監獄からのツイート

i am still allive, but in jail.

というツイートがタイムラインに現れた時は、驚いた。
アフガニスタンで拘束されているはずの常岡浩介という
ジャーナリストのアカウントからの約五ヶ月ぶりの「つぶやき」だったからだ。

7分後に
here is archi in kunduz. in the jail of commander lativ.
というツイートがあったきり、途絶えた。

開放の噂は、ちょこちょこ出ていたが、急な英語のツイートなので
本人かどうかは、わからない。仲間のジャーナリスト達が
バタバタと裏をとっている最中らしい。

その後、開放のニュースが流れ、3日後には日本語でのツイートが
ポツリポツリと始まった。

帰国した際の、空港でのインタビューによると、身代金目当ての
ビデオ撮影で「英語とペルシャ語と日本語で懇願しろ」と言われ
日本語が理解できないのに日本語で話させる、愚かな
犯人達に、あきれつつ、これは、政治的な取り引きは難しく
利用価値がないとなれば、簡単に殺されるだろうと、死を覚悟した
そうだ。

しかも、その日本語部分では「ぜったいに身代金を払うな」と
いい続けたとのこと。

その後、行われた記者会見では、あの、五ヶ月ぶりの
ツイートは、監視の兵士が持っていた携帯の使い方を教えながら
ツイッターというのがあるんだ、と、調子をあわせながら
こっそりツイートした、と語った。

続いて彼が語ったことは、欧米諸国には歓迎されない事実ばかりで
イスラム教徒である彼の発言がきちんと各国に配信されるかどうかは
わからない。

しかし、拘束される前から、彼のツイートでもたらされる情報は
圧倒的だった。確かに、彼は、イスラム世界では、半分
インサイダーではあるのだが、常にジャーナリストとしての
バランス感覚にあふれた視点で語り、分析する確かな目を持っていた。

記者会見での受け答えを見ていても、拘束期間中の、周辺の分析も
冷静、描写も的確で、この人は、身体の芯からジャーナリストなんだな
と感心するばかりだった。

彼は、40代になったばかり。

私の個人的な考えだが、どんな体制の国でも、社会というのは、30代と40代が作っている。
この、若くもなく、えらくもない、世代が、沈黙している国は、つまらない国だ。

日本では、ツイッターは、ちょっとしたブームになり、そろそろピークを
過ぎようとしている。

でも、新しい世代のフリーランスのジャーナリスト達の重要な発信源となっている以上
私達も情報源として、目が離せないのは確かなのだ。



WHY NOT THE BEST?

とうとう8月最後の日になってしまった。

今月は、休みナシで、起きている間中、仕事をしていた。
このコラムは、1997年から続けているので、あまり休みたくはないのだが
さすがに、更新できませんでした。

私が日本語教師として始めてしごとをしたのが、1993年。
そのころは、他の仕事から転職してきた人が主力だった。
つまり、まだ日本語教師は、「仕事」だった。

ところが、21世紀になって、日本語教師はパートかボランティアがやるもの
ということになっていった。

ここ2,3年で、また一段階、その傾向が進み、プロの教師として
続けていくことが難しくなってきている。

客観的な情勢からすると、もう転職するしかないのだが
その前に、あと1,2年は、悪あがきをしてみたい。

まあ、ゲームセットまで、ベストを尽くすのが、体育会系日本語教師ってもんです。
(体育会系日本語教師とは、ハットトリックとサヨナラホームランをやった
 ことがある日本語教師にだけ贈られる称号です。今、考えました)

しばらくは、更新の頻度は落ちるかもしれませんが
いちお月イチでも更新は続けます。



今年前半

ワールドカップが終わって数週間ですが、もう何も思い出せない。

まあ、仕方がない。今は、仕事をする時だ。
いつか、南アフリカ大会を、「ああ、あの年は死ぬほど働いた」と
思い出すだろう。
まあ、その時、そのおかげで、今がある、と思うのか、結局、無駄骨だったと
思うのかはわかりませんが。。。


仕方ないので今年、コレまでに観た映画のことでも書きます。
ここ数年、あまり観なくなっていたので、今年は、週1で必ず映画館に行き
1本以上、観ることに決めました。これでも、高校生や学生時代と
比べると少ないけれど、やっぱり映画みないと調子が出ませんので。


「抱擁のかけら」(LOS ABRAZOS ROTOS/BROKEN EMBRACES)

私は10代前半から映画ばかり観ていますが、映画史に残る傑作だと
思います。今年、ダントツでした。


「コララインとボタンの魔女 」(Coraline)

今年前半で観た3Dの中でよかったのは、アバターとこれだけでした。
アバターと違って、3D効果だけでなく、中身もすばらしかった。


「恋するベーカリー」(It’s Complicated)

酷い邦題なので迷った。観終わった後はまあまあかな、というところでしたが
じわじわと「いや、悪くなかった」と思うようになりました。


「トイストーリー3」(Toy Story 3)

人を楽しませたり、驚かせたりすることではオリンピック級の人々が
あーでもない、こーでもない、と議論して、練りに練って、作った、ということが
伝わってくることが感動的でした。
映画は基本的には、一人の王様が作るもので、こういうこと、あまりないです。
ピクサーが今やっていることは奇跡に近い。


「ローラーガールズ・ダイアリー」(Whip It) 

主人公が、鼻をちょこんとツマまれて、ムズムズと鼻を動かすシーンが
忘れられない。若者向けサービスカットも多いけれど、こういう映画を
サラリと撮れるのは、才能としかいいようがない。

上にあげた映画は、平日の午前だったけれど、いつも、ほとんど客は3人程度でした。
トイストーリー以外は、まったく話題にものぼらなかった。

私はいつも、前評判はスルーして映画館に行って観る映画を決め、ウチに帰って
感想をメモ代わりに個人のツイッターに書いてから、映画評や評判を読むんですが
もう、まったく、自分とは評価が違うのでいつも驚いてます。

でも、海外では、「抱擁のかけら」も「ローラーガールズ・ダイアリー」も
ちゃんと評判がいいようなので、ちょっと安心してます。
彼らは次回作を取るべき監督達ですから。でも、日本で公開されるかどうかが心配ではありますが。。。


記録として 1

ワールドカップは、子供のころから、どこでやろうと、毎回、予選から全部観た。
でも、今回の南アフリカ大会は、(ベスト8が揃った)現時点まで
ちゃんと見たのは4試合。

このコラムは、1998年から書いているので、毎回ワールドカップの時期は
そりゃあ、もう、何本もサッカーをテーマに書いています。
今回まったく書かないのも、残念なので、記録として、書きます。

FIFAは、無回転キックに期待しているみたいだ。
なにしろGKが取れないキックなのだ。
今は蹴ることができる選手は少ないが(馬並みの背筋力が必要)これが一般化すれば
得点力がアップすることは間違いない。そうすれば、アメリカで人気が出るかもしれない。

ジャブラニ(WC公式球)採用は、そういうFIFAの意志表示なのかなと思いました。

でも、このボールで引退に追い込まれる選手は、多い。
もう、回転をかけ、コントロールするキックは、時代遅れ。
年々、入りにくくなっていたFKも、このボールの登場でキッカーは総入れ替え
となりつつある。(日本でも、これがおきました)

ただ、多くのサッカー好きが懸念したように、このボールと無軌道キックは
代表チームへのモチベーションの低下とあいまって、戦術崩壊を生み
(結局、少々遠いとこからでも、無回転のミドルシュートを蹴って、GKが
 弾いたところに詰めればいいんですから)
結局、ディフェンスの強化が進むことになり、ディフェンシブで得点が少ないゲームが増えた。

(予選で最も点が入ったゲームは、大雨でボールの特質が消えた試合でした)

無回転だけのせいじゃないけれど、決勝トーナメントは、南米チームが躍進。
戦術が機能しないのなら、パッと集まって強いのは南米です。
これも、サッカー好きは、みんな予想していた。

ただ、なんだかんだ言っても、サッカー利権は、ヨーロッパが握っているので
これは、ゆり戻しが来るでしょう。イギリスとイタリアで視聴率がかせげないと
シャレになりませんからね。本音は、ヨーロッパとアフリカ中心でやりたいんです。
アフリカのサッカー関連も、モロモロの欧州利権が深く食い込んでいるみたいですしね。

FIFAは、何か、またやってくると思います。
彼らは、いつもやり方が露骨なので、ちゃんと見ていればわかります。
だいいち、FIFAの役員なんて悪相ばっかりですよ。

日本は4試合やった。ちゃんと観たのは2試合と半分(前半だけで寝てしまった)

あの監督は、タイプでいうと、「臆病なリアリスト」です。

現有戦力で、最も勝つ確率が高いやり方でやりますよ。
そりゃ、おもしろくないですよ。でも勝ち進むほうがいいでしょ。
その確率が高いのは、これです。
勝っても自分のおかげとは言いませんけど、負けても私のせいじゃない。
これが現実ですよ、というサッカーです。。。

冴えたこともしないけど、大きな失敗も犯さない。

優秀な官僚みたいなものです。

ただし、ミスも多かったと思います。

まず大会前の大胆な変更、なんて言いますが、自分で練ってきたチームですからね。
ボールの特質とか調子の善し悪しを言うならば、決断は遅すぎた。
結局、チームを作ったり、育てたりはできなかった、ということです。

ゲームの読みは、かなり間違ったんじゃないでしょうか。
ゲームの途中で大幅な修正を迫られていた様子が伺えます。
デンマーク戦もなんだか最初は、バタバタしていて、点が入らなかったのは
単にラッキーだった、としか言いようがない。

今回は、デンマークのDFは酷かったし、カメルーンも自滅しただけだと思います。
パラグアイは、ちょっと日本の最終ラインを甘く見ていた。
いつか入るだろう、一点で、逃げ切れる、というサッカーをしてました。

いつも、同じスタメンで、交代のパターンも同じ、というのもリアリスト特有の
言い訳ありきの「逃げの戦略」だった。冒険できなかった。

代表の人選も下手だった。控えは多彩なカード、選択肢であるはずなのに
バリエーションが少ない単なるスペアだった。

PKでも決断できなかった。
失敗した選手は明らかに、ゲーム中から、センターリングも当たってなかった。
人選ミスだと思います。
日本の若いGKは、今のところ、秀でているのは、度胸と、キックの距離だけです。
なぜPKの可能性が出てきたときに、あらかじめ、かえておかなかったのか?

こういう分析は、協会の会議では、出るでしょうし、サッカー雑誌には載るとは
思いますが、新聞や雑誌では書きにくいムードみたいですね。

岡ちゃんに謝れ、みたいなムードは、最初は冗談かと思ったら、なんだか
監督批判をした人をつるしあげる、みたいなことになっていてコワいです。

で、私は、やっぱり、南アフリカの日本代表はつまらなかった。
ディフェンスは、すばらしかったし、みな献身的だったと思うけれど。。。
選手は、このチームでまたやりたいとは思っても、この監督とやりたいとは
感じなかったんではないでしょうか。


例えば、日韓大会のアイルランド、ドイツ大会のメキシコは、すばらしかった。
ベスト8、16どまりの結果でも、予選敗退でも、人々の記憶に残るサッカーはできる。

ワールドカップは、あと、数試合は見ようと思います。
やっぱり、あれだけ好きだったサッカーが、今後どうなるのかは、ちょっと気になりますから。
終わってから、何か書きたいことがあれば書きますが。


昔の彼女

昔書いたことは、すっかり忘れているものもあれば、覚えているものもある。
同じようなことは、なるべく書きたくないですしね。
もう1500くらい書いているんですが、あんまり重なってはないと思います。

ここ数日は、4年前に書いた自分の文章のことを考えていました。
その時の素直な印象を率直に書いた、というより、寂しい気持ちで書いたのを
覚えています。何を書いたかも覚えています。

http://webjapanese.com/blog/archive/archives/206

クリスティーナロナウドは、やっぱりサッカー界のキングになった。
このコラム、サッカーに関しては、結構、イイセンいっているんです。
韓国のパクチソンがまだ新人のころ、「この選手はスゴイ」と書きましたよ。

で、今回のワールドカップ。
日本では、さっぱり盛り上がっていません。
まるで昔に戻ったみたいです。
今から20年以上前、私が高校生のころ、学校で「昨日のマラドーナ見た?」
と言っても、見たのは40人中、サッカー部の知人一人だけでした。

広告代理店の人たちは、青ざめているんじゃないでしょうか。

個人的にも、今回は、観なくてもいいかな。
日本代表は、強いとか弱いの問題以前で、勝ってもまったくうれしくない
という不思議なチームだ。

でも、今回、韓国は強い。強いだけじゃなくて、魅力がある。
予選突破はもちろん、本当にベスト4は狙える力がある。

アフリカチームも、そろそろ、決勝まで進むかもしれない。

と、ワールドカップ関連のテレビを見ても、どうも、昔の彼女に会ったような
気分なんですが、なんとか、こうやって気持ちを鼓舞している最中です。