるが、普通は自分で持っていく。

現在、風呂(ふろ)やシャワーがないアパートは少なくなったが、 東京でシャワー、風呂が付いたアパートは7万円。ないアパートは3万円 なので、まだ需要(じゅよう)はある。 学生が多い街にはたいていある。

一般的には銭湯には若い人は少なく、老人が多い。
「今日は、ずいぶん早いね」
「孫といっしょにディズニーランド行って、疲れた」 という会話が聞ける。

私の近所の銭湯には日本の詩人(しじん)が書いた詩の一節(いっせつ) が貼
(は)ってある。

「銭湯すたれば、人情(にんじょう)すたる」

「すたる」というのは、人気がなくなる。少なくなる。無くなる。という意味。 作者は、田村隆一(たむらりゅういち)。昨日、亡くなった。

 


 
08/30

関東地方は大雨で、川が増水(ぞうすい)し、死者(ししゃ)もでた。 中国、韓国でも、同じような被害(ひがい)がでている。

日本の山林(さんりん)は、ほとんどが植林(しょくりん)で、そのため 自然が持つ保水力(ほすいりょく)が失われ、少しの雨でも、増水(ぞうすい)する ようになったと言われている。

いや、昔から、水害(すいがい)は多かったとの指摘(してき)もある。
古くは12世紀ごろから、水害の記述はあり、川の氾濫(はんらん)は 日常茶飯事
(にちじょうさはんじ)だったそうだ。

日本の国土は60%以上が山林で、小さな島国のわりには、川が多い。 私の子供のころも、川は子供が遊ぶ場所としては最高の場所だった。 親は、危険なので、いい顔をしないが、「危険」は子供のごちそうでもある。

今は、川で泳ぐことを禁止しているところが多いらしい。 そうとうな田舎でも大人が川の増水の予想(よそう)ができなくなったからだそうだ。 昔はそういうことに詳しい人が必ずいたものだが。

もっとも、子供も、川で遊ぶよりディズニーランドに行きたがるらしい。