2002 / 09

 

09/10

日本では、同族経営(どうぞく けいえい)は、少なくなった。 特に国際的にビジネスを展開している企業では、事実上、不可能だ と言われている。

戦後に成長した企業は、創業者はすでに引退している年齢となり 今は2代目の時代。すぐに2代目の社長となった人もいれば、間に 数人の社長を挟んで、遅く社長となった人もいる。

初代の社長というのは、引退後も影響力がある。出世した人間は この社長が見い出した人々であるし、彼らは創業者が死ぬまで 忠誠を尽くす。
創業者が死ぬと、手のひらを返すように、2代目をないがしろにする ということもあるそうだが、たいていは、3代目へと受け継がれていく。

しかし、一度でも会社が傾くと、取り引き銀行の支配が強くなり 経営者一族は排除されることがある。

日本の企業は大きくなるほど 銀行の影響力は強くなっていくので、次第に同族経営は少なくなっていく ということもあったようだ。

 

2002 / 09

 

09/11

今週に入ってから新聞でもテレビ局でも去年のテロ事件の特集を やっている。

ビルが破壊されるシーンは何度も映される。あまり気持ちのいいものでは ない。
久しぶりにテレビ局ははしゃいでいるのではないかとさえ思える。
各局のニュースキャスター達は、揃ってニューヨークの現場に立ち 代わり映えのしない原稿を読んでいる。

9月の時点で、最も客観的で控えめな数字でも、すでにアフガニスタンの 一般市民の犠牲者は4000人前後。 幸運にも爆撃を避けられたとしても、冬を間近に控えて、餓死(がし) するために生まれてくるような子供が数え切れないほどいるそうだ。 こういうことは、残念なことに、テロ事件から報道されるようになった。

戦争の概念が変わったようだ。

長々と続き、いくつもの物語を生んだ「過剰な コミュニケーション」でもあった戦争はもはや過去の遺物となり テロにせよ報復にせよ、一瞬のうちに、どちらかが一方的に攻撃をする という事態がただ繰り返されるというのが21世紀の新たな戦争ということのようだ。

 

2002 / 09

 

09/12

婉曲(えんきょく)な表現、曖昧(あいまい)な表現というものは たいていは、どこの国でも、上品で、慎ましやかなものと映るようだ。

代表的なものは、トイレ。

日本では、便所(べんじょ)が、それにあたる。しかし、今や「便所」 を使う人は少なくなった。特に都会では、女性は、ほぼ使わないと いっていいだろう。

次にトイレ。これは英語の訳だが、広く使われている。女性は「おトイレ」 と言ったりする。

「お手洗い」は、最も使い勝手のいい言葉で、男女ともに、そこそこに 品があって、過剰に上品でもない(つまりは上品ぶっていない)という ことになっている。

昔は、便所の婉曲な表現として「御不浄(ごふじょう)」といったことも あった。
その他、皇室などで使われる言葉、地方で使われるものなど、トイレを 表わす言葉は数限り無くある。

私は、「おトイレ」は何度聞いても、変だな と感じる。
「おタバコ」「おビール」と同じく、取って付けたような 丁寧語という感じがするからだ。
教える時は、「お手洗い」が最も 一般的だと説明する。

 

2002 / 09

 

09/13

「9月になってね。近くのスーパーの品揃えが変わったんだよ」
「あ、そう。まだ、暑いけどね」
「うん、アイスコーヒーが少なくなったし、アイスクリームのコーナーが
  小さくなった」
「1日から」
「そう、たしか、去年も同じだった。決まってるんだろうな」
「へえ、随分、機械的だねえ」
「そう、近くに2つスーパーがあるんだけど、そこも同じ」
「なんだか、『もう夏は終り』って、命令されてるみたいだな」
「そう。オレは、冬にアイスクリーム食べるの好きなんだけどな」
「ああ、そうね。ビールも暖房の中で飲むと意外とうまいもんだよ」
「コンビニはあるんだよね」
「ああ、そうそう。仕入れ先が違うのかな」
「いやあ、最近は、スーパーもコンビニも親会社は同じでしょ」
「マーケティングの問題か」
「そうそう、私達もマーケティングされちゃってるって、ことよ」
「『冬にアイス食べるようなやつはコンビニで買う』ってね」
「そうね、それに、『あの地域に住んでいる奴らは、冬にアイス食わない』
  とかね」
「ああ、地域によっても違うよね。絶対に」
「そう、常にマイノリティは無視される」
「何だか、気に食わないなあ」
「そうだね」

 

2002 / 09

 

09/17

昨日は敬老(けいろう)の日。老人を敬いましょうという日だ。

この日は昼からいくつもの特別番組が放送される。 100才を超えて元気なお年寄りが多く、畑仕事をしたり、晩酌 (ばんしゃく)を欠かさないなどという老人達が紹介される。

長生きの秘訣(ひけつ)としてよく語られるのが、ストレスを溜めない ことで、マイペースであることが強調(きょうちょう)される。
サラリーマンの美徳である「協調性」はここではマイナス要因として 扱われる。

最年長は、115才の女性で、世界最高齢でもあるそうだ。 この人は2日眠り、2日起きているという生活をしている。 もはや、ほとんどの日本人にとって歴史上の人物である西郷隆盛 (さいごうたかもり)のファンで、西郷さんがいかに素晴らしいか という歌を楽しそうに歌う。

敬老の日前後は、地元の政治家や市長などがこの女性を訪問したが あいにく「寝ている日」で、本人には会えなかったそうだ。

長生きするには、煩わしい行事はサボるにかぎる。

 

2002 / 09

 

09/18

小泉首相の北朝鮮(きたちょうせん)訪問(ほうもん)は、外交的には 成功(せいこう)と言えるだろう。

アメリカの軍事的な圧力を背景に、最良のタイミングで訪朝(ほうちょう) したのが幸いして、拉致(らち)問題などで、「謝罪(しゃざい)」 を引き出した。
すべてはあいまいで、これからの交渉次第だが、謝罪をスタートライン にできるのは大きな成果だ。

2つ、心配な点がある。 ひとつは、日本の北朝鮮に対する戦後補償が、経済協力という形で 行われるようになったこと。この日本の戦後補償に対する考え方は 政権が変われば、否定されることが多い。

もうひとつは、日本はブッシュ政権の強硬な姿勢を利用してしまった ことだ。イラクに対してアメリカが単独攻撃を始めても、もはや 批判することは、現政権では難しい。

いろいろと政治家がコメントしていたが、この2点には誰も 触れない。
そのことにも、ちょっと驚いている。

 

2002 / 09

 

09/19

秋葉原(あきはばら)という町は東京の東にある。

かつては、「家電(かでん)は、秋葉原で」というほどの電気街だったが 今では、安い店が郊外にたくさんあるので、わざわざ冷蔵庫を買いに ここに出かける人も少なくなった。

今や、秋葉原は、コンピューターの街となった。
それも、かなりマニア でないと、ここで買い物をするのは難しい。

コンピューターの部品だけでなく、怪し気な電気製品も多く売られている。 そのひとつが盗聴器(とうちょうき)。 受話器の中に入れるもの、コンセントの中に組み込むもの、など 素人でも、簡単に取り付けられるようになっている。

企業のスパイ活動だけでなく、恋人同士や、社員の監視に使われることも あるそうだ。
無線(むせん)を傍受(ぼうじゅ)するタイプを使って、車で街を 流し、他人の電話を聞くのを楽しむ人もいるらしい。 市販されている電話も簡単に盗聴されてしまう。
これらの器械が数千円から数万円で売られている。

 

2002 / 09

 

09/20

パソコンのインストラクターの女性と男性の会話

「今、お年寄りに教えてるんでしょ」
「うん、大変なのよ」
「ああ、やっぱり」
「ストレスが溜っちゃって」
「でも、ベテランじゃないとお年寄りは教えられないんでしょ」
「そうねえ、あるていどの経験がないとね」
「コツはあるの」
「いや、特別なことじゃないけど、生徒の知識とか能力をなるべく早く
  見抜いて、個別に教え方を変えるの。お年寄りに教える場合は、特に
  この能力を問われるの」
「ああ、そういうのは、経験がものをいうね」
「そうね」
「どういうストレスが溜るの?」
「とにかく私生活で教えるのがイヤになる」
「何でも?」
「そう、例えば、『教える』とか『説明する』ってことが苦痛になる」
「ああ、仕事で使う脳が自動的に動き出すってカンジね」
「そうそう、ゴミのルールが変わったことを夫に説明するだけで疲れちゃう」
「ははは、そういうことでも、「教える脳」が作動するのか」
「そうよ。ふつうの人なら、大雑把に言うだろうなという時でも つい
  『相手に合わせたベストの説明』を考えちゃう」
「疲れそうだな」
「そう、疲れてる時に『この料理うまいね、どうやって作るの?』 とかって
  聞かれると、倒れそうになる」

 

2002 / 09

 

09/24

CDは、定価で3000円程度。輸入盤(ゆにゅうばん)は、2000円から。

中古レコード店も大きな街には必ずある。値段は100円からで、廃盤 (はいばん)のものなど貴重なものは5000円もする。

中古の値段は、国内盤のヒットしたものが安い。日本の人気バンドは ほとんどが2年ほどで人気がなくなってしまうため、中古CDの値段の 値下がりが激しいのだ。

洋楽(ようがく)の値段は安定している。中古で1000円前後。 レコードの時代は、傷が入っていたり、反ったりで、値段が違ったものだが CDでは、それほど状態によって左右されない。

最近は、レコードの人気も高い。クラブのDJが音源として使うためだ。 そうなるとレコードを買うことが「かっこいい」ということになって 人気が出た。

私はチャーリパーカーがホワイトクリスマスを演奏しているレコードや デュークエリントンがラプソディーインブルーをやっているレコード を持っているが、密かに、「もしかしたら数万円かも」と考えることがある。

 

2002 / 09

 

09/25

DVDの出現で、レーザーディスクは、完全に過去のものになってしまった。

店頭でも、ビデオほどではないが、そこそこに売れていた。
殺し文句は 「ビデオテープと違って、ディスクは半永久的に持ちますよ」 というものであった。当時、画質のよさもあって、映画好きには人気が 高かった。

確かにディスクは半永久的に持つけれども、レーザーディスクの時代が 持たなかった。

私は当時、レザーディスクプレーヤーを売るアルバイトをしていたので ちょっとした罪悪感を抱いている。

 

2002 / 09

 

09/26

早くも中古DVDは、大量に出回っている。

安いのは、比較的、新しめのハリウッド大作で、もう1000円ほどに なっている。
おそらく、出荷された数が多いのでこうなったのだろう。 中でも『マトリックス』は、DVDのハードを買う時にセットのように 買っていく人が多かったらしい。しかし、2度、3度と見たい映画ではない。

レーザーディスクで失敗した人々も、DVDの普及のペースを見て、安心して 新たなコレクションを始めたようだ。すでに廃盤や貴重盤を集めた店も 出現しており、コレクター達は、新たなイバラの道を進むのだろう。

CDと同じように、過去の名作と言われるものはDVD化されているが ずいぶん落ちているものも多い。ビデオの出現で街の名画座が減って しまった現在、これらの一般的な評価は高くないけれども、素晴らしい 映画、を見る機会が減ってしまうのではないかという不安もある。

しかるべき機関が、予算を組んでDVD化して、保存するべきでないかと 思うのだが。
やってくれるだろうか?

 

2002 / 09

 

09/27

男性と女性、共に20代。女性は新婚

「あー疲れた。私、今日は、『メシ』ってカンジのものしか作れないかも」
「田崎(たざき)さんが『メシ』なら、オレは『えさ』だな」
「ははは、亮介(りょうすけ)くん、一人暮らしだっけ、自分で作るの」
「はい、コンビニの弁当に飽きちゃって。」
「『えさ』って、どういうの?」
「いや、いつも、肉を焼くだけ」
「それだけ? 野菜はなし?」
「野菜ジュースを飲んでます。毎朝」
「ああ、でも、大丈夫?」
「う〜ん。多分。土日は、凝ったものも作るんですけどね。レシピ見て」
「ああ、典型的な独身男性ってわけね」
「そうそう、妙にイタリア料理には詳しかったりするんですよ」
「イタリア料理って、意外と簡単だからね」

ここからちょっと話題が変わります。

「でも、本場のイタリア料理にはかなわないんだよなあ」
「そうねえ。やっぱり素材じゃないの? 野菜とか」
「そうらしいですね」
「中華とかイタリア料理って、似たような料理はできるのよ」
「ええ」
「でも、結局、日本の材料だと、限界があるのよね」
「野菜とか、肉とかの、基本的な味が違うって、日本にいる外国人が よく
  言いますよね」
「そうそう、なんかね、味が薄いカンジ」

これは、ホントの話。日本でも時々、田舎で手作りの野菜などを食べると スーパーマーケットの野菜とはまったく味が違うのに驚くことがある。

 

2002 / 09

 

Copyright @ Web Japanese
All rights reserved.

No reproduction or republication without written permission.