2001 / 12

 

12/4

「大きくなったら何になりたい?」と子供に聞くことは よいことだとされている。

しかし、考えてほしい、子供のころ、あなたは、明確な方針をもって 生きて
いただろうか?

これらの問いに対する正解は
「宇宙飛行士(うちゅうひこうし)」や 「サッカー選手」などである。
尋ねた大人は、必ず、満足して笑顔となるだろう。

例えば7才の子供に「経理の資格をとります」とか、「中古車のセールス マン」
などという答えは期待されていないのである。

こういう質問に答えるのが得意な子供がいる。「東大を卒業して大蔵省(おおくら しょう) に入る」などと言う。それを聞いた大人も「すごいねー」 などと応じている。

こういうバカバカしい質問は、しないほうがいい。

「パパの子供なんだからせいぜい課長どまりじゃないかな」 なんて答えられたら、どうしますか?

 

2001 / 12

 

12/5

ごみのルールは、年々複雑化している。

10年ほど前は、週に一度か二度、家の前に置いておけば翌日には 回収された
ものだが、今では、週に3回もゴミを出す日があり、種類も 複雑になった。

今やどこに行っても、5つぐらいに分けてゴミを出すのは常識であり 数十種類の
ものが、どのゴミに当てはまるのかを説明した印刷物が 自治体(じちたい)から
配られる。

ゴミの分別(ぶんべつ)という言葉は、すっかり定着した。
できれば、全国で同じルールでやったほうがいいと思うが。

 

2001 / 12

 

12/6

12月になると、クリスマスの飾り付けが増える。

ショーウインドウは、すべてクリスマスツリーとトナカイと サンタクロースだ。
この飾りを専門とする職業も人気で、専門の学校もある。特に女性に 人気がある。

おそらく、かつては、デパートの店員で心得がある者がまかされていた のだろうが
最近は、専門の人にまかせることが多いそうだ。 デパートだけではなく
商店街も、大きなクリスマスツリーを飾る。 恋人達の待ち合わせ場所になれば
ひとまず成功。 雑誌などで取り上げられれば大成功というところだ。

 

2001 / 12

 

12/18

今年のカゼはひどかった。 私は、先週、カゼをひいたが、ちょうど免疫学
(めんえきがく)の本を読んでいたところで
「ああ、今、インターフェロンが出ているところ」 とか
「IgG抗体(こうたい)が出来始めたかもしれない」 などと実感
(じっかん)することができた。

「カゼというのは、薬では治らない」というのは、本当のことだった。
薬を飲むのがバカバカしくなり、自分の身体の回復を待つことにした。

 

2001 / 12

 

12/19

正確なものは忘れたが「風邪引き男に目病(や)み女」という 言葉が
江戸時代にあったそうだ。 風邪を引いた男と目を病(や)んだ女は、色っぽい
ということらしい。

しかし、実際は、カゼを引いた(中年の)男は、あまり、かっこのいい ものでは
ない。眼帯(がんたい)をした女性はセクシーかもしれないが。

ひょっとすると、江戸時代は、性に対する考え方もオープンだったので もう少し
深い意味があるのかもしれない。

北半球(きたはんきゅう)にお住いの方は、外は寒いでしょうから 自宅でゆっくり、いろいろと想像してみてください。

 

2001 / 12

 

12/20

そろそろ、今年を振り返るニュース番組などが始まった。

年末は、この種の番組で埋め尽くされる。
今年はもちろん、ニューヨークのテロ事件が中心である。
いつもなら、この種の映像は「ああ、こういうことがあった」と 見ることが
できるのだが、これはそういう気分にはなれなかった。 もう一年単位で過去を
振り返るなどという、のんびりした時代では ないということか。

一昨年は、Y2kだった。去年は世紀(せいき)の変わり目。

今年は、ただ、ひとつ年が増えるだけである。 淡々と年の変わり目を過す
しかないようである。気のせいか企業の 休みも短かめのようだ。

 

2001 / 12

 

12/21

電車の中での出来事(できごと) 5才くらいの子供が大声ではしゃいでいる。

「もう、静かにしなさい。恥ずかしいでしょ」
「恥ずかしくないもん」
「いいから、静かにするの」
「へへへ、ヒャー!」

ここで中年の男性が 「あの、静かにしないさい。坊や」
母親「ああ、すみません。ほら、おじちゃんに怒られちゃったよ」
「ヘエ、ヒャーヒャー!」
「すみません、静かにさせますから」

男性はあきらめた。

「静かにしなさい。もう降りるよ。ママ恥ずかしいから降りるよ」
「いいよ」
「本当に降りるからね」

その後、終点まで子供は騒ぎ続けた。母親は、時々注意していたが 実は隣の友人
とのおしゃべりに夢中で、それほどでもなかった。 夜の8時ごろで、会社帰りの人
が多かったせいか、子供の周囲の 空気は険悪(けんあく)なものとなっていた。

 

2001 / 12

 

12/26

来年は、大企業の倒産(とうさん)が増えると予想されている。
昨日、お昼頃にある銀行に行った。年末でもあり、お昼休みの 時間なので
たいへん混み合っていた。ATMの前には50人ほどが 並んでいた。

おそらくその銀行の支店長クラスと思われる人が入口で案内していた。
そこにひとりの男性が入って来るなり 「うわーすごいなあ」と言うと
案内の男性は「申し訳有りません」 と謝っていた。
すると入って来た男性は 「取り付け騒ぎみたいだな」と言って笑った。

「取り付け騒ぎ」というのは、銀行の倒産などで自分の預金に 不安を持った
人々が銀行に押し寄せることだ。 銀行の男性はしばらく絶句(ぜっく)し
ひきつった笑顔と共に 奥に引っ込んでしまった。

その銀行は、今、最も倒産の危機(きき)がささやかれているところ だった。

まるで映画のようなシーンでした。

 

2001 / 12

 

12/27

最近は、床屋にも二種類ある。

ひとつは、昔からある床屋。料金は業界団体で決められた値段を守っている。
大都市では3000円ほどだ。

最近、増えたのは、おそらくこの団体に加盟(かめい)していない 床屋で、料金は自由に決めているようだ。
1500円から 2000円。サービスにほとんど変わりはない。

当然、後者が増えてはいるが、まだ昔から通っている床屋を変える人は
少ないようで、思ったほど多くはなっていない。

この1500円の床屋の問題は、技術が低いこと。
髪を切る技術もちょっと 低い。
また、日本の床屋は、散髪(さんぱつ)の他にヒゲをそったり 髪を洗ったりする
サービスがあるが、このサービスが下手だ。 これは、刃物(はもの)を扱うので
これが下手だとちょっと困るのだ。

私は、この安い床屋に通っているが、ヒゲだけは剃らないように している。

 

2001 / 12

 

12/28

「そういえば、今年の年末は大きな事件がないね」
「ああ、ここのところ、年末には陰惨(いんさん)な事件が多かったね」
「最近、その判決(はんけつ)が出てるから、思い出しちゃうね」
「うん。やっぱり年末は家族とか共同体を意識する時期だからね」
「ああ、なるほど」
「疎外感(そがいかん)を感じる人は、多いんだろうな」
「そうね」
「今年は、あのテロ事件のインパクトが大きすぎて、愉快犯(ゆかいはん)
  みたいなのは、減ったのかもね」
「確かにあれを見ちゃうとね。愉快犯は、萎(な)えるね。確かに」
「もう、年末の番組は、あのシーンばっかりだもんな」
「ああ、見たくないね」

今年のコラムは、今日で終りです。

来年はニューヨークもアフガニスタンもよい年でありますように。

 

2001 / 12

 

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