+1時間&無料でできる地元の多言語化

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自治会(町内会)で運悪く書記になったので、ついでに文書を多言語化してみた、という記録です。

私のケースは、会長さんも理解があり、役員会議でも拍手で承認されました。しかし、地域によっては、快く思わない人がいて難航するというケースもあるようです。そこで少し調べてみると、いろんなケースを目にしました。この記事はちょっと困難な状況で進めるためにはどうしたらいいかというのがテーマです。

2017年あたりにGoogle翻訳がかなり進化したことも助けとなりました。自分が住んでる地域を多言語化するのは実は簡単でした。やる気がある方は自治会や管理組合などで、役員をやる順番が来たら「私、書記やります」と言えばなれると思います。あまり立候補する人はいないからです。書記は、やってみると、おそらくいろんな役職の中でも比較的楽なほうですが、会議の記録を淡々とやるのは大変です。そこで、多言語化をテーマに1年乗りきるつもりでやるのは悪くないと思います。

👉 ちょっと古い調査ですが、2006年、全国自治体調査によると、自治会の世帯数は平均値で200世帯前後のようです。1世帯に2~3人として、一人で500人くらいを対象に多言語化できるということになります。以下の資料には呼び方に関する記述もあり、自治会がトップ、町内会、町会と続くようです。ちなみに、こういう当番は4月が交代時期です。2月ごろに次の役員などが決まることが多いようです。
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/new_community/pdf/080724_1_si4.pdf

 

準備

多分、大事なことは

多言語化するぞと力まないこと

です。意識を低めに保って下さい。

まして、人々に外国人との共生を理解してもらおう、その伝道者になろうなんて考えてはいけません。間違っても自治会で演説や説教をしてはいけません。小さな声で「タダでできますし、手間もかからないので試験的にやってみます」と事前に会長さんの同意を取り付けましょう。で、会議で出すということになっても、会議で決議をとるなどと大げさなことにしない。せいぜい拍手で了承くらいでやってもらいましょう。タダで手間もかからずやる、しかも来年以降もできるようマニュアルも作るとなれば、反対する理由は考えにくいです。

👉 やるべきことだ!予算を割くべきだ!などと言うと紛糾したりして、結果やれなくなってしまいます。地味にじわっつとスタートするのがいいようです。

自治会の役員はせいぜい1年ですし、ほとんどの人は1年で辞めたいのです。大事なことは、自分が担当する1年間で、第一歩を記し、しっかりしたマニュアルを作り、翌年からも続けられる体制を作ることです。

さらに続かなくても怒らないということも重要です。翌年はくじ引きでイヤイヤやる人が担当者になる可能性のほうが高いのです。多大な期待をしない。翌年、多言語化が止まっても仕方ありません。マニュアルは残っているし、いつか必要になる時が来ると考えましょう。

また、ほぼ誰も褒めてくれません。こんなことやった!などとネットで書きにくいですし(この記事もかなり慎重に書いています)。この褒められたいという気持ちも捨てましょう。外国人の住民の人も、基本、自治会には興味ないし、日本語わからないからスルーしよう、という人も多いです。私は1年間、誰からも感謝されませんでした。翻訳はGoogle翻訳なので、ひどい翻訳だと怒られる可能性もあります。誰にも感謝されないどころか怒られる可能性のほうが高い。なので、疲れないように、目立たぬように、1年かけてちょっとづつ、ゆっくりやりましょう。

👉 基本的には1年間、一人でやるしかありません。孤独な作業です。

コツ?

お金をかけないことです。加入がほぼ義務的なマンションの管理組合とは違って、自治会(町内会)は、今やほとんどの人がやりたくないことで、加入の義務で裁判が起こったりして、加入の強制はできないと退会者も増えています。予算も減る一方ですが、地方自治体もお金がないので、自治会にあれこれやってもらおうという流れですから財政負担は減りません。

自治会費も払いたく無い人が圧倒的多数派です。したがって、お金の使い方にも厳しい目が向けられます。お金がからむとこじれることがあります。そもそも外国人が自分の街やマンションに住むのはイヤだ、という人は結構いますが、ガイジンはイヤだとは言いにくいので、お金が…とか、手間が…、みたいな周辺から攻めてくる、ということが多いそうです。それを言わせないためにも、お金はかけない、手間もかからないことを強調する、そして、1年間でマニュアルを作り、翌年以降も誰でもできるようにすることがかなり重要です。最初の基礎工事を淡々とやる、というスタンスがいいという気がします。

 

多言語化すべき文書

会則と自治会入門的な案内の文書はやるべきです。後者は無ければ自分で作ってください。自治会とはなんぞやみたいなパンフ的な文書は、無いケースが多いようです。「まあ、だいたいわかるでしょ」となっていることこそが、外国人には一番わからない部分です。そもそも日本の自治会のように、国がやるべきことを自治会にやってもらうみたいなシステムが無い国のほうが多いのです。その微妙な役割分担もクリアに説明しておく必要があります。

特にお金の徴収と、その使い道はハッキリ書いたほうがいいです。自治会は地域の防災ネットワーク作りという意義は大きいのでこの説明もしっかり書きます。イベントなどは参加は義務ではなく自由だけど楽しいよ、繋がりもできるよ、と明確に書きます。この参加が義務なのかは結構あいまいになってます。

👉 外国人だけでなく、若い人はもちろん、結構、知らない人は多いはずです。自治会入門はそういう意味からも作る価値があります。

 

会則

自治会 会則 ひな形 で検索するといろいろでてきます。だいたい似てます。こういうひな形があって、似たようなものを作るということになっており、そのプロセスであるべきものが抜けたり、追加して矛盾があったり、順番がおかしかったり、みたいなものになっていることがあるようです。

会則だからと法律的な文書のように堅い表現で書いてあります。これを厳密さはほどほどにして、シンプルにわかりやすくします。文意を厳密に残したままきちんと「やさしい日本語」にしようとすると失敗します。

そこで、まず、会則の多言語化版は、あくまで参考であって、正式には日本語版の会則が有効なものだという文言を入れます。でないと多言語版も厳密に書かねばならず、大変なことになりますから。少々お金をかけたぐらいでは、翻訳は原本とのずれが必ず生じます。ましてGoogle翻訳でざっくり作りますから、確実に違いがでます。そのリスクを考えて入れておくわけです。これを入れることによって、多言語版を作る安心感も生まれます。なんとか書士みたいな仕事をしている人や役所の人もきっと自治会にいます。そういうことを心配する人がいるはずですから。

 

自治会入門

自治会というのが何なのか?実は日本の人もあまりわかってないはずです。したがって、これは作る理由があります。外国人に向けてではなく、会員の勧誘のためにもあったほうがいいかもしれません。まずたたき台になるものを「作りますよ」「会長さんでチェックしてください」と会長さんなどに言うと反対は出ないはずです。

外国人が読む前提で説明したほうがいいことは

1)自治会と地方自治体、特に市役所や区役所などとの(微妙な)関係
2)周辺の自治会との関係。自治会で分担しあったりがあるので、その説明。エリアの地図での説明

です。

1)は私もまだよくわかりません。今は、地方自治体の予算不足で、自治会組織は、単なる親睦団体というより、防災や住んでる地域の整備なども肩代わりしてもらうみたいなことになってきてるようです。しかし、このあたりは本来税金でやるべきで、そうなってる国も多い。で、加入は義務ではない、みたいなことになっていて全加入ではなくなってる。公的な存在なのか、民間なのか…いろいろ矛盾があります。わかりやすい説明は防災、災害時のネットワーク作りを前提にした親睦団体で、国も支援している、みたいなことなんでしょうか。

作った文書は後述する電子掲示で常時掲示します。また、すでにいる外国人居住者の方々に配布するのと、新規に入居する方に配布するのも大事です。新規に入居する方に自治会などの案内を渡すことになっている場合は、それに、くわえてもらいます。印刷して各言語がわかりやすいようにファイルにして預けます。

👉 地図などは、GoogleMapで言語を英語にしてキャプチャをとって貼り付けるといいと思います。

 

会議やイベントの報告

自治会によりますが、年に数回イベントがあり、月に1度会議があり、というペースが多いようです。つまり月イチで住民に対する報告などを作るという仕事があります。その文書の多言語化もやったほうがいいと思います。この多言語化の提案からはじめるほうがよさそうです。

会則や自治会入門の多言語化をしてから、報告の多言語化をしたほうがいいのですが、会則、入門は、一度作れば大丈夫ですから、1年かけてゆっくりやればいいと思います。

 

防災関連

基本的な文書を集めて住民で共有する

震災以降、自治会の存在価値は、防災だという流れになっているようです。国もいろいろと文書を出しています。英語、中国語、韓国語あたりまでは、検索すれば、そこそこ資料も集まりますので、電子データと紙でキープしておく価値はありますし、リンク先は、まとめて、電子掲示エリア(後述)に置いておけばいいと思います。

外国人住民が多い地域など、ネットで検索すればたくさん文書を配布しています。

自治体のための多言語化ハンドブック
http://www.nec-nexs.com/supple/autonomy/oyakudachi/tagengoka/

自治体国際化協会
http://www.clair.or.jp/

自治会の防災文書を多言語化する

防災は、自宅での備蓄なども大事ですが、実際にどこの道を通って、どこに避難するか、みたいなことも大事ですから、やはり自治会単位で対策を立てることになるはずです。マンションなどだと独自に水を備蓄したりということもありますから、その場所や、それが災害時にはちゃんと公平に配られること(国によってはちゃんとやられないこともあるので、日本ではそういうことはなく公平に行われると強調したほうが、パニック予防にもいいかもしれません)、個人でやったほういいこともあるけど、よほどのことがないかぎり、2,3日で救援物資が届くこと、それを配布したりということで自治会がいろいろ動くことになることなども、重要かもしれません。

避難地図や基本的なこと(援助はだいたい3日で来るとか備蓄はこれがいいみたいなこと)は、すでに多言語化されたものを活用するしかありません。市役所などにあると思います。後は、自治会によって防災への取り組みは違いますので、なんとも言えませんが、防災訓練などはできれば、動画を撮って、わかりやすく短く編集し、電子掲示上で誰でもみられるようにするのがよいと思います。動画なら言語関係なく「あの階段を使って逃げるのか」などと伝わるからです。

動画編集が難しければ、要所要所の写真だけでもとって、短い単語で説明してGoogle翻訳で英語化だけして、英語の防災文書として残せばいいと思います。これも「あそこに給水施設があるのか」みたいなことだけでも伝わればOKとします。

👉 災害時は自治会単位で物資の支給みたいなことになるのですが、自治会に加入してなくても災害時は公的な支給は受けられることはちゃんと書いておいた方が良いと思います。自治会の加入や会費と防災を関連づけて説明するのは、後々問題になる可能性大です。特に外国人住民には明確に伝えておくことが重要だと思います。

【参考】防災関連多言語化リンク

お住まいの地区のものも重要です。県、市、町のサイトにある多言語文書などはダウンロードして再配布してもいいはずなので、リンクだけでなく、プリントして定期的に配布してもいいと思います。また、リンク集の言語は、日本語でなく英語か可能な限りその言語で書いたほうがいいので、リンク元の言語の説明をコピペすればいいと思います。

多言語化は、いろんな自治体が作っています。避難所を作る際の張り紙を訳したものなどがあります。
「災害 多言語」で検索するといろいろ出てきます。

自治体国際化協会 災害時多言語表示シートなど
http://dis.clair.or.jp/

Portal Site on Policies for Foreign Residents)
English,Portugal,Spanish
http://www8.cao.go.jp/teiju-portal/eng/index.html

Saitama International association
English,Chinese,Korean,Portugal
http://sia1.jp/foreign/advice/

Saitama magazin for Foreign Residents
http://www.stib.jp/kokusai/magazine.shtml

Lawyers Network For Foreign Workers
https://grb2012.wordpress.com/

Immigration Bureau of Japan
http://www.immi-moj.go.jp/english/index.html

Living advice for Foreign Residents
http://www.clair.or.jp/tagengo/

Japanese Law translation
http://www.japaneselawtranslation.go.jp/?re=02

Japan earthquake how to protect yourself

日本語(Japanese),English,中文(簡体字),中文(繁体字),한국어,Türkçe,Bahasa Indonesia,Русский,اللغة العربية,Tiếng Việt,Hindi,Tamil,Norsk,اردو,Bahasa Melayu,Монгол хэл,Khmer,ภาษาไทย,Laos,فارسی,Kiswahili,Ozbekcha,myanmar zaga,Tagalog,Deutsch,Português,Français,Español,Nederlands,Italiano,Svenska,Magyar,Suomi,Polski,čeština,Limba română,Slovenčina,Dansk,Srpski,বাংলা,Български език,Latviešu,עברית
https://nip0.wordpress.com/

Disaster Preparedness Tokyo

The Tokyo Metropolitan Government has compiled a manual called “Disaster Preparedness Tokyo” (Tokyo Bousai*) to help households get fully prepared for an earthquake directly hitting Tokyo and other various disasters.

“Disaster Preparedness Tokyo” is tailored to the various local features of Tokyo, its urban structure, and the lifestyles of its residents, and contains easy-to-understand information on how to prepare for and respond to a disaster.This information will be useful now and in the event of an emergency.
*“Bousai” is Japanese for “disaster preparedness”

http://www.metro.tokyo.jp/ENGLISH/GUIDE/BOSAI/index.htm
防灾手册《东京防灾》

东京都为了让每一个家庭都能很好地应对首都直下型地震等各种灾害,制作了防灾手册《东京防灾》。
 《东京防灾》充分考虑东京的地域特性、都市结构以及都民的生活方式,总结了灾害的事前准备、灾害发生时的应对措施等,具有实用性并在灾害发生提供有用信息,内容简单易懂,是一本完全根据东京情况制作的防灾手册。

http://www.metro.tokyo.jp/CHINESE/GUIDE/BOSAI/index.htm

방재책자 ‘도쿄방재’

도쿄도는 각 가정의 수도 직하 지진 등 여러 재해에 대비하여 준비 할 수 있도록 방재 굿즈 [도쿄방재]를 작성하여 하기와 같이 알려드립니다.
 도쿄 지역 특성과 도시 구조, 도민의 라이프스타일 등을 고려하여 재해에 대한 사전 준비와 재해 발생시의 대처법 등, 지금 바로 활용 가능하며 무슨일이 있을 때에도 도움이 되는 정보를 알기 쉽게  정리한 완전 도쿄 사양 방재 굿즈입니다.

http://www.metro.tokyo.jp/KOREAN/GUIDE/BOSAI/index.htm

Earth Quake ! (Video)
https://www.youtube.com/results?search_query=多言語防災ビデオ

Are Your Working Conditions Fair?
English
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/dl/040330-3.pdf
Chinese
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/dl/040330-4.pdf
Korean
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/dl/040330-5.pdf
portuguese
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/dl/040330-2.pdf
Spanish
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/dl/040325-1.pdf
Tagalog language
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/dl/040330-7.pdf
Thai
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/dl/thai.pdf
VietNam
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/dl/vietnam.pdf

 

その他

ゴミ出しなどルールとしてハッキリしているものは、自治体に多言語化された文書などがあるはずです。市や県のサイトをみて多言語化されてるページのURLをメモっておき、PDFなどはどんどんダウンロードしてキープしておきましょう。後述する電子掲示エリアに置いておくといいと思います。

避難訓練などがあるなら、その様子を短い動画にして、後述するGoogleDriveでの電子掲示の際に、見られるようにすると理想的です。消防署が来てやる訓練などでは、台所火災の初期消火とか、マンションなら壁の破り方、人工呼吸やAEDの使い方などをやることがあります。それぞれ顔が映らないように、可能な限り短めの動画にして、電子掲示エリアにアップロードして案内します。

これらは、文書で説明するのがかなり大変ですが、動画なら一発です。言葉がわからなくても、タイトルだけ多言語化すれば、3分ほどの動画をみるだけで、だいたいわかります。YouTubeにアップできるなら、元の動画をひとつアップすれば、後から多言語で字幕を入れることもできます。

もっと理想を言えば、ムービープレーヤーなどで短く見やすく編集して、Google翻訳で簡単に英語にした字幕を入れるといいと思います。動画に映ってしまった顔は、ムービープレーヤーでは消せませんが、1万円くらいの簡易動画編集ソフトにはたいていモザイクを入れる機能がついてます。得意な人も探せばいるはずです。YouTube上にも多言語防災動画はたくさんあるので、それらのURLをリンクとして置いてもいいと思います。

👉 他に避難所や非難の導線など写真をとったり、GoogleMapで道筋を示したものを作るのも有効だと思います。

👉 字幕は動画に直で貼り付けるのではなく、YouTubeにアップロードしてYouTubeの字幕機能で入れれば、同時に複数の言語の字幕を入れることができます。アップする動画は一本で済み、みる人が好きな字幕を選ぶということになります。YouTubeにアップできるようになるためには、顔が映ってないこと、消防署の人など写ってる人にアップしてもよいという許可を取ること。個人なら文書で許可を取ることが必要だと思います。撮影する際に写らないように配慮して、編集でカットしたりモザイクを入れれば大丈夫だと思います。

 

どうやって多言語化するか

やさしい日本語の手前でOK

今は自治体文書の多言語化だと今は「やさしい日本語」となるわけですが、私は、やさしい日本語にこだわらないほうがいいような気がしています。

やさしい日本語にすると決めると、ほとんどの人は、やさしい日本語のセオリー通りにしないといけないと考えてしまいます。マジメな人ほどそうです。やさしい日本語は、いろいろと流派があり、マニュアル化があまり進んでいません。日本語教育関係者で日本語教師の経験があれば、ある程度は書けますが、すべての日本語教師がすべて自治会の会則や会議の報告をちゃんとやさしい日本語にできるわけではないような気がします。日本語教育的な知識はやさしい日本語習得の近道にはなりますが、ゴールまで行ける保障はない、というところではないでしょうか。逆に日本語教育と関係無くてもできる人はいるように思います。でも、やはり難しいし、一度研修などでやれるようになっても、使わないと忘れてしまいます。

で、疲れるし、面倒だし、やさしい日本語ができる人がずっといるわけではないし、で続かなくなります。

もうひとつ、地方自治体も自治会なども多言語化の予算はないので、やさしい日本語作ったから終わり、ということになりがちです。しかしやさしい日本語にするのも手間がかかるので、必要最小限のものしか対策は行われない。

最大の問題は、多言語してみようかなという意欲があるあなたに出来ても、来年の担当者にやさしい日本語で書け、と言っても無理だろう、ということです。もうちょっと誰もがイメージできて、簡単なマニュアル化ができて、継続可能なフォーマットでないとダメなわけです。

👉 きっちりマニュアル化しなくても、意識が高い人がいて引き受けてくれるかもしれません。でも、たいして感謝もされないし、快く思わない人もいる中で、毎月文書をセオリー通りやさしい日本語にする仕事は結構大変です。その人が忙しくなったり、引っ越したら終わりです。人に頼るのではなく継続可能なシステムを作ることを重視すべきと思います。もちろん、いつか自治体が予算を組みやるということになるなら「やさしい日本語」はあったほうがよいと思います。ある程度の時間を勉強すれば到達できるという設定で書かれた日本語で行政の文書が書かれるというのはあるべき姿です。

機械翻訳フレンドリーな日本語

Google翻訳をはじめ、ネット上の機械翻訳は、2017年にかなり進化しました。改良というより、全然違うものになったという印象です。ものすごく難しい技術なので詳しいことはわかりませんが、使い続けてきた印象としては、2016年までは「はい。この語の意味は調べますね。ちょっと待って下さい…」とまじめな人がひとつひとつ辞書をひきながら頑張るけど結果変な訳文になる、というものでしたけど、2017年に「あ、これ翻訳?了解!だいたいこんなカンジでしょ?じゃあ、ざっくり訳しておいたから!ホレ!」みたいなことになりました。雑だけど訳されたものはそこそこ文章になっていて、そんなに外れてない、というかんじです。

これを進化したと考えるのかは、評価が分かれるようです。しかし、このGoogle翻訳が訳しやすい日本語を書けば、そんなに間違わないものができるようになったとは思います。つまりうまくやれば、無料でどんどん多言語化(Google翻訳は無料で100以上の言語に対応しています)できるようになったというわけです。

ユニバーサル日本語とは、私が勝手に考えた簡易日本語のネーミングです。体系も、作り方のノウハウもあるわけではなく、やさしい日本語より普通の人に最も伝わりやすいかなというものです。簡単に言うとGoogle翻訳のような機械翻訳で外国語に訳されやすい日本語です。もっとイメージできそうなものだと「中学校の英語の授業でやった英語の直訳っぽい日本語」のことです。英語が話せなくても「中学のころまではちょっと得意だったけど…」くらいの人なら、自治会の会議の時に一人くらいはいるはずです。その人ならできます。

多言語化するためにGoogle翻訳を使うので、これでいいと思います。これのいいところは、Google翻訳が日本語をチェックしてくれるところです。Google翻訳の仕組みは日々進化しており、直訳風日本語がいいとは限らない可能性も出てきましたが、今のところ現実的な方法は、これだと思います。英語が得意な人は、ちゃんとした英語になるかどうかで、自分が書いた日本語がわかりやすいものであるかチェックすることもできます。

じゃあ、Google翻訳で英語になりやすい日本語とは何か?どう書けばいいのか?となりますが、これも、実は、ハッキリしません。でも、すこしやってみれば、80点は無理でも60点くらいのものなら書けるようになると思います。

 

基本的な考え方

翻訳版を作るのですが、Google翻訳ですから不完全です。なので、翻訳版で理解してもらうのではなく、簡単な日本語版と自分の母語版を読んで、合わせ技で理解してね、ということになります。日本語版もあることで、自治会とか、役員みたいな用語も学べるというメリットがあります。

翻訳版もきちんと作らないといけないと考えなくてよいと思います。参加する人が減り続ける自治会で、多言語化が予算化されるのはかなり難しいでしょうし、きちんとした翻訳版を作らないとと考えたら、いつまでたっても作れません。母語版と簡単日本語版でなんとかわかってね、で当面はいいと思います。

 

何語が必要か

まず住民の言語状況をそれとなく探る。自治会で役員をするような人は、多言語化に賛成する人かどうかは、わかりませんが、外国人住民のことは、結構把握しているもんです。お茶でも飲みながら、なんとなく思いついたみたいなカンジで、役員の人などにそれとなく(「どこの国の人がいるんですかねえ」などと)聞くと、英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、インドネシア語、もしかしたらスペイン語も必要だな、みたいなことがわかります。あがった言語は全部作ることが大事です。

よくあるケースとしては、例えば、英語、中国語(はっきりしなかったので繁体字、と簡体字両方)、スペイン語、ポルトガル語(これも南米の人だけど、くらいだったので、この2つをとりあえず)、韓国語、あ、ドイツ語もですが、みたいなパターンです。これで7言語。これに、普通の日本語と簡単な日本語なので9種類です。調べてみると結構多いということになります。でも、手間はたいしてかかりません。1言語プラスごとに5分プラスくらいです。

新しい入居者用の案内などを作る際に、今後、どんな言語が必要になるのか?も考慮して準備しておくこともあると思います。現在のところ、日本国内の介護需要の補填で10万人単位が必要と言われており、これらは、ベトナム、インドネシア、フィリピン、タイ、などから人が来るのではと言われています。技能実習生で工場や農業、水産加工では、今は中国からの人が多いですが、こちらも東南アジアにシフトしている最中です。もうちょっと先の可能性としては、日本語学校で増えている、スリランカ(タミル語、シンハラ語)ミャンマー、カンボジアなどがあります。キリが無いわけですが、今は作る必要がない言語で、新規の入居者用などで作っておくなら、ベトナム、インドネシア、タガログ、タイ、というところでしょうか。

 

実戦多言語化

会則、入門パンフ、議事録、すべて順番は同じです。

1)まず、元の文書があります。介護の議事録はメモとしてとるでしょう。それを日本語ネイティブ住民向けで作る。

2)次にそれをユニバーサル日本語化します。

3)次にそれをGoogle翻訳で英語に翻訳します。

4)翻訳した英語を住民の言語に翻訳します。

 Google翻訳の左に英語をペーストし、右の言語を変えるだけで、パッパッとでて来ますから、それをワードやGoogleDocに貼り付けるだけです。日本語から翻訳するのではなく、英語から多言語に翻訳します。そのほうが正確だからです。

3)からは、Google翻訳上でやります。これでそこそこ元の日本語に近い英語になればほぼ完成です。あとは言語の数だけ訳してもらう。慣れれば1時間で終わります。毎月たった1時間で多言語化できるわけです。これなら、来年の担当者もやってくれる可能性が出てきます。

 

コツのようなもの

ポイントは英語化です。英語になるような日本語で書く。Google翻訳上で英語をみて、修正できることはします。ただし、英語を修正するより日本語を修正するというのがコツです。

英語の修正はできる範囲で大丈夫です。英語が得意じゃない人も中学英語レベルのチェックでOKということにします。時間をかけないことが大事です。以下の二点ぐらいでチェックしてみてください。

□ 日本語に戻す

英語化では、まず固有名詞がきちんと日本語になってるかが大事です。例えば、古町みたいな地名が Old cityと訳されたり、田原町は、tawaraではなく、tahara になったりします。読みは間違えがちです。人名地名は気をつけてください。

□ 主語はI になりがちなので、Weにする。

このくらいでOKです。ざっと読んでおかしいなと思ったら、英語を修正するのではなく、日本語のほうをわかりやすくするほうが成功すると思います。以降、日本語の修正を軸に説明します。

 

ユニバーサル日本語への変換例

会則はいろいろあります。具体的な例で説明してみます。自治会の会則というのは、ひな形があって、それを元に作られたものがほとんどです。「自治会 会則」で検索すると、そのひな形の例がいろいろでてきます。

代表的なひな形をベースにサンプルを作ってみます。これは元々の文。

 (名称及び事務所)
第1条 本会はwebjapanese自治会と称し、事務所をwebjapanese町内の公民館に置く。

(目的)
第2条 本会は会員相互の親睦を図り、住みよいまちづくりに努め、もって会員の福祉の増進に寄与することを目的とする。

(事業)
第3条 本会は前条の目的を達成するため、次に掲げる事業を行う。
 (1)会員相互の親睦、扶助に関すること
 (2)環境美化、衛生改善に関すること
 (3)地域の安心、安全に関すること
 (4)行政との連携、協力に関すること
 (5)その他、本会の目的達成のために必要なこと

(会員)
第4条 本会はwebjapanese町に居住する個人または法人等で本会の趣旨に賛同する者(以下「会員」という。)をもって組織する。
2 本会に入会しようとする者または退会しようとする者は、所定の申込書を会長あてに提出するものとする。
3 会員が次の各号のいずれかに該当するときは、退会したものとみなす。
(1)住所をwebjapanese町から異なる場所に移したとき
(2)死亡したとき

で、これを以下のようなカンジにしてみました。

 第1条 名前と場所
名前は「webjapanese町自治会」です。事務所は公民館です。

第2条 目的
会員同士が仲良く、住みやすい街にすることが目的です。

第3条 何をやるのか

 (1)会員のコミュニケーションに関するイベント
 (2)街の掃除や衛生など。
 (3)街の安心、安全に関すること
 (4)日本語市と協力してやります。
 (5)webjapanese町に住んでいる人が仲良く、住みやすい街にするために必要なこと。

第4条 会員とは?

webjapanese町に住んでいる人です。個人も会社も会員になることができます。
会員になる人は申込用紙を会長に提出してください。やめる時も同じです。
webjapanese町から引っ越した時と亡くなった時は申し込み用紙を提出しなくても退会になります。

👉 これはお手本じゃなくて、私がやってみた例です。あなたの感覚でやれば大丈夫です。

ためしに英語化してみる。

最初の文をGoogle翻訳で英語にすると以下のようなかんじになりました。

 Article 1 Name and location
The name is “webjapanese town residence association”. The office is a public hall.

Article 2 Purpose
The goal is to make members as friends as possible and make it easy to live.

Article 3 What to do

(1) Events related to members’ communication
(2) Cleaning up the streets and hygiene.
(3) Safety and security concerning the city
(4) I will cooperate with Nihongo city.
(5) webjapanese What you need to make friends who live in the town get along and make it a livable city.

Article 4 What is a Member?

I am a person living in town. Individuals and companies can become members.People who become members will receive an application form. Please submit it to the president. It is the same when you quit.
webjapanese When you move out of town or pass away, you will be withdrawn without submitting the application form.

十分ではありませんが、悪くないと思います。

👉 google翻訳は日々変化するので、上の翻訳はまた変わると思います。これは2018年2月25日の例です。

英語をちょっと修正してみる。

英語の修正は、あまりやらなくてもいいです。余裕があれば、最初に書いた点だけちょこっとやってみてください。

例えばgoogle翻訳の「主語が I になりがち」に注意しながら眺めます。自治会の会則となると主語はWeのほうがいいことが多いので、修正します。例えば

I will cooperate with Nihongo city.
は、「日本語市と協力してやります。」の翻訳としては、なんとなくむずむずします。で、I をWeにします。それ以上やらない、これでOKにする。

あと、Article 1 は、単に 1 にする。数字だけで済むなら、そのほうがわかりやすいし、余分なものをカットすれば、英語から他の言語に訳される時に間違える可能性も減ります。

4の、I am a person living in town. も、ちょっと変かもと感じたので、Person living in town. にしてみます。

英語の修正は、この主語のチェックと、人名、地名など、日本語のままでいいものを英語に翻訳しちゃってる、みたいなものだけでOKです。もちろん、英語が得意な方はもっといろいろできると思いますが、あまりこなれた英語にすると、今度は英語から他の言語の翻訳の時に素直な翻訳にならない可能性もありますから。

日本語のほうを修正してまたGoogle翻訳に訳してもらう

この日本語の修正のほうが大事です。しかも楽です。Google翻訳君を助けるような気持ちで訳しやすい日本語にしてあげるわけです。

最後の2つの文はうまく訳されてません。でも、最初の文は、まあまあOKとします。(あまり「ちゃんと修正しないと!」と考えない方が良いです)で、最後の文は、長く複雑なのが原因っぽいので、日本語のほうを簡単にしてみます。

webjapanese町から引っ越した時と亡くなった時は申し込み用紙を提出しなくても退会になります。

→ あなたが引っ越した時と亡くなった時は、退会になります。

すると、英語は、
When you move or pass away, you will be withdrawn.
になりました。これでだいたいOKでしょう。withdraw は退会なのか?は考えないことにしましょう。なんかそんな雰囲気の語になってるだろうで、OKにする。

この日本語のほうを、修正する、複文を単文に、主語を明確に、ということは、ユニバーサル日本語版を作る練習にもなります。1年間毎月議事録を変換すれば、コツはつかめます。

で英語の完成形は以下のとおりです。

 1 Name and location
The name is “webjapanese town residence association”. The office is a public hall.

2 Purpose
The goal is to make members as friends as possible and make it easy to live.

3 What to do

(1) Events related to members’ communication
(2) Cleaning up the streets and hygiene.
(3) Safety and security concerning the city
(4) We will cooperate with Nihongo city.
(5) webjapanese What you need to make friends who live in the town get along and make it a livable city.

4 What is a Member?

Person living in town. Individuals and companies can become members.People who become members will receive an application form. Please submit it to the president. It is the same when you quit.
When you move or pass away, you will be withdrawn.

まあ、これでいいか、とします。

多言語化でかかる+1時間のうち45分はこの作業です。つまり元々の日本語を「うまく英語になりそうな日本語」で書ければ大丈夫なわけです。あとは、用語をどう簡単に表現するか、ということだけです。

英語を多言語化する

だいたい、このくらいでいいか、という英語になったら、今度は、英語をGoogle翻訳の左の窓にコピペして、右の窓に多言語化したい言語を選択するだけで、パッパッとできます。

かなりの言語の数があります。

これは、左に完成形の英語をペーストして、あれこれ言語を選んでみた動画です。1秒くらいで翻訳されることがわかると思います。

👉 この動画は、agデスクトップレコーダーというソフトで作ってVimeoにアップし、そこから引用してます。すべて無料です。

こうやって出てきたものを、GoogleDocにペーストして保存。その文書があるエリアを共有して、そのURLを掲示板や回覧板などでお知らせすれば終わりです。手間は、慣れれば+1時間くらい、言語がひとつ増えても増える手間もわずか、ということがおわかりいただけたと思います。3言語と10言語では、手間はほとんど変わらないわけです。

その他の言語の知識がある場合は修正できると思いますが、わからない時は、もうあきらめます。ユニバーサル日本語は、だいたい日本語を500時間くらい勉強すれば辞書をひけばだいたいわかるかも、くらいの日本語です。英語は多くの国で義務教育で勉強します。それに母語版があるので、この3つでほぼわかってくれるだろうと妥協するわけです。

たとえば、上のGoogle翻訳でシンハラ語を選ぶと、パッとこれが出てきます。シンハラ語はスリランカの半分くらいの人達が話す言語です。私は不勉強で全然わかりませんけど、文字がカワイイんですよね。

 1 නම සහ ස්ථානය
මෙම නම “වෙබ්ජාපනිය නගර නේවාසික සංගම්”. කාර්යාලය පොදු ශාලාවකි.

2 අරමුණ
ඉලක්කය වන්නේ මිතුරන් ලෙස මිතුරන් බවට පත්වීම හා ජීවත්වීමට පහසු වීමයි.

3 කරන්න

(1) සාමාජික සන්නිවේදනය සම්බන්ධ සිදුවීම්
(2) වීදි හා සනීපාරක්ෂාව පිරිසිදු කිරීම.
(3) නගරය සම්බන්ධ ආරක්ෂාව හා ආරක්ෂාව
(4) අපි ෆුයියා නගරය සමඟ සහයෝගයෙන් කටයුතු කරන්නෙමු.
(5) webjapanese නගරය තුළ ජීවත්වන මිතුරන් ඇති කර ගැනීමට ඔබට අවශ්ය දේ ලබා ගත හැකි හා එය ජීවත්වෙන නගරයක් බවට පත් කරන්න.

4 සාමාජිකයෙක් යනු කුමක්ද?

නගරයේ ජීවත් වන පුද්ගලයා. පුද්ගලයන්ට සහ සමාගම්වලට සාමාජිකයන් විය හැකිය. සාමාජිකයින් බවට පත් වන පුද්ගලයින්ට අයදුම්පත්රයක් ලැබෙනු ඇත. කරුණාකර එය ජනාධිපතිට ඉදිරිපත් කරන්න. ඔබ ඉවත්ව යන විට එය සමාන ය.
ඔබ ගමන් කර හෝ ඉවත්ව යන විට, ඔබ ඉවත් කරනු ලැබේ.

多言語化は、簡単だということがおわかりいただけたでしょうか?

👉 翻訳したいろんな言語はそのままGoogleDocにペーストすれば大丈夫ですが、エディタやワープロソフトなどによっては、ペーストすると文字化けすることがあります。

ユニバーサル日本語への変換例

用語は、独立した名詞は、Google翻訳でちゃんと訳されますから、任期 経理 補則 みたいなものは、そのままでも大丈夫です。堅い難しい語でも名詞なら無理にやさしくしないほうがいいです。

語ではなくフレーズをいかにシンプルに、簡単にするかが大事です。例えば

書記は本会の会議の議事録を作成する。

書記:会議の記録をします。

相談役は本会の運営に関し助言を行い、本会活動を支援する。

相談役はアドバイスをします。

とシンプルに、単純な文にしてしまいます。「相談役」は変な英語になったら Soodan-yaku と日本語にしてしまいましょう。

長いものは省略もします。例えば

(役員の選任)
第8条 班長を除く役員は、総会において選任する。
2 文化担当理事及び体育担当理事は班長の中から選出する。
3 班長は各班において1名を選任する。
4 役員と班長との兼務はこれを妨げない。
5 役員に欠員が生じた場合は、第1項の定めにかかわらず、役員会議においてその欠員を補充することができる。

は、

第8条 役員の選び方

役員は、総会という会議で決めます。
文化担当理事と体育担当理事は、班長の中から選びます。その他の役員も班長から選ぶことが多いです。

だけにします。4とか5は、規則だから書いておかないといけないみたいな文言ですが、もう省略してしまうわけです。これも、多言語版はあくまでも参考で、規則としては日本語版が優先されると断っていれば許される範囲だと思います。

👉 これらのユニバーサル日本語はやさしい日本語とどう違うか?ちょっと難しいところです。文も長く複雑で語彙もやや難しいのではないかと思います。やさしい日本語より難しい。でも、Google翻訳はそこそこ訳してくれます。やさしい日本語は日本語学習者が学習するプロセスを重視して考えるのですが、ユニバーサル日本語は英語にしやすいかどうかなので、翻訳ソフトのクオリティが上がればあげてもいい、ということになります。

英語の翻訳に予算がつくなら

例えば人口10万くらいの市には100~200くらいの自治会がありますから、個別の自治会では無理でも、この100超の組織単位なら、会則の翻訳を基本的な部分だけ翻訳する予算はでるかもしれません。会則や自治会入門的なパンフは地域によってそれほど変わるわけではありませんので、共有できるはずです。市などにかけあえば予算が出るかもしれません。その市の外国人住民の言語で上位5つぐらいは市がお金を出してもいいはずです。そういう助成制度がある地域もあります。

翻訳の方法は、今、たくさんあります。素人だけども、文章が正しいかどうかチェックしてくれるコミュニティもありますし、機械翻訳を活用して相場よりかなり安い(日本語1文字1円とか)でやってくれるところもあります。しかし、Google翻訳よりいいものをという次のステップならば、予算が出るならば、プロに頼みましょう。

翻訳者ディレクトリなどはプロの翻訳者がいます。自治体の会則などは特殊ですが、日本語1文字5円くらいで募集をかければやってくれるところはあるかもしれません。英語以外の翻訳者も多数登録されています。英語以外だから高いということは(あまり)ありません。

👉 英語をさらに良くしたい場合は、こういう英文チェックの無料ツールもあります。時間があれば、ここに通してさらに磨いてもいいと思います。使い方は、「grammarly 活用」などで検索してみてください。
https://www.grammarly.com/

 

ふりがなをふる

ユニバーサル日本語にした文書は、元の日本語版とは別に、日本語が多少読めるよという人のために使います。ただしこれはふりがなをふる必要があります。ふりがなさえあれば辞書で意味がひけるからです。無いと、お手上げです。

今、パソコンで作った文書にふりがなをふる方法は3つあります。

1)ブラウザーの機能拡張でふる

ひとつはブログなどで掲載して、ネット上の技術でふるもの。これはおそらく95%くらいの精度です。今あるホームページ上の文書は無料でふりがなをふることができます。ブラウザーには機能拡張というものがあり、それを探します。

しかし、これはウェブ上にある文書が対象で、しかも間違ってふられれたふりがなは修正できません。ここで書いている電子掲示はブログなどとちょっと違うので、これに対応していません。

2)ワードなどで、手動でふる

ワードやワード互換のLibreOfficeのWriterというソフトにはルビをふる機能があります。「ワード ふりがな」などでググってみて下さい。文単位で手動でふるのがちょっと時間がかかります。しかし手動なので正確にやれば100%ただしいものができます。

3)一太郎で自動でふる

一太郎には自動的にふりがなをふる機能があり、この精度はかなり高いです。一太郎は1万円程度のソフトですが、使い続けるにはアップデートも必要なのでふりがなのためだけに自治会などで買うというわけにはいかないかもしれません。一応、参考までに書いてみました。

👉 詳しくは、このページの「ルビをふるには」というところを読んで下さい。
日本語教育サクサク 基礎編 1.0 |
https://webjapanese.com/online/jbooks/sakusakukiso/

基本的には、ワードなどで手動でふることになると思います。これが一番時間がかかります。GoogleDocはふりがな機能がありません。慣れればA41枚なら15分くらいでできます。

多言語で配布する際は

元の日本語版
ふりがなをふった日本語版
(英語にするために簡単にしたユニバーサル日本語にふりがなをふったもの)
英語版
その他の言語版

でワンセットです。電子掲示の場合も、ふりがな版はPDFにしたものを放り込んでおけば、ネット上で読めます。

👉 ふりがなをふったワード文書などは、GoogleDriveにそのままあげると、ふりがな部分が正確にでない場合があります。その場合は、一旦PDFでエクスポートしてふりがな文書として完成させてアップし、ワード文書は、zip形式に圧縮して「**年**月**文書ふりがな版」などとタイトルをつけてアップしておけばOKです。

 

おまけ GoogleDrive化と電子掲示

自治会の文書管理はテキトーであることが多いです。パソコンは使っていて、自治会にデスクトップがあっても、実際は担当者が自宅のパソコンで作業をすることが多いようです。USBでデータを持ち運んだりしてます。過去の自治会の文書が昔の担当者のパソコンに残ってる可能性は高く、個人情報管理としては最悪な環境です。

こういう文書管理をどうするか、いろいろな考え方があると思いますが、100%はありません。以下は私のやり方です。すべての文書をGoogleDrive上で管理することにする、というものです。GoogleDriveを使うのが目的ではなく、すべての文書を一元化して、分散しないようにし、アクセス権を設定する、ということが大事です。

1)すべての文書を集めます。写真などがあったとしても、せいぜい4GBで収まるはずです(私のところは20年分でしたが電子化されていたのは15年程度、だいたい1.5GBくらいでした)。GoogleDriveの無料の上限は15GBなので十分です。お知らせをしたり、過去の担当者に訊ねたりして、半年くらいかけます。

→集まったと思ったら、ストップし、再びお知らせで「文書は集まったので、自分のパソコン内やUSBなどにある自治会関連の文書はすべて削除してください」とお知らせしてください。「今後個人情報管理を徹底するので個人のパソコン内に自治会文書がある場合、会則違反となり厳しい対処をすることがあります」などと書いてもいいと思います。きっちり集めて、集まったら、集約して、その他はキッチリ消してもらう。

2)すべての文書が集まったら、とりあえずバックアップとしてUSBメモリなどに入れて、別に置いておきます。

→ これは念のためです。バックアップとは別に自分のパソコンなどに置いたものを、、、

3)集まった文書を整理します。

→ 整理していくわけです。同じ文書がたくさんあるはずです。それを慎重に照合して、同じだと思ったら一方を捨てます。まずは時系列で分けることが大事です。2010、2011などとフォルダを作り、そこに放り込んでいく。ただし、文書は作成日と編集日が違うことがありますから注意してください。お祭りの集金袋は、毎年使い回しで、文書の日付は、2017だけど、作成日は1998年みたいなことがよくあります。そういう場合は、2017年のほうに入れます。

この作業は半年かかります。気長にボチボチやってください。あまり一生懸命やると「もうやめっか」となります。疲れないペースで。。。

👉 正直、自治会の過去の文書なんて、無くなってもたいしたことはありません。ダブったら思いきって捨てる。きちんと一元化して、GoogleDrive上に整理すれば、検索すれば、過去になにをどうやったかが、すぐに分かるというとてつもないメリットが生まれます。文書がダブるとこれがわかりにくくなります。

👉 文書にはOffice互換でないものもあるはずです、よく分からない人がパソコンに付属してた住所管理ソフトで作っちゃったみたいなケースです。そういうものはもうどうにもなりません。一応とっておいたほうがいいので、zipで圧縮して「保存用(**ソフト文書)」みたいなフォルダに収納しておけばいいと思います。よくわからない文書は今後参照する可能性はほぼないはずです。年代別にざっくり分類したらまとめて圧縮して保存でいいと思います。

→ 時系列が一番です。記録として時系列でH24などとディレクトリを作って、そこに放り込む。そして、毎年使うひな形や会則などの重要文書は、「毎年使う文書」にまとめます。フォルダ名をわかりやすくすることも大事です。自分だけがわかるものにしない。来年は全然知らない人がみて、なんとなく見当がつかなければなりません。

4)整理した文書をさらに、使いやすく分類します

私の考えでは。基本的に以下のやり方がいいと思います。基本的に以下の3つに分けます。

1)記録用
2)電子掲示用
3)毎年使う用

トップディレクトリから3つにしてもいいし、1)と3)はまとめて、その下層でわけてもいいです。GoogleDriveのトップディレクトリには通常10くらいの文書やフォルダを表示できますから、超重要文書はトップに5つくらい置けます。

すべての文書は、まず1)に時系列で整理します。ダブるものは思いきって捨てて一本化したほうがいいです。それが終わったら、1)から3)に置くべき文書を選びます。「コピーして」3)に移動します。コピーが大事です。1)と3)には、同じ文書はあってもいいわけです。そして、3)の毎年使う用の文書は、アップデートOKにします。1)は文書が確定して保存したら勝手に改変は不可にします。記録が目的ですから。

👉 自治会や管理組合の仕事のほとんどは、去年やったことを参考に同じことをやることです。つまりこの「毎年使う用」をきっちり作り、アップデートしていけば、仕事全体も合理化できます。

👉 会議などで「これまでの例はどうだったっけ?」みたいな話になった時に(会議の場所にネット接続環境があればですが)、GoogleDriveで検索すれば「ここ10年…こうやってたみたいです」ということがすぐに示せます。

そして、トップディレクトに置くのは、会則や会員名簿などよく参照する文書とその年のスケジュールなどを置けばよいと思います。

2)は、今後の電子掲示用に使います。後で説明します。

もちろん、記録用は、さらに分類してもOKです。使いやすいように、でも、あまり複雑にならないように、してください。1)は時系列ルールなので、時系列で探せるように作ったほうがいいと思います。3)は目的別です。イベントの文書などはイベント名ごとでもいいと思います。

だいたいこんなイメージです。(これはGoogle図形描画で作りました。図形的なものはこのGoogle図形描画で作れます。プレゼンのスライドもGoogleスライドのほうが簡単です)

GoogleDriveで管理するとセキュリティ上も格段に安全になるはずです。また何といっても、ドライブ上にある文書を検索できるのがものすごく便利です。自治会や管理組合の仕事のほとんどは「これまでどうやってたっけ?」「去年どうやったんだっけ?」という話になり、去年と同じようにやればOKということがほとんどです。詳しい人が引っ越したり、長老が亡くなったりしたらわからなくなる。紙の文書だと探すのは絶望的ですが、この過去にどうやったかを圧倒的に探しやすくなるのです。「運動会」で検索すれば、過去の運動会の文書が出てくるのです。

文書が整理できたら、次に大事なのは、アクセス権を決めることです。

 

アクセス権

文書が整理できたら、アクセスしてよい人を決めることが大事です。会長、副会長、書記、経理、まででしょうか。パソコンができて、クラウド管理がわかる人は、少ないかもしれません。形式上、会長と、その他は分かる人数人にするのが現実的かもしれません。GoogleDriveで管理することになったら、そのGoogleのパスを毎年変更して、アクセス権を更新します。

アクセス権を持ってる人しかGoogleDriveにアクセスできないということを徹底し、文書は必ずGoogeDocで作ることにすれば、個人のPCに文書は残りませんし、データをUSBで運ぶ必要がなくなり、個人情報が漏れる可能性がとてつもなく低くなるはずです。

👉 データは、毎年すべてDVDなどに焼いて保存することにしたほうがいいと思います。これでデータが無くなることはほぼ無くなるはずです。GoogleDriveのトップディレクトリをすべてダウンロードとすれば、自動的に圧縮されてダウンロードできますから、それをDVDに入れて終わりです。

 

個人情報とは何か?を決める

これも大事なことだと思います。決めて、役員だけでなく会員とそのルールを共有する。何が個人情報なのか?は意外と難しいし、人によって結構考え方に違いがあります。

鈴木理恵(仮名)さんの情報として、以下のようなものがあるとします。

1)住所(マンションなら部屋番号)
2)電話番号
3)携帯番号
4)家族構成
5)自治会の会員かどうか
6)自治会費の支払い状況
7)いつから住民か

自治会で500世帯ぐらいで、昔からの住民が多いと、このくらいの情報は知ってるし、知り合い数人に聞けば電話番号も家族構成もわかる、ということはあります。でも、これらが鈴木理恵さんのデータとして文書に載ったら、やはり個人情報として慎重に扱う必要がでてきます。まずそういう考え方がわからないという人もいますから、ここから説明したほうがいいです。

個人情報にはもうひとつあります。個人と紐つかない情報です。例えば、コンビ二のレジに年齢ボタンがあることは有名ですが、これは、レジを通ったらあなたは例えば40代男性とされて、40代男性はチョコレートはあまり買わない、みたいな個人のデータ「1」として活用されているわけです。これも個人情報です。

上の7つの情報のうち、4)以降が匿名で集められた場合、この自治会のエリアの家族構成、自治会の加入率、会員の会費の支払い率、住民の出入りみたいなデータとして活用される可能性があります。家族構成などは、保険会社や塾など欲しい、お金出しても買いたいというところがあるかもしれません。ドラッグストアやコンビニがこの町に店を作るかどうか、という時に、人口は多いけど、若い世代は少ないことがわかれば出店はやめるかもしれまん。

この個人と紐ついた個人情報と紐つかない個人情報があるということも、頭の隅においていたほうがいいと思います。紐つかない情報も価値があると考える人はいるということが重要です。保護の対象です。もちろん、個人と紐ついた情報は、お金になります。塾のダイレクトメールなどは、受験生の子供がいるところに出したいわけです。これらは悪用される可能性がある。管理は厳重にしたほうがいい、ということになります。

しかし、もうひとつ問題があります。文書管理を厳重にするといっても、管理する人は必要ですから、会長や書記など毎年数名は、アクセスすることができることになります。この人達が自治会の目的以外で使わないということを会則に盛り込むか、アクセス権を持つ役員に守秘義務契約をとることをしてもいいと思います。

また、アクセス権をもつ人だけが知ることが出来るというのはアンフェアでもあります。自治会の情報は、誰もが知る権利があるわけです。やはりこの種の情報は段階を設けておいて

1)アクセス権を持つ人だけが見ることが出来る Aクラス
2)自治会員はみることができる。       Bクラス
3)自治会員以外でもみることができる。    Cクラス

という三段階くらいに分けておいたほうがいいのではないかと思います。例えば

個人と紐ついた住所、電話、口座番号などはAクラスの情報で、会長書記などアクセス権がある人だけ。自治会の会員がどうかはBクラス。班の名前はCクラスとし、そして、Aクラスの情報でも、自治会の会員であれば申し込めばみることができる。と設定するというような具合です。Bクラスまでの文書は紙ならば不要になったらシュレッダーで処分するというルールもあったほうがよいと思います。

Cクラスも定義しておくことは実は重要です。町内のオープンな掲示版で公開してもいいという範囲のことです。今はここには名前は出さないほうがいいかもしれません。つまり名前はBクラスなわけです。

👉 今は文書は元のデジタルデータがあることがほとんどなので、原本は保存することにして印刷したもので余分なものはシュレッダーにかけて残さないようにするほうがいいと思います。仮に配布した文書から何かが漏れても、それは自治会の責任にはならないという保険にもなります。

👉 ここに書いたことは、ほとんど管理していない、もしくは、してるけど、ただ文書やパソコンにパスを入れるだけ、みたいな状況からちょっとマシになるくらいだと思います。個人情報の保護は、ちゃんとやるなら、その考え方も、やり方も、専門家がいますので、そういう人のサイトや本で勉強するほうがいいと思います。

 

整理後の文書作成

すべて、GoogleDrive上で行うことにします。担当者が自分のPCで作業をしてもいいけど、Officeなどのアプリは原則使わない。使うのはふりがなをふる時だけです。すべて、Drive上で文書を作り、Drive上に保存し、Drive上からプリントアウトする、というルールにします。そうすれば、文書が、複数に散らばることがありません。これはクラウドのことが理解出来ない人にはイメージしにくいので、ホワイトボードなどで、説明して、よくわからないということになったら、とりあえず、アクセス権は5人くらいにあっても、パスで入って文書をいじれるのは、会長と書記と経理ぐらいに限定して、書記は最低限、クラウド管理が分かる人になってもらう、ということにしたほうがいいと思います。

👉 クラウドといっても、今は会社でパソコン使う人なら、わかる人はいると思います。下手にくじ引きで体育委員などになるより楽ですよ、と言って書記になってもらってください。

 

電子掲示

自治会のお知らせを配布する方法はいろいろあるみたいです。回覧板で配る、紙を投函する、お知らせとして配布する、やらないなど。で、実は多言語化した文書はかさばるので、配布はしないことになりがちです。掲示板にも貼るスペースがない。

で電子掲示にして、そのURLをお知らせすることで多少は解決します。紙だけだと、多言語化はコストとなるけど電子掲示なら無料ということも理解を得やすいのです。1年で一度くらいは、多言語でURLとQRコード(QRコードは大事です。スマホしかない人は結構います。貼り紙をみて、その場でパッと読み込めるのもとても大事)を紹介する紙を配布して、その他は、報告の日本語文書の最後に「この文書はこのURLでも読めます。You can read … English,Spanish…」と一文を添えるでもOKです。

というわけで、電子掲示は、多言語化と同時に進めたほうがいいと思います。ホームページで公開するのではなく、GoogleDrive上で共有します。上で述べた2)電子掲示用のディレクトリを共有するわけです。

共有はブログなどと違って、URLを知ってる人しかアクセスできない設定にすることが可能です。つまり、マンションの掲示板程度のアクセス権があるというわけです。この説明も役員にしっかりしておく必要があります。町内のあるいはマンションの掲示板に貼るのと同じことだと強調してください。検索しても探せないし、URLを知ってる人だけ。たまたま町に来た人が掲示板をみればわかる程度のことしか書かなければ同じことだ、ということです。

電子掲示でのルール作りも大事です。マニュアルにしっかり書いて置いて下さい。個人情報はもちろん、実名は使わない、住所やマンションなら部屋番号も出さない。くらいのルールは必要です。報告はここでできます。

このディレクトリを共有しURLを取得します。URLは長いので短縮サービスで短くします。

https://bitly.com/
https://hootsuite.com/

QRコードは、「QRコード 生成」などで検索すると、URLを入れれば無料で作ってくれるサイトがたくさんヒットします。

👉 Google URLshorterをご案内してましたが、2018年の3月末でサービス終了となったので、URLの短縮とQRコード生成は別にやってください。

このURLをQRコードを紙のお知らせに毎回入れて、ネットでも見られます、とやるわけです。

この電子掲示用ディレクトリの作り方は自由ですが、トップに言語別に、English,Chinese(tradhitonal)などと、フォルダを作り、そこに各言語で、会則と自治会入門パンフを置き、2011、2012などとフォルダを作り、そこに毎月のお知らせを入れればいいと思います。
トップディレクトには、全言語向けのもの、例えばすべての言語では提供できないけど参考になりそうな防災のPDF(たいてい英語と中国語、韓国語までです)などを置くディレクトリを作ってみてください。Emergencyとか、Minatokuには、区の多言語のPDFを入れるといった具合です。多言語のパンフのPDFはネット上に結構あります。そういうものを集めて、みつけたら、そこの放り込んでおけばいいと思います。1年で十分たまります。

あと、GoogleDocで、Link文書も作ったほうがいいかもしれません。YouTubeの防災多言語動画などのURLを書けばそこから飛べます。

 

電子掲示のメリット

ブログなどと違って、検索の対象にならないので、URLを知らないかぎり外部の人は原則読めない。テキストデータで、閲覧した人は、PDF、ePubなど好きなフォーマットでダウンロードできます。自力で多言語化もできる。またアドオンで、読み上げやディスレクシアの方向けのアドオンもあります。障がいがある方々もアクセスできる。アクセシビリティが上がるのも大きなメリットです。

👉 GoogleDriveで管理するなら、gmailも取得しますから、そのメアドもQRコード化しておいてください。
自治会文書にこのURL,そのQRコード、メアド、メアドのQRコードは書名がわりに入れればいいと思います。

 

課題

googleDrive上に集約する、というのは理解してもらえても、クラウド上にあって、アクセスして共有するから、ファイルは1つであるということがなかなか理解してもらえないことがあります。そう「共有する」を説明するのは難しいです。そこで守って欲しいルールとして

ファイル作成(ワープロ文書、表計算、その他)はGoogleDrive上でやることを徹底してもらう

というのがいいと思います。理解してなくても、やってもらう。ですが、どうしてもOfficeに慣れた人はそれができない、イヤだ、という場合があります。最初は、Officeで作ってもいいけど、完成したファイルは、GoogleDriveにアクセスしてよきところに置き、GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートに変換して保存し、エクセルやWordのファイルは必ず破棄する、特に自分のPCのファイルは必ず削除せよ、というルールを作るしかありません。そのうち変換が面倒だということで、直接Googleドキュメントやスプレッドシートで作ろうとなってくれると思います。

GoogleDriveとは、共有とは、みたいな説明は、少しここに書きました。日本語教師向けのデジタル入門的な本の無料Web版です。
日本語教育サクサク 基礎編 1.0
https://webjapanese.com/online/jbooks/sakusakukiso/

Googleの基本的な使い方、共有とは何か、みたいなことも書いてあります。無料ですので、自由に読んでください。印刷版、電子版も有料ですがあります。印刷版はCCなのでコピーして研修に使ってもOKです。

👉 GoogleDriveに移行後は、紙の文書は保存しなくても大丈夫だと思います。デジタルデータがないものはコンビ二でスキャンしてPDF化して保存しましょう。過去の紙文書は一応保存したほうがよいと思います。デジタルで残ってない、紙しかないという記録はあるものなので。

👉 とはいえ、自分のパソコンで使い慣れたWordやエクセルで作りたいという人は多いです。まったくパソコンのことを知らない人達よりも、この人達に、いかにGoogleDriveに移行してもらうかが、大仕事になる可能性はあります。あせらず、1年でできなければ、次の人に託しましょう。

いろいろな問題

ハードの問題

ついで書きます。パソコンを扱う担当になって最初に直面するのが、パソコンが古い、ボロボロという問題です。ハードがダメというよりOSが古い。Win7とか8.1だったのにWin10に無償アップグレードしてないからそのまま、ネット環境が置き場所にないのでソフトのアップデートができない、みたいなことです。

パソコンは必要だろうくらいのコンセンサスはありますが、今のパソコンはネットに接続できないとほぼ使えない、ということは理解してもらえません。結果、自分のパソコンでやることになります。

自治会のパソコンは、ノート1台で十分です。予備になるからと古いパソコンをキープしておく意味はありません。今はネットに接続してソフトをアップデートしないとパソコンは使えない。OSのアップグレードは二万くらい、セキュリティソフトは年間5000円くらいかかる。つまり台数分だけコストが増えるので1台にしぼりましょう、と言って説得してください。「今はパソコンは車と同じである台数だけコストがかかる」ということは、意外と知られてません。ハードオフに持って行けば、運がよければ1000円くらいにはなります。

その1台をしっかり管理して、アップデートをしたり、壊れたら買い直すというやり方が結局、最も安上がりだと思います。HPとかデルで5万くらいのノートを買えば5年は持ちます。自治会関係はほぼテキストデータだけで大丈夫なので、個人向けのものよりも、会社で使うような定番機種がよいと思います。そして、Windows10 のような無償アップグレードなどがあった場合は、必ずアップグレードはやっておいたほうがいいです。

プリンターなども不要だと思います。コンビ二にUSBメモリにファイルを入れてコンビ二に行けばカラーでA3くらいまで印刷できます。プリンターの維持費は用紙とインクで年間1万円くらいです。コンビ二のプリンターのセキュリティも高く問題ありません。印刷するのは元原稿だけで、あとはコピーですから、それほどたくさん印刷する必要はないはずです。インクは「消費期限」があり、買ってから1年くらいでダメになります。実はパソコンより維持費は高いです。月イチの会議の記録や報告などは担当者が印刷すれば十分ですし。

買うべきはシュレッダーです。今ある文書の処分は結構ありますが、それが終わればそれほど数はないはずですし、A4でいいので、単機能でOK。中古なら1万円で済みます。事務所で古いのをくれるところもあるかもしれません。不要なものを売ったお金で買えるなら提案してみてください。

少なくとも今後10年以上は、自治会や管理組合の文書は最終的的には紙で出力することになります。これらに個人情報などが含まれる場合は、シュレッダーで処分するというルールを決めた方が良いです。また、シュレッダーで過去の文書で個人情報などが入ったものを、必要ならスキャナーで取り込むなどしてから、きっちり処分する作業は時間がかかりますがやったほうがよいです(おそらくほとんどの紙文書は廃棄してもかまわないはずです。個人情報がどうこうという考えがない時代の紙の過去文書が誰でもみられるところにあるのはリスクが高い。個人情報漏洩のリスクを減らすためにも可能なかぎりシュレッダーで処分が正解です)。

👉 個人情報管理ちゃんとしないといけないんだという理解を進めるためにも個人情報がある紙はシュレッダーで処分する、というのをいろんな人に経験してもらうのもいいことだと思います。

ネット回線

ネット環境があるけど接続できなくなってる、みたいなこともありました。使わない回線に毎月5000円くらい5年払い続けているというようなことです。まず、通信契約を確認してどこが所有しているのかをチェックします。

所有者に回線を活用する気があるのかが問題です。あるのなら、例えば、無料の無線LANとして開放することも可能です。災害時などの通信インフラとしてかなり有効です。総務省は、無線LANとして開放するならルーター購入に助成をするようです。

https://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/1106676.html

無線システム普及支援事業費等補助金「公衆無線LAN環境整備支援事業」申請の手引き(総務省、PDF)
http://www.soumu.go.jp/main_content/000529633.pdf

個人的には、ネット回線契約は活用されてないのなら、もうやめて、自治会でLINEモバイルの回線契約をして、simフリースマホを購入するのが最も有効だと思います。初期費用はsimフリースマホの2万くらいで3年くらいはもちます。LINEモバイルなら月2500円で通話とLINEやツイッターが使い放題です。災害時の連絡基点としては最強です。会長(がデジタル苦手なら誰かネット連絡担当にしてその人が)が所有することにして、イベントの際の連絡先にすればよいと思います。通話で使っても月額5000円程度です。ネット回線と同じで、利用価値は格段に大きいはずです。

LINEのグループでの連絡網も、会長など個人のIDを軸にしてしまうと、役職が終わったら連絡網も死んでしまいますが、自治会などでオフィシャルなIDがあれば、継続可能です。自治会のIDの防災や役員グループに入り、引っ越したり役職が終わればグループから抜ければいいわけです。

しかし、こういうことをいろんな世代にちゃんと説明するのは大変だと思います。無理せずじわじわやってみてください。災害時に携帯回線のほうが有効だった、SNSでの連絡網が役立ったというケースはネット上にたくさんあるので、そういう資料を配付すれば理解してくれるかもしれません。

LINEやツイッターがいつまで災害時の通信インフラとして有効なのかはわかりませんが、スマホを軸にしたテキストのやり取り自体は形を変えて続いていくと思いますので、携帯回線の確保を検討してみてください。

👉 LINEのIDは、携帯回線契約がないと作れないので、公的な契約を作る理由になると思います。ツイッターはメールアドレスだけで作れますが、利用者が少ない。Facebookで自治会のページを作るのは多分可能ですが、個人のIDが管理者にならないといけないので、継続的な管理をするのは引き継ぎなど結構大変です。simフリーで自治会の公的な回線を取得してそこを軸にするのが最も継続可能な形ではないかと思います。

👉 simは、NTTなど、いろいろ種類がありますが、LINEモバイルはLINEとツイッター使い放題なので、災害時の通信網としては完璧ですし、通話をおさえれば月額も安く済むメリットがあります。

抵抗勢力

クラウドでの一元管理、ネット回線から携帯回線への移行などは、意外と中途半端にパソコンに詳しい人が抵抗勢力になったりします。その人が「パソコンに詳しい人」として知られていたりするとやっかいです。「ネット上にデータを置くと流出しやすくなる」「ハッカーのターゲットになる」「電子掲示みたいなことをするとネット上の人に見られてしまう」みたいなことです。

情報流出はヒューマンエラーのほうが圧倒的に多く、USBメモリでデータを持ち歩くみたいなことのほうが(ウイルスを運ぶ可能性も含め)リスクが高いということを伝えつつ。。。

😡 ネット上にデータを置くと流出しやすくなる

→ データが流出するのは、ほとんどの場合、個人がUSBメモリを無くしたりみたいな人のミスです。個人のパソコンがウイルスに感染し文書が流出する、あるいは壊れてデータが消える可能性とGoogleDriveに侵入されて流出する可能性、消える可能性は、圧倒的に前者のほうが高いはずです。

😡 ハッカーのターゲットになる

→ 自治会の文書を狙うハッカーはほぼいないと思います。どうしても欲しいなら、公民館に忍び込んでパソコンとか古い文書がある棚をこじあけて盗むでしょう。イベントの時に仕事をするふりをしてあら探しするとか。

😡 電子掲示怖い

→ これまでもマンションの掲示板などに書いてきたことを電子掲示上でやるだけです。ブログなどと違って検索してもたどり着けません。URLを知ってる人だがアクセスできる仕組みだということを説明します。つまりマンションの掲示板と同じで、これまでそこに書いてきたレベルのことしか書かなければ知られる範囲も同じです。

それでも説得が難しい時は。。。

上にあげたようなことを、やんわりと説明して了解をとる必要があります。それでもネット上に置くなんて!Googleなんて信用できない!という人はいると思います。そうなると、それまでどう管理してきたのか?ということで攻めていくしかありません。ほとんどの場合、電子文書はあるけど、個人のパソコンで作業をし、アクセス権もルール化されておらず、文書はバラバラであるはずです。誰でも入れるところの棚などに、個人名が入った紙の文書が二穴ファイルにファイリングしていればまだマシなほうです。どこかに無造作にツッコんであります。

「過去の役員のパソコンに文書が残ってる可能性が1%でもあるなら、そのパソコンがウイルスに感染したら終わりです。まずデータを集め、集約し、過去データは削除してもらうことからはじめないとヤバイです。今は個人情報が流出したら裁判で訴えられる時代です」と言いましょう。従来より圧倒的に厳重になることは間違いないので、まず第一歩としてやりましょうと説得するしかありません。

今は、地元のスーパーにあるテナント(時々本社が倒産して変わったりします。そのたびに個人情報は売っぱらわれるわけです)で作ったカードから個人情報が流出する、みたいなことが多いと思いますが、そこで流出したものでも、自治会が疑われるみたいなことになります。その時に「うちではこういうルールでこう管理している」とちゃんと言えないとアウトです。あそこは個人情報管理ちゃんとしてないとなると、若い人は加入したがらなくなるでしょう。

文書の集約まではやるけど、どうしてもGoogleDriveはダメだとなったら、いったん集めたデータをとりあえずDVDに焼いて、1台になったパソコン内にデータを置いて、パスをかけて、ログインできる人を限定するところまではやる。で、USBでデータを運ぶのはやめて、もう個人のPCは使わないことにする。その自治会パソコンを自宅に持って帰って使う、という方式にするしかないと思います。

これだとこの自治会のパソコンが壊れたりウイルスに感染したら終わりですが、わからない人というのは、データは消えることが怖いから、いろいろ複製してたくさん保存したほうが安心みたいな発想が頭のどこかにあるのです。もう仕方ありません。

ここでも、お金はかからない、むしろ安い、ということをキッチリ証明して、防災での有効性も資料を見せるということが大事です。今地域の自治会や管理組合などで唯一コンセンサスがとれそうなことは「防災」だからです。そして、実際にデジタル化を最新の状態に進めたほうが災害に強い体制になるのです。根気強く説明、説得をして、ダメだったら、次の担当者に、託しましょう。

👉 GoogleDriveは使わなくてもセキュリティの専門知識がある人が管理してくれるなら、そのほうがいいわけです。役所や大きな会社はそうしてます。それが無理なので、最善の方法として、GoogleDriveを使うぐらいしかないのでは、というのがここで書いたことです。

👉 時に、こういう提案、プレゼンは口頭でやるだけでなく、資料を残しておくことも必要です。提案したけど否決されたという結果だと文書で残ります。「過去に提案があったけどスルーした役員」として記録を残されたくないという心理もありますからね。それも活用してください。

 

最後に

さて、1年間やってきて、交代となります。引き継ぎは大きな問題ですが、新しい人がそこそこパソコンは使えてクラウド管理ということが理解でき、多言語化にも理解がある(それがそんなに大変じゃないと理解できる)人であるかは運です。新しい書記を選ぶ際は「現役で仕事でパソコンを使っている人」という条件はつけて頼むことにしてください。で、そういう人が読めばわかるマニュアルを作っておいてください。1年かけて。

こういうことをやると「文書整理とかはあの人がやったことだから」とずっと頼られることになりますが、それは大変ですし、そういう一人の人に頼るようなことでは絶対に今後、続きません。引き継ぎ期間は一ヶ月などと期間を限定して、メールやLINEでサポートすることにして、期間が終わったら、もう終わりにしましょう。基本、交代の段階でパスワードは変更で、転送設定などもすべて変更。メールの受信箱も送信箱も全削除です。こうやってきちんとリセットしないと、万が一、個人情報が流出した時に、いつまでたっても責任を負わなければならなくなるので、区切りをハッキリつけることも大事です。この責任の所在の交代のけじめと引き継ぎの期間を決めることは、次の担当者が1年後に直面することなので、ちゃんと説明すればわかっていただけると思います。この交代と引き継ぎの件もマニュアルにしっかり書いておいてください。

しっかり引き継ぎをすれば、2年続くことになります。その人が次をちゃんとやってくれたら3年です。自治会みたいなところは「これまでやってきたことを止める」みたいなことが最も苦手な組織です。3年続けばその後も続く可能性大です。

やれそうな人さえしっかり選べば続いていく、というシステムを作るということが最も大事なので、マニュアル作りと引き継ぎをしっかりやってください。

 


 

以上です。結論からいうと、書記というのは、仕事量は結構ありましたが、他の役職に比べると会議の他に必ず出なければならないイベントはなく、土日などがかなり忙しい私にはやりやすい役職でした。

大事なことなのだから、人々の理解を深めるためにも大声でやるべきだ!という考え方もあると思いますが、私は、まず第一歩をしっかるやることを優先して、黙ってコツコツ作り、次にバトンタッチくらいでやるのがいいと思います。

もし、多言語化も文書管理の改革も、いろいろ提案してもNOだという場合、最後の手段としては「じゃあ、これまでどおりやります。でも、今回、これまでのやり方は問題が多いと私が指摘し、あなた達がその案を拒否したという記録はお名前と共に書記として残します。将来、もし問題が起きたら、今年、指摘されたにも関わらず何もしなかったということは問題になるかもしれませんよ」と言うことでしょうか。

これは効くと思います。でも多少空気は悪くなることは覚悟しないといけません。しかし、それでもやらないとなるなら仕方ありません。また、「じゃあやってもいいけどあんたが責任とれよ!」などと言われるかもしれません。その時は黙って「ありがとうございます。やれる範囲でやってみます」とだけ言ってじゃんじゃんやればいいと思います。もちろん、ちゃんとやればセキュリティは確実にあがるわけですし、多言語化によってコミュニケーションが図れるようになったほうが、いいわけです。デメリットなど何もなく、何が起きても責任を取る必要などないわけですから。1年我慢して引き継いで、後は、こりゃダメだと思ったら自治会を抜けましょう。

自治会のお知らせなんて読む人はほとんどいないわけですが、電子掲示は若い世代の人は一度は覗くかもしれません。自分が海外に行き、日本語に翻訳した町内会の案内があったら、うれしいはずです。自治会のお年寄りも孫が海外で活躍している人もいます。しっかり説得してみてください。回覧板や掲示板で、いろんな言語をみてはじめて、自分の地域に外国人が住んでいることを知る人も結構いるはずです。同時に、外国人が住んでいて、特にトラブルもなく静かに生活ができている、ということも知るはずです。それだけでも結構意義があります。

とりあえず1年、静かに淡々とあれこれやってみて、あとは次の人にまかせる。で、何年かして、最近、外国語の文書が増えたねえみたいな話を聞いた時にニヤニヤしましょう。

 


 

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