2001 / 10

 

10/2

CDやビデオの普及(ふきゅう)で、生(なま)のものを見たり聞いたり
する機会が減ったという人は多いだろう。

映画も映画館で見る経験は少なくなり、音楽もインターネットの普及で ますます
直(じか)に接する機会が減った。

私達は、どこか油断していないだろうか。

映画館でしか感じることができない フィルムの質感(しつかん)や 画面から伝わる息遣い。生の楽器の音の豊かさ。

これらのものを、軽んじてはいないだろうか。

古今亭志ん朝(ここんてい しんちょう)さんが、今日、亡くなった。 63才。
落語家(らくごか)。

「しまった!」というカンジだ。私はこの人の生(なま)の落語を 聞いていない。
CDでは、あれほど聞いたのに。 恥ずかしいかぎりだ。忙しさを言い訳にして、ついさぼっていたツケが まわってきた。

もう後悔(こうかい)しても遅い。

私と同じ気持ちの人は多いはずだ。

それにしても、若すぎるよ。志ん朝さん。

 

2001 / 10

 

10/3

10月になると、秋も本格的になるはずが、少し汗ばむ日が続いている。

実は秋の日射しは強いそうで、紫外線(しがいせん)の量も多いとのこと。
こういう知識は女性が詳しい。 10月1日から、学校の制服も冬服になり
ニュースキャスターも秋を 意識した装(よそお)いになる。

秋は、日本人に最も人気のある季節で、10世紀ごろから、秋の美しさを 讃
(たた)える詩も多く残されている。 「実りの秋」などとも言われ、農作物
特に米の収穫期(しゅうかくき)で あることもあって、何かと嬉しい季節だ。
収穫を祝う祭りも多く、各地で開かれることもあって、秋は旅行シーズン でもある。

 

2001 / 10

 

10/3

テレビをつけると国会議員(こっかいぎいん)が、ステーキを食べている 映像が
流れていた。

「国産の牛肉は安全である」ということをアピール するために、わざわざ
テレビ局を呼んでパーティーを開いたそうだ。

かつて、食中毒 (しょくちゅうどく)の事件で同じようなことを、国会議員 がやっていた。
しかし、狂牛病は潜伏期間(せんぷくきかん)が長い。 こういうことを
パフォーマンスなどと呼ぶが、まったくくだらないものを 見せられたという
気分になった。

行政指導(ぎょうせいしどう)という言葉は、一時、アメリカとの貿易 の問題の
時に、有名になった。あいまいで、いろんな使われ方をされる。
この「指導」は、時には法的な拘束力(こうそくりょく)があるが、事実上
見のがされるというケースも多い。 狂牛病のケースは、原因となったえさを
使わないように指導が行われて いた。しかし、禁止されているわけではなかった。
罰金(ばっきん)を払うことになっても、小額であれば、コストの安い えさを使う
というわけだ。

日本の法律は、この「指導」のように運用(うんよう)の幅が広いものが 多い。
時には現場の担当者の裁量(さいりょう)で、大きく結果が違って くるものも
出てくる。

厳格(げんかく)な法律の摘要(てきよう)や、裁判(さいばん)での 決着は
国民性に合わないという人もいたが、もはや20年前の議論だと 言ってもいいだろう。

 

2001 / 10

 

10/4

友人が披露(ひろう)した、人間の一生に関する興味ぶかい 新説(しんせつ)。

あのね。最近、考えるんだけど、40才になってから、どうも、性格が 変わった
ような気がするんだよ。同時にいろんなことが出来なくなった。
歳とったんじゃないの。 それもあるけど、この前、気がついたのは、オレ
小学校のころ、そういう 子供だったんだよ。集中力(しゅうちゅうりょく)
はあるんだけど 同時に複数のことをやるのが、極端に苦手だった。

あ、そう。

それでね。20代とか、30才前後ってのは、自分が大人になった。
成熟(せいじゅく)して、落ち着きも出て来た。と思ってたけど。

うん。

40になって、子供のころに戻っちゃった。

はあ、そう。

で、これは、つまり、10代の終りから、30ぐらいまでが、変だったん
じゃないかな。無理をしてた、というか、自分が成長したと思い込んでいた。
ところが、40になって、自分の本来の性格というか、実力が素直に あらわれる
ようになった。 だからね、考えてみると、結局、人間は10才ぐらいまでに
手に入れた もので、勝負するしかないんじゃないかな。
小学校のころ、友だちが少なかった人はまあ、一生、友だちは少ないし
手先が不器用だった人は、一生不器用。もてなかった奴(やつ)は だいたい
一生もてない。 でも、10代の終りから、30代までの15年くらいは
夢を 見ることができる。

自分ができなかったことができるような夢をね。

 

2001 / 10

 

10/10

秋というと、晴れているイメージを持つ日本人は多い。

「秋晴れ」という言葉があるくらいだ。 しかし、「女心(おんなごころ)と
秋の空」とも言われる。 秋の天気と女性の気持ちは、変わりやすいという意味だ。

というわけで、10月は意外と雨が多い時期でもある。
佐藤さん(男性)の意見。

梅雨のように、朝から雨というわけでもないので、傘を持っていくのは 面倒だ。
といって、折り畳み傘(かさ)を持っていくのも、恥ずかしい。 いかにも
準備がいい、というのは、男らしくない。

特に職場の外国人社員は 「折り畳み傘を持って歩く男なんて、ダサイ」
と言うそうだ。

最近は、同僚の日本人の女性社員にも同調する者が現れた。
しかし、雨に降られると、書類は濡れるし、ウオークマンは、壊れるかも
しれない。高い外国製の革靴も気になる。

今のところ、彼は、折り畳み傘を持ち歩いているが、同僚には秘密にしている。
会社を出てから、しばらくは、濡れて帰るそうだ。

ダサイ:unfashonable /nerdy / bamma / corny /

 

2001 / 10

 

10/11

プロジェクトXというテレビ番組が人気だ。

戦後の高度成長期を支えた技術者達の英雄(えいゆう)物語。

主人公達のほとんどは、戦後、地方の小さな町工場だったような会社の 人々だ。
ある人々は、腕時計を小さくすることに熱中し、また、ある人々は 電車の
改札機(かいさつき)を作ることに社運(しゃうん)をかける。
そのほとんどが今は、大企業となっている。

戦後、技術力で大企業となった会社は、これら数十人、時には数人の
プロジェクトによるものであった。 戦後の成功物語は、ホンダやソニーだけでは
ない。というのが番組の主旨だ。

この番組はビデオも発売され、驚異的な売り上げを記録しているそうだ。
買うのは、50.60代のサラリーマン。
会社単位で買って、社員に見せる 会社も多いという。

 

2001 / 10

 

10/12

あるお店で、店主(てんしゅ)と40代の主婦の会話

「ねえねえ、この60円のスポンジと120円のとどこが違うの?」
「はあ、それは、ここが、ダブルの構造(こうぞう)になってまして」
「ダブルだといいの?」
「ええ、丈夫なんですね」
「ああ、そう」
「それに、表と裏で違う生地(きじ)なので使い分けできます」
「ああ、裏のほうが固いわね」
「ええ、そうなんです」
「さっき、丈夫って、言ったけど、どのくらい違うの」
「そうですねえ倍くらいですねえ」
「倍、値段といっしょね。うまいこと言うわね」
「ははは、いえいえ、そういうわけじゃないんですけどね」
「じゃあ、この60円のを二つちょうだい。二つ買うから少しまけてね」

こういう風に、細かいことを聞く主婦は少ない。値切るのも 珍しい。
しかし、関西では多いそうだ。 実はこの主婦も関西なまりであった。
店主は、ちょっと驚いたような、困ったような顔をしていた。

 

2001 / 10

 

10/30

テロの影響で、国内の空港の警備は厳しくなった。

国内線でもチェックが厳しい。一人ずつ名前を言って確認しなければ ならない。
荷物のチェックも厳重になった。ラジオを入れていただけで バッグの中を
開けてみせなければならなくなった。

福岡空港では、アラブ系の外国人が搭乗(とうじょう)手続きをしていた。
他の客より質問の項目は多いようだ。 警備員(けいびいん)の視線は厳しく
他の乗客も不安げな面持ちだ。 手続きを終えた彼は私の横に座った。

(困ったもんだねえ)という表情でニコッと笑いかけると
彼は(やれやれ)という表情で、笑顔を返した。

 

2001 / 10

 

10/31

携帯電話は普及(ふきゅう)が進み、そろそろ売行きも落ちているようだ。
今では中学生から大人まで、一人一台の時代と言ってもよいかもしれない。

都会では、小学生に携帯電話を持たせる親が増えている。

携帯電話を持っている人の現在の位置を調べるサービスもあり、ファックス で
簡単に知ることができるらしい。 このサービスは、子供や、老人などがいる
家庭にとっては重宝(ちょうほう) するもので、これからの成長産業だと
言われている。

また、これまでに盗まれた車がこのサービスによって発見される ということも
あった。 現在は半径100M ほどの範囲でないとわからないそうだが、将来は
かなり詳しく分るようになるそうだ。

しかし、このサービスは大人には評判が悪い。どこにいるか常に誰かに
知られるというのは、いろいろと困ったことがあるのだ。

 

2001 / 10

 

Copyright @ Web Japanese
All rights reserved.

No reproduction or republication without written permission.