1998 / 12

 

12/01

日本では、人物の名前を書く際に、「その国の発音に近いものを使う」 という原則がある。

時々、北欧やアフリカなどから来た人の名前などは、本人からクレームが付き、 途中で変わることもある。日本語にはない音が多いからだ。英語でも、 例えば、レーガン大統領は、最初、リーガンと呼ばれていた。

韓国、中国などの漢字を使う国の名前だけは、日本式の読み方を使うことが 多かったが、90年代に入ってからは、韓国の名前や地名は、韓国式の発音に改められた。 今は、報道番組などでは、すべて、韓国式に発音されている。

しかし、なぜか、中国の名前や地名は、日本式の読み方だ。 これについて国営のテレビ放送局のNHKに問い合わせたところによると、 漢字を使わない国々の場合は英語の読み方。 漢字を使う国の場合は日本式の読み方。 ただし、その国から、「自分の読み方で読んでほしい」と言われた場合は、 その国の読み方を使う」というルールがあるそうだ。

おそらく、これは、個人の名前の読み方でも、個人から申し入れがあれば、 それに従うことになると思う。 以前、スエーデンのテニス選手の名前がある時期から変わったこと があった。

今のところ、韓国からは、正式に韓国の発音で読んでほしいと、申し入れがあった そうで、中国からは、ないそうだ。 (もっとも、日本式の漢字の読み方とは、昔の中国の読み方で、たまたま、中国 では、廃(すた)れてしまっただけだ)

しかし、なんとなく中途半端(ちゅうとはんぱ)ですね。 すべて英語の読み方か、相手の国の読み方に、統一したほうがいいかもしれない。

ちなみに、NHKは、放送(ほうそう)の言葉遣いに関して、 いつでも、電話で答えてくれます。 分からなかったら、聞いてみよう!

 

1998 / 12

 

12/02

日本語の授業の中で、「外食」という言葉がでてきた。 これは、レストランなど、外で食事をすること。

日本語のレッスン中に「内食というのは、ありますか」と聞かれ。 自信満々に、教師は、「ありません」と答えた。 その後、マーケティング用語で存在するということが、偶然 (ぐうぜん)わかった。
実は、外食産業との対比(たいひ)で、「中食産業」というものが あり、(おべんとうや、おかずなど家で食べるものを売る店など) それらの話しをする時に、「内食」という言葉も使うそうだ。

日本語教師も知らない言葉というのは、まだまだ、ある。
日本語教師を、あまり信用しないように。

 

1998 / 12

 

12/03

江沢民主席(しゅせき)が来日した。
経済担当の首相のほうは、日本人は建て前ばかりで肝心(かんじん)の話しをしないから会わない。 と言ったそうだが、さすがに、12億人のトップに立つ人物だけあって主席は、 いろいろと会談(かいだん)を持ったようである。

最近は、欧米のVIPが来日すると、自国の大企業のトップといっしょのことが 多い。さながら、高級なセールスマン(セールスウーマン)といったかんじだ。 おまけに、たいてい、2日くらいで帰ってしまう。

江沢民主席は、1週間近く滞在し、日本各地を回った。
ことあるごとに、戦争の反省を口にしていたことに、日本の人々はうんざりもしたようだ。 しかし、ゆっくり滞在してくれることに悪い印象はなく、こなかったり、 途中で帰ったりする人よりは、いいのではないだろうか。

また、同時期に韓国の首相が九州を訪問し、日本語でスピーチをした。
その完璧な日本語に、植民地支配の罪を感じなかった人は少ないのでは ないだろうか。

先日は、サッカーのクラブチーム世界一を決めるゲームが日本で行われた。 ちょうど来日したアルゼンチンの大統領が、小渕(おぶち)首相と会う前に スタジアムに駆け付け、観戦していた。

そのゲームは、多くの重要なサッカーの試合がそうであるように、退屈な内容 だったが、それでも、首相と話すよりは面白かったと思う。

アルゼンチンの大統領の決断は正しい。

 

1998 / 12

 

12/04

古いアパートに住んでいる人は毎月、大家(おおや)さんに 家賃(やちん)を払いに行く。その時に少し話すことになる。

「きゅうに寒くなったねえ」
「そうですねえ。もう少しゆっくり寒くなるといいんですけどねえ」
「ああ、そうそう、これね、おちりんごって言うの。あの木から 落ちてきずが
  ついたりんごね。よかったら、どうぞ。」
「あ、ありがとうございます。これ、きれいですよねえ」
「私もそう思うんだけど、売れないんだって」
「昔は、こういうのは、よく店で、見かけましたよね」
「そうねえ、みんな贅沢(ぜいたく)になっちゃって」

大家さんは、親戚(しんせき)の知り合いから、ただ同然(どうぜん) で
買ったそうである。

 

1998 / 12

 

12/07

映りが悪くなったテレビ。
古くなったコート。
ぼろぼろの洗濯機。
温度調節(おんどちょうせつ)がうまくいかなくなった冷蔵庫。
巻き戻しの調子が悪いカセットデッキ。
CD-ROMドライブが動かなくなり フロッピーディスクが壊れた、2年前に買ったパソコン。
塗装(とそう)が剥がれたレコードプレーヤー。

これらのものは、使えないわけではない。パソコン以外は10年以上も 使っているものなので、愛着(あいちゃく)もある。 しかし、数あるものの中で、パソコンだけは、我慢(がまん)できなくなってきた。 新しいソフトの動作が遅いのだ。

コンピューター会社が儲(もう)かるわけである。

 

1998 / 12

 

12/08

最近はずいぶん減ったが、10月ごろから、電車の中は、学校の広告で いっぱいだった。

現在、日本の出生率(しゅっしょうりつ)は、1.3%。子供の数は減り続けている。 高校、大学は、これから淘汰(とうた)が始まると言われている。

長い間、女子高、男子高だった所も、共学(きょうがく)になったり、 工業高校、農業高校が、ふつうの高校になったりして、学生を確保(かくほ) するのに必死だ。

主に、高校、大学の広告の宣伝文句(せんでんもんく)の中で最も 目立つのは、「国際(こくさい)」。 「国際科」「国際的な人材育成(じんざいいくせい)」

大学では、 「国際マネージメント科」なんていうのもある。

日本の大学進学率は、50%を越えようとしている。

 

1998 / 12

 

12/09

すっかり冬になった。 最近は暖房は、ほとんど、エアコンを使う。

特に都心では、仮住(かりず)まいが多く、 石油やガスを使った暖房は、禁止されていることが多い。

お隣の韓国では、床暖房(ゆかだんぼう)が主流だ。冬になると、韓国から来た人は、 「日本は寒いですねえ」をくり返す。

日本には、こたつがある。 テーブルの表には、合版(ごうばん)が貼ってあり、裏は、緑色の布ばりに なっていることが多い。 この緑色の面は、麻雀(まあじゃん)用。

こたつで暖かいのは、腰から下だけ。農家などでは、冬にいろいろと細かな 仕事をするため、上半身は寒いくらいがちょうどいい。だから、こたつが 普及(ふきゅう)したのだ。という説もある。

わたしは、このこたつを、自分の国に持って帰った外国人を5人知っている。

 

1998 / 12

 

12/10

三島由紀夫は、寿司屋でトロばかり注文していたという。
この話は有名で、なぜかというと、ふつうは、これは、やってはいけないこと だからだ。

良心的な寿司やでは、トロやうにでは、ほとんど、儲けがない。これは、仕入れ値 が高いので、お客さんへのサービスといった意味が込められている。 すべてのネタは、なるべく均等に、注文しなければならない。

好きなネタをもっと食べたい時は、「すみません、あなご、もうひとつ」と、 遠慮しながら注文する。

一つのネタが売り切れてしまうと、後の商売に差し支えることになる。
「トロください」
「すみません、あいにく、午前中で、きらしちゃって」
では、寿司屋として格好がつかない。 これは、高いネタに限らない。

裕福(ゆうふく)な家庭に生まれ、おぼっちゃん育ちの三島由紀夫には、このへんがわからなかったようだ。

 

1998 / 12

 

12/11

アジア大会がタイで行われている。人口が多いこともあるのか、中国、韓国、日本が圧倒的に強いが、 最近は、タイやモンゴルの活躍(かつやく)が目立つ。

一般的な関心はサッカーにある。

日本語に敬語があるからと言って、サッカーの話をする時は、「小野さんは足が遅いですね」 なんて、言わない。

「小野、足、遅せえなあ」と言う。

きっと、日本語が上手な外国人も分からないに違いない。 サッカーフアンを除いては。 (人の名前がたくさん出てきますが、みな、サッカー選手です。)

A「福田って、だめだね。」
B「どうして、使うかねえ」
A「Jリーグでは、活躍してたからね。」
B「それにしても、3バックで、あんなにバックラインを上げて、大丈夫かね」
A「リスキーだね」
B「ああいうのは、バックスがヘディングで勝てないと、すぐ、裏をつかれる
  からなあ、今の日本には、無理じゃないの」
A「足は早いんだけどね、当たりにも弱いから、危ないね」
B「小野は変だったなあ」
A「まだ、子供なんじゃないの。稲本(いなもと)くらいかなあ使えそうなのは」 B「あのトルシエってのも、わかんないねえ、なんか、動物を調教 (ちょうきょう) するようなかんじ」
A「ははは、そうそう、インテリなんだろうな」
B「チェヨンスみたいなフォワード、欲しいねえ」
A「そうそう、なんか、あの殺気(さっき)がね、日本の選手にはないんだよなあ」
B「それもそうだけど、ヘッドも足も、大丈夫っていうフォワード、まだいない
  もんね、日本には」
A「そうか、言われてみれば、どっちかに、片寄ってるな」
B「いい方法、知ってるよ」
A「何」
B「これから15年くらい不景気が続けば、解決するよ」
A「ああ。。」
B「サッカー選手は、出稼(でかせ)ぎに出るしかないだろ、海外で 揉(も)まれて 強くなるよ」
A「そうか。。。」
B「そう、景気をとるか、サッカーをとるか」

 

1998 / 12

 

12/14

夜逃げ(よにげ)という言葉は、日本語の教科書には出てこない。 これは、家賃や借金が払えなくなった家族が、夜に家財道具(かざいどうぐ) をまとめて逃げること。12月に多い。

日本では、12月の終わりには、貸したお金も、借りたお金も、精算して、 正月は、気持ちよく迎えたいという気持ちが強い。したがって、12月の月末は お金に困ることがある。

往年(おうねん)のハリウッド映画は、ラストシーンがクリスマスであること が多かったが、落語では、12月の夜逃げが舞台になることが多い。

大家(おおや)が夜逃げを手伝ったり、ゆっくりしている間に、朝、逃げること になったり、家賃が払えない住民が多い大家が夜逃げをしたりといろいろと バリエーションがある。主人公(しゅじんこう)にお金を貸していた人たちも 「夜逃げをするくらいなら仕方ない」と見て見ぬふりをすることも多かった ようだ。

実は、最近は、夜逃げ専門の引っ越し屋がある。もちろん値段は高いが、深夜に 音を立てずに、家具(かぐ)を運び出す。 時々、大家などに見つかり、カーチェイスになることもあるそうだ。 もちろんダミーの車も用意してあり、万全(ばんぜん)だ。

この夜逃げ屋をテーマにした映画も作られたが、残念ながら、ドキュメンタリー ほど面白くはなかった。

私も、夜逃げをされたことがある。 ある朝、レッスンに向かったら、ドアに、英語で、「すみません、急に引っ越す ことになりました。」と書いてあった、3回分のレッスン料は、未払いだった。 しかし、それよりも、日本語で、「ありがとごぜました」と書いてあったことがショックだった。

最後くらい正しい日本語を書いてほしかったものだ。

 

1998 / 12

 

12/15

地方では、今でも、バスが最も重要な交通手段になっている。

料金は距離によって、変わることが多く、だいたい1000円以内だ。 都心では、料金は統一(とういつ)されていることが多い。 東京では、およそ、200円。東京は、高齢者(こうれいしゃ)に、無料の パスを配付していることもあって、老人が多い。

バスは、 決して、老人にとって、使いやすい乗り物ではない(揺れがひどい)が 都内では、70才くらいの老人が、80才くらいの老人に、席を譲る場面もよく、見られる。

この他に、駅と学校を結ぶ「学バス」というものもあり、これは、学生 でいっぱいになる。 どちらにしても、外国人には、使いにくい乗り物だ。経路(けいろ)も複雑 でバス停も、地図を読めなければ、見つけるのは、難しい。

東京で、バスに自由に乗れるようになったら、上級者になったと思ってもいい。 バスの中には、三味線屋(しゃみせんや)の広告などもあり、楽しい。

 

1998 / 12

 

12/16

東京から近いある街には、「ゴジラのうんこ」と地元の子供達が呼ぶものがある。

それは、バブル時代に、市が街のメインストリートに作らせた彫刻 (ちょうこく)の数々だ。 今では、よごれてしまい、原形をとどめなくなっている。

その彫刻を 作った作家は、「バブル芸術家」と呼ばれた人で、前衛的な造型(ぞうけい)を 得意としている。当時、ロスアンジェルスに住んでいたらしく、その街には、 一度も来たことがないらしい。

その後、投資に失敗して行方不明 (ゆくえふめい)となった。 だから、今では、その彫刻が何なのか、誰もしらない。

今、その彫刻を見ると、ゴジラのうんこという名前は、すばらしい。
それを聞いて、あらためて、眺めてみると、まさに、ゴジラのうんこだ。
名前の付け方ひとつで、生きるものもある。

 

1998 / 12

 

12/17

ベートーベンの九番目の交響曲(こうきょうきょく)は、なぜか、日本では、 年末のコンサートで演奏するものと決まっている。 年末には、各地で、この交響曲の合唱部分の練習が行われる。

中にはこのことを嫌って、「年末は 第九は演奏しない」という指揮者(しきしゃ)もいる。

以前に、アルバイトで、年末の第九のコンサートを手伝ったことがある。

合唱に参加するのは、すべて素人で、子どもからおじいさんまで、 大勢の人がいた。
しかし、それほど、楽しそうには見えなかった。私はお弁当を配る仕事をしたが 「まずい!」とか、「辛いものは、のどに悪い、そんなことも知らないのか!」 など、いやな思いをしたことも多かった。

演奏を聞きに来た人たちも、合唱に参加する人たちの家族がほとんどで、 誰もが知っている合唱が始まる第四楽章(だいよんがくしょう)まで、喫茶店でたばこを吸っている人も 多かった。 合唱に参加した人たちも、それを聞きに来た人たちも、演奏が終わると、 そそくさと帰路(きろ)についた。

「第九」はもはや、年末の退屈(たいくつ)な行事のひとつとなったのかもしれない。

 

1998 / 12

 

12/18

アメリカでは、貧乏な野球選手を称(しょう)してチーズバーガーズという そうだが、私もマクドナルドで、時間をつぶすことが多い。
まわりは、高校生が多い。 女子高生3人。

「クリスマスは、どうするの」
「あたしは、彼のうち」
「ゆきの彼氏、自宅じゃなかった?」
「ああ、それは、前の彼。」
「え、あいつ、ちょー、かっこよかったじゃん」
「そ、ちょっと、もったいなかったけどね」
「へえ」

男子高校生の会話

「やっぱ、キス、うめえほうがいいよな。」
「とうぜんだろ」
「練習すりゃあ、いいんだよ、ほら、ならざきとかと」
「あいつ、男いるよ。すげえ、おっかねえやつ」
「だれ」
「なんか、知んねえけど、デザイナーとかってやつ」

サラリーマン2人の会話

「ウインドウズ98、インストールしたけど、動かなくてさ」
「あれ、だめですよ、95のほうが安定してますよ」
「USPって、何?」
「UBSですよ。あれ、USBだったかな?」

翻訳(ほんやく)が必要だ。

ちょー:すごく、とても、
うめえ:うまい、
上手な 練習すりゃあ、いいんだよ:練習すれば、いいと思うよ
ならざき:(女の子の名前らしい)
男いる:ボーイフレンンドがいる。
おっかねえやつ:こわいひと
知んねえけど:知らないけれども

マクドナルドは、小さな駅前には、ほとんどある。全国で5000店近くになるそうだ。
安いこともあって、 高校生が多い。 朝、7:00ごろから開いているところもあり、通勤 (つうきん)前のサラリーマンが、朝食をとっている所もよく、見かける。 昼は、子ども連れの主婦でにぎわう。

 

1998 / 12

 

12/21

アジア大会は、タイで行われた。昨日、終わった。

アジア以外の地域の方は、あまり興味がわかないかもしれない。
世界レベルの記録は、あまり見られない。

陸上競技では、短、中距離で、世界記録とおよそ、1秒から2秒の差がある。 長距離では 中国選手が優秀で、質の高い勝負になる。

水泳では、ほぼ世界レベルの戦いが繰り広げられた。

柔道や空手などの格闘技が多いのもアジア大会の特色だろう。 柔道では、技術の戦いというよりも、駆け引きの要素が多くなり、ルール改正 を含めた今後の検討が必要だと感じられた。

セパタクローなど、個性的な競技も楽しい。セパタクローとは、タイで人気の あるスポーツで、バトミントンくらいのコートで、3人づつで争う。 ボールは、ハンドボールのボールよりちょっと小さいくらい。 それを、足と頭だけを使って、バレーボールのように相手のエリアに返す。 下に落ちたり、からだに当たると、ポイントを失う。

日本にも同じような遊びがあり、蹴鞠(けまり)という。これは、ある種の 宗教行事で、セパタクローと同じ大きさのボールを5.6人が輪を作って 落ちないように蹴り合う。

今回、あまり報道されなかったが、一部の国では、経済的な理由から 参加をあきらめた選手や、十分な用具を持てない選手も多く見受けられた。
アジア地域以外では、あまり報道されないこともあって、大手のスポーツ メーカーもスポンサーには、なってくれないようだ。

 

1998 / 12

 

12/22

冬になるとおいしいもののひとつに、ふぐがある。

ふぐには、毒があり、料理するには、免許(めんきょ)が必要だ。

3年前、アイルランド人で日本語を勉強している人がいて、彼は、アイルランドに 帰る前に、ふぐを食べるためだけに下関に1週間、滞在(たいざい)した。

ふぐの本場(ほんば)は、下関。山口県の港町だ。地元では、厚く切ってたべる。 大坂では「てっちり」といって、ふぐを安く食べさせる店が多い。

一般的には、「うすづくり」といって、ふぐを薄く刺身にして、大きめのお皿 にのせる。お皿にはたいてい絵が書いてあり、その絵が透(す)けてみえなければ ならない。

東京で食べると、一人前、1万円から3万円は、覚悟しないといけない。

 

1998 / 12

 

12/24

日本では、キリスト教を信じている人は、1%程度だと言われているが、 サンタクロースを信じている人は、多い。 12月になると、親は、さりげなく、子どもに、欲しいものを聞いたりする。

しかしながら、若い女性は、自分のボーイフレンドに、はっきりと、 「今年は、ハンドバックは、いらないからね」なんて言うらしい。

調査によると、今年は、女性は、ボーイフレンドに、平均 3万円程度のプレゼントを期待しているそうだ。

また、若い人の間では、クリスマスイブは、恋人と過ごすのが、慣例 (かんれい)となっている。 レストランやホテルの料金は、普段の日の1.5倍になる。
といっても、レストランでは、小さなケーキが付き、ホテルには、リボンを かけたチョコレートが置かれる程度のことだ。稼(かせ)ぎ時でもあり、テーブルの数は増え、隣の人と肘(ひじ)が当たったりする。

調子にのって、シャンパンなどを頼むと、あとで後悔(こうかい)することになる。

 

1998 / 12

 

12/25

カナダ人の女性が、「日本では親しい間柄(あいだがら)の相手の体に 触れてはいけないのか」と質問してきた。

彼女によると、 「カナダや欧米では、あいさつの時に、握手(あくしゅ)をしたり、抱き合ったり するの。スキンシップは大事なことなのよ。親子の間でも、よく、抱き合ったり するし」 とのこと。

一方、日本では、握手の習慣さえなかった。 1年ぶりに、夫と(彼女は日本人の男性と結婚している)実家(じっか)に 帰った時、夫が両親と「ただいま」「おかえり」といったあいさつだけだったので、 驚いたという。

「カナダなら、抱き合ったり、キスしたり、もう、大変よ」
「でも、その、ただいま、とおかえりという言葉に、思いがこもっているんだよ」
「ええ、それは分るような気がするわ。でも、それじゃあ、ちょっと寂しい
  じゃない」
「そうだねえ。でも、特に日本人の男の人は、人前で、異性(いせい)の体に
  触れるのが、恥ずかしいんだよ」
「人が見てないと、大胆(だいたん)よ」
「解放されるんだろうな。。。それは、ともかく。。」
「でも、変な意味はないのよ。あいさつだけ」
「わかってるんだけどねえ。ああ、あの両方のほっぺにキスするのもいや だなあ」
「どうして?女の子の頬(ほお)にキスできるチャンスじゃない」
「いや、オレの場合、たいてい、女の子のほうが、背が高いから、かっこわるいんだよ。 だから、相手の女の子が体をかがめて、頬(ほお)を向けてくると
  『ああ、この子とは、いい仲になることは、ないだろうな』って、最初から
  がっくりするんだよ」
「そんなことないわよ」という彼女の言葉に力はなかった。

 

1998 / 12

 

12/28

「いたずらの天才(てんさい)」という本がある。 著者はアメリカ人。アメリカで実際に行われた数々のいたずらを集めた本で、非常に面白い本だ。

中でも興味深いところは、エイプリルフールについて。

いたずらの名人は、 エイプリルフールは、あえて、何もせずに、他人のいたずらを、暖かい目で 見守るというところだ。
友人達は、あいつのことだから、何をやるかと待ち構えているが、 すました顔で、「やあ、今日は4月1日だね」なんてあいさつを返す。

なかなか、粋(いき)ですね

日本語教師は、一般的に、日本の文化一般に、多少は詳しいと思われている。
また、じっさいに、いろいろな質問に答えるたびに、調べることも多いので、 知識だけは、一人前だ。 日本の正月の過ごし方について、授業で教えることもある。
(教科書では、必ず触れられている)

では、日本語教師の正月の過ごし方は? 他の人は、知らないが、私の場合、朝、起きて、まず、たばこを吸うでしょうね。 そして、コーヒー。
ボサノバなどを聞きながら。メールのチェック。 ああ、今日は、休みだった。と、また、寝るかも知れない。 世紀末の一人暮らしの男性の正月は、こんなものです。

 

1998 / 12

 

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