多機能住宅

日本の消費者は、商品の性能を重視する。

日本に進出してきた海外のメーカーは、電子レンジにトーストが焼ける機能が
ついていないとか、洗濯機に乾燥機能がついてないという不満に驚くそうだ。

トイレも機能満載だ。
座るところが、温かくなる機能。ビデはもちろん、温水でお尻を洗う機能。
この温水の温度も水が出る勢いの度合いも、調節できる。
消臭機能は、当然ついている。
最近の流行は、尿や便の状態を分析して、健康状態をチェックする機能。
さらに進化して、このデータを蓄積し、パソコンで管理するシステムもある。

お風呂は、当然、機能満載だ。
私のうちは、15年前に作られたものだが、ボタンを押せば設定した量のお湯が設定した
温度で、たまるようになっている。
最近は、これに自動的に洗浄する機能が付き、さらに、音楽が流れたりテレビが
つくようになった。
ジャグジーは、もう一般の家庭でもついていることが多いそうだ。
ネットに繋がり、携帯電話で、操作ができる。
帰るころには、お風呂の準備ができているという機能は、もう10年前から宣伝している。

ばかばかしいと思っていても、冬のあたたかい便器は、もう欠かせないものに
なっているし、お風呂のお湯を溢れさせる失敗がなくなったことも、ありがたい。

日本を訪れた際は、京都に行ってお寺を見るのもいいけれどもトイレやお風呂の
ショールームに行くのも面白いかもしれない。
無料だし、バカバカしいほどの機能を詰め込んだトイレやお風呂は、ここにしか
ありません。


怪談(かいだん)

昔から日本には、数限りない怪談があるが、夏が舞台になっていることが多いそうだ。

夏の夜は寝苦しく、夜更かしをすることが多いからか、それとも仏教行事が夏に
多いからだろうか。

現代の日本人は、夏は、キャンプや学校で泊まりに行く行事が多い。
キャンプに行くと、必ず、怪談を上手に話す人がいて、その人のまわりに座って
話を聞くことになる。
怪談というのは、筋は単純なことがおおい、とにかく、いかに上手に話すかにかかって
いる。怪談を専門にしているコメディアンや落語家もいるぐらいだ。

よくあるパターンは、不運にも命を落とした人が、毎晩同じ時刻、同じ場所に現れる
とか、廃屋や閉鎖されたトンネルなどにまつわる、奇妙な現象の話などだ。

私が中学生のころに作った怪談は以下のとおり

私たちの町から学校に行くには、長い坂を通らねばならないことになっている。
その坂は、きれいな道だけれども、バスなどが通らないので、夕方を過ぎると人通りは
見られなくなる。

毎晩、夜8時ちょうどに、この坂の上に突然自転車が現れる。
その自転車には、ボウズ頭の兄弟が二人乗りをしている。弟は後ろに乗り、兄の腰に
しっかり、しがみついている。その自転車は、全速力で、坂の下まで駆け下りる。
ただ、その兄弟は、血だらけで、無表情。驚いて坂の下まで目で追うと、急に消える
ゾッとして、急いで坂を上ろうと前を向くと、また、坂の頂上には、自転車が現れる。
というものだ。

皆、黙って聞いていた。
強がりな友人などは、笑って、「ゼンゼン怖くないな」と言ったが
後で聞いたところによると、その友人は、学校中の知人にこの話をしたらしい。
本当は、相当怖かったに違いない。

後に、私が高校生になったころ、中学生が、「この町に言い伝えられる古い話」として
血だらけの自転車兄弟の話をしていたのを聞いたときは、うれしかったものだ。

勇気を試すために、夜の8時にこの坂を探検する子供のグループも出てきたそうだ。
もちろん、たまたま自転車が通りかかったら、大声を出して逃げ惑うだろう。


電話のマナー

先日、ラジオで、電話のアンケートに関するアンケートをやっていた。

質問は「あなたは、自宅で電話を受けた時に、自分の名前を名乗りますか」
といったもので、70%以上の人が「名乗らない」ということだった。

これにはちょっと驚いた。もちろん、電話のマナーでは、これまで、かけるほうも
受けるほうも名乗るのが正しいマナーだった。この変化には、いろいろな原因がある。

まず、携帯電話の普及。携帯電話では、番号が正しければ、電話に出る相手は
わかっているからほとんどの場合最初の「もしもし」の声で判断するか、かけたほうが
「***さん?」と確認することが多い。

結果として、かけるほうも、受けるほうも、自分の名前を名乗らないことになる。
さらに、オレオレ詐欺(さぎ)が、大きなダメージを与えた。
手当たり次第に電話をかけて、「もしもしオレだけど」と名前を名乗らずに
「事故に会ったので、お金を振り込んでくれ」などと言って騙すことが
この名前の由来だ。

一時期、地方の高齢者などが騙される被害が続いた。たまたま、孫や息子が東京で
仕事をしていたりすると、心配してお金を振り込んでしまうのだ。
中には、警察や弁護士のまねをして騙す、おおがかりなグループもあったそうだ。
この事件が続いてから、電話を受けても名乗らないように、というムードになったもし
「はい、たなかです」などと名乗ると、「たなかさんのおうちで間違いないですね」などと、いかにも最初から知っていたかのような巧妙な手口にのせられてしまう。

また、その電話番号が田中さんという情報が相手に知られることになる。
相手の「犯罪電話帳」に情報を加えてしまうというわけだ。

もう、電話に出ても名乗らないほうがいい、と私でも、高齢者や1人暮らしの女性には
アドバイスするだろう。

最近の電話には、だれからかかってきたかを表示する機能がついている。
電話番号と名前を登録していれば、知り合いなら、名前が表示される。
これが表示されない場合は、電話にでない、という人もいる。

つまり、電話というのは、知り合い同士だけのコミュニケーションの道具と
なりつつあるということだ。これは、大きな変化だ。


三代目

サッカーリーグも再開した。

ぼんやりと見ていると、これはこれで、なかなか面白いなあという気になるものだ。

今、日本には、ハリーポッターそっくりで、背が低く、足が速いフォワードがいます。
名前は、Tatsuya Tanaka 楽しみにしていてください。

さて、日本では、そろそろ小泉さんも引退だ。

ただし、次の総理の話題は、いまひとつ盛り上がらない。候補は4人だったが、先日
どうしても人気のでない一人がリタイヤした。残るは3人。

ただし、この3人の候補は、小泉さんが勝手に指名したものだ。選挙があるわけではなく
与党の最高責任者が変わるので、総理も変わるということである。

全員、大臣経験者の息子や孫だ。

現在、政治家の7割くらいは、二世、三世議員だそうだ。
議会は、貴族院(きぞくいん)のような有様だ。

まあ、少々柄の悪い貴族だが。

戦前から続いている企業は、戦後に、アメリカの介入で、一部、解体された実質的に
その財閥(ざいばつ)のオーナーだった一族は、経営からは距離を置くようになった。

今では、一族経営というのは、中小企業には多いが、大企業ではあまりみられなくなった。

今、有名なのはトヨタぐらいだろうか。

なぜか、政治家だけは、戦後、一族で継承する傾向が強くなってきた。
日本において、国会というのは、ある意味で、中小企業のようなものなのかもしれない。

古い言い回しに「三代で財産を食い潰す」というものがある。

一代目はもちろん有能でその商売の才能を持っている。開拓者だ。

二代目は、忙しい父に甘やかされて育ち、能力は低いが、子供のころは貧しかったし
親の苦労も知っている。それに、一代目の信用でなんとかやっていける。
一代目を支えた人物もまだ周辺にいる。

三代目は、もう、ダメだ。
最初からお金持ちで、能力は低い。初代の信用も失うばかり。

今、政治家は、三世議員も多い。実は、小泉さんも三代目だった。次期総裁候補の1人は
戦後、最も有名な総理大臣の孫であるが、外国人記者に対して、わざわざ
「私は、その人物の孫だ」とスピーチをしていた。

残念ながら、記者達は若く、あまり反応はなかった。
三代目だから期待するな、という意味なのだろうか。

本命(ほんめい)と言われる候補も、まあ三代目みたいなものだ。
もう1人は、二代目。ただし、今、調べたら、祖父は、造り酒屋だったそうだ。
二代目だから、少しはマシか?いや、残念ながら、日本では、昔から、造り酒屋の
息子というのは、お金持ちのボンボンで、出来が悪いと相場が決まっているのだ。
もちろん、彼がそうなのかはわかりませんけどね。


ホームラン王

下町のラーメン屋の息子。
謙虚で、子供に優しい。
誰にでも、公平に接し、はったりや虚勢を張ることを嫌う。
どんな人物に対しても丁寧な口調で話している姿しか浮かばない。

職場では、後輩が育つのを我慢強く待ち、責任は自分で負う。
世界中の同業者から尊敬を受けているだけなく、一緒に仕事をした外国人も
彼の信者になってしまうのは、よくあることだそうだ。

お客さんを大事にし、わがままな不平や不満でさえ、耳を傾ける。
まじめで、家族思い。
当然、家族からも愛されている。
背が高く、体格もいい。だから、居酒屋でお酒を飲む時は、小さなイスに体を
まるめるようにして座る。

出張の時は、お気に入りの靴下をホテルのバスルームで自分で洗濯する。
日本生まれだが、国籍は、日本ではなく、台湾だ。国籍を変えたほうが便利だが
そうすると台湾の人々が悲しい思いをするからと、変えないことに決めたそうだ。

こんな人物が、伝説的な野球選手で名監督だったら、誰からも好かれて当然だ。

先日、彼は、病気になり手術を受けることになった。

記者会見で、チームの人に申し訳ないとあやまった。
病名を言わなかったのは、医師が判断するべきことだという考えがあったのかもしれない。
事をおおげさにしたくないという配慮だったのかもしれない。

手術の経過が、発表された、経過は順調とのことだった。
病名はガンであることが発表された。彼の病名は、誰もが知ることになった。
ただ、病名を口にする者は少ない。

これは、皆が、今、自分ができる唯一の小さな恩返しだとでも言うようにただ黙って
見守っているからだ。