2001 / 08

 

8/1

間違えて覚えていた言葉というのは、誰にでもあると思うが もしかすると
日本語の場合は、同音異義語(どうおんいぎご)による間違いが 多いかもしれない。

恥(はじ)を忍んで告白すると

高校の時まで、「自社株(じしゃかぶ)を買う」というのは、自分が 持っている
自動車の会社の株を買うこと(自車株)だと思っていた。

つい2.3年前まで野球の放送などで、長く走って、その後、ホームに 帰ったという
意味で使われる「長駆(ちょうく)ホームイン!」という 実況(じっきょう)は
「チョークホームイン」で、chalkで書いたように ホームインしたという
意味だと思っていた。

中学のころまで、民宿(みんしゅく)というのは、自民党が経営している
ホテルのことだと思っていた。

つい最近まで、天気予報の時に海が荒れるという意味で使われる波浪注意報
(はろうちゅういほう)は、「ハロー注意報」だと思っていた。
意味は、これまで、深く考えたことはなかった。

ああ、恥ずかしい。

 

2001 / 08

 

8/2

日本は軽犯罪(けいはんざい)大国だ。という人がいる。

電車の中での痴漢(ちかん)は、外国に比べると驚く程多いそうだ。

これは、主に東京など大都市の通勤(つうきん)が電車に限られ 御存じのように
常に満員という事情もある。

最近は痴漢に間違えられて裁判(さいばん)となり、無罪(むざい)を
勝ち取った人のニュースが続いた。

こういう犯罪(はんざい)は、たとえ、無罪であっても、裁判中は 肩身(かたみ)
が狭い。

仕事にも支障(ししょう)が出る。
友人は去っていく。
親戚(しんせき)からの連絡が途絶える。
と辛い出来事が多いようだ。

 

2001 / 08

 

8/7

避暑地(ひしょち)と聞いて思い浮かぶのは、長野県の軽井沢(かるいざわ) だ。
標高が高く夏でも涼しい。 日本で最も有名なこの避暑地は、かつては限られた人
のものだったが 今では、普通の会社員にも手が届くようになった。

ただ、ひとつ困ったことは、「軽井沢」という名前があるだけで土地の 値段が
上がるので、この地名が増えてしまったことだ。

「**軽井沢」などと地名を変更する町があいついだ。

「**」には 北とか、「中」などが入る。こういうことは 他の地域でも多く
観光地、特に温泉地などでも見られる現象だ。

地名というのは、日本では比較的よく変わる。私の生まれた地も 2度変わっている。
観光目的で変わるものもあれば、住宅などを作る際に、若い世代に受け のよい
「青葉」「自由が丘」などの名前となることがおおい。

私はこれらの、いかにも最近付けたような地名を見るとうんざり してしまう。

 

2001 / 08

 

8/8

夏になると、テレビなどで、怪談(かいだん)の番組が増える。

怪談というのは、恐い話のこと。これを上手に話せるだけで夏の キャンプの
人気者になれる。 なぜ夏なのかは、よく分らないが、子供が学校が休みであり
怪談を 聞かせる相手が豊富ということだろうか。

いろんな種類がある。妖怪(ようかい)は、土地に住んでいる霊(れい)の ことで
幽霊(ゆうれい)は、死んだ人が生き返ったものだという解釈 もあるらしい。
江戸時代には、こういう怪談を集めた本は飛ぶように売れ、怪談を上手に
話す人は、それだけで商売となった。

今でも、落語家(らくごか)の中には、怪談話しを得意とする人がいる。

 

2001 / 08

 

8/10

高級ライターを買う人はめっきり減った。

かつては、高級ライターはある種のステイタスで、部長になったら 1万円くらいの
ライターを買ったりということがあったらしい。

今は、100円ライターと呼ばれるプラスティックのものが主流である。
機能は十分で、安い。今では100円で3本ほど買えるが、駅などで 売られている
のは、120円ほどである。

消費者の心理というのは難しい。かつては、ライターでさえも車のように
ステイタスの証(あかし)であったが、100円で機能は同じとなると
どうでもよくなるようだ。

今ではむしろ、高級ライターを持つのは 恥ずかしい。
ただ、 若い人の間では、ジッポ のライターは人気だ。ライターの付け方に凝ったり、 古く値段の高いものなどを 買ったりする。

これも、実は、少々、田舎くさい趣味だと言えるだろう。
もはや喫煙も流行らない世の中なのだ。

 

2001 / 08

 

8/13

今日は野球に関するドキュメンタリーを見ていた。

中でアメリカ人のボブというスポーツライターが、初めて父に野球に
連れていってもらった話をしていた。

子供の頃の父親の「野球に行くか?」という台詞がすべての始まり だった
という 話。

それで思い出した。

祖父(そふ)は、炭坑(たんこう)で働く技師(ぎし)だった。
無口だが黙々(もくもく)と仕事をこなし、炭鉱夫の信頼も厚かったそうだ。
地元(じもと)のプロ野球のチームが好きだった。
中でも中心打者の中西太(なかにしふとし)がお気に入り。
中西は熊のような体格でホームランをかっとばす、べーブルースのような
選手だった。性格は、寡黙(かもく)だが、やさしくて、豪快(ごうかい)。
九州の男が最も好むタイプだ。

私の名前は、最初「浩(ひろし)」だったが、祖父が納得せず、結局
「浩太(こうた)」になったそうだ。 もちろん、私も祖父のお気に入り。
ただし、やさしくしてくれるのでは なくて、本当の九州の男に育てたかった
ようだ。厳しかった。

よく、新聞紙を丸めたボールでキャッチボールをした。 散歩もした。
が、会話らしい会話をかわした記憶はまったくない。

祖父は私をたびたび野球場に連れていってくれた。 しかし、そのころは
西鉄ライオンズは、スポンサーも変わり 弱小(じゃくしょう)チームと
なっていた。 チームは、弱くなったが、観客は、相変わらず豪快だった。
酒の匂いをプンプンさせる男達が大声で怒鳴っている。

この球場は日本で最も「恐い」球場だと言われていた。 ただ彼らには
ユーモアがあった。不思議と殺伐(さつばつ) とした雰囲気はなく
野次に吹き出す選手もよく見た。
口汚いが楽しい野次(やじ)は、球場の風物詩(ふうぶつし)となっていた。

しかし、祖父といると安心だった。寡黙であまり笑わない祖父には威厳(いげん)
があった。客席の荒くれ男達も、黙って厳しい顔でフィールドを見つめる
祖父には一目おいているようだった。

アメリカのスポーツライターの話に最も共感したのは、この台詞だ。
「子供には、野球場に行く日は、朝から、なんとなくわかるものなのだ」

そう、子供には、わかっているのだ。

ただし、祖父は、「行くか」 とは言わなかった。「行くぞ」と言った。

 

2001 / 08

 

8/15

日本では八月はいわば「戦争の月」で、6日の広島、9日の長崎の 原爆記念日に
続いて15日の終戦記念日となる。

終戦記念日に首相(しゅしょう)が、靖国(やすくに)神社に行くか どうかで
もめている。 靖国神社は、神道の形式に則(のっと)って、戦争の犠牲者が
祀(まつ)られている。 この神社には、戦後の裁判で戦犯(せんぱん)
と なった人たちも 祀られていて、このことと、特定の宗教の形式を持っていると
いうことが 常に問題となる。今回は、小泉首相は、靖国神社に参拝(さんぱい)
し 中国や韓国の反発を招いている。

戦死者に哀悼(あいとう)の意をささげるのは、当然のことだし 戦犯というのは
戦後、主にアメリカ主導で強引に行われた裁判で 決まったものだ、というのが
与党である自民党の主張。

これに対し、国内の反対勢力の根拠は近隣諸国へ配慮すべきだ、というもので
哀悼の意をささげる、ということと、戦犯の考え方にも問題がある という点に
関してはあまり触れることがない。

客観的に見ても、これまで、きちんと議論されてきていない、というのが
正直なところだろう。 他の多くの国のように、戦犯と他の戦死者を分けてから
無名の戦死者の ための墓地を作り、そこに首相は行くべきだという案が出されて
いる。 これが、今の所、妥当な案だと考えられるが、なぜか実現しない。

戦後の戦争裁判というのは、常に戦勝国によって行われる。
公平な裁判は望むべくもない。検証した本などを読むと 確かに
判断の根拠があやふやだったり、途中で裁判の流れがガラリと 変わったりと
疑問も浮かぶ。

しかし、例えば、日本が戦勝国となっていたら、公平な裁判を行った だろうかと
想像してみると、当時の状況では、比較的、冷静に進められた と考えるしか
ないようだ。

靖国神社は東京にあるが、手入れが行き届いていて、美しい神社だ。
桜の美しさも際立っている。これに対して、各地の無名の戦死者の墓地は
訪れる人々が高齢となったこともあって、人の手が入らず荒れている
墓地も多いという。

 

2001 / 08

 

8/16

お盆(ぼん)というのは、仏教の行事で、一般には、亡くなった人が
この時期に戻ってくると言われている。

会社は、15日を中心に一週間近く休みとなる。 故郷に帰ったり、家族連れで
出かけたりする。 都会に住む子供は、両親いずれかの実家(じっか)を訪れ
田舎の自然 に触れる機会となる。

父親にとっては、高速道路は渋滞(じゅうたい) するし、お土産は買わなくては
いけないし、ちっとも休めないので あまりいいことはないが、このときばかりは
家族サービスに努める ことになる。

ともあれ、死者や先祖を思う日である。 今日は、新聞を読んでいると、サッチモ
の愛称(あいしょう)で知られた ルイ・アームストロングのコルネットが競売
(きょうばい)に かけられるという記事を目にした。

サッチモが音楽を始めるきっかけとなったというこのコルネットに 値段がつくと
いうのが分らない。

これは、売ったり、買ったりする対象にしてもよいのだろうか?
アメリカの20世紀にとって、最も大事なものなのではないのか?

 

2001 / 08

 

8/17

「お盆は人が少なくていいねえ」
「ああ、東京はね」
「うん、でも、みんな実家(じっか)に帰るでしょ」
「うん」
「だから、地方でも少し人口が増えるけど、本来の姿じゃないの」
「ああ、平均化するってことね」
「そうそう、東京に集中しすぎなんだよ」
「都内の道路も空いてるしね」
「混んでるのは、高速道路だけ」
「ああ、いまだに車で帰る人って多いね」
「電車だと座れないしね」
「あ、そうか。子供がいるとね」
「夏に別荘で過す人って、どれくらいいるのかな」
「昔から変わらないんじゃないかな」
「でも、最近は安い別荘が売れているらしいよ」
「ああ、一千万くらいの」
「そう、あそこに親戚が集まるんだって」
「なるほどねえ」

 

2001 / 08

 

8/21

国産車(こくさんしゃ)というのは、日本製の自動車のことで、これが 国内で
売れているそうだ。

かつては、外国製の車でありさえすれば売れた時代もあった。

外車(がいしゃ)と呼ばれた。

日本の車は右にハンドルがあるが 外車は左にハンドルがある。これが一種のステイタスとなった。
今では、日本車も質のよい 高級車を作るようになった。中でもトヨタは 電気とガソリン、両方で動く車を販売し、人気となっている。

世界で実用レベルの電気自動車は、このトヨタの 「プリウス」だけだと
言われている。 安く、質の高い自動車を作るだけだった 日本の自動車会社も
ようやく 世界にインパクトを与える、本質的に新しいアイデアを持った車を
作るようになった。

 

2001 / 08

 

8/22

かつて、欧米諸国のテレビやビデオは、日本製が多かったという 時代があった。
今では、台湾製や韓国製にとってかわっている。 しかし、自動車は、今でも
日本製が増え続けているようだ。 日本車は燃費(ねんぴ)がよく、故障
(こしょう)が少ないことが セールスポイント。
また、車内が静かであることなど、細かい作りが 丁寧だということだ。

しかし、21世紀は、エコロジーが自動車業界の最大のテーマらしい。
ガソリンに頼らない、排出(はいしゅつ)されるガスが少ない車が 「よい車」と
される。

これらの技術は、開発にお金がかかる。自動車業界の世界的な再編成
(さいへんせい)は、90年代の終りから始まったが、まだまだ 淘汰(とうた)
の時代は続くということだ。

 

2001 / 08

 

8/23

自動車のマーケティングは、特に日本は、難しいそうだ。

日本は、時速120キロを超えて運転することはほとんどない。
都心では、渋滞続きで、平均10〜20キロ程度だ。

郊外で空いている時で 平均40キロ程度。 日本では、鋪装された道路が
ほとんどだが、北は、雪が毎年2.3メートル 積もることは珍しくない。
この対策も必要になる。

日本のユーザーは、渋滞のこともあってか、車内での居住性を重視する。
また、通勤に車は使えず、週末に家族とドライブするのが主な目的であることが
多いので、多くの人数が乗れることが大事だ。

道路は狭く、大きな車は、入れない道が多い、したがって、大きな車はあまり売れない。

 

2001 / 08

 

8/24

「『つくつくぼうし』って知ってる」
「セミでしょ」
「そう、あれ、最近、減って、いないんだって」
「へえ」
「だから、『つくつくぼうし』って鳴声(なきごえ)を聞いたことがある
  子供は少ないらしいよ」
「へえ、たしか、夏の終りごろに、鳴くんだよな」
「そうそう、あの鳴声が聞こえると、夏休みも終りというかんじ」
「宿題もやらなきゃいけないし、なかなか遊べなくなる」
「海もクラゲが出て泳げなくなってるし」
「大人は会社が始まって、なんとなく、騒々しくなってくるような気分」
「残暑(ざんしょ)という言葉も聞こえてきてね」
「ああ、あいさつでも、『残暑、厳しいですねえ』なんて言ったりするし」
「子供としては、そういう雰囲気を感じて、なんとなく、さびしい時期 だよな」
「そうねえ、宿題をやらなきゃいけないから、友だちとは遊べなくなるしね」

 

2001 / 08

 

8/28

ベジタリアンは、日本語で菜食主義者(さいしょくしゅぎしゃ)。

あまり見かけない。 例えば、私はまだ、日本人の菜食主義者に あったことがない。

江戸時代の後期から、大都市では、一般の人にも肉料理は口にするように
なったそうだ。それまでは、肉食は、ほとんどなかったそうだ。

90年代になってから、英会話学校が増え、若い英語教師が日本に来る ように
なってから、ベジタリアン対応のレストランも増えた。

東京なら それほど苦労することもないようだ。日常の生活でも、肉食以外の
食べ物は豊富にある。 問題は、野菜が高いこと。
それと、よく聞くのは、「日本の野菜は味が薄い」 ということだ。

このことは 肉でも魚でも同じで、戦後、ますます 日本の食べ物は、味が薄く
なってきている。

元々、土壌に含まれる栄養分が少なく、野菜はあまり育たない。 という説や
大量生産で、味が均質化してしまった。 という説もある。

 

2001 / 08

 

8/29

都心で、暴力団(ぼうりょくだん)50人の乱闘(らんとう)が あったそうだ。

新聞によると、傘やビール瓶(びん)での殴り合いとなり、催涙 (さいるい)
スプレーで、「目の痛みを訴えた」組員(くみいん)も いたとのこと。
ケガ人もでた。

ハリウッド映画などでも、日本の「ヤクザ」は、しばしば 描かれる。 無口で、狂気(きょうき)を内に秘め、刀(かたな)を武器として 使う。だいたい、そんなところだ。

しかし、それは、昔の話で、日本が豊かになると共に彼らは「経済ヤクザ」 と
姿を変えていった。 アルマーニのスーツを着こなし、カクテルを飲む。
日本経済新聞の 株式欄(かぶしきらん)に目を通す。

50人の乱闘騒ぎ、というのは、東京では珍しい。

しかし暴力団が50人で 乱闘して、「目の痛みを訴える」程度で終るというのは
変なカンジだ。

 

2001 / 08

 

8/30

日本を代表するある大企業の本社ビルは丸の内(まるのうち)という 所にある。

1階は受け付けだが、銀行と郵便局がある。
地下1階には、床屋、喫茶店靴屋、小さな洋服屋(スーツが売っている) 酒屋
花屋、タバコ屋、小さな電気屋、食器屋、ゴルフ屋、ゴルフ場の 会員券の代理店
旅行の代理店、クリーニング屋がある。

地下2階には、いろんな種類のレストラン、居酒屋(いざかや) 数々の自動販売機
(じどうはんばいき)、携帯電話の代理店があった。 10メートルごとに
公衆電話と灰皿がある。

ビルの最上階には会員制のバーとレストランがあるらしい。
世界が滅びても、しばらくは生きていけるに違いない。

 

2001 / 08

 

8/31

30代の女性、2人の会話。

「『始球式(しきゅうしき)』ってあるでしょ」
「ああ、野球の試合の前に最初に投げるのね」
「そうそう、最近は歌手(かしゅ)とか、俳優(はいゆう)が多いでしょ」
「そうねえ、高校野球は、いつも、おじいさんね」
「ああ、あれは、文部大臣(もんぶだいじん)」
「文部科学(もんぶかがく)大臣よ」
「あ、名前が変わったんだ」
「そう、いつもボールがキャッチャーまで届かないのよね」
「つまらないのよね。ニヤニヤ笑ったりして」
「私、政治には興味ないけど、大臣になって、始球式やってみたいな」
「え!」
「みんな、ぜんぜん期待してないでしょ。おばさんだし女だし」
「うん」
「そこで、アンダースローで、見事にストライク!」
「ああ、いいな。始球式でアンダースローって見たことないし」
「そう、始球式史上に残る一球になるのよ」

日本では高校野球の大会はテレビ中継され、人気がある。
また、女性のソフトボールや野球をやる人も増え、レベルも上がっている。

 

2001 / 08

 

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