日本語教師ユニオン試案

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日本語教師ユニオン試案 
2016年1月1日初版投稿  2018年1月31日改訂 約38000字
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About

この試案は、じっくり練ったものではなくブレストレベルのものです。思いついたことを「これも書いておいたほうが」とズラズラと書いて、あとは勝手にどうぞ、というものです。あまりまとまった文章ではありません。

私は日本語教育業界の一步外にいる人間ですが、日本語教師は仕事の環境について何か提言するような組織があったほうがいいんじゃないか?と感じます。「ユニオン」と言っても、ヘルメットをしてラップで練り歩く、とか、訴訟ありきみたいなものではなく(もちろん、ストライキをはじめ、それが効果的ならやってもいいと思いますが)、まずは、日本語教師の利益を代表する組織を作り発信していく、国や関係団体との交渉の窓口になる、国の有識者会議や日本語教育関係の議連や会合に日本語教師の代表として呼ばれ、政策にも影響を与えていく、一般の方に国内の日本語教育事情を知ってもらう、ということが大事です。

ネットの活用が鍵

名称はともかく、非常勤が多く、現状のままでかまわないという人達が多い業界ですから、参加しやすいように、匿名でも参加できるネットのコミュニティをベースに、ネットでできる楽しそうなことをやりましょう。ということから始めるのがいいのではと思います。

もちろん、その先では、現在、あまりに力のない日本語教師の具体的な地位向上もめざすわけですが、経営者や業界団体に直接ものを言うのではなく「一般の人ごしに」やる。ネットでまず現状をわかりやすく説明したうえで、こうすべきだと考えると発信する。

一般の人に「なるほどこれは日本語教師の言い分が正しい」と説得できるロジックと説明する力が大事になってきますが、まずは日本語教育とは関係のない人を味方につけることから始めるほうが早道だと思います。ネットはそのための大きな武器になるはずです。

私は、1999年から2013年あたりまで、ネット上で、日本語教師だけの小さな組織(多い時で20名程度。交流目的ではなく、フリーランスの教師が仕事の依頼を受け、戦略を練り、ルールを作り、というカンジでした)を運営してきたのでオンラインでやるノウハウもちょっとあります。決してうまく行ったわけでもないですし、ここに書いたことは、成功例ではなく試行錯誤のひとつ、サンプルとしてお考えください。

👉 ユニオンできるまで待てないという方もいると思います。基本的な情報と窓口的なものの一覧も。
労働基準法(昭和二十二年四月七日法律第四十九号)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S22/S22HO049.html
労働基準法に関するQ&A 厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/faq/faq_kijyunhou.html
全国の労働基準監督署の所在地
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/location.html
労働基準関係情報メール窓口(匿名での申し立てができる)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/mail_madoguchi.html
東京都労働相談情報センター
http://www.hataraku.metro.tokyo.jp/soudan-c/center/
弁護士ドットコム 相談
https://www.bengo4.com/
連合 労働相談
http://www.jtuc-rengo.or.jp/soudan/index.html
全労連 ホットライン
http://www.zenroren.gr.jp/jp/soudan/
個別指導塾ユニオン
http://kobetsu-union.com/

 

 

日本語教師ユニオンを作るのは不可能か?

 

準備

 

 

日本語教師の利益を代表する組織はそのうち必要になる

国で「有識者」を集めて会議が行われたり、何か新たな枠組みの提案が行われる時に関連組織団体の代表が呼ばれることがあります。どんな業界の会議でもそこで働く人達の代表は呼ばれます。ところが、日本語教育では日本語教師の利益を代表する組織団体は呼ばれることはありません。

これは、不要だからではなく存在しないからです。おそらく国も全ての関係者からヒヤリングを行って決めたということにしたいわけですし、多分、もう少し日本語教育の規模が大きくなってきたら、政府系の組織から内々に呼びかけがあって日本語教師の利益を代表する組織が作られるかもしれません。(結構ある話です。そうやって「業界からの呼びかけ」で作られた組織が、よく知らない人を代表として派遣して「今後も日本語教師の職場改善のために努力する」みたいな文言を盛り込みました、はい調整済み、という建前のために使われてしまう、というのもよくある話です)

この審議会に呼ばれるような組織を目ざすのはひとつのゴールになると思います。ただ、まずネットを使って面白いことを自由にやることから始める、日本語教師の参加人数が増えることで、結果として力をもち発言権も持てるようになる、というネット経由の道をめざすのはどうでしょうか?というのが、この記事の提案です。

 

日本語教師は、集めるのもまとめるのも難しい

90年代前半、ネットの前のパソコン通信の時代、ニフティーサーブにNihongo-forumというものがありました。時々覗いていましたが、基本、読む人ばかりで、時々「こういうことやりませんか?」と呼びかけてもパッとしないまま終わる、他のフォーラム、例えばオーディオや映画のフォーラムのように、アイデアやノウハウを持ち寄って盛り上がる、結果、膨大なデータベースになっていくというノリは皆無でした。

その後、大きな組合組織に加入する人もチラホラいたりと、組合的な動きも少しありましたが、非正規のままでよいという人が多いせいか(従来の組合は基本、非正規から正規雇用に、という主張が軸でなかなか非正規の待遇そのものに焦点をあててはくれなかった。最近少し変わってきましたが)ほとんど目立ちませんでした。

日本語教師のコミュニティーはFBなどにもありますが、真剣に仕事としての環境を考えよう、変えていこうというものはありません。日本語教師は、日本国内だと35000人前後で非常勤、ボランティアの比率が9割近くという現状で、非常勤のままでもいいと考える人が多い、仕事の環境はひどいものですがその分ハードルは低く日本語教師希望者は絶えません。結果、長く買い手市場が続いてきて、あきらめムードがあったのも事実です。

そのうえ契約形態があいまいで、雇用者が圧倒的に強い立場。学期の単位である三ヶ月ごとにコマ数を減らされたら終わり。職場で待遇に関して不満を漏らそうものなら、あっという間にいずらくなる、という話を(もう20年以上前から、つい最近も)よく聞きます。仕事の環境の改善を求めて集まって何かをするというのは、それが知られたらアウトという環境下では、これまでなかなか難しかったように思います。

ただ、今後、国内での日本語学習のニーズは確実に増えますし、日本語教育の重要性は高まるはずです。2015年以降、日本語教師の需要も増えています。これから5年、10年は、日本語教師が仕事として認知されるか、職業として独立できるかの最後のチャンスではないかという気がします。仕事として選択し、長く続けていこうというプロ志向の教師がいてこそ、ノウハウの蓄積もできるのです。そのための環境整備が大事なのだと、きちんと存在感を示しておくべきです。

おそらく今後、日本語教師が働く場所は多様化していきます。民間の日本語学校や大学だけでなく、一般企業、事業所、技能実習生関連の組織、団体、医療機関、介護ビジネス関係、などなど、が直接日本語教師を雇うケースも増えるはずです。今後10年で倍増(10倍くらいとも言われてます)するであろう技能実習生やEPAで来日した人達が国内で日本語の研修をする必要があるのは明らかです。日本語学校の職場環境だけで考えるのではなく、すべての環境で最低限、こうなければならない、という職業としての日本語教師のあり方を提示することが必要です。

ネットなら匿名性を確保しながら集まって何かをやることができます。組合的な組織というよりも、まずは最低限、職業としての日本語教師の確立あたりを目標に、ネットをベースに、会員の匿名性を対外的にだけでなく、会員間でも守るような形をとり、組織の総意として議決して提案していくことから始めるのはどうでしょうか?

 

目的を絞る

組合的な組織の敷居が高くなるのは訴訟ありきであったり、あまり関係のない「あれもこれも」やってしまうということにあると思います。明確な目的を作り、それに絞る。妙な「仲間意識」も不要です。必要なことだけやる。ネットで合理化できるものは徹底的に合理化する。クールにやる。

まずはすべての日本語教師にとっても納得がいき、業界以外の人も妥当だとアピールできるラインから始める。組織の基本的な目標に沿わないことはやらない。仕事を分担し、目的を最初にはっきりさせ、文章でルール化する。ちゃんと罰則も作りフェアに運営する。運営スタッフは必要ですがなるべく固定化させない。負担が大きい人には報酬を設定する、という方向で、とりあえずは以下のようなものでやれそうなことからやってみるでよいのではないでしょうか。

  • 日本語教師の現状を一般の人に知ってもらう。(Wikiの充実)
  • 日本語教師の専門性を一般の人に知ってもらう。(日本語教育関連の日本語関連のコラムなどでアピール)
  • 日本語学校はこうあるべき、という提案。(「日本語学校格付け」を学習者向けに多言語で公開)
  • 日本語教師養成講座の健全化(比較ページを受講者予備軍に向けて整理、評価、公開)
  • 社会貢献(一般の人の認知、評価を得るために必須。教材、素材の無料配布、古い教材の寄付窓口など)
  • 社会に対する提言していく(日本語教育関連の政策には日本語教師の立場からきちんと意思表示をする。ブログで提言をする。ここで「なるほど」と一般の人を説得できるかが勝負)
  • 日本語学校が守るべき労基法と具体例などを盛り込んでガイドラインを作る(サービス残業や無償の研修など違法な状態が続いていることはこれだけでかなり解決すると思います)

経営者、業界にもの申すというよりも、ネットで一般の人に日本語教師という仕事の中身や学習者の状況を知ってもらい、味方を増やすことを重視するほうがやり方としては早いと思いますし、やってて楽しいような気がします。楽しくないと続きません。

ネット上には日本語教師志望者向けの広告、ステマサイトが溢れてます。日本語教師の組織が広告ナシのサイトで提供する客観的な評価の情報価値はかなり高いはずです。日本語業界の外にいる人達にわかりやすく役に立つ情報を提供する。その人達の信頼を得て、味方にすることも大きな目的です。

オープンに、外に向けて情報を発信することは、自分達を守ることにつながります。オープンにやれることも、ネットでやっていくメリットです。打ち合わせ、会議は内々にSNSや掲示板でやるでいいと思いますが、その他は基本、オープンにできることは、可能な限りオープンにしてやっていく。

多言語化もその一環です。情報発信が、海外の学習者にとって大事なサイトになることで発言力も増します。サイトのコンテンツ力、アクセス数、検索順位がそのまま影響力となり、大きな武器になります。

 

大方針となる基本的な設立趣旨を決めておく

準備段階で目的をしぼるプロセスで、ハッキリしてくると思います。会員になる場合に最低限、これに賛同してもらわないとダメということ、これは抽象的だけども、個別のことを決める際にも道しるべになるようなもので、シンプルなほうがいいのではと思います。例えば「日本語教師という職業が、若い人の就職先の選択肢のひとつとなるために」とか「日本語教師を一生続けられる仕事にするために」みたいなことでいいのではと思います。

運営方針で混乱したり、議決などで議論がわかれたりという時に、この最初の設立趣旨に立ち返って「これは日本語教師が一生続けられる仕事になるために必要なことだろうか?」と検算できるような大きな理屈があるというのは結構便利なんです。

こういうワンフレーズがひとつ、あとはその下に、会員になる際に同意してもらうものとして、並べるものとしていくつかの項目がある、くらいでいいと思います。(ルールはその下にまたあって、当然、それも会員になる際に同意をもらう)

 

何人くらいを目標にすべきか?

2016年、国内の日本語教師の数は約35000人。常勤が約4000人、非常勤が約1万人、他はボランティアです。(これはこれから10年で5万人くらいになるかもしれませんが、それはさておき)今は、ネットをアクティブに活用できる人は多く見積もっても500人以下かもしれませんが、2015年前後に若い教師も増えたようですし、将来も見越して、ネットを軸にやっていくでいいと思います。

100人集まれば、関係者は横目でチラリぐらいは見ると思います。これまで日本語教師の待遇改善を主旨に盛り込み、その利益を代表する組織は作られたことがありませんから。

100人なら、年会費一人3000円で年の予算は30万円です。サイトの維持費、主催者、サイトメンテ、ブログ、翻訳、SNSの書き手など主要スタッフへの少額の報酬、くらいはできます。きりつめれば弁護士に相談くらいならできそうです。

おそらく300人に近づけば、確実に、最大の日本語教師の組織になります。予算は100万円だと顧問的な弁護士も雇えるはずです。日本語教師の数35000人のわずか1%程度とはいえ、大きな影響力を持てます。もう業界でも無視できないことになるはずです。例えば政府の政策に関して掲示板で意見書を出た時に、ブログで見解を出せば注目もされる。無視するのは勇気がいる。たとえ意見を取り込まれることがなくてもこちらのコメントに言及せざると得ないところまでいくのが最初のステップでしょうか。そうなると、日本語教師にとっても参加するメリットがハッキリ見えてきますから、より日本語教師の加入は促進されるはずです。

最終的には、日本語教育機関はこの組織が提案した労働条件をクリアして「認定」されないと教師募集がやりにくい、というところまでいけば成功だと思います。無理な要求をする必要はなく、常識的なセンでやり、ちゃんときちんと実行されているか検証もするだけでかなり前進するはずです。

 

会員の資格は?

オンラインをベースにやるので、国内の民間の日本語学校勤務の教師だけでなく、資格を持った日本語教師すべて、でいいと思います。当然、大学の留学生別科や海外の機関などで働く日本語教師も。

これらすべての教師の利益を考えながら進めていく。資格の有無を要件にすべきかは、議論があるでしょうが、私はとりあえず資格があることを軸にやっていくのが一般にも理解されやすいと思います。

👉 無資格の超ベテラン教師は例外規定で救えると思います。ただし無資格のボランティアは資格を取得した上で「職業として確立させる」という趣旨に賛同すれば加入できる。(有資格でも賛同しない人は加入できないでいいと思います)

会員登録は、まず設立趣旨に賛同し、ルールにも同意をもらう(今後会員で必要だと認められ作られたルールも遵守するという約束も)。組織としてやりたいことを示して協力することを誓う、守秘義務、個人情報漏らさない、というようなこと、あるいは免責事項も了承してもらった上で、名前、住所、住所が確認できるもの、などなどを郵送してもらい、仮パス発行、一ヶ月見学、正式に加入するなら会費を払って正式登録、という流れでしょうか。オンライン上のOfficeをどう作るかによりますが、LINEを軸にやるなら、グループに入ってもらう、みたいなことになると思います。

長い目でじっくり会員を増やしていくなら、数がほしいからと、個人情報無し、会費は免除でどんどんやるより、やはりきちんと連絡先やお名前などを確認しながら、手順を踏んで確実にやったほうがいいと思います。

👉 長く業界にいれば既得権を守る側になる傾向はどうしても出てきます。ただ非常勤講師が7割という実態がある以上は、非常勤の待遇改善重視でやっていくのが全体の労働環境の改善にはつながると思います。もちろんその先には、正規雇用の比率をあげていく(現在は日本語教育振興協会の内規で専任は3割程度でも日本語学校として認められている。この比率をせめて5:5くらいにするのは、いい目標だと思います)ということも視野に入ってくるはずです。場合によっては、すべての日本語教師でとは行かなくなり、袂を分かつかみたいな決断は出てくるかもしれません。社員である専任講師は会員にすべきか?みたいな議論になるかもしれません。それは組織の運営をやっていく中で方向性が決まれば、方針もおのずと決まるのではと思います。


👉 ただ、100人の組織で、年間30万くらいだと、まだ少ないはずです。運営は手弁当でやらざるとえないでしょう。最初は少ない金額でやっていくしかありませんが、長い目でみれば、運営スタッフへの報酬や経費を認めていくことが必要になってきます。それに加えて、最初に弁護士の一年の顧問料も見積もっておくべきです。その他でこれくらい、主要スタッフへの報酬は本来**円くらいであるべき、これがまかなえる**円を集めるのが最終的な目標というようなコンセンサスは、最初の段階で作り、会員の了承をとっておいたほうがいいと思います。最初からお金のことをクリアにしていくのは大事です。

👉 組織の力が強くなってくれば、日本語教師は、この組織に所属していなくても恩恵は受けることになるはずです。非会員にとっても、なくてはならない存在になってくる。同時に会員でなくてもメリットは享受できるんだからと入会は頭打ちになってくる、みたいなことも起きるようです。
ユニオンの影響力が増していけば、日本語学校は非会員は雇いにくいということになればいいのですが、当面は淡々と続けていけばいいと思います。

 

ネットでやるとはどういうことか

最初に必要なのは何と言ってもネット関連の知識とスキルです。これまでの日本語教育業界はここが弱い。そこに強くなり、武器として使いこなすしか道はないと思います。ネットは匿名の参加者を増やせるのも大きなメリットです。組織運営上、ネットを活用できるかどうかで運営コストが全然違ってくるはずです。ペーパーを頻繁に郵送したりをやる人を確保するのはかなり大変ですが、最初からネットでやるよと始めれば、PDF置いてダウンロードで済むわけですから。

 

ネットの管理とコスト

少なくとも運営管理をする人は複数(一人だと負担が大きすぎる)がレンサバを借り、必要なブログなどをインストールし、メンテすることができる知識がないと難しいです。ただし、これはやる気があればググれば得られる知識で、とりあえずレンサバを借りて三ヶ月くらいあれこれと試行錯誤すれば身につきます。レンサバは今、どこもコンパネでボタンひとつでたいていのことができます。計算もプログラミングの知識も不要です。最初から3人くらいが、それに習熟することにして、一緒にサイト作りをやれば大丈夫です。

ブログはWordPressであれば、特定のページにパスをかけられますから、そこを会員用のルールやお知らせをするページとして活用できます。WorpPressは世界シェアトップのブログスクリプトなので100人いれば、誰か使えると思います。

ドメインを取り、ブログを母艦にする。SNS(FacebookとTwitter)は作る。連絡はLINEでいいと思います。会議などは、大人数になる可能性がありますし、ログの記録も必要なので、あえてGoogle+を使うとか、報告だけならハングアウトでやって、コメントを記録する、あるいはGoogleスライドでライブコメントでコメントを拾いながらやる、という方法もあります。あれこれとサービスを使うより、作るアカウントはひとつのほうがいいので、会員はGoogleアカウントを取得することにして、Googleでやるのが一番無難かなと思います。

👉 費用は、ドメインは年1000(com,org,netなど)~3000(jp)円くらい。レンサバは年5000円前後です。その他SNSは無料なので経費としては年間6000円です。

👉 ツイッターを非公開設定で作り、フォローしあう、という方法もあります。アンケートなどで議決もできますし、これも検討の価値はあるかもしれません。

👉 私どもが作った無料のWeb版「日本語教育サクサク」にレンサバやオンラインオフィスの構築などを書きました。参考にしてください。

 

ネットならではの戦略

労働組合となると、実名参加が義務です。法律的にゴリゴリやるなら、そうするしかありませんが、前述にように実名では動きにくいということがあります。ネットで匿名で人を増やせる、というのは大きなメリットです。会員予備軍は世界中にいるわけですし、すべて(議論、会議、議決、提言など)ネットでやるでいいと思います。

会員登録する際は実名、実住所が必要だとしても、個人情報は管理者だけが知ることにして、互いには匿名が可能なコミュニティーにすることもできます。もちろん、対外的にも会員間でも匿名を守るという方向でいいと思います。会員はお互いに実名をしらないほうが、フェアに議論できるかもしれませんし。

ネットでやるということは、場所や方法が違うだけでなく、モノゴトの進め方もネット的にやるということになります。慣れればやりやすいはずです。情報は内部には個人情報以外100%公開、外部にも可能ならどんどん公開しフェアに進める。「透明性」は大事なポイントです。

裏取引、ネゴシエーションではなく、オープンな場で主張し交渉してくことで、業界以外のネットの人達を監視役にしてしまう、自分達も守ってもらう、というのがネットでのやり方ではないと思います。業界以外の人が「フェアなやり方だ」と感じる、ということを大事にする。直接物を言うよりも、一般の人を味方につけることを重視する。「一般の人ごしに」モノゴトを実現していく、ということが出来るのもネットならではの強み、戦略です。

オンラインでテキストだけのやり取りでやることは徹底したほうがよいと思います。リアルで会うのはいいけど、ユニオンの話はしない。議論はあくまでオンライン上で、全員が閲覧出来る場、ログが完全に残る場でやる。これによって「自分が知らないところで話し合いがあったらしい」「知らないところで誰かが決めた」ということが完全になくなります。

 

組織の運営あれこれ

正直に書きますと、日本語教師だけの組織の運営の問題は、集まる人達の基本的な仕事のスキルが低いとか、根本的に仕事をすることになれていないということから来るものが多く、なんとなくやると管理者的な人はクタクタに、組織はグズグズになってしまいます。人が人を管理するという形態は避けたほうが賢明です。ルールをしっかり作ってルール通りに進める、ルールが人を管理する形にするのが一番だと思います。

何か想定外のことが起きても、きちんとルールの解釈としてこうする、と決めてから進める、その後、正式にルール化する、というやり方です。誰かの裁量で無理に決めたり進めることをしない。「常識的にこうだ」という部分はどうしてもありますが、守れない人が一人でも出そうなら、細かいことまで、できるかぎりルール化するほうが、今は運営はスムーズに行きます。「そこまでルール化する?」というところまでやっておいたほうがいいです。

 

運営上のルール的な事

参加義務と議決権

具体的には最低月イチでオフィスにログイン、もしくはLINEなら、すべて既読にする、そして、大事な会議は参加する。参加できないなら事前に議決権をどうするか提出する。で決まったことには従う。納得できないなら、退会する。会費は返金しない、というような、大原則は作っておかないと混乱します。

👉 組織を抜けやすい、辞めやすいということも大事です。もちろん辞め方も復帰のルールも作っておく。辞めた人の個人情報をきちんと削除して本人にそれを確認するところまでマニュアル化しておく。

会議の進め方

議長は議論を進めるためにたたき台を出すことする場合は議決には参加しない。

ルールの運用

ルールは、守れるルールにして、罰則も作る。警告→イエローカード→2枚になったら会員資格停止。カードの記録はルールに記録し全員がみられるようにする(で、3年でリセットするとか)。「出口」をあらかじめ作って置くことも大事です。カードで辞めた人は復帰条件は厳しくしつつやはり復帰への道も準備しておく。(普通に辞めた人は復帰は手続きすれば可能とルールに書いておく)

以下、ルール設定の基本的な考え方として。。。

頑張る人が損をするような仕組みにしない(日本語教師のグループはそうなりがち。これだと続かないです。それは、まさに日本語学校における日本語教師の立場でもあるわけで、それを是正するのが目的の組織で、そうなってしまっては本末転倒)。お金が必要になったり、管理が必要になったり、(出版などで)利益が出るようなことも想定しておく。

とにかく特定の人の能力に頼らないことを意識したほうがいいです。人に頼る組織は脆いです。「あの人しかできない」ということを作らない。報酬設定しても、交代要員が常に1人以上いるようにする。個々が自立しつつ、組織の維持に協力するということにならないと続きません。

ルールは構成としては、まずイエローが出るような基本的な事項を作りその次に、組織の運営に応じて、細かいルールを作っていく、と言う構成でしょうか。基本的なものなら、例えば、、、

・オフィスでの議論では、組織に関係ないおしゃべりは禁止
・議題を出した人はその議論を仕切る。まとめて終わらせて結論を出す。
・時間は日本標準時が基準、24時間で書く。
・投稿記事に著作権はない。会議などでの発言の著作権は組織にある。退会する際も削除できない。
・ルールの解釈ミス。
・個人情報、内部情報を漏らす。
・その他、運営に支障がでる行い、発言。
・割り当てられた仕事のシェアをしない時。
・運営方法などに関する、会議室での議論への積極的な参加。(議決への不参加*回)

みたいなカンジです。会員になる際に組織の目的みたいなものに賛同するかというもの(憲法的な)を読んで貰うわけですが、こっちは法律のほうです。これも会員になる際に「こういうルールでやるよ」と了承をもらっておいたほうがいいと思います。これをもうちょっとしっかり作って、違反の場合は警告なのかイエローなのかレッドなのかを、ちゃんと書く。さらに、この後に個別の事項について細かいルールも書いていく。で、それを会員の目につきやすいところに常に掲載しておきます。

 

必要なスタッフ

最初から、そういう役割をする人として決めた方がいいと思います。最低限、必要な役割、例として、ちょっと書いてみます。

□ 代表

→ 代表と副で2,3人のほうがいい?顔としての役割、会議の仕切り、会議の議論のたたき台を出す。人ではなくルールが優先であるべきなので、リーダーシップは大事ではなく調整型でいい。

□ スポークスパーソン

→ 対外的な説明する人。対外的には代表の肩書きでもいいかも。できればブログ、SNS発信も担当。メールでの交渉なども。代表とは分ける。バランス感覚、説明能力大事。ツイッターで炎上するような人はダメ。対外的な代表は、スポークスパーソンでいい。ただかなり仕事の負担が大きい。

□ 情報管理者

→ 一人。できれば固定する。唯一、会員の本名、連絡先を知ることになります。情報の金庫番。今やホントの金庫番より重要です。辞める時は誰かに引き継ぐ。

□ ウェブ管理者

→ 2人。メンテと更新作業を担当する。SNS担当も別に作るのが理想的。事前にネットで書く際のルールも決める。

□ 経理担当

→ 1人。お金の管理。経理経験者。得意な人に。

* 法律顧問

→ 顧問としてやっていただくのは難しくても早い段階で相談できる法律関係者はつくっておいたほうがいいと思います。本格的なユニオンには顧問弁護士「団」があります。ただ最初は相談できる人を作っておくくらいでいいかもしれません。

名誉棄損で訴えられるまでいくかはわかりませんが、内容証明程度のことにはビビらなくて済むように、労働法方面だけでなく他の相談にも乗ってくれそうな人(だとやはり弁護士が心強いでしょうか)がいたほうがいいと思います。逆にオカシナことを書かれたり言われたりしたら、カジュアルに内容証明送るくらいのたくましさは必要です。とりあえず「今度こんな組織を作ります。いつか相談させてください」とメール送るなりして、労働関係の法律関係者(特に教育方面での労働訴訟などに関わったところ)に声をかけてみては?(中にはヘンな法律関係者もいるのでご注意を。ちゃんと味方になってくれる人を、できれば複数箇所あたりながら探して下さい)

—————-

以上で最低5-10人くらいでしょうか。この人達には報酬を設定してもいいと思います。代表、スポークスパーソン、ウェブ管理者の負担は同じくらいではないかと思います。これを10とすると、情報管理者は、5くらいでしょうか。ただし、個人情報管理のプレッシャーは大きいですし、会員間のコンタクトの個人情報の中継役をするならちょっと負担は大きいです。

それぞれ、交代要員含め+10人くらい、合計20人が予備スタッフとしていれば、100人でも300人でも維持できるのではと思います。こういう組織を作ろうと呼びかけるような人は必要ですが、そういう人が必ずしも代表やスポークスパーソンに向いているとは限りません。自分の考えを抑えて、対外的に説明できる人、妥協し落としどころをみつけることができる人をあらためて探すほうがいいと思います。

代表は組織内の仕切り役と対外的なスポークスパーソンとで分けたほうがいいと思います。
仕切り役はリーダーシップというより、調整して落としどころを捜し妥協案を提案できる人で十分です。スポークスパーソンは、対外的に説明できる。住所が必要な場合もあるので、住所を出せる人が一人必要です。代表でもスポークスパーソンでも。いろんな手続きの名前として使う、という役割にしたほうがいいと思います。これも強いリーダーである必要はなく、全員の総意をきちんと一般の人に説明することができる能力が大事です。

もちろん、一定の期間で交代するシステムが望ましいです。で、町内会のように、元役員は数名、顧問として次の期の一期は残る。最初は、交代可能な人を作るために半年ごとに交代。その後、3年ごとに改選で、最大2期まで、再選なし、くらいのルールでいいのでは。

👉 スポークスパーソンというのは、対外的に何かを話す時に絶対に個人的な意見、感想を述べない仕事、ということが大事です。「個人的にどうか?」と聞かれても答えない。その時点で組織で了承がある範囲で対外的に「説明する」のが仕事です。

 

運営上の注意点

 

1)お金を払うべきことはハッキリさせる。

会費の徴収などは前に書きました。それ以外のお金のことです。

→ こういうことは、誰かの善意や頑張りに依存すると続きません。役職的な人への報酬はもちろん、翻訳などボランティアでやります、という人が出てくると思います。イラストも描きますとか。日本語教育業界ではよくあります。ただ、やはりやるならプロに発注したほうがいい。翻訳などは予算がない間は身内でやるとしても、安くても料金設定はする。基本、日本語教師は正当な報酬を得られるべきだという考え方があるのなら、他の仕事に対しても、きちんと報酬を設定すべきです。で、可能なら身内でなく、外部のプロの方とプロの相場でやる。そうやって他の業界のプロの方と繋がりを作ることもいいことだと思います。

翻訳なら、日本語の1文字3円くらい(2016年のプロの最安値)を目安に。身内価格でちょい安にするとしても、必ずわかりやすい料金体系を作っておく。イラストは相場がありますが、厳しいなら安い料金で交渉する。払えないなら無理にイラスト入れない。(素人っぽい「カワイイ」イラストはもう飽和状態で、今は、むしろないほうがいいという気はします)最初に料金を提示して、契約書もきちんと権利関係はっきりさせて、前払いで払う、ということをきちんとやるべきです。

無料だと仕事の負担で不公平が生じますし、質が低い場合にボツにできなくなります。調査にかかる経費も自腹じゃなく捻出する。そのための原資は最初は公平に定額を負担していくしかないと思います。100人なら、一人年3000円で年間予算が30万になります。ギリギリでるとは思います。翻訳は文字数をダイエットするとか、最初は英訳だけでやればいいですから。

👉 代表や経理など、主要スタッフへの報酬は上限額を決めて、最初にそれを目標にすると宣言しておいたほうがいいと思います。それに足りなくても最初から報酬は払い、受け取る。100人を超えると、負担が大きい役職は、やはり月額で一人5万円くらいは得られる仕組みにしないと続かないかもしれません。つまり、「報酬額は月額10万円だけど、今は集まらないので2万円から支給、3年後に5万円、10年後にフル(10万円)」とする、みたいなことを書く。で、書いた年になって会員数が増えなければ、会費の値上げで対応する。(それを会員にも事前に了承してもらっておいたほうがいいです)
また、会費は、繰り越し金が出ない程度に設定して、足りなくなったら、例えば「**の翻訳料が**かかる。会員の人数で割ると一人**円になるのでお願いします」とやったほうが透明性が高く納得ということになるのではという気がします。そういうことが続けば翌年から会費をあげることにすればいい。

 

2)契約書をきちんと作る

会員となる際にルールを遵守する、守秘義務や個人情報守る、(特に)免責などなどのペーパーは作った方がいいと思います。PDFで作ってオンライン上のフォームにして送信できるような形で(電子署名は法的にはあと一步なのでこれはプリントアウト&郵送しかないです)。主要スタッフも報酬を受け取るわけなので、ペーパーは作った方がいい。領収も必要ですし。ここは実名、実住所になるので、発送する先は、個人情報管理担当者です。

この種の組織は個人情報が漏れたことが解雇など具体的な大きな損害に繋がる可能性が高く、免責にサインしたものがないと、訴えられた時、かなり厳しいです。正式な労働組合でも法人でない場合は個人が対象となりほぼ有限責任となります。代表者、管理責任を負うべき人達のリスクは高い。

 

3)期限をきって進める。

ブログで提言として公開するものなら、*月*日に公開、下書き完成が*日と決めて、そこからそのために*日までに~とスケジュールを決めて行く。途中で予定どおりいかないと思ったらリスケをして、あらためてスケジュールを作る。これをやらないとモノゴトを進めるペースというものを覚えてくれない。リスケは最初は2度、3度とやることになるかもしれません。ここでどうしても足手まといになる人は切っていくしかありません。残念ながら「期日*日なら*日あたりまでにこれをやっておかないと」というようなことが身についていない人はいます。重要な仕事をまかせるのは無理です。そのうちスケジュール感覚が身につく人が増えれば、スムーズにいくと思います。

もうひとつ、議決までのプロセスを2種類ぐらい決めておくのも大事です。次の4)で触れますが、議論して決めるべき事、承認くらいでいけそうなこと、に分けて、後者は議決までの最短期限にします。その最短期限が議決などをする掲示板もしくはSNSのタイムラインへのアクセスの頻度のルールになります。出欠がとれるかはともかく、少なくともわかるような仕組みも必要です。

 

4)モノゴトを決めるプロセスをあらかじめ決めて全員で共有する

例えばこういう形です。

1:最初の1週間:課題について自由にアイデアレベルのものを出す。人のアイデアにはつっこまない。(ブレスト段階)
2:次の一週間:出たアイデアに実現可能かというポイントでツッコミを入れること可にする。
3:一旦リセット。
4:2週間:本格的な提案をする、提案者は説明。質疑にも対応。説得が難しければ妥協案もあらためて出すことができる。
5:議決のための整理。出た案を5つなら5つにして、もうひとつ「議決をしない」を加えて一次投票。
6:1週間:議決を受けて上位2つで、あらためて提案者が投稿。決選投票。この投票にも「議決をしない」を入れる。

仕切り役が自分の考えで判断する場面は5だけです。ここで例えば、ABC案がある。有力な案はAとB、でもCは会員の負担が少なく「楽」なので、人気が集まる可能性がある、という場合、仕切り役の権限で、ちゃんと説明したうえで、C案をカットすることを提案可にする。(これやらないと楽なほうに人が集まってしまう、ということはよくある)

「議決をしない」が多数なら、これはひとまずはやらないことになる。一次投票で多数になれば、重要性を感じていないということなので、当分保留。それぞれペンディングの期間を設定してもいいかもしません。一次敗退は半年議題として上げることはできない、みたいな。決戦投票の段階での「議決しない」は、会員は必要性は感じているが決められなかった、ということになるので、近い将来議案にあがる可能性があるけど、例えば、三ヶ月はペンディング期間とか。

ただ「議論する時間がもう少し必要」という理由で「議決をしない」とするのは、極力避ける。こういう組織はフットワーク軽く動けるのも大事な武器なので、一ヶ月あれば十分に考える時間はあるはずと、基本的には考える。

以上のようなモノゴトを決めるためのプロセスを仕切り役だけでなく、全員が理解してやることが大事です。ルールに入れておくでいいのでは。要するに議論のための議論ではなく決めるために議論するという意識を持ってもらう、これに期限をきってあれば、必ず決めるべきことは決まります。決められないこともハッキリします。

議決への参加も2段階くらいに分けたほうがいいかもしれません。必ず参加し、不参加の場合はイエローカードのものと、不参加はOKだけど、了承とみなす(将来は議決権を譲渡する文書なども交わすような形にするとしても)という2種類です。後者は、ルールの軽い修正や、組織の理念に基づいたセンでリアクションをブログで出すような時の承認なら、これでいいかなという気がします。何でもきっちり議決しないとできないとなったら、フットワーク重くなってしまうので。
この2種類の判断は仕切り役がやるでいいでしょうか。(結構、重要な判断なので、ゆくゆくは、これも、仕切り役提案→1週間で簡易議決みたいなことを入れてもいいかもしれません)

👉 もう少しスピードが必要な場合は、提案者がたたき台になる素案を出して承認を得るでOKというのもアリだと思います。運営提案として、4からスタートするイメージです。基本的な組織のスタンスがハッキリしてくれば、例えば政府が何かの方針を出したり、審議会をするという場合に、コメントを出すのもスムーズに決まるはずですが、それでも、正式なコメントとして出すなら、承認プロセスが必要です。この設定期間が例えば一週間のうちに議決なら、組織の活動の基本は1週間が最小単位になると思います。
つまり、会員は週に1度は議決が行われる掲示板かSNSにアクセスして、意志を表明しなければならないというルールになります。これで「自分が知らない間に決まっていた」ということは無くなります。

👉 全員一致はないと全員が自覚し、こういう組織では妥協点を全員で作るものだと最初から強く意識してもらうことが大事です。仕切り役はクールに、妥協できるところを見極めて提案する。始めることに価値があるならまず妥協点から始める。それでもどうしても譲れないなどという人はカットでいいと思います。

 

5)余計なことをしない。群れない。

同じ趣味、仕事の人が集まると、やりたくなること、やりがちなことは決まっていて、例えば、教え方のノウハウのシェアや同じ環境だからわかる業界の話、愚痴を語り合う的なもの、などです。ただ、そういうことはあえてやらないほうがいいと思います。

やりがちなことをあえてやらないことで、やることをハッキリさせる。参加する人の負担は最小限に抑える。続けていくとどうしても、贅肉がついていきますが、時々、見直して活用されてない、無駄だと思うモノはカットする。より合理的な方法(新しいネットのサービスとか)がみつかったら乗り換える、というようなことをしてください。

友達を作るのが目的ではないのでリアルでも会わない。ネットだけのやり取りにする。海外の教師などリアルでは集まれない人もいるのでリアルで会って話をすすめるのはアンフェアです。(もちろん主要スタッフだけで話して何かを決めたりもしない。主要スタッフの話し合いもオンラインの掲示板かgoogle+上で公開しながらやる)

もちろん、飲み会をしない。打ち上げしない。掲示板もしくは専用の連絡方法以外のところで人間関係を作らない。そういうことがやりたい人はそういうコミュニティか、SNSでやればいいわけですから。

これで、余計な経費はほぼ無くなるはずです。仮に経費が必要になるなら、事前に説明し、ちゃんと項目をつけて、項目で領収者をとり、ネット上にあげる、くらいでいいと思います。

 

6)スタッフ歴で区別しない

オンラインのやり取りだけでちゃんとログを残すことを徹底すれば、過去ログを読むなり見るなりすれば誰でも同じスタートラインです。個人情報管理は初期スタッフに限定するとしても、主要スタッフは持ち回りで平等にまわして一人でも多くの人に主要スタッフとしての仕事をしてもらうほうがいいと思います。ルール上はもちろん、古株だから、設立スタッフだから特別ということはまったくない、と時々はっきり、きちんと言いながら進めたほうがいいと思います。(でないと古株のほうが発言権が強いという暗黙の了解が出来てしまいます。これは新規の人の甘えに繋がります。「後輩風」はやっかいなんです)

👉 もちろん、実名、匿名の区別もなしです。実名の人のほうが強いということはなしです。とにかく議論する時に関係のない先輩後輩的なことをからめない。すべての人は「1」です。仕切り役は、そういう芽が出そうな時は察知してキッチリ摘むことをしていかないと、あっという間に蔓延します。

 

組織維持のための仕事をする人は大きくなれば増えますが、きちんと作れば、10人と100人で10倍にはなりません。100人の組織を意識して進めていけば、多分、1000人になっても、20人くらいで動かせる、微調整でいけるはずです。町内会などでも、500世帯で2000人くらいのコミュニティーを20人くらいの役員、実際の動く人が10人くらいでまわしてます。上手にシェアすれば、仕切り役やその周辺の仕事の役割があるスタッフの負担も軽減できます。すべての人に負担の少ない公平なルール作りとそれを守る体制作りがポイントになると思います。

 

情報管理

管理担当を決める

私が日本語学校の経営者だったら、ユニオンが出来たら、必ず知り合いの教師に探ってもらおうとすると思います。都合の悪い提案が出そうだったら、議論を混乱させて分裂させるかも。こういうこともひとまず想定しておくべきでしょう。性善説で作った組織は弱いです。

内部でのやり取り、議論レベルの情報は漏れるという前提で考えておくことが大事です。もちろん会員には守秘義務を入れた誓約を取る、ルールでも対処する、管理するけど、それで漏れないとは考えない、ということです。中の議論が漏れることは避けられない、ということから情報管理をスタートする。

個人情報が漏れるのはほとんどの場合、ヒューマンエラーです。なるべく管理する人を限定したほうがいいと思います。基本1人で補佐として1人、合計2人。その担当は聞かれても絶対に答えてはいけない守秘義務があると契約書にサインをする。主要スタッフ間も、本人が公開しない場合は互いに実名知らない、お互いに尋ねない、でいいと思います。その他はいっさいわからないようにする。原則、問い合わせても教えない。

こういう活動は、所属しているというだけで、学校で「犯人捜し」をされることになる可能性があります。匿名を守る、保証することは、かなり重要です。しっかりとした管理体制を作り、それをきちんと公開して安心してもらった上で人を集める。

というようなルールを作り厳密に運営していったほうがいいと思います。ニックネームでやりとりし、会議、議決の際はニックネームでいい。googleアカウントは実名でとってる人はこのユニオン用に匿名で取るほうがいいでしょう。

匿名のレベル分け

匿名の段階はいくつか分けたほうがいいような気がします。ただしこの種の組織は日本語教師であること、というような加入条件が必要ですし、最低限、本人確認ができないとまずいので、本人確認ができる文書、名前、住所、所属機関もしくは仕事場、名前が入った有資格の証明、は必要で、本人確認ができる(現住所が書いてある光熱費請求とか)ものを郵送してもらうぐらいはやったほうがいいと思います。そしてその管理も情報管理者一人がやる。名簿管理のアレコレ、代表gmailアカウントで、とデジタルでやる方法はいろいろありますが、ここは、むしろ紙で管理するほうが流出リスクは低いので一人1ページで紙でファイリングすることをお薦めします。

オンライン上に名簿を置いたり、エクセルにしてまとめるのは、楽ですが、やめたほうがいいかも。

その上で、本人の希望により、、、

1)原則匿名:組織内では情報管理者以外知ることが出来ない。
2)組織活動内匿名:情報管理者にコンタクトしたいと問い合わせがあり、本人OKなら教える。(情報管理担当が仲介者となる)
3)組織内オープン:内部では公開する。
4)完全オープン:対外的にも名前を出してもよい。

くらいにわけて選ぶくらいがいいかも。ただ基本、実名までです。その他は所属、住所はもちろん、メアドも非公開。個人情報をこういう形で管理し匿名が守られると示した上で、会員になる際の情報を送って貰う。登録情報は、実名、実住所、所属機関、会員用の匿名(ニックネーム、半角英数でダブらないかチェックする)、くらいで、いいでしょうか。

すべての個人情報は、情報管理者一人だけが知っている。しかも電子化せず、紙でファイリングしてる、なら、よほどのことがないかぎり流出は防げます。300人くらいまでなら、一人1枚で二穴ファイル5つぐらいです。

👉 2)の個人情報の仲介をやると情報管理人が大変かもしれません。まず基本匿名、実名でやる人はそれでもOKですが、自己責任。会員間の個人情報の仲介はしない、が楽かもしれません。

👉 紙は大変…ということなら、GoogleDrive上で管理者のみが入れるフォルダ内でスプレッドーシートなどで管理、ダウンロードはしない。ドライブ上だけでやる。担当交代時は共有設定を変更、という形でしょうか。

👉 名前を出すリスクは予測できません。ユニオンがきちんと社会的に認められたとしても「日本語教師ユニオンに所属している教師は雇わない」「専任にしない」「名簿を探られる」という戦前のようなことは起きる可能性が高いと思います。名簿が流出したら訴訟になるかもしれません(それもあらかじめ入会時に了承求めた方がいいかも。防げないこともあると)具体的には名前を出した人が解雇されるようなことがあったらチャンスだと思ってきっちり検証して声をあげるべきです。泣き寝入りをせず、当事者にはわかるくらいの形で「こういうことがあったと報告があり。組織として調査を進めている」とブログで一般に公表するくらいはすべきです。こういうことはある程度、いろいろ覚悟が必要なのは確かです。

今はさくらやロリポなどの代表的なレンサバでは、年5000円のコースでも、基本、無制限に転送メールアドレスを作れます。レンサバをかりる際に確認してみてください。ただし数百人になると管理が大変(会員の出入りの度に消したり、ダブルと作れないので新規に作る際にそれを確認したり)なので、300人くらいまでは、転送メアドでいく、超えたら、大型掲示板を導入、でもいいかもしれません。


👉 発行する転送メアドは、発行年月を頭に入れて、2016年1月加入なら 1601_Tanachan_03@nihongounion.com などとすれば管理が楽です。発行年_組織内で使うニックネーム_数字(最初は01かぶった場合は02、03にする)、みたいに決めるともっと楽。

👉 会員への連絡方法も一斉送信でと考えると、一斉送信用転送メアドを作るとかメルマガ的なものを導入してもいいんですが(そういうサービスもレンサバにあります)、メール軸にやると退会入会の処理が大変で(自分でやる式にしてもちゃんとやってくれない、やり方わからないみたいなことが多い)メール管理の責任も発生しますから、会員管理でも、対外的な情報発信でも個人のメアドを使う方法は避けたほうが無難だと思います。SNSのアカウントかブログのフィードをチェックするというルールにして自主的にアクセスして、のほうが楽。ネット苦手でメールしかやらないみたいな人達にもブログ読んだりSNSやったりといい練習になりますし。

👉 レンサバ借りれば、POPメアドも作れると思いますが、これはまた管理大変なので、主要スタッフのみでいいと思います。多くて50くらいまでが限界かも。

 

蛇足ですが。。。

日本語教師が集まるとおきがちなアルアルです。

・私なりにがんばった、自分ができる範囲で、という人問題。

→ 病気などで本当にできない場合を除いて、その人のできる範囲は考慮する必要はありません。同じことを30分で出来る人と3日で出来る人がいますが、仕事の量は変えない。3日かかる人は3日かけてやってもらう。

・「私の経験、能力では安くても仕方が無い」という人。

→ これは謙虚なのではなく「自分はあまり勉強する気がない」「そんなに長居する気はない」ということが隠し味になっていることが多く、結果として自分ではなく日本語教師という仕事を自分で勝手にディスカウントしていることに気がついてないんですが。スキルが上がっても給料があがる保証なんて全然ないよ、と実例をあげて伝えてもダメなら説得は難しいです。長年やろうと考えているなら、もうちょっとお金のことをちゃんと考えるはずですし。

・学校も儲かってるわけではない、彼らもがんばってる

→ これも口には出さないけど、日本語教育業界にある根強い理屈です。留学生は基本、お金がない人が多いのは事実で、日本語学校経営が長い目でみて儲かるものではないことも事実です。ただ何も高額な給料を払えと言ってるわけじゃないので関係ありません。公的なものであれ、市場原理であれ、教育機関が教師にきちんと給料が払えないなら、淘汰される仕組みになってないとオカシイのです。

よく「苦しい時期に無給でがんばった日本語教師の美談」みたいな伝説が残ってたりします。そういう伝説の教師達も一緒になって「お金のことをアレコレ言う教師はダメ」という雰囲気を作っている学校があります。言うまでも無く、そういう学校や人達は説得しようなどと考えないほうがいいと思います。


・「忙しい」と「大変」を禁句に。

→ したほうがいいと思います。忙しさと大変さは較べようがありません。割り当てられた仕事はするという選択肢しかないとしないと動きません。

・私は今の環境に満足している。
・私の周囲の学校、人、経営者はちゃんとしている。

→ と言う人は自分の周囲しか見えてないのではなく、自分の周囲しか見ないという選択をしたということなので説得はあきらめてスルーするしかありません。実はこういう人達こそが最も大きな障害、ということはよくある話です。日本語教育業界にはたくさんいます。説得もせず、敵視もせず、スルーして、いつかこういう人達が、シレッと加入したくなるような組織にしましょう。

 

とにかくいろんな人がいます。正直、他の職業よりやや仕事をする訓練を受けてないタイプの人が多い。日時やルールに対する感覚もルーズです。会費も期限までに納めない人も多分出てきます。それを見越して、それを織り込んだルールを設定しておく。ルールで罰則を決め「機械的に」「厳格に」対処する、人が処分するのではなく(加入時に自分が了承した)ルールが処分するということであれば、しこりも残りにくい。

例えばオンラインの議論をするところへのアクセス義務が週1なら、それが守られてないとわかった時はイエローカード。メールの返信はマナーとして24時間以内、ルールとして土日祝+24時間以内、などと決めることで、メールチェックの習慣をつけてもらうという意味もあります。議決に参加したかどうかはわかるので、一定回数不参加が続けばカードでいいと思います。将来は全員参加は難しいかもしれませんが、最初の作っていく段階では最低限の参加は求めてもいいのでは。

会員の数を考えて、ずるずる引き留める、処分を保留にするみたいなことも、やめたほうがよいと思います。大人の集まりですから、叱って成長してもらおうなどと考えず、淡々とカードを出して、ルールに従って処分する、残った人でやっていく、と割り切ってやらないと、管理の仕事をする人がストレスで疲れてしまいます。特に初期(最初の3年くらい?)は、しっかりやる人を確保すること優先でいいはずです。

こういう組織は会員数は大事ですが、誰でも入れると運営が大変になるだけだと思います。ある程度、ちゃんとシェアすべき仕事はやる、お金は出す、という人に絞っていいと思います。

結果、基本的な仕事のルールは守れるプロ志向の日本語教師が集まることで、ユニオンの教師の雇用率が高いほど教師の質が高い、ということになるでしょうし、それを推進するために、ユニオン所属の教師の比率を「日本語学校格付け」に追加してもいい。学校も従順だけどダメな教師より、ちゃんとした教師を雇いたいはずです。最終的にはハリウッドのように、ユニオン以外からは雇えない、ユニオンに所属しないと教師として仕事ができない、というような形も目指すことができます。

やってみたら面白いかも

最も大事なことである職場の環境改善はしっかりやるわけですが、その他、日常活動として、無理のない範囲でいろんなことができると思います。

まずは日本語教師の組織の活動として簡単にやれそうなことから。。。

日本語の教材シェア窓口

社会的に意義のある活動ですし、日本語教師の組織がやるのなら、窓口として一般にも信頼を得られそうなことではないかと思います。学校は出版社との関係もありやりにくいでしょうから、日本語教師の組織の活動としてはピッタリという気がします。業界の外での信頼、認知にも繋がります。学期ごとに不要になる教科書などを学習者から寄付を募りストックし、年に一度、海外の教材が不足している地域や国内の地域日本語教室などに寄付をする。ある程度ニーズ調査をして、教材のタイトル、版などをしぼってやる。(一般書まで広げると大変になるはず)

ストックする場所と買い取りと発送の経費があれば可能です。毎年やることとして続けていけばネットで多少は寄付が集まるかもしれません。結構お金がかかりますから寄付を募ってもいいかもしれない。こういうことは、考え方の違いを超えて寄付が集まりやすい。もちろん、寄付でやるなら、報告などきちんとやらないといけなくなるので、事務経費は増えますが。
(北米に送る場合、ヤマトを使ってダンボールひとつ5000~1万円くらいです)
http://www.yamatoamerica.com/
http://www.shipping.jp/intl/


👉 寄付でなく買い取りというやり方もある。おそらくそのほうが集まりやすい。ただ、これもあらかじめ買い取る教材の種類と金額(状態にAB判定くらいして)を決めておく。一定数に達したらストップしてもいい。ただし買い取りが法的にOKなのかは未確認。寄付前提であっても古物商の免許だとかという話になるのかも。

日本語教育関連のウィキの充実

これはイベントというより日常活動のひとつとしてやってもいいと思います。全員参加型でもよさそうです。今は、項目も記述もとても少なく、現在は、特定の書き込みする人がわりと雑で自分勝手な編集や項目立てをしているという状況です。もちろん、組織のブログなどで、日本語教育に関していろいろと知ってもらうための活動はやっていくとしても、まだウィキペディアにはかないません。今は、グーグルでキーワード検索をすると、ウィキの項目がかなり上位(ほぼ1ページ目)に来るので、一般の人が日本語教育について知ろうとした時の情報源がウィキということはとても多いです。つまり一般の人に日本語教育について知って欲しいと思った時に、ウィキをきちんと関係者が充実させていくことはとても大事です。記述内容は組織内で募集できますし。

方法

チームを組んでやる、専門的な項目については大学などの研究者の力も借りる。新しい項目を作る時は、話し合って原稿書きから始める。複数でチェックをしてから、項目を立てる。(ただ個人の項目は作らない。評価はいろいろありますし問題が多いので。何か日本語教師の組織ができるとしても、その組織に関わる人は項目は作れないので注意)
つまりチーム名、組織名でやるのがいいかと思います。

編集合戦みたいなことに参戦はしないでいいと思いますが、ウィキのルールに基づいて編集されているかというウォッチも必要になってくると思います。

まずはWikipediaのルールの確認、学習からはじめるほうがいいと思います。
https://ja.wikipedia.org/wiki/Wikipedia:%E6%96%B9%E9%87%9D%E3%81%A8%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3

Wikipediaで期待されているものというのがあるので、それにそって書く。余計なもの、間違っているものは他の人が書いたものでも削除&修正する。偏った記述があれば、加筆する。で、参考資料、引用文献をきちんと書く。ということから始めてみては?

 

日本語教師による日本語学校格付け

ターゲットは、日本語学校を選ぶ人、日本に留学を考えている学習者です。多言語化し、今はブラックボックスとなっている日本語学校の情報をきちんと、必要な人達に届ける、ということがひとつめの目的。日本語教師による日本語教育の質の評価を加味することによって、市場において、日本語教育力による健全な競争を促進することが狙いです。

格付けまではやるか?私は思いきってやったほうがいいと思う。単なる一覧と格付けでは、世間の注目度も全然違いますし。無理にランキングにしなくても、Sランク、Aランク、Bランク、その他にしても、一覧で問題アリマークが多ければ警戒するでしょうし。いわゆる大学の格付けのように、格付けの方法もきちんと書いて、収集した情報も100%ではないこと、日本語教師による評価なのでもちろんバイアスはあるがひとつの客観的な指標になるであろうこと、この格付けが、日本語教育業界で日本語を教える力での競争のきっかけになることを願って作ったというようなことは明記する。

私どもでも、文科省提出のデータを整理して一覧化をしましたが、これを活用(一覧は著作権はCCです)して、独自の一覧を作り、公開してみてください。

日本語学校データ
http://webjapanese.com/books/books/nihongo/school/

日本語学校格付け 試案

日本語教師による評価なので、考え方の基本は

1)日本語の教育力が軸となる。
2)教育力は、日本語教師の経歴、待遇などが重要なポイントとなる。
3)どういう教え方(新しいとか古いとか)かは、原則評価しない。

つまり、教育力が軸ではありますが、最初は、独自の教材とか教授法、教師の教育システムまで切り込むのは大変なので、そこは深くはやらずに(独自教材があれば+1ポイントなどと加点してもいいとは思いますが)客観的にわかるものを軸にやっていく。この点、不満があるかもしれませんが、現実にやるのは厳しいので妥協する。まず一覧で客観データ並べるだけでも価値があるので、そこから始める。

評価軸(議論があるところでしょうから、考えられる項目を並べるだけで)

1)教師の質評価

・資格の有無(試験か講座かは問わない、ダブルかどうかも問う必要はないと思う。正式な有資格者かどうかだけ)
・講師が修士、博士を持っている場合は加算。
・講師の経験時間
(年数でなく時間数を概算で出す。10年以上相当を中堅、20年以上をベテランとしてポイント付与、かつ3つの比率も)
・専任、非常勤の比率(現状3:7だが、あるべき比率5:5あたりを0として評価)
・専任一人あたりの生徒数。(これは微妙ですが出せるなら)
・教師の給料(十分、普通、安い、論外、くらいで分ける、一年目の時給額はハッキリわかるので書けるはず)
・教師の離職率(出せるかはわからないが、定着率が高いほどいい学校であるというのは大事な指標。自己申告でもいいかも)

2)学校評価

ハード面

→ ここは客観的な数字を出しやすく指標になるので淡々と。しかし軽視しない。

・自社ビルか?:学校が所有しているというより、ビルの所有者が事実上のオーナーで、自社ビルのテナントをとりあえず埋める的な発想ではじめたところも多い。(基本学校法人、準学校法人は原則自社所有がほとんどなので学校の区分も重要)
・学校の広さ:学校の面積と学生数で数字を出す。
・自習室の有無、使える時間数、使える機器、Wifi環境。
・トイレの数、質(ハード評価では重要)
・写真:雑居ビルのフロアなら、それを明記して写真を撮って公開。
・教務室の広さ(教務をどの程度重視しているかの指標として)
・デジタル方面(Wifi、ハンドアウトのデジタル化あたりまでが限界か?積極的なところを評価するためもうちょっとハードルをあげるか?)

ソフト面

→ ここはどうしても主観評価が入るので抑え気味に。

・運営主体。学校名ではなく法人名。ネット上に公開されている財務データ。
・進学率(一般試験、推薦、大学、専門学校などで4つくらいに分ける。大学の難易度は2段階くらいに)
・能試、留学生試験の合格率、成績。
・授業外の学習環境の提供(自習室で質問対応してくれるか)
・養成講座の有無(これはもちろんあるからいい、ダメ、というものではない。養成講座は別にやるならそこの評価にリンクしてもいいので、とりあえず有無だけでいいかも)
・電話対応(これは結構大事。ポイントとして加算はしなくても評価だけでもプレッシャーになる。公開すれば次回、問い合わせもしやすくなりますし)

以上、無理して評価を作らない。信頼性を担保するために、なるべく淡々と客観評価を出しやすいものをピックアップし
そこに教師の待遇を入れていく。進学率、能試の合格率、授業界の環境は、調べられないなら載せなくてもOK。そういう情報は正確な数字は揃わない可能性が高いし、間違った場合の修正対応も大変なので。逆にトイレの数など変更しにくく、調査しやすい。比較軸としては弱いものでも、ハッキリ数字が出るものは入れていく。ただしポイントの比重はあくまで教師の待遇が軸で、そこが7割くらいでいいと思う。こういう格付けはポジショントークだと観る側も分かっていてみるものなので、ハッキリ個性を打ち出したほうがいい。

評価のポイント配分などは議論して落としどころをみつけるのはとても時間がかかるので、たたき台を出し、3ヶ月など期限をきって議論し、期限が来たら、そこまでの議論を反映してとにかくスタートすることが重要。評価方法はどうやっても批判はでるので、基本的には「批判はあるのはわかるけど、これは私達の指標なので基本これでいきます。微調整はします」ということでいいと思う。実際に大学格付けもいろいろ微調整しているので。とにかく公開情報を一覧にして公開することからでも始めてみてじょじょに質を高めて、3年後に格付け的なものにする、という計画でもいいと思う。


👉 経営者の情熱とか日本語教育への理解みたいなことはまったく考慮すべきじゃないと思います。この種の評価で、それやったら終わり、という気がします。


👉 学生の失踪率なんてことも調べればある程度出せそうですが、総合評価に近づけるよりも、日本語教師による評価という個性を大事にしていく、やはり、教師の待遇=学校の日本語教育の質なのだというコンセプトを大事にしたほうがいいような気がします。それができるのは日本語教師による評価のこの格付けだけなので、その強みを生かす。ポジショントークと言われようと、実際に教師を大事にするのはよい学校であることは間違いない指標なので、問題ないのでは。

👉 もちろん、これは日本語教師の就職先の指標にもなる。ただしそれはあくまで副産物だというスタンスで喧伝する必要はない。もしかすると日本語学校にはこの副産物のほうが怖いと考えるかもしれない。(本当は顧客評価のほうを怖がるべきだけど、日本語学校の経営者というのはそこは軽視しがちなので)従って、そこは目的ではない、あくまで客観的な情報を選択する学習者に提供するためであり、その評価は日本語教師によるものというスタンスしか私達にはないので、そういしているのだ、という理屈で通す。この理屈は強い。強い理屈を持っていることは継続するための防衛にとても大事。

 

日本語教師養成講座比較

2017年から文化庁が審査することになりましたが、書類上のチェックにすぎず、質の審査までは行ってないようです。以下はまだまだ有効です。現役の教師による受理校の講座を格付けの一覧は、公開すればかなりのアクセスも期待できますし、出版してもおもしろいと思います。

日本語教師養成講座 試案

1)広告など公開情報。2)問い合わせてわかること。3)実際はどうなっているか。の3段階に分ける。

これも、2)までをリストにして公開するだけで大きな価値があるはずです。講師の質(後述)、オリジナル教材、料金、などを横並べで比較されることを嫌う空気があります。420時間という基準があることも、知らずに選ぶひともいます。今は、なんとなく相場があり、宣伝文句もバラバラで、その養成講座にどういう個性があるかわかりにくい。料金や時間だけで選ぶ人はもう仕方が無いので、リストで基本的な条件がわかったら、じゃあ、中身がどうなんだろう、同じならば質で、と誘導できるような作りにするのがゴールです。

質的評価は、難しいので、質を計る指標になるデータを揃える、ということを主眼にやったほうがいいと思います。そこの評価軸を考える(講師の資格、博士、修士、日本語教師歴などをどう評価するか、など)

覆面調査員のレポも面白い。ただ、すべての講座には行けないので、判断材料にはしない。あくまで読み物として、ちゃんと調査する意欲があるというアピール素材としてやればいい。レポがあるというだけで学校へのプレッシャーにもなりますし。ただ、この調査も、講座の受験などお金がかかるので、最終的には出版して利益を出すところまできちんと計画してから。もちろん最初は、売れるかどうかはわからないので最初は持ち出しで投資としてやるしかない。出資した比率で出版時のロイヤリティの配分を決めるなど。

👉 問題は、420時間の目安がどの程度守られているのか、判断が難しいこと。おそらく同じ420時間でも、正式にお墨付きをもらった、もらってない、というものがあると思われる。そのへんは調べないとわからない。事前審査的なものはないかもしれないし、あっても形式的なもので、意味がないものかもしれない。それをあらためて判定するのはなかなか難しい。やはりここでも、内容までは深く切り込まないで、まずは最低限やるべきことをやっているかから始めるしかないかもしれない。

基本的な方向性

話し合って、事前に評価の軸を決めても、違う調査員が、ひとつひとつの講座の評価をきちんとして、それを並べて比較するところまで洗練させるのは難しい。ポイントを2つに絞ったほうがよいと思う。ひとつは、客観情報の検証。講座に申し込む前で得られる情報と実際のものが同じであるかどうか。もうひとつは、日本語教師養成講座の最も懸念されるポイントであるシラバスとしての完成度。このシラバスの評価が最も大事で、ポイントになっていくと思う。個々の授業の評価ではないことに注意。

客観情報の検証

料金は受講料以外に負担があるか、講師は事前の情報どおりか。(代講などはないか。名義だけで実際は助手が、みたいなことは学校より本人に直電、直メールで確認したほうがいいと思います)、講師の資格のチェック(日本語教師歴、修士、博士、経歴など。教師歴は10年ならOK。以下なら一律でC評価などルールを決めておく)、教材(オリジナルか、別売りか、ページ数、簡単な内容など)

シラバス評価

シラバスは決まってるわけですが、当然、質の違いはあります。まずは決まったシラバス部分の質評価が重要になります。学校独時の時間分もありますが、こちらは評価軸を作るのは難しいような気がします。

個々の授業の評価も内容までは踏み込まずに、配布物の有無などハッキリ調査結果としてわかるものを調べるに留める。個々の授業の内容評価は、事前の準備をしているか、授業の進め方、テーマに即しているか、の3つくらいをABCくらいに分けたものだけにする。

全授業で、ABCの数だけを「参考評価として」公表。この評価は総合評価には入れないか、入れるとしてもオマケ程度にする。
(ここは最も評価がぶれやすいし、評価方法でも議論が分かれるところになるので、最初から総合評価には入れないほうが無難だと思います。なんだミシュランみたいに味の評価をしないのか、と思われるかもしれませんが、調査員の判断で変わるものを総合評価に入れると、全体の評価の客観性に疑問が出てしまう。派手ないい悪いだけをつけるのではなく、時間をかけて一般の人の信頼、信用をコツコツと獲得していいくことで、学校も学習者も無視できない存在まで行くことがゴール。客観性をキープすることがとても大事です)

ポイントは

シラバス外の学校独時の部分や、個別の授業の評価よりも、この基本のシラバス部分をしっかりやっているかの評価が大事。覆面調査員からのレポートもあってもいいと思いますが、すべてをレポすることは無理なので、あくまで評価には入れない。
大事なことは、評価員の意見が反映するところと、客観的なデータとして示すところを分けること。でないと、信用は得られない。可能なら、博士レベルの人にきちんと評価軸を作ってもらう、ある程度判断してもらうなど、監修をお願いするのがベスト。名前を出してくれないなら匿名のままでもいいですから。

 

仕事に関する基本的な知識の学習

ここが最も大事になってくるかもしれません。

弁護士の顧問がついていたとしても、個々の会員が、何が違法で、さらにどういう判例があるか、というところまでしっかりとした知識を持っていないと何もはじまらないからです。

労働基準法は条文の中身を知ってることも大事ですが、実際にどういう訴訟が起きて、どういう判決があったのか、みたいな知識もあってはじめてなんとか役立てることができるようです。セクハラ、パワハラなどは、まだ法律的なサポートが遅いので、判断が難しいところもあります。特にパワハラはいろいろとケーススタディをしないと、どういうことが問題かわからない部分もあります。そのへんの知識もあわせてつけていきたいところです。

日本語教育機関に対しても啓発活動をすることは重要です。「こういうことは労基法違反です」「パワハラになります」ということは、ボンヤリとした知識はあっても、日本語学校ではこうだと言われないとピンとこない人も多いはずです。経営者だけでなく、ベテラン非常勤や専任なども加害者となっているケースも多いはずです。ブログなどできっちり書いておくことは必要です。今は日本語学校もSNSアカウントを作っているところはありますから、直接リプライしてもいいと思います。

労働基準法の基本的な知識とそれを日本語教師の仕事にあてはめた解説を作り小冊子として公開する。これは会員以外の教師に対するものでもありますが、同時に、公開することは「日本語教師も労働基準法を勉強してますよ」というプレッシャーのために有効です。基本的に提言なども、法律にのっとって、判例も意識しながらやることが大事です。


👉 繰り返しになりますが、技能実習生、EPA関連、その他、日本語教師が働く場所でも労働基準法の知識は重要です。「技能実習生の周辺にいる人達は日本語教師含めて労働基準法もロクに知らない連中だから」などと言われないように、ちゃんと知っておく。
仮に、実習生の人達が自国の労働環境から考えて「仕方ない」と思っているのなら、日本では法律があって…と「日本事情」として教えることは、日本語教師の仕事の範疇とも言えます。労働法で守られることは大事だと実感して帰国後法律関係の仕事につく若者が出てくるかもしれません。法律も国よってかなり違う、そのことを日本事情として教師が学習し、教える意義もあるはずです。

👉 → 【資料】日本語教師と法律 も参照してください。

👉 その他、著作権関連の勉強なども必要かと思われます。

 

日本語教師の職場の情報収集

情報を収集すべきだとは思います。労働基準法、セクハラ、パワハラ、そういう問題の窓口になることもユニオンの大事な役割ですから。ただその情報をどう生かしていくかは、組織の方針次第です。学校格付けや養成講座の調査をやれば自然といろんな情報が蓄積されるはずです。教師にとっての要注意学校もハッキリするはずです。

法律的に告発までいくべきというものの他にちょっとやりにくい、働きにくい空気がある、みたいなものまであります。情報提供者が必ずしも信用できるかわからないという問題もありますので、基本的には情報提供者がきちんと申し立てまで行く可能性があるもの(提供者がその気であるというもの)と、その他と区別したほうがよいと思います。

組織としてどこまでやるか、によりますが、弁護士などの助言と場合によっては労働基準局などへの申し立てまで案内はできると思います。あくまで個人でやることにサポートまでする、というスタンス。もうちょっと介入するやり方もあるでしょう。これは組織としてどうするかあらかじめ決めておいたほうがいいと思います。

会員は匿名なので匿名のまま組織内に情報提供はできます。情報管理者は、提供者の実名とその情報がどこの学校のものか確認できる(はず)です。外においたフォームなどからの情報提供は実名であっても確認はできません。これでひとつ情報の仕分けができます。会員の告発にはある程度のサポート。外部の告発は案内まで、というところでしょうか。

 

まずは情報収集

まず、情報の仕分けをすべきだと思います。外部経由か会員によるものか、提供者が実名か、告発前提か。その上で、内容によって、種類(労働基準法でどういうことに該当するか、あるいはセクハラ、パワハラなどか)分け、深刻度、証明できるもの(証明しやすさもいろいろありますし)の有無なども重要になってくるかもしれません。

次に、それをどう扱うかです。段階があると思います。情報提供者の実名は本人次第だとして、、、

1)組織内で学校名などを匿名(「東京都日本語学校」などとして)にして、リストを作る。
2)組織内で学校名を実名で、告発の概要だけ出す。
3)外部に向けて匿名で公表する。
4)外部に向けて実名で公表する。

外部に向けて公表はやはり慎重になったほうがいいような気がします。単なる噂サイトみたいな捉え方をされるかもしれませんし、リスクもあります。「日本語学校格付け」、基本的には学校のハードや客観的な数字を比較するものですが、これにポイントはつけないまでも、独自調査による教師の働きやすさの指標という項目を作り、そこでマイナスポイントをつけるということならできそうですが。

ただ内部での公表は留保をつければできると思います。例えば学校名は公表して、こういう告発がある。でも、情報の確度はABCDで仕分ける。すでに訴訟や、謝罪などあって事実関係が確認されたならA、証拠もあって告発準備中ならB、証拠はないけど複数証言ありならC、みたいな形です。情報の保証はしないけど、どういう種類の情報かは書いて、自己責任で判断してもらう。

学校の情報を知ることができるということは、会員のメリットにも繋がります。

 

「若者雇用促進法」で情報開示請求

若者雇用促進法はいわゆるブラック企業と呼ばれているところに罰則を設けるための法律です。2016年の3月から施行。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000097679.html

これを利用して情報開示請求をした記事がありました。
http://www.mynewsjapan.com/reports/2242

請求といっても、聞かれたら答えないといけないので、聞けばいいだけです。新卒だけでなく中途採用であっても適用されます。以下のようなことを聞くことができる。もちろん若者でなくても、新卒の雇用じゃなくてもできます。

1)労働条件などの明示(離職率なども)
2)基本給の額・固定残業代の計算方法を明示
3)採用内定の取消しは無効にする
4)卒業後3年間は新卒者と同様の応募をできるようにする【既卒者が対象】
5)青少年の仕事に対する能力を高めるための措置を講じること

ただし回答するのは努力義務があるけれど強制ではないのこと。しかし「回答しなかった」ということを公開されることは社会的な大きな失点にはなると思います。

報道の記事でも公開されているのは、回答したかどうか、どういう方法(電話、書面など)、誠実なものだったか(時間かかったか)みたいなことです。ここまではネットで学校名を出して公開できると考えてもいいかなという気がします。ただし正確な情報でないとまずいですが。回答内容を持ち寄って非公開の場で情報交換することは当然やっていいのではと思われます。開示すべき情報の私的な利用ですし。例えばクローズドなディレクトリ内の掲示板でとか。共有する情報(回答内容)は文字通り正確に、ということは必要でしょう。

👉 回答が虚偽だった場合は、ハローワークに半年求人票を出せなくなる。民間業者にも注意喚起が行く、ということになっています。つまり、この法律は、日本語教師ユニオンのような組織にとって、とても利用価値があると思います。

 

多言語コンテンツの充実

どこまで多言語化するかは、結構難しいところです。日本語教師のサイトとなるとなおさら「この言語だけ」とするのは微妙なところかもしれません。なんとなくトップページだけ英語化して更新怠りがち、みたいなサイトは多いですが。。。

とりあえずgoogle翻訳を置く、というので形にはなります。WordPressや本格的なCMS(JoomlaとかDrupalとか)でサイトを作ればメニュ-、ナビの多言語化はプラグイン的なものを入れるだけ、で可能です。国内に置いても「日本語に関心がある人からのアクセスが多い」という事実はサイトの評価に繋がります。日本語学校格付けはそこが勝負です。

可能であれば、最初から、トップは最低限日本語以外の人への説明リンクを置き、そこで、英語でいいので、サイトマップと組織の説明ぐらいはする、ふりがなをふるアドオンなどとgoogle翻訳など辞書系のアドオンなども案内する。すでにある、これから作る多言語コンテンツもリンクとともに紹介する。ぐらいはしたほうがいいと思います。最初から、ふりがなをふれば、中級者なら読める日本語で書く、というのも日本語教師ができるスキルなのでやってみてください。

 

日本語教師の仕事の環境に関する提言

これも重要なポイントです。

ただし、人が増えれば、いろんな種類の人が増えます。専任には専任の事情がありますし非常勤でも、仕事の環境に対して言いたいことは濃淡あります。日本語教師の場合はコトナカレ主義が蔓延しているので、多数が妥協できる提言となると、かなりユルくなってしまう可能性もあります。

しかし「新卒の大学生の就職先として恥ずかしくないものにする」というような趣旨に基づいて提言はきちんとやっていくべきだと思います。政策が発表されたり、調査の数字が出てメディアで取り上げられるような時は、意見を表明して、存在感をアピールするチャンスでもあります。

提言を出す手続き

基本的な提言は設立時にいくつか項目を作って、会員は加入時に賛成することを条件にした上で、ブログなどでオープンにしておけばいいと思います。

時々、政策が出たり、関係者がおかしな発言をした時などに、きちんとブログで意見を表明し、存在感をアピールしなければなりません。日本語教育に関心が向いた時に、早めに、ちゃんとひと言コメントを出す。一般の注目がある時に存在感を示しておくことは重要です。もちろん役員で勝手に書いて公開するわけにはいきません。提言を出す手続きを決めておく必要があります。一応、事前に(ちゃんとチェックしている会員は)全員が確認できるものであることも必要です。ある程度のたたき台は作って、複数のスタッフで練り、全員に提案する。議決をしてブログで提言として公開する。という手順でいいかなと思います。

固定の提言

ひとまず加入の条件的な意味で設立趣旨として書けることをグリーン、なんとか総意でやれそうなことをイエロー、厳しいかもがオレンジ、分裂覚悟がレッドとして、仕分けておくといいかもしれません。ここでは、なんとなくやれそうな順番であげていってみます。何が重要か?ということは人によって意見が違います。まとまりやすいかどうかなら、ある程度一致点は探せます。重要か?だけでなく提言として採用するリスクも考えつつ進めるということです。

  • 引き継ぎ、会議など参加が義務的なものとそうでないものの仕分け
  • 授業の準備、採点など、授業関連はきちんと義務的なもので時給の対象だという統一見解を引きだす
  • 課外活動、生活指導(?)的なものの切りわけ。
  • コマ給問題の解決
  • 専任のサービス残業問題
  • 求人広告の掲載ガイドラインの策定

コマ給問題とは、1コマ1800円などで契約し、1コマ(45分)の他に事前、事後の打ち合わせ、会議などの拘束時間があり、2時間で1800円となっている、というようなことで、日本語学校ではよく聞く話です。これは完全に違法ですし、他の業界でもかなり問題となり裁判で学校側が負けてきているところなので、時間給に統一するか、コマ級ならば拘束時間の明示をするしかないと思われます。

専任のサービス残業はいろいろな形で強制されています。多いのは「手当てでごまかす」というやり方です。これも違法です。

少なくともサービス残業を無くすだけでも、日本語教師の仕事の環境はかなり改善します。ここは譲歩せずにきちんと主張しておく必要があり、違法状態は明らかで、これが世間に知られると、日本語教師養成講座にも影響はでると、業界にとっては大打撃ななずですから、学校側はきちんと説明をし、対処するしかありません。

いずれも、求人掲載のガイドラインで規制をし、違反の際には求人の掲載ができないことにする、という方向で約束を取り付けるのが有効だと思われます。学校にとって、求人が出せなくなるのはかなり痛手だからです。また、このガイドラインができれば、ガイドラインを守る求人サイトで探しましょうと新人教師にもアドバイスすることができます。

 

その他、社会に対する提言的なもの

ずらずらとあげてみます

  • 日本語教師の正規、非正規の比率を変えていく。
  • 公立小中学校での日本語指導に日本語教師の資格を正式なものとして認めさせる
  • 国の日本語教育の審議会などに日本語教師の利益を代表する組織、団体を呼ぶべき
  • 国内の日本語教室、技能実習生の日本語授業の質的保証のためにも日本語教師の資格を要件とするべき
  • 日本語教師の時給や平均収入、平均勤続年数などのデータは調べられもしない。やるべき。文化庁?
  • 有給の消化や育児、介護休暇はどの程度行われているか、許容されているか、実態調査を。
  • 日本語教師の経験の査定の業界基準を。

ユニオンを作る際にまとめておいて、会員募集の際に、最低、ここは必要だと考え要求していくよと約束を取り付けたほうがよいと思います。もちろん、いくつかの種類に分けることも可能です。やや合意が難しそうなものは、公開の提言には入れないけど、方向としては、これもやっていくよ、ぐらいの書き方もできるはずです。

👉 最後の日本語教師のキャリアがリセットされてしまう問題は、こういう提案もできると思います。以下に書いてみました。

提案 日本語教師のキャリア認定の制度化

キャリアがリセットされてしまう問題は、上でも書きましたが、日本語教育業界が未成熟である象徴だとも言えます。

業界から目安を出すべきといっても多分、無理なので、こちらからまずたたき台を提案し話し合いのテーブルを作るといいと思います。仕事の切りわけは、こうあるべきと出したうえで、教師のスキルそのものの評価は、こうあるべきという提案です。もちろん、学校独時の切り口があってもいいけれど、最低保障と、キャリアに応じて評価があがる最低の仕組みは守って貰う。複数の学校の行き来がある日本語教師は、業界全体でキャリアを認定するのでないと意味がない。授業時間数の評価の目安がないと、日本語教師が安心してキャリアを積めません。

経験年数でなく、カウント可能な授業の時間数で出し、それをキャリアの目安にする。授業時間数をちゃんと記録し、経験に応じた最低賃金をユニオンと業界で締結するということができると思います。

経験時間の策定

各学校が日振協なりが発行する書式に従って決まった計算式で出した授業時間数を記載して、教師が求めれば必ず出すことにする、もちろん時間数の操作などは絶対にできない、というイメージです。契約期間に教師が消化したコマ数を時間に換算して出すくらいのことは、まともな学校ならできるはずです。この証明書を学校が出すことにして、それの積算が1000時間ならば、1000時間の教師としての最低賃金が決まる、少なくとも国内の日本語教育機関は、そのラインを守らなければならない、というような仕組みです。

これはまず、経験0の教師の時給のスタートラインも取り決めで決めておく必要があります。仮に1500円で合意したとして、その上の経験のキャリア査定の合意は例えば以下のような形になります。

教師の経験時間の査定よる教師の種別 5つの段階 最低賃金が1500円の場合

1)0             経験がない教師     → 1500円
2)~999時間         新人教師        → 1600円
3)1000~2999時間      経験がある教師     → 1700円
4)3000時間~4999時間    十分な経験がある教師  → 1800円
5)5000時間~        高度なスキルがある教師 → 1900円

この5段階で、いくらづつアップするかを取り決めを定めるわけです。まずは、100円づつアップすることでもよいと思います。5000時間以上の教師は、最低でも1900円以上でないといけない、その上は、学校にまかせる。ということです。これでもまだかなり安いですが、まずはこの枠組みができれば、国内では安心してキャリアを積むことができます。額に関しては、交渉を重ねて、上げていけばよいのです。

👉 これは業界の認定基準なので、証明が難しい告示校以外での経験はカウントするのは難しいのですが、大学や海外の教育機関での経験の計算方法も別途作っておき、提携という形で証明書を出すことにすればよいと思います。この提携関係がない海外や大学などでは就職しても価値がないとなれば、提携は進むはずです。

👉 もちろん、コマ級でなく時給計算でやるべきです。1コマは2時間相当になる前提です。

このユニオンと業界との取り決めが成立すれば、求人などでは、

経験5000時間まではユニオンとの取り決めに準じます。

と書けば終わりで、あとは、学校独時のプラス分(例えばユニオンとの取り決めに+50円増しとか、1万時間以上はいくらなど)を書けばいい、ということになります。

👉 これは強気な提案のようですが、Noと言いにくいはずです。Noと言えば、ウチは上げないよ、ということだけではなく、日本語教育業界というのは、キャリアを積んでも給料はあげないよ、と言っているようなものですから。そういうところで仕事をするのだとなると日本語教師養成講座に来る人も減ってしまう。「資格業界」でもある日本語教育業界にとって、大事なポイントです。提言をすることでいろんなことを露わにしていくのも大事な戦略です。

 


 

最後に ~とりあえず始めてみる~

5人揃ったら、一人3000円だして、15000円集めて、代表だけ決めて

1)名前を考える(半角英数でgoogleとorgかcomドメインが取れるもの)
2)ドメインを取る(1000円くらい)レンサバを一年契約(年5000円くらい)。
3)ブログとFacebookとTwitterを始める。
4)銀行口座作る。

でスタートすればよいと思います。ボツになっても3000円です。3年くらいはがんばってやってみるでどうでしょうか?

👉 銀行口座は住信SBIが便利だと思います。組織の代表口座も作れるらしいです。あと、Googleで各自サブアカウントをとる。ドメイン名で名刺を作っても(3000円くらい。自腹で)いいと思います。を使ってます。ドメイン名でgoogleアカウントや他のSNSのアカウントを取得することも忘れずに。取得しやすい名前(日本語+英語とか)がいいと思います。

で、あとは、ブログに日本語教師ユニオンを作ると書いて、準備室としてオープン。半年で主要スタッフ20人集めて、仮スタート、一年後正式スタート目ざしてルールなど整備するため議論を始める。

こういうことは、やりはじめないと意味がないし、やりながら議論するしかありません。今は、売り手市場、買い手市場の間くらいの微妙な時期ですが、少なくとも買い手市場の時よりは、強気に交渉できる時期です。国も「働き方改革」の真っ最中で、労働関係の取り締まりは厳しくなっていますし、声もあげやすいタイミングです。こういうチャンスは、いつまで続くかわかりません。

ここに書いたことはあくまでたたき台の前段階であって、実際にやってみようとなったら違ったものになると思います。最初は「匿名で集まってお金出し合っていざという時のために相談できる弁護士雇いましょう。匿名守ります」くらいのカンジで呼びかけてみればいいのでは?

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