2000年06月


 
06 / 01

炭(すみ)が見直されている。

よい炭は、昔から焼き鳥を焼くには、欠かせないものだったが、 最近はその消臭効果や水をきれいにする効果が注目を浴びている。

マウスくらいの小さなものならひとつ300円ほどで手に入る。 それを下駄箱(げたばこ)や、トイレなどに置いておくだけで 効果を発揮する。半永久的に効果が持続するということもあって 家庭の中でも使われることが多くなった。

バーベキューなどでも炭に落ちた油の煙(けむり)で、肉が 燻(いぶ)されよい味になる。 焼き鳥を作るのは、いろいろとコツがいるそうだが、とり肉を 切って、塩をふり、よい炭で焼けば、日本の普通の居酒屋よりは 美味しいものができる。
お試しください。

 


 
06 / 06

最近、日本で売られている車には、10万円程度のオプション料金を 払うとカーナビが付いてくる。 カーナビゲーションシステムのことだ。

最近のものは、よくできていて、目的地を入力すれば、一番早い道を 探して教えてくれるし、今の時間帯は、この道のほうがいい。 などと、抜け道も教えてくれる。

外国人によく指摘されることだが、日本では大きな道を除いては 道に名前が付いておらず、ひとつの道が途中でいろいろと名前が変わることも多く、分かりにくい。
東京では、道は複雑で、タクシードライバーも東京の地理に詳しく なるまでは10年かかるなどと言われる。

そのうち、東京のタクシーには、カーナビが搭載(とうさい)される ことになるかもしれない。

 


 
06 / 17

戦後まもなくは、東京のタクシーは、神風(かみかぜ)タクシー などと呼ばれ、評判が悪かった。

乗車拒否(じょうしゃきょひ)も 多く、わざと遠回りして高い料金を請求(せいきゅう)するドライバー も多かったそうだ。

その後、ずいぶん改善された。規制(きせい)も厳しくなった。 しかし最近は、その規制で守られた業界が不透明(ふとうめい)で タクシーの料金が均一(きんいつ)であることに批判が集まっている。

自由化の波(なみ)は、タクシー業界にもやってきた。本格的な 競争がはじまれば、現在のタクシーの台数は激減するかもしれない と言われている。

 


 
06 / 08

意外と知らない人が多いが、夏は、日本では、麦茶(むぎちゃ)を 飲む。
冷やして飲む。 最近は、パックの麦茶がよく使われる。
水とパックをいっしょに 入れて、1時間ほどでできる。

夏の飲み物には、カルピスもある。 これは、甘いジュースで、濃縮(のうしゅく)した液が売られている。

知人がこのカルピスをスペインに住む日本人の友人に送ったところ 半月後に、「あと10本送ってくれ」と手紙が来たそうだ。

特に美味しいものでもないけれど、記憶と結びついた飲み物、食べ物 というのはありますね。

 


 
06 / 12

東京の中心にある神田(かんだ)という所は古本屋が集まっている。
ほとんどが日本の本だが、英語の本や中国語の本も多い。

3年ほど前、ハンガリー語の辞書を探したが、すぐに見つかった。
200件以上が狭い地域に集まっているので、100メートルも歩くと たいていの本を見つけることができる。中には古い版画(はんが)や 相撲(すもう)専門の店などもある。

 


 
06 / 13

外国人にも焼き鳥が人気があることを日本人に知らしめたのは、 アメリカのカーター大統領だ。

彼が来日した際、日本の寿司屋や、焼き鳥屋に立ち寄り、日本食を 楽しんだ写真は一躍(いちやく)有名となった。 カーター大統領と言えば、焼き鳥。というほどだ。 海外の日本大使館でもパーティーの際は、必ず焼き鳥が出て人気と なるそうだ。

寿司の場合は、生の魚が苦手というひとは多いのでメインでは出されない。
テンプラは、つゆがおいしくない。 という声を時々聞く。
焼き鳥は、安心して食べられるということ だろうか。

とり肉の値段は日本では安い。100グラム100円ほどだ。 しかし、とり肉ほどここ20年で味が変わったものもないと言われる。
簡単に言うと、味が薄くなり、油が多くなった。ブロイラーと呼ばれる 工場のような養鶏場(ようけいじょう)で育てられたにわとりは、 同じ味がする。卵も同じ。

若い世代の日本人は、外国でとり肉を食べると、味の濃さに驚き、 あまり美味しく感じないということだ。

 


 
06 / 14

韓国人の知人に「南と北はもう違う国だ」という意見はないのか ときくと、「それを言うのは、まだ表面的にはタブーです」 という答えが返ってきた。

「歴史的」と言われた南北朝鮮(ちょうせん)の会談(かいだん)では、どのように握手するか とか、どこに行くか、といったことが話題になっている。

今回は具体的な話し合いは行われないようだが、主に経済関係を 強化する方向で進むことは間違いないようだ。 韓国には多くのコンピューター会社があり、北朝鮮には質のよい 安い労働力がある。

それぞれ今後に向けてしたたかな戦略をもっているようだ。
両国には政治を超えた複雑な感情がうずまいている。

韓国に帰国した知人にもう一度、同じ質問をしてみたいものだ。

 


 
06 / 15

私の知人はスコットランドで3ヶ月静養(せいよう)していた。 ほぼ毎日、パブに通っていた。

しかしそこは、地元(じもと)の人 しか行かないところで、英語の下手なへんな日本人が注文しても 後回(あとまわ)しだった。

ある日、パブに入ろうとするとひとりの老人が出てくるところだった。 知人はドアをあけて、「どうぞ」と通した。 続いて、3.4人ほどの老人が通った、最後の老人はニコリと 笑いかけてくれた。 翌日、またパブに行くと、どうも様子がおかしい、ウエイターの 愛想(あいそ)がいい。

店を出ようとしてお金を払おうとすると 「いらない」という。ウエイターが親指で差す方向に先日の 笑いかけてくれた老人が座っていた。 それからパブでいろんな人が話し掛けてくるようになった。 充実した夏を過ごすことができた。

ドアをあけたり、席を譲ったりすることは特別なことではないけれど 外国では
このように効き目があることもあるという話。

 


 
06 / 16

今日はあまりきれいな話ではありません。 男性2人の会話。共に30代

「おはよう」
「おはよう。あのさ、朝から何だけどさ」
「なに」
「けさ、うんこ踏みそうになっちゃった」
「え、犬の」
「あたりまえでしょ」
「藤崎(ふじさき)さんって、そんなに田舎だったっけ」
「いや、会社の前だよ」
「へえ」
「でさ、なんだか小学校のころ思い出したよ」
「ああ、おれの時は、うんこ踏んだやつは、一日中『くさい』って 言われてたな」 「そうそう、『バリヤ!(barrier)』って言ってね」
「ああ、そういうのあったなあ」
「それにしても、新宿のまん中に犬のうんこがあるとはねえ」
「マナー悪いよな」

 


 
06 / 20

日本では国立、公立(こうりつ)の大学と私立の大学がある。

大学の数は多すぎて、試験を受けなくても入ることができる私立の大学は 多数あるとのことだ。 私立の大学の学費は1年で75万から100万円ほど。入学する時にもお金が かかるので、4年で500万ほどかかると言われている。

先日、私が卒業した大学にビルゲイツ氏が招待された。彼はスピーチをし 短い質疑応答(しつぎおうとう)に応じた。 日本の企業との話し合いのついでに立ち寄ったというのが実情のようだ。 この大学は、ゲイツ氏に学位(がくい)を与えた。

私は、この大学に入るために、少なくとも一年は勉強した。500万円は 私の家庭にとっては、少ない額ではなかった。

私はゲイツ氏には、何のうらみもないし、マイクロソフトは必要以上に 批判にさらされていて同情もするが、この大学の対応にはちょっと納得できない。 そもそもこの大学には、コンピューター関連の学部はなかったはずだ。

ともかく、ゲイツ氏は、これで私の先輩(せんぱい)となった。 彼の近くにいる人で日本の事情に詳しい人は、彼に教えてほしい。 日本では大学の先輩というのは、後輩(こうはい)に食事くらいはおごるものだ。 ということを。

こんど来日した際は、頼むよ!ゲイツ先輩!

 


 
06 / 22

外国で起こった事件を自分の国の事件に置き換えて考えたり あるいは、自分の国の将来を見たりすることはよくあることだが、さっぱりわからない事件というのも
ある。

フーリガンというのはなかなか解釈が難しい。 サッカーファンなのだろうか。
それともサッカーは単に名目(めいもく) にすぎないのだろうか。

2002年は日本と韓国でワールドカップが行われることになっている。 ワールドカップを主催する国は、ビザの審査なしに入国を許可(きょか) しなければならないそうで、これを機に不法滞在者(ふほう たいざいしゃ)が増えるのではないかと政府は戦々恐々(せんせん きょうきょう)としているそうだ。

日本の入国審査は厳しい。もう少し大人しくしていないとイギリス人は 2002年から入国できなくなるかもしれませんよ。

 


 
06 / 23

日本でバレーの世界大会が行われている。

オリンピックの出場権(しゅつじょうけん)がかかっているそうだ。

「バレーの大会って、どうしていつも日本でやるのかな」
「ああ、それおかしいね。多分、お金を出しているんじゃない」
「多分ね」
「イタリアとか強いんでしょ」
「そうらしいね。最近は。プロがあって、国内でも人気があるって」
「へえ、あの美人のエース、名前なんだっけ」
「カッチャトーリだったかな」
「ああ、おいしそうな名前ね」
「スパゲッティカッチャトーリって、本当にありそうだな」
「イタリア人の名前って、おいしそうなの、多いよね」

今、日本ではイタリア料理が人気で、安い店がどんどん出来ている。
先日、デパートの食堂のフロアに行ったら、9店のうち7店が イタリア料理だった。

 


 
06 / 27

先日行われた日本の選挙の評価はいろいろとあるようだが、外国のメディアなどでは 低い投票率(とうひょうりつ)や実質的な変化のない結果(けっか) に批判的な論調(ろんちょう)が多いようだ。

キーワードは不景気(ふけいき)と公共事業(こうきょうじぎょう) だろうか。

日本の政治は複雑でわかりにくい。例えば、日本で最も共産党 (きょうさんとう)がいちばん強い地域はどこかわかりますか? 答えは京都。古く保守的な土地(とち)と言われる場所だが なぜか政治は違う。

これからどうなるのか? これも私にはさっぱりわからない。分かっていることだけでも 説明しようとすると、あまりの複雑さに、うんざりしてしまう。

はっきりしているのは、定数(ていすう)は480で、わかりやすい 主張をする政党はがんばっても30くらいしかとることはできない。 なるべくあいまいな、ぼんやりとした政策(せいさく)をもった 政党しか多数をとることはできないということだろうか。

しばらくの間は、あたりを見回しながら、おそるおそる政治を進める 時代が続くということだ。 つまり特に日本の政治に興味のある方を除いては、研究するに価しない とも言えるだろうか。

 


 
06 / 28

選挙が終わったとたんに火山(かざん)が噴火(ふんか)しそうになりメディアはそちらに行ってしまった。もう、すでに選挙などなかったかのようである。

日本には火山が多く、富士山(ふじさん)もそのひとつだ。 国土の70%以上が山林で、水害や地震(じしん)も多い。国としては 「維持費(いじひ)」がかかるほうだと言えるだろう。

今年に入って2度、火山の噴火が起こったが、2度とも気象庁 (きしょうちょう)による予知(よち)で被害者はでなかった。 地震予知に関しても世界の中で進んでいるそうだ。

今回は東京から離れたところにある離島(りとう)の火山の噴火 が始まっている。住民は安全な地域に避難している。 食料の確保など最低限の生活保証はされているそうだ。

不謹慎(ふきんしん)かもしれないが、子供のころは、天災(てんさい) は楽しみだった。

台風が近付いてくると、意味もなくお菓子を買ったりしていた。
停電(ていでん)でろうそくをつけたりするのもわくわくするものだ。
他の地域が災害にあって、体育館に集まったりしているのをニュースで 見ては「うらやましい」と思ったものである。

好きな女の子と同じ屋根の下で生活ができるのだ。

 


 
06 / 29

日本でテレビを見ていると、時々、チャイム(chime)の音がして 画面(がめん)の上に文字がでる。

緊急(きんきゅう)のニュースや地震などの情報が表示される。 もちろん、重要なニュースの時は、番組を中断(ちゅうだん)して ニュース番組が始まる。

先月は、少年犯罪(はんざい)のニュースが立て続けに起こった。
チャイムの音に「また、少年の犯罪か」と感じたものである。
今月は、小渕(おぶち)首相や大物(おおもの)政治家の死が 続いた。
すると、チャイムの音は死亡のニュースかなと 反射的(はんしゃてき)に考えるようになる。

ここ2.3日は、火山の噴火(ふんか)のニュースの関連で地震の ニュース速報(そくほう)が多い。

今日は、チャイムの音で、また地震かとテレビ画面を見ると 警官(けいかん)が殺害され、犯人はピストルをもって逃走中との ことだった。

数分後、また、チャイムがなった、今度は自衛隊(じえいたい)の 飛行機が墜落(ついらく)したとのことだった。

「警官が殺されたぐらいでチャイムが鳴ってたら、テレビなんか うるさくって見てられないよ」という国もあることだろう。

速報を出すかどうかの判断は、各テレビ局がやっているらしいが まあ、ほとんど横並(よこなら)びである。

たまには、イギリスのように首相に子供が生まれたというチャイムでも 聞きたいものだ。

 


 
06 / 30

中国人と日本人の会話。共に男性

「きのう、新聞みましたか」
「うん、ざっと目を通したよ」
「遺伝子(いでんし)の研究で寿命(じゅみょう)が1300年になるらしい
  ですよ。」
「へえ。1300年ねえ。中国で1300年前だといつかな」
「唐(とう)ですね。」
「楊貴妃(ようきひ)のころか。日本は奈良(なら)時代」
「そのころの人がまだ生きていることになりますね」
「紫式部(むらさきしきぶ)はハリウッドでシナリオ書いてるかな」
「あ、源氏物語(げんじものがたり)を書いた人ですね」
「そうそう、清少納言(せいしょうなごん)は雑誌にコラムを書いてるかもね」
「ああ、なるほど。中国は人口問題がたいへんですよ」
「ああ、そうか、そうか。今の政治家があと、1000年以上生きてるのはちょっと
  困るね」
「いやあ、ほんとに困りますよ。それは」

 


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2000年05月


 
05 / 02

CGは、ハリウッド映画でお馴染(なじ)みだ。

日本映画では、予算のこともあって、なかなかCGを使えないという 事情があるらしい。 ところが、日本のテレビコマーシャルでは、予算はたっぷりなので、多用されている。

エルビスプレスリーがラーメンを食べ、オードリーヘップバーンが 缶ジュースを持っている。 こういうことは、遺族(いぞく)の許可が必要らしいが、ファン の意見は反映されない。

コンピューターが発達すると、CGも低予算で作れるようになるらしい。 技術者も増えている。今後もこれらのコマーシャルのように過去の 人物が、商品の宣伝をすることが増えるかもしれない。 映像が残っていることが条件なので20世紀の人物になるのかもしれない。

ヘミングウエイがクルーザーの宣伝をしたり、ガンジーが 眼鏡(めがね)のコマーシャルに出るかもしれない。

私はあまり好きではない。 あなたも死んだ後、日本で納豆(なっとう)のコマーシャルに 出ているかもしれませんよ。

 


 
05 / 08

ゴールデンウイーク中に、2つの大きな事件があった。

ひとつは、主婦が殺害(さつがい)された事件。動機(どうき)は 「人を殺す経験をしてみたかった」

もうひとつは、バスを乗っ取って、乗客を一人殺害、男性の乗客を 解放(かいほう)した後、女性ばかり残り10人ほどを人質 (ひとじち)にし、16時間近く移動しながら立てこもった事件。 6歳の女の子に刃物を当て、警察とやりとりをした末、逮捕された。 動機はあきらかにされていない。

共通点は、いづれも17才の男の子が犯人だったということだ。

詳しくはわからないが、学校での成績は優秀(ゆうしゅう)だった らしい。しかし、友人は少なかったそうだ。 バスジャックの犯人は、「いじめ」に会い学校に通わなくなって 精神病院に通院していたとも報道されている。

イギリスでも17才の男の子が、暴動を扇動(せんどう)したとして 逮捕されている。 少し前は、アメリカでも同世代の子供が銃(じゅう)を乱射(らんしゃ) する事件が起こった。 日本で17才というのは高校の1年か2年というところだ。

日本では高校への進学率は高く、大学への進学率は50%程度である ことから、この年代は、始めて「社会」を意識しはじめるころでも ある。

さて、これから先がわからない。 何故?

 


 
05 / 10

最近、よくきかれる言葉に「危機管理(ききかんり)」がある。

首相(しゅしょう)の突然(とつぜん)の病気や原子力(げんしりょく) 機関での事故などで、咄嗟(とっさ)の事態(じたい)に対応できない 政府機関を批判するときに使われた。

先日のバスジャック事件でも、意見は二つに分かれた。

早めに犯人を射殺(しゃさつ)すべきだったという意見は多い。 すでに一人を殺害し、精神状態が安定していない少年を、たとえ 17才とはいえ、乗客の生命を考えると対応が遅すぎた。 というもの。
バスは安全対策が難しく、将来の事故に対する抑止(よくし)効果も あるのだというのが主旨(しゅし)だ。

他方、比較的軽度(けいど)の精神病患者でもあるし、17才は、 まだ更正(こうせい)の余地(よち)がある。 なるべく犯人の生命も大事にしながら事件を解決したいという日本の 警察の対応は正しかった。 という意見もある。

この17才の少年は、精神病院の診察を受けたことがあり、おそらく 5年以内には社会に復帰(ふっき)するだろう、というのが大方 (おおかた)の見方だ。
日本では18才未満の人間はすべて少年法という法律で裁(さば) かれる。
ほとんどは5年以内で、多くは2.3年で社会に復帰することになる。

この年齢を下げたらどうかという意見もある。
犯罪の弱年化 (じゃくねんか)も問題となっている。

「子供」の定義は、国によっても、時代によっても違うが 共通している考え方は、「大人でない者」ということだろうか。

それぞれの国が、それぞれの時代に応じて考えなければならない 普遍的な問題とは、大人とは何かということかもしれない。

 


 
05 / 11

「連帯責任(れんたいせきにん)だ!」と少年は叫んだそうである。

少年は17才で、先週、バスジャックをして一人を殺害(さつがい)した。

「連帯責任」という言葉で連想(れんそう)されるのは、軍隊(ぐんたい)、 特に陸軍(りくぐん)では、一人がミスをすると、チーム全体の 責任となった。
チームの中で孤立(こりつ)しないためにそれぞれが 抑制(よくせい)するという効果があったのかもしれない。

戦後、軍隊式(ぐんたいしき)といわれるやり方は、残った。
例えば、学校。ことに体育の教師は、軍隊式が好みのようだ。 あとは、刑務所(けいむしょ)。「矯正(きょうせい)」が必要な 施設では、よく軍隊式の教育を目にする。

もうひとつ、精神病院や養護施設など、弱い立場の人々が集まるところだ。 軍隊式の教育をよしとする人々は、ある種の合理性(ごうりせい) があると考えているようだ。

少年は連帯責任という言葉をどこで聞いたのか。
この言葉は、事件報道の中でもひときわ暗く響いた。

 


 
05 / 12

日本では部屋の広さは、畳(たたみ)の大きさで表現されることが 多い。

不動産屋(ふどうさんや)でも、部屋のサイズはほとんど6畳とか 8畳と書かれる。「畳」という漢字のかわりに「帖」が使われることも多い。

最近は、洋風のアパート(マンションという)の部屋のサイズは 平方(へいほう)メートルで表記(ひょうき)されることも 多くなった。

しかし、結局、不動産屋に「これ何畳ぐらい?」 と聞く人は多い。

パリのさる宮殿(きゅうでん)で。日本人女性の会話

「うわー広いね、100帖くらいあるんじゃない」
「そうねえ、でも、何人ぐらい寝られるかしら」
「ここ寝るとこなの」
「舞踏会(ぶとうかい)をしたところらしいよ」
「何人くらい入るのかしら」
「さあ、ガイドに書いてるよ。3000人だって」
「じゃあ、100帖じゃきかないわね。200帖くらいね」
「そうね」
「料理だって作るのたいへんよー」

宮殿に畳が敷き詰めてあるのを想像すると楽しくなってしまう。

 


 
05 / 15

小渕前首相が亡くなった。

選挙の日程はすでに決まっている。6月25日。小渕さんの誕生日 だそうだ。

与党(よとう)の議員にとっては、まさに絶好の タイミングで亡くなったとも言える。 弔(とむら)い選挙という言葉があるくらいで、政治家の死は、 当然のように政治的に利用される。また、それに左右される 有権者も多いということなのだが。

ただでさえ、選挙の時は、宣伝カーの騒音になやまされるものだが 今回は、それに加えて、露骨(ろこつ)なやりとりが行われることは 確実で、今からうんざりだ。

小渕さんは、田舎の中学校の校長先生のようだった。
人柄のよさという のは、テレビからも伝わってきた。

御冥福(ごめいふく)をお祈りしたい。

 


 
05 / 16

コンピューターウイルスは困った問題だ。

最近のウイルスは、メールの添付(てんぷ)で送られてくるようだ。 添付ファイルには、タイトルが付けられている。 私のところにも送られてきた。流行(はや)りのI love you ではなく Pretty Parkというタイトルのものだ。
これはexeファイルなので、私のアップルのコンピューターには 関係ないようだ。

ウイルスの添付書類のタイトルというのは、面白い。

差出人がわからなくても思わず開きたくなるようなものでないと いけない。
そのまま捨ててしまうと気になるような題名(だいめい)で 悪意を感じさせないもの。
I love you はまあ、普遍的なものですね。Pretty parkは、ちょっと 見てみたい気がしますね。

国籍(こくせき)を問わず、男女の区別なく、だれもが開きたくなる ような添付ファイルのタイトルとはなんだろうか。

「幼(おさな)なじみより」なんてどうでしょうか?
なかなか文学的なテーマだと思いませんか?

 


 
05 / 17

着信音(ちゃくしんおん)というのはあなたの辞書にのっていますか?

今、日本では着信音といえば、携帯電話に電話があったときに なる電話の音のことを言う。 流行(りゅうこう)の歌や、すきな曲を、無味乾燥(むみかんそう) な着信音のかわりに使うのだ。

若い人が多い居酒屋(いざかや)など に行くと、ひっきりなしに、いろんな種類の着信音が鳴っている。 人気がでたので、この着信音を作ってダウンロードできるサービス を始めた会社が話題になったり、和音(わおん)が鳴る新しい 機種(きしゅ)が発売されたりしている。

便利なこともある。
着信音が同じだと、誰にかかってきたかわかりません からね。

電車の中で、ヤクザ風の男の着信音が、ディズニーだったりすること もあったりして、面白いこともあるのだが、やはり、迷惑ですね。

 


 
05 / 18

JMMというのは、Japan Mail Media の略で、これは作家の村上龍 (むらかみ りゅう)が始めたものだ。

現在の主なテーマは、経済。といっても、インターネット決済 (けっさい)がどうしたとか、次世代のマーケットの主流は?といった たぐいの話しではない。

作家である村上龍が、国際的に金融マーケットで活躍していた 優秀なエコノミストやトレーダー達に問いを発しながら、今の世界をどう捕らえるのか尋ね、各自がそれぞれの切り取り方で、近付いていく。

実は、最近増えたと言われるカタカナ語の中で、金融関連の言葉は、 比較的あてはまる日本語が、辞書の中に存在することが多い。

しかし、にもかかわらずカタカナで表記されるのは何故か。
日本語ビジネス用語集などはたくさん出版されている。
現在、日本で起きている現象を考えると、改めて、それらの訳語の 「ずれ」が気になってきたことは確かだ。

コマーシャリズムは、「商業主義」だろうか? グローバリズムは?

今、改めて経済を考えるということは、言葉を考えることであり、 みずからが育ってきた環境を揺さぶられることでもある。
言葉が揺らぐ時に作家が興味を示すのは当然のことだ。

経済を見る時に我々は、結局、「幸せとはなにか」といった青臭い、 根源的(こんげんてきな)問いに迫られることになる。 しかし、簡単に結論を出してはいけない、考え続けなければならない のだ。

村上龍は、ヒットアンドアウエイでポイントを稼ごうなんて考えずに いつも、打ち合いを挑むボクサーのようだ。 彼の試合は、常にエキサイティングなのだ。

JMMのURLは、このサイトのリンク集にあります。
Web Japanese Link

 


 
05 / 19

偶然(ぐうぜん)、道で、なつかしい人に会うことがある。 大学のスポーツクラブの先輩(せんぱい)と後輩(こうはい) なんかは、よくあることだ。
話すことがなくて困ることも多い。

「お、山崎(やまざき)じゃない?」
「あ、久本(ひさもと)さん、おひさしぶりです」
「げんき? 今、何してるの?」
「あ、はい、広告会社の営業なんですよ」
「あ、そうか、電通(でんつう)だって聞いたよ」
「はい、先輩(せんぱい)は」
「おれは、ホテルマンだよ、あいかわらず」
「あ、そうでしたね。先輩も営業でしたっけ?」
「いや、フロントでね。転勤(てんきん)が多くて大変」
「ああ、そうでしょうねえ」
「。。。」
「。。。」
「あ、移動中(いどうちゅう)なんでしょ、じゃあ、また、連絡するよ」
「あ、はい、失礼します」

この山崎さんに、「大学の先輩? 今の人。」 と聞くと。
「うん、多分。よく覚えてないけど」と言った。

 


 
05 / 23

LinuxというOSは日本でも話題になっている。

マイクロソフトの分割(ぶんかつ)騒ぎで、いよいよ本格的に 次のOSになるのではないかと考えられているようだ。 日本でもインターネットの利益を受ける人々が企業から個人へ 移ってきた。

ここまでくると、接続に関わるコストや、最低限必要なブラウザーや メールソフト、OSなどは、ますます公共性を増してきたと言えるだろう。
その公共性はひとつの国に限らない。政治体制や宗教の違う国々が 同時に共有すべきものだ。 中国では今の所、Windows2000の使用が禁じられているそうだ。 OSを通じて個人情報がインターネットを介して漏れる怖れがある。 というのがその理由だ。

ユニコードにも問題があるようだ。日本では変換ソフトのシェアも マイクロソフトが多数を占めている。ユニコードを進めたいようだ。

日本語の未来でさえマイクロソフトが握っていると言ってもいいのではないか。

OSがひとつの会社によって作られるというのは長い目で見ると 理屈(りくつ)にあわない。 そういった意味でLinuxには期待しているのだが、Linuxは、素人には 難しい。 コンピューターはもはや特殊な知識を持った人だけのものではない のだから、初心者でも使いやすいGUIを誰か作ってくれないだろうか。

もちろん、日本語の変換ソフトも必要だ。

高い技術を必要とすると思われるが、なんとか なるかもしれない。
そうなったら明日からでも使うのに。

 


 
05 / 24

「したたかな」という形容詞は、最近は、女性に使われることが 多いようだ。

どこの大学でも女性学の講議は、行われるようになった。
しかし、つい最近、 その女性学の講議が学生には、不評(ふひょう)であるとの記事が載っていた。
主な理由としては、講師(だいたい40代)との世代の「ずれ」を指摘 (してき)したものが多かった。

現在、40代で、仕事を持っている女性は、 そうとうな軋轢(あつれき)の中を戦ってきた人々である。 (大学と企業では、厳しさが圧倒的に違うけれども) 対して、現在20才そこそこの女性達の親達は、少なくとも、 女性の社会進出を是認(ぜにん)すべきであるという社会的な ムードの中にいた親に育てられた。

社会環境の違いから、ある部分は、古臭く感じるのも仕方がないのかも しれない。

一方で、最近、女性達の間で、極少数のエリート女性と、その他の 女性達という
「すみわけ」が、確立しつつあるようだ。

バブル経済後の不景気のしわ寄せは、まず、新卒者、なかでも女性に いった。
「女性の感性を生かした企画づくり」といった言葉は、バブル期を最後に聞かれなくなった。

私は、女性学の講議は、中学からやるべきだと思う。男女で議論しながら。
そうでないと、男性は、一生、女性学を学ぶチャンスがないのだ。

 


 
05 / 26

「彼には、時間の観念(かんねん)がない」んどと言うことがある。 いつも約束の時間におくれる人に使う言葉だ。 時間にルーズ、という表現もある。

「あのさ、待ち合わせで、何分くらい待ったことある?」
「おれ、1時間ぐらいかな」
「おれは、30分くらい。どのくらい我慢(がまん)できる?」
「そうだな、相手によるけど、1時間が限度(げんど)かもね」
「そうだなあ。仕事だと5分前がマナーって言うでしょ?」
「プライベートでは、何分くらいがマナーなんだろうね?」
「知り合いのイギリス人は15分くらいだって言ってたよ」
「日本では、30分くらいかな」
「でも、いちお、10分以上遅れたら、あやまってほしいよね」
「ああ、あやまらないやつ、いるね」
「そうそう。でも、時間の観念って、ほんとに人によって違うから難しいね」
「国によっても、違うからね」

そう、本当に、国よっても違う。時間の観念の「国際標準」は いちお、5分前には来るのがマナーで、遅れても15分まで。 というところだろうか。

ちょっと厳しいかな?

まあ、デートの時は、30分くらい、待ちますけどね。

 


 
05 / 27

子供のころ日本で過ごした外国人が最もなつかしいのは お菓子だという話を聞いたことがある。

日本には大きなお菓子メーカーが数社あり、しのぎを削っている。 チョコレートやクッキー、米などから作るせんべいなど、アイデアが 豊富(ほうふ)だ。

アニメーションが現在、日本を代表する文化と 言われることもあり、子供向けの商品開発では、世界をリードしている のかもしれない。

一方で批判もある。当然、お菓子やおもちゃには、それらを買える層と 買えない層がある。子供のうちにこのような格差(かくさ)を体験 させるのはよくないとする考え方だ。
最初から完成度の高い商品を おもちゃとして与えられると子供の想像力は育たないという人も いる。

ひと世代前の人々は、貧しい生活の中で、いかにして自然のものを 工夫して遊んだかを力説する。 しかし、その自然も今や都会にはない。遊び場も少ない。
それらは、 残念ながら、そのひと世代前の大人達が奪ったものとも言えるだろう。 今の子供には選択肢が増えたのか減ったのかは、判断するのは難しい。

 



2000年04月


 
04 / 10

ファーストシーン。

駅に汽車が着くところから映画は始まる。

体格のよい寡黙(かもく)な 男が降り立ち、駅の感触を確かめるように佇(たたず)む。
男はふるさとに帰ってきた。
ただ心に傷を負(お)っている。
それが何なのかはまだ観客には知らされていないが、それを予感させるだけの立ちふるまいを見せる主人公はジョンウエイン。

駅には数人の人々がいる。
こんな村にみなれない男が来たからには 釣りに違いないと、どこがよい釣り場か、男に教えはじめる。 横から別の村びとが口をはさむ、あそこはもうだめだ、最近はこっちの ほうだと。
議論は熱をおび、他の村人も加わってたいへんな騒ぎに なる。
男はその親切に苦笑しながら立ちすくんでいると、抜け目のない老人が さあさあ、こっちですよと、自分の馬車に案内する。

導かれるまま馬車に乗り、馬車の老人と会話をかわし、ここは自分の ふるさとであることをほのめかす。
「ショーンソーントン!」老人は、叫ぶ。

こんなかんじで映画「静かなる男」は、始まる。

この後、男は女に出会い、もうひとりの男とけんかをする。
まあ、それだけの映画だ。
馬車の男は、バリーフィッツジェラルド。

私は、15年前に一度、観ただけの映画だが、この場所がイニスフリー ということも、バリーフィッツジェラルドの役名(やくめい)が ミケリーンということも覚えている。頭の中でいつも上映できる。

監督はジョンフォード。兄のフランシスフォードもけんか好きの瀕死 (ひんし)の老人として出演している。

先日、初対面の初老のアイルランド人に、何を話したらよいかわからず、 思わず「イニスフリーって本当にあるのか」と尋ねた、すると、彼は 詩を口ずさむようなリズムで長々と、いかに美しいところか語って くれた。 ジョンウエインに釣り場を教える、おせっかいな村人のように。

少々、うるさいけれども、決していやなかんじはしない。
一気に打ち解けるというのはこういうことか。

こんな時ですね。映画の力を感じるのは。

 


 
04 / 06

先日、「フランクキャプラのアメリカンドリーム」という記録映画を 見た。

監督はロンハワード。ハリウッドの中でも地味でオーソドックスな映画 を作る監督だ。 「コクーン」は、あまりヒットしなかったけれどもいい映画です。 その後はちょっと不調(ふちょう)のようだが。

キャプラと言えば、人情喜劇(にんじょうきげき)の第一人者 (だいいちにんしゃ)だ。 しかし、この映画では、キャプラのもつ「暗さ」に焦点(しょうてん) をあてようという狙(ねら)いで作られたようだ。

あの「素晴らしき哉、人生!」(It’s a wonderful life!)は公開当時、 観客が入らず、数週間でうちきりになったなどのエピソードの他に、貴重な、日本では未公開(みこうかい)の初期のフィルムも見ることが できた。
全体として、まとまりに欠け、記録映画としては、いま一つ成功した とは言えないが、ロンハワードの誠実さに触れたような気がした。

でも、これは、劇場公開(げきじょうこうかい)しても、お客は 入らないでしょうね。

 


 
04 / 07

名前を説明するのに苦労しない人は少ない。

「あのお名前は」
「鈴木です。あのよくある鈴木です。」
「あ、はい、鈴木さんね」

こういう名前は、ほとんど書き方も一つなので、便利だ。 漢字は簡単でもいろいろ選択肢(せんたくし)がある場合は、 時間が必要だ。

「お名前は」
「新井です」
「あらい様ですね。あらは、荒川の荒ですか」
「いえ新しいのほうです。井は井戸の井です。」

井戸はもう見かけなくなったが、言葉はまだ生きている。 「荒川」のように有名な地名を説明に使うという方法がある。

読み方で困ることもある。

「こちらにお名前をお願いします」
「はい(梅原と書く)」
「うめはらさま ですね」
「あ、いえ、うめばらです」

名前や地名は、こういうふうに説明しなければならないことがある。 もちろん
「へん」や「つくり」で説明することもあるが、最近は なかなか通じないそうだ。有名な人の名前や、地名で説明すること が多いそうだ。

 


 
04 / 12

東京都知事の石原氏は自衛隊(じえいたい)の式典(しきてん)で 「外国人、三国人が事件を起こせば治安出動(ちあんしゅつどう) していただく」 と発言した。

三国人? 今はほとんど使われることはないが、戦前から戦後に かけて使われた。

三つの国を指すものではなく、第三(だいさん) の国の人。という意味らしい。
主に戦後、中国や朝鮮半島から来て犯罪に走った人々を表現する 言葉として当時、使われた。 ちなみにアップルの変換(へんかん)ソフトでは簡単に変換できた。

この発言に対する批判に対して
「私たちは戦後の混乱の中で、せっかくつくった青空市場(あおざら いちば)にいわゆる三国人が来て、その中には韓国系の人たち、 朝鮮系の人たち、中国系の人たち、アメリカ軍もおり、不法なことを あえてする、実害を与える外国人のことを三国人と書いた。 おれはそのつもりで使ったんだよ」

さらに
「東京の犯罪はどんどん凶悪化しているよ。だれがやっているかと いえば、全部三国人。つまり日本以外の不法入国して居座っている 外国人が犯罪者じゃないか。スネークヘッドだってそうじゃないか」

同じ日に、日本のオリンピック委員会の会長は先日行われたマラソンで 「黒いのが勝っちゃってねえ」と言ったそうだ。

三国人という言葉は、一般的に解釈すると悪いことをする外国人。 実は、朝鮮半島から来た外国人、中国人を指す時に使われること 多かった。

戦後、多くの外国人が日本に来た。彼等の多くは 仕事を持てず、犯罪に走ることも多かったと言われている。 スネークヘッドというのは、80年代後半に台頭(たいとう)してきた 中国系のマフィアの名前。 日本へ不法に渡航(とこう)するのに関わっていると言われている。

三国人という言葉が、差別的な意味があるかどうかに焦点(しょうてん) はあるようだが、私は、「凶悪(きょうあく)な犯罪はぜんぶ外国人」という発言は それだけで公職(こうしょく)を追われるべきだと考える。

残念ながら、地下鉄サリン事件も、半年に一度は起きる幼児殺害事件も 日本のふつうの家庭で何不自由なく育った日本の若者たちによるものだ。

「黒いの」と発言した人物は、昔、海外でも活躍したスポーツ 選手だが、自らに対する「黄色いの」という視線(しせん)を 感じたことがあるはずだ。

法律を改正したい。「公職に付いている人物が、外国、または 外国人に対し差別的発言をした場合、その国に4年留学しなければ ならない」というのはどうだろうか。 月の補助は5万円であとは、アルバイトで生活してもらう。

石原氏は知事としてはめずらしく主体的に提案(ていあん)できる 有能な人物だった。この提案も受け入れてくれるかもしれない。
すべての人に、更正(こうせい)のチャンスは与えるべきだ。

日本語教師という職業は、日本にいながら、日々、外国人と会う仕事だ。 こういう幼稚(ようち)な発言の尻拭(しりぬぐ)いを しなければならない。
政府は補助金(ほじょきん)を出すべきではないか?

 


 
04 / 13

16世紀の終わりに「刀狩(かたなが)り」が行われた。

これで、事実上、日本では民間人の武器所持は難しくなった。 日本の戦国時代(せんごくじだい)は終わりを告げた。 外国の歴史家の中には、この重要性を指摘する人がいる。 現代にいたるまで、銃(じゅう)はもちろん、刀を許可なしに所持する ことは、違法となっている。
刀は、刃(は)の長さに制限がある。

16世紀に生まれた武器を携帯(けいたい)することに対するタブーが 現代まで生きているというのだ。

アメリカで6才の子供が同級生を殺害(さつがい)した事件は日本でも 報道された。数年前、日本の留学生が銃で殺害され、アメリカの銃規制 が難しいこと、全米ライフル協会の政治的な影響力のことなどは、 すでに知られている。

しかし、その社会に銃(じゅう)が必要かどうかは、そこに住んでいる 人々でないとわからない。 この事件はちょうど大統領選挙の最中に行われた。
これで、候補者 (こうほしゃ)は、なんらかの意見を言わねばならなくなると思ったが、 はっきりとした態度を表明した候補者はいなかったようだ。

 


 
04 / 14

外国人で一級に合格した人は2000前後の漢字を知っていることになる。

だが、日本人で自信をもって2000の漢字を書けるというひとは 少ないに違いない。 日本人にとって漢字は、読める漢字、と書ける漢字は別だ。
あともうひとつ、読みは自信がないけど意味はわかる。 という漢字がある。 本などを読んでいて、なんとなく「読んで」しまうが、声に出して 読むのは自信がない。

例えば、「乖離」などは、なんとなく 「離れている」「違う」「関係が薄い」という意味ではないかと思う。
しかしどう読むかは自信がない。
「はくり?」「せきり?」といった ところ。

しかし、こういう漢字は読めた時に、この漢字は、「知っている」と 考える人は多い。正解は「かいり」だが、これを聞いて、書ける人は、 ほとんどいない。

実は私も自信がない。 おそらく日本人にとって、漢字を知っているということは、意味が わかって、読める。ということのようだ。

コンピューターの普及(ふきゅう)で、「書ける」ことの意味は あまり問われなくなってきた。

 


 
04 / 18

ここではコンピューターとかインターネットに関することはあまり 書かないようにしている。あまり語学(ごがく)には関係ないからだ。

日本ではアップルの人気は高く、個人ユーザーのシェアは10% を越える。
しかし、まだ、日本人ユーザーに優しいとはいえない。 最も大事なソフトである変換(へんかん)ソフトは、OSに付属の ものだが、変換能力は低い。

ウインドウズで一般的な変換ソフトに くらべると3年以上はおくれているような気がする。 また、OSにバグが多く、細かいアップデーターを必要とする点も ユーザー泣かせだ。

私はこの4年で2度買ったが、2度とも 通信ソフトに問題があり、アップデーターを使わねば、インターネット に接続できなかった。
初心者に向けてのサービスも障害者に対する配慮(はいりょ)も 年々、少なくなっているように思う。 サポートの中心であるアップルの日本支社のサイトを覗くと、 詳しい説明は、英語のサイトを御覧ください。というようなことが 書いてあって驚かされる。

正確な情報は英語のサイトを読むしかない。
iMacが好調でアメリカでは人気が復活しつつあると言われ、事実、 日本でも売れている。 しかし、まだ、少数のファンにささえられているのが実情のようだ。

 


 
04 / 19

東京に住んでいて残念なのは川を感じることができないことだ。

都市というのは、川の魅力なしでは半減(はんげん)してしまう。 都市の中を走るものは車、バス、電車、いろいろだ。バイク、 町を歩く人々。たいていの都市に住む人々は早足(はやあし)である。

川の流れは、少なくとも表面上は、地上のどの動きよりも遅く見える。
その「遅さ」に心が癒(いや)されることがある。

 


 
03 / 21

新入社員のあいさつ

「今日から、こちらに配属(はいぞく)になりました。 川辺(かわべ)と申します不器用(ぶきよう)で、何もできませんが がんばりますので、よろしくお願いします」

これを聞いていた男性同士の会話。中年の日本人と若いカナダ人社員

「最初のあいさつで、『何もできません』って言うんですか」
「え、ああ、あれは謙遜(けんそん)して言ってるんだよ」
「ああ、そうですか」
「彼女、英語はペラペラで、MBAも持ってるんだよ」
「へえ、じゃあ、そんなに謙遜しなくてもいいのに」
「まあね、でも他に言いようがないしね」
「まあ、そうですね」
「でも最近は、本当に『何もできない』し、しかも『がんばらない』 若いのも
  多いんだよ」
「ははは、そういう時はこまりますねえ」
「そう。謙遜して言っているかどうかわからないからね」

 


 
04 / 25

景気が回復するようだ。というのが、ここのところの一致した 意見だ。

マンションは売れている。大企業のリストラも進み、銀行の統合 (とうごう)もメドがついた。

従来、「日本経済が」と言う時は、「日本が」と同じ意味であったが 今後は、そのような表現は難しくなるようだ。 しかしそのことを声高(こわだか)に言うのはタブーのようである。

長いこと日本の失業率(しつぎょうりつ)は、3%台前後であった。 これはほぼ、完全雇用(かんぜんこよう)を達成していると言っても よい数字だった。
しかし、この神話(しんわ)もここ5年で完全に 崩(くず)れた。

IT関連も結局は、大手が有利な枠組(わくぐみ)みができつつある。
新たな介護ビジネスも中途半端な規制で、末端(まったん)で 働く人にしわ寄せがくるようになっている。パート程度の仕事と 受け取られがちだ。リストラ組の雇用の受け皿にはなりそうもない。

結局、相変わらず土地開発によってしか、雇用を作ることができない ようだ。
クビになったサラリーマンが、生き残ったますます富めるサラリーマン にリゾートマンションを売るのだろうか?

 


 
04 / 26

都心を歩いていると「首相(しゅしょう)を直接選挙 (ちょくせつせんきょ)で選ぼう」という キャンペーンをやっていた。

先日の韓国の選挙で腐敗(ふはい)した政治家を落とそう。 というキャンペーンが成功をおさめ、それに刺激されたキャンペーン が流行りのようだ。これはもちろん近々、選挙があるのではないか という推測(すいそく)に基づくものだ。

立候補(りっこうほ)した政治家にアンケートをして、その結果を 公表し、それによって選ぼうというのもある。 これは、政治家は選挙の時には政党と違う主張をしても当選後は、 政党の方針に従うことが多く、そのことに対する不信感から 生まれたもののようだ。

次の選挙では投票率が普通ならば自民党は負けるのではと言われている いろいろなキャンペーンが流行りなのも、投票率は下がるのではないか つまり、小渕さんに対する同情票が棄権(きけん)といった形で あらわれるのを怖れた野党支持層(しじそう)によるものだ。

首相の直接選挙は実現したら面白い。

私は、本気で小錦(こにしき)が いいと思うが、どうだろうか。 彼は英語をはなせるし、外国人として日本文化の象徴(しょうちょう) のようなところで貴重な経験もしている。 日本語は完璧で、論理的、かつ、説得力のある話し方をする。 日本の政治家は束(たば)になってもかなわない。

細かい話は官僚(かんりょう)に任せればいい。これまでずっと そうしてきたのだから。 ユーモアもある。日本では何かと話題になるサミットの写真撮影では 黙っていても中央に立つことになるだろう。

いや、誰もが記念写真をとりたがるのではないだろうか。 他に、こんな日本人がいるだろうか。 相撲好きのフランスのシラク首相などは、つい、余計な約束を してくれそうだ。中国も小錦みたさに参加するかもしれない。

中国では大きな人物は愛される。 もちろんサミットは首相自らの土俵入りで始まり夕食は「ちゃんこ鍋」である。

 


 
04 / 27

「あの店、あたりだった」などと言うことがある。

「おいしかった」という意味だ。反対は「はずれ」 今日ははずれの店の話しを。

中に入ると、 床が油でベトベトになっていて、スニーカーが ペタペタと貼り付く。カウンターの下には、これも油にまみれた 去年のマンガが置いてある。
ラジオからは、演歌(えんか)が流れてくる。
壁には女性のヌード ポスターが貼ってある。
調理場に、灰色のエプロンをした男性がスポーツ新聞を読みながら たばこを吸っている。

「ほおい」と返事をすると、(5秒以内に注文しないと命はない) といった目で
睨(にらむ)む。 「チャーハン、大盛(おおも)り」 というと、返事はなく、作りはじめる。

見ると、大きな炊飯ジャーを開く。あらかじめ作ってあったチャーハン を炒めなおすためだ。 当然だが、あっという間に出来上がる。

「はい、チャーハン大盛り」 ここで店主は、始めて、日本語を話す。
当然、まずい。

食べ終わって、お金を払うため、「すみません」と いうと、耳からイヤホンをはずしながら(競馬を聞いていたのだ)

「チャーハン大盛り、、、、、8ぴゃく、、、50円です」 という。

間があくのは、大盛りの値段を覚えていなかったからだ。
店を出る。スニーカーのペタペタという音は、まだ続いている。

もう一度、振り返り、店構えをしっかりと記憶(きおく)に留める。

間違って、また来ないように。

 


 
04 / 28

鉄道は昔国鉄(こくてつ)と言った。国営鉄道という意味だ。 電話会社も国営だったが、これも民営になった。 民営になったころ友人と話したくだらない話。

「国鉄が民営化したら、サービスがよくなるってほんとかな」
「いまのままでも結構、いいと思うけどね。田舎の駅長さんなんて親切だよ。」
「そうだねえ、でも、赤字が多いからね。どんなサービスになるのかな。きれいな
  女性が案内してくれるとか」
「混んでるからね、無理だよ」
「じゃあ、方言でアナウンスするってのはどう」
「ああ、いいね、『次は名古屋(なごや)だがや~』とか」
「『博多(はかた)たい!』とかね。」

「電話番号の案内も方言だといいのにね」
「電話の会社も民営化だからね」
「そうそう」
「東京はその点、損(そん)かもね」
「でも、下町は、『あいよっ!』って言って、電話に出るのね」
「『台東区の山下産業?、こりゃまた、平凡な名前だねえ、きっと つまんねえ
  会社だよ。おっと、番号ね、番号、番号、よし!耳の穴 かっぽじって、
  よく聞きな。3596の、、、』」
「いいねえ」

「千代田区とか、官庁が多いから、官僚的なのね 『お尋ねの山下産業様の産業は、 いわゆる法人組織でよく用いられる 産業という理解でよろしゅうございますか。
 はい、、、、申し訳ございません、該当のものは、私ども、最大限、 努力した
  結果、と考えていただければ幸いでございますが、 近似値(きんじち)という
  了解でよろしければ、3件ほどございました』」
「長いのね。慎重で。」
「そう。『や、ました産業、やまし、た産業、やまし、たあ産業など いろいろと
  当たりました結果でございます』」
「ああ、言いそうだね。そういうこと」
「でね、『はい、じゃあその3件お願いします』って言うと、
『案内のほうは、担当が別でございますので、そちらのほうに、 あらためて
  御連絡いただけますか』って言うんだよ。」

 



2000年03月


 
03 / 02

「金は天下(てんか)のまわりもの」という言葉がある。

お金というものは、個人の所有物(しょゆうぶつ)ではなく、社会の 所有物であるといった意味で、日本では古くから言われていることばだそうだ。

いい例を知人に聞いた。彼はコンピューター学校の講師(こうし)。

東京に住むあるアメリカ人の仕事は、英語の家庭教師(かていきょうし)で、ある生徒が 高い授業料(じゅぎょうりょう)を払ってくれる。
彼女は、鉄道会社の会長の愛人(あいじん)だそうで、会長が買ってくれた マンションにひとりで住んでいる。1時間のレッスンを週一回やって 月10万円。

彼は、その高い授業料を、自分に投資(とうし)した。コンピューターの 授業をうけることにした。 その講師は、愛人のパトロンである会長の鉄道会社の沿線(えんせん)に 住んでいる。

毎日、切符(きっぷ)を買うたび、複雑な気持ちになるそうだ。

 


 
03 / 03

知人にやたらと気をつかう人がいる。

先日、一緒に昼ごはんをたべた。ふつうに話して40分ぐらいで 店を出た。
後日、その人が語ったところによると、その40分にこんなことを 考えていたそうだ。

「まず、店に入ったのが12時10分ごろだった。ふつうなら席は いっぱいのはず。
  しかし、席は空いていた。多分、あまり流行っていない 店だと思った」
「それで?」
「なるべく儲かるメニューを選ぼうと考えた。」
「えっ! 好きなものじゃなくて?」
「うん。それで、うどん定食を選んだ。麺類(めんるい)は仕入れ値が 安いから
  ね」
「なるほど」
「それから定食についている飲み物は、アイスコーヒー、これも、 仕入れ値は
  アイスティーの70%くらいなんだ」
「くわしいね」
「前にアルバイトしてたから」
「それから山本、うどんのつゆにわざび入れただろ」
「ああ」
「あれは、よくないよ。洗う手間がかかるんだ。おかずのカツにからしも
  つけちゃだめ。洗う時に手につくと、ピリピリすることがある」
「へえ」
「50分に店を出たのも理由がある」
「え」
「オフィス街だから、1時から休む人もいる。でもそういう人は、時間が 比較的
  自由になるから5分前くらいにオフィスを出ることができる」
「それで」
「10分前に店を出れば、席が空いている印象を与えることができるでしょ」
「そうだねえ」
「早すぎてもいけない。ウエイトレスはレジも兼ねていたから、なるべく 支払いが
  集中する時間に店を出たほうがいい」
「経験者ならではの意見だね」
「それに洗い場も一度にお皿が下がってきたほうがやりやすいんだ」
「ふうん、いつもそんなに気を使うの」
「うん、山本は、お皿を重ねただろ? あれはだめなんだ。油が他の お皿について
  洗いにくくなる」
「他になにか変なことした?」
「席が空いていたのに、窓際に座っただろ?」
「うん」
「席があいている時は、なるべくウエイターが運びやすいテーブルを 選んだ
  ほうが、楽なんだ」
「う~ん」

 


 
03 / 07

3月になって急にあたたかくなった。

まだ朝と夜の気温が低いので、この時期はかぜをひきやすい。
この季節(きせつ)は花粉症(かふんしょう)の季節でもある。 天気予報(てんきよほう)では、花粉の量も予報している。 花粉は杉(すぎ)の木の花から飛ぶ。

杉は、昔から日本にあった木だが、戦後、この木の植林(しょくりん)が進んで多くなったと言われている。

ここ10年、花粉症の人が急激に増えたのは杉の木が増えたことに加えて 食生活の変化で抵抗力(ていこうりょく)が低下したことも指摘 (してき)されている。

症状は、目がかゆい、涙(なみだ)がでる。鼻水が止まらない。など。
日本では、鼻水をすする音は、失礼ではない。 そばなどを食べる時は、音をたてるのがよいマナーと考えられている くらいだ。

この時期、電車の中などは、鼻水をすする音がよく聞かれる。 不快に感じる外国人もいるようだが、まあ我慢(がまん)してください。
我々も強烈(きょうれつ)な音で鼻をかむ外国人に驚かされることも しばしばなのだから。 ちなみに、これは、あまり日本ではよいマナーとは思われていない。

つい先日、花粉があまり飛ばない杉が開発されたというニュースを聞いた。
効果があらわれるのは50年後のことだそうだ。

 


 
03 / 07

電気製品(でんきせいひん)特にコンピューターのカタログを見て 目につくのが
「可能(かのう)」という言葉だ。

テレビ視聴(しちょう)も可能。 本体から冷蔵庫(れいぞうこ)などの電気製品をコントロールする ことが可能。 あなたの自伝(じでん)の出版も可能! といったかんじだ。

もちろん、それらの「可能」には、右上に小さな印(しるし)が ついている。
「#1」といったような。
下を見ると、すごく小さな字で、

「別途(べっと)インターネット対応の冷蔵庫が必要になります」 とか
「変換(へんかん)アダプターの購入が必要です」などと書いてある。

カタログには、大きな写真で、冷蔵庫のドアについたモニターをのぞく 女性の写真があったりする。 テレビを見るにも別売(べつう)りの機械が必要だし、パソコンで製本するにも ソフトやいいプリンター、なにより知識が必要だ。

もちろん、広告には、「 このコンピューターを買っても、 表計算(ひょうけいさん)をするには、時間と知識と才能が必要です」 とか、 「自分だけのオリジナルCDを作るのは、できないことはありませんが、 ほぼ不可能です。」とは書かない。

大袈裟(おおげさ)な広告を誇大(こだい)広告というが、この基準は 難しい。

 


 
03 / 08

東京の地下鉄が脱線(だっせん)事故をおこした。

現在のところ4名が死亡(しぼう)、死者は増えそうだ。

ニュースなどでは、死亡、重体(じゅうたい)、重傷(じゅうしょう) 軽傷(けいしょう)などと伝えられる。
重体は命に危険(きけん)があり、重傷は、さほど危険はないものの 後遺症(こういしょう)など、深刻な場合もある。 軽傷は、短い入院でなおるけがのことだそうだ。

今回の事故では、35名ちかくが死傷(ししょう)と伝えられた。 死亡を含む、けが人が35名程度いる。ということだ。

原因は不明(ふめい)。車両(しゃりょう)の故障(こしょう)の 可能性が高いらしい。事故がおこったのは、通勤のラッシュが終わりかけた ころ。一日中その路線は止まったが、一部は、すぐに動き出した。 翌朝には、全面的に復旧(ふっきゅう)するとのことだ。

都会の交通機関(こうつうきかん)は、わずか5センチほどの雪でも 止まることが多いが、復旧も早い。 東京に住んでいると自殺などで電車が止まることは、一ヶ月に一度は経験する。自分が乗った電車が人をはねた場合も車内アナウンスでそれをしることが できる。 2度経験がある。いやなものだ。

 


 
03 / 13

「読み書きそろばん」といって、江戸時代からこのみっつができないとよい商人にはなれなかったそうである。

そろばんは、今でもやっている学校はあるそうだが、計算機 (けいさんき)が普及(ふきゅう)してからは、ほとんど学校で教えることはなくなった。そろばん塾
(じゅく)もほとんど姿を消した。

上のそろばんは、戦前までは主流だった下に5つ玉があるタイプ。その後4つとなった。

東京駅には、コンピューターで切符代を計算した後、そろばんで、確認する職員が今もいるそうである。

 


 
03 / 14

東京にはいろいろな国からいろいろな人が来る。
両親が離婚して父親と世界中を回っている女の子は、母は精神障害 (せいしん しょうがい)があり、自分にもその血が流れているのだと、深刻な顔で、 声をひそめて話してくれた。あまり笑わないひとだった。 いつも2年くらいで次の国に行くことになるそうだ。 いつも父親とは別に暮らす。父親をあまり好きではないそうだ。
21才。
「必ず現地の人で10才くらい年上のボーフレンドを作ることにしてるの」
と言っていた。

頭が「ロウロウ」と鳴るという女性は、母国で大学教授だったが、 日本人の男性と結婚して日本に来た。

男性はトラックの運転手で外国語はできない。それでも結婚したころは、週末は夫婦で よく話したそうだ。時間がかかったけれども。

最近は、「辞書をひくのが面倒だ、日本語を勉強しろ」というように なったということだった。頭痛の話にも取り合ってくれない。

結局、「ロウロウ」は、脳の腫瘍(しゅよう)のことだった。 厳しい仏教国からきたその女性は、「癌(がん)です。よくなりません」と 毅然(きせん)とした態度で、病気のことを話してくれた。 夫は仕事が忙しいと、見舞いにもこないそうだ。 初級の生徒だった。辞書で癌(がん)とひいたのだろう。

コンピューター会社の社長をしている男は、友人二人と会社を作り 大成功した。

半年づつ交代で社長をやり、あとの半年は、自由に暮らす。 彼は、毎年、その半年を過す場所を変える。 日本では、ソニーの会長に会うのだといっていた。

日本について、日本人について、語りはじめると止まらない。 ただし英語で。何時間も。

「もう、やめよう。どこの本で読んだのか知らないけど、少しでも日本語 を勉強してくれないか。覚えた日本語で女の子でもナンパしたほうが 本なんかよりずっといいぞ」 というと少しはやる気になった。
最後のレッスンの日に、さよならと言うと。

「これから、日本で会った最高に知的な美人と食事をするんだ」 といっていた。 30分だけレッスンを延長して教科書には書いてない日本語を 少し教えた。

 


 
03 / 15

一期一会(いちごいちえ)パート2

「アメリカではあまりいいことがなかったのよ」と言っていた中年女性。 大きな青いひとみはいつも悲しげで、最初は、目を合わすことが、 ためらわれるほどだった。 ある日、バイクの話しをすると、「バイクはきらい、バイクの話もしたくない」 とふさぎ込んでしまった。

母国でサッカーのナショナルチームに入っていたという男は、 お金がないのでレッスンが受けられないと言っていた。 都心でウエイターをしていた。
一度、サッカーのレッスンと交換(こうかん) でレッスンをした。
ひらがなを教えた。
トラップのこつを教えてもらった。

しばらくして、アパートに行ってみると、引越していた。 感謝しているとのメッセージをもらった。地方でプロチームのテストを 受けるとのことだった。 しかし、その後、30才のアフリカ人が日本のプロリーグに採用されたという 話は聞かなかった。

同棲(どうせい)している若いカップルのアパートには半年ほど通った。

女性に、「彼、ハンサムだねえ」というと、うれしそうに、笑った。

最初、監視するようにレッスンを覗いていたハンサムは、家をあけるように なった。さえない日本人ということで、安心したのだろうか。
3ヶ月ほどすると、女性の顔が腫(は)れていることが多くなった。 そのことには触れてほしくない様子だった。

「それにしても」と、日本人の女性の悪口をいうことが多くなった。 けんかが絶えないようだった。ある日、アパートのドアに封筒が 貼ってあり、その日のレッスン料が入っていた。長野に引越すとのことだった。

二人いっしょかどうかはわからない。

 


 
03 / 16

最近、驚いたのは、ビデオを買おうと店を歩いていた時に 一緒にいた人に
「この映画90分しかないの、少ないわねえ」 と言われたことだ。
「少ない? 『短い』じゃなくて?』 というと、
「そうだけど、なんか損(そん)したかんじ」 と言った。

今年はDVDが圧倒的なスピードで普及すると言われている。
DVDは映画は、133分しか入らないそうだ。 映画の時間は長くなる傾向がある。現在は120分くらいの長さが平均だろうか。

どうも私は映画は90分だという感覚がある。 最近のハリウッド映画を見ていると30分くらいは無駄だという気がする。 ディレクターズカットなどといって、まだ長くなる傾向がある。 DVDの長さが90分だったら、もう少し、ハリウッドの監督も映画作りが うまくなるのではないだろうか。

 


 
03 / 17

日本人の男性とアメリカ人女性の会話。共に20代後半。

「あのね、日本人の若い人と外国人と決定的に違うように思うところが あるような
  気がするの」
「また、比較文化論(ひかくぶんかろん)?」
「……」
「うん。いいよ。続けて。例えば?」
「日本の人はね、男女に限らず、老いることを前提(ぜんてい)にして、生きて
  いるってかんじ。 彼らは、いつかは、死ぬことを意識(いしき)しながら
  生きているというかんじ。」
「彼らって、外国人のほうね。どういうこと?」
「日本人の男の人とつき合うと、いつも、5年とか、10年とか、もっと先を常に
  意識させられるの。アメリカ人って常に今しかないのよ」
「逆に言うと、死ぬことより老いることのほうが恐いってところがあるんじゃ
  ないか」
「そうかもね。アメリカ人って、いくつになっても若さを強調したがるし」
「老いを避けるのと、死を避(さ)けるのと、どっちが勇気があるんだろうね」
「さあ……」
「……」

この二人は2年つき合って別れたそうだ。

 


 
03 / 20

今日は春分の日。気温は10度を越えた。風が暖かい。

世界中を旅していて、住所が定まらないビジネスマンはいると思うが、 そういう人が、一年のうちで日本を訪れるとしたら、桜の時期かもしれない。
来週、南のほうから桜のニュースが届くはずである。

 


 
03 / 22

警察の不祥事(ふしょうじ)が続いている。

ビデオで女性のスカートの下を撮影(さつえい)したり、重要な事件の 合間にマージャンをしていたり、犯人から押収(おうしゅう)した 被害者(ひがいしゃ)の裸の写真を元に被害者を(!)強請(ゆす)ったり といろいろだ。

まあ、すでに一般にこのような事件は珍しくなくなっているのだから、 警察といえども、同じような比率で犯罪者がいても、驚くには値しない。 と個人的には考えている。

こういった報道の度に、第三者機関(だいさんしゃきかん)によるチェック とか、情報公開(じょうほうこうかい)の必要性(ひつようせい)といった 解答(かいとう)がメディアによって与えられることになっている。

ところで、第三者というのは、日本にいるのだろうか? 

よくジャーナリストや、批評家(ひひょうか)が、選ばれるが、彼らは 第三者だろうか? 感情的な報道の多いメディアに囲まれて多くの情報の 受け手でもある彼らが、第三者でいるのは、なかなか難しいことだ。
また、日本社会にいるかぎり、なんらかの利害関係の中で生きているのでは ないかという、一般の人の先入観はなかなか消えるものではない。

ひょっとすると、アイスランドあたりの公園でキスしているカップルでも つれてきて、決めさせたほうが、誰よりもまともな判断が できるのではないだろうか?
モンゴルの猟師(りょうし)なんかも信頼できそうだなあ。

 


 
03 / 22

離婚率(りこんりつ)は高まっている。

一度離婚した人を「ばついち」 という。二度は、「ばつに」
ばつは、×のことで、役所(やくしょ)で、書類にそういうふうに書かれるそうだ。
離婚した人には、これまで5人ほど会った。うち4人は女性。
離婚後は、女性は経済的な自立(じりつ)が難しく、苦労していたが おしなべて元気だった。

残る一人は、男性だが、彼は、失業(しつぎょう)して半年ほど職探しを しているうちに奥さんとうまくいかなくなり、離婚することになった。 子供は奥さんが引き取った。現在の日本の法律では、よほどのことが ないかぎり離婚後の親権(しんけん)は、女性に有利なのだそうだ。

彼から、「失業して離婚」というパターンが多いことを聞いた。 同じような境遇
(きょうぐう)の男性どうしで集まることもあるそうだ。 ものすごく盛り上がるということだが、帰ってから、皆、また、ものすごく 落ち込むそうだ。

男性が捨(す)てられる時代になりました。

 


 
03 / 23

地下鉄にサリンという毒(どく)ガスをまいたオウムという宗教団体 をおぼえてますか?

今は、アレフと名前を変え、事件に対してもいちおう謝罪(しゃざい)を している。 しかしながら、どうも、まだ、疑わしいというのが大方(おおかた) の見方(みかた)だ。

正式な謝罪(しゃざい)も遅れているし、教祖 (きょうそ)への忠誠心(ちゅうせいしん)は、続いているようである。 先日も教団(きょうだん)が経営しているコンピューター会社の脱税 (だつぜい)事件が発覚(はっかく)している。

いろいろな問題がおこっているが、なかでも、元信者への差別(さべつ)や 団体の施設(しせつ)の建設反対、信者の子供達への対応などが 未解決(みかいけつ)のものとしてあげられる。

特に信者(しんじゃ)の子供に対する対応では、政府も、義務教育 (ぎむきょういく)を受ける権利を認めながらも、反対する住民への 配慮(はいりょ)から断固(だんこ)とした態度は示せないようだ。
住民はほぼ100%、信者の子供の就学(しゅうがく)には反対のようである。 就学(しゅうがく)を拒否(きょひ)した自治体(じちたい)は多数ある。 大きなメディアにも子供の就学を強くうながすような論調は聞かれない。

もちろん教育を受ける権利は、憲法(けんぽう)にうたわれている。 国は、子供が教育を受ける権利を守る義務がある。 住民はともかく、政府は断固として就学をうながす態度を見せるべきだと 思うのだが、いかんせん、文部大臣(もんぶだいじん)は、有力政治家の 息子だ。つまり二世議員(にせいぎいん)である。 無難(ぶなん)に仕事をし、できるだけ長く議員を努め、できれば、 総理大臣(そうりだいじん)になりたいという輩(やから)だ。
はっきりとした意思表示(いしひょうじ)はしないだろう。

この国では、そういう人物が出世(しゅっせ)する。

どんな環境で育った子供でも、学校では、何かを学ぶかもしれない。 好きな異性(いせい)ができるかもしれない。 必ず、教団とは、違ったものの見方を得ることになるだろう。 子供同士の情報交換(じょうほうこうかん)能力はばかにできないのだ。 子供なんて、どうなるかわからないのだ。学校は社会の縮図(しゅくず) だとよく言われるが、ここに期待できない社会というのはよほど 力を失っているということだと思うのだが。

 


 
03 / 24

午後2時ごろの地下鉄はすいていることもある。40才くらいの女性 2人の会話

「どうだった」
「思ってたより聞きやすかったというか。。。」
「そう! そうでしょう! 私も通ってるのよ」
「ええ」
「なんか気持ちが軽くなったかんじでしょ!」
「ええ、そ、そうねえ」
「私も先生のお話を聞くようになってから、クヨクヨしなくなったの」
「ええ」
「また行きましょ! こんどやすださんも連れてきてよ」
「ああ、そうですね」
「先生のお話を10回聞くと、特別講話(こうわ)も聞くことができるのよ」

講話というのは辞書では、「いろいろな問題をわかりやすく説明する こと」ということになっているが、宗教関係の話で使うことが多い。

つまり、これは、一方の女性が、もう一方の女性を宗教団体の 会合(かいごう)に連れていった後、また来い、と誘っているのだ。

 


 
03 / 28

都心から電車で40分ほどのところに川崎(かわさき)という 場所があって、そこに野球場(やきゅうじょう)があった。

小さく狭いその球場は、スタンドの傾斜が急で、観客にとっては、 見やすかった。所属チームは人気がなく、いつもすいていたことも よかった。

なにより、球場には、名物があった。お好み焼きとラーメンだ。 ふたつとも町中でも営業できるほどの味と値段。特にラーメンは これを食べるために野球を見に行く人もいるほどだった。 いつも人でいっぱいで、店の人は忙しそうに働いていた。 家族でやっているのかは、わからないが、店の人々が仲がよいのも とてもいい雰囲気だった。

スポーツ施設(しせつ)や高速道路(こうそくどうろ)など 外に出られない場所には、必ず簡単な食べ物や麺類(めんるい)などを 売っているが、これがおいしいことは、ほとんどない。 ほとんど大手の会社が運営していて、人件費(じんけんひ)をおさえる ために誰でも調理できるように考えられている。
ほかに選択しがないので、皆、仕方なくそこの店で食べることになる。

川崎の球場は取り壊されることになった。新しい球場は千葉にある。 去年、行ってきたけれども、メジャーリーグ的なサービスが目玉(めだま) になっているこの球場は、やはり、つまらないところだった。

 


 
03 / 29

日本では英語の勉強を中学校の3年と高校の3年の6年にわたってやることになる。

無味乾燥(むみかんそう)だった英語の教科書も近年、工夫するように なった。
ビートルズの歌詞(かし)や、有名人の伝記(でんき)なども 採用(さいよう)れるようになった。

私は高校の時に、キング牧師(ぼくし)の有名な演説(えんぜつ)を 習った。 
I have a dream で始まる詩のような演説は、教師の お気に入りだったらしく、彼が、中空(ちゅうくう)を見つめながら、 読み上げた一節(いっせつ)は、少女の詩のように響いた。

が、後に、映像で、キング牧師の演説を聞いて驚いた。 熱気に囲まれた群集の中で、絞り出すようにして叩きつけられた言葉には 力がみなぎっていた。

演説というのは、やはり聞かなければならない。 声というのはすごいものだ。

 


 
03 / 30

インターネットでお金を稼いだ人のランキングがイギリスで発表され、 日本人が多いことが国内で報道されている。

なぜか? この答えは簡単で、インターネット関連の株の投資(とうし)は、 お金を持っている人が圧倒的に有利だからだ。

株価(かぶか)のゆれは、かつてないほどに激しく、大口の投資家の動向 (どうこう)に敏感(びんかん)に反応する。 こうなると、大口投資家は、無難な選択をしながら、冷静に売り抜けていけば 大怪我(けが)はしない。 この冷静さが、能力といえば言えるのだが、やはりアンフェアという印象は 拭(ぬぐ)えませんね。

経済に関する限り、日本は突出している。不景気だとか、競争力が落ちたとか 言われているが、日本経済が活力を失っているのは、膨大なお金が動かない ことによるもので、依然(いぜん)として、「お金がある」ということには、 変わりがない。

ここ5年で、まったく経済の様相(ようそう) は変わってしまった。おおざっぱに言うと、株価や為替(かわせ)の 動向も、一見、素人っぽく見えるようになったけれども、一歩、踏み込んで 考えると、さっぱりわからない。といったかんじ。

株価や為替の動きは、まるで生きている人間のようだが、だんだん、 人相(にんそう)が悪くなっている。

 


 

去年(1999年)、避妊薬(ひにんやく)のピルが解禁(かいきん) になった。 カナダ人と日本人の会話。共に女性

「あのさあ、ちょっと聞きにくいことなんだけど」
「え、何?」
「日本ではどんな避妊(ひにん)方法が一般的なの」
「う~ん、そうねえ、去年、からピルが使えるようになったんだけど」
「あんまり聞いたことない」
「まだ、副作用(ふくさよう)が恐いみたい、やっぱりまだコンドームが 多い
  んじゃないのかな」
「そう、体質(たいしつ)によるけど、副作用は大丈夫よ」
「うん、私は、最近、ピル、飲んでるけど」
「簡単には買えないんでしょ」
「いちお、処方箋(しょほうせん)がいるみたいよ」
「日本の人にこういうことって、聞きにくいのよ。ありがとう」

最近は「日本人の秘密(ひみつ)」などと言って、避妊や堕胎(だたい) の実態(じったい)を扱う本も増えている。

私のまわりには、ピルの解禁(かいきん)を喜んではいるけれども 結婚している人を除いて、実際に使っている人は少ないようだ。 処方箋(しょほうせん)が必要であることもネックになっているとのこと。

もっとも、調査したのは、2人だけですけど。やっぱり聞きにくいからね。

 



2000年02月


 
02 / 01

2000年になってからも、小さいけれども陰惨(いんさん)な事件が 起きている。

小学生(しょうがくせい)が校庭(こうてい)で殺害されたり、 刺(さ)されたりした。犯人は男性のようだ。
爆弾(ばくだん)を作っていた男。
2ケ所で実際に爆発(ばくはつ) させようとした。

昨日は、9才の少女を自宅で約10年間、監禁(かんきん)していたという 驚くべき事件が発覚(はっかく)した。

これらの犯人に共通なのは、30代、男性、独身、無職(むしょく) ということだ。

学歴社会からようやく脱却(だっきゃく)しつつある社会が次に選んだのは 能力主義であった。 このことは、自然な流れのように見える。しかし、社会の閉塞感 (へいそくかん)は、持ち越したままだ。

心を病む30代の男性が増えていることは、理解できる。 彼らが社会にデビューした時は、日本は、空前のバブル景気の中だった。

おそらく、現在の変化の狭間(はざま)で、最も居場所が少ない世代で あるからだ。 逆にそこから抜け出した30代の人間は、最も厳しい選別者となって、 変化を煽
(あお)っている。

両者に共通なのは、「幼稚(ようち)である」ということだ。

 


 
02 / 07

フランクフルトから東京へ向かう飛行機で隣り合わせたその紳士 (しんし)は、たまたまチェックインのイギリス人の好意によって 得たビジネスクラスに乗っている私にいぶかしげな視線を送りながらも 社交辞令(しゃこうじれい)を感じさせない友好的な口調で 「今回はどちらへ」と聞いたのだった。

「ドイツの田舎なんですが、モーゼル川の流域(りゅういき)に 小さな保養地があるんです。いいところでしたよ」 と答える。
「ほう、後学のため、詳しく教えていただけますか」とあくまで物腰 (ものごし)やわらかく尋ねる紳士は商社マンだと名乗る。50才前後。
スチュワーデスともにこやかに談笑(だんしょう)する。
「ワインで有名なベルンカステルというところから、電車で、」 と言いかけた時、突然、彼は、きりりとした顔になり、ヘッドホンを した。 スクリーンでは、ニュースが始まったようだ。

ニュースの最後に株価をキャスターが伝えると、かばんから資料を取り出して 仕事を始めた。

飛行機で隣に座った客と話すのは、難しい。

不愉快(ふゆかい)な思いを したからと言って、席を変わるわけにはいかないし、途中下車もできない。 窓の外はたいくつだ。 機内食(きないしょく)を食べていると、北京(ぺきん)ダックにでも なったような気分になる。
だから飛行機は嫌いなんだ。

 


 
02 / 08

シュテフィグラフが日本に来ている。引退試合(いんたいじあい) のためだ。

グラフはさっぱりとしたいい顔をしていた。
彼女は、間違いなく ナブラチロワとエバートの時代からテニスの進歩をひとつ進めた 女王だった。 ボルグ、マッケンローの男子テニスの時代の後は、女子テニスの時代だった。 その意味では、グラフは、テニス界のトップに君臨(くんりん)していた と言ってもいい。

日本では70年代から80年代にかけてテニスブームがおこり、各地に テニスコートができた。それまでは、高貴(こうき)な、お金のかかる スポーツとして知られていた。 ボルグ、コナーズ、マッケンローといった黄金時代だった。
日本でも ウインブルドンの中継(ちゅうけい)は、深夜にもかかわらず高い 視聴率(しちょうりつ)をとった。

その後、下火となった。80年代中盤からのバブル経済によってテニスコート の値段も上がった。東京では、一時間一人8000円だったこともある。
一面(いちめん)ではない、ひとりだ!

今は、都心でも1時間一面で4000円ほどだ。地方に行けば、1000円程度。
公営(こうえい)のテニスコートは、ほとんど無料で、平日なら 空いている。

 


 
02 / 09

マコーミック選手が引退(いんたい)した。

彼はラグビー選手。はじめて外国人として日本代表に選ばれ、キャプテンを 努めた。 元ニュージランド代表の一流のプレイを見せてくれた。その判断力の速さ、 的確(てきかく)さを追いこす日本人選手は現れなかった。

私はマオリの末裔(まつえい)だと言うニュージーランド人とレッスンを したことがある。がっしりとした体格で、気持ちのいい男だった。 現在、知人もニュージーランド人を教えている。彼も日本では、代表クラス のラガーマンだという。

もうひとつ、日本では、カヌーなどで川下りをする人達にとっても、 ニュージーランドは、あこがれの国であるようだ。その美しさを書いた本は 数知れない。

ニュージーランドでは、日本語を学ぶことは人気があるそうだ。

かつて教えた女性は、 「ニュージーランドかえって、ニオンゴのセンセになる希望です。」 と言っていた。
ニュージーランドではニオンゴのセンセになるのは簡単なのだろうか。
彼女は、ニオンゴのセンセになっただろうか。

 


 
02 / 10

「普遍性(ふへんせい)のある話題」を選ぶのが、多様な人種、 国籍が集まる場面ではマナーだそうだ。

一般的に選ばれるのは、スポーツ、天気、食べ物。 日本で外国人が集まると、アパートの家賃など物価(ぶっか)が高いこと。 種類が豊富なビデオ屋の情報。日本人の上司の悪口。 ニホンゴムズカシイネエ。

もちろん、食べ物の話題もタブーが多い。ベジタリアンは多い。物価の話題をする時は、生活水準が同じであることが暗黙(あんもく)のうちの前提(ぜんてい) となっている。 政治や宗教の話題は避けるようにというのは、よく言われますね。

しかし、こういうのもある。

子供のころ、学校までの交通費(こうつうひ)を節約(せつやく)する ために、歩いて学校に通った話。 歯が痛いけど、なかなか歯医者に行く勇気がでない話。 歳(とし)を取って、昔のようには、無理がきかなくなった話。

ふとした弾(はず)みで、こういう話題を共有できることがある。
パーティーで無難な話題ばかり選んでいませんか?

 


 
02 / 22

CDが出始めのころ、レコードが2000円前後だったのに対し 3500円だった。

CDプレイヤーも10万円ぐらい。 その後、2.3年でCDは2500円になり、レコードより安くなった。 その後は、一気にCDが普及(ふきゅう)した。

レコードは、プレイヤーも 含めて、店頭(てんとう)からほとんど一瞬(いっしゅん)のうちに 姿を消した。

ここ3年ほど、クラブのDJがリミックスをするのにレコードが必要と いうことで、盛りかえしてきたが、実質的には「消えた」と言っていい だろう。

私はまだレコードのほうが多い。
私の好きな音楽はなぜか CDで発売される確率は低く、捨てるに 捨てられない。

 


 
02 / 23

CDとレコードは、確かに音質は違う、これは質の高い低いではなく、 単純に種類が違うといったことだ。音楽が好きな人なら分かるだろう。

しかし、音楽の質に影響を与えるほどではないことは確かだ。当初、生産コストが高いことから、 CDの出現(しゅつげん)で、マイナーレコードレーベルが淘汰(とうた) されるのではないか、といったことが言われたが、その危惧(きぐ)も、杞憂(きゆう)に 終わった。

今や、CDは、自宅のコンピューターで、作ることもできるのだ。

さて、CDの次は、何だろうか。SONYは、MDを使った音楽配信 (おんがくはいしん)を始めた。 日本国内では、ウオークマンの売り上げは カセットを抜いて、MDが主役(しゅやく)となった。 インターネット上では、MP3というフォーマットが標準(ひょうじゅん) となりつつある。

でも、ちょっと待ってほしい。なるべく小さなホールで、一流の音楽家の 演奏
(えんそう)を聞いてみよう。できれば、狭いジャズのライブハウス なんかが好ましい。 音というのは空気の振動(しんどう)だ。その感触(かんしょく)だけは 失われてほしくないものだ。

 


 
02 / 24

世の中には鉄道好きという人たちがいる。

日本で鉄道に乗るというのは、こういうことだ。
例えば、東京から九州(きゅうしゅう)の福岡(ふくおか)まで、 飛行機なら90分で18000円。
これが鉄道なら、一番早い新幹線(しんかんせん)でも約7時間。 25000円。

ただし、鉄道好きは、新幹線には乗らない。ブルートレインと呼ばれる 寝台特急
(しんだいとっきゅう)に乗る。 これは、約16時間。料金は一番安くて25000円。一番高い個室は シングルデラックスという名前で30000円。

私の知人は、この個室で九州へいった。 このシングルデラックスという個室を説明するなら、小さな洗面(せんめん) と180センチ以上の人は寝ることができない座席(ざせき)を兼ねた 小さなベッドがあり、帽子などを駆けるフックがある棺桶(かんおけ) といったところだ。

歩くスペースはない。テニスの素振りもできない。
知人は、前日、うれしくてあまり眠れなかったといっていた。

 


 
02 / 28

ひとつの素材(そざい)で何でも作った時代というものがある。

鉄の時代、木の時代、プラスティックの時代など。 その時に最もコストが低かったり、技術者(ぎじゅつしゃ)が多かったり する素材が時代の主役となる。

木製(もくせい)の冷蔵庫というものを見た。中は見られなかったので、電気じかけ なのかは、わからなかった。というのも、このような形のもので、上に 氷を入れて、冷蔵庫として使った時代があったからだ。

今はほとんどなくなったが、氷屋というのは、魚屋などと同じく、どこの 街角にもあったらしい。 今でも老舗(しにせ)の日本料理屋では、氷で保存するところがある。 そのほうが材料(ざいりょう)が乾燥(かんそう)せず、いい状態で 保てるとのことだ。 もちろん、今では手間もコストもかかる。

寿司屋(すしや)のカウンターで 氷を見かけたら、勘定(かんじょう)は覚悟(かくご)しなければならない。 もちろん、そういう寿司屋は、おいしいけどね。

 


 

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