1998年10月


 
10/01

日本の会社のほとんどは、株式(かぶしき)会社と有限(ゆうげん)会社だ。

法律(ほうりつ)では、株式会社を作るのには1000万円。有限会社は、 300万円必要となっている。しかし実際(じっさい)は、業種(ぎょうしゅ) にもよるが、準備など、少なくとも、3倍は必要だと言われている。

ヨーロッパと較(くら)べると、3人から5人くらいの小さな会社は少ない。
特に東京では、ランニングコストが高く、小人数ではほとんど利益(りえき)が でないからだ。 法律の手続きも難しく、専門家(せんんもんか)が必要だ。

インターネット上では、COMドメインというのは、100ドルだ。 それで、IBMやマイクロソフトと同じということになる。

Web Japaneseは、今日からCOMドメインになりました。

 


 
10/02

ラッシュアワーの電車の中で、座っている人は、半分は、寝ている。
立っている人は、黙(だま)って、広告や窓の外を見ている。

20%の人がやっていることがある。何だと思いますか?

日本では、通勤の電車の中で本を読む人が多く、5人に1人は本を読んでいる。
そういう人のかばんには、常に1.2冊の本は入っている。

私のアパートの近くの地下鉄の駅には、無料で本を借りられる本だながあり、 好きな本を持っていってよいことになっている。
その本だなは、全部で50冊 くらい。夏目漱石の「草枕」もあれば、谷崎潤一郎(たにざきじゅんいちろう) もある。 シェイクスピアもあるし、「インコの飼いかた」まであった。

本には、カバーをかけている人が多い。自分がどんな本を読んでいるか、 他の人に知られるのが、はずかしいのだ。 先日、源氏物語(げんじものがたり)を読んでいる人を見かけた。

 


 
10/02

今日は朝から、ひんやりとした風がふいている。本格的な秋だ。

10月と6月は「衣替え(ころもがえ)」といって、制服(せいふく)が 変わる季節でもある。 日本の学校は大学を除いてほとんど制服を着ることになっている。
会社でも女性の社員の一部は、制服を着なければならない。

10月1日から、いっせいに、変わるので、町の風景(ふうけい)にも影響する。
長袖(ながそで)になり、夏の制服より濃い色になる。

虫の音(ね)に秋をきき、木々の色に秋を見ることは、 都会(とかい)では難しい。 衣替えは、最後に残された秋のサインかもしれない。

 


 
10/03

日本人は麺類(めんるい)が好きだ。私は、毎日、食べるという友人を二人、知っている。

どんなに小さな町でも、必ず麺類の店がある。 特に人気があるのが、そば、うどん、ラーメン、などだ。夏にはそうめんも 食べるが、これは、なぜか店のメニューにはなかなかなく、家で作ることが多い。

そばは、東日本、うどんは西日本で人気がある。 また、つゆの種類も違う。東日本は、黒っぽい。西日本は、透明(とうめい)。

ラーメンは、北海道は、豚(ぶた)の骨(ほね)からスープを作り、みそを加える。 関東は、鳥と豚の骨のブレンドにしょうゆ。九州は、豚の骨だけで、かなり濃いスープだ。

また、季節によっても、変わる。

夏は、「冷(ひ)やし」と呼び、冷たい麺。 それを、つゆに浸(ひた)して食べる。 夏はひとつの容器(ようき)に、酸っぱいスープと麺が入る。 冷やし中華(ちゅうか)というものもあり、これは、冷たいラーメンの麺に、 たれをかけたもの。
夏になると、「冷やし中華、始めました」という 貼紙(はりがみ)を、ラーメン屋で見ることができる。

ラーメン、うどん、は外国人にも人気がある。ラーメンは、中国の食べ物だが、 日本に輸入されてから、ずいぶん変わった。

そばは、主に関東で人気があるが、マナー好きの関東の人間は、いろいろと 食べ方に対して意見があるようだ。それについては、また後日(ごじつ)。

 


 
10/04

日本のテレビ、雑誌は、最近、起きた保険金(ほけんきん)殺人の話題でもちきりだ。

東京では、テレビ局は、7つある。そのうち2つは、国営放送で、残(のこ)りは、 新聞社がスポンサーのテレビ局だ。民放(みんぽう)と呼ぶ。 民放の娯楽(ごらく)番組(ばんぐみ)の割合は高く、一日のうち、 80%は、ドラマやスキャンダルを扱う番組などだ。個性(こせい)は、 ほとんどないといって言いだろう。

テレビの影響力(えいきょう りょく)は新聞や雑誌よりも強く、朝、起きて から、寝る前まで、ずっとテレビをつけている人は多い。

しかし、最近、20から30代前半の人に、テレビを見ない人が増えてきた。 私の回りには、ニュースとスポーツしか見ないと言う人が多い。

少し上の30代の後半から40代にかけては、テレビ世代と言える。この人達は、 どんなことがあっても、まず、テレビをつける世代だ。

一方で、新聞の権威(けんい)は、下がってきている。 日本のインターネット ブームは、テレビと新聞の間を埋めるものと考えて いいだろう。

 


 
10/08

昨日、韓国(かんこく)のキム大統領(だいとうりょう)が来日(らいにち) した

民主活動家(みんしゅ かつどうか)として知られるキム大統領は、 73年、日本で、当時の韓国の軍事政権(ぐんじせいけん)によって韓国に、拉致 (らち)された。
日本政府は、当時の韓国の政権や経済界との関係を重視(じゅうし)し、沈黙(ちんもく) した。

25年前、後手(うしろで)に縄(なわ)をかけられ、出国したひとりの民主活動家が 大統領となって、再び、来日した。

キム大統領は、韓国内での日本文化の解禁(かいきん) に積極的(せっきょくてき)だと言われている。 (現在は、韓国で日本語で歌を 歌ったり、日本の出版物を自由に出版することは、できない)これが実現すれば、今年、唯一の、よいニュースになるのではないだろうか。

 


 
10/09

今日は、あたたかかった。野球では、横浜ベイスターズが優勝(ゆうしょう) した。近くに、横浜出身の日本人がいたら、「おめでとう」といってあげて ください。38年ぶりなんです。

韓国のキム大統領は、今日、日本の国会(こっかい)で、 力強いスピーチをした。

韓国人と日本人は、よく似ていると言われる。実は、日本人にも見分けが つかない。 日本の地名にも古い韓国語が、たくさん残っている。 中世に朝鮮半島から日本へ渡ってきた人の数は、一説(いっせつ)には、 数十万の単位(たんい)で、これは、当時の日本の人口の10%近くになるそうだ。

しかしながら、文化は、ずいぶん違いがある。韓国は肉食(にくしょく)の伝統が長いが 日本では、まだ100年たらずである。 また、韓国では、儒教(じゅきょう)的な考え方は、現在でも非常に影響力を持っているが、 日本では、それほどでもない。儒教に関しては、韓国はいつも教室でも前の机に座る とびきりの優等生(ゆうとうせい)。
日本は、教室の中で、窓から外ばかり見ている。不良(ふりょう)学生。 といったところだ。

もうひとつ、大きな違いは、性に対する考え方だ。韓国は、非常に保守的。 対する日本は、おそらく、アジアで最も開放的ではないかと思う。

しかし、私は、密(ひそ)かに、韓国はアジアのイタリア。と呼んでいる。 まじめそうだが、本来、明るく、冗談(じょうだん)が好きで、人がいい。 家族を何よりも大事にする。少々、時間にルーズなところも似ている。

隣国(りんこく)同士というのは、仲が悪いものだと相場(そうば)が決まっている ベルギー人がオランダ人をジョークの種(たね)にし、ドイツ人がフランス人を バカにするのを、うらやましいと思ったことがある。

今、日本では、韓国人の悪口を言うのはタブー視(し)されている。
お互いに、悪口くらい気軽に言える仲になりたいものだ。

 


 
10/13

今日は俳人(はいじん)の松尾芭蕉(まつお ばしょう)が亡くなった日。

芭蕉が代表作、「奥の細道(おくのほそみち)」を書いたのは晩年(ばんねん) であった。この書が日本の紀行文(きこうぶん)の人気の出発点となった。
いまでも、日本の書店では、紀行文のコーナーに大きくスペースが割かれる。
人気があるジャンルだ。

芭蕉は武士として生まれ、その後、俳句で生きることを決め、 結婚もせず、住居(じゅうきょ)も持たない生活を続けた。 資料(しりょう)によると、旅行中は、書(しょ)を書いたり、教えたりしながら 生活していたようである。

江戸時代というのは、不思議な時代で、普通の農民(のうみん)でも、話すのが 上手だったり、歌がうまかったりすると、無料(むりょう)で旅ができたらしい。
地方では、旅人が運んでくる新しい技術(ぎじゅつ)や情報(じょうほう)を 大事にした。

「奥の細道」を書いたころの芭蕉は、すでに有名だったので、 少しは、旅も楽だったと思われる。

 


 
10/14

そばは、食べ方が難しい。人によってルールが違うからだ。

メニューはたくさんあるが、通(つう)が注文するのは、もりそばか、てんぷらそば。そばが来たら、めんは、 真ん中から少しづつ取り、麺の下のほう2割ほどをつゆにつける。

おそらく、外国人にとって一番難しいのは、ここからだ。 音をたてて、素早く(すばやく)食べる。そばはゆっくり食べるものではない。
食べ終わると、店の人は、そば湯を持ってくる。それを、つゆの中に入れ、飲む。

吉田健一という批評家(ひひょうか)によると、本当の通というものは、まず、天ぷらそばを注文して、 それを「見ながら」お酒を飲むそうである。
ときどき、はしで、天ぷらを つつく。
つつくだけ。
食べない。

東京出身で、中年の男性に「この食べ方でいいですか」と聞いてみよう。
必ず、「だめだよ。そんなのは田舎者(いなかもの)だ。」と言うに ちがいない。
いい日本語のレッスンになるので、試してください。

 


 
10/15

紅葉狩り(もみじがり)というのは、いい日本語だ。

今はもみじは楓(かえで)のことと考える日本人が多いが、本来(ほんらい)、 葉(は)の色が赤や黄色に変わることを意味した。最近は「こうよう」と 読み、一般的に葉の色が変わることを言うことが多い。

紅葉の名所(めいしょ)というは、各地(かくち)にある。電車で2時間ほど の距離(きょり)であることが多い。しかし、最近は雑誌が特集(とくしゅう) するので、有名な所は、若いカップルが多くなった。

結果として、紅葉の名所の近くの駅には、マクドナルドができる。 駐車場(ちゅうしゃじょう)が増える。ごみは、あふれる。 ラブホテルが建つ。

「名物(めいぶつ)に、うまいものなし。」とよくいわれるが、今や、 「名所に、よいところなし」ということに、なってしまった。

 


 
10/16

ここ10年で、急激(きゅうげき)に、町の中から減ったものがある。

灰皿(はいざら)だ。

嫌煙権(けんえんけん たばこのけむりを拒否する権利)という言葉が 日本でも使われだしたのが、約10年前。ちょうど、日本の経済が 下り坂(ざか)に向かったころで、ビル管理会社(かんりがいしゃ)や 鉄道会社には、人件費(じんけんひ)を減らせるよい口実(こうじつ)と なった。

また、ここ5年で、会社にコンピュータが本格的(ほんかくてき)に 導入(どうにゅう)された時期と重なり、社内でも吸いにくくなった。

日本では、最近、男性の喫煙者(きつえんしゃ)は減っているが、女性は 増えている。 駅の喫煙(きつえん)エリアでは、40才以上の男性と、若い女性の姿をよく みかける。

現在、たばこは、一箱、約220円。来年から240円になる。

 


 
10/19

「修理する」という日本語は、使うことが少なくなった。

例えば、ビデオデッキ。

現在、新しいものが、3万円くらいで買える。 2年くらいで、壊れるので、修理に出すと、1万5千円ほどかかる。
ここで迷ってしまう。新しいものならバーゲンで、2万円で買えるからだ。

多くの人は、古いものを捨て、新しいビデオデッキを買いにいく。 店の人に、「少しよいものを買ったほうがいいですよ」などと言われ、 5万円くらいのものを買ってしまう。

もちろん、このビデオデッキも2年後に、壊れるのだ。

 


 
10/20

先日、8さいの子供をマンションからつき落とす。という事件があった。

犯人は19才の少年。前日に事件を起こしており、少年院(しょうねんいん)に 行くのが、いやだった。そこで、自殺(じさつ)しようと考えた。 彼は、本当に死ねるかどうか、「実験のため」子供を、つき落とした。

この事件は、比較的、小さなニュースとして扱(あつか)われた。 現在、毒物(どくぶつ)を使った殺人事件が多発(たはつ)しており、 容疑者(ようぎしゃ)の逮捕(たいほ)が近かったからだ。 後日、少年は、覚せい剤(かくせいざい)をやっていたことが分かった。

日本では、覚せい剤などの麻薬(まやく)は、禁止されている。 他にも、睡眠薬
(すいみんやく)などの常習(じょうしゅう)性の高い薬品は 規制(きせい)が厳しい。 マリファナなどは、人体に害はないと言われ、許されている国も多い。

しかし、幸いなことに、国内では、よくないことだと考える人は多数派で、今のところ 規制は続きそうだ。

 


 
10/21

10月から11月にかけては、各地(かくち)で祭が行われる。 この時期は米の収穫期(しゅうかくき)にあたるので、収穫を感謝(かんしゃ) する最も重要(じゅうよう)な祭だ。

東京に住む読書好きの人が待っている祭、それは、毎年、今月の30日から一週間ほど 神田で行われる「古本祭り」。 神田には、200店以上もの古書店(こしょてん)があり、いっせいに、バーゲンをする。 漱石(そうせき)も谷崎(たにざき)も、源氏物語(げんじものがたり)も 一冊、30円から100円程度で買うことができる。

ところで、古書(こしょ)とは、古くて貴重な本のことだそうで、 古本(ふるほん)は、単に古い本。と 分けて考えるようだ。

一般的に、店主は、古書店(こしょてん)と呼ばれることを好み、 古本屋(ふるほんや)と呼ばれると、聞こえないふりをする。

 


 
10/22

エスキモーというのは、「生肉(なまにく)を食べる人」という意味で、これは、 差別(さべつ)にあたると考えられている。最近はイヌイットと呼ぶそうだ。

日本では、生(なま)で食べることが多い。海で取れるものは、ほとんど生で 食べる。ただし、肉類は、火を通して食べる、という考えが強く、レアの ステーキを注文する人は、昔は、少なかった。

最近は、韓国料理の影響で、焼き肉屋などで、生の肉を出す所も多く、生肉を食べることには、 抵抗(ていこう)がなくなった。

欧米の人は、まだ、魚を生で食べることに抵抗を感じる人が多いそうだ。

秋は、そういう人も、楽しめる季節だ。そろそろ、牡蠣(かき)の季節だ。

 


 
10/23

「面白い日本のジョークを教えてくれ」 これが、最も困る質問だ。

もちろん、面白い短い話は、落語(らくご)にもたくさんあるが、あれは、 「どう話すか」が重要なのであって、「何を話すか」はそれほど問題では ないからだ。これを外国語に訳すのは、不可能だ。

俳句(はいく)に似た川柳というものがある。これは、俳句と同じ字の数で 作る。季語は必要ない。 最近は、サラリーマン川柳というのが流行っていて、面白いものがたくさんある ただ、これも、日本の会社の事情(じじょう)がある程度わかっていないと 分かりにくい。

コメディアンが、日本語に与える影響は、最近、非常に重要に なっている。夏目漱石の小説が、江戸落語を規範(きはん)としていたことは 有名だ。

 


 
10/27

日本でもペットとして飼(か)う動物(どうぶつ)は、犬(いぬ)と猫(ねこ)だったが、 最近は、へびや、ハムスターを飼う人も増えている。

最近は野良犬(のらいぬ)は少なくなったが、野良猫(のらねこ)は、多い。 これらの犬、猫は、保健所(ほけんじょ)に送られ、「処理(しょり)」される。
つまり、殺されるのだ。 この数は、世界で最も多いということだ。特に都会では、多いそうだ。

飼主(かいぬし)に捨てられた猫や犬を、捨(す)て猫、捨て犬という。 かわいいから飼う。かわいくなくなったから捨てる。こういう人が増えてきた。

しかし、新しいから買う。新しくなくなったから捨てる。というサイクルの早い消費文化が 日本の経済を支えてきたのも事実だ。

この捨てられるペットの増加(ぞうか)もある意味で日本的な現象(げんしょう) なのだろうかと考えると、うんざりしてしまう。

 


 
10/28

昔、山上憶良という人がいて、宴会(えんかい)の途中で帰る時に、
『憶良らは、今は罷らむ、子泣くらむ そを負う母も吾を待つらむそ』
という和歌(わか)を詠(よ)んだ。

「ら」は謙遜(けんそん)のことば。「罷らむ」まからむと読み、帰ります。 という意味。「そ」はそれ。吾(わ)は私。 この解釈は、二つあって、ひとつは、早く家に帰りたいので、帰ります。 という憶良の家庭的で純朴(じゅんぼく)な性格がでている和歌だとする 説(せつ)。 もうひとつは、早く帰って、妻と愛しあいたい。というジョークだ。 という説。

いづれにしても、8世紀ごろから、宴会の途中で帰るというのは、言い出し にくく、苦労するものだったということは、よく分かる。 ひょっとして憶良は、お酒に弱かったのではないだろうか。

私は宴会が始まって1時間くらいたつと、いつもこの和歌を思い出す。
日本の宴会というのは、酒に弱い人間には、退屈なのだ。

宴会は最後までいるのがマナーだ。と、よく言われる。特に、会社の宴会 などでは、若い社員は、なかなか帰れない。

私の友人は、宴会の最後までいるやつは、ばかだ。と言う。 彼は、宴会が始まって1時間くらいで、すぐにいなくなる。 同時に、若くてきれいな女性も一人、いなくなることになる。 こういう人、あなたの国にもいるでしょ?

 


 
10/29

ここ何ヶ月か、新聞をにぎわせている事件は、ひ素(arsenic)を使った 殺人事件 (さつじんじけん)だ。

ひ素を使った毒殺(どくさつ)で有名なのは、江戸時代の終わり、孝明天皇 (こうめい てんのう)の暗殺(あんさつ)だ。 これは、まだ、事実は、解明(かいめい)されていない。 ほんとうに暗殺だったのかは、わからない

毒殺というのは、陰湿で、いやな感じがする。日本のテレビは、この事件を 毎日、スキャンダラスに報じている。 この報道のきっかけとなったカレーに毒物を入れた事件が起こってから、 次々と、大学の研究室などで同様(どうよう)の事件が続いている。

人が死ぬ、という事実に対して、毒を盛る、という行為のあっけなさに、 また、そのコントラストに、違和感(いわかん)を感じるのかもしれない。 そういえば、湾岸戦争(わんがんせんそう Gulf War)の映像も死のリアリティを欠いた感覚にゾッとしたものだ。

 


 
10/30

先日、友人に会った。彼の会社は、今年、アメリカの会社に買収 (ばいしゅう)された。
以下は、その会話。
友人「あのさ、外人の女にもてるにはどうすればいいの。」
私 「えっ、会社にいるの」
友人「10月から、また増えて、同じフロアの30%が外人の女なんだよ」
私 「へえ、さあ、まず、外国人の女性とか、いったほうがいいね」
友人「そうか、そういうこと、厳しいのかな。でもわからないだろ」
私 「日本語、できないの」
友人「ちゃんと話せるのは、2人ぐらいらしいよ。ほかに、何かある」
私 「え、何が」
友人「もてる秘訣(ひけつ)」
私 「もてたことないからなあ。」
友人「でも、最近、日本人の男とつきあってるケースって多いんでしょ」
私 「ああ、多いよ。」
友人「じゃあ、なんとなく、基準みたいなものって、ない」
私 「ああ、背が高くないとねえ、175センチ以下は厳しいな」
友人「そうか」
私 「それから、やっぱり英語、みんな、うまいね」
友人「そりゃ、そうだろうな」
私 「必要以上にレディファーストでなくてもいいけど、家事は ひととおり
   できたほうがいいかもね」
友人「家事ねえ…..」
私 「あとは、そんなに日本人の女の人と変わらないと思うよ」
友人「いや、でも、それじゃ、日本の女の子と、まったく同じだよ」

 


 

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1998年09月


 
09/01

1923年の今日、東京で大きな地震(じしん)があった。

記録(きろく)によると、だいたい95年の神戸の地震と同じ規模(きぼ)だった ようだ。 ただ、日中(にっちゅう)だったので、火事による被害(ひがい) が大きかった。当時は、木造(もくぞう)の建物が圧倒的(あっとうてき) に多かった。

また、人々はパニック状態(じょうたい)になり、東京に住む 外国人、主に朝鮮半島(ちょうせんはんとう)や中国大陸からきた人々を、「彼らが火を付けた」と、襲(おそ) ったりといった愚(おろ)かな行動に出た。 しかも、彼らは、当時、労働(ろうどう)人口を補充(ほじゅう)する ために強制的(きょうせいてき)に日本へ連れてこられた人々であった。

このころを知る人は、すでに90才前後で、少なくなった。

戦後、9月1日は防災(ぼうさい)の日となり、地震や火事に備(そな)えた 訓練
(くんれん)をする日になった。 しかし、神戸の地震でも、先週の大雨でも被害者(ひがいしゃ)は多かった。

日本の警察(けいさつ)や自衛隊(じえいたい)は、災害の度に、夜も寝ずに、 復旧(ふっきゅう)に努める。 災害時の救出のノウハウは、国際的にも高いそうだ。

日本の建築法(けんちくほう)は世界で一番、厳しいと言われている。 そのおかげで、建築技術は高い。しかし、東京でもまだ、古い建築は多く、 神戸と同じ規模(きぼ)の地震が、日中に東京で起きたら、東京は消滅(しょうめつ) してしまうのではないかと思う。

昨日は、北朝鮮から放(はな)たれたロケットが日本を越えて、太平洋に落ちたそうだ。 日本は憲法(けんぽう)は、防衛(ぼうえい)目的以外の軍事行動 (ぐんじこうどう)を禁じている。 しかし、これは、落ちてからでは遅い。

大変な「防災の日」になってしまった。

 


 
009/03

朝晩(あさばん)は少し涼しくなりました。毛布(もうふ)が必要です。

そろそろ、夏も終わりなので、「夏」で思い出すことを少し書くと…。

小津安二郎の「浮草(うきくさ)」は、カラー作品。
キャメラは、例外的に 溝口健次(みぞぐちけんじ)の作品で知られる宮川一夫(みやがわかずお)。
浮草とは、川や池を漂っている草のこと。安定しない、社会的な 信頼(しんらい)がない職業を「浮草稼業(かぎょう)」ということがある。
旅役者(たびやくしゃ)の地方での公演(こうえん)を舞台にした この映画は、あまり見られなくなったが、夏のシーンが印象的だ。

東京から3時間電車に乗れば、田園風景(でんえん ふうけい)が見られる。 そこには、木陰(こかげ)もあるし、川の水が飲めるところもある!

早起きすると、朝露(あさづゆ)に湿(しめ)った植物の放(はな)つ 湿気(しっけ)が、体を休めてくれる。

「浮草」はリメイクで、オリジナルは白黒。こっちのほうがいいという 人もいる。白黒版のタイトルは「浮草物語」これはまだ見てない。

 


 
09/07

映画監督の黒沢明氏が亡くなった。88才。

追悼(ついとう)の言葉は これから、いろんなところで、聞かれるだろう。

私は7.8本しか見ていない。これは、30代の日本人としては、多いほうではないだろうか。

70年以降は俳優(はいゆう)に恵(めぐ)まれなかったように思う。特にカラー時代は日本ではまったく評価されていないといっていいだろう。

彼が作った日本製のサムライ映画のイメージに後の映画監督達は苦しむことになるが、 しかし、それだけ、黒澤監督の映画には、力があったということだ。

 


 
09/08

黒沢監督の死は、日本で大きく報じられている。

最近の黒沢監督の映画の資金(しきん)は、ほとんどが海外(かいがい) のものだった。 遺作(いさく)となった「まあだだよ」を東京の下町(したまち) の映画館で見たが ,観客は少なかった。助演(じょえん)の香川京子 (かがわ きょうこ)の白い手が印象(いんしょう)に残っている。 当時のメディアの扱(あつか)いも、低いものだった。

70年以降、映画好きの間でも、マスコミでも黒沢の映画が話題に上ることなど、ほとんどなかったと言える。 もちろん、戦前、戦後を通じて、国も企業(きぎょう)も映画に 理解(りかい)がなかった。東京にあるフィルムセンターは、管理がずさんで 一度、火事を起こし、貴重(きちょう)なフィルムを焼いてしまっている。

これから、1か月くらいは、「クロサワブーム」で彼の映画を見る人は 増えるかもしれない、しかし、10月になれば、皆、新しいハリウッド映画 を見に、映画館に駆(か)けつける。日本はハリウッドにとって重要な市場に なっている。

東京では、1本、1800円だ。おそらく世界一高いと思う。1800円は日本では マクドナルドのハンバーガーが27個買える。 信じられますか?

 


 
09/09

黒沢監督は時代劇(じだいげき)の脚本(きゃくほん)を準備していた そうだ。

しかし、もはや ハリウッドで西部劇(せいぶげき)を作れる監督はクリントイーストウッド ぐらいだろうか? 日本では、黒沢監督の他には考えられない。

実は、黒沢監督の時代劇は、オーソドックスなものではない。 効果音(こうかおん)や、死に方など、それまでの映画とは、まったく 違っていた。簡単(かんたん)に説明すると、リアリズムから離れ、おおげさに、おもしろくしたのだ。

フォード、ホークス、シーゲル、イーストウッド、とリレーのバトンが つながったハリウッドに較べると、日本では、心もとない。

黒沢の残した時代劇の脚本は、イーストウッドか、コッポラに任せるしかない。

 


 
09/11

「Runaway train」という映画は監督がアンドレイコンチャロフスキー。
85年に公開された。主演はジョンボイド。

脱獄(だつごく)した囚人(しゅうじん)が乗った列車(れっしゃ)の ブレーキが故障し、暴走(ぼうそう)しはじめる。日本でのタイトルは 暴走機関車(ぼうそうきかんしゃ)。

囚人を追いかける警察所長(けいさつしょちょう)との列車での決闘 (けっとう)は、迫力(はくりょく)があり、ラストシーンも心に残る。

原作脚本は黒沢明。最初は、彼がアメリカで撮影する予定だった。 3回、実現(じつげん)しかかって、結局、監督はできなくなり、 コッポラにコンチャロフスキーを紹介してもらった。 コンチャロフスキーは、黒沢の信奉者(しんぽうしゃ)。
その結果、クロサワタッチのアメリカ映画で、ロシア人が監督という面白い 映画になった。まだ、当時はソビエトだった。

あなたの近くのビデオ屋に黒沢の映画がなかったら、この映画をどうぞ。
DVDでも、英語の字幕(じまく)付きの「七人の侍」(Seven Samurai ) が発売されている。

 


 
09/12

インターネット上では、背景の色が上から少しずつ現われる効果(こうか) は難しい。最近は時々みかけるが、時間がかかるので、使う人は少ない。

映画でこの手法(しゅほう)をワイプという。黒沢はこれをよく使った。
若い映画監督で、これを使う人は少ない。すでに古い手法だと考える人も多い。

また、黒沢の映画には、雨が降っていることが多い。有名なのは「七人の侍」 (しちにんのさむらい)の土砂降り(どしゃぶり)のシーンだ。

また、旗(はた)がよく出てくる。いつも強い風に、はためいている。

私の映画好きの友人は、どしゃぶりの時は「くろさわの映画みたいだ」 と言い、天気がよいときは、「小津(おず)の映画みたいだ」と言う。 どこの国にもこんな映画好きは、いるものだ。 小津は、もう一人の日本映画の巨匠(きょしょう)で、彼の映画は、いつも 晴れている。

黒沢が亡くなった日曜日は、どしゃぶりではなかったが、急に雨が降った。

 


 
09/15

今日の東京は台風(たいふう)。電車が止まりそうだ。

さて、昨日の15日は敬老(けいろう)の日。簡単(かんたん)に言うと 「老人(ろうじん)を尊敬(そんけい)して、親切にしましょう」という日だ。

人口における老人の割合は、スウエーデンやモナコが高く、20%前後 (ぜんご)だ。 日本の人口は約1億2千万人。現在、65才以上の人は、2000万人。 100才以上の人は1万人だ。

2015年には老人の比率(ひりつ)は25%となり、 世界一になるそうだ。 ちなみに、現在の日本人の平均寿命(へいきん じゅみょう)は、男性で75才。 女性は約80才。1組の夫婦から、生まれる子供の数は、非常に少なく、約1.3人 。

老人大国になる日は近い。

 


 
09/17

最近、日本では、老後の住居(じゅうきょ)や、介護用品(かいごようひん) などのビジネスが盛(さか)んだ。

介護が必要になるのは、だいたい70才ごろからであることが多い。 介護の主力となるその子供は40代から50代。 日本では、40代に介護のために会社を休むことは不可能だ。残業(ざんぎょう) が多い世代(せだい)でもある。
結果として、主に介護には妻があたることになる。

「長男とは結婚しないほうがいい」というのはここから来ている。

また最近は痴呆症(ちほうしょう)になる人が多い。 これは、元々、塩分を多くとる傾向のある和食の影響を指摘(してき)する 人も多い。

痴呆の原因の多くは、脳硬塞(のうこうそく)の後遺症(こういしょう) であると言われている。高度成長期(こうど せいちょう き)のサラリーマンで 趣味の少ない男性が老後の時間をもてあまして、痴呆が進むことも多い と言われている。 40代で痴呆の親をかかえたサラリーマンの悩(なや)みは、深刻(しんこく)だ。

そして、彼等も、残業と介護のやりくりに追われ、趣味を育てる時間などなくなってしまう。

次の痴呆老人の候補達だ。

 


 
09/21

食事の中で、最も、国の文化が現われるのは、朝食である。

日本に長く住み、日本の食べ物も、大好き。という人でも、朝食だけは オートミールを食べていたりする。

さて、日本の典型的(てんけいてき)な朝食とは、なんであろうか?

まず、ごはん。味噌汁(みそしる)の具(ぐ)は、豆腐(とうふ)が 妥当(だとう)なところだろう。これに焼き魚が加わる。塩じゃけであること が多い。この3つが基本。 この他に2.3つ、おかずがでることもある。

旅館(りょかん)などで出てくる朝食を参考(さんこう)にすると、のり、 納豆(なっとう)、漬物(つけもの)、生卵(なまたまご)などである。
生卵は、納豆にかけて、それをさらに、ごはんにかける人もいるし、生卵に しょうゆをかけて、かきまぜ、ごはんにかける人もいる。 これを、「たまごごはん」という。

さて、私の食べ方は、最初のごはんは、塩じゃけで食べる。塩じゃけは、「しっぽ」のところがおいしい。 納豆があるときは、2杯目を納豆で食べる。ないときは、たまごごはん。
最後にお茶を、ごはん茶碗(ちゃわん)に注ぎ、飲む。

 


 
09/22

留守番電話(るすばん でんわ)の普及率(ふきゅうりつ)は高い。
今や、普通の電話を探すほうが難しいほどだ。

留守のときのメッセージは、一般的なものは、「ただいま、るすにしております 発信音(はっしんおん)のあとに、おなまえとメッセージをお願いします」 というものだ。 ほとんどは、女性の高い声で録音されている。

もちろん、自分で録音し、この文章を作ることもできる。私が聞いた中で、いちばん 短いものは、「メッセージおねがい」だった。 買った時は、いろいろとこのメッセージを作ったりするが、そのうちに飽(あ)きて 最初から設定(せってい)されている女性の声に戻すというのが、多いパターンだ。

面白かったのは、俳句(はいく)好きの外国人の留守番電話。

「お名前と、伝言(でんごん)あれば、頼(たの)みます。」と、ちゃんと、 575になっていた。 私は、一旦(いったん)電話を切って、少し考え、もういちどかけて、 「またこんど、授業(じゅぎょう)のときに、もうします」 と入れた。

季語(きご)を入れるべきだった。忘れた。

 


 
09/23

「四季(しき)の中で、いつが一番好きですか?」というのは、日本では よく聞かれる質問だ。 答えは、圧倒的(あっとうてき)に「秋」が多い。

最近、ピーターグリナウェイによって映画化(えいがか)された「枕草子」 (まくらのそうし)にも、秋は夕暮れに雁(かり)が飛んでいるのを見るのは いいものですねえ。と書かれている。 10世紀ごろから、日本人は秋が好きだったようだ。

一般的に秋は「読書の秋」「芸術(げいじゅつ)の秋」などと言われる。 国内旅行に出かける人も秋が最も多い。

秋は、野菜(やさい)や、魚がおいしい季節でもある。
「食欲(しょくよく)の秋」と言うこともある。  

*清少納言(せいしょうなごん)著(ちょ)B.C.10-11c

 


 
09/24

現在、日本の首相(しゅしょう)は、アメリカに行っている。 これは、新しい日本の首相が必ず行うことだが、最近はファーストネーム で呼びあうことを約束するのが、慣例(かんれい)となっている。

日本語を勉強している人は知っていると思うが、日本では、ファーストネーム を意味する言葉は、あまりない。使わないのだ。 役所などで、名前を書くところには、ファーストネームのところには、「名」 と書いてある。普段は「下の名前」などという。

日本人の名字は数が多く、10万程度(ていど)あると言われている。 同じ名前の知人が2.3人いるということは珍しくないが、例えば、 「ソニーのすずきさん」「大阪出身(おおさか しゅっしん)のすずきさん」 などと言うことが多く、それほど不便(ふべん)ではない。

例えば、韓国では、学校などでも、教室のほとんどが「金(きむ)さん」や「李(いー)さん」であり、下の名前まできちんと呼ぶことが普通なのだそうだ。

日本では、「下の名前」は知っているが、使うことは、ほとんどない。 恋人(こいびと)同士(どうし)や家族でしか使わない。 結婚すると、妻(つま)は夫(おっと)を「あなた」 夫は妻を「おまえ」と呼ぶことが多い。

日本の首相を「けいぞう」とファーストネームで呼ぶのは、今のところ 彼の父親と母親。それとクリントンさんだけだ。

しかし、クリントンさんは、「けいぞう」と呼ぶ資格(しかく)がある。 なにしろ、わざわざ、仕事を休み、飛行機をチャーターして、そう呼んでもらうためだけに、 アメリカまで行ったのだから。

 


 
09/29

深沢七郎(ふかざわ しちろう)の代表作(だいひょうさく)に「楢山節考」 (ならやま ぶしこう)という小説がある。

これは、古くからある「姥捨て伝説」(うばすてでんせつ)を小説化した もので、貧しい村に伝わる、年をとって労働力にならなくなった老人を近くの山に置(お)きざりにする という風習(ふうしゅう)を描いたもの。
ただ残酷なだけの小説ではない。ぜひ、御一読を。

ハンガリーにも同じ風習があったということで、作者の深沢七郎は、当時、 まだ、共産国であった当時のハンガリー政府の招きで、公演旅行をしている。

このような風習は、形を変えて、いろんな国で見られるということだ。 実際に20世紀(せいき)の始めには、日本でも、まだ、あったのではないかと 言われている。

21世紀は、また、この風習が形を変えて復活するかもしれない。

 


 
09/30

日本人は背が低い。というイメージはまだ、根強(ねづよ)い。

夏目漱石(なつめそうせき)はロンドンに2年間滞在した。 滞在中の印象(いんしょう)は最悪(さいあく)だったらしい。
彼は、ほとんど人と話さず、コンプレックスに悩まされ続けた。

彼は背が低かった。160cm以下だったそうだ。2年間で自分より背が 低い人を見たのは、一人だけだった。 また、彼はお酒が飲めなかった。これも、滞在(たいざい)を寂 (さび)しくした。

去年、私は、アムステルダムに行った。2日間いた。私は漱石よりちょっと 背が高いが、自分より背が低いのは、子供と犬だけだった。

 



1998年08月


 
08/02

2.3年前から電車の中で中国語を勉強している男性が増えた。
日本にとっても 中国は新しくて、魅力的(みりょくてき)な市場(しじょう)だ。

現在、日本では女性を中心に源氏物語(げんじものがたり)が流行している。
女性作家による新しい翻訳(ほんやく)が発表され、それを記念した展覧会にも
大勢の人が訪れたらしい。

男性は漢文(かんぶん)、女性は源氏、というのは、なんだか、江戸時代のようだ
もっとも、江戸初期には、源氏物語は、あまり上品な読み物とはされていなかったようで、源氏物語が 「教養(きょうよう)」として認められはじめたのは、江戸後期に入ってかららしい。
漢文のほうは、男性にとって、中世以前から、出世するには、必要な学問であった

150年前の日本語は、普通の人は読むのはとても難しい。文法や語彙(ごい)が難しいこと もあるが、源氏物語や、日本の古典文学、中国のいくつかの本は、読者は当然、知っているという前提(ぜんてい)で書かれているからだ。

 


 
08/04

ここ二三日は、むし暑い日が続いている。

東京は、デパートや、コンビニエンスストアは冷房(れいぼう)が 強すぎて、長時間いられないことになっている。ランチメニューで人気のある店の椅子は、座りにくいものに なっているそうだ。

日本の会社の多くは12時から1時までお昼ご飯。会社の近くのレストランや食堂は、この1時間で 店の運命が決まる。少なくとも1時間のうちに3回は、お客さんの入れ替えがないと採算(さいさん)が合わない。

そこで、椅子は座りにくいものでなければならない。冷房も強くする。これは、最初に店に入った印象が強いからという理由もある。

食べたら、すぐに帰ってほしい。 もちろん、そういうことがなくても、日本人はせっかちだ。20分ほどでほとんど帰ってしまう。また、10分以内に注文したものがこないと、 「我慢できない」と考える人が多く、食堂を始める人は、まず、そのことに注意しなければならないそうだ。

短い時間に何度もおきゃくさんが、入ったり、出たりすることを「回転率(かいてんりつ)」といい、その 回転率の高さを競(きそ)う。

ところで、日本の会社は、会議が長いことで知られている。また、何かが決まるのが遅いことでも有名だ。

会議室の経営を、食堂に依託(いたく)するのはどうだろう。 固く、座りにくい椅子。会議が30分を過ぎると、急に冷房が強くなり、コーヒーを持ってくる秘書が 段々、不機嫌(ふきげん)になる。 会議が終わると、急に愛想がよくなり、「また、おこしください」なんて言うようにすれば、会議も短くなるかもしれない。

 


 
08/05

今年は冷夏(れいか)だという発表があってから、その経済的なダメージを 心配する記事が増えた。
日本では、何かと経済効果(けいざいこうか)に結び付けて語られる。

まず、冷房(れいぼう)が売れない。海へ向かう観光客がへり、交通機関 (こうつうきかん)の収入が見込(みこ)めない。

いちばんの問題は、 「ビールが売れない」ことらしい。 居酒屋(いざかや)では、まず、最初にビールを注文することが多い。 国内には、有名なビール会社が3.4社あり、戦前から、ずっと大企業(だいきぎょう)だ。

私の知人もビール会社に勤めている。冷夏のときは、いつも、元気がない。

 


 
08/06

私の祖母は広島に住んでいる。

広島に引っ越したのは、戦後のことで、 原子爆弾(げんしばくだん)に関しては、当然、記憶(きおく)がない。

昔、そのことを知らずに、「原子爆弾は大丈夫だったの?」と祖母に 聞いたが
「ようわからん(よくわからない)。戦争が終わってから、ずっとあとで知った。」と 言っていた。

日本では「唯一(ゆいいつ)の被爆国(ひばくこく)として」という表現は、 よく使われるが、フランスや中国、インド、パキスタンなどに、 「被爆国の国民として」なにかを言う気にはならない。

原子爆弾は、第二次世界大戦の終わりを告げた。
戦後は、もはや、 兵器(へいき)ではなくひとつの象徴となって、50年を越えて 機能(きのう)してきた。 生産コストも下がり、旧ソビエトの崩壊(ほうかい)による科学者の流出(りゅうしゅつ)で 昨今(さっこん)は、比較的、作りやすい兵器ということだ。威力(いりょく) も増した。 ただし、実効性(じっこうせい)には疑問符(ぎもんふ)がつくらしい。

第二次大戦後、核爆弾というのは「使われないこと」によって、その威力 を増してきたといえるだろう。 その意味では、使うことよりも、保有(ほゆう)したり
実験したりするほうが罪が 重いとも言える。
彼等は、広島や長崎の惨状(さんじょう)を、意識的に利用しているわけだから。

その意味で実験することと、保有することは等価値(とうかち)だ。核実験 を批判(ひはん)するならば、同じ視線を保有国に対しても向けなければ ならない。

「唯一の被爆国の国民」はそれができるだろうか? 
また、それをやってきただろうか?

 


 
08/07

夏の果物(くだもの)と言えば、西瓜(すいか)だ。

ひとつ1500円くらい。 種を飛ばすのも楽しいらしい。 「らしい」というのは
私は西瓜が嫌いで、いつも、そのかわりに 葡萄(ぶどう)を食べていた。
時々、梨(なし)や桃(もも)の時もあった。

夏の果物には、階級(かいきゅう)がある。
西瓜の変わりにぶどうなら 大丈夫だ。他の子供も納得(なっとく)していた。 でも桃の時は、他の子供の嫉妬(しっと)を感じながら食べた。

西瓜といっしょに、私に出される桃の量も少なかった。 時々、李(すもも)も食べた。他の子供は、「李なら、仕方がない」 というような顔をしていた。
私は少し安心しながら食べた。

さて、クイズです。下のことばは、どんな意味でしょう? 答えは下。

「すもももももももものうち」

李も桃も桃の中。:李も桃も桃の仲間(なかま)だ。という意味。

 


 
08/10

普段、我々が「静かだ」というとき、音がまったく聞こえない。という意味ではない。

夏ならば、蝉(せみ)の声がしなければならない。子供の遊び声も 「静かさ」を邪魔(じゃま)するものではない。もちろん川の音も。 つまりそれらの自然の音が聞こえる程に「静か」であることが大事なのであり、音は、静かさを味わうために欠かせないスパイスとなる。

大きな都市では、それは味わえない。特に東京では、どの店に入っても 趣味の悪い音楽が大音量(だいおんりょう)でかかっている。
スーパーでも、喫茶店(きっさてん)でも居酒屋(いざかや)でも同じ。

逃げるようにして、家に帰ると、必ず近くで、新しいアパートの工事を やっているのだ。

 


 
08/11

東京の道路を走る車の70%はトラックだ。 そのほとんどが食物。魚や野菜、肉などを運んでいる。

また、宅配(たくはい)サービス も充実(じゅうじつ)していて、東京から北海道まで2日以内で届くのが 普通だ。 遅れることはほとんどない。

一度、台風で、飛行機が飛ばない時も、 わずか半日遅れて荷物はやってきた。
配達人は、「遅れてすみません」と言った。

 


 
08/12

今年は、天気のよい日はあまり続かず、夕立ち(ゆうだち)が多い。

会社で働いている人は、予備(よび)の傘(かさ)を会社に置いている。 これを「置(お)き傘(がさ)」と呼び、「置き傘をする」という。 しかし、これをしない人もいる。なぜなら、雨が降ると、「ビニール傘」 という500円くらいの傘を売り出すからだ。

このビニール傘は、こわれやすく、すぐに錆(さ)びるので、何度も 使われることはない。 捨てるのも勿体(もったい)ないので、家には、多くのビニール傘が溜(た)まることになる。

調査(ちょうさ)した人はいないが、私は、すでに、日本の人口(じんこう) を越えたのではないかと、考えている。

 


 
08/13

今は、お盆(ぼん)休み。会社も休みになり、東京は静かだ。

東京に住む人の半数以上は、地方から来た人なので、お盆は、 お墓参りのための宗教的な行事(ぎょうじ)というより、実家(じっか)に 帰ることが、主な目的だ。 これを、「里帰(さとがえ)りをする」とか「帰省する」という。

今ごろ、株価(かぶか)が下がったり、円が安くなったりしているニュースを 聞きながら、日本のサラリーマンは、子供の頃(ころ)に歩いた道などを 散歩しているかもしれない。

 


 
08/14

日本人は、外国旅行へ行くと、饒舌(じょうぜつ)になる。

といっても英語が上手なのではなくて、レストランやホテルなどで
「けんじ!そっちいっちゃだめ!」とか
「みき!これみて、かわいー!」 などという声がよく聞かれる。

一方、国内では、静かにしなければならない場所がある。 エレベーターの中や、電車の中など、密閉(みっぺい)された空間(くうかん) では、まるで葬式(そうしき)のように静かだ。 時々、大声で話す人がいるが、あまり上品ではないと考えられている。

ただし、これも夕方の7時までで、お酒を飲むと、ガラリと変わる。 ほとんどのバーや居酒屋では、大きな音で音楽をかけているので、 遠慮することなく、大きな声を出せる。

おそらく、これも、大きな声で話すのは、下品だという考えが無意識の中にあり、あの うるさい音楽は、それをカムフラージュするための音のカーテンなのではないだろうか。

 


 
08/18

日本は、南北(なんぼく)に長いので、いろいろと便利なことがある。
つまり、暑い地域のノウハウ(know how?)も寒い地域のノウハウも あるということだ。

暑い時は、暑いところ、すなわち、沖縄(おきなわ)料理がおいしい。

沖縄では、ぶた肉をよく使う。これは、九州全体でも同じだ。 また、沖縄では、寿命(じゅみょう)が長く、80才、90才になっても、 男女共に働いている人が多い。(女性のほうがよく働くそうだ)

また、沖縄の陶器(とうき)類もすばらしいし、音楽も面白い。

沖縄のこと、沖縄料理のことは、Yahooで「沖縄料理」と書いて、探してください。たくさんありますよ。

 


 
08/19

宇野(うの)総理(そうり)は10年前、選挙(せんきょ)で負けた責任を とってやめた。総理だったのは、69日の短い期間(きかん)だった。 選挙に負けたのは、いろいろと理由があるが、直前(ちょくぜん)に 愛人と言われている人のインタビューが雑誌(ざっし)に載ったのが 大きかった。

戦後の一時期(いちじき)までは、日本人は、こうしたことに比較的 (ひかくてき)、寛容(かんよう)だった。 初代の総理である伊東博文(いとうひろぶみ)は、何人もの愛人がいたと 言われている。

アメリカでは、大統領(だいとうりょう)のスキャンダルにうんざり しているそうだが、日本でもこれはトップニュースで、伝えられている。

ところで、宇野氏とクリントンさんには、「2つめの」共通点(きょうつうてん)を御存じだろうか。

両者とも楽器(がっき)ができるということだ。 宇野氏は、ピアノ。ただし、リズム感は最悪(さいあく)。 クリントンさんは、テナーサックス。リズム感はまあまあだが、フレーズの バリエーションが少ない。音も迫力(はくりょく)に欠ける

つまり、両者とも音楽の才能(さいのう)はない。
もちろん、音楽の才能は、政治家には必要ないのだが。

 


 
08/20

日本で最も人気があるスポーツは野球(やきゅう)だ。

今は、高校生の野球の全国大会(ぜんこく たいかい)が行われている。
これはテレビで全国に中継(ちゅうけい)され、非常に人気がある。

テレビで中継されるので、私立(しりつ)の高校にとっては、よい 宣伝(せんでん)になる。 宗教団体は競って高校を作り、全国からよい選手を集め、強いチームを作る。

もちろん、ユニフォームには、高校の名前が大きく書いてある。

 


 
08/24

8月後半になると、「残暑(ざんしょ)」という。
これは、「残った暑さ」という意味。

電話で話した後、すぐに切ると、「残心(ざんしん)がない」ということがある。

これは、話しが終わって、すぐ電話を切るのは、ちょっと失礼だということで、 話しが終わりかけたら、そろそろ終わりますという、雰囲気(ふんいき) を相手に伝えなければならないということ。

具体的(ぐたいてき)に言うと、少し、話すスピードが遅くなる。 話しが途切(とぎ)れるようにする。 それから、また、電話するか、会うことを確認する。
それから、「電話を終わるのは残念ですが….」という口調で
「それでは、失礼いたします」とか「ごめんください」と言って切る。

最後のセリフを言う前に、「あっ、すみません、子供が…」などとうそを付く
人もいる。

最後にこれが大事。「電話はこちらから切らない。相手が切った音を 聞いてから、切る」のがよいマナーと言われている。

このルールを両者が知っている場合は、どうするか?

そう、だから、電話を終えるのは、難しいのだ。

 


 
08/25

夏は冷奴(ひややっこ)がおいしい。

例えば幸運(こううん)なことに近所に多くの豆腐屋(とうふや)があるとすると。。。

豆腐を買ってくる。通(つう)は木綿(もめん)。 生姜(しょうが)を、おろして、鰹節(かつおぶし)を削(けず)る。 それらを豆腐の上にかけて、しょうゆをかける。 好きな人は葱(ねぎ)も刻(きざ)む。

これだけ。 豆腐はいろんな料理があるが、これがいちばんおいしい。 また、これは、豆腐も鰹節も、しょうゆも、いいものでないとダメ。

現在、世界中に日本料理店があるが、これがまずいところはダメ。 日本料理店の真価(しんか)が問われる料理だ。 近所の日本料理店で「ひややっこ、できる?」と聞いてみよう。

 


 
08/27

今日は、朝から大雨。時々、かみなりも鳴(な)っている。

笠智衆(りゅう ちしゅう)著(ちょ)『俳優(はいゆう)になろうか』 によると、日本の名監督(かんとく)、清水宏(ひろし)の 戦前のロケ(ロケーション)はリヤカーにカメラを積(つ)んで、ムシロを 抱(かか)えてトコトコ歩くといったやり方だったらしい。

戦前や戦争中に日本の映画監督が何をしていたか、というのは、 興味深(きょうみぶか)い。小津安二郎監督は、シンガポールで イギリスの捕虜(ほりょ)になって、施設(しせつ)の中でオーソンウエルズ の新作を見たりしている。

笠智衆さんは、日本を代表する俳優で、亡くなる前に、ドイツ人監督のベンダースの 「Tokyo-ga」に出演(しゅつえん)している。 もちろん、小津安二郎監督の作品にはほとんど出演している。

 


 
08/28

東京では、アパートが多い町には、必ず銭湯(せんとう)がある。
値段は現在一回385円。タオルや石鹸(せっけん)、シャンプーなどは 売ってもいるが、普通は自分で持っていく。

現在、風呂(ふろ)やシャワーがないアパートは少なくなったが、 東京でシャワー、風呂が付いたアパートは7万円。ないアパートは3万円 なので、まだ需要(じゅよう)はある。 学生が多い街にはたいていある。

一般的には銭湯には若い人は少なく、老人が多い。
「今日は、ずいぶん早いね」
「孫といっしょにディズニーランド行って、疲れた」 という会話が聞ける。

私の近所の銭湯には日本の詩人(しじん)が書いた詩の一節(いっせつ) が貼
(は)ってある。

「銭湯すたれば、人情(にんじょう)すたる」

「すたる」というのは、人気がなくなる。少なくなる。無くなる。という意味。 作者は、田村隆一(たむらりゅういち)。昨日、亡くなった。

 


 
08/30

関東地方は大雨で、川が増水(ぞうすい)し、死者(ししゃ)もでた。 中国、韓国でも、同じような被害(ひがい)がでている。

日本の山林(さんりん)は、ほとんどが植林(しょくりん)で、そのため 自然が持つ保水力(ほすいりょく)が失われ、少しの雨でも、増水(ぞうすい)する ようになったと言われている。

いや、昔から、水害(すいがい)は多かったとの指摘(してき)もある。
古くは12世紀ごろから、水害の記述はあり、川の氾濫(はんらん)は 日常茶飯事
(にちじょうさはんじ)だったそうだ。

日本の国土は60%以上が山林で、小さな島国のわりには、川が多い。 私の子供のころも、川は子供が遊ぶ場所としては最高の場所だった。 親は、危険なので、いい顔をしないが、「危険」は子供のごちそうでもある。

今は、川で泳ぐことを禁止しているところが多いらしい。 そうとうな田舎でも大人が川の増水の予想(よそう)ができなくなったからだそうだ。 昔はそういうことに詳しい人が必ずいたものだが。

もっとも、子供も、川で遊ぶよりディズニーランドに行きたがるらしい。

 



1998年07月


 
07/06

東京の駅には、多くの旅行会社のポスターが貼られている。
夏ということもあってか 最近は、東北地方のものが目立ち始めた。
新潟(にいがた)、秋田(あきた)、岩手(いわて)など。
東北だからといって、暑いことに変わりはないのだが、 ポスターの中の東北は涼しげだ。

東京に住む人々は、やはり、北に旅情をそそられるようで、一年を通して、 東北、北海道地方の広告が圧倒的に多い。
都内で私鉄や地下鉄に乗るときにはあまり感じないのだけれども、 JRに乗る時には
「あと10m歩いて、隣のホームからあの電車に乗れば、 あのポスターのところへ」と、つい考えてしまう。

駅のポスターは罪作りだ。

 


 
07/08

今日、東京にメリルリンチの支社が開かれ、いっせいにニュース番組は昨今の
日本政府の経済政策の転換とともに報じた。否定的というよりも悲壮感
(ひそうかん)さえ漂(ただよ)っていた。

現時点で明らかなことは、おそらく、ほとんどの日本人が「メリルリンチ」 と発音するのを嫌うであろうと言うことだ。

一般的に、長めのカタカナは省略される運命にある 。
運の悪いことに、この会社は、業態(ぎょうたい)がわかりにくい上(証券会社が どんな仕事をしているか、あなたは正確に説明できますか?)
「リルリ」 いう日本人が続けて発音するには難しい語を含んでいる。

「メリリン」あたりが、第一候補だが、すでに学生の間では、きまった 呼び方があるかのもしれない

「メンチ」でないことを祈るばかりだ。

* メンチは「ひき肉」の意味。安く、偽物(にせもの)といったニュアンスもある。

 


 
07/10

もう夏が来たかのような暑さだ。

「梅雨(つゆ)入り」も「梅雨あけ」は、特に科学的根拠(こんきょ)もなく、「気象庁(きしょうちょう)の発表」という形で 伝えられる。

最近は世界的に天気予報は難しくなっているらしく、長期予報にいたっては、もはや、誰にも信じられてはいないようだ。

数年前から「天気予報士」という国家資格ができ、この資格をもってさえ いれば、予報を商売にできるらしい。もちろん、ただ、資格を取っただけでは、 競馬の
予想屋ほどにしか信用されないに違いない。

この天気予報士の人が海外旅行先などで、同業者に会うと、どんな話しをする のであろうか?
「最近、イタリアも当たらなくなった? やっぱり。やりにくくなったねえ」 なんて話しをしみじみとするのかもしれない。

長話しになりそうですね。

 


 
07/13

「**日和(びより)」という言葉がある。

**をするには、ちょうどよい、または、それにふさわしい 季節、気温、天気。
といった意味だ。

さて、日本では、昨日は絶好の選挙日和であったと言われている。
といっても 晴れたよい天気ではなかった。一日中曇り。雨が降りそうで降らない といった天気だった。
つまり、あまりに天気がよいと人々は、どこかへ出かけてしまう。 雨だと、選挙のために出かける意欲を削(そが)がれる。 曇りは、ちょうどよいのだ。

選挙の投票率は予想外の高さ(58.8%!) 。
事前の調査では、40%以下ではと言われていたのだ!!

結果はご存じのとおり、自民党の惨敗(ざんぱい)であった。
結果の分析は現時点では、いろんなことが言われているが、よくわからない。
人々はワールドカップ決勝のブラジルのように、パスの出しどころがなく、しかたなく、頼りないFWにロングパスを入れてみた。というところか。

ちなみにベルギーでは、投票は義務となっており、棄権(きけん)すると、罰金
(ばっきん) が待っているそうだ。 ベルギーの人達にとっては、この投票率は不思議だろう。

また、次の総裁候補(そうさい こうほ)と言われている小渕(おぶち)氏はまったくの無名(むめい)。

さて、今日、私は、ベルギーの人と日本語のレッスンをしなければならない。

投票率に関する質問は覚悟しているが、小渕さんに関して、聞かれたら、何と答えれば よいのだろうか? あの人の政治信条(しんじょう)を知っている人など、この日本に存在するのだろうか?

 


 
07/16

さて、テレビなどの論調では時期首相は「小渕さん」で決まり。というムードである。

気のせいか、アメリカのメディアで「冷めたピザ」と報道されたころから、 国内では逆に「小渕さんもなかなか有能な人だ」という論調が目立つようになってきた。

興味深かったのは、経済人のコメント。一様(いちよう)に
「微妙(びみょう)な時期だからノーコメント」であった。
これは、この人達の影響力の大きさを物語っている。

「冷めたピザ」に対抗できる表現はなんだろうか?
「のびたうどん」「ぬるいラーメン」「ひからびた寿司」などか。

日本の食べ物で国際的に知られているものといえば、寿司、天ぷら、豆腐
(とうふ)などが思い浮かぶ。 しかしいずれも「冷めてもおいしい」ものばかり。やはり食文化では、アメリカよりも、こちらが勝(まさ)っていると 思わざるをえない。
そうそう「出涸(でが)らしのお茶」というのもありますね。

アメリカは訴訟(そしょう)社会なので、訴えられてはかなわない。ここはひとつ分かりにくい表現に 徹っするのもいいかもしれない。

新首相には訪米の際に「いやあ、クリントン夫妻は、それぞれに個性と味わいがあって、まるでうなぎとうめぼしのようですね。」 なんて、さらりと言ってほしい。

*「うなぎとうめぼし」食べ物の中でも特に相性(あいしょう)が悪いものとして知られている。

 


 
07/17

最近の調査によると、東京の都心の人口が約1100万人なのに対し、猫は110万匹。 「猫、人口の一割占める」という、なんだか、よく分からない見出しとともに紹介 されていた。

さて、私は、新しいアパートを探す時に、「のら猫がたくさんいるところは住みやすい」 という法則を大事にしている。
いろいろと理由を考えてみるが、実のところはっきりとしたこと はわからない。
なんとなく、湿度が高く、落ち着いたところが多いような気がする。

しかし、のら猫が多いということは、それだけ、無責任(むせきにん)な飼い主が多いということで、あまり 歓迎すべきことではない、そもそも、東京でペットを飼うこと自体、 動物愛護(あいご)の 精神から外れていると主張する人もいる。

散歩する場所もなく、空気も悪い。 私のアパートは川の近くにあり、都内では、比較的、恵まれた犬たちが走り回っている。 もちろん、野良猫はたくさんおり、今でも、外に目を向けると、2.3匹は発見できるはずだ。

 


 
07/20

先日、在留資格(ざいりゅうしかく)がなくても国民健康保険(こくみんけんこうほけん) に加入できるという判決がでた。

この原告(げんこく)は、日本人と結婚していて、5年ほど住んでいる。
判決によると、同じアパートに2年以上過ごしたことが重要だったらしい。
これが「定住(ていじゅう)の意志あり」ということになり、勝訴(しょうそ)に貢献した。

実は、 東京に長く住む外国人も知らないことが多いのだが、東京では、引っ越しというのは、 非常にぜいたくなイベントなのである。

引っ越しをするのにいくらかかるか知ってますか?

家賃の6か月分と言われています。

このうち、1カ月分は、不動産やへ。1カ月分は、最初の月の家賃。2カ月分は、新しい家主(やぬし)へのお礼のお金。2か月分は保証金にあたるものだが、ほとんど返ってくることはない。
少なくとも、私は返ってきた経験はない。

家賃は部屋がひとつで小さなお風呂がついたB&Bのようなところが平均7万円。
つまり、引っ越しするたびに、42万円必要なんですね。

「定住の意志」を問われるまでもなく、 引っ越したくとも、定住せざるを得ない人が多いというのが現状である。

 


 
07/21

先週の金曜日から日本の学校は夏休みになった。

日本の学校では、ふつう、7月20日 から、8月31日までが夏休みで、約40日間。
しかし、宿題がたくさんある。だいたい、こんなかんじだ。

1) 毎日、日記をつける。
2) 毎日、30分くらいの数学の問題。
3) 読書感想文(どくしょ かんそうぶん)本を5さつ読む。
4)植物か、動物の観察(かんさつ)をして、レポートを書く。
5)絵を一枚、描く。

これをどうやるかで、その後の人生が決まる。

最初の10日間で全部やってしまい、あとの30日をゆっくり過ごす人は、現在、 エリートサラリーマンになっているような気がする。 毎日、少しづつ、やる人は、公務員になるのではないか?
最後の3日間でやる人は、もっとも多いだろう。

まったくやらない大胆(だいたん)な人は、うまくいけば芸術家、悪くすると
政治家というところだろうか。

 


 
07/22

天気予報によると、「今週は雨が多く、来週から、梅雨明けか」とのことです。

さて、夏休みに入って、国内ニュースは少なくなってきた。 自民党の総裁
(そうさい)選挙のニュースも、盛り上がっているとは いいにくい。
「マーケットがノーと言っているんです!」 なんて、変な論理が飛び交(か)っている。それなら、ビルゲイツでもスカウトして首相にしたら どうか?と言いたくなる。

今年の夏は、父と子が小旅行をする姿をよく見かける。
経費節減(けいひ せつげん)のため、残業も減り、家族と一緒に過ごす時間が
長くなったことから「 父親が家庭に帰ってきた!」 というニュースを聞くようになってから、半年が過ぎた。

中年男性の家庭回帰(かいき)といった現象(げんしょう)なのだろうか? 昨日も電車の中で、両どなりに寝ている子供を挟(はさ)んで若い父親が虚空(こくう)
を見上げていた。

「年末には、景気も上向き」とも囁(ささや)かれている。
そうなると、あの父親も会社へ戻れるのだろうか?

 


 
07/23

昨日、クローン牛に関するテレビ番組が放映された。
国営放送によるそのドキュメンタリーは30分。クローン牛の開発者(?) である教授へのインタビューから始まった。

その後、関係者へのインタビュー。取材者による「なぜ、わが国がクローン技術の 最先端(さいせんたん)に躍(おど)り出たか」という説明。

それによると、日本では1950年から牛の人口受精(じんこう じゅせい)が始まり
「ブランド牛」の普及(ふきゅう)に貢献した。現在50000人近くの「人口受精士」と いう 資格をもった人間が全国にいるという。
「ブランド牛」の精液(せいえき)はブラックマーケットでは1000倍もの値段で売られ ている。

日本には牛を食べる習慣がほとんどなかった。 農家では、牛は重要な「道具」であり、それを食べることは、考えられなかった。 しかし、天候の不調(ふちょう)などで、食料がなくなったとき、仕方なく食べることも あったようだ。
その反面、16世紀の権力者であった豊臣秀吉(とよとみ ひでよし)はビーフシチュー が好きであったという話も伝わっている。

いずれにしても、およそ、100年前までは、一般的には、とり肉を除いては、肉食は 「野蛮(やばん)なこと」であった。 しかし、明治以降、徐々に、肉食は、ぜいたく品となった。戦後の一時期は、 月に何度、牛肉を食べるのかがその家の裕福度(ゆうふくど)を計るバロメーターとなっ た。

このような背景が「ブランド牛」を育てる素地(そじ)となった。主要な食材でなかったことが、牛肉にある種のステイタスを与えることで、 ぜいたく品としての地位を確保しつづけるという戦略(せんりゃく)を可能にした。
現在でも一番安いものが100g 150円程度であるのに対し、「ブランド牛」は 100g 10000円のものもある。

そのドキュメンタリーは全編その「経済効果」に関するコメントで埋めつくされた。 現在、日本全国に8カ所の研究所があり、今年中に2.30頭のクローン牛が生まれるそうだ。

「ドリー」とはその誕生の経緯(けいい)がまったく違うのだ。
こんな露骨(ろこつ)なことをしていて許されるのだろうか? と思うが、
この流れは 「ガイアツ(外圧)」でもない限り止まらないと思う。

私は「野蛮(やばん)な行為(こうい)」だと思う が。

 


 
07/24

今日は、朝から雨。しかし、来週には梅雨明けだそうだ。 梅雨があける時期は
夏休みの始まりと重なることもあって、この時期はいまだにわくわくする。
しかし、 通勤の電車などに子供が増え、「大人になってしまった」ことを実感する時期でもある。

ともかく、何かが始まるというのは、いいものだ。

かつては、夏になると、「あなたは山派(は)、海派?」ということがよく言われた。 山が好きか?海が好きか? ということだが、これは、父親の趣味によって、子供の運命 は決まる。
私の家は「山派」だった。

ここ10年は、「海外派」と「国内派」に変わった。
父親が夏休み(8月中旬)になると、 子供はパスポートをとり、グアムとか、アメリカに出かける。 私が子供のころは、そういう子供は少なかった。何人かいたが、みな遠慮して、クラスの 友人 には黙っていたものだ。

今年は不況の影響で国内旅行が増えるに違いない。

 


 
07/24

小渕さんをどう呼ぶか?

小渕さんをどう呼ぶかというのは、難しい。
といってもあだ名を付けようというので はない。あだ名というのは、その人物に愛情がないと成功しない。

外国の記者の小渕さんへのコメントを聞いていて、「obuchi-san」と「さん」 と
付けたのは、見た限りでは、アメリカとロシアの記者だけだった。
あとは、Mr.Obuchiであった。この「さん」というのは、便利で、男性も女性も
独身者(どくしんしゃ)も既婚者(きこんしゃ)も同じ「さん」で大丈夫だ。

しかし、普通「さん付(ず)けで呼ぶ」というのは、日本の組織の中では、どちらかとい うと、 「リラックスしよう」という意志の現れである。 普通は「**部長」または「部長」と役職名(やくしょくめい)が最も大事と考えられている。
しかし、普段は「**さん」でもかまわないし、日本の記者の例からも、アメリカと ロシアの記者は間違ったわけではない。

ただ、自民党(じみんとう)の総裁(そうさい)になることが決まったあとでは、「小渕新総裁」と呼ぶのが正しい。
新しい役職が決まった時は、なるべく早く、その役職名を付けて呼ぶのが、 よいマナーとされるからだ。まだ、首相になったわけではないので、「新総裁」。
橋本さんは、「元総裁」で「現総理(そうり)」だ。

では、役職が変わる場合、必ず新しい役職名を使うべきか?
もし、前の役職より 価値の下がるものはどうか?というのは難しい。 現在は、日本の組織では、役職名が下がることはほとんどない。
例えば、課長が係長になることはなく、「部長補佐代理(ぶちょうほさだいり)」などというよくわからない 役職名がつくことになる。待遇(たいぐう)、仕事内容など、すべてにおいて価値は下がるの だが、役職の名前は上がっている。

しかし、すぐに「部長補佐代理!」などと大声で呼ばないほうがいいと思う。
本人もがっかりしていることがあるからだ。
1週間くらいは、馴れてもらわないといけない。

ややこしいね。

 


 
07/29

今日も東京は快晴(かいせい)。暑くなりそうだ。

先日、和歌山県で小さな町のイベントで作られたカレーライスを食べた4人が
死亡し、カレーからは、青酸(せいさん)カリが、検出(けんしゅつ)された。 ここ、2.3日はずっとトップニュースだ。

新聞やその他のメディアは、オウム事件や神戸の少年殺人事件などのメディアに
よる 冤罪(えんざい)の 教訓 (きょうくん) もあってか、報道姿勢はいつになく
慎重 (しんちょう)だ。
少なくとも、大きなメディアでは、興味本位(きょうみほんい)の犯人探しはやっていな いようだ。

先日行われた参議院選挙(さんぎいん せんきょ)でも、投票率や結果の予測(よそく) が まったく外れ、メディアに対する信頼感も薄れているように思う。

金融ビックバンで、いろいろな外国の会社が日本へ来ているが、もし、今、BBCが
日本に 来たら あっという間にシェアを獲得(かくとく)するのではないだろうか?

 


 
07/30

ムーディーズという名前を最近、ほとんどの日本人はこれまで知らなかった。
格付(かくづ)けをしてくれる会社らしい、これは、うれしい。 なぜなら、「格」こそは、日本人の一大関心であるからだ。 しかも、A、aaaなどと、非常に分かりやすい。

先日、「日本」を格下げすると発表があった。 ムーディーズというのは、単なる
民間企業だが、これは昨今のアメリカの唯一の 政策的な失敗かもしれない。
戦後の日本の脅威的な経済成長のある部分は「12歳」と一人の人間に格付けされた ところから始まっているのだ。
その後、高度成長期の日本人の住居を「うさぎ小屋」と発言した外国人による格付けで、多くの日本人は再び発奮(はっぷん) したはずである。

広告にも「わが社はAAランクの格付けを得ております」という文句が目立ち始めた。
日本のおじさんたちに新たな目標を与えてしまった失政に何人のアメリカ人が気付いているだろうか。
いや、おじさんたちだけではない。 若い男性も「結婚する人の会社は、最低Bは
ないとねえ」と若い女性に「格付け」される日も近い。

 


 
07/31

東京に住む外国人の多くは、大使館員でもビジネスマンでもなく、英語の教師だ。

その多くは、夏にアジア旅行を楽しむことが多い。人気があるのは、タイ、ベトナム、フィリピンなど。 日本を旅行する人は以外と少ない。日本では、東京から北海道に旅行するのと、アジアへ旅行するのとでは、 必要な費用はほとんど同じだからだ。

例えば、東京から京都までの新幹線の交通費は往復約4万円。ホテルは一泊1万円。三泊四日で3万円。 食事代などを考えると10万円だ。ホテルを安くしても、最低6000円は必要なので、8万円は必要だ。

では、ベトナムへ旅行するといくらかかるか? 東京からベトナムまで往復の飛行機代が、約5-7万円。ホテルは一泊1000-10000円でいろいろある。
食事代はもっと安いので、1週間滞在しても、10万円で大丈夫だ。
おまけに英語が通じる。 もちろん、他のアジアの国もほとんど条件は同じだ。
私が英語教師ならベトナムへ行くだろう。

本当は、彼等には、休みには、日本各地を旅行してほしいと思う。
ほとんどの人は、京都と、日光(にっこう)、箱根(はこね)、北海道で終わりなので、いつも残念に思っている。
沖縄(おきなわ)や、金沢(かなざわ)、四国(しこく)、東北など、外国人が
あまり行かないところも非常に面白いのだ。

手作りの道具や、家具など、いいものは、地方にある。 「アラ! ガイジンさん!」と驚かれるかもしれないが、きっと親切にいろいろと教えてくれるはずだ。