年末

今日でクリスマスは終わり、大晦日と正月の準備が始まる。

私は、年末の更新で忙しいので、ブログはお休みです。

来年から日本語の音声コンテンツがスタートします。

もちろん音声ファイルも無料配布。

プロのナレーターの方に録音を頼んだ質の高い音声ファイルです。

来年の2月で、webjapaneseは、10年です。このコラムの来年のスタートは
多分、9日からです。


4人

今日は、スーパーに行く前に、ケーキ屋に寄った。

ケーキ屋の駐車場でタバコを吸っていると、店から30代の夫婦と8才ぐらいの女の子
が出てきた。ケーキの袋を持った女の子は、お父さんに「ねえ、お父さんはほんとに
食べなくていいの?」と訊いていた。
夫婦は笑って、「いいんだよ」と言っている。
納得いかない女の子は「本当にいいの?」と何度も訊いている。
夫婦はいい洋服を着ていたし、お金がなくて自分のケーキを買わなかったわけでは
ないようだった。

街中で痴呆の症状が進んでいるらしい老人を見た。
久しぶりに会った家族に興奮しているらしく、口からつばを飛ばして泣き笑いの表情
になっている。感情は昂ぶっているが、言葉を発することができないようだ。
ただ、表現手段がないことに、もどかしさを感じるような様子はない。
痴呆というのは、記憶は薄れ、判断力は鈍るが、感情は残ると言われている。
ただし感情と表現とが結びつく手段が少なくなり、次第に感情も失われていくそうだ。

買い物を済ませて家に帰る途中に、車が子供を跳ねた現場に遭遇した。
10才ほどの子供は、3Mほど、空中に飛び、倒れた。鼻血を出していたが量が多い
ので頭をうった影響かもしれない。言葉を話しているが、動けないので、そのまま
動かさないようにして救急車を待った。親切な人が数人集まってきて毛布をかけたり
励ましたりしている。

30才くらいの草履を履いた運転手は、気持ちが動転しているのか、質問しても生返事だ。
子供を心配する様子もなく、怖いのか、子供には近づかない。携帯電話で、警察と会社
に電話をしている。「逆光(ぎゃっこう)だったんですよねー」などと会社の
上司らしい人に電話で話している。しばらくして、救急車がきた。後遺症が出なければ
いいが。。。

しばらくすると、パトカーも来て、男性は事情を訊かれている。

さて、家についた。さっきから、父親のケーキを心配する女の子と、老人と
ケガをした子供、うつろな目をした運転手、の4人が順番に頭に浮かび
書く予定だったコラムのテーマをすっかり忘れてしまった。

この4人に共通項があるとか、何かの教訓があるというわけではないがひとつ
思い浮かんだのは、家から数時間外出するだけで、いろんなドラマに出会うものだ
ということ。

もうひとつ。今日、寝る時は、両親のケーキを心配するあの女の子のことを
最後に思い浮かべて寝よう、と考えています。
少しでもいい夢をみたいですからね。


団塊の世代

1950年前後のベビーブームで生まれた世代を「団塊(だんかい)の世代」とよぶ。
若い頃に反戦運動を経験し、伝統的な価値観に反旗を翻し、反体制を気取ったが結局
普通に企業に就職し、適齢期(てきれいき)を気にしながら結婚。
子供を二人程度もうけて、地道に働いた。

元々保守的な世代であったが、若い頃の挫折経験は、屈折した形で現れた。
その後の若い世代や新しい価値観を、表面的には評価しながらも、抑圧しつづけた
世代とも言えるだろう。

多くの国で同じ世代は、国や社会を変えてきたが、残念ながら、日本ではシニカルで
小心、結局、冒険ができず、変化を嫌う人々であったようだ。

現在、55歳前後。そろそろ、会社ではリタイアの時期だ。
この世代は、1970年代のはじめの第二次ベビーブームを生んだ。
この子供達は、団塊キッズなどと呼ばれ、今、20代後半から30代前半になっている。
最近、この団塊の世代のリタイアを巡る話題が雑誌やテレビなどでとりあげられることが
おおい。こういうメディアの戦略にまんまと嵌る世代でもあるのだ。フォークソングを
懐かしみ、そこそこにエコロジーマインドを持ち、似たようなファンションセンス。
中途半端な、洋風のライフスタイルを愛する。

読書と映画は、学生のころに一生分経験した、などと言う。
そう、私は、この世代の人々が最も苦手なのだ。


「生存」のコスト

家庭には、常備しておくものがある。

日本の家庭で、3人家族で一ヶ月に必要な量は、今、だいたいこんなカンジだろうか。

米、10キロ。4000円。
みそ、2キロ。1000円。
お茶の葉、300g、2000円。
ダシ用いりこ、みそしるのだし用。3パック、1500円。
たまご、常に冷蔵庫に6つぐらい入っている。
月、60個。10個パックで200円程度。
牛乳、常に冷蔵庫に1リットルパックがある。月10パック。
バターかマーガリン、月一パック、300円。
コーヒー、紅茶など、月、2000円程度。

食事の時には、お漬け物なども必要ですね。
できれば、2,3種類ほしいところ。これが結構高くて、月、3000円程度。
しょうゆ、和食が多い家庭は、3リットルぐらい? 1000円。
みりん、日本酒、いずれも和食に使う。3リットル、1500円。
その他、調味料、例えば、さとう、塩、こしょう、マヨネーズケチャップ、わさび
からし、などなど。
きれたら補充する、月3000円程度かな?

飲食に使うものだけで、3万円程度だろうか。

もちろん、ぜいたくをして、いいものを買えばすぐに倍になる。

「うちは、お茶だけはぜいたくをする」とか「お米は、安いものはイヤだ」と
家庭によって千差万別である。

これに、「おかず」の食費がかかる。

30~40代の夫婦で子供が学校に行っている場合のおかず代は月3~5万円くらい
だろうか。ということは、3人家族の一ヶ月の食費は、月に平均で8万円程度かかる
計算になる。

もちろん、このほかに、台所周りの消耗品、洗濯、消臭剤、洗面トイレットペーパーなど
最低、月に1万円程度の出費は覚悟しないといけない。
で、ここまでで、9万円。

さらに、車の維持費が駐車場代とガソリン、税金、保険で月2万円。
最近は、携帯電話の料金がひとり1万円程度だと言われている。
3人で3万円。
電気代一ヶ月の平均が1万円。
ガスが5000円。
水道が3000円。
電話代が8000円。

ここまでで、146000円。

子供が中学生なら、学費と雑費で月3万円。家賃が3LDKの狭いアパートで、10万円。
合計、276000円。

しかし、このお金は、「生存」に必要なだけで、映画も本もお酒も楽しめない。
本は、一冊1500円だし、映画は一本、1800円だ。
もちろん、旅行にもいけないのだ。


Who cares?

子供のころに見たアメリカ建国200周年のイベントでのバレエが今でも頭に焼き付いている。

あれはヌレエフだったか、バリシニコフだったか。忘れてしまったが。

ニュース映像では、「ソビエトから亡命したダンサーが Who Cares?という曲で
踊るというのは、ちょっとした皮肉でもあります」と解説していた。

どうも最近は、子供が学校でいじめられ自殺したり、幼児を虐待(ぎゃくたい)して
死なせた、といったニュースが多い。

ある病院は、子供を養うことができない親のために、子供を捨てるためのポストを作った。
育てることができないなら、ここに捨ててくれ、ということらしい。このことは、議論を
呼び、討論番組などでも、賛成派、反対派が活発な議論をしている。

老人を介護しきれなくなって、殺害したり、自殺したり、というニュースも多い。
子供は育つ喜びがあるが、老人は日々、できなくなることが増えるだけだ。
こちらのほうが、逃げ場がないのかもしれない。

晩年のジャズミュージシャンが日本で活躍することがある。

日本には、少ないけれども、安定した数のジャズ愛好家がいて、彼らが日本人に
受けそうなスタンダードナンバーを録音させて、コマーシャルで使ったりしてブームを
煽る。そうやって作られたCDは多いが、残念ながら、どれも気の抜けたコーラのように
味気ないように思う。

少々の小金を貯めた老ジャズミュージシャンは、愛想を振りまきながら来日しライブには
紳士風の年配の老人ファンが隅で見守り、新しくCMや雑誌で知った若い女性で満員に
なる。

確かに、ジャズは、全盛期を過ぎ、かつての伝説的なミュージシャンも人々から忘れられ
地味な年金暮らしをしている。彼らにとっては、願ってもない臨時収入かもしれない。

老いたミュージシャンを高額のギャラで呼びつける、というのはあまり品のいいこととは
思えないが。

日本で人気のあるジャズとは、女性ボーカルならハスキーで軽くスイングするタイプ
アニタオデイなんかは、まさに日本人好みだった。アニタオデイは、先日、亡くなった。

このコラムは、アニタオデイの名盤 This is Anita の中のガーシュインの名曲
Who Cares? を聞きながら思いついたことを書きました。