1999 / 09

 

09 / 01

九月一日といえば、夏休みが終わって、最初に学校に登校(とうこう) する日だ。 夏休みには、宿題(しゅくだい)があり、この日までにやらねばならない。

ひさしぶりに会う友人も多く、ちょっと緊張(きんちょう)したりする。

もちろん好きな女の子や男の子にも会えるので、うれしいこともあるのだ。

 

1999 / 09

 

09 / 02

日本語というのは、「読む」「書く」「聞く」「話す」の 4つがバランスよく、上達(じょうたつ)しないと、実力(じつりょく)は つかないと言われる。

さて、私は、レッスンを始める前に、「4つのうち、どれを重視(じゅうし) しますか。」と聞くことにしていたが、やめてしまった。 100人以上に聞いたけれども、必ず、「話す」「聞く」「読む」「書く」の 順番だからだ。

もちろん、この順番は、日常生活で実際に役に立つ順番でもあるから、 おかしい答えではないが、これには、 「漢字(かんじ)は、たくさんあるし、 大変だから、話せればいい」という考えが含まれているようだ。

しかし、日本人が日常に使う漢字は、2000程度だし、日本人でも、書ける漢字は、 その半分くらいではないだろうか。
読み方がたくさんあるのは、大変だが、意味だけでも分かると、語彙数が 飛躍的(ひやくてき)に上がる。

日本語が読めるようになるメリットは、大きい。 実は、日本は、翻訳書の数も種類も、質も他国に比べて、圧倒的に 高いからだ。 アジアの文献では、中国と同等かそれ以上。その他の国を含めると、 世界一ではないだろうか。

日本語を学ぶのは、日本のことを勉強するためだけではないのだ。

 

1999 / 09

 

09 / 03

厚底靴(あつぞこぐつ)の流行は、なかなか終わらないようだ。

これは、10代から20代前半の女性に流行っている靴で、サンダルの 底の部分が10センチから15センチほどの高さになっているもの。
当然、歩きにくく、けがも多い。最近は、危険性を指摘する報道も増えた。

これを履く理由は、「背が高くみえるし、風景も変わるので、気分がいい」 というところらしい。

あらためて、日本は安全な国だなと思う。 あの靴は、走れないのだ。

 

1999 / 09

 

09 / 06

女性用の経口(けいこう)避妊薬(ひにんやく)が、ようやく国内でも 使用できるようになった。 しかし、まだ、医師(いし)の処方箋(しょほうせん)が必要で、 気軽に店で買えるというわけではない。

日本は、医薬品の許可(きょか)に関しては、非常に保守的で、海外で 売られている薬でも、国内で買うと、効果(こうか)が低く感じられること がある。
規制(きせい)によって、強い薬は売ることができないからだ。

今回の避妊薬は、日本では、ピルと呼ばれる、その存在は、ずいぶん昔から知られていたが 許可がでるまで9年かかった。

 

1999 / 09

 

09 / 07

最近は、大きなニュースも少ない。

政治では、2つの大きな政党内で選挙をやっているが、あまり関心が 高まらないようだ。 経済は、少しづつ上向きのようだが、円高(えんだか)で、打撃(だげき)を 受けている企業も多く、雇用(こよう)は、落ち込んでいる。

「ニュースの夏枯(なつが)れ」などと言って、夏には、ニュースが少なく ジャーナリストが困るという現象にしばしば陥(おちい)るということだ。

 

1999 / 09

 

09 / 08

日本のレストランもチェーン店が多くを占めるようになった。

実は、このチェーン店というのは、江戸時代から日本にあったシステムだ。
「のれんわけ」という。 のれん、というのは、店の入口にある日よけで、ここに店の名前などを 書き、看板を兼ねた。

有名な店で修行(しゅぎょう)した人が、郷里(きょうり)に帰って、 店を開き、独立する。その時、店主の許可があれば、同じ店の名前を 使ったり、一文字だけ、字をもらったりする。
例えば、「宮川」という名前だったら、「宮口」というかんじだ。 いまでも、そばやや、寿司やなどには、同じシステムがあるが、最近は、 お金を払えば、同じ名前で経営することができるようだ。  

私は、チェーン店の店には、なるべく入らないようにしている。
まずくはないけれど、おいしくもない、「あいまいな味」なんですね。

 

1999 / 09

 

09 / 13

なかなか信じてもらえないが、日本では、ほとんどの鉄道(てつどう)に 時刻表(じこくひょう)が存在し、駅の売店(ばいてん)などで 売られている。
毎月、発売されるJRの時刻表は隠れたベストセラーと言われている。

電車は、時間通りに来るのは、当然(とうぜん)であるし、2.3分、 遅れると、
「あれ、事故かな?」と考える。 たいていは、すぐに、「たいへん、もうしわけありません」という種類の アナウンスがあり、はたして、事故で、10分遅れることなどが告げられる。

この正確さが前提にあるので、国内を鉄道で旅行する人は、時刻表を 見ながら、計画をたてることが多い。 ヨーロッパ旅行などでも、移動に鉄道を使う人は、当然のように トマスクックの時刻表を買って、ホテルで翌日の鉄道の時間を調べたりする。

私もそのひとりだ。ヨーロッパでこの時刻表を開いている人のほとんどが 日本人ですね。地元(じもと)の人は、あまり使わないようで、実際に、 イギリスなどでは、ほとんど役に立たないので驚いた。

しかし、時刻表をめくりながら、いろいろと旅の計画を立てるという、あの 甘美
(かんび)な時間を捏造(ねつぞう)すべく、来るあてのない列車 (れっしゃ)の乗り換え時間の計算などをやってみるのは、楽しいのだ。

 

1999 / 09

 

09 / 14

レズリーダウナーという人の書いた「芭蕉の道」という本を読んだ。 外国人が書いた日本の本を探していたのではなく、芭蕉の道を旅した 紀行文(きこうぶん)を探していたら、見つけた。

日本の作家、村上龍(りゅう)によると、「日本の田舎は美しい、 都会も悪くない、ただ、郊外(こうがい)は、最悪」だそうだが、 その日本の風景を、レズリーさんは、どう感じたのか、率直に 語られている。

芭蕉の道は、今でも辿(たど)ることができるし、あらゆる所に句碑(くひ) が建っているそうだ。ただし、むかしの面影(おもかげ)はないそうだ。
また、山林は、植林(しょくりん)のせいでシルエットは変わっているし、川の上流には、いくつもの ダムができた。芭蕉の時代とは、川の流れも、山の色も変わっている。 風景は一変しているといってもいい。

レズリーさんの旅は、85年と86年に行われたものだそうだ。 それから約15年が経過した。この15年は、日本の地方都市にとって、決定的な 打撃をあたえたと、考えられている。彼女はもう日本に来ないほうがいいだろう。

不景気(ふけいき)に対する政府の打開策(だかいさく)は、またもや 宅地造成(たくちぞうせい)であり、開発であった。 今年に入って、近所にも急にトラックが増えた。

 

1999 / 09

 

09 / 21

図書館では、時々、古くなった本を無料(むりょう)で、提供することが ある。
三ヶ月か半年に一度だ、古くなった雑誌などが主だが、本もある。

今日、行った図書館では、経済の本が多かったように思う。 そのほとんどが、21世紀のアジア経済の見通し、や、インターネット革命 (かくめい)といったタイトルの本だ。 いづれも、3.4年前に書かれたもので、こういう本はすぐに古くなるようだ。

今も、本屋には、将来の経済を予測(よそく)した本が並ぶ一角 (いっかく)があり、実は、これらの本の売行きはよいようだ。

古本屋などには、10年ほど前に書かれた経済書が30円程度で売られている。

 

1999 / 09

 

09 / 22

最後のたいこもちと呼ばれた悠玄亭玉介(ゆうげんてい たますけ)さん によると 粋な客というのは、時々、突拍子(とっぴょうし)もないことを言う客のことだそうだ。

例えば、急に「おい、玉介、あの川に飛び込め」などという。
仕方ないから飛び込むと、大笑いしている。
「面白かった。着替(きが)えて、酒の相手をしろ」なんて言われる。
ひでえ、客だな。と思いつつ、仕方がないから、そのとおりにする。

後日、超一流の呉服屋から、採寸(さいすん)に来る。
「注文した覚えはないよ」 というと、あの飛び込めといった客からだ、とのこと。

「こういうのが粋な客ってもんよ」 と玉すけさんは、言う。

想像するに、客は、たますけさんの着物にほころびを見て、機転(きてん) を利
(き)かしたのではないだろうか。

「買ってやるよ」では、 押し付けがましい。
そこで、「飛び込め」になった。
まあ、粋な客になるのもお金がかかるってことですね。

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「幇間(たいこもち)の遺言(ゆいごん)」 悠玄亭玉介

 

1999 / 09

 

09 / 27

日本では、1999年に世界が終わる。という類(たぐ)いの本がもう、 20年以上も売れ続けていて、今年は、いよいよその年だったわけだが、 意外にもブームはこなかったようである。

これは、オウム事件以来、カルト的な思想に対して、警戒を強めている マスコミが、意図的にブームをあおるのを自粛(じしゅく)したという うわさもあるが、なにより重要なのは、明日で世界が終わるという最後の 一週間だからといって「恋人とレストランで食事を」とか、「彼女に一緒に 最後のクルージングを」などというイベントも盛り上がりそうではなく、 簡単にいうと、この種の話は、経済効果が望めないということであった。

その「予言(よげん)」によると、今年の7月が世界の終わりだったそうだが、 7月にテレビ局に集められた予言者達(その種の本の著者達)が口をそろえて 「実は9月だ」と言っていたのは、面白かった。

おそらく、彼等の考えでは、9月には、このこじんまりとした終末 (しゅうまつ)ブームもおさまりかけているだろうし、 まあ、台風なども 多い時期なので、なんとか言い逃(のが)れができるだろうと 考えたようだ。

そして、ほぼ彼等の思うようになった。もはや誰も予言のことなど忘れたか のように、9月を終えようとしている。

9月は、先祖(せんぞ)のお墓を参(まい)る習慣が日本にはある。
彼等は、ともかく何百年も前のひとりのフランス人のおかげで、20年 以上も生活できたのだから、せめて、彼の、お墓参りくらいには、 行ったらどうだろうか。

世界は破滅(はめつ)しなかったことだし。

 

1999 / 09

 

09 / 30

さて、今週末ごろから、日中(にっちゅう)の気温も20度弱になり涼しくなるそうだ。

これほど、残暑(ざんしょ)が長引いた夏は記憶にない。夏から秋にかけては、一雨(ひとあめ)ごとに涼しくなるはずだが、その肝心 (かんじん)の雨があまり降らなかった。

秋は日本で最も人気の高い季節で、紅葉を見に旅行に出かけたりすることもある。

魚や野菜も秋がおいしいものが多く、なにより、米(こめ)の収穫 (しゅうかく)がある。

「日本人はあまり散歩をしない」とは、外国人によく言われることだが
秋は例外だ。早朝、散歩をしている人がぐんと増えるのも秋だ。

 

1999 / 09

 

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