2001 / 06

 

6/1

「こんどの内閣(ないかく)は、話すのがうまい人が多いね」
「テレビにでた経験が豊富な人が多いからね」
「ああ、そうね。テレビ時代ってことかな」
「そう、多分ね。今まではひどすぎたよ」
「それは言えるかもね」
「テレビで話すのって、頭の回転が必要じゃない?」
「そうだな」
「頭のよさにもいろいろあるけど、回転のほうはあまり重視されなかった
 んじゃない?これまで。」
「ああ、そうね。話すのがうまい人って信用できないっていう人もいるから」
「そう、軽薄(けいはく)とか、深みがないって考える人がいる」
「無口だけど、実行力がある人っていうのは、いいイメージだもんね」
「女性は多いけど、田中さんを除けば、なんかいまいちね」
「やっぱり男性社会で生き残ってきた人たちだから、慎重なんじゃない」
「ああ、それは言えるね。まだ冒険は出来なかった世代かもね」

小泉(こいずみ)さんの人気は、もう一種のブームといってもいい。
メディアも、悪口を遠慮するほどだ。

 

2001 / 06

 

6/5

郊外型(こうがいがた)の大型店が増えている。

大型店の進出は地方から始まった。小さな店は淘汰(とうた)され 今や地方では
車なしの生活は難しくなった。

東京でも街道沿いに大型店が増え商店街が減りつつある。
ひとつ注意したほうがいいことがある。
「こういう店では道を聞く時は気をつけたほうがいい」 ということだ。

私は今日、こういう種類の店のレジで、「バス停はどこですか」と聞いた
店の人は 「ああ、前の道を左にちょっと行くと大きな交差点(こうさてん)が
ある からそこを左に曲がってすぐです」 と言った。
私は「左ですね」と言って店を出て歩きはじめた。
しかし、この「ちょっと行く」というのは「車で」ということだった。
結局45分、歩きました。

 

2001 / 06

 

6/8

1年後は日本と韓国でワールドカップが行われる。

「1年後はホントに大丈夫なのかね」
「ワールドカップでしょ、施設は間に合うみたいだけどね」
「アクセスとか、最悪(さいあく)らしいよ」
「地方都市でも新しく作ったサッカー場ばっかりだものね」
「そう、だから、たいてい一本道で、車はいつも渋滞らしいよ」
「もう地方都市でも市内に広い土地を探すのは不可能だからね」
「そう、イタリアなんかと違って、歴史がないから仕方ないかもね」
「まあ、そうなんだけど。日本の渋滞を知らない外国人は驚くんじゃない」
「暴動(ぼうどう)とかね。恐いね」
「逆に田んぼのまん中にあるサッカー場ばかりだから大丈夫って言う人もいるよ」
「ああ、そうか。そうかもしれないな」

実は、ワールドカップ開催(かいさい)で、一番心配されているのは 警備
(けいび)でも、施設でも、アクセスでもない。 雨だ。
6月は、日本では、半分以上が雨なのである。どこの国のサッカー スタイルが
雨に有利か、というのは、また難しい問題だが。

 

2001 / 06

 

6/12

アメリカ映画を見ていると「いいニュースと悪いニュースがある」 という
言い方がよく出てくる。

今の日本にも「いいニュース」と「悪いニュース」がある。

「いいニュース」は、サッカーの日本代表が、コンフェデレーションズ カップで
準優勝したこと。これは予想以上の結果だった。

「悪いニュース」のほうは、海外にも配信されているかもしれない。

大阪で、精神病の疑いを持つ男が小学校に乱入(らんにゅう)し、20人 以上の
子供を傷つけ、8人の幼い命を奪った。 この悪いニュースの前には、どんな
ニュースも霞(かす)んでしまう。 サッカーの決勝(けっしょう)の試合開始の
前に、短い黙祷(もくとう)が 行われた。

この時間、グラウンドは、音ひとつなく、静まりかえった。
スポーツ中継で こんな静けさを見るのは、はじめてだった。

 

2001 / 06

 

6/15

男性2人の会話。おそらく30代後半。サラリーマン

「おまえ、いいよな。オフィスに若い女の子が多くて」
「みんなそういうけど、もう大変だよ」
「いないよりはいいよ」
「でも、毎日、好奇(こうき)の目にさらされて、噂の餌食(えじき)に
  なるんだぜ」
「でも、お昼とか、一緒にごはん食べたりするんだろ」
「時々ね、でも、ぜんぶ、おごりだよ」
「そうか、課長にもなるとなあ」
「最近は、同僚の女の子と2人でメシ食ったり、飲んだりできないんだよ」
「ああ、不倫(ふりん)の噂がたつのか」
「そう。ぜったいに3人。先輩が不倫で左遷(させん)になってから職場も
  ピリピリしてんだよ」
「ああ、多いからなあ。最近」
「それに、うちは、社内恋愛で早く結婚するやつが多いから、30才過ぎて
  独身だと周囲の目が変なんだよ」
「変?」
「ゲイじゃないかとか、オタクじゃないかとかね」
「そうか、だんだん、うらやましくなくなってきたな」

 

2001 / 06

 

6/26

東京都の議会の選挙が行われた。

東京は、もちろん日本で一番大きな都市でもある。年間の予算も 6兆円ほどであり
小国の国家予算に匹敵(ひってき)する。

今回の選挙では、与党(よとう)である自民党の人気が高かった。
選挙では、こういう人気を「風が吹く」と表現することがある。
これまで自民党は、逆風(ぎゃくふう)を警戒(けいかい)するばかり であった。
なるべく投票率(とうひょうりつ)は低いほうがいい。
低ければ、風も、そよ風程度におさまるからだ。

自民党の候補者(こうほしゃ)も、おそらくこれほどはっきりとした 順風(じゅんぷう)を感じながらの選挙は、 はじめてだったに違いない。
投票率も上がった。といっても、50%程度だったのだが。

 

2001 / 06

 

6/28

選挙は、日本ではひんぱんに行われる。

国会(こっかい)の選挙。県(けん)の選挙と県知事(けんちじ)の 選挙。
同じく、市と町にも2つづつある。 テレビなどで報道されるのは、国会と県知事
の選挙だけだが、半年に 一度の割合で選挙があるというのは、多いように感じる。

やっかいなのは、選挙カーといわれるスピーカー付きの車だ。
候補者やその配偶者の他に若い女性がにこやかに手をふっている。
それだけなら、いいのだが、名前を覚えてもらうために、候補者の 名前を連呼
(れんこ)する。

「**町の皆様、しまだ、しまだ、しまだろくさぶろう でございます。 しまだが**町におじゃまさせていただいております!」 というカンジだ。

しばらくするとまた他の候補者の車が現れ同じように連呼が始まる。

 

2001 / 06

 

6/29

会社で、独身(どくしん)の男性2人の会話。20代後半

「先月から、自宅(じたく)での仕事が増えてね」
「うん」
「徹夜続きで、ヒゲも伸び放題。髪の毛ボサボサ」
「ああ、そう」
「店屋物(てんやもの)ばっかりでさあ、すっかり人相(にんそう)が
  変わってたんだよ」
「うん」
「でね、昨日、半月ぶりにマンションの駐車場で体操(たいそう)
  してたらさあ」
「うん」
「やたらと、近所の人が挨拶(あいさつ)してくるわけ」
「へえ、いつもはしないの?」
「うん、いつもは、会釈(えしゃく)ぐらいだったんだけど」
「どうしてかな」
「そう、変でしょ。でね、ちょっと考えたのよ」
「そしたら?」
「多分ね、危険な人物だと思われたんじゃないかな」
「ああ、人相が変わってたから」
「そう、多分、変な人がいるから、挨拶して、様子を伺ってたんじゃないか」
「なるほどね。挨拶には、そういう効用(こうよう)もあるしね」
「そうそう、なんか、笑顔がこわばってた」
「ははは」
「それに気がついてから、こっちも、やたらと愛想(あいそう)よく
  しなくちゃいけないような気がしてね」
「複雑だなあ」
「人が通るたびに、こちらから、ニッコリ、挨拶してた」
「最近、物騒(ぶっそう)な事件が多いからなあ」

 

2001 / 06

 

Copyright @ Web Japanese
All rights reserved.

No reproduction or republication without written permission.