2000年08月


 
08 / 01

夏になると、公営(こうえい)や私営(しえい)のプールに行く人は 多い。

公営は300円くらい。私営は1000円ぐらいだろうか。 その他、ひと夏に2.3回は海に出かけるようだ。ほとんど日帰りだ。

海岸には 「海の家」と俗(ぞく)に呼ばれる休憩所(きゅうけいじょ)があり 食べ物などを売っている。1500円くらいが東京近辺の相場(そうば) だそうだ。
そこで有料のシャワーを借りる。子供はつめたいものを 食べる。
結構な出費となる。
結局、海に行くほうが高くつく。しかし、7月20日から8月いっぱい まで学校は夏休みなので子供たちでいっぱいだ。

8月も中旬になると、くらげが多くなり、海の中に入る人は減る。 去年までは、日焼けした肌は人気があったが、今年はそうでも ないらしい。

環境汚染(かんきょうおせん)が進み、川や湖で泳ぐことができる 地方は、今は少なくなった。 自然のままの川は、夏は水が暖かい。流れが早いところがあったり 深いところがあったりと川には子供が喜ぶものがたくさんある。 木陰(こかげ)も多く海と違って「川の家」は必要ない。近所の駄菓子屋 (だがしや)などで50円のアイスクリームを買ってくる。

川で泳げる地方に住んでいる子供たちは幸せだ。

 


 
08 / 02

夏の食べ物というのは、冷やし中華(ちゅうか)、かき氷だろうか。

冷やし中華というのは、中華の麺(めん)を水にさらして、ごまの たれなどで食べるもの。 かき氷は、氷を削(けず)って上に砂糖水をかけたもの。
二つに共通しているのは、7月になると、ラーメン屋や、レストラン などで、「冷やし中華はじめました」というはり紙が出されることだ。

これもひとつの夏の風物詩(ふうぶつし)だ。

 


 
08 / 03

観光地などで15000円ほど払うと和風ホテルとか旅館といった ところに泊まることができる。 旅館やホテルの中で、和風を売り物にするところは、懐石 (かいせき)料理を出すことがおおい。

懐石料理というのは盛り付けにも工夫をした料理のこと。 お茶の席などで出された。今では単に和食で盛り付けが凝っている というだけになってしまったが。
外国人のビジネスマンが日本を訪れて、まず招待されるのが 懐石料理のレストランだ。

ところで、最近は旅館の懐石料理は、インスタントが多いそうだ。 レトルト方式(ほうしき)になっていて、パックのままお湯に入れれば できる。味は、あまりかわらないという人もいる。 もちろん、これはトップシークレットだ。

インスタント食品を購入 している旅館は、「これはうちの料理人が作ったものです」 と言って客にだす。 インスタント食品を作っている会社は、旅館に発送するときは わからないように箱にはなにも書かずにひっそりと搬入(はんにゅう)する。

旅行先で、インスタント食品を食べさせられるのは、イヤですねえ。

 


 
08 / 04

20代、30代の独身(どくしん)の男性は、かつて「独身貴族 (きぞく)」などと呼ばれたことがある。

「あのさ、最近、オレ、株やってるんだよ」
「へえ、どこあたり、買ってるの」
「あれ、木村(きむら)も、やってるんだ」
「へへへ、実はね。出版社とか手堅いやつをね」
「え、出版社? 大丈夫なの」
「そう、テレビ局とか高くて買えないから、地味なやつね」
「へえ、オレは、やっぱりインターネット関連とか外資系だな」
「博打(ばくち)だね」
「そうそう、まあ、遊びだからさ。宝くじよりいいよ」
「株、買うと、生活が変わるよな」
「そう、株式のサイトばっかり見てるよ」
「やっぱり。オレの会社、株式サイトのアクセスが禁止になったよ」
「え、うちもそろそろダメになるかもな」

かつては、車の話ばかりしていた独身男性達の話題は変わった。 今の所、株は、基本的に競馬(けいば)などのギャンブルの一種と 考えられているようだ。

 


 
08 / 08

村松(むらまつ)くんがテニスを始めたのは中学校の1年生の時 14才。 学校には教えてくれる人はいなかったので、テレビで見た ジミーコナーズやジョンマッケンローのまねをした。

1年後、テニスのコーチが来て、有名な選手のマネはやめろと 言われたが、もちろん、やめなかった。
サービスの時は、コナーズのように 「アッ!」と声を出した。
仲間達も、ボルグやベッカーのマネをした。
コーチや、地元のテニス関係者は渋い顔をしたが、村松くんの チームは強かった。

3年後、村松くんのチームは地元では敵なしとなっていた。 とうとうコーチの指導
(しどう)は受けなかったが、面白いことに 元コナーズやベッカー達のフォームは面影(おもかげ)はあるものの、 16才に見合った自然な無理のないものになっていた。

それぞれのスポーツに理想的なフォームとか教科書的なフォームと 言われるものがあるが、それを手に入れるためには、いろいろな 方法がある。
最初から、理想的なフォームを教えるのが近道(ちかみち)とは 限らない。

 


 
08 / 09

外資系の会社の受付嬢(うけつけじょう)をしている奥田(おくだ) さんは土曜日の朝を楽しみにしている。

彼女は、土曜日と日曜日の朝だけは、すきなだけ納豆を食べることが できるからだ。 仕事柄(しごとがら)外国人と接する機会が多い彼女は、普段は においが残るものを極力(きょくりょく)食べないようにしている。
納豆はもちろん、たくわん、「くさや」と呼ばれる魚の干物 (ひもの)も。

運の悪いことに、下町で育った彼女には大好物(だいこうぶつ) のものばかりだ。

 


 
08 / 10

昨日、8月9日は、九州(きゅうしゅう)の長崎(ながさき)に 原子爆弾(げんしばくだん)が落とされた日。

意外と知られていないが、広島に原子爆弾が落とされた3日後に 長崎にも落とされた。長崎は、16世紀以降、ずっと西洋文化の 玄関口(げんかんぐち)であった。

広島でも長崎でも、非戦闘員(ひせんとういん)が、何十万人と いった単位で亡くなった。これは、客観的に考えると、やはり 重大な戦争犯罪だと思うが、アメリカでは、そういった議論は ほとんどないらしい。ほんとうに耳の痛い話は、聞きたくない ということなのだろうか。

日本でもそういった主張をする人々は少ない。 国民性(こくみんせい)なのだろうか、それとも、戦争で、加害者 でも被害者でもあった国というのは、複雑だということか、 「こういういことがあったよ」 と静かに語られていく、ということのようだ。

被爆(ひばく)した都市は復興(ふっこう)したが、原爆症 (げんばくしょう)の後遺症(こういしょう)で苦しむ人は多い。 現在、Jリーグで活躍している選手にも後遺症で頭の毛が抜けて しまった人がいる。まだ20代。遺伝に関してはまだあまり あきらかになっていないそうだ。

 


 
08 / 11

言葉の本来の意味とはかけはなれているものが、時々ある。

「あまえの会社、相談役(そうだんやく)って、いる」
「昔はいたみたいだけど、今はいないんじゃないかな」
「あれさ、ヒラが本当に相談したら、のってくれたらいいね」
「はは、文字通りの相談役ね」
「最近、痔(じ)が。。。とか」
「娘の成績が。。。とかね」
「むちゃくちゃ忙しいな」

「それから、法律でさ、厳重(げんじゅう)注意ってあるじゃん」
「ああ、官僚(かんりょう)とか公務員の罰則(ばっそく)ね」
「あれもさ、国会に体育 教官室(きょうかんしつ)みたいなのがあってさ」
「ああ、いいね。空手3段くらいのやつが竹刀(しない)持ってて」
「『森! 先生はおまえが憎くて怒ってるんじゃない』とかって言われるのね」
「公務員になる人ってのは、怒られ慣れてないから効くね」
「実際は、昇進(しょうしん)に響くんでしょ」
「それだけらしいね」

相談役というのは、引退した社長などに与えられるポストで、 実質的には仕事はしない、いわば、名誉職(めいよしょく)。

厳重注意というのは、公務員(こうむいん)などに与えられる 比較的軽い処分(しょぶん)で、クビになるわけではない。 書類上の処分だが、「経歴にキズがつく」ということのようだ。 官僚の場合、昇進はほぼ絶望的(ぜつぼうてき)になるそうだ。

それから、中学校などで悪いことをすると、体育教官室に呼ばれて 怒られることは、よくあることだ。

 


 
08 / 22

ロシアの原子力潜水艦(げんしりょくせんすいかん)のニュースは 日本でもトップニュース扱いだ。

海は恐ろしい。
わずか100メートルであってもまだ人間の自由には ならないということのようだ。

「息苦(いきぐる)しい」というのは、文字どおり、息を するのが難しく、苦しいという意味もあるが、緊張(きんちょう) の持続(じぞく)を強(し)いられるような状況をいうこともある。 人間関係のわずらわしさに使うことも多い。

正確な情報が届かない息苦しさ。 軍事機密(ぐんじ きみつ)の犠牲(ぎせい)になったのではないかという 国際関係における不信感からくる息苦しさ。 救助艇(きゅうじょてい)は全部売ってしまってないという 無理をしている国の息苦しさ。

まだ、世界は息苦しいのだということを思い知らされた。

 


 
08 / 23

「2匹目のどじょう」という表現は、一度、人気がでたものは 似たようなものを出しても2つめまでは、大丈夫だという意味 で使われる。

「あの会社は、iMacの2匹目のどじょうを狙って新しいパソコンを発売した」 などと使う。
これの応用で「柳の下には3匹までどじょうがいる」という言い方も される。
つまり、同じような製品を出しても3つ目くらいまではそこそこには 売れる。
という現実的な分析だ。

日本のポップミュージックでは、露骨(ろこつ)な2匹目、3匹目の どじょう達がいる。 パソコンでも車でも同じことだ。特に日本では、製品のデザインに 関してその傾向が強い。

 


 
08 / 24

夏の宝石というのは、カブト虫とクワガタのことだ。

かぶとむしはbeetle。くわがたは、a stag beetle。 日本では学校の夏休みは、7月下旬から8月いっぱいまでなので この間は、昆虫採集(こんちゅうさいしゅう)に追われることになる。 都会では難しいが、田舎では、必ず昆虫が多い山や森があり、その中に くわがたやカブト虫が多い木というのがある。
また、そういうことに詳しい子供が必ずいるものだ。

現代では、これらの昆虫がブームだという。大きいものは、一匹 何百万円で取り引きされることもあるそうだ。
つい最近、外国産のカブト虫やくわがたの輸入が解禁され、昆虫マニア は大喜びだそうだ。 しかし、一部の学者の間では、これらの輸入昆虫が日本の生態系 (せいたいけい)に及ぼす影響を心配するむきもある。

戦後、外国から輸入した魚や植物がすっかり日本の風景を変えて しまったということがある。 逆に日本から持ち出された鯉(こい)などの魚が外国で繁殖 (はんしょく)しすぎて困るといったこともあるそうだ。

 


 
08 / 25

中年男性の会話。会社で

「お盆(ぼん)、どうだった」
「うち、田舎が福島だから、帰ったよ」
「ああ、そうか、山崎(やまざき)は子供、生まれたばかりだからな」
「そう、女房(にょうぼう)は、広島だから、そっちも行かなくちゃならなくて 大変なんだよ」
「え、両方、行くの」
「そう、どっちかが多くてもだめなんだ。きっちり3日づつ」
「うわあ。すごいな。海外旅行とか行けないね」
「まあ、子供小さいからどっちにしても行けないけどね」
「じゃあ、東京には2日いただけ?」
「そう。最後の2日は、疲れて、夫婦の会話なんてないよ」
「子供は、まだ手がかかるしね」
「うん。最後の2日は子供を預(あず)けて休んだんだけど 結局、うちでゴロゴロ
  してたな」
「おつかれさま」
「おまえは、何してたの」
「いやあ、山崎の話を聞いちゃうと、言いにくいよ」
「海外?」
「うん。パックだけどオーストリアに一週間」
「いいなあ。子供作るの、もう少し先にすればよかったな」

 


 
08 / 29

長いことアメリカでは大統領(だいとうりょう)の涙(なみだ) はタブーだったそうだ。 日本ではそれほどでもないと思われるが、戦後まもなくの 政治家達の顔を見ていると涙はにつかわしくない。

「男は泣くものではない」という考え方は日本にもある。

しかし、近年、それも薄れつつあるようだ。 一方、女性の場合、職場で涙を見せることは、リタイヤしたも同然 (どうぜん)だという話を聞いたことがある。 つまり、「私はこの会社では、男性と同等にやっていく意志はない」 ということだそうだ。

 


 
08 / 30

アジアのさる国で、アパートから物を捨てたら、アパートを 部屋ごと没収(ぼっしゅう)するという法律ができたそうだ。

日本の都市には、高層住宅(こうそうじゅうたく)が多く、人気も 高い。 高度成長期に多くの公営住宅が建てられ、庶民(しょみん)の夢と なったそうだ。ほとんどは4階から5階立てで、ひと世帯に、2つか3つの部屋があるだけだ。

当初(とうしょ)は、高層住宅に慣れない人々の間で、よく事故も 起こったということだ。
これらの建物は今でも残っている。
ほとんどエレベーターはなく、老朽化(ろうきゅうか)しているが 家賃が安いため、住み続けたいという人は多い。 知人の両親は、60年以上、普通の家に住んでいたが、つい最近 8階立てのマンションに引っ越した。 いまのところ事故はないようだ。

 


 
08 / 31

「疲れている」って顔に書いてありますよ。 という表現がある。

ピーターグリナウエイの映画 枕草子(まくらのそうし)では、からだに字を書くイメージが 使われたが、日本にはおなじみの刺青(いれずみ)がある。 刺青は、入れ墨と書くこともある。現代の若者にはファッションの ひとつとして広がっている。

しかし、日本で刺青を入れるのには勇気がいる。長いこと、刺青には 犯罪者(はんざいしゃ)のイメージがあったからだ。 江戸時代から、罪を犯したものは顔など服でかくせない部分に 刺青を入れさせられた。

明治に入り、一時、国によって禁止されたが、当時、来日した イギリス人達に評判となったりして、ひっそりと刺青の文化は 続いていった。

昭和(しょうわ)になってからは、暴力団(ぼうりょくだん) などのトレードマークとなり、刺青を入れた人は、銭湯(せんとう) に入れなかったりすることもあった。 普通の会社への就職は難しく、結婚にも障害があったであろうと 思われる。

今でもそういう傾向はある。 刺青を入れる人は、彫師(ほりし)と呼ばれ、技術の高い人は 芸術家としてもてはやされた。 現代は、図柄(ずがら)も現代的なものとなり、複雑な模様(もよう) が減った。日本独特の文化という印象は薄くなった。

南米やアフリカの奥地などでも同じ習慣を持った人々がいる。
現在、刺青を入れる墨は主にオーストラリアなどからの輸入で 機械も輸入ものが多いという。

 


 

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2000年07月


 
07 / 04

個人的にはサミットには興味はないが、7月に入り、このニュースが 流れるかもしれない。

今回は、沖縄(おきなわ)で行われる。インターネットを使えない 人々に対して、どうフォローしていくか、といったことが 話し合われるようだ、日本は森首相をはじめ、ほとんどの国会議員 (こっかいぎいん)はコンピューターを使えないので、切実(せつじつ) な問題だ。

このことは、実は、日本ではほとんど問題になっていない。 インターネットを使う価値は、まだ実感できないからだ。 ともかく、政治家達は、コンピューター関連会社の株には興味が あるようである。

 


 
07 / 06

ニューヨークにある自由の女神(めがみ)は、東京でも見ることが できる。

都心から20分ほど行ったところにある赤羽(あかばね)という町に それはある。
残念ながらサイズは、非常に小さいが電車からいつも見ることが できる。どこかのビルの広告塔(こうこくとう)となっている。

昔、同じく自由の女神のミニチュアを2回見た。東北と九州で1回づつ。 ふたつともラブホテルであった。 ラブホテルというのは、まあ、恋人同士が楽しいことをする場所ですね。 泊まると8000円くらい。ショートステイもあって、だいたい2時間 くらい(短い?)で4000円くらいだ。 なぜか洋風のビルが多い。

ヨーロッパのお城のようなものや、 アーリーアメリカン調というのだろうか、アメリカ風の建物も ある。

大きな道路沿いに多いので、大人は、子供に 「おとうさん!お城があるよ!」と言われた時の説明を考えておかねば ならない。

 


 
07 / 07

乳製品(にゅうせいひん)を作る会社が不良品(ふりょうひん)を 販売(はんばい)し、食中毒患者(しょくちゅうどくかんじゃ)が1万人を 越える事件に発展した。会社は事実を隠蔽(いんぺい)しようとしたため、 被害者(ひがいしゃ)が増えることとなった。

オフィスで聞いた会話。

「あ、これ、あの会社の牛乳じゃない」
「そう、でも、これは問題があった工場のやつじゃないよ」
「でも、なんとなく気持ち悪くない?」
「まあね。でも、もったいないし」
「ええっ! 飲むの?」
「やっぱり、やめたほうがいいかなあ」
「やめたほうがいいよ。管理が杜撰(ずさん)みたいだし」
「そうか。。。」
「あれだけ隠すんだから、きっと他の工場もあやしいよ」
「そうかもね。やめた!」

 


 
07 / 11

17才の少年が逮捕(たいほ)された。

少年は学校で3人の知人に野球(やきゅう)のバットで暴力 (ぼうりょく)をふるい重傷(じゅうしょう)を負(お)わせた。 その後、自宅に帰り、母親を撲殺(ぼくさつ)したと言われている。

家庭でも問題はなく、おとなしい子供で、母親を悲しませたくなくて 殺人に及(およ)んだと話しているらしい。 子供の犯罪は世界的に増加しているようだが、日本の場合、家庭は 経済的には、ほとんど中流以上で、一見、問題のなさそうな大人しい 子供がこのような犯罪に走ることが特徴(とくちょう)かもしれない。

その後、自転車で逃走(とうそう)した。 岡山県で事件を起こした少年は16日後に秋田県で保護(ほご)された。 1000キロを自転車を乗り継ぎながら逃走(とうそう)した。

バッグにはマンガのカードがたくさんと、携帯(けいたい)ゲーム機 と、ゲームの解説書(かいせつしょ)があったという。

彼に判決(はんけつ)がおりるのは、21世紀(せいき)になるだろう。

 


 
07 / 12

「消防署(しょうぼうしょ)のほうから来ました」というのは 有名なセリフだ。

これは、消火器(しょうかき)のセールスマンの使う言葉である。
彼等は、続けて「この度、消防署のほうの指導(しどう)なども ありまして、各家庭に消火器を置かれることをお勧めに まいったのですが」 と言うそうだ。

分かりますか?

彼の最初のセリフ「ほう」が問題なのです。
「ほう」というのは、方角(ほうがく)を示すもので、消防署の人間 だとは言っていないところがポイントだ。

日本人もこれを聞くと、消防署の人間だと 間違えてしまう。

その他も微妙(びみょう)な、言い方をしている。「消防署の指導」 は、もちろん強制ではない。「指導」というのは、法的な拘束力 (こうそくりょく)はないし、「などもありまして」というのは 「指導」は、誰に対してされたのかは、わからないようになっている。

あとは、信用できそうな顔と笑顔があれば、誰もがだまされる。
もちろん、この話は有名になってしまったので、今頃は、新しい 表現が生み出されていることだろう。

 


 
07 / 15

週刊誌(しゅうかんし)は、駅の売店(ばいてん)で買える。 それぞれお気に入りの雑誌があるようだ。

「あ、安田(やすだ)、週刊新潮(しんちょう)買ってるのか」
「うん、遠藤(えんどう)は、文春 派(ぶんしゅん は)?」
「だいたいそうかな」
「おれも時々、買うけど。つり広告見て、面白そうな時は」
「ああ、文春は、広告、うまいからな」
「でも、最近、読みたい雑誌が少なくなったような気がする」
「おれも、そうなんだよ。テレビの記事が増えたような気がしない?」
「そうそう。テレビ見る時間ないからなあ。よくわからないよね」
「そろそろ中年向きの雑誌に変える時期なのかもね」
「ああ、月刊誌とかね」
「そう。でもそれ読んでいるところを、会社の人に見られたくないね」
「はは、そうだねえ。雑誌の中の広告も違うしね。腰痛(ようつう)の薬とか」
「そう、入れ歯(ば)の広告とかね。健康関係のものが多いね」
「雑誌に影響されて老(ふ)けることもあるのかもね」

つり広告というのは、地下鉄の中に吊(つ)ってある雑誌の広告のこと。
新潮も文春も、有名な週刊誌のことで、20代から40代にかけて 広く読まれている。政治から社会まで、何でも扱(あつか)う。

 


 
07 / 19

大都市の大きな町の駅周辺などでは、ポケットティッシュを配る 若者が多い。

もちろんボランティアではなく、ほとんどが、金融会社やメガネ屋 の広告が入ったものだ。 夏になると団扇(うちわ)を配る会社もある。ティッシュより値段が 高いせいかこれを配る会社は大手であることがおおい。

夏になると商店街などでうちわを作ることがある。 表は夏の風情(ふぜい)を感じさせる絵であることが多く、色なども 涼(すず)し気(げ)なパステルカラーが多い。 裏や下に字だけの広告が入っている。名前と電話番号が入っている。

しかし最近配られるものは、派手なイラストと会社のロゴがまん中に 印刷されていることが多い。 商店街のものは、ひと夏、あるいは翌年も使うことがあったが 派手なものは、飽きられ、すぐに捨てられてしまう。

 


 
07 / 21

今日から沖縄(おきなわ)サミットが始まる。 男性2人と女性一人の会話。

「クリントンさん、来ないの?」
「いや、間に合うみたいだよ。」
「あ、そう、今回はITの話し合いだからゲイツのほうでもいいんじゃない」
「ああ、同じビルだしね」

「ねえねえ、やっぱりブレアって、素敵(すてき)ねえ」
「ああ、若いもんね」
「それだけじゃないわよ。スリムだし、笑顔がいいのよ」
「そうだな。ひとりだけ、映画俳優みたいだなあ」
「そう、歳とった政治家って、なぜかみんな同じ顔になるのよ」
「ああ、ちょっとずるそうな顔ね」
「ブレアさんの、あの爽(さわ)やかさは、奇跡的(きせきてき)よ」

30代の女性にブレアさんの人気は高い。 友人の女性によると、クリントンさんは
「田舎くさい」 シラクさんは、「名前が落語家(らくごか)みたい」
森さんは、「よく知らない。論外(ろんがい)よ」 とのことだった。

他の首脳(しゅのう)は、「今回、初めて見た」 と言っていた。
彼女の反応は、ごく平均的なものであると思う。

だが、ひと世代上の人々は違う。サミットが初めて開催されたのが サミットは、晴れがましい席であり、高度経済成長の勲章 (くんしょう)でもあるからだ。

 


 
07 / 21

昨日から新しく2000円札(さつ)が発行(はっこう)された。

外国では20とか200という単位の紙幣(しへい)は多いが 日本では始めてのことだそうだ。

今、日本で2000円はどこくらいの値段か。何が買えるか。

お昼ごはんには、少し高く、晩ごはんを外で食べるには2枚必要。
安い居酒屋(いざかや)でビールを3本と焼き鳥を5本とあと一品ぐらい。
安売りのシャツ、スエット。
ベッドのシーツ。
日本語の教科書。 CD一枚。
標準的(ひょうじゅんてき)な英和(えいわ)辞書。
国語辞書、 漢字辞書。ドイツ語や韓国語などの辞書は買えない。
野球(やきゅう)で内野(ないや)自由席の入場券(にゅうじょう けん)。
サッカーでは、いちばん安い券。
映画館の入場券とペプシ。
ビデオテープが10本。
中古の36600bpsのモデム。
東京から電車で2時間くらいの距離の切符(きっぷ)。
国産(こくさん)のまあまあのステーキ一枚。

10才くらいの子供に、2000円をあげても喜ばない。
ゲームソフトが買えないからだ。

 


 
07 / 25

言葉そのものは古いが、表現として残っているものがある。

例えば「井戸端(いどばた)会議」 井戸の近くで女性が話しをする風景はどこの国でも見られた風景だろう。 今では、買い物帰りの主婦が、立ち話をすることを指して言う。

今、日本で井戸を探すのは難しい。 地方に行けば、枯(か)れた井戸なら見つかるのだが。

2.30年ほど前なら、井戸水は地方へ行けば、いくつもあった。 しかし、その頃すでに「井戸水で作ったコーヒー」などと看板があったぐらいだから、珍しい部類に入るものであったのだろう。

夏場でも井戸水は冷たく、冷蔵庫(れいぞうこ)の役割もはたした。
夏になると、地方に住んでいる親戚(しんせき)のうちを訪ねる度に 食べた井戸で冷やしたスイカが抜群(ばつぐん)においしかった ことを思い出す。

 


 
07 / 26

知人のおばあさんは、90才をこえているが、元気に生きている。

90才といえば20世紀をほぼ生きてきたことになる。 第二次世界大戦のころは、もう中年といっていい年だった。 日本は戦後、急速に発達した国のように言われることが多いが このおばあさんは、戦前からのアメリカ映画好き。 二枚目(にまいめ)が好きだ。

現在もドリーファンクというアメリカ人のプロレスラーのファンでボクシングなどは 80になっても身を乗り出してみているそうだ。 辺りを見てみると、意外とこういった老人は多い。

老人から「モンゴメリークリフトは、いい男だったねえ」 なんて話を聞くのは楽しいものだ。

 


 
07 / 27

小学校に久留主(くるす)くんという人がいた。 背が高く、運動神経(うんどうしんけい)が抜群(ばつぐん)で 恐い顔をしていたが、性格はおだやかで、まじめだった。

実は、くるす という名前は九州に多いそうだ。 クルスは、クロス。つまり十字架(じゅうじか)のことで、彼等の 多くはクリスチャンの末裔(まつえい)とのことだった。 江戸時代に厳しく禁止されていたこともあって、九州では多くの クリスチャンが罰せられた。

当時キリシタンと呼ばれた彼等は、密かにキリスト教の信仰(しんこう) を守った。そういう人々を「隠れキリシタン」と呼んだ。 今でも長崎に行くと、光に当てると十字架が浮かび上がる鏡や 朝日が差すと、十字の影ができる窓などを見ることができる。

現在、キリスト教の信者(しんじゃ)は、日本の人口の1%程度だと 言われている。
久留主くんがクリスチャンであるかどうかは、きけなかった。

 


 
07 / 28

営業のサラリーマンは厳しい。

「契約(けいやく)どうだった」
「なかなか厳しくてねえ。ほらうちの会社、株価が下がりぎみだから」
「ああ、最近は、そういうこともあるのか」
「そう、最近、急に、株価(かぶか)がどうしたとか  言う人がいるんだよ」
「え、そんなこと言うの」
「もちろん、はっきりと言わないけど、遠回しにね」
「ああ、やだねえ」
「まあ、仕方ないと言えば、仕方ないんだけどね」
「でも、おまえの会社、あぶないわけじゃないんだろ」
「まあ、当分(とうぶん)大丈夫だけど、下がってるのは事実だから」
「口実(こうじつ)じゃないの。断るための」
「まあ、最初はそう思ったんだけど、結構、本気(ほんき)なんだ」
「じゃあ、その会社の株価はどうなの」
「うちより大きいんだけど、株式を公開(こうかい)してないんだよ」

 


 

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2000年06月


 
06 / 01

炭(すみ)が見直されている。

よい炭は、昔から焼き鳥を焼くには、欠かせないものだったが、 最近はその消臭効果や水をきれいにする効果が注目を浴びている。

マウスくらいの小さなものならひとつ300円ほどで手に入る。 それを下駄箱(げたばこ)や、トイレなどに置いておくだけで 効果を発揮する。半永久的に効果が持続するということもあって 家庭の中でも使われることが多くなった。

バーベキューなどでも炭に落ちた油の煙(けむり)で、肉が 燻(いぶ)されよい味になる。 焼き鳥を作るのは、いろいろとコツがいるそうだが、とり肉を 切って、塩をふり、よい炭で焼けば、日本の普通の居酒屋よりは 美味しいものができる。
お試しください。

 


 
06 / 06

最近、日本で売られている車には、10万円程度のオプション料金を 払うとカーナビが付いてくる。 カーナビゲーションシステムのことだ。

最近のものは、よくできていて、目的地を入力すれば、一番早い道を 探して教えてくれるし、今の時間帯は、この道のほうがいい。 などと、抜け道も教えてくれる。

外国人によく指摘されることだが、日本では大きな道を除いては 道に名前が付いておらず、ひとつの道が途中でいろいろと名前が変わることも多く、分かりにくい。
東京では、道は複雑で、タクシードライバーも東京の地理に詳しく なるまでは10年かかるなどと言われる。

そのうち、東京のタクシーには、カーナビが搭載(とうさい)される ことになるかもしれない。

 


 
06 / 17

戦後まもなくは、東京のタクシーは、神風(かみかぜ)タクシー などと呼ばれ、評判が悪かった。

乗車拒否(じょうしゃきょひ)も 多く、わざと遠回りして高い料金を請求(せいきゅう)するドライバー も多かったそうだ。

その後、ずいぶん改善された。規制(きせい)も厳しくなった。 しかし最近は、その規制で守られた業界が不透明(ふとうめい)で タクシーの料金が均一(きんいつ)であることに批判が集まっている。

自由化の波(なみ)は、タクシー業界にもやってきた。本格的な 競争がはじまれば、現在のタクシーの台数は激減するかもしれない と言われている。

 


 
06 / 08

意外と知らない人が多いが、夏は、日本では、麦茶(むぎちゃ)を 飲む。
冷やして飲む。 最近は、パックの麦茶がよく使われる。
水とパックをいっしょに 入れて、1時間ほどでできる。

夏の飲み物には、カルピスもある。 これは、甘いジュースで、濃縮(のうしゅく)した液が売られている。

知人がこのカルピスをスペインに住む日本人の友人に送ったところ 半月後に、「あと10本送ってくれ」と手紙が来たそうだ。

特に美味しいものでもないけれど、記憶と結びついた飲み物、食べ物 というのはありますね。

 


 
06 / 12

東京の中心にある神田(かんだ)という所は古本屋が集まっている。
ほとんどが日本の本だが、英語の本や中国語の本も多い。

3年ほど前、ハンガリー語の辞書を探したが、すぐに見つかった。
200件以上が狭い地域に集まっているので、100メートルも歩くと たいていの本を見つけることができる。中には古い版画(はんが)や 相撲(すもう)専門の店などもある。

 


 
06 / 13

外国人にも焼き鳥が人気があることを日本人に知らしめたのは、 アメリカのカーター大統領だ。

彼が来日した際、日本の寿司屋や、焼き鳥屋に立ち寄り、日本食を 楽しんだ写真は一躍(いちやく)有名となった。 カーター大統領と言えば、焼き鳥。というほどだ。 海外の日本大使館でもパーティーの際は、必ず焼き鳥が出て人気と なるそうだ。

寿司の場合は、生の魚が苦手というひとは多いのでメインでは出されない。
テンプラは、つゆがおいしくない。 という声を時々聞く。
焼き鳥は、安心して食べられるということ だろうか。

とり肉の値段は日本では安い。100グラム100円ほどだ。 しかし、とり肉ほどここ20年で味が変わったものもないと言われる。
簡単に言うと、味が薄くなり、油が多くなった。ブロイラーと呼ばれる 工場のような養鶏場(ようけいじょう)で育てられたにわとりは、 同じ味がする。卵も同じ。

若い世代の日本人は、外国でとり肉を食べると、味の濃さに驚き、 あまり美味しく感じないということだ。

 


 
06 / 14

韓国人の知人に「南と北はもう違う国だ」という意見はないのか ときくと、「それを言うのは、まだ表面的にはタブーです」 という答えが返ってきた。

「歴史的」と言われた南北朝鮮(ちょうせん)の会談(かいだん)では、どのように握手するか とか、どこに行くか、といったことが話題になっている。

今回は具体的な話し合いは行われないようだが、主に経済関係を 強化する方向で進むことは間違いないようだ。 韓国には多くのコンピューター会社があり、北朝鮮には質のよい 安い労働力がある。

それぞれ今後に向けてしたたかな戦略をもっているようだ。
両国には政治を超えた複雑な感情がうずまいている。

韓国に帰国した知人にもう一度、同じ質問をしてみたいものだ。

 


 
06 / 15

私の知人はスコットランドで3ヶ月静養(せいよう)していた。 ほぼ毎日、パブに通っていた。

しかしそこは、地元(じもと)の人 しか行かないところで、英語の下手なへんな日本人が注文しても 後回(あとまわ)しだった。

ある日、パブに入ろうとするとひとりの老人が出てくるところだった。 知人はドアをあけて、「どうぞ」と通した。 続いて、3.4人ほどの老人が通った、最後の老人はニコリと 笑いかけてくれた。 翌日、またパブに行くと、どうも様子がおかしい、ウエイターの 愛想(あいそ)がいい。

店を出ようとしてお金を払おうとすると 「いらない」という。ウエイターが親指で差す方向に先日の 笑いかけてくれた老人が座っていた。 それからパブでいろんな人が話し掛けてくるようになった。 充実した夏を過ごすことができた。

ドアをあけたり、席を譲ったりすることは特別なことではないけれど 外国では
このように効き目があることもあるという話。

 


 
06 / 16

今日はあまりきれいな話ではありません。 男性2人の会話。共に30代

「おはよう」
「おはよう。あのさ、朝から何だけどさ」
「なに」
「けさ、うんこ踏みそうになっちゃった」
「え、犬の」
「あたりまえでしょ」
「藤崎(ふじさき)さんって、そんなに田舎だったっけ」
「いや、会社の前だよ」
「へえ」
「でさ、なんだか小学校のころ思い出したよ」
「ああ、おれの時は、うんこ踏んだやつは、一日中『くさい』って 言われてたな」 「そうそう、『バリヤ!(barrier)』って言ってね」
「ああ、そういうのあったなあ」
「それにしても、新宿のまん中に犬のうんこがあるとはねえ」
「マナー悪いよな」

 


 
06 / 20

日本では国立、公立(こうりつ)の大学と私立の大学がある。

大学の数は多すぎて、試験を受けなくても入ることができる私立の大学は 多数あるとのことだ。 私立の大学の学費は1年で75万から100万円ほど。入学する時にもお金が かかるので、4年で500万ほどかかると言われている。

先日、私が卒業した大学にビルゲイツ氏が招待された。彼はスピーチをし 短い質疑応答(しつぎおうとう)に応じた。 日本の企業との話し合いのついでに立ち寄ったというのが実情のようだ。 この大学は、ゲイツ氏に学位(がくい)を与えた。

私は、この大学に入るために、少なくとも一年は勉強した。500万円は 私の家庭にとっては、少ない額ではなかった。

私はゲイツ氏には、何のうらみもないし、マイクロソフトは必要以上に 批判にさらされていて同情もするが、この大学の対応にはちょっと納得できない。 そもそもこの大学には、コンピューター関連の学部はなかったはずだ。

ともかく、ゲイツ氏は、これで私の先輩(せんぱい)となった。 彼の近くにいる人で日本の事情に詳しい人は、彼に教えてほしい。 日本では大学の先輩というのは、後輩(こうはい)に食事くらいはおごるものだ。 ということを。

こんど来日した際は、頼むよ!ゲイツ先輩!

 


 
06 / 22

外国で起こった事件を自分の国の事件に置き換えて考えたり あるいは、自分の国の将来を見たりすることはよくあることだが、さっぱりわからない事件というのも
ある。

フーリガンというのはなかなか解釈が難しい。 サッカーファンなのだろうか。
それともサッカーは単に名目(めいもく) にすぎないのだろうか。

2002年は日本と韓国でワールドカップが行われることになっている。 ワールドカップを主催する国は、ビザの審査なしに入国を許可(きょか) しなければならないそうで、これを機に不法滞在者(ふほう たいざいしゃ)が増えるのではないかと政府は戦々恐々(せんせん きょうきょう)としているそうだ。

日本の入国審査は厳しい。もう少し大人しくしていないとイギリス人は 2002年から入国できなくなるかもしれませんよ。

 


 
06 / 23

日本でバレーの世界大会が行われている。

オリンピックの出場権(しゅつじょうけん)がかかっているそうだ。

「バレーの大会って、どうしていつも日本でやるのかな」
「ああ、それおかしいね。多分、お金を出しているんじゃない」
「多分ね」
「イタリアとか強いんでしょ」
「そうらしいね。最近は。プロがあって、国内でも人気があるって」
「へえ、あの美人のエース、名前なんだっけ」
「カッチャトーリだったかな」
「ああ、おいしそうな名前ね」
「スパゲッティカッチャトーリって、本当にありそうだな」
「イタリア人の名前って、おいしそうなの、多いよね」

今、日本ではイタリア料理が人気で、安い店がどんどん出来ている。
先日、デパートの食堂のフロアに行ったら、9店のうち7店が イタリア料理だった。

 


 
06 / 27

先日行われた日本の選挙の評価はいろいろとあるようだが、外国のメディアなどでは 低い投票率(とうひょうりつ)や実質的な変化のない結果(けっか) に批判的な論調(ろんちょう)が多いようだ。

キーワードは不景気(ふけいき)と公共事業(こうきょうじぎょう) だろうか。

日本の政治は複雑でわかりにくい。例えば、日本で最も共産党 (きょうさんとう)がいちばん強い地域はどこかわかりますか? 答えは京都。古く保守的な土地(とち)と言われる場所だが なぜか政治は違う。

これからどうなるのか? これも私にはさっぱりわからない。分かっていることだけでも 説明しようとすると、あまりの複雑さに、うんざりしてしまう。

はっきりしているのは、定数(ていすう)は480で、わかりやすい 主張をする政党はがんばっても30くらいしかとることはできない。 なるべくあいまいな、ぼんやりとした政策(せいさく)をもった 政党しか多数をとることはできないということだろうか。

しばらくの間は、あたりを見回しながら、おそるおそる政治を進める 時代が続くということだ。 つまり特に日本の政治に興味のある方を除いては、研究するに価しない とも言えるだろうか。

 


 
06 / 28

選挙が終わったとたんに火山(かざん)が噴火(ふんか)しそうになりメディアはそちらに行ってしまった。もう、すでに選挙などなかったかのようである。

日本には火山が多く、富士山(ふじさん)もそのひとつだ。 国土の70%以上が山林で、水害や地震(じしん)も多い。国としては 「維持費(いじひ)」がかかるほうだと言えるだろう。

今年に入って2度、火山の噴火が起こったが、2度とも気象庁 (きしょうちょう)による予知(よち)で被害者はでなかった。 地震予知に関しても世界の中で進んでいるそうだ。

今回は東京から離れたところにある離島(りとう)の火山の噴火 が始まっている。住民は安全な地域に避難している。 食料の確保など最低限の生活保証はされているそうだ。

不謹慎(ふきんしん)かもしれないが、子供のころは、天災(てんさい) は楽しみだった。

台風が近付いてくると、意味もなくお菓子を買ったりしていた。
停電(ていでん)でろうそくをつけたりするのもわくわくするものだ。
他の地域が災害にあって、体育館に集まったりしているのをニュースで 見ては「うらやましい」と思ったものである。

好きな女の子と同じ屋根の下で生活ができるのだ。

 


 
06 / 29

日本でテレビを見ていると、時々、チャイム(chime)の音がして 画面(がめん)の上に文字がでる。

緊急(きんきゅう)のニュースや地震などの情報が表示される。 もちろん、重要なニュースの時は、番組を中断(ちゅうだん)して ニュース番組が始まる。

先月は、少年犯罪(はんざい)のニュースが立て続けに起こった。
チャイムの音に「また、少年の犯罪か」と感じたものである。
今月は、小渕(おぶち)首相や大物(おおもの)政治家の死が 続いた。
すると、チャイムの音は死亡のニュースかなと 反射的(はんしゃてき)に考えるようになる。

ここ2.3日は、火山の噴火(ふんか)のニュースの関連で地震の ニュース速報(そくほう)が多い。

今日は、チャイムの音で、また地震かとテレビ画面を見ると 警官(けいかん)が殺害され、犯人はピストルをもって逃走中との ことだった。

数分後、また、チャイムがなった、今度は自衛隊(じえいたい)の 飛行機が墜落(ついらく)したとのことだった。

「警官が殺されたぐらいでチャイムが鳴ってたら、テレビなんか うるさくって見てられないよ」という国もあることだろう。

速報を出すかどうかの判断は、各テレビ局がやっているらしいが まあ、ほとんど横並(よこなら)びである。

たまには、イギリスのように首相に子供が生まれたというチャイムでも 聞きたいものだ。

 


 
06 / 30

中国人と日本人の会話。共に男性

「きのう、新聞みましたか」
「うん、ざっと目を通したよ」
「遺伝子(いでんし)の研究で寿命(じゅみょう)が1300年になるらしい
  ですよ。」
「へえ。1300年ねえ。中国で1300年前だといつかな」
「唐(とう)ですね。」
「楊貴妃(ようきひ)のころか。日本は奈良(なら)時代」
「そのころの人がまだ生きていることになりますね」
「紫式部(むらさきしきぶ)はハリウッドでシナリオ書いてるかな」
「あ、源氏物語(げんじものがたり)を書いた人ですね」
「そうそう、清少納言(せいしょうなごん)は雑誌にコラムを書いてるかもね」
「ああ、なるほど。中国は人口問題がたいへんですよ」
「ああ、そうか、そうか。今の政治家があと、1000年以上生きてるのはちょっと
  困るね」
「いやあ、ほんとに困りますよ。それは」

 


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2000年05月


 
05 / 02

CGは、ハリウッド映画でお馴染(なじ)みだ。

日本映画では、予算のこともあって、なかなかCGを使えないという 事情があるらしい。 ところが、日本のテレビコマーシャルでは、予算はたっぷりなので、多用されている。

エルビスプレスリーがラーメンを食べ、オードリーヘップバーンが 缶ジュースを持っている。 こういうことは、遺族(いぞく)の許可が必要らしいが、ファン の意見は反映されない。

コンピューターが発達すると、CGも低予算で作れるようになるらしい。 技術者も増えている。今後もこれらのコマーシャルのように過去の 人物が、商品の宣伝をすることが増えるかもしれない。 映像が残っていることが条件なので20世紀の人物になるのかもしれない。

ヘミングウエイがクルーザーの宣伝をしたり、ガンジーが 眼鏡(めがね)のコマーシャルに出るかもしれない。

私はあまり好きではない。 あなたも死んだ後、日本で納豆(なっとう)のコマーシャルに 出ているかもしれませんよ。

 


 
05 / 08

ゴールデンウイーク中に、2つの大きな事件があった。

ひとつは、主婦が殺害(さつがい)された事件。動機(どうき)は 「人を殺す経験をしてみたかった」

もうひとつは、バスを乗っ取って、乗客を一人殺害、男性の乗客を 解放(かいほう)した後、女性ばかり残り10人ほどを人質 (ひとじち)にし、16時間近く移動しながら立てこもった事件。 6歳の女の子に刃物を当て、警察とやりとりをした末、逮捕された。 動機はあきらかにされていない。

共通点は、いづれも17才の男の子が犯人だったということだ。

詳しくはわからないが、学校での成績は優秀(ゆうしゅう)だった らしい。しかし、友人は少なかったそうだ。 バスジャックの犯人は、「いじめ」に会い学校に通わなくなって 精神病院に通院していたとも報道されている。

イギリスでも17才の男の子が、暴動を扇動(せんどう)したとして 逮捕されている。 少し前は、アメリカでも同世代の子供が銃(じゅう)を乱射(らんしゃ) する事件が起こった。 日本で17才というのは高校の1年か2年というところだ。

日本では高校への進学率は高く、大学への進学率は50%程度である ことから、この年代は、始めて「社会」を意識しはじめるころでも ある。

さて、これから先がわからない。 何故?

 


 
05 / 10

最近、よくきかれる言葉に「危機管理(ききかんり)」がある。

首相(しゅしょう)の突然(とつぜん)の病気や原子力(げんしりょく) 機関での事故などで、咄嗟(とっさ)の事態(じたい)に対応できない 政府機関を批判するときに使われた。

先日のバスジャック事件でも、意見は二つに分かれた。

早めに犯人を射殺(しゃさつ)すべきだったという意見は多い。 すでに一人を殺害し、精神状態が安定していない少年を、たとえ 17才とはいえ、乗客の生命を考えると対応が遅すぎた。 というもの。
バスは安全対策が難しく、将来の事故に対する抑止(よくし)効果も あるのだというのが主旨(しゅし)だ。

他方、比較的軽度(けいど)の精神病患者でもあるし、17才は、 まだ更正(こうせい)の余地(よち)がある。 なるべく犯人の生命も大事にしながら事件を解決したいという日本の 警察の対応は正しかった。 という意見もある。

この17才の少年は、精神病院の診察を受けたことがあり、おそらく 5年以内には社会に復帰(ふっき)するだろう、というのが大方 (おおかた)の見方だ。
日本では18才未満の人間はすべて少年法という法律で裁(さば) かれる。
ほとんどは5年以内で、多くは2.3年で社会に復帰することになる。

この年齢を下げたらどうかという意見もある。
犯罪の弱年化 (じゃくねんか)も問題となっている。

「子供」の定義は、国によっても、時代によっても違うが 共通している考え方は、「大人でない者」ということだろうか。

それぞれの国が、それぞれの時代に応じて考えなければならない 普遍的な問題とは、大人とは何かということかもしれない。

 


 
05 / 11

「連帯責任(れんたいせきにん)だ!」と少年は叫んだそうである。

少年は17才で、先週、バスジャックをして一人を殺害(さつがい)した。

「連帯責任」という言葉で連想(れんそう)されるのは、軍隊(ぐんたい)、 特に陸軍(りくぐん)では、一人がミスをすると、チーム全体の 責任となった。
チームの中で孤立(こりつ)しないためにそれぞれが 抑制(よくせい)するという効果があったのかもしれない。

戦後、軍隊式(ぐんたいしき)といわれるやり方は、残った。
例えば、学校。ことに体育の教師は、軍隊式が好みのようだ。 あとは、刑務所(けいむしょ)。「矯正(きょうせい)」が必要な 施設では、よく軍隊式の教育を目にする。

もうひとつ、精神病院や養護施設など、弱い立場の人々が集まるところだ。 軍隊式の教育をよしとする人々は、ある種の合理性(ごうりせい) があると考えているようだ。

少年は連帯責任という言葉をどこで聞いたのか。
この言葉は、事件報道の中でもひときわ暗く響いた。

 


 
05 / 12

日本では部屋の広さは、畳(たたみ)の大きさで表現されることが 多い。

不動産屋(ふどうさんや)でも、部屋のサイズはほとんど6畳とか 8畳と書かれる。「畳」という漢字のかわりに「帖」が使われることも多い。

最近は、洋風のアパート(マンションという)の部屋のサイズは 平方(へいほう)メートルで表記(ひょうき)されることも 多くなった。

しかし、結局、不動産屋に「これ何畳ぐらい?」 と聞く人は多い。

パリのさる宮殿(きゅうでん)で。日本人女性の会話

「うわー広いね、100帖くらいあるんじゃない」
「そうねえ、でも、何人ぐらい寝られるかしら」
「ここ寝るとこなの」
「舞踏会(ぶとうかい)をしたところらしいよ」
「何人くらい入るのかしら」
「さあ、ガイドに書いてるよ。3000人だって」
「じゃあ、100帖じゃきかないわね。200帖くらいね」
「そうね」
「料理だって作るのたいへんよー」

宮殿に畳が敷き詰めてあるのを想像すると楽しくなってしまう。

 


 
05 / 15

小渕前首相が亡くなった。

選挙の日程はすでに決まっている。6月25日。小渕さんの誕生日 だそうだ。

与党(よとう)の議員にとっては、まさに絶好の タイミングで亡くなったとも言える。 弔(とむら)い選挙という言葉があるくらいで、政治家の死は、 当然のように政治的に利用される。また、それに左右される 有権者も多いということなのだが。

ただでさえ、選挙の時は、宣伝カーの騒音になやまされるものだが 今回は、それに加えて、露骨(ろこつ)なやりとりが行われることは 確実で、今からうんざりだ。

小渕さんは、田舎の中学校の校長先生のようだった。
人柄のよさという のは、テレビからも伝わってきた。

御冥福(ごめいふく)をお祈りしたい。

 


 
05 / 16

コンピューターウイルスは困った問題だ。

最近のウイルスは、メールの添付(てんぷ)で送られてくるようだ。 添付ファイルには、タイトルが付けられている。 私のところにも送られてきた。流行(はや)りのI love you ではなく Pretty Parkというタイトルのものだ。
これはexeファイルなので、私のアップルのコンピューターには 関係ないようだ。

ウイルスの添付書類のタイトルというのは、面白い。

差出人がわからなくても思わず開きたくなるようなものでないと いけない。
そのまま捨ててしまうと気になるような題名(だいめい)で 悪意を感じさせないもの。
I love you はまあ、普遍的なものですね。Pretty parkは、ちょっと 見てみたい気がしますね。

国籍(こくせき)を問わず、男女の区別なく、だれもが開きたくなる ような添付ファイルのタイトルとはなんだろうか。

「幼(おさな)なじみより」なんてどうでしょうか?
なかなか文学的なテーマだと思いませんか?

 


 
05 / 17

着信音(ちゃくしんおん)というのはあなたの辞書にのっていますか?

今、日本では着信音といえば、携帯電話に電話があったときに なる電話の音のことを言う。 流行(りゅうこう)の歌や、すきな曲を、無味乾燥(むみかんそう) な着信音のかわりに使うのだ。

若い人が多い居酒屋(いざかや)など に行くと、ひっきりなしに、いろんな種類の着信音が鳴っている。 人気がでたので、この着信音を作ってダウンロードできるサービス を始めた会社が話題になったり、和音(わおん)が鳴る新しい 機種(きしゅ)が発売されたりしている。

便利なこともある。
着信音が同じだと、誰にかかってきたかわかりません からね。

電車の中で、ヤクザ風の男の着信音が、ディズニーだったりすること もあったりして、面白いこともあるのだが、やはり、迷惑ですね。

 


 
05 / 18

JMMというのは、Japan Mail Media の略で、これは作家の村上龍 (むらかみ りゅう)が始めたものだ。

現在の主なテーマは、経済。といっても、インターネット決済 (けっさい)がどうしたとか、次世代のマーケットの主流は?といった たぐいの話しではない。

作家である村上龍が、国際的に金融マーケットで活躍していた 優秀なエコノミストやトレーダー達に問いを発しながら、今の世界をどう捕らえるのか尋ね、各自がそれぞれの切り取り方で、近付いていく。

実は、最近増えたと言われるカタカナ語の中で、金融関連の言葉は、 比較的あてはまる日本語が、辞書の中に存在することが多い。

しかし、にもかかわらずカタカナで表記されるのは何故か。
日本語ビジネス用語集などはたくさん出版されている。
現在、日本で起きている現象を考えると、改めて、それらの訳語の 「ずれ」が気になってきたことは確かだ。

コマーシャリズムは、「商業主義」だろうか? グローバリズムは?

今、改めて経済を考えるということは、言葉を考えることであり、 みずからが育ってきた環境を揺さぶられることでもある。
言葉が揺らぐ時に作家が興味を示すのは当然のことだ。

経済を見る時に我々は、結局、「幸せとはなにか」といった青臭い、 根源的(こんげんてきな)問いに迫られることになる。 しかし、簡単に結論を出してはいけない、考え続けなければならない のだ。

村上龍は、ヒットアンドアウエイでポイントを稼ごうなんて考えずに いつも、打ち合いを挑むボクサーのようだ。 彼の試合は、常にエキサイティングなのだ。

JMMのURLは、このサイトのリンク集にあります。
Web Japanese Link

 


 
05 / 19

偶然(ぐうぜん)、道で、なつかしい人に会うことがある。 大学のスポーツクラブの先輩(せんぱい)と後輩(こうはい) なんかは、よくあることだ。
話すことがなくて困ることも多い。

「お、山崎(やまざき)じゃない?」
「あ、久本(ひさもと)さん、おひさしぶりです」
「げんき? 今、何してるの?」
「あ、はい、広告会社の営業なんですよ」
「あ、そうか、電通(でんつう)だって聞いたよ」
「はい、先輩(せんぱい)は」
「おれは、ホテルマンだよ、あいかわらず」
「あ、そうでしたね。先輩も営業でしたっけ?」
「いや、フロントでね。転勤(てんきん)が多くて大変」
「ああ、そうでしょうねえ」
「。。。」
「。。。」
「あ、移動中(いどうちゅう)なんでしょ、じゃあ、また、連絡するよ」
「あ、はい、失礼します」

この山崎さんに、「大学の先輩? 今の人。」 と聞くと。
「うん、多分。よく覚えてないけど」と言った。

 


 
05 / 23

LinuxというOSは日本でも話題になっている。

マイクロソフトの分割(ぶんかつ)騒ぎで、いよいよ本格的に 次のOSになるのではないかと考えられているようだ。 日本でもインターネットの利益を受ける人々が企業から個人へ 移ってきた。

ここまでくると、接続に関わるコストや、最低限必要なブラウザーや メールソフト、OSなどは、ますます公共性を増してきたと言えるだろう。
その公共性はひとつの国に限らない。政治体制や宗教の違う国々が 同時に共有すべきものだ。 中国では今の所、Windows2000の使用が禁じられているそうだ。 OSを通じて個人情報がインターネットを介して漏れる怖れがある。 というのがその理由だ。

ユニコードにも問題があるようだ。日本では変換ソフトのシェアも マイクロソフトが多数を占めている。ユニコードを進めたいようだ。

日本語の未来でさえマイクロソフトが握っていると言ってもいいのではないか。

OSがひとつの会社によって作られるというのは長い目で見ると 理屈(りくつ)にあわない。 そういった意味でLinuxには期待しているのだが、Linuxは、素人には 難しい。 コンピューターはもはや特殊な知識を持った人だけのものではない のだから、初心者でも使いやすいGUIを誰か作ってくれないだろうか。

もちろん、日本語の変換ソフトも必要だ。

高い技術を必要とすると思われるが、なんとか なるかもしれない。
そうなったら明日からでも使うのに。

 


 
05 / 24

「したたかな」という形容詞は、最近は、女性に使われることが 多いようだ。

どこの大学でも女性学の講議は、行われるようになった。
しかし、つい最近、 その女性学の講議が学生には、不評(ふひょう)であるとの記事が載っていた。
主な理由としては、講師(だいたい40代)との世代の「ずれ」を指摘 (してき)したものが多かった。

現在、40代で、仕事を持っている女性は、 そうとうな軋轢(あつれき)の中を戦ってきた人々である。 (大学と企業では、厳しさが圧倒的に違うけれども) 対して、現在20才そこそこの女性達の親達は、少なくとも、 女性の社会進出を是認(ぜにん)すべきであるという社会的な ムードの中にいた親に育てられた。

社会環境の違いから、ある部分は、古臭く感じるのも仕方がないのかも しれない。

一方で、最近、女性達の間で、極少数のエリート女性と、その他の 女性達という
「すみわけ」が、確立しつつあるようだ。

バブル経済後の不景気のしわ寄せは、まず、新卒者、なかでも女性に いった。
「女性の感性を生かした企画づくり」といった言葉は、バブル期を最後に聞かれなくなった。

私は、女性学の講議は、中学からやるべきだと思う。男女で議論しながら。
そうでないと、男性は、一生、女性学を学ぶチャンスがないのだ。

 


 
05 / 26

「彼には、時間の観念(かんねん)がない」んどと言うことがある。 いつも約束の時間におくれる人に使う言葉だ。 時間にルーズ、という表現もある。

「あのさ、待ち合わせで、何分くらい待ったことある?」
「おれ、1時間ぐらいかな」
「おれは、30分くらい。どのくらい我慢(がまん)できる?」
「そうだな、相手によるけど、1時間が限度(げんど)かもね」
「そうだなあ。仕事だと5分前がマナーって言うでしょ?」
「プライベートでは、何分くらいがマナーなんだろうね?」
「知り合いのイギリス人は15分くらいだって言ってたよ」
「日本では、30分くらいかな」
「でも、いちお、10分以上遅れたら、あやまってほしいよね」
「ああ、あやまらないやつ、いるね」
「そうそう。でも、時間の観念って、ほんとに人によって違うから難しいね」
「国によっても、違うからね」

そう、本当に、国よっても違う。時間の観念の「国際標準」は いちお、5分前には来るのがマナーで、遅れても15分まで。 というところだろうか。

ちょっと厳しいかな?

まあ、デートの時は、30分くらい、待ちますけどね。

 


 
05 / 27

子供のころ日本で過ごした外国人が最もなつかしいのは お菓子だという話を聞いたことがある。

日本には大きなお菓子メーカーが数社あり、しのぎを削っている。 チョコレートやクッキー、米などから作るせんべいなど、アイデアが 豊富(ほうふ)だ。

アニメーションが現在、日本を代表する文化と 言われることもあり、子供向けの商品開発では、世界をリードしている のかもしれない。

一方で批判もある。当然、お菓子やおもちゃには、それらを買える層と 買えない層がある。子供のうちにこのような格差(かくさ)を体験 させるのはよくないとする考え方だ。
最初から完成度の高い商品を おもちゃとして与えられると子供の想像力は育たないという人も いる。

ひと世代前の人々は、貧しい生活の中で、いかにして自然のものを 工夫して遊んだかを力説する。 しかし、その自然も今や都会にはない。遊び場も少ない。
それらは、 残念ながら、そのひと世代前の大人達が奪ったものとも言えるだろう。 今の子供には選択肢が増えたのか減ったのかは、判断するのは難しい。

 



2000年04月


 
04 / 10

ファーストシーン。

駅に汽車が着くところから映画は始まる。

体格のよい寡黙(かもく)な 男が降り立ち、駅の感触を確かめるように佇(たたず)む。
男はふるさとに帰ってきた。
ただ心に傷を負(お)っている。
それが何なのかはまだ観客には知らされていないが、それを予感させるだけの立ちふるまいを見せる主人公はジョンウエイン。

駅には数人の人々がいる。
こんな村にみなれない男が来たからには 釣りに違いないと、どこがよい釣り場か、男に教えはじめる。 横から別の村びとが口をはさむ、あそこはもうだめだ、最近はこっちの ほうだと。
議論は熱をおび、他の村人も加わってたいへんな騒ぎに なる。
男はその親切に苦笑しながら立ちすくんでいると、抜け目のない老人が さあさあ、こっちですよと、自分の馬車に案内する。

導かれるまま馬車に乗り、馬車の老人と会話をかわし、ここは自分の ふるさとであることをほのめかす。
「ショーンソーントン!」老人は、叫ぶ。

こんなかんじで映画「静かなる男」は、始まる。

この後、男は女に出会い、もうひとりの男とけんかをする。
まあ、それだけの映画だ。
馬車の男は、バリーフィッツジェラルド。

私は、15年前に一度、観ただけの映画だが、この場所がイニスフリー ということも、バリーフィッツジェラルドの役名(やくめい)が ミケリーンということも覚えている。頭の中でいつも上映できる。

監督はジョンフォード。兄のフランシスフォードもけんか好きの瀕死 (ひんし)の老人として出演している。

先日、初対面の初老のアイルランド人に、何を話したらよいかわからず、 思わず「イニスフリーって本当にあるのか」と尋ねた、すると、彼は 詩を口ずさむようなリズムで長々と、いかに美しいところか語って くれた。 ジョンウエインに釣り場を教える、おせっかいな村人のように。

少々、うるさいけれども、決していやなかんじはしない。
一気に打ち解けるというのはこういうことか。

こんな時ですね。映画の力を感じるのは。

 


 
04 / 06

先日、「フランクキャプラのアメリカンドリーム」という記録映画を 見た。

監督はロンハワード。ハリウッドの中でも地味でオーソドックスな映画 を作る監督だ。 「コクーン」は、あまりヒットしなかったけれどもいい映画です。 その後はちょっと不調(ふちょう)のようだが。

キャプラと言えば、人情喜劇(にんじょうきげき)の第一人者 (だいいちにんしゃ)だ。 しかし、この映画では、キャプラのもつ「暗さ」に焦点(しょうてん) をあてようという狙(ねら)いで作られたようだ。

あの「素晴らしき哉、人生!」(It’s a wonderful life!)は公開当時、 観客が入らず、数週間でうちきりになったなどのエピソードの他に、貴重な、日本では未公開(みこうかい)の初期のフィルムも見ることが できた。
全体として、まとまりに欠け、記録映画としては、いま一つ成功した とは言えないが、ロンハワードの誠実さに触れたような気がした。

でも、これは、劇場公開(げきじょうこうかい)しても、お客は 入らないでしょうね。

 


 
04 / 07

名前を説明するのに苦労しない人は少ない。

「あのお名前は」
「鈴木です。あのよくある鈴木です。」
「あ、はい、鈴木さんね」

こういう名前は、ほとんど書き方も一つなので、便利だ。 漢字は簡単でもいろいろ選択肢(せんたくし)がある場合は、 時間が必要だ。

「お名前は」
「新井です」
「あらい様ですね。あらは、荒川の荒ですか」
「いえ新しいのほうです。井は井戸の井です。」

井戸はもう見かけなくなったが、言葉はまだ生きている。 「荒川」のように有名な地名を説明に使うという方法がある。

読み方で困ることもある。

「こちらにお名前をお願いします」
「はい(梅原と書く)」
「うめはらさま ですね」
「あ、いえ、うめばらです」

名前や地名は、こういうふうに説明しなければならないことがある。 もちろん
「へん」や「つくり」で説明することもあるが、最近は なかなか通じないそうだ。有名な人の名前や、地名で説明すること が多いそうだ。

 


 
04 / 12

東京都知事の石原氏は自衛隊(じえいたい)の式典(しきてん)で 「外国人、三国人が事件を起こせば治安出動(ちあんしゅつどう) していただく」 と発言した。

三国人? 今はほとんど使われることはないが、戦前から戦後に かけて使われた。

三つの国を指すものではなく、第三(だいさん) の国の人。という意味らしい。
主に戦後、中国や朝鮮半島から来て犯罪に走った人々を表現する 言葉として当時、使われた。 ちなみにアップルの変換(へんかん)ソフトでは簡単に変換できた。

この発言に対する批判に対して
「私たちは戦後の混乱の中で、せっかくつくった青空市場(あおざら いちば)にいわゆる三国人が来て、その中には韓国系の人たち、 朝鮮系の人たち、中国系の人たち、アメリカ軍もおり、不法なことを あえてする、実害を与える外国人のことを三国人と書いた。 おれはそのつもりで使ったんだよ」

さらに
「東京の犯罪はどんどん凶悪化しているよ。だれがやっているかと いえば、全部三国人。つまり日本以外の不法入国して居座っている 外国人が犯罪者じゃないか。スネークヘッドだってそうじゃないか」

同じ日に、日本のオリンピック委員会の会長は先日行われたマラソンで 「黒いのが勝っちゃってねえ」と言ったそうだ。

三国人という言葉は、一般的に解釈すると悪いことをする外国人。 実は、朝鮮半島から来た外国人、中国人を指す時に使われること 多かった。

戦後、多くの外国人が日本に来た。彼等の多くは 仕事を持てず、犯罪に走ることも多かったと言われている。 スネークヘッドというのは、80年代後半に台頭(たいとう)してきた 中国系のマフィアの名前。 日本へ不法に渡航(とこう)するのに関わっていると言われている。

三国人という言葉が、差別的な意味があるかどうかに焦点(しょうてん) はあるようだが、私は、「凶悪(きょうあく)な犯罪はぜんぶ外国人」という発言は それだけで公職(こうしょく)を追われるべきだと考える。

残念ながら、地下鉄サリン事件も、半年に一度は起きる幼児殺害事件も 日本のふつうの家庭で何不自由なく育った日本の若者たちによるものだ。

「黒いの」と発言した人物は、昔、海外でも活躍したスポーツ 選手だが、自らに対する「黄色いの」という視線(しせん)を 感じたことがあるはずだ。

法律を改正したい。「公職に付いている人物が、外国、または 外国人に対し差別的発言をした場合、その国に4年留学しなければ ならない」というのはどうだろうか。 月の補助は5万円であとは、アルバイトで生活してもらう。

石原氏は知事としてはめずらしく主体的に提案(ていあん)できる 有能な人物だった。この提案も受け入れてくれるかもしれない。
すべての人に、更正(こうせい)のチャンスは与えるべきだ。

日本語教師という職業は、日本にいながら、日々、外国人と会う仕事だ。 こういう幼稚(ようち)な発言の尻拭(しりぬぐ)いを しなければならない。
政府は補助金(ほじょきん)を出すべきではないか?

 


 
04 / 13

16世紀の終わりに「刀狩(かたなが)り」が行われた。

これで、事実上、日本では民間人の武器所持は難しくなった。 日本の戦国時代(せんごくじだい)は終わりを告げた。 外国の歴史家の中には、この重要性を指摘する人がいる。 現代にいたるまで、銃(じゅう)はもちろん、刀を許可なしに所持する ことは、違法となっている。
刀は、刃(は)の長さに制限がある。

16世紀に生まれた武器を携帯(けいたい)することに対するタブーが 現代まで生きているというのだ。

アメリカで6才の子供が同級生を殺害(さつがい)した事件は日本でも 報道された。数年前、日本の留学生が銃で殺害され、アメリカの銃規制 が難しいこと、全米ライフル協会の政治的な影響力のことなどは、 すでに知られている。

しかし、その社会に銃(じゅう)が必要かどうかは、そこに住んでいる 人々でないとわからない。 この事件はちょうど大統領選挙の最中に行われた。
これで、候補者 (こうほしゃ)は、なんらかの意見を言わねばならなくなると思ったが、 はっきりとした態度を表明した候補者はいなかったようだ。

 


 
04 / 14

外国人で一級に合格した人は2000前後の漢字を知っていることになる。

だが、日本人で自信をもって2000の漢字を書けるというひとは 少ないに違いない。 日本人にとって漢字は、読める漢字、と書ける漢字は別だ。
あともうひとつ、読みは自信がないけど意味はわかる。 という漢字がある。 本などを読んでいて、なんとなく「読んで」しまうが、声に出して 読むのは自信がない。

例えば、「乖離」などは、なんとなく 「離れている」「違う」「関係が薄い」という意味ではないかと思う。
しかしどう読むかは自信がない。
「はくり?」「せきり?」といった ところ。

しかし、こういう漢字は読めた時に、この漢字は、「知っている」と 考える人は多い。正解は「かいり」だが、これを聞いて、書ける人は、 ほとんどいない。

実は私も自信がない。 おそらく日本人にとって、漢字を知っているということは、意味が わかって、読める。ということのようだ。

コンピューターの普及(ふきゅう)で、「書ける」ことの意味は あまり問われなくなってきた。

 


 
04 / 18

ここではコンピューターとかインターネットに関することはあまり 書かないようにしている。あまり語学(ごがく)には関係ないからだ。

日本ではアップルの人気は高く、個人ユーザーのシェアは10% を越える。
しかし、まだ、日本人ユーザーに優しいとはいえない。 最も大事なソフトである変換(へんかん)ソフトは、OSに付属の ものだが、変換能力は低い。

ウインドウズで一般的な変換ソフトに くらべると3年以上はおくれているような気がする。 また、OSにバグが多く、細かいアップデーターを必要とする点も ユーザー泣かせだ。

私はこの4年で2度買ったが、2度とも 通信ソフトに問題があり、アップデーターを使わねば、インターネット に接続できなかった。
初心者に向けてのサービスも障害者に対する配慮(はいりょ)も 年々、少なくなっているように思う。 サポートの中心であるアップルの日本支社のサイトを覗くと、 詳しい説明は、英語のサイトを御覧ください。というようなことが 書いてあって驚かされる。

正確な情報は英語のサイトを読むしかない。
iMacが好調でアメリカでは人気が復活しつつあると言われ、事実、 日本でも売れている。 しかし、まだ、少数のファンにささえられているのが実情のようだ。

 


 
04 / 19

東京に住んでいて残念なのは川を感じることができないことだ。

都市というのは、川の魅力なしでは半減(はんげん)してしまう。 都市の中を走るものは車、バス、電車、いろいろだ。バイク、 町を歩く人々。たいていの都市に住む人々は早足(はやあし)である。

川の流れは、少なくとも表面上は、地上のどの動きよりも遅く見える。
その「遅さ」に心が癒(いや)されることがある。

 


 
03 / 21

新入社員のあいさつ

「今日から、こちらに配属(はいぞく)になりました。 川辺(かわべ)と申します不器用(ぶきよう)で、何もできませんが がんばりますので、よろしくお願いします」

これを聞いていた男性同士の会話。中年の日本人と若いカナダ人社員

「最初のあいさつで、『何もできません』って言うんですか」
「え、ああ、あれは謙遜(けんそん)して言ってるんだよ」
「ああ、そうですか」
「彼女、英語はペラペラで、MBAも持ってるんだよ」
「へえ、じゃあ、そんなに謙遜しなくてもいいのに」
「まあね、でも他に言いようがないしね」
「まあ、そうですね」
「でも最近は、本当に『何もできない』し、しかも『がんばらない』 若いのも
  多いんだよ」
「ははは、そういう時はこまりますねえ」
「そう。謙遜して言っているかどうかわからないからね」

 


 
04 / 25

景気が回復するようだ。というのが、ここのところの一致した 意見だ。

マンションは売れている。大企業のリストラも進み、銀行の統合 (とうごう)もメドがついた。

従来、「日本経済が」と言う時は、「日本が」と同じ意味であったが 今後は、そのような表現は難しくなるようだ。 しかしそのことを声高(こわだか)に言うのはタブーのようである。

長いこと日本の失業率(しつぎょうりつ)は、3%台前後であった。 これはほぼ、完全雇用(かんぜんこよう)を達成していると言っても よい数字だった。
しかし、この神話(しんわ)もここ5年で完全に 崩(くず)れた。

IT関連も結局は、大手が有利な枠組(わくぐみ)みができつつある。
新たな介護ビジネスも中途半端な規制で、末端(まったん)で 働く人にしわ寄せがくるようになっている。パート程度の仕事と 受け取られがちだ。リストラ組の雇用の受け皿にはなりそうもない。

結局、相変わらず土地開発によってしか、雇用を作ることができない ようだ。
クビになったサラリーマンが、生き残ったますます富めるサラリーマン にリゾートマンションを売るのだろうか?

 


 
04 / 26

都心を歩いていると「首相(しゅしょう)を直接選挙 (ちょくせつせんきょ)で選ぼう」という キャンペーンをやっていた。

先日の韓国の選挙で腐敗(ふはい)した政治家を落とそう。 というキャンペーンが成功をおさめ、それに刺激されたキャンペーン が流行りのようだ。これはもちろん近々、選挙があるのではないか という推測(すいそく)に基づくものだ。

立候補(りっこうほ)した政治家にアンケートをして、その結果を 公表し、それによって選ぼうというのもある。 これは、政治家は選挙の時には政党と違う主張をしても当選後は、 政党の方針に従うことが多く、そのことに対する不信感から 生まれたもののようだ。

次の選挙では投票率が普通ならば自民党は負けるのではと言われている いろいろなキャンペーンが流行りなのも、投票率は下がるのではないか つまり、小渕さんに対する同情票が棄権(きけん)といった形で あらわれるのを怖れた野党支持層(しじそう)によるものだ。

首相の直接選挙は実現したら面白い。

私は、本気で小錦(こにしき)が いいと思うが、どうだろうか。 彼は英語をはなせるし、外国人として日本文化の象徴(しょうちょう) のようなところで貴重な経験もしている。 日本語は完璧で、論理的、かつ、説得力のある話し方をする。 日本の政治家は束(たば)になってもかなわない。

細かい話は官僚(かんりょう)に任せればいい。これまでずっと そうしてきたのだから。 ユーモアもある。日本では何かと話題になるサミットの写真撮影では 黙っていても中央に立つことになるだろう。

いや、誰もが記念写真をとりたがるのではないだろうか。 他に、こんな日本人がいるだろうか。 相撲好きのフランスのシラク首相などは、つい、余計な約束を してくれそうだ。中国も小錦みたさに参加するかもしれない。

中国では大きな人物は愛される。 もちろんサミットは首相自らの土俵入りで始まり夕食は「ちゃんこ鍋」である。

 


 
04 / 27

「あの店、あたりだった」などと言うことがある。

「おいしかった」という意味だ。反対は「はずれ」 今日ははずれの店の話しを。

中に入ると、 床が油でベトベトになっていて、スニーカーが ペタペタと貼り付く。カウンターの下には、これも油にまみれた 去年のマンガが置いてある。
ラジオからは、演歌(えんか)が流れてくる。
壁には女性のヌード ポスターが貼ってある。
調理場に、灰色のエプロンをした男性がスポーツ新聞を読みながら たばこを吸っている。

「ほおい」と返事をすると、(5秒以内に注文しないと命はない) といった目で
睨(にらむ)む。 「チャーハン、大盛(おおも)り」 というと、返事はなく、作りはじめる。

見ると、大きな炊飯ジャーを開く。あらかじめ作ってあったチャーハン を炒めなおすためだ。 当然だが、あっという間に出来上がる。

「はい、チャーハン大盛り」 ここで店主は、始めて、日本語を話す。
当然、まずい。

食べ終わって、お金を払うため、「すみません」と いうと、耳からイヤホンをはずしながら(競馬を聞いていたのだ)

「チャーハン大盛り、、、、、8ぴゃく、、、50円です」 という。

間があくのは、大盛りの値段を覚えていなかったからだ。
店を出る。スニーカーのペタペタという音は、まだ続いている。

もう一度、振り返り、店構えをしっかりと記憶(きおく)に留める。

間違って、また来ないように。

 


 
04 / 28

鉄道は昔国鉄(こくてつ)と言った。国営鉄道という意味だ。 電話会社も国営だったが、これも民営になった。 民営になったころ友人と話したくだらない話。

「国鉄が民営化したら、サービスがよくなるってほんとかな」
「いまのままでも結構、いいと思うけどね。田舎の駅長さんなんて親切だよ。」
「そうだねえ、でも、赤字が多いからね。どんなサービスになるのかな。きれいな
  女性が案内してくれるとか」
「混んでるからね、無理だよ」
「じゃあ、方言でアナウンスするってのはどう」
「ああ、いいね、『次は名古屋(なごや)だがや~』とか」
「『博多(はかた)たい!』とかね。」

「電話番号の案内も方言だといいのにね」
「電話の会社も民営化だからね」
「そうそう」
「東京はその点、損(そん)かもね」
「でも、下町は、『あいよっ!』って言って、電話に出るのね」
「『台東区の山下産業?、こりゃまた、平凡な名前だねえ、きっと つまんねえ
  会社だよ。おっと、番号ね、番号、番号、よし!耳の穴 かっぽじって、
  よく聞きな。3596の、、、』」
「いいねえ」

「千代田区とか、官庁が多いから、官僚的なのね 『お尋ねの山下産業様の産業は、 いわゆる法人組織でよく用いられる 産業という理解でよろしゅうございますか。
 はい、、、、申し訳ございません、該当のものは、私ども、最大限、 努力した
  結果、と考えていただければ幸いでございますが、 近似値(きんじち)という
  了解でよろしければ、3件ほどございました』」
「長いのね。慎重で。」
「そう。『や、ました産業、やまし、た産業、やまし、たあ産業など いろいろと
  当たりました結果でございます』」
「ああ、言いそうだね。そういうこと」
「でね、『はい、じゃあその3件お願いします』って言うと、
『案内のほうは、担当が別でございますので、そちらのほうに、 あらためて
  御連絡いただけますか』って言うんだよ。」