オンラインレッスンのプラットホーム

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オンラインレッスンのプラットホーム

日本語教師は、主に日本語教師に関する法律的なことや政策、数や年齢などの実態が中心ですが、この「オンライン日本語教師」では、オンライン授業に教師として登録するサービスに関することを扱います。

約5万字弱です。

オンラインレッスンの成功の秘訣みたいな記事やセミナーも増えてきており、無限の可能性があるかのように語られがちですが、2021年の段階で、学習者は微増でも教師はどんどん参入しており、すでに飽和状態で、かなり厳しいと思います。まずはビジネスの場として考えるためには、冷静に現実を把握することが大事なので、無理にポジティブでもなく、極端にネガティブでもない、分かる限りのデータを基に、可能なかぎりフラットにみた状況を書きます。

また、21年7月現在、italkiの講師の半数以上は資格を持っていない教師だということです。その他のサービスの規定を眺めていても基本的に資格無しでも講師になれるというものがほとんどのようです。経験が少ないこういう人達のために、どういう日本語のレッスンが可能かというような入門的な記事もあったほうがいいと思いましたので、それも少し書いてみました。

👉 これはWikiなので、修正したり削除したり追記されたりします。内容はわりと変わります。一度読んだ方も、3ヶ月に一度くらいは覗いてみてください。このWikiの他の項目も参考になると思います。左上のウサギアイコンをクリックするとトップに行けます。

👉 日本語教育やその周辺では、なるべくニュートラルな、色がつかない語を好みます。学生とか生徒のような関係がイメージされる語ではなく「学習者」と呼ぶのが一般的ですし、国=言語ではないことから、母国語ではなく「母語」「第一言語」と呼んだりもします。「三カ国語」ではなく「3つの言語」です(「外国語」ではなく「外語」というのはまだあまり普及してません)。

👉 日本語教師という名称について:ちなみに日本語教師の資格が資格として認められているのは日本国内の民間の日本語学校の多数とその他一部で。海外や大学で問題となるのは修士か博士号だけです。日本の法律でも日本語教師という名称は、医者のように「医者だ」と自称すると罪に問われるわけではないので、資格の有無は関係なく日本語教師を言ってもいいことになっていますので、日本語を教える人は日本語教師と呼ぶのが一般的です(資格がない教師を「講師」と呼ぶことがあるのは単なる慣習です)。これは今後国家資格的なものになってもそれほど変わらない可能性が高そうです。

ビデオチャット利用の語学レッスンは、スカイプの登場(2004)直後から、友人を作るコミュニティでエクスチェンジレッスンが行われていた。マッチングのサイトも一気に増えた。ただ、最低でも常時接続環境がないと通信は安定しないので、ビデオチャットレッスンが普及しはじめたのは2000年代後半から。同時に、常時接続環境でもADSLから光などへのアップグレードが行われるだろうという見通しと共に、2000年代後半にビジネスとして参入する企業が増えていった。

2010年代は、回線速度の問題もあり、まだライブレッスンの安定性には課題が多く、ユーザーはそれほど伸びなかったが、カーンアカデミー(2008)年の影響も大きく、Udemy(2010)のように非同期の動画を中心にしたものが先行した。

2010年代後半に入り北米の大学を中心とした高速回線を使ったビデオチャット活用が本格的に始まり、2020年代、コロナもあり一般にもビデオチャットが普及したこともあって(同時に日本語学校への求人もストップしたこともあり)日本語教師が大量に参入し現在に至る。2021年に入り、教師は飽和状態のようだが、思ったほど市場は拡大していないという印象。日本語は2000年以降、基本的には学習者減で推移していて、オンラインレッスンの需要は既存の学習機関での学習者などからの流入によって微増という印象はあるものの、トータルとしては学習者数は、弱含みで推移というところ。

👉 テキスト主体のDuolingoの日本語版がスタートしたのは2017年。日本語の会員数は数百万と言われるが修了者数は1000人強。

ほとんどの場合、一対一のプライベートレッスン。ビデオチャットはスカイプ利用が多いが、自社のビデオチャットシステムも増えている。自己紹介の動画を作ったりがあるので、ウェブカメラで録画して編集するくらいの知識が必要になることもある。写真は事実上公開マストが多い。教師の相場は1時間1000~1500円。手数料は15~30%なので手取りは1000円を切ることも多い。顧客は長期契約ではないので、次回がなければ終わりというものがほとんど。

機能的な分類では、ビデオチャットを使ったライブ授業タイプと、レッスン動画を作ってその動画を販売するタイプ、両方の組み合わせの3種類がありますが、その前に、語学のビジネスの展開におけるビジネスモデルで、2つに分けて考えることからはじめたほうがいいと思います。

日本語教師が学校に講師として登録するというタイプ。授業の料金は学校が決める。

この種のビデオチャットを使ったオンライン会話レッスンのシステムは、2000年代後半から英会話ビジネスを軸に成長し、2010年前後には日本語教育でもあれこれと始まっている。早々にアルクなど法人も参入したが、すでに登場時には教師の時給は2000円前後でレッスン料金は3000円前後だった。2010年代後半には、自社開発のプログラムを使った中国の会社が多数進出し、あっという間に時給1000円になった。

この種のオンライン学校用のシステムは、2010年半ばにはすでに枯れたジャンルとなっており、月10万くらいでサポート込みで提供されているものが多かった。2015年前後には自社開発で作るところも多く、ほとんどは教師の登録とマッチングが自動化された簡易的なもので、運営は1人でもできることから乱立気味となった。この「学校モデル」は、過当競争で30分500円が英語や日本語でも相場となり、講師の時給は東京の最低時給である1000円を下回った。講師の確保も難しくなり、学校としての質的なコントロールも難しいということで、市場は行き詰まり、次の大規模な「マッチングプラットフォームモデル」の時代になった。

👉 学校モデルはまだ多少残っている。法人相手の需要はまだある模様だが、次のプラットフォーム系企業も法人対応を徐々に進めているので厳しいかも。

個々の教師が登録して個人でやるというタイプ。授業料は登録教師が決める。今の主流です。

2010年前後に、Udemyなど、教師が自由に登録してプラットホーム上で動画を販売したり、ライブレッスンをやったりというようなビジネスモデルが誕生した。教師が登録し、顧客=学習者が登録して教師や動画を探すというマッチングを主催するというタイプ。授業内容だけでなくレッスン料金なども教師が決め、相場の中で上下する。数百億という規模の投資を元に自社開発のシステムでサービスの種類と規模で競う。

語学だけでなく、いろんな資格、子どもの学習サポート、大学生のサポート、宿題サポート、など多種多様なプラットフォームビジネスがあり、いずれも数百億規模で展開する。

手数料はUdemyは登場時はだいたい30%程度だったが、その後、多数の企業が参入し、授業の多様さと教師数の勝負となり、手数料は15%程度になっている。italkiは、15%。ただし手数料依存のビジネスモデルなので、シェアが高まれば手数料は値上げされる可能性は高い。数百万規模でも20%

コロナ禍で、オンライン授業のニーズは高まったが、同時に、小規模で日本語のオンライン授業に特化して教師を集めて…という学校を模したビジネスモデルは終わり、2020年代は、手数料を薄く広くとる語学学習のマッチングサービス的なプラットフォームビジネスモデルが主流となった。大量の講師が登録し、10~20%の手数料で登録教師数を競う。日本語は多くの言語の中のひとつ、という位置づけなので、日本語だからプレミアムがあるというわけでもない。

授業の質的なチェックはほぼ行われていない模様。モニターリングもやっていない可能性が高い。You tubeがやっているような、キーワード(音声や映像なども対象のはず。大手は画像解析などでもやっている可能性高し)による倫理チェックみたいなものと、ユーザーからのフィードバックだけでは?

マッチングサービス的な方向は、あらゆる言語が学べるというサービスの競争の世界なので、おそらく生き残るのは数社あるかどうか。日本語に特化して、学習者の母語ができるなどクオリティ、ブランドで勝負する方向もまだ残っているが、やや劣勢という印象。

サービスによって違うので重要なことは個別に確認しておいたほうがいいと思います。

学習者側

教わるほうは、事実上、条件はない。これは日本の法律で日本に入国できない人もいる可能性がある、ということです。例えば性犯罪歴がある人や刑期中の人がこの種のサービスに登録できるかどうかは国によって違いますが、学習者側は身元確認がないことがほとんどなので、なりすまし、複数アカウントなども多い模様。

教える側

ほとんどの場合、教える資格は厳密には問われないが、語学教師は大卒が条件になっていることも多い。公認日本語教師みたいなものができれば、プレミアにはなるかもしれない。日本語しかできなくても登録はできるし、ネイティブではなくても登録可能だが、顧客の大多数は英語話者で英語ができるほうが有利なことは間違いなさそう。itakliの登録教師も9割近くが英語ができると申告している。

講師は、ビデオチャットが使えることが条件になっているが、基本的な操作は難しくない。独自に音声や映像を機材でカスタマイズすることはできないことが多い。無料だったり1時間500円程度のトライアルを準備するシステムが多い。

👉 トライアルが無料でレッスン3回で終わると、かなり手取りは少ないということにも注意です。

授業は、24時間可能だが、日本に住んでいる人が深夜や早朝にやって時間帯で勝負と考えても、海外の教師もいるので有利になるとは言えなさそう。写真付きのマッチングサービスなので、容姿の見た目重視になる傾向は避けられないというところもある。

禁止事項

オンラインのマッチング系のプラットフォームはいろんな禁止事項がある。特に警戒されているのが

-他社の宣伝 → 「**のほうがいいよ」というようなステマ的な行為が多い模様。 -サービス外への誘導→手数料抜きで直でやられると困る。URL、メールなどはプロフには書けず、伝えるのも厳禁。

👉 大手は、おそらくテキストだけでなく、Youtubeにある映像への自動モニタリングのようなものと同じ技術で、音声や映像でも他社の名前やURLなどがキーワード的に自動収集されてフィルタリングされている可能性が高いので、他社の名前を連呼したり、URLを背景に書いたりすると警告が来るかもしれません。

ほとんどのサービスで、教師はプロフィールをしっかり作ることが求められ、レッスンの成約状況や出席率などの数字が公開され、レッスンの評価やレビューも公開されることがほとんどだが、学生のほうは自分で登録したプロフィールが見られるだけ。学生はアカウントを作り直せば、履歴は消せるし、複数アカウントの取得もできることになっている。

1時間500円くらいで、日本好きの人と日本の文化の話をしたい、みたいな人や、英語が得意なので、英語で説明してみたい、というような人が多数おり、海外の日本人留学生がお小遣いかせぎでやるケースも多いとのこと。この種の人達が、全体の相場を下げることに貢献しているという話もあるとのことだが、これはオンライン時代以前からある現象なので、どうしようもないという気もします。

この種のサービスは、顧客のほうを向けば教師の力量やプロフの可視化が必要とされ、求められるものが高くなる、逆に教師確保のためには、それが阻害要因となるという難しいバランスがある。今のところはまず、教師確保で規模感を出さないとダメなので教師の登録のハードルは低く設定されているが、投資家は当然、手数料に直結する顧客数を軸に見るので、そこそこシェアが高くなってくれば顧客重視志向が高まり、講師を選び、絞る方向に振れる可能性もある。

学習者への仕掛けやインターフェイス改善などは重視されるが、教師を抱えるコストは無視できるレベルのものなので、教師の登録のハードルは低く設定したままでいいという判断もある。さらに、ハードルをさげれば、過当競争になり、必然的にレッスン料金の相場も下がる。安い価格は顧客にとっては魅力的ということになる。

つまり、基本的には講師数や講師のクオリティは顧客の数のために、調整されるという宿命になっている。少なくとも大規模なマッチングサービスでレッスン料金の相場が上がったり、という可能性は少ないとみるべきかも。

高額のレッスン料は可能か?

もちろん高額でもいいからドクター所持者に習いたいというニーズはあるが、かなり限定的で、語学は基本「勉強することは決まっており」「自分で勉強するもので」「教材や教師は伴走者に過ぎない」と考える人が多数で「上達すれば自分の手柄で、失敗すれば教える側のせい」と考える人が多い。教える仕事の中でも、教師のおかげとはなりにくいジャンル。つまり語学教師に高額を払うというニーズはあまり期待できない。

👉 とりあえずレッスン料金が高いほうから選ぶみたいな石油王的な人はマッチングサービスは利用しない。人脈があるので、例えば大学経由で誰か探すでしょう。

また、顧客の多数が必ずしも質を求めているとは限らず、結局、学習者の母語で楽しく説明してくれながら会話を続けられる人が評価される傾向もある。日本語を教えるスキルがあり、正確な説明ができることが評価される場所になるのかはわからない。特に外国語が苦手で「日本語で日本語を教えます」という人は限界があるのではという印象。

日本語のレベル

大手のサービスはほとんどデータを出さないのでわからないが、語学はリアルでもネットでも語学学習の市場は初心者が圧倒的多数を占めるのが常。教材も初級のものがほとんどで、NHKの語学講座はだいたい6月あたりで売上が激減するということも知られている。日本語も例外ではなく、初級以降の教材は、ほとんど学校で採用されないと存続は難しいので、日本語学校向け(教室授業で教師が教える前提の)ものばかりになっている。9割以上は、ほぼ0か0に近い初級者と考えて間違いない。

0初級者は、いかに最初の50時間で「続けよう」と思えるかが鍵になる。レッスンをはじめる時はモチベーションは高いので、なんとかひらがなとカタカナまでは頑張っても、初級前半くらいでドロップアウトというパターンが多い。オーソドックスな(文型シラバス:「みんなの日本語」「げんき」など文法的に易しい順の配列の教科書)教科書では、最初の50時間に、助数詞、形容詞の活用(簡単だが、形容詞が活用する言語はそれほど多く無い)があり、これらが負担になる。すぐに使えそうな気もしないので、動詞の活用が始まると厳しくなってくる…。

初級前半くらいをぐるぐる回っている学習者が大半で、うまく誘導できれば後半に、後半をクリアすれば、その先も希望が見えてくるが、初級=基本が終わったという時点で、あとは会話でなんとかしよう、ということになり、レッスン的な授業は終わりになるケースも多い。

つまり、教師としての経験を積むことはできるが、かなり上手くいっても初級の範囲で終わってしまうので、経験としては初級の経験に偏りがちと言えます。

中級、上級者も一定数いるが、そこにターゲットを絞るのも茨の道です。日本語教育関係のデータにあるように、N1の合格者数は毎年7万人前後で推移しています。N1まで行けば、上級レベルを保つのは可能なので、これは累積されると見込めます。しかし、上級者は自分で情報を集め、学習環境を構築することもできるので、そのまま潜在的な学習者数だと考えるのは難しい。

講師の数は、例えば、italkiでは、21年7月の時点で、サイトのトップでは713人になっているが、japaneseでは974人になっている。後者のほうが実数に近そう。他のサービスでもだいたい500人強というところ。複数のサービスに登録している人も多い模様。学習者数は公称500万人以上とのこと。

同じく、italkiの例では、資格の提出が必要な「プロの講師」と不要な話し相手的な「コミュニティチューター」の2種類。講師選択の画面で比率がわかる。例えば21年7月の時点で977人のうち454人が「プロの講師」なので、これがこのまま資格の有無を正確に反映してい るなら、有資格者の比率は46%と過半数を切っている。

italkiでは9割近くが英語が話せると登録しているので、基本的にはそのプラットフォームで多数の顧客が話す言語ができるから登録してみようという場所かなと思います。中国系の学習者が多いなら、講師の話す言語が中国語が多数を占めることになりそう。

資格が無い教師はこれ以上データを集めようがないので、何かわかったら追加します。

ひとまず、国による調査などで客観的なデータがある有資格者のものを以下で紹介します。

一般的な有資格者の日本語教師のデータ

いわゆる有資格者の日本語教師は、現在、毎年だいたい1万人程度生まれている。資格制度は90年前後からスタートしているので、累計で20万人以上と思われる。→ 資格に関しては日本語教師参照。

現役で働く教師の年代別の調査は文化庁の日本語教育実態調査で2014年(平成26年)から調査が始まりました。

2014年 https://webjapanese.com/dokuhon/files/nendaibetsu2014.png,500x300 

2018年 https://webjapanese.com/dokuhon/files/nendaibetsu2018.png,500x300 

比較表

10代20代30代40代50代60代70代以上回答なし
2014186(0.5)2161(6.5)4000(12.1)5085(15.4)6010(18.2)7271(22.0)2601(7.8)5635(17.1)
2018143(0.3)2078(5.0)3801(9.1)6203(14.9)7373(17.7)9119(21.9)4089(9.8)8800(21.2)

10代と20代を×25、30代を×35で計算して平均年齢を出すと、&color(Black,lightpink){平均年齢は約54才になる};。上場企業の平均は40前後で高齢化の問題として語られている。小中学校は43才。日本の企業の社長の平均年齢は59才。男女比ははっきりしたデータはないが、日本語教育学会の男女比は女性が75%程度とのこと。民間の日本語学校は長く8割以上だったという印象だが、ここ15年くらいはやや男性も増えてきたかもしれない。

検定試験の主催者であるJEESの2020年の年齢比のデータの画像です。 https://webjapanese.com/dokuhon/files/kentei2020.png  これは基本的に、新たに教師の資格をとった人のデータです。高齢でスタートする人が多く、若い人の資格取得者は減少傾向だということがわかります。

教え方

これもデータがないのでわからないが、ざっとブログなどの体験記を読んだ限りでは…

養成講座を修了して経験を積もうとやる人は、ほとんどの場合、文型シラバス(「みんなの日本語」「げんき」など文法的に易しい順の配列の教科書)の教科書で、文型ガチガチでやっているようです。そこそこ経験がある人は、シラバスを工夫し、個性を出そうと、いろいろやる人もいる模様。日本語学校で働きつつ、学校とは違う手法を試したいという人もいるようです。

italkiのような、ビデオチャットのマッチングは、ほぼ何もできず差別化が難しい模様。ただし、サービスによってはteachable.comのように、準備したファイルやオンデマ動画などを使って、本格的なオンラインスクールのようなものを運営できるものもあります。今後、講師のICTスキルが上がっていけば、こういうサービスが主流になるかもしれませんが、日本語教師はやや時間がかかるかもしれません。

以下は、そういうものではない、italki系のサービスを元にしたものです。

ハード・ソフト的な制約

マッチング系の会社は、規約上、ほとんど何もできないようです。今後、おそらく大手はスカイプなどのツール利用から、自社のビデオシステム利用に移行する可能性が高いと思いますから、より何もできなくなるかもしれません。

その他、いろいろできるよ、ということをウリにするサービス業者もあるようです。あまりそこでは日本語はパッとしませんが、これは日本語教師がICT系のツールの活用が苦手ということが理由かもしれません。

高画質化はできるか

ウェブカメラに制約はない模様。ウェブカメラ品質が限界とも言える。スマホだと高解像度にはなるが、回線的な問題もあるので、一眼でコンデンサーマイクで、配信ソフトを使って、という工夫までは難しそう。

複数画面を使えるか

これも、ソフトやスイッチャーを駆使して3カメで、タブレットの画面も使う、みたいなこともできない模様。画面共有くらいまでか?

Goproなどで移動して戸外に出て店をライブ中継をするなどは難しい模様。知り合いの店などで実際に買い物をするみたいなことも出来なさそう。これは今後、可能になる可能性もあるが、例えば、余計なものを映した場合、肖像権の問題や商標の問題、教材をカメラで共有する場合は著作権に触れることになり、いろいろ制約も出てくる。自宅を特定されるリスクも圧倒的に高まることにも注意。おそらく解禁されない。

オンデマ動画をアップできるか

UdemyやTeachableなど、オンデマ動画ありきのサービスでは可能だが、ライブ授業系ではできない。

👉 プロフィール動画をきれいにつくることはできるらしい。そのために一眼を買って録画して編集して、となると大変ですが…。動画編集はこれから必要なスキルになりそうですし、簡単なのでチャレンジしてもいいかもしれません。

外部にあるURLを参照させたりは?

これができれば、自分のブログやサイト、GoogleDriveなどにファイルを置いて参照させたりができるが、サービスの外への誘導はほぼ禁止ということが多い。

契約形態での工夫ができないことも、サービス利用の弱点と言える。この種のレッスンで、教師側が、レッスン獲得や継続の安定、時間あたりのレッスン料金を得る方法で試行錯誤することは多いが、それらのほとんどは試すことはできない。独立すれば可能になるが、この種のマッチングビジネスが拡大中なので、なかなか難しい。

長期契約など契約方法のバリエーションはあるか

今のところ、個人で契約に関与することはできず、サービス会社の仕様次第。チケット制(あらかじめ複数回レッスン分をチケットで購入する)などもほぼできない。

逆オークション的な方法は

逆オークション方式とは、顧客側が価格を提示して、それに応じることができるかを競い、もっとも安い値をつけた人が落札するという方式。2000年初頭に流行り、語学レッスンの交渉などで活用されたことがあったが、相場の引き下げに貢献したのみで沈んでいった。これと似たようなシステムを採用するところもあるらしいとのこと。

👉 リバースオークション - Wikipedia

グループレッスンができるか

これはほとんど出来ない模様。一対一だと料金設定にも限界があることから、グループ、あるいは教室的な展開をして、時間あたりの利益を増やすのはよくある手段だが、今のところは無理。今後、グループレッスンから教室授業のマッチングなども可能なサービスが出てくる可能性はあるかもしれない。ただ、一対一と思っていても、画面の外に誰かがいて、こっそり複数で受講しているみたいなことも防ぐことはできない。

「自分の強みを活かす」という物語はネットの好物です。秘めていた能力が急に覚醒するみたいなコンテンツは国内外に溢れています。「新たに努力するより楽そう」というのが隠し味になっているのかなと思います。

しかし、語学学習は地味なところで、基本的に具体的な教えるスキルに直結しないことが報酬には繋がりにくいジャンルです。自分がどういう語学教師を選ぶかを考えてみると、少なくとも個人的な趣味がポイントだという人は少ない。「アニメに詳しいからアニメに特化する」「子育ての経験がある」「バイクで世界一周した」をアピール、みたいなことは目をひくキッカケにはなるかもしれませんが、最初のレッスン獲得スタートでちょこっと有利になるくらいじゃないでしょうか。結局、高い報酬を払いたいという差別化には繋がりにくいことにも注意です。それでも過当競争の中では最初のレッスン獲得競争に勝つのは重要かもしれません。

しかし、ここは日本語教師のためのサイトですし、どちらかというと正攻法のやり方を提案してみます。

👉 日本語のSNS上でよく語られる「ブランディング」が顧客に届くものであるかも再度、考え直す必要がありそうです。ネット上のビジネスは同業者ではなく、顧客にどう評価されるかが重要なことなので。英語圏でネット上で顧客へのブランディングを考えるなら、LinkedInでアカウントを作り、英語でプロフィールを書き、そこでアピールできる資格や経歴をのせるのがスタートラインかもしれません。でも、ビジネスの世界で評価される経歴、資格のハードルは高くシビアです。変なことを書くとアウトです。外部サイトなのでマッチング系サービスでは誘導は禁止ということがあるので、そこも難しい点です。Linked In などからオンラインレッスンのアカウントへ、という流れを作れれば効果はあるかもしれませんが、華麗な経歴なのに、オンラインレッスンで1時間2000円みたいな激安価格で教えてるの?みたいな逆効果になる可能性もあります。

経歴での差別化…

一般的にマッチング系のサービスではレッスン料が安くなる傾向が避けられず「この中で差別化してレッスン料金をあげる」というのは誰もが考えるようです。人気講師、カリスマ講師という細い道はありますが、普通は国際的に認められそうなものは「国の資格」「修士・博士」ぐらいしかないと考えたほうがよさそうです。

日本語教師の資格は、今、準国家資格的なものにする議論が進んでおり、2024年あたりから動き出しそうだが、新たに資格を取得するには、うまくっても1,2年は必要で、養成講座的なものに通うなら70万くらいは必要。これで有資格者になるメリットは

  1. 民間の日本語学校のうち留学生を受け入れることができる「告示校(500校前後)」で働ける。(告示校では有資格者以外教えることができない)
  2. 介護や看護の一部の在留資格で来日後の日本語研修を担当できる(同じく有資格者のみとなった)
  3. JICAの日本語教師派遣に応募できる。

ぐらいです。その他、稀に国が公募するケースで「有資格者のみ」ということがありますが、数十人単位です。で、今のところマッチングサービスでは1時間1000~1500円はたいして変わらないということになってます。ざっくり言うと現状では国内の告示校(基本、零細企業です。労基法はあまり守られない)で働くつもりがないなら70万の価値はないかもしれません。ただ今後拡大していく可能性はあります。

修士、博士は、海外の大学で就職するためには必須となっていますが、求人自体が少ないです。基本、語学のレッスンでは重視されず、リアルのプライベートレッスンでもオンラインのマッチングサービスでもあまり重要視されません。

結局、サービス業者のプラットフォーム独自の評価システムがあり、そこで高評価を受けるか、何かのスペシャリストとして名を上げるみたいなことしか難しいかもしれません。ただし、評価システムが変わることもありますし、そのサービスが終了したら、その評価も消えてしまいます。この種の業者は10年続くことは少ないです(たいてい10年の間にどこかが買収してアレコレ変わることになります)。

👉 日本語教師の資格については2021年国で議論中ですが大きく変わりそうではありません。

ブラッシュアップのスペシャリスト

「発音矯正の専門家」「漢字学習のスペシャリスト」「独自の敬語の学習法」みたいなところで、10コマくらいでカリキュラムを作ってそこそこ高額の設定ではじめて、じっくりオンライン上でその分野の第一人者を目指すほうが長い目でみればいいんじゃないでしょうか。発音指導に関する本は数冊、オンライン上で読める論文は100くらいだと思いますから、勉強し、学習者の母語を知り、知識を積み上げ、数をこなし、スキルを磨くみたいなことをやっていけば、スペシャリストになれる可能性はあると思います。

地味でおもしろみがないかもしれませんが、日本語教育の世界は、意外と、こういうことをちゃんとやろうという人は多くないようです。日本語学校で働くとオールラウンドプレーヤーを求められるという傾向がありますし、プライベートレッスンでも、せいぜい「読み書き無しでやってくれ」ところまでです。つまり、オフラインでは基本的には小さいニーズに特化したものをやるのは難しいです。ただ、オンライン上では分母が大きいので可能性があるというわけです。

研究職を別にすれば、日本語教師は「&color(Black,lightpink){普通にコツコツやることがオンライン上ではブルーオーシャン};」ということがあるように思います。

後述する「ブラッシュアップのレッスン」のところに書いた、一般的に日本語学習者の理解が難しく忘れがちなところにピンポイントで「復習レッスン」として、5コマで完全にする、みたいな方向も面白いかもしれません。中級、上級の学習者が自分が弱いと思っていることをピンポイントで復習したいというニーズはあるはずです。難しくはなくてもやや面倒なところ「動詞の活用だけを完璧にする5コマ」みたいなことも。ただし、利用するサービスに、そこそこ本気の学習者がいるということが大前提です。友達作り目当てで写真で人気が決まるみたいなところだと厳しいような気がしますし、ライバルが増えてくるとまた新たな戦略が必要になりそうです。

自分のホームを作っておく

ほとんどの場合、学習者と講師のマッチング業者は、そのプラットフォームの中でビジネスをしろ、勝手に「外」に誘導するなというルールを課してくると思います。「手数料無いからちょっと安くできるよ」と勝手に自分の商売に誘導されると困るからです。しかし、そのサービスの中でいくら有名になって1時間5000円の教師になってもその中のルールはあくまで会社次第ですし、オンラインレッスンは登録したプラットフォーム事業者が潰れたら終わりです。

これから長くネットをベースに仕事をするなら、それができそうなメドがたったら、早めに固定の「自分のホーム」をネット上に作っておくほうがいいと思います。レンタルブログ、Googleサイト、やFacebook、などいろいろありますが、自分でドメインを取って、レンタルサーバーを借りて、URLが変わらないホームを作ることをオススメします。ブログのURLはサービスが終了すると変えるしかありませんが、ドメインは更新すればずっと同じです。

そこを自分のネット上のホームにして、自己紹介には必ず入れる。プロフィール欄にURLを入れることができなければ、レッスン画面のどこかに手書きで置いておけばいいと思います。ただし、これは規定違反の可能性はありますから要注意です。なるべく覚えやすいドメインにして、レッスン中に口頭で知らせるとか、自分のニックネーム、例えばプロフで「marinihongoのレッスン」などとして、marinihongo.comでドメインを取り「marinhongoで検索すれば私のサイトにたどり着ける」と、やんわり伝える、という方法もあるかもしれません。いずれにしてもサービス会社によっては、ほぼ規約違反でしょうから、自己責任でどうぞ。

ドメイン名は自分のあだ名など、短くてわかりやすいもので、一生自分のネット上の称号として使えそうなもので。レンサバは年5000円、ドメインの更新は年1500円くらいなので、変なサブスクに月1000円払うより安いです。

注意すべき点

おそらくサービス会社があまり公にしたがらない部分だと思いますが、ほとんどのサービスで規模感からいって人力のモニタリングは無理ですし、チェックはワードや画像解析での自動巡回みたいなことだけだと思います。かなりユルい管理なのでいろいろ起きているはずです。

  • ナンパ目的や、単なるいやがらせなどは、教える側も教わる側にも、やはりある模様。1500円程度の料金で写真で選ぶスタイルが主流なのでどうしてもそうなるのは避けられない。
  • 新宗教、自己啓発系のセミナーや団体への勧誘も多い可能性がある。生徒にも教師にもいると考えたほうがよい。組織的にやっているところもありそうです。アメリカは自己啓発ビジネスの発祥地。ナンパを装って実は新宗教、ということもあるらしい。
  • 日本語教師も半分新宗教の勧誘でやる人もいる。その種の団体の海外進出で日本語教育はよく使われる。困ったことですが。。。
  • オンラインレッスンでは、飲酒やドラッグは監視もできないことに注意。(米はドラッグ関係は合法の地域は増加中。欧州も合法の国は多い)。
  • 教師も生徒も登録に必要な情報は少なく、確認もない。制約も無いことがほとんど。犯罪歴があっても登録できるのでは。サービス提供業者の規約にはほぼすべての面の免責事項が書かれているので、何が起きても自己責任になる可能性大。

ほとんどのサービスには、ブロックしたり報告したりという機能がある。ただし、対応してくれるかはケースバイケース。ほとんどのトラブルについて、免責が書かれている。

【Preply】やばい生徒に出会ったときの対処方 | from harupaka
https://harupaka.com/if-you-are-harassed-by-a-student

怪しげな人が複数のアカウントを使うことは予想できますが、もうちょっと手の込んだ方法だと対処方法は無いかもしれません。スカイプなど自分のアカウントを持っているサービスではなく、サービス提供のビデオチャットシステムを使ったほうが無難という気もします。

とにかく会うのは絶対にやめたほうがいいです。特に講師が「今度あなたの国い旅行に行くからちょっと会おう」と約束するのが最も危険です。「街を案内するよ」と言われても、やんわり断る。

👉 ただし免責事項があるからといって、訴えても無駄ということではありません。裁判次第です。ただ、裁判は本社がある国の裁判所になる可能性は高い。

👉 性犯罪者(特に児童性犯罪)などは刑期を終えた後も自由に制限が課されることが増え、情報公開もされることが多いが、海外から検索できないことも多く、オンラインサービス上では本名が特定できないことも多いのであまり機能しない。参考→性犯罪者情報の管理・公開 (諸外国の制度)【オーストラリア】児童性犯罪者の海外渡航制限に関する法律HRN 性犯罪に関する各国法制度調査報告書最終版_201810

👉 今は性犯罪だけでなく、ヘイトクライムの対象となっていることにも注意。1万円くらいで(トライアルと数回レッスンやってカモだなと思ったら…)呼び出せるなら、と考えるケースはありそうです。

個人情報保護とプライバシー

仕事に関わること(プライベートレッスンだと日本語学習に関わること)であると互いに了解があること以外は訊ねてはいけないというのが国際的なルールになっています。「互いに了解」は、例えば性別や年齢は入らないと考えるべきです。外国語学習歴など、相手に確実に納得させることができることでないとダメです。会社の同僚などではなく、レッスンの契約をしているだけなので、どんなに仲良くなっても、このルールは厳然と存在しつづけると考えましょう。

これは、自分に向けてこれを越えてくる人に対してもNOと言うことができるということです。最初にきちんとNOを言わないと、ずるずる近づいてくる人もいます。了解事項がないことを訊ねる人はダウトです。サービス業者にもガイドラインはありますが、遠慮無く通報したほうがいいと思います。顧客を失うのを惜しまないほうがいいです。そういう人は長続きしません。

ほとんどのサービスで、個人情報は書くなということになっています。ブログなどネット上のことはほぼ書けません。これは外部への誘導を恐れていることもありそうですが、あれこれ書くことがトラブルに繋がりやすいことは確かです。違反覚悟で書くことは大きなリスクも背負うことになるとは思います。今は、ネット上にいろいろと個人と結びつく情報があります。SNSのアカウントを持っていなくても、誰かのインスタに写真が写り込んでいて、その人がうっかり名前をタグ付けしたらアウトです。ネットで匿名を守るのは実は至難の業です。

プロフ

サービス事業者は、サービスの中だけでやってほしいので、SNSなど外部へのアクセスへの誘導は禁止になっていることが多い模様。それでも…

-写真に住所が特定できるようなもの(電柱、ガードレール、鉄塔、店舗など)が写っていないか

は基本ですが、プロフで顔をさらすことになるので、個人の特定はされてしまう可能性は高い。プロフで顔がはっきりしないものにしても、レッスン時にスクショを撮り、画像検索すれば、会社の写真紹介と一致したり、ということもある。ネット上に別のプロフがある人は特定される可能性は飛躍的に高まる。

ライブ時

  • 背景に住所が特定できるものが写っていないか(宅急便の住所、バーコード)
  • 授業中に地震があり「地震です」と伝えれば、かなり住所は特定されてしまう、みたいなことがある。
  • 画面外のものがガラスやメガネ、瞳に映ってあれこれを特定されることがある。周辺も気をつける。
  • 自分以外の人、ペットなどは映さない。子どもは特に注意。

「おしゃべり中心のレッスン」では、自分もあれこれとプライバシーを話すことになりがちで、相手にも訊いてしまうことがある。家族構成、ジェンダー、宗教、政治は禁止というサービスもあるので、トピックには気をつける必要がある。

👉 もちろん学習者のことは第三者に話すことは厳禁だと思います。「*さん、発音がきれい」みたいなポジティブなことも含めて日本語の能力の評価もダメです。有名人の語学能力も同様。(SNSでは多いです。研究者もこれをよくやります。Youtubeでも有名人の英語とか**語能力がどうみたいな動画がありますが、あれは素人も教師も研究者もやってはダメなことなのです)。他の人の個人情報を漏らすことにも注意。「**さんともレッスンしてます」「ああ、知り合いです!時々会います」などと言うと、その知人の生活エリアを伝えることになりかねない。

国による監視

今のところ(2021年秋)、自主的な規制というムードですが…

中国は2021年の7月に教育関係の規制強化を発表しました。日経によると

新規開業の認可をせず、既存の学習塾は非営利団体として登記させる。塾の費用も政府が基準額を示して管理下に置く。

教育費の高騰がその理由となってますが、国際的なプラットフォームで余計なことをしてもらっても困る的な事情もあるようで、今後、教育方面のオンラインビジネスへの影響も広がりそうです。SNS同様、サービス自体がBAN(禁止。ネットのサービスの話題でよく使われます)される可能性があり、これが他の国(同じような国家管理システム…中東とかアフリカとか…)にも広がるかもしれません。

国による具体的な規制がなくても、相互監視的な空気によって継続が難しくなることもありますから正式な「■■*(サービス名)はOK」というお墨付きがないと先細りは必至かもしれません。ただ、オンラインレッスンのような監視が難しいやり方だと厳しそうです。オンライン学校的なところが許可を得れば…というところ?

italkiは中国系企業なので可能性はゼロじゃありませんが、サービス形態としては、今のままOKになるにはかなりハードルは高そうです。他の非中国系サービスはほとんど望みゼロなのでは…という気がします。子どもに余計なことを吹き込まれるのはイヤだ、ということはあるでしょうし。

中国学習塾、非営利団体に転換 政府が教育費抑制へ規制: 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM2443H0U1A720C2000000/

中国のオンライン教育各社、規制強化に対応し事業見直し急ぐ-関係者 - Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-07-29/QWZEEIT1UM1401

中国は国内の受験で日本語が有利ということもあり、第二外国語として日本語を選択する人が増えているというニュースがあり、この受験指導としてに日本語教育はオンラインレッスンの新たな市場だと考えた日本語教育関係者はいたと思いますが、思わぬ障害が出てきたというところです。

ノウハウビジネス

サービス以外のところでも注意が必要です。この種のことは、必ずノウハウビジネスが出てきて、そっちのほうが盛んになったりします。アフィリエイトでも稼ごうというだけでなくセミナーまでやる人も現れる。有料のnoteで「稼ぐ方法」的な記事を売る、などなど。。。

レッスン料だけでは少ないので、そのノウハウビジネスで、数千円足して、トータルで5万円になった!フリーランス万歳!みたいな悲しいカラクリがあります。

オンラインレッスンだけでなく、普通の有資格の日本語教師による、日本の教え方セミナーも要注意です。2018年あたりから、爆発的に増えていますが玉石混交のようです。教師向けの本を買ったり、オンラインの無料の論文を読んで勉強するだけでもかなり質が高い勉強はできます。大学や民間の大手日本語学校などがやる3000円/1hくらいのセミナーなら参加する価値はあるかもしれません。

今は、日本語教育の世界にも、「無料のおしゃべり会」から数万円のオンラインセミナーへ、あるいは、1回2000円のノウハウセミナが月額2000円の会員制になり、1回1時間10000円の個人コンサルティングが会員なら50000円! みたいなオンラインセミナー商売の常道で展開する人も、それにひっかかる人もたくさんいます。正直、日本語教師は絶好のカモとしてこの種にビジネスのターゲットにされている感が強いです。

  • 「先月の倍になりました!」「オンラインをはじめて収入が3倍になりました!」という人は多いが、&color(Black,lightpink){いくらなのかは書かれていない。};ことに注意。つまり元が2万円で3倍の6万円になっただけかもしれない。コロナ禍で学校授業が無いならこれでもありがたいが、浮き沈みは激しいし、長い目でみて収入の補填になるかは微妙。
  • 「月**万稼げる」という記事は多い。「5万」「10万」「20万」といろいろ。この種のブログは成功した頂点で書かれるもの。成功ストーリーはアクセスを稼げるし、ちょっとテンションが上がっているので書くことになる。しかしほとんどの場合、その後のことを定期的に報告するような記事は少なく、ダメになったという報告はされないまま更新がストップしたりする。長期的に成功したのかはわからないまま。(お金のことは事実かどうかもわからないし…)。でも検索して成功ストーリーばかりハシゴして読むと、うまくいくような気になってくる…。
  • 同じく「50コマやってます!」は週なのか月なのか、わからないこともあります。見出しでわからないから、noteの記事に数百円払うと、月だったりします。
  • 「成功した」と語る人の収入が本当なのかは確定申告のコピーを見せてもらうしかないような気がします。そんなことをするより、最初からスルーが正解だと思います。

これらのことはみんなやってるからいいだろうと考える人が多いですが、情報商材との境界はあいまいです。noteはスタート当初から、この種の情報商材ビジネスの巣窟となっており、きちんと排除できないまま今日に至ってます。額が少ないからと言っても、記載されていることが正確でないなら訴えられる可能性は常にあります。

特集 儲けをうたう情報商材のトラブル - 国民生活センター
http://www.kokusen.go.jp/pdf_dl/wko/wko-201901.pdf

英語で検索

日本語は成功ストーリーが多いですが、英語のネットはシビアです。「サービス名 + earningsとかearn 」などで検索すると、いろんな情報が出てくるので参考になります。総じて、プロの教師には厳しい場所であるという評価。発音矯正など特化したレッスンで高額で設定して、レッスンが来たら受ける、くらいのスタンスでやればいいという人が多いという印象。

学習者のほうの意見も多い。日本語のレッスンを受けた本音などは、Redditなどにたくさんあがっている。Youtubeにも多数あるので、参考になる。

https://www.reddit.com/r/LearnJapanese/

世界には多数の日本語学習者がいるわけですが、ビジネスとして考える時、ネット上でそこそこのお金を払ってくれる人がどのくらいいるのかが重要になってきます。

今のところ、ネット上で日本語の学習にお金を払ってもいいという人は何人くらいいるんでしょうか?

Duolingoは、無料です。教科書もせいぜい3000円、辞書はほぼ無料。普通は独習者が出すのはここまででしょう。しかしオンラインレッスンは1時間に1000円くらいは払ってもいいと考え、月6000円を払い続ける人達がいます。今のところはこのオンラインの顧客数が「ネット上で日本語の学習にお金を払ってもいいという人の数」に近いと言えそうです。

今の状況

ざっくりとした計算です。各社、公式発表の数字は数え方もバラバラのようですし、一人何コマ持てるのか、報酬はいくらなのかはわかりません。いろなブログなどの数字からおおまかに推理しますと。。。

ライブレッスン系のオンラインプラットフォームの場合、大手の2~3社が、登録教師が500~1000人をうたっている。おそらく複数のところに登録する人もいるので、この種のサービスに登録する教師は、トータルで1000人前後ではないかと思われる。ひとまず1000人としてみます。

このうち、各サービスで授業が得られない人がかなり多数いるという話なので、上の成功モデルの週8コマをゲットした人が3割ぐらいとすると、300人が週8コマで、2400コマとなる。

残りの7割、700人を平均週3コマぐらいで計算すると、週に2100コマ。

合計で週に4500コマのニーズがあり、それを1000人で奪い合っている、くらいのイメージ?

学習者が1人、週1.5コマくらいで計算すると3000人くらいかもしれません。多く見積もっても5000人はいないような気がします。

まずネット上にどのくらい日本語学習者予備軍がいるのかから考えてみます。

以下はhttps://trends.google.com/で japanese language で検索した結果です。2004年からの検索数です。いろんなところで言われている日本への関心は2000年前後がピークという印象とだいたい一致します。 https://webjapanese.com/dokuhon/files/japaneselanguage.png

日本語学習者数に関しては、国の調査がいろいろとあります。

【データ】国と地域

世界中に何人いるかは、国際交流基金が3年毎に調査をしています。新聞やいろんな記事で引用される数字はこれを元にしています。最新の数字(2018年版)で、約385万人となっています。2015年ははじめて減少に転じた後、微増という結果です。

197919841988199019931998
12万716758万493473万380298万1407162万3455210万2103


200320062009201220152018
235万6745297万9820365万1232398万5669365万5024人384万6773人

基本的に90年代にあった海外の民間の日本語学校は2000年前後に減少、大学の日本語学科も激減しており、世界の日本語学習熱は2000年に入って下降気味なのは間違いないと思います。ODAなどと共に日本の国の政策的な働きかけで、アジアを中心に義務教育の選択科目に日本語が加わることで、学習者数はなんとか横ばいを維持しているというところが本当のところではないかと思います。

国ごとの内訳は以下のとおり。

海外の日本語学習者数の推移(表)

国名1998200320062009201220152018
中国24586338792468436682717110464909532831004625
韓国948104894131910957964014840187556237531511
台湾161872128641191367247641233417220045170159
米国112977140200117969141244155939170998166905
オーストラリア307760381954366165275710296672357348405175
インドネシア5401685221272719716353872411745125709479
タイ39822548847108378802129616173817184962
マレーシア9219174602292022856330773322439247
ベトナム101061802929982442724676264863174521
ネパール1153151217313748 274842625326
ミャンマー171241646976413132971130135600
カナダ21784204571955127488231101960119489
ブラジル16678197442163121376199132299326157
イギリス14451163231492819673150972009320040
フランス12118144451553416010193192087524150
ドイツ11025126551194512390143931325615465
トルコ1340122914731189196521942500
サウジアラビア20314027462760

各国ごとの数字の理解

日本語学習者数は10カ国ぐらいの増減がそのまま全体の増減の数字になっているのですが、2010年前後をピークに、韓国、台湾、インドネシアなどの「稼ぎ頭」の国々の学習者が減少傾向に転じ、それをベトナムやミャンマの増加で補ってきたのですが、ベトナムは2010年代後半には現地の人達から「ピークを過ぎた」という声が聞かれはじめ、ミャンマーは政変で今後10年くらいは厳しいということになっています。

2017年以降、国の方針は留学と就労を仕分けする方向に進むことになり、留学の大変が就労系(特定技能)に流れつつあり、その就労系の在留資格はCEFRのA2(初級前半くらいです)が基準のテストにパスすれば来日OKでその後、来日後の学習に関する規制はないことから、アジア系の学習者の全体の日本語学習へのモチベーションは低下する可能性が高いと予想されます。

これまでの学習者数の稼ぎ頭の10カ国以外の国々の学習者数は数字上は「弱含みで推移」ぐらいになっていますが、これも実際は減少傾向だという気がします。アフリカは中国に向いていますし、南米でも2000年代はじめに大学関連の日本語コースがほぼ全滅しています。

日本語が80~90年代に持っていた「経済的なパワーを背景にした語学学習のニーズ」は中国語に移り、欧米では日本語学習は「ちょっとスノッブな趣味的なもの」という位置づけかなと思います。

実数は?

この調査は機関学習者数、つまり学校などで学ぶ数です。学校に通っているということは、とりあえず本気の学習者数に近いものとは言えそうです。ただ学校がない地域もありますし、自習でやる人もいます。自習で個人でネットを使って学ぶ数とはどれくらい+できるのか?いろんな考え方ができますが、ちょっとやってみようか、と考える数を入れると限り無く増えるわけですが、初級を最後までやってくれそうな数で考えると、せいぜい上の2倍くらい、つまり300万強+300万強×2で、機関学習者数あわせて一千万人くらい?と考えるのが妥当だという気がします。

👉 機関学習者もネットの顧客予備軍なので、それも入れて合計を出しています。初級後半まで行くのは、かなりハードルが高いですし、後述するネット上の日本語学習コンテンツの訪問者数などを考えると、これでもかなり多めかなという気もしますが…。

調査より実態は少ないケースもありそう

学習者数の調査は、用紙を配布したり電話したりでやるようです。ただ国際交流基金の方針は、2005年に海外学習者のサポートから学習者開拓へと方針転換しており、学習者数増加が見込めるところに集中的に投資するという戦略になっています。組織として、学習者数を増やすのがミッションとなっており、減るわけにはいかない、というところがあるようで、近年、かなりかき集めた感があるように思います。方針転換直後の学習者数も2006年から09年にかけて、激増しています。

以下の分析をみると、豪州やインドネシアなどは、日本語能力試験の受験者数が極端に少なかったりと、義務教育の選択科目で日本語を選んだけど、文化学習程度、みたいな人もかなりカウントしているようです。

👉 学習者数を詳しく知りたい、考えたいという方は、「日本語教育機関調査のバイアスを参照してください。


人口比でみる学習者数の比率

国名人口比学習者数人口
豪州1.5%35万7348人2313万人
韓国1.1%55万6237人5022万人
台湾0.9%22万00452352万人
ニュージーランド0.6%2万9925人447万人
香港0.3%2万2613人718万人
インドネシア0.2%74万5125人2億4999万人
シンガポール0.2%1万0798人539万人
タイ0.2%17万3817人6701万人
マレーシア0.1%3万3224人2972万人
中国0.07%95万3283人13億5700万人
ベトナム0.07%6万4863人8971万人
フィリピン0.05%5万0038人9839万人
米国0.05%17万09983億1890万人
カナダ0.05%1万9601人3516万人
スリランカ0.04%1万0120人2048万人
フランス0.03%2万0875人6603万人
イギリス0.03%2万0093人6410万人
ミャンマー0.02%1万1301人5326万人
ブラジル0.01%2万2993人2億40万人
ドイツ0.01%1万3256人8062万人
インド0.001%2万4001人12億5200万人
ネパール0.01%4242人2780万人
トルコ0.002%2194人7493万人

2015年の学習者数を元に人口で比率を出したもの。先進国の平均は、だいたい0.02%ぐらい。例えば「ベトナムは日本語学習熱が高い」と言われるが比率にするとそうでもないことがわかる。


2015年の日本語能力試験の受験者数と学習者数の対比

国名第一回第二回合計平均学習者数受験者数の比率
中国9380087454181254906279532839.5%
インドネシア6033117901782389117451251.2%
韓国267032756354266271335562374.9%
台湾3403036117701473507322004515.9%
ベトナム224492467247121235606486336.3%
オーストラリア111711171117357348:0.3%
米国3904390439041709982.3%
ブラジル2894289428941991314.5%
ネパール326461787393274814.3%
イギリス4825481030515150973.4%

これでうかがい知れるのは、本気の学習者がどのくらいいるか?ということで、豪州が低いのが目立つ。豪州やインドネシアが学習者数が多いわりに能試の受験者が少ないのは、おそらく学習者数のカウントで、小中学校などでの地理学習や文化学習でちょこっと日本語を勉強するような人達も入れているからではないかと想像される(つまり「豪州は日本語学習者が多いからそこをターゲットにする!」と単純に考えない方が良い、ということ)。逆に受験者数が多いのは就労のビザ取得などに必要という事情がありそうです。東アジアの試験好きの国で5~10%くらい、ベトナムなど在留資格の取得とからんでくると高くなり、それ以外の国では2~3%くらい。この「それ以外」は英語圏が多く、つまり、この人達は、それほど試験志向ではないという傾向があると言える。

インフラの整備状況

後で個別のサービスの説明で学習者の国籍などに触れますが、ほぼ北米、欧州の人です。日本語学習者の9割はアジア地域なのですが、オンラインレッスンで対象になるのは、やはりインフラが整備されたところに絞られるのだということでしょうか。世界のインフラ環境について知ることも重要です。

学習者数が一千万人いたとしても、そのうち「ビデオチャットができる人=光回線レベルの回線が家庭まで来ていて、定額制など料金が安い国と地域」がどのくらいいるのかは重要です。

👉 アジアやアフリカでは大都市や工業団地までは光回線が来ていても、家庭までは入っていないケースが多いようです。

ビデオチャットはインフラ整備次第。今のところ、北米や欧州が多い模様。ビデオチャットは、最低でも光接続環境(20Mbps~)が必要だけども世界の大半はADSL(5Mbps)以下。ネットインフラ途上国で5G(40Mbps~)が普及しても基地局整備のコストが高いので通信費は高くなりそうなので、当面の間は北米と欧州、アジアの大都市のみ。

これらのインフラの条件に加えて、1時間に1000円以上払えるかどうかも重要。

インフラの整備状況は重要です。詳しくは、オンライン授業接続の安定性をみてください。

ざっくり言うと光回線は平均20~40Mbpsで、20mbpsあれば、一対一のビデオチャットは安定してやれます。複数人でも安定とまではいえませんが、10人くらいまではやれるようです。ネトフリの4Kもこのくらいがボーダー。10Mbpsを切ると動画は厳しくなってきて音声ならなんとかです。カフェやビジネスホテルがだいたい10Mbpsくらいです。

今のあなたの接続速度は fast.com で調べることができます。ブックマークして、自宅での違う時間帯(朝、午後、夕方、夜)、その他、自分の行動エリア、学校、会社、カフェのWifiなど、いろいろと調べてみてください。

最もデータが多いと思われるこのスカイプの人数と回線品質の関係はかなり参考になると思います。 https://webjapanese.com/dokuhon/files/skypekaisen.png 「Skype で必要となる帯域幅を教えてください。 | Skype サポート」 より

1Mbps=1000kbpsです。一対一での安定性は1Mbpsでも大丈夫ということになっていますが、多分、5Mbpsくらいは必要だと思います。光回線ならほぼ大丈夫ですが、ADSLだと、1Mbpsが厳しいという地域は多いです。光やADSLは国によって規格、性能が違います。日本は速いほうです。光回線でも5Mbpsが安定するのがやっとという国は結構あります。

👉 日本でもビジネスホテルなどは10Mbpsあるかどうかです。

相手の国はどうか?

各国のネット環境の整備は、いろんな調査がありますが、基本的なものとして、OECD(経済協力開発機構)とAkamaiの調査があります。前者は四年後とくらい(?)で、学習者のPC利用などが調査されます、後者は、純粋にネット環境の質的な整備についての調査です。無料でみられるものも多数あります。(日本語版ができてました)

OECD

2018年の調査です。

https://www.oecd.org/pisa/

コロナ禍を受けて、OECDはネット環境の調査を強化しているようです。

最新のものでは2020年4月にOECD(経済協力開発機構)とハーバード大学教育学研究科によって発表された「新型コロナウイルス対策に関する、教育領域におけるフレームワーク」というレポートがあります。

その解説ページ
学校閉鎖期間のリモート学習に対する生徒と学校の備え:PISA調査結果より

Akamai

Akamaiは米の民間調査会社です。

Akamai JP https://www.akamai.com/

最新のインフラ関連のレポートです。「IPv6」は高速ネットインフラの整備状況のことです。日本でもかなり普及しています。従来の道路より広く、人が少ないので同じ光回線でもスピードが速いと言われています。(私のところはIPv6にして平均速度が40から80Mbpsくらいになりました。プロバイダとルーターが対応している必要があります)。

インターネットの現状 - IPv6 の普及状況の可視化

👉 昔は日本語版がなかったような気がします。英語で国別の詳細なレポートがあったんですが、ざっとみたところ、見当たらなくなったような…。

その他

ISOC(インターネット協会)による年次報告書
http://www.internetsociety.org/globalinternetreport/
インターネットに関する統計など
http://www.internetworldstats.com/
ネット関連の国際機関
http://www.itu.int/en/Pages/default.aspx
データ配布ページ
http://www.itu.int/en/ITU-D/Statistics/Pages/stat/default.aspx

日本国内のネット環境

日本のネット環境は、基本、総務省が調査していますが、文科省系の組織もいろいろ調査をしています。 OECD 生徒の学習到達度調査(PISA)
https://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/pdf/2018/06_supple.pdf

5G回線の可能性

途上国では電話回線より携帯回線の普及度のほうが早いことがあります。最初から5Gでやるところもあり、期待されていますが、3Gとは桁違いに多くの基地局が必要とのことで、仮に国が先行投資で基地局をバンバン作っても、通信費で回収するしかなく、普及しても一般の人が安く使えるようになるまでかなりかかるのはという話があります。固定料金で常時接続とはいかないようです。従量制となると、気軽には使えないので、厳しいです。

為替格差

為替の格差がそのまま所得の格差ではないので、その倍率がそのままお金のイメージではないことは明らかですが、1時間1500円は月6000円です。

国ごとの所得格差はいろんな指標があります。卵とかチーズバーガーとかの話も有名です。

平均所得はOECDの調査があります。
https://stats.oecd.org/Index.aspx?DataSetCode=RMW#

アジアの国は加盟していないのでデータはありません。JETROにはいろんな調査があります。

月収で、最低賃金が、中国(上海)367(ドル)、東南アジアはだいたい首都がある大都市で250前後。地方は150とぐっと低くなります。ベトナムは総じて200ドル以下。ミャンマーは100前後です。いろんな調査をみても平均所得でも3万円前後です。1コマ1500円→月6000円を払うのは、ほぼ極一部の富裕層ではないかと思います。日本や米国などと比べても、お金のイメージは、少なく見積もっても5倍以上であることは確実です。

オンラインレッスンに気軽にやろうということになるのは、まだかなり時間がかかりそうです。

国の所得格差順リスト - Wikipedia

潜在的な学習者 結論

今後、伸びるとは言われていますが、これは誰にもわかりませんが、まず、今、どのくらいいるのかを、少し考えてみます。上の「現在の(ライブレッスン)の数の調査」も参考になります。これはレッスンにお金を払う人の数と言えます。

教師だけでなく学習者予備軍もwebカメラも普及したし、ビデオチャットの使い方も覚えた人は多いことは確かです。オンラインで学習しようという人は増えていることは確かですが、語学はほとんどの場合3ヶ月でモチベーションが終わって終了ということになるので、継続的に学習する人の数で考えると、やはり日本語は厳しく、減少気味と言わざると得ないという気がします。継続には就職や仕事で役立つなどの果実があるとか、日本語を覚えなければならないという状況が必要ですので。そこは日本語は弱くなりつつあるところです。初級終了くらいまで、せめて、100時間くらいは継続してくれないと、ビジネス的にも「数」に入れるのは難しいかもしれません。

Duolingoの登録者数はひとつの指標にはなりそうですが、基本、無料ですから上の為替格差がない数字ですが、ひとまず、このDuolingoの数字から考えてみます。日本語のコース修了者(中級手前くらい?)は 0.015%とのことで、600万人いるとしても修了者は1000人以下で、最も低い達成率となっており、継続的にやる学習者はかなり少ないという印象です。日本語はパッとはじめてみようかなという人が多いけども、それほどモチベーションは高くない。かなり早い段階でドロップアウトしがちな言語と言えそうです。

この千人単位の数字は、オンライン授業の学習者数のイメージとも重なりますから、今、継続的にオンラインを利用して勉強しようという人は1万人以下かもしれません。

さらに、国際交流基金の「みなと」の登録者数が、2016~2019年の「累計」で10万人。おそらくアクティブユーザー数は1万人以下ではないかという気がします。その他の基金の学習コンテンツは最大で月の訪問者数が20万くらい。

日本語のオンライン学習者数は、現時点では、無料ならやってみるという人が数万人。お金を払う人で1万人くらい、漢字までやろうという人は、数千人いるかどうか、というのがだいたいの数のイメージではないかと思います。

とりあえずの結論

現状、オンラインレッスンの顧客が5000人以下というのは、まあまあ妥当な数字かもしれません。ただしアジア以外では、これが増える可能性はかなり低い。オンラインレッスンの普及はコロナ以前から始まっており、2021年以降、急激に伸びるとは考えにくい。これが増えるかどうかはアジアのインフラレベルが上がることと経済力が増すことにかかっていると言えます。しかし、それはかなり先のことになる、という気がしますし、仮にインフラと所得格差をクリアしても、ネット上での顧客に直結するかはわかりません。

現時点で、機関学習者数が豪州40万、米国15万、その他英語圏、欧州で10万くらい、合計で65万いるとして、独習者が同数いるとすると倍の130万人。これでオンラインでお金を払う顧客は5000人以下です。約0.3%です。これを現在のアジア圏の機関学習者数300万としてその倍に適用しても9000人です。つまりアジアの日本語学習者が、インフラや所得格差をすべてクリアしても1万人しか増えません。

もちろん、これはあくまでざっくりとした試算です。「アジアが発展したらスゴイことになる!」と単純に考えるのは疑問だけども、伸びることは間違いありません。もちろん、10年後は、オンラインのマッチングサービスは技術的にも陳腐化しているでしょうし、一対一ではなく、日本とアジアを各地をネットで繋いで教室授業をするようなことになっている可能性のほうが高そうです。

オンラインレッスンに多い欧米の顧客は、先生だからと尊敬はしてくれません。先生だからとなんとなくお金を払い続ける、みたい人はほぼいません。他に選択肢があるならそっちを試す。よかったらダメなほうは即カットです。無駄なものにお金を払い続けないという傾向が日本を含むアジアの人達より強いと思います。

登録教師が、何コマ授業を獲得できて、どの程度の利益をあげているか、計算するための基本的なデータはサービス業者から提供されていないので、はっきりとした数字はわからない。手数料ビジネスなので登録教師数を増やすのは重要。大規模でやっているところは規模感を維持しないと投資も続かないので、会社側からネガティブな情報はあまり出ないと思われます。いろいろと情報を集めて、自分で考えるしかありません。

italkiで、1時間400円~8000円前後とのことですが、1000~1500円前後に集中しており、2000円を超えるのは難しそう。これは日本語だけでなく、他の言語でもほぼ同じ。他の言語の講師数や相場もみておくべきだと思います。ざっとみたところ、英語だともっと安いという印象で、レアな言語で講師数が少なくてもレッスン料金は安いままです。全体の相場にひっぱられがちだということだと思います。

逆にいうと、マイナーな言語、少ない講師数でレッスン料の相場が高いところは、外国語学習の本気のプラットフォーム度が高いということだと思います。相場の天井が高いのか、どのくらいかは、ビジネスにおいてとても重要な部分です。

👉 レッスン料金の分布の図が公開されているのを見ますが、あれは単なる値付けの分布なのか、成立した料金なのかわからないことがあります。つまり、5000円とつけてもレッスンが成立してない場合、それを統計に入れるのか、入れないのかで、全然結果が変わります。要注意です。

【参考】日本語プライベートレッスン料金の変遷の歴史

以下はいろいろと現実的な数字を元にした勝手な予想です。

極少数の成功者は現れる可能性は常にあります。おそらくそういう人達は、マッチングプラットフォームから早めに抜けて独立すると思います。そのためにはそれなりの資金か、プラットフォーム提供のあれこれを越えることが個人で実現できる技術力が必要です。そういう超レアケースをカウントしても、10年後、オンラインレッスンで年収を小中学校の教員なみ(30代で年収500万)に稼げる人は、多分、世界で100人は生まれないと思います。10人いないかもしれません。

専業として仕事で続けるのはかなり厳しいと思います。上で書いたコマ数の限界は、どう考えても週30コマまでという気がします。40週で1200コマ。働ける時間の天井が、1200(週30コマ)~1600コマ(週40コマ)と、決まっています。週30やれるのは30代までかもしれません。

週40コマ入れられるじゃないか?という人はいるかもしれません。

ただし、40コマで、学習者が週1コマなら40人の学習者が相手です。一対一のレッスンは当然、個々の学習者に最適化したレッスンが期待されるので、ルーティーン的にやったとしても多少の個別対応や学習の進度管理なども必要です。40人はものすごく大変です。日本語学校でも1クラスは20人という法律的な規制があり、それを少なくとも5人くらいがみながら進めます。一人の教師が一対一でしっかり把握できるのはやはり20人くらいまでだと思います。

「オンラインの潜在的な顧客はどのくらいいるのか?」に書いたとおり、今後増えても数千人単位で、仮に日本語学習者数が最も多いアジア地域がインフラ、所得格差ともに、市場と計算できるところまで来たとしても、オンラインでお金を払う数は普通に計算しても1万人程度。現在、5000人前途の顧客がいても、1000人の教師のうち、大半はかなり安い設定で十分なコマ数を得られていない現状を考えると、顧客が15000人になっても、大きな変化は期待できそうにない。

👉 教師が増えない前提です。多分増えます。(→ その後爆発的に増え、2022年前半に募集は全面ストップとなりました)

おそらく現状(21年夏)でも、すでに教師数は余り気味なはずです。1000人登録していて週10コマ以上持っている教師は半数いないような気がします。日本語教師はICTが苦手といっても、スカイプが使えればOKなので、ハードルは低いです。年1万人の有資格者が生まれ、外国語ができる若者は増えています。

ベテランの参入

この種のマッチングサービスで求められるデジタル知識は、スカイプを使える程度のことになっていることに注目すべきです。つまり、ICT知識はすでにスキルとして陳腐化しており、アドバンテージとなる対象ではなくなっています。

基本的に、説明力、学習者の的確な評価など、教えるスキルを持っているのはベテランの教師達です。その人達がオンラインレッスンに参入してきたら厳しいかもしれない、ということは頭の隅においておいたほうがいいと思います。

コロナでベテラン教師がカットされつつあります。この人達は生活がかかっており、教えるスキルはある人達で、それはほぼそのままスカイプレッスンでも活かせます。スカイプレッスン程度なら、半年もやれば、慣れます。

でも、仕事として続けるなら、そういう人達とガチンコで勝負するのはいい経験だと思います。ベテランにはベテランなりの弱点もあると思いますが、それは「ICTに弱い」とかではないということです。そのへんを見誤らないことが重要です。デジタルスキルを追求しても限界があるということです。

ノンネイティブ教師の参入

今はノンネイティブ教師の比率は、各サービスで1割程度ですが、資格やネイティブであるかが問われないサービスが多数派なので、今後、ノンネイティブ教師がもっと参入してくる可能性はあります。N2、N1合格者であれば、母語でしっかり説明でき、学習者として、母語話者の壁も理解できる、というかなり優れた教師になる可能性があります。

日本語学校などで働く日本語教師にとって、ノンネイティブ日本語教師がライバルというのは盲点ですが、もともと海外ではノンネイティブ教師の比率は2015年の国際交流基金の調査によると、海外の学習機関で教えている日本語教師の約64000人のうちノンネイティブ日本語教師の比率は約78%で5万人と圧倒的多数派です。すでにプロとして教えているノンネイティブ日本語教師は海外に5万人いるわけです。

国際交流基金の概況
http://www.jpf.go.jp/j/project/japanese/survey/result/dl/survey_2015/all.pdf

また、これに加え、N1、N2合格レベルまで入れると毎年15万人生まれているのでおそらく百万人以上はいます。今、オンラインレッスンへの、参入が少ないのは、第二言語で日本語ができるということが1時間あたりの手取りの1000円と見合わないからという理由である可能性が高そうです。「せっかく苦労して高い日本語能力を身につけたのに1時間1000円じゃ見合わない」ということです。米国はマクドナルドの時給は15ドルです。

この均衡が崩れたら(例えば先進国で日本語のスキルの必要性がもっと低下する。逆に途上国で日本語学習に1時間2000円を払える顧客が増える)、ドッと参入してくるかもしれません。アジア地域から始まるかもしれません。もしアジア地域でインフラが整備されて学習者が増えても、その市場は、ノンネイティブ教師が独占するかもしれません。

👉 これは残念ながら、今のオンライン日本語教師の相場がとてつもなく安いということも意味しています。

オンライン教師は割に合うか?

かなり成功して年収100万いくかどうかですから、仕事として軸にするのは無理です。他の仕事との組み合わせで考えるしかないようです。

ちなみに、民間の大手の日本語学校は、最初は非常勤講師(非正規)で、時給1500~1700円で月20コマくらいからです。最近下がり気味なので、1500円で計算するとして、評価がそこそこ高く、学校が潰れなければ、月40コマくらいになれば、月6万円。この時点でオンライン教師として月5万円稼いで、コンビニでバイトすれば、家賃は払えるくらいにはなる、という利用の仕方をする人もいそうです。

👉 ただ予備校講師のように授業だけやってサヨナラとはいかないようで、45分のコマの他に引き継ぎや反省会などモロモロで合計2時間拘束だけど、報酬はコマ給分だけ、という労基法違反の学校もまだあるようです。

非常勤を続けて3年で運良く専任講師(常勤)になったとすると、最初は300万くらいだと思います。ただ、民間の日本語学校の専任教師はかなり不安定で、同じ学校で30年働ける可能性はほとんど無いと思います。そして、うまく定年まで働いても普通は400万くらいまでしか上がりません。

この300万は、小中学校の教員の初任給(300万円)とも同じくらいですが、小中学校の教員のほうは、10年で500万を越え、40代では700万くらいになります。退職金は平均2200万円とのこと。小中学校の教員は好待遇の共済年金で支給の平均は240万円です。あなたが若く、教員免許を取得できる環境にいるなら、教員になり、日本語は地域で教える選択をしたほうがいいと思います。

👉 1時間1万円代だと600コマで600万なので、90年代初頭の1時間1万円は高いようですが、実は妥当な金額ということがわかります。つまり、一対一のレッスンのプロとしての妥当な価格は1万円から、です。

5年後、10年後ではどうか?という話です。今のようなマッチング的なものの延長線上で、独立して個人や数人でオンラインスクルールを立ち上げるという方向もあります。その可能性を少し考えてみます。

日本語学校への留学よりコスパはいいはず

前述のように一般的に日本語学校と呼ばれるところは法務省の告示という準法律的な規制があり、教室の定員は20人。年間760コマの授業をすることが定められています。1コマは45分なので570時間です。日本語学校の学費(入学金などを引いた授業用だけ)の平均はだいたい70万円くらいですから、1時間約1228円です。これは、オンラインレッスンの相場とほぼ一致します。

これは現状の相場だと、20人の教室授業の1時間あたりとほぼ同じ授業料で、一対一のレッスンが受けられるのですから、圧倒的にオンラインレッスンほうがコスパがいいということになります。それはどういうことか?改めて考えてみましょう。

日本語学校は1日4時間、週20時間、年200日くらい勉強する

日本語学校は1日4時間×5日で週20時間くらいでカリキュラムを作ります。570時間を20で割ると28.5週で199.5日。1年のうち授業があるのは200日です。

オンラインで約半年300時間のカリキュラム

プライベートレッスンでは、ハイペースでやれるところはやり、わからないとことはみっちりやってもらえます。学習の進度は教室より速いだろうと考えるのが自然です。

例えばほぼゼロ初級者が、基礎をしっかり半年間でがんばってやろうと考えたとします。

週のうち平日に3日×3時間。日曜の夜にその週の復習と発展練習的な2時間レッスンをするとします。週に11時間です。これはかなりみっちりやるいいペースではないかと思いますし、学習者もみっちりやっているという気持ちになるペースではないかと思います。

これを半年、27週やると297時間です。教科書ベースでやれば初級が終わる可能性も高いような気がします。日本語学校で教えた経験が豊富な教師なら十分にやれそうです。この半年で1時間1200円なら35万6400円。当然、日本語学校の半年分の授業料と同じです。

さらに半年、35万円で300時間、初中級、中級をやれば、超上級者になるための基礎は十分に持った人になれる可能性があります。

もちろん、日本語学校のコストも同じです。1年、570時間で同じところまでいけるとは思いますが、オンラインレッスンは半年で終えてあとは自分でやる、という道も選択できます。

費用面で考えても、これは授業料だけの比較なので、入学金、渡航費用、滞在費を考えると、つまり、もうコスパではオンラインレッスンのほうが圧倒的に有利という状況になっていると言えます。

日本語学校を経由しない留学ルートとして

日本語学校への留学時に授業料+αで100万円の借金を背負い。1年目は2年目の授業料と進学先の入学費用を稼ぐ必要があります。今は専門学校への進学が大学より多いので年間100万くらい必要です。日本語学校→専門学校の四年間で400万円必要。日本に滞在中はバイト漬けです。この4年で得られるのは、学士ではなく国際的にはなかなか評価されない「専門士」と、日本の関連企業への就職の可能性だけです。

しかし、オンラインで1年自力で勉強しつつ70万払って、N2に合格し、留学試験対策もやれば、おそらく日本語の大学に入れます。奨学金付きで入学できる可能性もあります。(多分専門学校も奨学金付きで直で入れそうです)つまり、本気で勉強して日本の大学に留学しようと考えた時、自国に居ながら(浪人生活的に過ごしつつバイトをしながら)、オンラインレッスン経由で直接、日本の大学や専門学校を目指す道のほうがすでにコスパがいいということになります。

「35万で日本語ペラペラ」「70万でN2合格」はビジネスになるか?

そういうカリキュラムをつくり、直接留学の実績を作れば、ニーズはありそうです。ただし、今のようなマッチングのプラットフォーム上では1時間1200円の計算なので教師としてはうま味は少ないです。実績ができて、名門大学への入学請け負い教師となれば倍の授業料でもニーズはあるかもしれませんが、ビジネスとしてやっていくなら独立してやるしかないかもしれません。

ただ、これは単純にリアルより、留学よりオンラインレッスンのほうが素晴らしい!という話ではなく、オンラインの一対一の授業料の相場が安すぎるということでもあります。実績と評判を作って、独立となっても、結局、1時間2000円とか3000円で考えると、起業してやるほどの価値があるかは微妙です。では複数人、教室単位のオンライン授業を、となると大きな投資が必要です。いずれにしてもそんなに簡単ではないという気がします。今のところ、少数の成功が現れる可能性はある、というだけです。

一方で、学習者にとっては、こういうルートもできたな、という話です。オンラインレッスンの普及で、アジアでそういう方法が広がる可能性もあるかもしれません。専門学校も大学も直で学生を調達したいという希望は強くなっています。オンラインレッスンだろうと、N2に合格して試験の成績がよければ、奨学金付きで直で呼びたい大学、専門学校は結構ありそうです。

概要

「サービス名とjapanese」などで検索すれば、英語記事では学習者向けの比較記事がたくさんでてきます。いろんな体験談が出てくるのでリアルタイムの実情はそちらで。Youtubeで検索すれば受講者の体験談やライブ動画なども多数出てきます。

サイトのアクセス数などは、以下のようなサイトで調べることができます。教育ジャンルなどで見ると、教育系サービスの勢力図がわかります。 トラフィックによるEducationのサイト上位ランキング | シミラーウェブ
https://www.similarweb.com/ja/top-websites/category/science-and-education/education/

ただ、個々のサービスは乱立気味で数年で勢力地図は変わる可能性がありますし、サービス内の仕様も半年単位でガラリと変わったりします。そこを知りたい人は、英語で、検索期間を最近半年くらいに絞って検索して調べてください。

ここはざっくりと紹介するだけです。語学に力を入れているところだけピックアップします。

また、各機関が公開している数字も素直に受け取れないところがあります。&color(Black,lightpink){登録講師数や登録学習者数は数え方の基準がありません。};各サービスが語る登録者数は盛り気味で、結構怪しいことが多くあまり参考にならないと考えたほうがいいと思います。

学習者数

この種の「数」は

  1. アカウントを作った数の累計:亡霊アカウントが多数の可能性がある。
  2. 今残っているアカウント数:残っているだけで使ってないというユーザーはものすごく多い。
  3. 上のうち、一ヶ月以内にログインをした、などのアクティブユーザー数:これは一応生きていると言っていい。

くらいの種類があります。学習者数が1)が500万人でも3)だと7000人、みたいなことはあります。

当然3)が一番リアルな数字です。大手になると投資を呼び込むためにも、情報公開の義務が発生しアクティブユーザー数を出せということになりますが、小さなところ、そういうルールが厳しくない国ではウヤムヤです。比較的厳しい米国で億単位でやっている企業でも、ベンチャーは退会しにくくしたり、ログインを促したりといろいろごまかそうとします。

👉 Clubhouseみたいな有名サービスでも退会は「CEOにメールで理由を述べて送る」ことになっていたりします。

👉 そもそも学生数、講師数の数え方の基準がありません。最近1ヶ月に在籍、みたいな「アクティブな数」なのかもわからないまま。

手数料

広く薄くの規模で勝負だと思われる、italkiの15%が最も低いがこれは規模を維持するためのギリギリのラインという印象。他のサービスでは実績によって15%強で、通常は30%くらい。平均値でも20後半くらいになりそうな設定。おそらく規模勝負でも20%台は厳しいのでは? また規模の競争でやっているところは、余計なコストはかけられないはず。世界展開していても重要な規約などは英語のみだったりする。

おそらく手数料が15%から下がることは無く、落ち着いたら20%からになるのでは。ただし、レッスン料金の相場は変わらないので、30%が標準になってしまうと、東京の最低賃金の1時間1000円を稼ぐためには1500円の価格がマストでかなりキツイ。基本的にスカイプができれば、あとは決済だけなので、あまり手数料が高くなると逃げられてしまう。教師の確保にコストをかけず、かつ逃げられないような仕組みを作っていくみたいなことになりそう。

となると、結果として貢献度が高い、長くレッスンを消化した人が得するような仕組みであり、それは実績で手数料が下がるという仕組みに結局はなるのかも。

2021年、今のところ、italkiとPreplyの二択と言われている模様。長く続けるなら規約はDeepLで翻訳しても読んでおいたほうがいいと思いますし、トラブルが増えてきたら、自動チェックで理由なくBanされたりも起こる可能性があるので、ひとつのプラットフォームだけに依存するのはハイリスクという気がします。

italki

https://www.italki.com/?hl=ja

登記は香港。中国系企業。語学専用プラットフォーム。学習者数は公称500万人。日本語の登録講師は、2021年6月の時点で713人となっている。中国語と同数なので、かなり多いという印象。ここはサービスの質というより、学習者数、教師数などの規模感で勝負というところという印象。いわゆる有資格者は講師、資格なしは話し相手的なものと区別される。手数料は一律15%。

この講師を選ぶ画面で、登録人数や講師のスキルなどが検索できるので、概要はつかめる。

前述のとおり例えば21年7月の時点で977人のうち454人が講師なので有資格者の比率は46%。料金設定はほぼ自由だが、日本語講師は1時間プロで1500円前後、話し相手のほうで1200円くらいという印象。

話せる言語(21年7月、977人中)

  • 日本語:275人
  • 英語:828人
  • 中国語:129人
  • 韓国語:62人
  • フランス語:54人

なので、やはり学習者が英語圏が多いこともあり、基本は英語できるから教えましょうという空気がある模様。

ちなみにネイティブスピーカーは892人なので、1割くらいはノンネイティブということになる。料金での検索はあまり上手く動作せず、はっきりしたデータはわからないが、図からするとやはり2000円以下設定が圧倒的に多く、1500円前後がボリュームゾーン。平均だとおそらく1000~1200円ぐらいでは。

👉 日本語と英語という登録もある。

プライバシーポリシーは、アカウントを作る際に小さく表示される。リンク先はすべて(教師用ガイドラインなど何から何まで)英語。講師に対する本気度の低さがわかります。しかし、DeepLを使ってでも一度は読んでおくことをお勧めします。以下、ざっとみただけですが…

利用規約
https://www.italki.com/tos

ほぼすべてのことで免責だと書いてあります。米国在住者は米国のカリフォルニア州の法律に、それ以外は香港の法律に準拠すると書かれています。

👉 ちなみにカリフォルニア州は個人情報保護に関する法律はかなり厳しいです。香港の法律は…。

プライバシーポリシー
https://www.italki.com/privacy

すべての個人情報、画像、映像、音声を直接、またはサードパーティを通じて収集し、第三者から収集した情報と組み合わせたりして、いろいろ使わせてもらいますよ、みたいなことが書いてあります。

教師向けガイドライン
https://www.italki.com/instructorterms

恋愛、政治、宗教について生徒に訊くな、怒るな、怒鳴るな、プロフで嘘つくな、偽生徒になったりするな、サービス外で何か約束するな、みたいなことがかなり細かく書いてある。チェックはなさそうだが、何かトラブっても、全面的に免責で裁判は香港でやることになりそうだし、ガイドライン違反があってクレームがついたら、逆に責任は取らされることになりそう(なりすましも違反となっているけれども、事実上チェックは無理なので、ライバルになりすましでクレームつけられてBanされるみたいなこともあるかもしれません)。

アフィリエイト
https://www.italki.com/affiliates

注意すべきは、アフィリエイトプログラムがあることです。つまり、italkiいいよと宣伝してリンクをつくり、レッスン購入に繋がったら紹介料を得られます(ざっとみたところ教師登録相手のアフィリエイトは無いようです)。ブログやYoutubeで学習者で体験記を書いてオススメ!などとあるものは、この紹介料目当てという可能性が高いということと、当然、ポジティブな記事が増えるので、ネット上の評価は不自然な比率になる、ということです。ご注意を。

その他のいろいろ

21年7月の時点のSimilarwebのデータ

👉 語学はスマホよりPC経由のほうが多いかもしれない。

トラフィックランキングとマーケティング分析 | シミラーウェブ
トラフィックは9.23。
https://www.similarweb.com/ja/website/italki.com/#overview

Similarwebアプリは独、加、米、仏と欧米各国のユーザーが上位を占める。欧州も多い。
italki: Learn languages with native speakers分析- Google Playストアでのアプリのランキングと市場シェア| Similarweb
https://www.similarweb.com/ja/app/google-play/com.italki.app/statistics/#ranking

英語教師は5649人中プロの講師は3015人と約53%。プロの資格の規定はほぼ日本語と同じ程度という印象。

Preply

https://preply.com/ja/

italkiのライバルとして名前が出るところ。設立はウクライナとのことですが、米系企業。資格不要。

手数料は、最初は高く、こなしたレッスン数に従って下がっていく。最も安くなって18%とのこと。規模感よりも収益のポイントを探り探り進めているという印象。

日本語講師登録
https://preply.com/ja/online/japanese-tutors
2021年の段階で登録教師は公称500人。1時間100円から登録できるのが恐ろしいところ。

その他

21年7月の時点のSimilarwebのデータ

👉 語学はスマホよりPC経由のほうが多いかもしれない。

サイトのトラフィックは7.5M トラフィックランキングとマーケティング分析 | シミラーウェブ
https://www.similarweb.com/ja/website/preply.com/#overview

アプリは加英米のユーザーがトップ3を占める。北米に強い。
Preply: Learn any language分析- Google Playストアでのアプリのランキングと市場シェア| Similarweb
https://www.similarweb.com/ja/app/google-play/com.preply/statistics/

Livemocha

登録学習者数は一番多い(500万人)が日本語が弱いのであまり話題にならない。2007年発の語学学習の老舗。ただ、ビデオチャットではなく、音声とテキストチャット中心で、レッスンというより、SNS的なコミュニティ。
https://www.livemochas.com/ja

その他

ジャパトーク

https://www.japatalk.com/

日本語学習に特化したサービス。スカイプのマッチング的なもの。「生徒数6,574人|講師数467人 ※2021年05月末時点」とのこと。運営会社(個人経営?)

Similar webではデータ無し。
競合とオルタナティブインテリジェンス | シミラーウェブ
https://www.similarweb.com/ja/website/japatalk.com/competitors/

カフェトーク

https://cafetalk.com/

オンライン習い事のマッチングサイト

21年7月の時点で日本語の講師は844人。ピアノやヨガなどもあるのが売りで、韓国語、英会話のニーズが多い模様。

この記事によると「2020年年末、生徒登録数は15万人を超え、面接突破率7%以下の狭き門をくぐり抜けた約2,500名の講師陣が提供するレッスン数は2021年1月現在21,500件に達しました。」となっている。レッスンを検索すると(水曜午前10時ごろ)下に「約170人前後が受講中」となっている。これはどのレッスンでも同じ数字なので、すべてのレッスンの受講中の総数だと思われる。仮に10分の1が日本語だとしても(実際は50分の1ぐらいの可能性があるが)かなり少ないという印象。

複数レッスンをパッケージで販売することもできるが、日本語の相場は総じて低く30分で数百円からが多い印象。高くても他のサービスの相場の1時間1500円程度。サイトは英語韓国中国台湾、欧州の国となっており、運営会社は日本だが、スタッフは各国の若者で構成されている模様。設立は2010年、従業員数は10人前後?。50分1700円くらいの日本語のスカイプレッスンも運営している。

登録に資格、大卒などの条件はないが、登録すれば検索時の条件となるのでウリにはなる、というところまで。

1ポイントが1円で講師に支払われるのはそのうち60%。売上が上がると少しあがるという仕組み。1時間手取り1500円のためには2500円にする必要がある。1500円だと手取り900円。
講師規約

👉 しかしこの種のポイント制はくせ者で、比率は運営会社が決める権利があり、変更される可能性もある。どういう法律が適用されるのかは未知数。

Similar webではデータ無し。
https://www.similarweb.com/ja/website/cafetalk.com/competitors/

Udemy

2010年スタート。総合学習プラットフォーム。語学はその中の一部。米企業。早い段階でトップシェアになったので、登録者数は多く4000万人以上と言われている。教える側、学習する側で法人利用も多い。語学に限らないので、日本語教師相手の講座も販売できる。(むしろそちらのほうが目立つ?)

基本、ライブでビデオチャットでのレッスンではなく、レッスン動画の販売プラットフォームなので、自作動画をアップしたりと、動画に関してはいろいろとできることが多い。どちらかというと顧客重視で、それに講師が対応せよ、という方針という印象。まとまった時間数のパッケージ販売、1コマあたりの販売も可能。プロモーションのオプションもあるし、Udemy判断で勝手にディスカウントされたりもします。マーケットシェアも高く、プラットフォーム内で売れるので、登録講師よりも立場が強いです。

また、購入したけど返品したりもあるので、お金に関するルールは複雑みたいです。よく変更されるのでリアルタイムで自分で調べたほうがいいと思います。手数料は、基本3割くらいで、購入ルートによってはもっと高くなることもあります。

→ 講師の収益の分配

日本語コースのトップ

2021年6月の時点で「523697人の学習者」となっている。日本語レッスンの相場は他よりも高めだが、法人でも、1コマ、1500~2000円がボリュームゾーン。動画はいいものを作れれば、あとは売るだけだが、しっかりアップデートしていかないと売上は下がっていくとのこと。

その他データ

トラフィックは100M超と圧倒的。動画系の教育カテゴリーではトップ
トラフィックランキングとマーケティング分析 | シミラーウェブ
https://www.similarweb.com/ja/website/udemy.com/#overview

Teachable

https://teachable.com/

Udemyのライバルとなっているが、動画販売だけでなく、ライブ授業との組み合わせも可能ということで、大学などのオンライン授業に近いものがやれる。カリキュラムを構築し、オンライン学校的なものを主催するというコンセプト。無料は手数料が10%。月額プランもある。

トラフィックランキングとマーケティング分析 | シミラーウェブ
16.89M と、italkiより多い。
https://www.similarweb.com/ja/website/teachable.com/

:Teachable的なものです。リンクのみ。

Kajabi
https://kajabi.com/

Thinkific
https://www.thinkific.com/

ここから下はオマケです。そのうち削除される可能性があります。誰かに執筆をお願いして書籍化する可能性もあります。ご了承ください。

オンラインのレッスンは拡大し、関連のブログ記事やYoutube動画は増えていますが、プロフの写真はどうすればいいか的なことばかりで、肝心の、どう教えるのがいいのか?という記事は少ないようです。ネット上で資格をもった「先輩」がアレコレとアドバイスする1)かもしれませんが、プライベートレッスンの教え方は、学習者の数だけ正解があり、それは学習者を知るあなたがあなたの学習者をじっくりみながら最適な方法を考えていくしかありません。ですので、どうやるのが正解かは書きませんが、それを考えるための材料の提供と最初の道案内だけ書きます。


ここでは、(リアルの)プライベートレッスンのノウハウを軸に、オンラインレッスンでも応用できそうなものを中心に書いていきます。今のところ、オンラインレッスンのプラットフォームは、ビデオチャットを使ったシンプルなもので、リアルな対面授業をそのままオンラインでやるだけというものです。今後は、複数画面切り替えとか高音質、高画質に進化するのかもしれませんが、そうなったら、またそういうものを書きます。

👉 ちなみに、このページを書いている人は、日本語教師の資格は持っていますが、関東圏でビジネス関係者や英会話教師などを中心にプライベートレッスンをしていた経験しかありません。オンラインレッスンは実験的にやったことがあるくらいです。正直、日本語教師としては、パッとしないままキャリアを終えました。すべてのプライベートレッスンで成功する秘訣みたいなことはわかりません

日本語教育の研究は、20人くらいの教室で教えることことが前提のものがほとんどです。プライベートレッスンにフォーカスしたものは極端に少なく、ノウハウも蓄積・継承があまりなされていません。教材も「20人前後の留学生相手に」「教室で」「教師が」「日本語で」教える前提のものがほとんどです。

もちろん、個別の日本語の項目についての説明や教え方はそのまま活用できますが、少しアレンジが必要です。

教師にとってプライベートレッスンの楽しさは、教師の裁量で進められるということですが、そのことが最大の弱点にもなります。料理のように顧客の評価を軸に善し悪しが決められないことが多いことが原因です。私たちは未知の言語を勉強する際に、その教師の説明が適切なのか、教え方が良いのかはほとんど判断できないわけです。つまり、自分の授業のクオリティを判断する基準がない、ということです。コマ数が増えても、授業の質が原因なのかはわからない。しかし減る原因は授業の質はほとんどの場合関係があります。自分の能力をいかに客観的に見られるかは重要になってきます。

オンラインレッスンをやろうという人達は、少なくとも「教える」ということをやってみたいという人だと思います。ただ、単なる話し相手であっても、教師としてやるにしても「教える」という意識が学習の邪魔になるということは、往々にして起こります。つまり語学では顧客の支持は教師としてのクオリティと=ではないということです。これは冷静に自分を見つめておかないとマズい部分です。

教室授業ではともかく、プライベートレッスンでは&color(Black,lightpink){「自分が教えたいことより相手が教わりたいことが大事」};というのは鉄則だと思います。教えたいことがたくさんある、教えたくてたまらない!という人は、オンラインレッスンではなく、動画を作ってYoutubeにアップするか、Udemyみたいなオンデマ動画主体のプラットフォームを選択すればいいわけです。

楽しく、学習者の負担が少ないように、学習と意識させないように教える、というのは、特殊な方法でもなんでもなく、特に語学ではとても重要視されており、たくさん研究もされています。語学教育の主流といってもいいくらいだと思います。

レッスンが楽しいと思ってもらえる人は、まず、それだけで教師としての資質に恵まれていると思います。楽しく授業を進めながら、授業が終われば、楽しい時間にいかに学習要素を盛り込んでいくかを考える、みたいなことをコツコツやっていけばいいと思います。

ただ、面白く、興味を継続させるということも難しいし、そこにしっかり学習要素を織り込んでいくのもとても難しいです。

語学にかぎりませんが、無理に授業をアトラクション的に楽しくしなくても、学んで上達することそのものが楽しいということがあります。この本質的な楽しさを高めていく道もあると思います。少々退屈だけど教科書を軸にコツコツ進めるという方法で、まずは最低限のクオリティを確保しながら、教え方の質を高めていくという道もありますし、そっちのほうがいいという学習者もいます。

楽しさの種類は多様です。どんな学習者も満足させられる教師は最強だと思います。可能なら、最初から「自分はこういうタイプだから、これを目指す」と自分の可能性を狭めずに、楽しくもできるし、職人的にもやれるという最強のハイブリット教師を目指してみてください。

最低限度のクオリティを確保するために

オンラインレッスンは資格はないけど学習者の母語がそこそこできる、とか資格程度の知識はあるけど、まだ全体が見えてない、説明も自信がない、という人が多いようです。

で、何から手をつけていいか、わからないという人もいるようです。ちょっと考えてみます。

授業計画

話し相手程度でも教師として教えるにしても、ある程度の授業の計画が必要です。

  • どういう順番で
  • どういう方法で

をできれば決めておいたほうがいいと思います。これは教科書でやるなら教科書を選んだ時点でほとんど決まります。

事前インタビュー

決める前に最初に学習者のゴールをまず訊ねてみましょう。基本的にあれこれ質問することはルールに抵触する可能性もあるので、最小限です。初心者に訊ねるなら

  • 日本語で知っている語、表現
  • 母語以外の外国語学習体験、学習方法(教科書で?学校で?)
  • 上はどのレベルまで行ったか、外国語学習は好きか
  • 近くに日本語を話す相手はいるか
  • ネット上にいるか
  • その他、ネットやネトフリなどで日本語のコンテンツにアクセスした経験があるか

くらいは訊ねておいたほうがいいと思います。母語以外で外国語学習体験があり中級以上まで行った人は、モチベーションはあまり下がらない可能性が高いです。多少の負荷も大丈夫という気がします。自分のリアル&ネットの日本語環境も知っておいたほうがいいです。後でネット上の学習ツールなどを教える時に使いこなせるかなどがわかります。

レッスンにお金払っているんだから、インタビューはNOで、とにかく教えてくれ、というケースもあります。長時間はとれません。まとまった時間がとれないなら、レッスンの中で、さりげなく訊ねたりしながらじわじわ収集してください。

インタビューでわからないこと

モチベーションなんて簡単に変わりますからゴールも変わります。実は、ほとんどわからないと言ってもいいです。特に…

  • 学習者自身のゴールが曖昧:よくあります。「まあ会話を楽しめればいいよ」みたいなことです。「(会話を楽しむまで行くのは大変だよ…)」などと思うわけですが、これは、日本語は漢字があるということは予備知識として知っている人が多いので、「会話重視」というのは=漢字とかはやらないぜ!というくらいの意味であることも多いです。いろいろ訊いてみて、わかるのは、せいぜい現時点で、トータルで何時間くらいやる気なのか、を想像してみるぐらいかもしれません。
  • ゴールがぼんやりとわかっても、それに合った教科書がわからない:これは多分プロの教師にとっても永遠の課題です。「このゴールにはこれ」というのは、100%は無いと思います。
  • 学習者がこうやってほしいという方法に疑問がある:「漢字は一切やる気はない見たくもない」みたいな人はけっこういます。これは学習者に従うしかありません。そのうち気が変わるかもしれません。漢字をやろうと思わせるところまで連れて行けたら勝ち、くらいではじめて見てください。

それでも、最初に互いにゴールを確認して共有することは大事です。無駄かもと思ってもやったほうがいいです。

👉 日本語のことをあまり知らない人に限って「読み書きは不要」「漢字なんて絶対やらないからな」「楽しく会話できれば、あとは自分で中級までいけるから」みたいなことを言います。これはとりあえず受け取ってはじめる。上達したら欲が出てくるかもしれませんから、タイミングを見計らって、ハンバーグにニンジン(漢字とか敬語とか)をこっそり入れるようなことをチラチラやってみる。おいしそうに食べたら、すごくお褒めて、うまくのせる、みたいなことも試す価値はあります。多分、初級が終わるところまで行けば、漢字が必要だと思うようになる可能性も高いです。

どう教えるか

インタビューを受けて、どう教えるかを考えます。

どういう順番で学習するかというのをシラバスが違うと言ったりして区別することが多いです。シラバスというのは、学習順のことですが、教える方法は、学習の順番にも大きく影響します。教える方法は大きくわけて2つあります。

  1. 文法をやさしいものから難しい順番でやる
  2. 現実の場面で必要な表現を軸にやる。

です。

1)は日本の英語教育でも、日本語教育でも多数派のやり方です。メジャーな教科書はこれを前提にしています。ちゃんと練習と組み合わせないと会話力にあまり結びつかないと言われており、学習者がモチベーションを維持するのが難しいことがあると言われています。

2)も学習する順番は概ね易しい順番から難しくということになっていますから、切り口の違いです。どちらかというと新しいと言われる方法で、実用的なのでモチベーションは維持しやすいけど、文法など言語の体系の理解は弱いかも、と言われています。また、おそらく2)の方法は、教師は、何を教えるかがきっちり頭の中に入っていないといけないので、ある程度の経験が必要です。

どちらも経験が少ない人が教科書無しできっちり進めるのは難しいと思いますが、以降、教科書なしでやる方法も含めて、ざっくりと提案してみます。

学習者のモチベーション

一般的に、150時間くらいで初級後半、200~300時間で初級終了と言われていますが、これは、週20コマペースで詰め込みでやる場合です。週1コマだとレッスン時間は年50時間です。自分でかなり勉強してなんとか初級前半が終わるかどうかだと思います。

モチベーション(やる気)は、ほとんどの場合、学習をはじめる時がピークです。でも30時間くらいまでに、しっかり学習できて進歩を感じるようになってきたら、おそらくまたもうひと山来ます。もちろん、いろいろ壁もあるので谷も多いです。モチベーションを継続させるのは、進歩を実感できるかが大きいです。試験の合格も悪くはないですが、試験のレベルはせいぜい5段階程度ですから、日々、実感できるような仕組みをどう作るかが大事になってくると思います。

授業の準備

一般的に日本の民間の日本語学校で働く有資格者の教師は、新人時代、45分の授業をどう進めるかという「教案」を出し上司のチェックを受け、OKがでたら授業という手順になっていることが多いようです。授業後にも上司のチェックがあることも多いとのこと。このOKが出る教案を作るのに最初は数時間かかると言われています。これが3年くらい続きます。

また、経験は関係なく授業の準備は授業と同じ時間だけかけるくらいが適当ではないかと言われています。資格がある無しに関わらず、レッスンの質を維持するためには、いろいろやらないとまずそうです。

教え方の勉強

後で紹介しますが、日本語の教え方の勉強の本はたくさんあります。

その前に、無料、無登録で読める日本語教育の論文がオンライン上にたくさんあるということを知ってください。ほとんどの論文は少々表現はカタいですが、なんとか読めます。難しいと思ったらパスして、読みやすそうなものを手当たり次第に読めばいいと思います。

日本語教育は具体的で読みやすく、オンラインで無料(登録不要)で読める論文がおそらく1000以上あります。以下は論文アーカイブです。「日本語教育」「日本語」と探したいテーマ「発音」「受け身」などで検索してください。研究というより「実際にやってみた結果の報告」という意味の語として使われる「実践」みたいな語もキーワードとして便利です。

Ci Nii(サイニィ): https://ci.nii.ac.jp/ 昔からの論文がある「本文あり」で検索するとオンライン上で読めるものだけになります。\

J-STAGE https://www.jstage.jst.go.jp/ 比較的新しい論文が多い。登録しなくても読めるが、登録は無料で誰でもできます

以下、会話主体でやる方法と教科書でやる方法にわけて、どう教えていったらいいか、どう勉強したらいいかを書いてみます。

まず教科書ではなく会話相手になりながら、教えてみるという方法を考えてみます。オンラインレッスンは、そういうニーズもあり、そういう手法をする教師が多いようです。いいペースメーカーになるにはどうしたらいいか?というカンジでしょうか。

教科書なしで経験がない人が文法をコツコツ教えるのは難しいので、結果「現実の場面で必要な表現をやる」ということになると思います。

italkiには、登録時に話し相手と教師という区別があるようです。設定料金なども違うようです。ただ、こういうサービス提供側の分け方とは関係なくニーズそのものもざっくりわけると、この話し相手が欲しい人と教師が必要な人の2つに分けられると思います。どういう登録方法であろうと「一流の話し相手」になれば「素人教師」よりいいということは起きると思います。

まず、「自分がペラペラしゃべるのではなく相手にいかに話させるか」ということは重要です。教えてもらうことはあまり期待されていないかもしれませんから、それはそれでいいので、会話をどんどん作っていく。

ただ、どう話させるかは、結構難しいことに気づくと思います。好きな話題をふればいいということだけだとすぐに行き詰まります。語学の学習の場合、レッスンの計画、ゴールに従って、どういうことを引き出すかはセンスではなく具体的な技術です。後述するOPIなどにもヒントがありますし、後で紹介するレッスンの動画などからもヒントをみつけてください。

ニーズ

話相手的なレッスンのニーズは多くはありませんが、一定数あります。お勉強じゃなく、知り合いに「日本語でこう言うんだよ!」と言いたいとか、日本人の知り合いを驚かせたいとか、アニメの日本語でちょっと興味をもった、接客用語だけ知りたいということもあれば、学習は自分で教科書でやるとか、学校で教師とやってオンラインレッスンは会話の練習相手を探す、というケースも多いと思います。

レアケースとして、研究者が方言を聞きたいとか、海外在住の中~上級者がネイティブと話す機会を求めてということもあります。この場合は教えようと思わず自由に話してくれ、ということになりそうですが、それほど数は多くはないはずです。

個性を活かす?

アニメや野球に詳しい、日本文化に造詣が深い、など、つまりトピックに関する知識の深さ、広さは、一見ウリになりそうですが、人気のトピックはライバルが多く、参入障壁が低い、レアなトピックは顧客が少ないという問題があります。おそらくレッスン獲得競争では多少有利になるかもしれませんが、レッスンの継続や、レッスン料金の設定額をアップするような力にまでなるのは難しい。お金はやはり教えるスキルに払われる傾向が強いと思います。それに「自分は詳しい」という教師の自負が語学学習には邪魔になることがあります。

大事なことは語学学習なので、ほとんどの場合、教師はトピックについて最初から知らなくても大丈夫です。「次は幽遊白書について」などと宿題を出して貰って準備すれば、知らないトピックでも対応できます。語学教師に期待されているのは、どちらかというと、幽遊白書について詳しいことではなく、幽遊白書に出てくる日本語表現をいかに分析、そして説明できるかのほうです。プライベートレッスンのプロ教師は、こうやって医療用語でも工業製品の検品に関するレッスンでも、対応するのが普通です。語学学習としてトピックを切り取って分析する力があれば大丈夫なのです。

👉 アニメや音楽、映画、同じものが好きということで話が盛り上がるのは一度きりのパーティーあたりまでです。毎週話す相手となると、むしろ同じジャンルが好きだけどテイストが違うということで溝が生まれることもあります。

やはり勝負は、知識よりも、いかに語学の上達に貢献できるか?になるはずです。教える側に日本語の構造に関する知識があればいいことは間違いないのですが、そこはゆっくり勉強するとして冒頭で書いた「自分がペラペラしゃべるのではなく相手にいかに話させるか」みたいなことに気をつけながら進めれば基本的にはOKだと思います。

もし、相手が教科書などで自主的に勉強していて、レッスンでは学習より会話練習が軸で時々質問したい程度なら、あとは相手にしたがってやればいいと思います。

相手が特に教科書的な知識がなく、自主的に勉強もしていなさそうなら、もうちょっと学習的な時間を作ってもいいかもしれません。会話を続けて、同じ誤用があるなど、気になるところをメモしつつ、でも細々と指摘はせず、宿題にして持って帰って、次回以降、要所要所でちょこっと誤用を修正したりしながら、相手が知らなそうな新しい表現(スラング一発!ではなく、汎用性が高い文型的なもののほうがいいと思います)を一回でひとつかふたつ負担にならない程度に解説したりして進める、そして全体として「何を教えたか」「何を学んだか」を一覧などで「互いに」共有できるような仕組みを作っておけばもう十分だと思います。学習者にも提供することが重要です。

日本国内のボランティアの日本語教室は重要な役割を担っていますが、元教師もいれば、話相手としてやっているという人もいます。当然、そういうボランティアの話し相手の人をどう活用すべきか、話相手の人にはどう考えてもらうのがいいのか、みたいな研究も多数あります。会話パートナーとか日本語パートナーなど、「パートナー」と呼ばれることが多いようです。

実際のレッスンの会話の動画があります。相手に話させて、テーマになっていることを引き出すみたいなことがありますが、そこまでいかなくても、これはやらないほうがいいよ、みたいなこともわかると思います。

国際大学の事例集

日本語会話パートナーのためのビデオクリップ集 : 「ボランティア日本語教師 こんな先生いませんか?」という論文の動画です。論文はオンラインでは読めませんが、「こういうことはしないほうがいい」というテーマで作られており、参考になります。全部で5つ。短いので見ておくことをおすすめします。

事例1


事例2
https://www.youtube.com/watch?v=-2d4CAwFpk4
事例3
https://www.youtube.com/watch?v=W73WITMVysk
事例4
https://www.youtube.com/watch?v=jnCCNxFDkD4
事例5
https://www.youtube.com/watch?v=q_8MXDzAulA

国際大学の日常会話動画 https://www.youtube.com/watch?v=9Jn6AIkd0Pw&list=PLBUNnAStxEclpdh0GufPTSB_Jk4fNQVCK

「日本語これだけ!」の動画

「やさしい日本語」の庵 功雄氏が監修した「日本語これだけ!」というサバイバル系の日本語の教科書のサポートサイトにも、教えている動画があります。会話の中で教えるというよりは、教科書を教えるやり方ですが、対面で実際に教えている場面の動画で、これも参考になると思います。こちらは「こういうふうにやると効果的」という視点で作られているものです。

【にほんごこれだけ!】サポートサイト
https://cocopb.com/koredake/

教える知識がない人は教科書を使ったほうがいい、という考え方もあります。しかし、教科書をちゃんと使うのはそこそこ知識が必要です。マニュアルがあるといっても、そのマニュアルを理解するのは結構大変です。今、日本語教育の研究の世界では、教科書や教授法が最終的なソリューションだと信じる人は少ないという印象です。それよりも学習者を知り、学習者のモチベーションの維持に配慮し、授業が一方通行にならないように工夫する、ということが重要だと考えられています。

とはいえ、教科書を使わないでやるのは、まず日本語の学習では、どんな項目を学習するのかを知らないといけません。これは「あれは必要」「あれは不要」という議論はありますが、だいたい初級から上級(N1合格まで)にかけて、やる項目というのは、70年代あたりから、それほど変わっていません。

後の「教科書で教える」の「評価」のところで触れますが、文法を中心とした学習項目は以下にあります。

旧日本語能力試験の出題基準(1994)による級と文型の対照表 一覧 (Googleスプレッドシート)

語彙は、以下の調査が最も新しくわかりやすいと思います。初級の語彙はだいたい2000語くらいで、上級までで1万語くらいです。
大規模コーパスに基づく日本語教育語彙表の作成: 東京外国語大学学術成果コレクション
http://repository.tufs.ac.jp/handle/10108/86126

ざっくりとでも全体像を把握しておくことは、必ず役に立ちます。これらをざっと見ておくことをお勧めします。文型のスプレッドシートはCCなのでダウンロードして学習のチェックシートとして使うこともできます。

少額でもお金を払い、時間も割くことになるので、基本的には話し相手より「語学教師」を求めるニーズのほうが多いはずです。時間あたりの価値=レッスン料金を高めていける可能性が高いのも教師のほうでしょう。「語学教師」を求められるからといって教科書を使ったり、講義形式のレッスンを必ずする必要はないと思いますが、要所要所でキッチリ説明できるかということは求められますし、そこで評価されることになります。

ただプライベートレッスンでは「教えるんだから」と自分からペラペラ話すのは避けたほうがいいと思います。教室授業で講義形式でやっている人も要注意だと思います。プライベートレッスンでは発信より受信する能力のほうが大事という気がします。学習者が何を知りたいか、何をしたいか、を受信して、それには何が必要かを考えて、それを必要な分だけ提示する、というスタンスがいいのではと思います。「控えめなペースメーカー」ぐらいの意識です。

ただ、会話主体より、もうちょっとハッキリした授業計画も必要になってくるかもしれません。「■■*時間でここまで行ける」というものは学習者もほしがるところです。

👉 私の印象では、米の学習者はやはりプラクティカルでパッと使えるもの、という指向が強く、欧州の人(そこそこインテリの人)は、語学は地道に辛抱しながらやるしかないものだ、という感覚でやる人が多いです。

教材

語学の授業の計画は、教科書が担っている要素が大きいです。つまり教科書の選択で授業のプランが決まります。授業のプランがあれば、それにあった教科書を選べばいいのですが、そこまで強いプランを作れる人は少ないかもしれません。

それに日本語の教科書はそこそこ種類はありますが、いろんな前提で作られているものがほとんどで、これらの前提がオンライン授業では阻害要因となります。

  • 日本で生活することが前提:海外在住者にはピンとこないかも
  • 日本語で説明する前提:教師にスキルが必要
  • 教室授業で教師が説明する前提:自習がしにくい
  • 日本語学校が買うことが前提:海外のアマゾンで売ってないことが多い

これらの問題をクリアできそうな教科書を考えつつ、教科書の種類ごとに考えてみます。

サバイバル系の教科書

日本語の教科書にはサバイバル系のもの、英語圏に特化したもの、総合教科書などがあります。多分「ちょっと日本語をやってみよう」というニーズにはサバイバル系の教科書がよいはずです。

サバイバル系の教科書には観光や短期滞在などの「ほんとのサバイバルだけ」のタイプと、2,3年住む人向けの「生活系」があり、前者は学習には物足りず、後者は海外在住者にはあまりフィットしないかもしれませんし、海外のアマゾンなどに売っていないという問題があります。

最近は就労系の人を念頭に作られたCan-do的な(「ひとつの課でこれが表現できるようになる」というコンセプトで作られた)教科書もありますから、これが使えるかもしれません。ただ、この種の教科書は、そこそこ教える側に知識とスキルが必要です。

総合教科書

初級の総合教科書の「総合」というのは、いわゆる話聞書読の4つの技能をバランス良く進めるという考え方で作られた教科書という意味です。

総合教科書にはたいてい教師用指導書(それぞれ3000円くらい)があり、これをセットで買って、指導書に従って教えるのが、おそらく最も無難だと思います。顧客の満足度も高いでしょう。

著作権上、教師も学習者もどちらも買わなければならず、つまり、相手の国でも買えないといけませんから、かなり絞られます。海外のアマゾンにある初級総合教科書で日本のアマゾンでも買えるのは「げんき」「みんなの日本語」「まるごと」「NEJ:A New Approach to Elementary Japanese テーマで学ぶ基礎日本語」くらいです。

これらのうち英語で自習可能なのは「げんき」か「NEJ」だけかもしれません。しかしあくまで「可能」であって、ちゃんとやるならどちらも教師は必須かもしれません。これら市販の教材を使わないなら、後述する国際交流基金の「いろどり」か、自治体などが作っているものを使うしかありません。

👉 国際交流基金の「まるごと 日本の文化のことばと文化」は、いい教科書ですが、マニュアル的なものは少ないですし、ひととおり教える勉強を済ませて、基本的なことは説明できるようになり、少し経験し、全体像が見えてきたくらいの人じゃないと使いこなすのは難しいと思います。同基金による前述の「いろどり」もやはり「資格取得くらいの知識と多少の経験」が必要だと思います。

👉 ちなみに授業計画でいうと、「みんなの日本語」「げんき」は、「文法をやさしいものから難しい順番でやる」タイプで、「NEJ」と、「いろどり」と同じ基金の「まるごと」は「現実の場面で必要な表現をやる」タイプです。

多言語化

上で書いたようなメジャーな総合教科書に他に各国のアマゾンには現地の言葉で作られた教科書がひとつかふたつあります。それは日本では買えないことが多いので、オンラインレッスンで互いに使うというやり方は難しいです。

上で紹介したような総合教科書も多少は多言語化されています。ただし、日本語の教科書は、基本、日本語で教えることが前提となっており、全面的に翻訳されているものはほとんどありません。ざっくりとした説明や指示くらいまでなら、英語、中国語、韓国語、ベトナム語、が用意されていることがあります。

教科書とは別に語彙リストだけとか、文法の解説だけで別冊で多言語化されているケースもあります。以下の2つは多言語化に積極的です。

みんなの日本語

  • 翻訳・文法解説:英語 中国語 韓国語 スペイン語 ポルトガル語 フランス語 タイ語 インドネシア語 ロシア語 ドイツ語 ベトナム語 イタリア語 ビルマ語
  • 語彙訳:ビルマ語 ネパール語 シンハラ語 中国語繁体字 アラビア語 ペルシア語 アルバニア語 アゼルバイジャン語 モンゴル語 ウズベク語 ベンガル語 セルビア語 クロアチア語

まるごと

  • 指示のフレーズだけ翻訳された多言語版(インド(ヒンドゥー語)、インドネシア、ベトナム、タイ、ペルー(スペイン語)、マレーシア(マレー語)、フィリピン、韓国)が出版されている。 
  • タイ語、ベトナム語、モンゴル語、スペイン語、フランス語、英語などの語彙翻訳がある。

なぜ教科書で進めるのが無難か

語学の教師は、新人からベテランまで教科書によって守られているという側面が大きいです。教科書に出てくる語や文法、発音の範囲で説明できればいいからです。そしてそれは教科書の教師向けの本や一般の教師向けの本に書いてあります。つまりリアルな日本語を分析し説明するほうが難しいということです。話し相手になって「その『それな!』って使いたい、どういう意味?」と聞かれて「exactlyとか、that's itという意味だ」と言えば納得するかもしれませんが、その次に使い方を教えようとなった時、どうやって使うのか、どういう時は使えないのか、を考え出すと難しい、みたいなことがあります。「Youtubeで聞いた」日本語は関西弁かもしれませんし、「ツイッターで見た『…。』で終わる文の「…」にはどんなニュアンスがあるのか」は文脈がわからないと、もう全部の可能性を考えて、説明するハメになります。

👉 学習者側からすると、プライベートレッスンでは教科書的なものじゃないことを学ぶチャンスだという側面がありますから、教科書を使っていても「この前こういう表現をみたけど、どういう意味?使いたいんだけど?」みたいな質問が来ることは覚悟しておいたほうがいいと思います。基本、プライベートレッスンは日本語学校で教えるより難しいのです。

楽しく話をしながらきっちり教えていくという方法もあるにはあると思います。要領のいい人は、学習者が思っている以上に話せる場を作ることができ、それが自信になって、学習者のやる気が継続できる、勉強が進む、みたいなペースメーカーになれるかもしれません。ただ、これも長く続け、中長期的な評価を得るためには、学習者が進歩を感じられる仕掛けが必要です。後述しますが、教える相手の日本語能力をしっかり把握し、チェックしていくことが不可欠です。「気が合う話し相手」は今後もどんどんライバルが出てきます。

それが難しいなら、やはり教科書を買い、教科書を軸に進めることで、最低限の質保障でやるほうが無難と言えます。教科書でやれば、難しい質問は「あーそれはもうちょと先で勉強するから、今は教科書でコツコツやりましょう」と逃げることもできますし。

教科書と教え方の選択権

は基本的に学習者側にあります。どんな教科書か説明して選んでもらうのがベストだと思います。どう教えてほしいか?も最初に訊いたほうがいいです。(そして、時々「今の教え方でいいか?」「要望はあるか?」と訊いたほうがいいです)

教科書や教え方は、プロの日本語教師はみな一家言持っていて、あれがいい、あれはもう古い、などと言いますが、今のところ、教科書も教え方も決定版はありません。学習者と共に試行錯誤していってください。

このWikiに教材関連のページを参考にしてください。

学習者向けとしては、初級の教科書 | 中級以降の教材 | 目的別の教材 教師向けでは 教師向けの本 などがあります。

教材と著作権

教科書はビデオチャットの画面に映すのは基本NGです。相手にも買ってもらう。プライベートレッスンの場合は、相手が持っている教科書を教師が買うということのほうが多いかもしれません。後に書くようなオンライン上にあるフリーの教材でもいいと思います。

オンライン授業の著作権、日本語の出版者の対応などは著作権をどうぞ。かなり厳しく、教師も学習者も購入マストです。

基本的な説明力

教室で20人くらいを相手に教える際は、学習者のやる気を維持させて、自分で学習するという意識を育てる、みたいな心理コントロール的なことが重要視されるようになっていますが、プライベートレッスンでは、自分でお金を払ってくるわけなので、基本、モチベーションはあります。学習者は、自分を鼓舞してくれるかどうかより、しっかり説明してくれるかで、判断する傾向が高いと思います。

使う教科書の教師用の手引き的な本をじっくり読むのが一番かもしれませんが、プライベートレッスンの醍醐味は学習者が、ちょっと訊きたいことを教えてもらえることだと思いますし、教科書を使わないなら、どんな球も拾えないといけないといことになります。

英語でざっくり説明するにしても、日本語だけでやるにしても、きっちり説明するのは教師向けの本にある本を参考にしてください。ここで最初に「定番」として紹介している

ぐらいは買って、ひととおり読んで、常備したほうがいいと思います。

国際交流基金の日本語教授法シリーズは安いので、会話重視でしょうから

ぐらいは買って読んだほうがいいかもしれません。

英語の説明なら、定番の
A Dictionary of Basic Japanese Grammar(日本語基本文法辞典)
A Dictionary of Intermediate Japanese Grammar 日本語文法辞典 [中級編]
A Dictionary of Advanced Japanese Grammar 日本語文法辞典 [上級編]

がいいかもしれません。

👉 ネット上の説明は、英語、中国語ではそこそこあるのですが、決定版はないと思います。

👉 手前味噌ですが、私どもは学習者の母語別の教え方のシリーズを出しています。参考にしてください。中国語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、ミャンマー語、マレー語、ロシア語、アラビア語、トルコ語など。今後も刊行予定です。

その他フリーの日本語学習素材についてはこの下の「オンライン時に引用可能な素材」でまとめます。

評価

プライベートレッスンが長く続き、安定した評価を得るためには、学習者が進歩を実感できることが重要です。なんとなく褒めるみたいなことではなく、楽しく進めながらも、進歩していくような仕掛けを教える側がきっちり考えてやるということです。語学の評価は、かつてのように文法事項を講義して小テストをしてという方法だけではなくなったことこともあり、どんな方法でも、だれがやっても同じように客観的でフェアな評価を細かくやるという方向であれこれと試行錯誤が行われています。

ルーブリックという学習到達の基準を表形式でやるという方法も流行っています。ただ、教え方に即してきちんとしたものを作り、カスタマイズしながら活用していく必要があり、その方法論はまだ確立していないという印象です。論文アーカイブなどで「ルーブリック」で検索すると英語教育など、いろんなところでの試行錯誤を知ることができます。

学習者に自分がいる場所を常に意識してもらう

会話中心の授業に限りませんが、プライベートレッスンは決まったカリキュラムがないので、学習者は、自分がいまどこにいるのか?がわかりません。会話中心だと進歩しているのか不安にもなります。教科書を使わないとなおさら迷いがちです。日本語能力試験のようなざっくりした目安はあまり役にたちません。そもそもマークシートと聴解オンリーの試験ですし。

学習者に

  • 自分のレベルがどのくらいか
  • 自分の長所、短所は
  • 今日何を学習したか&これまで何を学習したか
  • これから何を学習するか

をしっかり伝えていき、それを意識してもらうことが重要です。そのためには、初級から中級にかけて、日本語には勉強すべき学習項目はどのくらいあって、目の前の学習者がどのくらいのレベルで理解しているかを教師が把握しておくことはマストです。

日本語の学習に必要な学習項目

まずは初級から中級くらいまでに、どんな文法と語彙があるのかを、ざっと眺めてみてください。ネット上にそういう資料があります。文型という英語学習でいう構文のようなものが初級で200くらい。動詞の活用や助数詞など個別に学習することが50くらいあります。この250をだいたいクリアしたら、次に進めるというわけです。

学習者別のポートフォリオ(医者のカルテのようなもの)と共に学習項目のチェックシートなどを準備して、語彙(含む漢字)、文法、発音くらいに分けてGoogleスプレッドシートなどで管理するといいと思います。ポートフォリオの一部は学習者とも共有して、学習者にも進歩を意識してもらいます。以下、個別に参考になる資料を書きます。

文法

やや古いですが、日本語でN5からN1にかけて勉強すべきとされる文型は以下にあります。
旧日本語能力試験の出題基準(1994)による級と文型の対照表 一覧 (Googleスプレッドシート)

このリストをそのままチェックシートとして使ってもいいですが、使う教科書の何課で出てくるかを調べて、ソートしてやっていく方法もあります。教科書を使わなくても、会話の中で「これは大丈夫」「この文型の理解はあやしい」みたいなA~Eの5段階くらいでのチェックはできると思います。

可能なかぎり客観的なチェックをすることが重要です。といっても経験が少ないと難しいのですが、チェックシートを使って試行錯誤することで、学習すべき項目を俯瞰でみたりということもあり、頭の中で整理ができます。

語彙

語彙は日本語能力試験のレベル別に分類した単語教材みたいなものもある程度参考にはなります。ただ中級、上級の語彙はいろんな考え方がありますので、試験対策になるかは?です。

日本語教育でどいう語が使われるかの資料では以下が決定版かなと思います。

大規模コーパスに基づく日本語教育語彙表の作成: 東京外国語大学学術成果コレクション
http://repository.tufs.ac.jp/handle/10108/86126

ある語の使われ方が正しいかどうか、どういう語と組み合わせて使われるかは以下で調べることができます。
NINJAL-LWP for BCCWJ (NLB)

発音

プライベートレッスンは発音の学習に向いていると思いますが、週1,2コマでは発音に時間が割けない、で、プライベートレッスンできっちり進めていくのは難しいというジレンマがあります。上で紹介した音声を教えるを読んでおくことをお勧めします。

コミュニケーション力

これをどう評価するかはとても難しいです。今はコミュニケーション能力=会話力、ということになっていますが、コミュニケーションとは、学習者がコミュニケーションをしたいという相手とコミュニケーションしたいという思う方法で達成できればいいので、教える側が考えるコミュニケーション能力は常に単なる指標でしかありません。仮に学習者の希望が、会話力をつけることだとしても、今の会話力の測定の方法では、どうやっても一面的な評価になってしまいます。

→会話力

日本語にも、例えばOPIみたいな会話力測定の基準はあり、資格もありますが、元々全米外国語教育協会が開発した方法でややわかりにくいです。

国際交流基金にも似たような会話力の測定の指標がありますが、CEFR準拠の基金のスタンダードに基づくもので、使い勝手はイマイチで、今ひとつ煮詰められていないという印象もあります。

どちらも、学習者のニーズという視点が弱く、社会の要請、教える側の測定の参考として、という発想で作られたものだという印象です。両方ともざっと目を通して、なんとなく概要をつかめばいいんじゃないでしょうか。

日本語OPI研究会
http://www.opi.jp/nyumon/nani.html

認定の目安は以下に詳しい ACTF言語運用能力基準-話技能(1999改訂版)

JFS準拠 ロールプレイテスト | JF日本語教育スタンダード
https://jfstandard.jp/roleplay/ja/render.do

なにより、冒頭に書いたようにコミュニケーション能力は学習者自身が実感できないと意味がありませんし、自分でいろいろとやってみて、納得しているならそれでよいという気がします。今は聴解なら、YoutubeやTverなど、リアルな日本語に接する機会は無限にありますし、会話はそれこそ、オンラインレッスンのサービスで試せますし、学習者まかせでもよいと思います。

その他、ロールプレイによる会話能力の測定

文型積み上げ式シラバスによる初級日本語学習修了者の課題遂行能力 : ロールプレイテストによる評価と質問紙調査の質的分析を通して https://ci.nii.ac.jp/naid/120005756596

プライベートレッスンでは、昔ちょっと勉強したとか、他のレッスンがつまらないので来ましたという人が多いです。例えば若い時に日本の英会話学校で2年くらい滞在してた、初級の前半でやめちゃった、そこそこ話していたような気がする、みたいな人です。

こういう人をできるだけ、現時点の能力を見抜いて、どういう方向でレッスン計画をたてることができるかはプライベートレッスンの教師にとって重要なスキルになります。教材では「初中級」というところが参考になります。初中級は、たいていの場合、初級で理解が難しい、間違いやすいところを復習するというコンセプトで作られています。「橋渡し」というワードもよく使われます。中級の教科書の前半を初級の復習にあてるケースもあります。このへんの教材を使うのはひとつの解決方法です。

結構しっかり勉強した中級者でも、すべてOKと言う人は多くありません。上級だけど、形容詞の活用が怪しいという人もいます。それを早めに察して、それをその人の「要改善ポイント」としてメモっておく。みたいなことが必要です。これもある種の「評価力」みたいなことです。

日本語学習の壁

以下は、あんまり熱心に勉強しなかった人、途中で辞めた人が、うろ覚えになりがちなポイントです。なぜ、誤って覚えたのか、苦手なポイントはなぜあるのか?は、その学習者の母語の影響だったり、接する日本の人の影響だったりといろんな要因があります。この要因から察することができたり、それを改善したり、修正する練習をパッと出せるのが、教師のスキル、引き出し、だと思います。

  • 文字種:(ひらがな、かたかな)
  • 助数詞:(いっぽん、にほん、さんぼん~)
  • 形容詞の活用:(形容詞が活用しない言語は結構あります)
  • 動詞の活用が面倒。(て形は時間をかけますが忘れる人も多いです)
  • 授受:(視点が変わるということに慣れる)
  • 受け身:(日本語独自の受け身がある)
  • 時制:(未来形が無いとか、過去の表し方が独特みたいなこと)

もちろん、これらは個人差があります。それは学習者の母語の違いや、外国語学習体験などに左右されることが多いようです。事前インタビューが可能なら、外国語学習体験は訊ねておく価値があると思います。学習経験がある人向けのプレースメントテスト(レベル判定テスト)をきっちり作っておくといいと思います。

👉 敬語は初級レベルではどの教科書も絞り込んでやるので(少なくとも初級レベルのうちは)それほど負担にはならないようです。こういうのも教科書で進めるメリットです。無理なく少しずつという「計画」があるというようなことです。

オンライン時に引用可能な素材

サービス業者によっては、規定でURLを示して使うのが難しいケースもあるようですが、一応、ピックアップしてみます。この種の素材は初級に関してはすでに十分にあり、今は、細かい便利さを競うような状況です。あれこれ手を出すより、これと決めたものをじっくりとどう活用するかを考えてほうがいいような気がします。探すのは国際交流基金のポータルサイトのNIHONGO eな - Portal for Learning Japaneseが便利です。

学習ツール的なものは、このWikiのトップからもいろいろ探せますが、今世界で使われているものをざっと見るなら以下です。
https://www.similarweb.com/ja/top-websites/category/science-and-education/education/

オンライン上にあるもの

オンライン上にあり、URLでさっと示せて、ライセンス上も問題が無いものだと多言語対応で、十分な説明があるものとしては

東外大言語モジュール|日本語
http://www.coelang.tufs.ac.jp/mt/ja/

NHKの日本語の学習サイト
https://www.nhk.or.jp/lesson/

があります。これは多言語学習コンテンツの日本語版です。他の言語はmtから行けます。マイナーな言語を習得するのも武器になるかもしれません。

政府系の組織が作っているもので、オンラインレッスン時にURLを示して参照できそうなものは

日本語学習ウェブサイト「ひろがる](国際交流基金)
https://hirogaru-nihongo.jp/

つながるひろがるにほんごでのくらし(文化庁)
https://tsunagarujp.bunka.go.jp/

日本語絵辞典(文化庁)
http://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kyoiku/nanmin_nihongokyoiku/kyozai_1/

などがあります。

英語の説明があるフリーの素材、サイトは(やや古いですが) 富士通の日本語教材サイト
http://www.fujitsu.com/global/products/computing/servers/japanese/contents/index.html
fsi(Foreign Language Institute)
https://fsi-languages.yojik.eu/languages/cortina.html
Tae Kim’s Guide to Learning Japanese
http://www.guidetojapanese.org/learn/grammar
Free Resources – Scripting Japan
https://wesleycrobertson.wordpress.com/free-resources/

などが知られています。

日本文化関連は

2019年にできた日本の文化歴史関連の総合素材アーカイブ。
https://jpsearch.go.jp/
トップ | 文化財デジタルコンテンツダウンロード機能
https://cb.bunka.go.jp/ja

動画は、Youtubeは玉石混交で著作権的に怪しいものが多いですが、Vimeoで、「japanese」などで検索すると個人が作った動画がいろいろとヒットします。CCの種類でソートもできます。(YoutubeはCCはありますが、CCBYだけです)

オンライン辞書関係

Jisho.org https://jisho.org/

日本語学習者辞典 http://dictionary.j-cat.org/JtoE

単語林 http://tangorin.com/

WWWJDIC http://www.edrdg.org/cgi-bin/wwwjdic/wwwjdicj?1C

英辞郎 https://eow.alc.co.jp/

漢字辞典オンライン https://kanji.jitenon.jp/

オンライン用例辞書
http://yourei.jp/

機能語の例はこちらが便利です。
https://www.hagoromo-text.work/

介護や看護の言葉は
http://eng.nihongodecarenavi.jp/eng/

👉 Google翻訳もDeeopLも主語を勝手に補填したりとクセがあります。長文になると、翻訳ヌケが増えるので要注意です。ブラウザーの機能拡張では、ふりがな系やポップアップ辞書などを紹介したほうがいいかなと思います。この読本Wikiの学習ツール系を参照してください。

ダウンロードして使う教材

PDFなどでダウンロードするような教材です。

教科書的なものだと国際交流基金の「いろどり」があります。特定技能で来る人向けの比較的新しい教材で、まったくの初級から初級前半くらいまでをカバーしています。副教材もオンラインでいろいろと配布されています。

いろどり
https://www.irodori.jpf.go.jp/

その他のダウンロード可能なものは、自治体などが作り配布している教材をみてください。

日本語の研究や教え方の勉強は、本や論文があるので努力すればなんとかなりますが、この種のことは結構難しいです。「相手があること」をどう考えるか、みたいなことでしょうか。

まったくどうしていいかわからないという教師のために(その人に教わるかもしれない学習者のために)プライベートレッスン専業の学校などで一般的に言われそうなことをずらずらと並べてみます。一見、説教じみていますが、いずれもこのへん気をつけないと学習者(=顧客)からの評価に直結する、というものです。週1コマ1500円は安いようですが、月6000円です。ネトフリが2000円。この種の定期的な支出に繋がることは生活の中でいつでもカットの対象になります。顧客は、結構厳しい目でみてます。

プライベートレッスンはリアルでも長期契約などなく、顧客が不快だと思ったら即レッスン終了です。以下はセンパイがコウハイにする精神論めいた説教というより、このへん気をつけないとメシの食い上げになるよ、みたいなことに近いと思います。

なんでも「文化」で説明しない

日本語以外のこと、例えば日本の文化、習慣に関わることについては「ファクトを重視する」ことが大事だと言われたりします。文明が発達した例で都会を出し、自然が素晴らしい例で田舎を出すのではなく、全国区、平均値でなるべく考える。郊外の3LDKの普段の普通の生活ベースで語ればいいと思います。

無理に卑下する必要もありませんが、美化する必要もない、というようなことです。海外の学習者はどちらかというとステレオタイプ的な日本像を持ち、そのとおりであってほしいと考えています。教師は、それに合わせることなく、授業では淡々とファクトを伝えればよいと思います。

👉 茶道とか武道にみたいなことに詳しくなるより、地図帳とかこういう本(数字でみる日本の100年は多分この種の本で一番安いです)を眺めたり、日常的に新聞を読むみたいなことのほうが大事で、授業にも役にたちます。伝統文化的なものは、自分より詳しい人が作ったサイトや動画がネット上に無数にあります。日本語教師の専門は「日本語」です。

👉 アメリカ文化をウットリと語るアメリカンな英語教師に英語を習いたいという人はあまり多くないはずです。そして、そういう英語教師はほとんどいませんが、日本語りが好きな日本語教師はなぜか結構います。

多様な学習者

「学習者ができない原因を勝手に決めつけない」ということは重要です。語学のセンスがないとか、やる気が低いとか、怠惰であるとか、決めつけない。

学習者はモチベーションの低下と戦っているかもしれませんし、私生活でストレスをかかえていることもあります。学習障害がある人もいるということも考えておくべきです。聞こえない、読めない、それらが困難という障がいを抱えている人も当然います(軽度の障がいだと気づきにくいです)。単に、話すのが好きでは無い学習者もいます。「コミュニケーション=会話力」というような決まったコミュニケーション観を押しつけないことも重要です。いろんな可能性を考えておいてください。読書障害などは欧米では自分で申告してくれる人も結構います。

プライベートレッスンは、教室授業や教科書にいろんな理由で合わないという人が来る可能性は結構高いです。

差別・ハラスメント

いろんな考え方があり、それぞれ解釈の幅があります。ほとんどのサービスではガイドラインでざっくりと禁止だと書かれていて、通報の対象です。どうすれば、この種のことをしなくて済むかを、書くのは無理です。

基本的に語学に関係がないことは訊ねないというルールを徹底することは重要です。例えば語学の能力に性差はあるか、みたいな研究はありますが、まだ結論は出てないようです。ただし市販されている日本語の教材にも差別的要素、ハラスメントが許容されている場面などが出てきますので注意が必要です。

北米、欧州の若い学習者はこの種のことに厳しく、敏感です。しかも、アジアの言語を学ぼうという人ですから、どちらかというとリベラルなスタンスの人が多い。欧米の学習者相手の日本語教師は新人時代に、この点を厳しく指導され、ピリピリしながら数年過ごします。率直に言って、日本語学校で比較的大人しいアジア系の学生を相手にしてきた日本語教師は、もう一段、この点を、アップデートする必要があると思います。ツイッターの日本語教師のタイムラインをみていても「これは欧米の学習者には許容されないだろうな」という言動を時々目にします。

👉 アジア系の学生が寛容ということではなく、民間の日本語学校では出席率その他、構造的に学習者が学校や教師によって管理&監視される立場となっているという環境も大きいと思います。比較的、教師は敬うべきという概念があったりも影響していそうです。

いい授業をしていたはずなのに、終了になった、なぜだろう?みたいな時には、気づかずに不快な思いをさせていたかもと疑ったほうがいいと思います。

少しだけ、日本語の授業に関することに絞ってみます。養成講座や先輩に、こういうようなことを言われたような気がすることです。細かい説明は無しです。これも、「心構え」的なことというより、気をつけないとお客さんからレッドカードくらうよ、みたいなことです。

全体的な注意点

  • 教えたいことより学習者が教わりたいことを優先する。
  • 学習者で実験してはいけない。「うまくいくかも」でやってはいけない。常に多数の同業者がベストだと思う方法を重視する。
  • 良い教師だと小手先で思わせようとしない。仕事でコツコツと信用と信頼を積み上げる。
  • 教師は学習者の能力を判定する人ではない。
  • 勝手に学習者が日本好きだという前提で接しない。
  • スキルが足りないことを「親切」「サービス」「一生懸命な姿勢」でごまかそうとしない。

👉 自分が正しいと思う方法ではなく、同業者の多数が正しいほうを重視する、というのがポイントです。「人に教師という立場で教えるということはその人に圧倒的な影響を与えてしまう。自分の感覚や判断を信じないことが重要」とも言われました。

👉 「判定する人ではない」というのは、「個人情報保護」の所でも書いた、学習者の能力について人にペラペラしゃべるな、みたいなことです。授業に必要な分析まででいい、上手いとか下手だとかのジャッジは不要、まして第三者に話すなんて、というようなことでした。

準備

  • レッスンの前に最低限何を学習するかを決めておく。
  • 質問は、どういう答えを引き出して、どう展開して、どう学習に結びつけるかを考えて準備しておく。
  • 計画どおりにならないことが多くてもOK。でも準備はする。
  • 予習、復習、宿題をやる前提のレッスンをするなら、やってこないことを前提にしたプランBも必ず用意しておく。
  • 現実的にはプライベートレッスンのコマ数(週2コマとか)だけでは進歩は難しい。レッスン時間だけでなく、自分で勉強するサポートすることも意識する。

👉 一番最後は近年、大事だといわれることが増えたと思います。授業だけで終わりではなく、(おせっかいにならない程度に)独習のサポート役という意識もあったほうがいいみたいなことです。ネット上のリソース、ブラウザーのふりがなの機能拡張など、学習に便利な基本ツールは知っておく。ただ、同時に自習ありきの授業プランだけなのはNGということです。

授業で

  • 「週末は何をしましたか?」みたいなつまらない質問をルーティーンでしない。
  • ペラペラ話さずに学習者にいかにはなさせるかが大事。
  • レッスン中に自分が話す日本語は、内容、語の選択、表現、スピード、全部意識してやる。
  • 日本語で済むところを見極めて、極力日本語を使う。
  • 長いレッスンの場合、休憩を入れることも有効。集中力の高い継続に気を配る。
  • 「相性があるから」などと言い訳せずどんな学習者でも満足させることを目指すべき

いずれも本当に正しいアドバイスとは限りません。自分なりに考えてみてください。

最後の「相性」の項目は、リアルとオンラインでは少し違うかもしれません。この種のサービスでは怪しいなと思ったら早めにストップしたほうがいいかもしれません。それが評価に影響するとしても。

最後に一点だけ、最も重要だと思われることを、以下で補足します。

語学教師にとって最も重要なことは「ウソをつかないように努力する」ということだと日本語教師養成講座で教えられました。その後、同じことを言うベテラン教師にも多く会いました。この「ウソ」には、意図的に騙すつもりはなくても、結果として不正確な説明をしてしまうことも含まれます。学校や教室で教えるのと違って第三者の目が無いプライベートレッスンではウソは増えがちです。しかし教師のウソは学習の中に水銀のように蓄積され、なかなか消えにくい(「化石化」と呼びます)よ、みたいなこともよく添えられました。

テキトーに説明するウソ

とはいえ、日本語をウソをつかずに説明するのはとても難しいです。教科書の中の日本語ならば日本語教育の世界で今正解だとされている説明が準備されていますから、それを勉強することである程度回避できます。しかし、それが間違っているということになる可能性もあります。まして、リアルな日本語を即座に的確に説明するのは、ほとんどの教師には無理です。日本語教師にできるのはせいぜい、教科書の範囲で、今多くの人が正しいと考えている説明を知り、それを覚え、それを教えるというのが限界で、それをコツコツやるのが誠実な態度ではないかという気がします。教科書の外にある、本当にリアルな生の日本語を分析し説明するのは、この基本的な勉強の先にある高度な応用問題でさらなる勉強が必要です。

テキトーな説明で代表的なものは「ニュアンスが違う」「強調の意味」「ほとんど同じ」などでしょうか。

「説明できないと思われたくない」と、ついつい知ったかぶりでウソを教えるみたいなことをしがちです。わからないことはわからないから調べてくると伝えて、次にちゃんとやれ、といろんな人から心構えとして言われました。

こうあるべきだというウソ

日本語を教えようという人は、日本語や言葉について、なにがしかの考えや美意識を持っていることが多いです。しかし日本語はこうあるべきだ、という考えが、ウソに繋がるケースもあります。かつて(80年代)は、「おいしいです」ではなく「おいしゅうございます」と教えるべきという日本語教師がいましたし、今も言葉のユレがあるケースで、「本来の」「あるべき」「正しいほう」を支持するのが日本語教師の姿勢だと考える人もいます。

しかし、語学学習において学習者は何が正しいのかは判断できません。美意識というのは多くの選択肢の中から選択することであって、誰かの判断に追従することではないはずです。そして、語学教師が現実の世界で通じない、通じにくいものを教えることはモラルに反するのではないかと思います。

基本的に、日本語教師は「流通している日本語の奴隷」くらいの意識でやったほうがいいと思います。いくつかの選択肢がある場合、どれが多数派なのかはわかりませんが、それでも、それぞれの選択肢を示し、それらがどのくらい流通しているのかをざっくりと伝えるところまでしかできない存在でいいと思います。自分が正しい日本語を支えるのだ、などという意識は捨てたほうがいいです。

👉 正しい日本語好きの人は、ウソ語源も教えがちです。語源は、諸説あるなら教えない選択をしたほうがいいジャンルです。

ゴールはネイティブレベルではない

今の語学教育の考え方は、言語は常に多様であって、そのバリエーションの幅はその言語の豊かさでもあるとされています。つまり、ネイティブに限り無く近づくのがゴール、ではないという考え方が主流です。学習者から標準的な発音は、表現は、という質問はよくでます。それは対応するとして、教師の側から厳密に指導することはありません。

これも教師の側の「こうあるべき」ということのウソのひとつとも言えます。

👉 ただ、語学ではそういう標準的、規範的、ということにこだわる学習者もいます。また、日本語ネイティブが多いところで、ノンネイティブは、必要以上に「あら探し」をされる対象でもあります。つまりノンネイティブというのは、普通以上に規範的であることを求められがち、という現実があります。教師としては、学習者が望むなら対応するのが、仕事だとも思います。

「あまり使わない」というウソ

あと、若い人がつきがちなウソは「それはあまり使わない」「それは古い表現だ」という自分の感覚や周囲だけでジャッジしてしまうというものです。ある表現が使われているかどうかは、自分の感覚だけではわからないと考えてください。仮に若い世代になじみがないものであっても、相手は日本語でどんな世代の人と話すかわかりませんし、どんな文を読むことになるかわかりません。言葉は「古い表現」であることを知っている前提で使われることもあります。

よほど特殊な言葉でないかぎり、使う使わないは基本的には断言しないほうがいいと思います。それより「どう使われるか」を考えて、それを伝えるほうが大事です。

👉 例えば、定期的にみるもので「動詞の活用で使われるナ行の活用「死ぬ」は、現代語では死ぬぐらいしかないし、気持ちのいい語ではないから練習に使いたくない、日常生活でめったに使わないし!」というのがあります。しかし、実は私たちは「死ぬほど」疲れたり、お腹がすいただけで「死ぬかと思った」りしてます。田舎に行くと道ばたにカエルが死んでるのは日常茶飯事です。SNSでも大人気で、ひょっとすると「書く」とか「払う」より使われているかもしれません。映画、ドラマ、マンガやアニメでもバンバン出てきます。かなり頻出語なんですね。こういう「使う使わないの検算」がクールにできる慎重さとセンスも語学の教師が持っていたほうがいいものだと思います。

どう使われているかを調べる方法

  • ある表現を使う使わないというジャッジはこういうところで検索すれば多少は思い込みによる間違いを回避できます。ただし、使われているデータは「書き言葉」ですし、やや古めなものが多いので新しい古いのジャッジは苦手だと思います。
  • ある語が、いつごろから使われるようになって、どのくらい使われるかはGoogleトレンドで調べることができます。
  • 新しめの表現が実際に使われているかどうかは、多分SNSで検索するのがわかりやすいと思います。ツイッターの検索で秒単位でツイートがあれば、ホントに使われているのだな、とわかります。ツイッターのアカウントを持っている人は高度な検索も試してみてください。より詳しい結果が出ます。
  • 辞書サイトはたくさんあります。辞書にないけど、この語はあるのかな?というものは、国会の議事録 国会会議録検索システムにあったりします。

👉 Googleの検索結果の数は「実際にネットである数」を正確には反映していないようです。つまりある表現がどのくらい使われているか、AとBはどっちが使われているか、みたいなことはわからないということになります。詳しくはこちらを。従って、どのくら使われているかは、SNSで見当をつけるしかないということになります。

「なるべく」ウソにならない方法

冒頭で書きましたが、学習者が初級段階で誤って覚えたことは、上達した後だと修正しにくくなります。語学でウソを教えることは子どもに非科学的なことを教えることと同じくらい大きな影響を与えてしまいます。間違ったこと(ウソ)を教えてしまうことにいつも恐れを持ってください。

わからないことは「わからない」と言うのも、ウソを回避する有効な方法です。調べて多少はわかる可能性があると思ったら「調べてきます」と言って、次回に説明してください。知ったかぶりはウソに直結します。答えがひとつでない時は、自分が信じる正しいものを教えるのではなく、同じ日本語を教えている人達の中で多数が正しいと考えるものを優先すべきで、それでも複数の選択肢がある場合は、選択肢をすべて伝えて学習者の選択にまかせましょう。自分のブランディングにキズがつくと思っても、ここだけは知ったかぶりをしてはいけない、語学教師が誠実にならなければならないところだと思います。

ウソを回避する最も効率のよい方法は、前述のように、まず教科書に出てくる範囲の表現で、多数が正解だと考えている説明を知ることだと思います。それは教科書の教師用指導書や教師用の教え方の本に書いてあります。そして、日本語学校などで第三者によって自分の授業をチェックしてもらえる環境に身を置くこともやはり有効だと思います。


勉強は大変ですし、人にアレコレ言われるのは楽しいものではないですが、今のところ、自分だけで、教える経験だけで、高いレベルに行くのはとても難しいような気がします。私は、ずっとフリーランスでちゃんと修行時代を持てなかったので、日本語教師としてはパッとしないままキャリアを終えてしまいました。資質に問題があった可能性も高いですが、日本語学校できちんと怒られながらという経験をしていればと、今も後悔しています。

今はコロナもあり難しいですが、2022年は少しは求人も回復すると思います。多分、よい教師になる近道は、資格を取得する勉強をして、よい先輩がいる学校で経験を積むことだと思います。退屈な結論ですみません。終わり。

もちろん、実際にオンラインレッスンをやっている様子を探すならYoutubeで検索です。大量に出てきます。

👉 このページに関連する私達の出版物のご紹介です。


新人教師が、安心してまかせられる教師になり、その先の道をみつけるまでの手堅いガイド役。

『日本語教師、はじめました!』

作田 奈苗 東京外国語大学 非常勤講師
加藤みゆき 東京外国語大学世界言語社会教育センター特任助教 著
出版社による紹介ページへ



研究

日本人ボランティアとともに学ぶ会話授業の取り組み:―学習者主体の活動を通して― https://ci.nii.ac.jp/naid/130007885212

日本語会話ボランティアの制度化が持つ意義と課題 https://ci.nii.ac.jp/naid/120005293646

地域日本語教育における人材育成 https://ci.nii.ac.jp/naid/130006889409

日本人パートナーが参加した「応用会話A」クラス : 2000年10月から2001年2月までの実践報告 https://ci.nii.ac.jp/naid/120006338455

日本人会話パートナーを導入した「応用会話」クラスの試み https://ci.nii.ac.jp/naid/120006338475

ACTFLの外国語能力基準およびそれに基づく会話能力テストの理念と問題 https://core.ac.uk/download/pdf/234112864.pdf

課題遂行能力の向上を重視した初級日本語学習 : JF 日本語教育スタンダード準拠ロールプレイテストによる評価結果 https://ci.nii.ac.jp/naid/120006225082

生活技能訓練を利用した発話訓練プログラムとその評価 : 異文化適応能力を養成を目指した発話指導について https://ci.nii.ac.jp/naid/110009496584

https://www.kikokusha-center.or.jp/resource/ronbun/kakuron/26/kawakami.htm|年少者日本語教育における「日本語 能力測定」に関する観点と方法

日本語教科書における女性の職業 : 教科書分析と日本語教師の意識調査分析 https://ci.nii.ac.jp/naid/120005357698

日中米の日本語教科書のジェンダー表現 https://ci.nii.ac.jp/naid/110009497240

日本語学習者にみられる日本語のジェンダー規範意識:―相手言語接触場面と第三者言語接触場面の談話分析から― https://ci.nii.ac.jp/naid/130007778639

Ci Nii Articles 検索 - 日本語教育 ジェンダー https://ci.nii.ac.jp/search?q=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E6%95%99%E8%82%B2%E3%80%80%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC&range=2&count=20&sortorder=1&type=0

学習者が訊ねる語がわからない場合、知らない語は音の記憶違いがほとんどですが、方言の可能性もあります。方言を学びたい人もいるかもしれません。

方言研究トップページ http://www2.ninjal.ac.jp/hogen/

方言文法全国地図 https://www.ninjal.ac.jp/publication/catalogue/gaj_map/

方言談話資料 https://www.ninjal.ac.jp/publication/catalogue/hogendanwa_siryo/

方言文法研究会 http://hougen.sakura.ne.jp/

Japanese Dialects(日本の方言):方言の総合サイト https://japanesedialects.com/

以下の論文は、無料で、オンライン上で登録無しで読めます。研究ではビデオチャットを使った授業などは「遠隔」というワードで例えば遠隔教育などと書かれることが多く、録画しておいたものを見せるのは「非同期」、リアルタイムでチャットをやったりスカイプで教えるのは「同期」と区別することが多いようです。 また、研究というより、実際にやってみたことの報告は「実践」というワードがよく使われます。

論文には日付があります。遠隔教育の研究は古くは1990年代後半からありますが、光回線が前提になったものは2015年以降かなという気がします。

Ci Nii (サイニィ)
https://ci.nii.ac.jp/
Jstage
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja/

で検索してみてください。

1対1オンラインレッスンの試み https://ci.nii.ac.jp/naid/120007002939

スカイプを使った日本語・英語交換交流プログラム:金沢大学・エモリー大学の事例 https://ci.nii.ac.jp/naid/120006226766

多文化共生時代に必要な異文化間コミュニケーション能力の考察 : インターネット(スカイプ)による日本語のオンライン交流 https://ci.nii.ac.jp/naid/120005854689

日本語学習者の発話に対する抵抗感の変化 : 莆田学院と徳島大学のスカイプ交流を通して https://ci.nii.ac.jp/naid/120006468062

日中間のスカイプによる双方向遠隔授業の目指すもの― リアリスティック・アプローチの視点から ― https://ci.nii.ac.jp/naid/120005575564

語学教育における異文化理解活動の試み : スカイプによる相互交流プログラムの取り組み https://ci.nii.ac.jp/naid/120005612295

Skypeを用いた会話セッションの試み:―日本語学習と日本語教育実習の観点から― https://ci.nii.ac.jp/naid/110009497260

メディア授業による日本語学習者の学び https://ci.nii.ac.jp/naid/120007018734

同期型遠隔授業に参加した中国人大学生に対する意識調査 https://ci.nii.ac.jp/naid/120007018732

「Essential Japanese 1M-1, 2」授業報告 : 初級前半レベルの日本語遠隔授業における課題の振り返り https://ci.nii.ac.jp/naid/120007008443

オンライン授業におけるビブリオバトルの試み : 中級日本語クラスでの実践から https://ci.nii.ac.jp/naid/120007007873

日本語教師のための遠隔授業サポート講座実施報告 https://ci.nii.ac.jp/naid/120007002930

日本語教育実践研究(12) (特集 大学院日本語教育研究科における「オンライン授業」の実際) https://ci.nii.ac.jp/naid/120006949593

その他、論文アーカイブの「日本語 遠隔」の検索結果 https://ci.nii.ac.jp/search?q=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E+%E9%81%A0%E9%9A%94&range=2&count=20&sortorder=1&type=0です。


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1)
こういう方法が主流だとか、こういう教科書がいいとか…
  • オンラインレッスンのプラットホーム.txt
  • 最終更新: 2022/11/06 20:26
  • by webjapanese