バカ殿

日本で有名なコメディアンの十八番(おはこ)に「バカ殿様(とのさま)」という
コントがある。
顔を白く塗った殿様が、次々におかしなことをするというもので、人気がある。

これには、モデルがある。

江戸時代、日本は、徳川(とくがわ)家が、治めていたが、強大な軍隊を持っていた
わけではなかった。

徳川家は、地方をいくつかに分け、その土地を治める大名を置いた。
大名は、徳川家に従順なものには、広い土地と、大きな権力を与え
それほどでもない大名には監視を厳しくした。

嫌疑をかけられた大名は、すぐに首をはねられ、土地は奪われた。
地方の大名には、徳川家を快く思わない者もたくさんいたが、表向きは忠誠を誓った。


加賀(かが、今の石川県あたり)の前田利常(まえだとしつね)もその1人で徳川家に忠誠を示すために
崩れた服装で、鼻毛を伸ばし、毎日、宴会続きで無能な人間のふりをしたそうだ。

しかし、本当は、かなり有能な人物で、徳川家に対する謀反(むほん)の計画も密かに
進めていたのではと言われている。

作り話かもしれないが、なかなか面白い。

ミサイルが発射されてから、今に至るまで日本の総理は、ほとんど日本にいない。
時々、プレスリーの格好をしたり、らくだに乗ってはしゃいだり、というニュースが伝わってくる。
今日は、サミットに参加するため、ロシアに到着したようだ。

きっと、裏では、戦略を練り、今後、国連をどう動かしていくか、サミットでどう
影響力を行使していくか、考えているはずである。

そう、彼は、バカ殿を演じているだけなのだ。

と、思いたい。

そうで、あってほしい。

そうであることを祈りたい。。。


最後の大会

イタリア人は、世界一、喜ぶのがうまい国民かもしれない。
見ていて、少なくとも、イヤな気持ちにはなりませんからね。

今回の大会は、スターの引退興行という趣だった。

フィーゴの最後のヌーノゴメスへの美しいセンタリングも、ジダンのあっけない
退場劇も、ストップモーションのように映った。

内容の濃い、質の高いゲームが多かったが、あまりに守備的で、攻撃は軌道が読めない
無回転のシュートが象徴するように、結局、方法論を確立できなかった。

ナショナルチームの限界を見る思いだった。

全試合を見たが、残念ながら、日本は、参加国中で最も醜い無残なチームであった。
それにしても、ポルトガルのPKの時のアンリの倒れ方は、醜かった。

彼を世界最高のフォワードという人は多いが、私は単なる効率よく点をとるマシンに
過ぎないと思う。ポルトガルのフェリペは、すばらしかった。

やはりサッカーの監督は盗賊の親分のようなタイプが似合うものだ。

大会を通じて、印象に残るのは、コートジボアールのボールタッチの繊細さ
クリスティアーノ・ロナウドの「次世代フリーキック」のおそるべきパワー。
80年代のフランスを思い起こさせるメキシコのインパクト。。。
いろいろと印象に残る場面はあった。

ただ、、、サッカーというのは、いつから組織の質と合理性を追求する競技になったの
だろうか?
そのせいか、日本では、チェスの解説のようなサッカー記事が氾濫している。

なぜ、ワールドカップは、PKを簡単に外すようなメンタリティの選手の集まりに
なったのだろうか。強靭な体格と筋肉ばかりが目立つアスリートの力任せの
ディフェンスやゴール前の肉弾戦に心が躍るだろうか?

回転せずに、軌道が予測できないフリーキックがゴールネットを揺らしたからといって
何が楽しいのだろうか?
回転しないシュートと貧弱なメンタリティは、どこかで繋がっているのではないだろうか?

今回は、サッカーのひとつの時代の終わりを告げる大会だった、と誰もが締めくくる
だろう。だが、私は、これは、サッカーというスポーツが美しかった時代の
終焉を意味するのではないかと思うのである。

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中田の引退で日本は大騒ぎになっている。サッカー選手というのは、年齢に応じた
ポジションを探しながらキャリアを続けるのもひとつの選択だが、それをしないのも
ひとつの選択だ。

もし、彼がヨーロッパで生まれていたら、ローマの活躍の後、すぐにプレミアに
行っていたらと、いろいろ、考えるけれども、まあ仕方がない。
これが人生だ。
中田には、たくさん楽しませてもらった。
感謝したい。

報道によると、引退後は、ビジネスの世界に行くそうだ。
これから、彼がサッカーで成し遂げた以上の創造的な仕事ができるかどうかは疑わしいが
まあやりたいのなら仕方がない。
まあ、どうでもいい。
監督になるならともかく、ピッチの外の彼にはまったく興味がない。

中田の引退で、日本のサッカーも、青春時代を終えたようであるが大人に
なれるかどうかは、わからない。


サッカー王国

準々決勝が終わった。ドイツは強いが、それだけのチームだ。

イタリアは、調子が悪く、なんとなく勝ち上がるうちに、運も味方しいつの間にか
優勝する、という「イタリアペース」になってきた。

ポルトガルとフランスが、復活した。
フィーゴとジダンは素晴らしかった。

イングランドとブラジルは、最後まで、まともなチームではなかった。

もう、4チームとも優勝する可能性は持っている。

まあ、でも、それは、優勝するだけのことだ。
正直言って、もう、残りの試合には、あまり、興味が無くなってしまった。

ここ15年で、ワールドカップが失ったもの、サッカーが失ったものはあまりにも大きく
もう取り戻すことはできないかもしれないなあというのが、今回のワールドカップの
私の感想だ。もしかすると、あと50年もすれば「サッカー?ああ、今世紀の始めに
盛んだったスポーツね」などと言われるようになるかもしれない。

ワールドカップは、再生するだろうか?

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2つの提案を考えてみた。ひとつは、ベスト4が決まった段階で終わりにする。

というものだ。優勝を意識して、退屈なチーム作りが進むなら、思い切って
「4つの偉大な国」を決める大会にするわけである。

1ヶ月で5試合なら、まあまあのペースで大会を進めることもできる。

もう、ひとつは、恒久的に最適なコンディションで大会を行うためにFIFAが
有り余っている金で、サッカー特区を作るというもの。
場所は、ロシアがいいだろう。気候が温暖で、一年中、日中でも20度を越えないところを
探そう。

プーチンなら、土地を売ってくれそうだ。
その種のブローカーもロシアには豊富にいるだろう。ひとつの「国家」を作るわけだが
細かな法律はいらない。
「世界で最も王冠が似合う男」ペレを王様に据え、実務はベッケンバウアーと
プラティ二が担当する。

ワールドカップを始め、重要な大会はこの「サッカー国」で行う。
国家運営が安定してるうえに、長期的、安定的な収入が約束されている
この国の通貨は、サッカーボールが描かれ、ドルやユーロを越えた超安定通貨として
国際的な機軸通貨となるかもしれない。

そのうち、この国で誰かが、結婚し、子供が生まれることになるだろう。
仕事は、公務員として大会を取り仕切る事務の仕事がある。
手作業が好きなら、サッカー競技場の整備もあるし、警備員もたくさん必要だ。

運動神経がいい子供は、15歳に、スポーツ選手を目指して出国するか、自国の
国立サッカー審判学校に入学することになる。

フーリガンとして認定されたものは入国できない。

犯罪を犯した者には、この国の最も重要な産業であるサッカーボール工場での労役が
待っている。ひょっとすると、十年もしないうちに、この犯罪者集団をまとめあげた
アルゼンチンの「元天才」がクーデターを起こしたりして、だんだん
国家らしくなっていくかもしれませんよ。


あおり番組

ワールドカップに日本が出場するなんて想像もしていなかった時代
国営放送で、深夜に密かに放送されていたころは、いつも同じアナウンサーで
解説者の声もお馴染みだった。

試合開始の10分ほど前に番組は始まり、淡々と試合だけを中継していた。
翌朝、目を赤くして学校へ行くと、40人ほどのクラスで見たのは3,4人だけだった。
忘れないうちに、と、昼休みにマラドーナのステップを研究したものだ。

そして今は、、、

テレビ局は、ワールドカップのテーマソングを作り、有名な歌手が
歌いワールドカップキャスターと称するテレビタレントやコメディアンが
「ブラジルは伝統的に4バックですね」と、いかにも先週、覚えてきたような知識を
披露する。

ゲームの1時間も前から、番組は始まり、代表選手の地元の学校が映る。
そこには、大型テレビが設置してあり、若者が大騒ぎをしている。
両親に「がんばってほしいです」などと言わせる。予想や分析らしきものを少しした後
最後に「で、**さん、日本は勝てますか?」「3対1で勝ちます」
「イエー! がんばってほしいですね!」

この種の番組を「あおり番組」というが、これが長かった。

試合の開始時間を調べて、見ないようにするのが大変だった。
とにかくお祭り騒ぎだったが、日本が負けたとたん、すっかりワールドカップは
終わったかのようである。

もちろん、ワールドカップはこれからが本番。日本が負けたのは残念だが、おかげで
少しは静かに見られそうだ。この際、中継が始まる時の、変な「テーマソング」には
目をつぶろう。

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予選リーグの感想。

今回は、全体的に、質の高い試合が多く、今のところ順当な結果になっている。
久しぶりにレベルの高い大会になりそうな予感がする。

監督がゲームに関与する度合いも益々、大きくなっているような印象だ。
もう一線で活躍するプロフェッショナルな監督の元でないとワールドカップは
勝てなくなったようだ。

アルゼンチン、スペインは、最後まで今の調子を維持できるかどうかが課題。
ポルトガルは、ルイ・コスタがいないことに、まだ納得ができないけれども
フィーゴやヌーノゴメスが放つ最後の輝きを感謝とともに見つめるしかない。

ポルトガルの黄金世代は、確実に黄金時代を作ったのだ。

4年後の日本は、今年のポルトガルのようなチームは作れないだろう。

コートジボアールは、素晴らしかった。
アルゼンチン戦は、今大会のベストゲームのひとつだ。組み合わせに恵まれれて
決勝トーナメントに進んでいたら大きなサプライズを起こしたかもしれない。
チュニジアがいいチームになっていたのにも感動した。しかし、圧倒的な存在だった
ベンアシュールは、なぜ、チームにいなかったのか。
日本のメディアは、いつも肝心のことは報道しない。

不器用で荒っぽかったオーストラリアは、ここ数年でずいぶん洗練されてきた。
そこにいい監督が来て、ピタリとはまったようだ。
サプライズではクロアチアと引き分けることはできない。いいチームだった。

韓国は、戦略ミスだった。このグループは、スイスがトップで、フランスとの
勝負だという戦略で挑むべきだった。
実際にフランスは引き分けて喜ぶ相手ではなかった。勝てたし。勝つべきだった。

それにしても、イーチョンスの運動量は信じられない、驚異的だった。

決勝トーナメントを4組に分けて考えてみると、、、

A組は、ドイツがすんなりスウェーデンに勝てば、その勢いでアルゼンチンにも勝てる
かもしれない。

B組は、スイスが最強で、イタリアがどこまでできるか。

C組は、は、横一線。ポルトガル、ガンバレ!

D組は、「死のトーナメント」になった。
決勝の最初のゲームは、予選で苦労したチームのほうが有利。
スペインとブラジルは、楽だった。
フランスとガーナは、苦しんだ。    

さあ、どうなるか。というところだろうか。

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日本は、まったく結果を残せなかった。全試合を通じて、1人だけ圧倒的な運動量と
冷静で、正確な状況判断を保っていた中田(なかた)の孤独は見ていて
痛々しいほどだった。

報道によると、かつてユーゴを率いた、オシム氏が次の監督だそうだ。名将だし
メディアを煙に巻く技術も身につけているし、「思慮深い」という日本ではほとんど
死語(しご)になった言葉があてまはる魅力的な人物だ。

私は、彼には、監督になるのではなく、監督を選んでほしかった。
つまり、サッカー協会の会長になってほしかったが、まあムリですね。

さて、同じグループの盟友として、ブラジルのことを。パレイラは、手堅いやり方で
しっかりと調整試合をコントロールした。だけど、ブラジルの調整相手としては
グループFは力不足だったかもしれない。

ブラジルは、まだベストとはいえない。
ロナウドは、点はとったが、残念だけど、もうダメなのではないだろうか。
今のところ、ガーナにもスペインにも勝てる保証はまったくない。


隠れ蓑(かくれみの)

もちろん、ワールドカップの間にもいろいろと事件は起きている。

最近、インサイダー取引で代表が逮捕された大手のファンドに日本銀行の総裁
(そうさい)が投資していたことがわかった。

他にも、いろいろと株を所有していたようだ。
彼は、歴代の総裁の中でも最も優秀だという評判だけれど、結果として中央銀行の総裁が
株で利益を得る、ということに対してルールがない国というのは、どう考えれば
いいのだろうか。

今、国会で問題になっているが、あさって、日本がクロアチアに勝てばこのニュースは
消える可能性は高い。故障が頻発し、死亡事故が起こった外資系のエレベーターの会社は
今回のダメージを最小限にするため、相当、どこかの会社にコンサルティング料を
支払ったようだ。
記者会見のタイミング、会見での言葉の選び方、所作、お辞儀のやり方、はよく練られた
台本通りだったが、ハリウッド映画に出てくる日本人のモノマネをしているようで
笑ってしまった。

次の記者会見は、ワールドカップの決勝の前後かもしれない。
ワールドカップを隠れ蓑にする、というのは、今、世界中で行われていることかも
しれませんね。私も、これを利用して、コラムを少しサボります。

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ワールドカップ 雑感

ボールとグラウンドの状態は、かなり特徴があるようだ。
芝もグラウンドも、かなり固そうで、スピード、パワー、体力があるチームに有利。

今回は、少々、この味付けが濃すぎるように思う。

すべてのチーム、ゲームを見た。

これまでのベストゲームは、アルゼンチン×コートジボアール。

フランスは、すっかりディフェンシブで退屈なチームになってしまった。
ブラジルは、いつも、予選では、ノラリクラリだが、フォワードの不調は、後々
響くかもしれない。

日本は、コンディショニングに失敗したようだ。
殴り合いになったら、オーストラリアの監督は、ケンカの達人だし、分が悪い。
久しぶりに完敗。まあこれがサッカーですね。クロアチア戦は、ベストゲームをすれば
勝てるかもしれない。
どう考えても、稲本(いなもと)の出番だが、監督は信頼してないようだ。
残念だが、彼には、次の世代のリーダーとして活躍してもらうしかない。
ワールドカップでは、サウジのジャバー、韓国のキム・ナミルなど、頼りになる
ベテランがいるというのは大事なことなんですね。

普通に考えると、ドイツ、アルゼンチン、フランス、ブラジルの中から
優勝チームが生まれる、ということかもしれない。
サプライズは、コートジボアールか?