2001 / 07

 

7/3

今年の梅雨(つゆ)は、関東地方は雨が少ないようである。

通常ならば、一ヶ月近くも雨が降り続く季節でもいろいろと楽しみはある。
まず、紫陽花(あじさい)がきれいだ。
紫陽花の名所は各地にあって 梅雨の 合間をぬって、訪れる人が多くいる。

適度な雨は、稲の発育には 欠かせないものだ。雨が少ない梅雨を 「空梅雨
(からつゆ)」と言うが、空梅雨の年は、稲だけではなく 他の農作物も育ちが
悪いそうだ。

また、雪ほどではないが、雨も町並みの景色を変えてくれる。
神社仏閣(じんじゃぶっかく)などは、雨でしっとりと色付いたものの ほうが
美しいと感じる時もある。

え? それでも雨は、うっとおしい? そうですねえ。
でも、例えば、好きな人と一つの傘で歩くのは、悪くないと思いませんか?

 

2001 / 07

 

7/4

小泉(こいずみ)さんがイギリスやアメリカ、フランスを訪問して 国内では
トップニュース扱いだが、まあ、ほとんどは、どんなシャツ を着たとか
オペラを観たとか、というエピソードが中心である。

彼は横浜という大都市の出身で、典型的な都会の洗練(せんれん)された 大人の
男性である。また、代々(だいだい)政治家の家系(かけい) でもあり
お坊っちゃんだ。確かにラルフローレンのシャツが似合う 政治家は日本で
探すのは難しい。

日本のファッションは、ヨーロッパでは、黒を基調(きちょう)とした モード系
のファッションが有名かもしれないが、多数を占めるのは アメリカンカジュアル
である。 町を歩くと、アメリカの大学の名前の入ったTシャツやスウェットを
着た若者は、よく見かけるし、中年の男性や女性も普段着(ふだんぎ)は
似たようなものを着ている。

 

2001 / 07

 

7/5

日本で多数を占めるアメリカンカジュアルの洋服は、中国製が多く、安く売られて
いる。 ボタンダウンのシャツは、1000円から3000円で買える。
だいたい1.2年でダメになるけれども。

今、日本でブームなのは、中国で作られたユニクロというメーカーだ。
ベネトンのアジア版と言うと、怒られるかもしれないが、基本的な コンセセプト
は同じで、それを少し保守的にして、アメリカンカジュアルを 意識した
デザイン戦略で成功している。

これまでの安い洋服の「安かろう悪かろう」 と いうイメージを払拭 (ふっしょく)して、ある程度、丈夫で、安物にしては 洗練されたデザイン が人気の理由だ。

ある調査では、新宿を歩いている人の20%がユニクロの製品を着ていた そうだ。
特に20代から30代に人気が高い。

 

2001 / 07

 

7/6

「おまえの会社ある? カジュアルデイ」
「何、それ」
「金曜だけは、ノーネクタイで出勤(しゅっきん)するってやつ」
「ああ、2年前に廃止(はいし)になった」
「うち、まだやってるんだよ」
「結局、面倒なんだよね」
「そう。カジュアルって言っても、微妙にルールがあってね」
「暗黙(あんもく)のルールね」
「そうそう。それが面倒なんでスーツで行くと、『ダメ』って言われる」
「お金もかかるしね」
「リラックスできないし、お金もかかるしで、いいことないよ」
「あれ、結局、それが目的なんだよ。洋服の業界がよろこぶだけだよ」
「営業で他の会社に行く時は、わざわざスーツに着替えなくちゃならないし」
「誰が言い出したんだろうね」
「たしか、アメリカに内需(ないじゅ)を拡大しろって言われて政治家が
  言い出したんじゃないの」
「そんなカンジだったな。そういうこと多いな」
「デパートが売り上げ不振(ふしん)だったけど、それで少し生き延びたみたいだよ」
「ああ、おじさんは、洋服、デパートで買うからね」

 

2001 / 07

 

7/12

早くも今回の選挙は、与党(よとう)である自民党が圧勝(あっしょう)
するだろうと言われはじめている。
私はなんとなくそれほど投票率もあがらないような気がしている。

選挙にテレビが影響力を与えるようになったのは、80年代のアメリカ からだと
言われるが、確かに、その点、小泉(こいずみ)さんは、巧み である。
表情や、しぐさ、言葉の選び方、話し方、などテレビでは注意しなければ
ならない点をクリアしている、他の政党の党首(とうしゅ)どころか
元テレビタレントの候補者よりも上手だ。
(まあ、元々、テレビでは一流とは言いがたい人たちばかりだけれども)

しかしテレビの観客は、人一倍、飽きっぽいことを忘れてはならない。

通常、日本のテレビ番組は、3カ月を「ワンクール」と呼び、人気が 続けば
3カ月ごとに延長される。長いヒット作品になるかどうかは 最初の一ヶ月が
勝負だそうだ。

選挙は今月の終りだが、あと2週間、飽きずにこの観客達は熱狂してくれる
だろうか。

 

2001 / 07

 

7/13

男性と女性

「今、飛行機って、全席、禁煙でしょ」
「ああ、そうね」
「海外旅行だと、10時間以上も吸えないことになるじゃない」
「うん」
「だから、もう10年以上海外旅行したことなかったのよ」
「そんな、大げさな」
「いや、大げさじゃないのよ。去年、いろいろ考えて、香港で乗り換える
  方法を思い付いたの」
「え、どうするの」
「香港で喫煙席があるエアラインを探したの」
「まだあるの?」
「アラブ系のエアラインとかね」
「はあ、大変だな」
「一旦、アブダビに行ってからヨーロッパに行くの」

この女性はヘビースモーカーで、これはホントの話。

 

2001 / 07

 

7/17

「痛みをともなう改革(かいかく)」というのが、今回の選挙のテーマだ。

「痛(いた)み」とは、経済の構造(こうぞう)が変わることによって 生じる
変化のことらしい。
どのような産業が影響を受けると言われているかというと、、、

中小の建設業界
これは、もうほとんどダメなことはわかっていた。時間の問題だ。

小売業(こうりぎょう)
特に大手のデパートなど、定価(ていか)で商売をしているところ。
これも、可能性はほとんどない。

卸売(おろしう)り業者
インターネットが普及すればするほど、この手の業者は不要になる。

不動産業
特に地方の中規模の会社。新しく作った住宅団地などで見込みのないものは
もう見捨てられるだろう。

もちろん、各種のメーカーも厳しい。例えば、家庭用のビデオデッキを
作っている会社は、大手だけでも10社ほどあるが、半分は不要だ。

最悪のシナリオは、悪い流れに乗って、大手の銀行が信用を失い廃業に
追い込まれる。ある日本の銀行は、資産では、世界有数だが、関係者の 間では
「潰れても驚かない」と囁(ささや)かれている。

 

2001 / 07

 

7/18

カルロスゴーンという人が日本の日産(にっさん)という会社の 経営者となり
立て直した。 もちろん、彼の能力の高さ。率直な物言いが日本人に受け入れられた
ということもあるだろう。

日産自体が元々力のある会社で、ぎりぎりのところで、彼が現れたという
タイミングにも原因があるようだ。

もうひとつは、日産の社員が「会社のために」退職(たいしょく)や 減俸
(げんぽう)を受け入れたということが大きいのではないだろうか。
もしフランスだったら、一気に2万人近くのリストラが受け入れられたか
どうかは疑わしい。

この日産の立て直しを見て、「まだ日本経済に可能性はある」と考える人 もいる。
一方で、黙って減俸や退職に応じる「羊のような」サラリーマン達を
「気持ち悪い」と感じる人もいる。

 

2001 / 07

 

7/19

不動産(ふどうさん)の広告を読むには技術が必要だ。

場所の説明では「**駅から10分」といったものが一般的である。
これは、もちろん15分から20分と考えなければならない。 私はかつて
駅から15分と書いてあるアパートの大家(おおや)に
「15分はちょっと少ないんじゃないんですか」と言ってみた。
当時、20才の私でも駅から25分はかかったからだ。
すると大家は「いや、この地図で見ると距離は約1キロだから15分です」
と言ってから、自宅から駅までに定規(じょうぎ)をあてた。

直線距離では、確かに1キロ(と300m)くらいだが、道は曲がっているので
2キロはあるのだ。

その大家は占い師だった。変な人で、空いている5つの部屋
のうち、迷って いると、「きみは、302号室があっている!」と大声で
叫ぶのだった。

 

2001 / 07

 

7/24

月は、週末に各地で花火大会が行われる。

花火は打ち上げ花火が中心で、8時頃から9時ごろまで海岸や 河川敷など
広いところが行われることが多い。 日本では夏の風物詩(ふうぶつし)。
花火を見て、夏を感じる人も多いだろう。

90年代に入って、特に若者を中心に この花火大会の人出が増えた。
情報雑誌などでも特集を組むようになり、 花火大会は一種のブームと なった。
大会そのものの数も爆発的に増えた。
規模(きぼ)はそれぞれ違うけれども、人出でいっぱいだ。 どこでやっても
10万人単位の人が集まるそうだ。

こうなってくると、花火を見るために人が集まるのではなくて 人が集まるから、人が集まる。ということになってくる。 車は大渋滞(だいじゅうたい)。

先日は、歩道橋で、並んでいた人が いっせいに倒れ、10人の死者がでた。

最近では、こういうイベントは、大手の広告代理店で企画される。
人を集めなければ、スポンサーが、降りてしまったり、次回から 取り止めとなる。

つまり、人が多ければ多いほど成功ということになる。 広告代理店や出版社が
企画したイベントに、季節を感じたりしなければ ならないのは、貧しいことでは
ないか、と考える人たちがいても 不思議ではない。

 

2001 / 07

 

7/23

今年の夏は暑くなりそうだ。日中は、35度以上の日が続いている。

夕立ちも多い。午後になると、急に、曇りはじめ、激しい雨が30分ほど 降るハリウッド映画のようにわかりやすい天候(てんこう)だ。

日本では学校は、7月20日から8月いっぱいは、夏休みとなる。 そのため
この期間は、運転免許の学校に通う若者が多い。 運転免許は、18才以上なら
誰でもとれるが、値段が高い。平均で 30万円ほど。実技(じつぎ)の講習
(こうしゅう)と、学科(がっか)の 講習があり、50から100時間程度で
試験に合格すれば取得できる。

この費用は、「まあ、仕方ない」と親が出すことになる。 この後、車を買うにも
保険や、税金など、費用はかさんでいく。

日本には有料道路も多く、車一台持つということは、子供を一人育てる のと
同じくらい費用がかかる。という人もいる。

 

2001 / 07

 

7/26

格闘技(かくとうぎ)を学びに日本に留学する外国人もおおい。

相撲(すもう)、柔道(じゅうどう)、空手(からて)などは、その 代表的な
もので、受け入れ体制も、日本語学校などよりは、慣れていて しっかりしている。

これらの留学先では、日本の先輩(せんぱい)、後輩(こうはい)の 関係に
苦しめられることになる。しかし、この環境が日本語の勉強には
最適であることは確かで、1.2年ほど我慢(がまん)すれば、上達は 早い。

最近は、柔道、空手、合気道(あいきどう)は各国に道場 (どうじょう)ができ
自分の国でも練習できるようになった。

しかし、日本国内では、練習も段位(だんい)の認定も厳しく、日本での 練習は
ある種のブランドとなっているようだ。

ある人は 「私は合気道4段ですが、日本では2段くらいです」 などと言っていた。

 

2001 / 07

 

7/27

「ウイルスメールってのは、やだね」
「感染(かんせん)したの」
「うん、送り主が知り合いの名前と同じだったんで、ついね」
「だいじょうぶだったの?」
「いや、ハードディスクが破壊(はかい)されるのは10月らしいんだけど」
「うん」
「同じウイルスメールを送る加害者(かがいしゃ)になるのがつらくてね」
「ああ、そうなの」
「勝手にパソコンの中のメールアドレスを集めて、送るんだ」
「高橋の名前で?」
「そう、おれが送ったことになる」
「いやだね」
「おまけに、添付ファイルもおれのハードディスクから選ぶんだ」
「へえ。誰に送ったかわかるの」
「それが、メールソフトを使わずに送るからわからないんだ」
「いやだね」
「シマンテックから無償(むしょう)の除去(じょきょ)ソフトが
  出たから助かった」

「ああ、そうなの、有名なウイルスなんだね」

これは、実話(じつわ)です。

 

2001 / 07

 

7/31

下がり続ける株価(かぶか)とは、正反対に暑い日が続いて 今年はどうやら
猛暑(もうしょ)になりそうである。

毎年、7月には、今年の夏が暑いかどうかが話題になり、冷夏(れいか) であると
経済に与える影響を心配する声が聞かれる。 冷夏だと、ビールが売れない。
冷房が売れない。とあまりいいことは ないようだ。

今年は、冷房が飛ぶように売れているそうだ。海に行く人も増え ガソリンの
消費量も増える。

ともかく、日本には、せっかく四季(しき)がはっきりした国 なのだから 冬は寒く、夏は暑いほうがいい。

少し涼しくなった夕方に、シャツ一枚になった老人が縁側(えんがわ)で
黙ってすいかを食べている。なんていうのは、なかなかいい風景だ。

 

2001 / 07

 

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