日本語の試験いろいろ

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日本語の試験いろいろ

日本語学習者向け試験は、1984年スタートのから続いている日本語能力試験の存在感が大きく、86年にスタートしたbjtビジネス日本語能力テストもなかなか普及しないまま長い期間が経過した。大学進学前提の試験であったので読み書き重視だった。

👉 80年代後半から90年代にかけて日本に来た南米の日系の人達、中東の人達にも試験はあまり関係なかった。

👉 大学に進学する場合は能試とは別に86年スタートの日本留学試験を課す大学が多かった。

2010年代に入り、国内の労働力需要が大きくなり就労目的の若者が留学ルートで日本に来るようになった。2017年ごろに国内の人手不足を外国人労働者で補填するという方針が定まり、就労・生活と留学・進学の試験の棲み分けが必要となった。日本語の能力の評価という側面からの検討もやっとはじまったが、まとまらないままです。

試験は、政府系(能試、留学生試験、基金の試験)と、出版社系(JTEST,NAT TESTなど)、業界系(標準ビジネス日本語テスト)があり、日本語教育関係者も様々な試験の主催者の監修などを務めていて乱立気味。2020年以降は、いい悪いは別として(悪いことしか思いつきませんが)、日本語の試験は在留資格の取得、延長と強く結びつき、日本語の試験は質よりも「強さ」によって分類されることになりそうです。

👉 在留資格と日本の試験が紐つくことの最大の問題は、試験に合格さえすれば日本語の学習は不要とされ、学習時間の確保や学習環境の提供、整備などが行われなくなることです。

👉 大学に進学する場合は能試とは別に86年スタートの日本留学試験を課す大学が多かった。

日本語の試験の「強さ」の指標

  1. 在留資格と関連づけられている。

:ほとんど唯一の指標になりそう。能試、基金の新試験に加えていくつかの試験が候補になっている。おそらく今後、ここに - ひっかからない試験はフェイドアウト?

  1. 大学、専門学校などが参考にする。

:日本留学試験など。大学は民間試験への依存を高めており、今後増える可能性がある。

  1. 企業が参考にする。

:能試が圧倒的。ビジネス日本語関係の試験が参考にされるのは試験を主催するスポンサー企業周辺のみ。ある意味試験を主催する団体の営業力次第だが、どれもパッとしない。

  1. 受験者数が多い。

:毎年の受験者数は、能試は数十万だが、その他の試験は多くて1万人程度。1強。

  1. 累積の受験者数が多い。

:これも能試の1強。その他の試験は数万人で学習者の国籍も限られており受験者のデータそのものが少ない。

2017年以降、技能実習生の日本語能力の認定は、能試のN4「程度」ということになり、他の試験も認められる方向性が出され、その他の試験も受験者数が伸びる可能性がある。しかし、作問や認定、カンニング防止(能試でも組織ぐるみのカンニング事件がたびたびおきている)などきちんとした体制があるのかは未知数。また、合格基準を調整するのは至難の技であり「あそこの試験は通りやすい」などと混乱することも予想される。

👉 逆にいうと、試験の質や信頼性よりも1)で国に認定さえされれば継続可能になることもあり、混乱が予想される。複数の試験がビザ延長の目安として認定されれば、当然取得しやすい試験に人気が集中する。出版社が主催の試験では自社で対策問題集や合格ノウハウでビジネスを展開するところも現れる可能性がある。開催会場の事情から受験者の母語が限定される試験も多く、受験者の傾向に合わせて難易度が調整されることになる場合、数言語の学習者が対象のものと、能試のように広く行われる試験では方向性が変わってくる可能性が高い、など内容に関する心配は多数ある。そしてもっとも懸念されるのは能試でさえ防げないというカンニング対策。

日本語学習者を対象にした試験は、1984年開始の公的な機関が主催する日本語能力試験がもっとも歴史も長く、受験者数も多いので、長く留学や就職の目安とされてきた。かつては1
4級、現在は、N1
N5の五段階で、最上級は大学受験で必要な常用漢字をマスターし高等学校に入る準備ができたとされる。日本語の能力でいうと「上級者になる準備ができた」レベル。真ん中のN3(かつての3級ぐらい)が、初級段階の理解度を問うものであった。

一般的に、大学で専門的な学問を学ぶためには、N1の合格が必要、専門学校でも最低N2の合格が必要と言われており、海外の就職でも日本語ができるという目安としてN2合格とする企業が多かった。

また、留学ビザの取得においては「ひらがなカタカナの読み書きと簡単な会話ができる」ことが必要とされ、N5がそれに相当するとされていたが、事実上チェックはなく、まったくの初心者でも留学資金があればビザの取得は可能だった。

→ BJTビジネス日本語能力検定試験は、1986年開始、かつてJETROが行っていたが、受験者数は少ないままで、一時は廃止も検討されていた。ビザ審査の参考とされたのは2008年。今は漢検(日本漢字検定能力協会)がやっている。その他の試験は、

👉 テキトーに試験を作って、知り合いの学校や関連団代に受験させる的な、資格ビジネス系の日本語試験が増えてきたので要注意。現状では、基本的には日本語能力試験しか無いと思います。⚡️ 「日本語関連の検定試験コレクション」

日本国内の労働力不足を補填するために、留学ルートで日本語学校に来た学生を労働力として活用することになっていたが、失踪など不祥事が増えた。技能実習生の枠も広がったがまだ足りず、新たな枠組みが必要となった。特定技能という枠組みが作られることになり、日本で就労するための新たな日本語能力の目安が必要となった。2015年以降、バタバタと労働力不足対策として進められて、留学ルートではなく、就労ルートを整備するという流れになった。

就労ルートの整備の議論のプロセスで、日本語能力試験は主に留学目的のためのもので、読み書き重視、しかも年に2回しか行われないこともあり対応できないということになり、2016年あたりまでは、能試を軸にそれに準じるテストも認定の参考にすることで対応する方向だったが、能試のN4やN3ではハードル設定が高すぎることもあり(おそらくは人手不足での調整弁として合格率を動かすことはできないという事情もあるのか)、2018年には、能試は留学、就労は別に作るという方向に傾いていった。

結果、2016年前後の「準能試的な試験」は、増えた、新たな試験関連の関連団体、ビジネス関係の試験が準備されてきたが、これらがここ数年でどうなるのかは未知数。

同時に、2019年に法務省から留学ルートの新たな管理策として、試験の合格率で日本語教育機関の許認可をするということが提案された。最初は能試が基準であったため、日本語学校関係者から能力試験は読み書きに偏ったものであり、日本語能力の判定には使えないという声が高まった。(日本語学校業界からは他の質的保証の代替案は「第三者機関による審査」や「ISO規格」などで、きちんとしたものは示されなかった。)

これらの流れをふまえ、能試ではなく、人手不足の調整弁として「便利な」試験を作ったのは、官邸に近かった国際交流基金の特定技能向けの国際交流基金日本語基礎テストだった。2017年以降(?)バタバタと密かに準備されていた模様で、2019年には実施された。2019年には、法務省は、CEFRのAという基準を突然提案するなど、能試離れが加速した。

👉 技能実習生のビザと能試の関係は、EPAの取り決めであるN4が来日のハードル、来日後一定期間でN3をクリアし、その後は実質的にN2~N1レベル(介護や看護の資格取得)に達しなければ帰国となるという枠組みが下敷きになっていると思われる。

👉 同時期に、日本語学校問題が取り沙汰され、就労の試験が整備される中、留学ビザも再検討されることになった。2017年以降、東南アジアにおいて領事館などでチェックをすることになり、N5での留学というハードルは従来よりは重視されることになった。

2018年の最初の頃は、技能実習生は介護だけ能試準拠で実習生制度内で拡大するかも、特定技能も似たようなものかも、留学は試験で足切りまではやらないだろう、というムードがありましたが、2018年の特定技能の日本語能力をどうするかという議論の中で「なんかもうCEFRで全部やっちゃおう」という空気が突然支配的となり、まず特定技能がCEFR準拠をうたう基金の新試験で対応することになり、続いて留学も法務省がバタバタをパブコメでCEFR準拠はどうか?と出して了承されたことにして告示に即入れて、CEFR準拠で足切りをやるということになりました。

もしかすると以下で書いた2017年に方向性が決まったかに思えた技能実習生の日本語能力も特定技能の試験でカバーされることになる可能性も出てきた。

2019年秋の段階では「日本に来るなら就労も留学もCEFRのA2は必要。その後は就労系は介護はともかくその他は曖昧。留学系は来日後、もう一度足切りをする予定」ということになっています。

👉 今の政権は、自らが作った特定技能推しで、技能実習生制度は縮小になっていく可能性もあります。そうなると技能自習生制度の20万人、特定技能で確保予定という30万人超で合計50万人(おそらく国内の日本語の学習が必要な人の6割強)が基金のテストを受けることになります。能試は進学とホワイトカラー向けということになる?

試験での選抜は介護のみ。その他は従来どおり。

介護の技能実習生への試験(案)

2017年9月に、主に介護の技能実習生を対象に、来日要件はN4程度、来日して1年以内にN3合格程度にならなければビザ延長なしということになった。能試「相当」の試験として年6回実施されるJ-TEST、NATーTESTが追加された。

外国人技能実習制度への介護職種の追加について
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147660.html

その後の議論を経て、留学を含む日本語教育機関に関しても、ビザと能試「相当」の目安が決められた。

日本語教育機関の入学をお考えの皆様へ 法務省
http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri07_00159.html

「お考えの皆様へ」にしては、かなり難しい日本語で書いてあるこの文書で、介護職の目安に加わったJ-TEST、NATーTESTに加えて新たに複数の試験が目安として採用された。今後、あらゆる「相当」の基準になっていくと予想される。以下、日本語能力に関する部分を全文引用します。

本邦における勉学の意思及び能力を測る指標の一つとして,日本語教育機関へ入学する者に対しては公益財団法人日本国際教育支援協会及び国際交流基金が実施する日本語能力試験(JLPT)N5相当以上の日本語能力を有することを試験又は日本語履修歴により確認しています。日本語能力試験以外の日本語能力に係る試験において,日本語能力試験N5相当以上と取り扱う場合の目安は次のとおりです。
  1. 公益財団法人日本漢字能力検定協会が実施するBJTビジネス日本語能力テス ト・JLRT聴読解テスト(筆記テスト)において300点以上取得してい ること。
  2. 日本語検定協会・J.TEST事務局が実施するJ.TEST実用日本語検定 のF級以上の認定を受け又はEFレベル試験において250点以上取得してい ること。
  3. 専門教育出版が実施する日本語NAT-TESTの5級(旧4級)以上の認定 を受けていること。
  4. 一般社団法人応用日本語教育協会が実施する標準ビジネス日本語テストにおいて35 0点以上取得していること。
  5. TOPJ実用日本語運用能力試験実施委員会が実施するTOPJ実用日本語運 用能力試験の初級A以上の認定を受けていること。
  6. 公益財団法人国際人財開発機構が実施するJ-cert生活・職能日本語検定 の準中級以上の認定を受けていること。
  7. 一般社団法人外国人日本語能力検定機構が実施するJLCT外国人日本語能力検定のJCT5以上の認定を受けていること。
  8. 株式会社サーティファイが実施する実践日本語コミュニケーション検定・ブリッジ(PJC Bridge)のC-以上の認定を受けていること。

試験主催の出版社などが、これらの試験の作問要員として、2016年頃に、すでに年収400万くらいで契約社員の求人なども出しています。各社、試験対策問題集などを出しており、この新たな「業界」は活況を呈しているようです。

👉 それぞれの試験で、日本語能力試験のN5とN4、N3に対応するものがあるはずなので、今後はそれが「相当」として認められることになる可能性が高いと思われます。

2018年末に突然国際交流基金の国際交流基金日本語基礎テストでやることになり実施された。今後30万人超、おそらく留学、就労を合わせた数でも最も多数を占める可能性になりそうな在留資格の日本語能力の指標となり、技能実習生などにも拡大する可能性がある。

国際交流基金の新試験

2019年に政権に近かった国際交流基金が特定技能の特定技能の在留資格の日本語要件として 国際交流基金日本語基礎テストを作成し、実施した。この試験の概要などは論文などもなく、日本語教育関係者には公開されていないままのスタートだった。国際交流基金は、同年に試験の作成や指導に関して求人を出しており、かなり急いで進めたのではないかと思われる。

詳しくは国際交流基金日本語基礎テストを。

従来は入学時はN5相当が「目安」で、その後は何もなかったが、入学時の足切りを採用、卒業時はN2程度が望ましいという方針が示され、それに伴って試験の結果により告示校から外されるということになった。

文化庁の調査結果

2019年にこれも突然でた文書。2017年の介護の技能実習生への試験(案)からさらに発展したものと考えられる。おそらく今後の国の政策への影響は大きい。作成者は

  • 東京外国語大学 教授 伊東 祐郎氏
  • 国際交流基金 研究員 大隅 敦子氏
  • 日本国際教育支援協会 日本語試験センター
  • 試験開発グループリーダー併任作題主幹 川端 一博氏
  • 日本大学 教授 島田 めぐみ氏
  • 東京外国語大学 教授 根岸 雅史氏

能試周辺と基金の人が入っている。受験者数などネット上でも開示されていない数字があり、情報開示に関して国からのかなりの圧力があったのではと思わせる調査の文書。おそらく日本語の認定に絡みたいなら基本的なデータを出せと迫られたのでは?つまり、今後、日本語の試験に関して国の方針を決める際の基礎資料となりそう。

日本語の能力評価の仕組みについて~ 報告書 文化庁
http://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/nihongokyoiku_sogo/pdf/r1393077_01.pdf 

👉 念のため保存したもの

ここで扱われている日本語関連の試験(とすでに特定技能で実施されている基金の試験)が国の日本語能力判定の試験の実質的なエントリーとなり、ここから選ばれる可能性が高い。項目がある試験は以下のとおり。

国内で実施される試験

  • 日本語能力試験
  • BJT ビジネス日本語能力テスト
  • 日本留学試験(EUJ)
  • J.TEST 実用日本検定
  • 日本語NAT-TEST
  • J-Cert 生活・職能日本語検定
  • 標準ビジネス日本語テスト STBJ
  • JLCT(外国人日本語能力検定)
  • JPT日本語能力試験
  • 実用日本語運用能力試験 TOP.J
  • 実践日本語コミュニケーション検定(PJC)/ 実践日本語コミュニケーション検定・ブリッジ(PJC&Bridge)
  • J-CAT 日本語テスト
  • とよた日本語能力判定
  • 口頭ビジネス日本語試験 ONit
  • ACTFL-OPI
  • アルクの電話による日本語会話テスト JSST

国外

  • 日本語能力試験
  • BJT ビジネス日本語能力テスト
  • J.TEST 実用日本語検定
  • 日本語 NAT-TEST
  • J-CAT 日本語テスト(並びにTTBJ)
  • とよた日本語能力判定
  • アルクの電話による日本語会話テスト JSST

このエントリーも調査も知らない間に行われ、かなり?な試験もエントリーしている。今後、どういう試験が認定の基準として選ばれるか、どういう選定基準があるのか、情報開示と決定のプロセスの透明化が求められる。

👉 複数の試験が選ばれる場合、認定基準を均す必要があるので、そのガイドラインも作られるはず。またカンニング対策など試験の実施に関して十分な資金力があるか、出版社系などは認定されるかどうかは死活問題だが同時に大きなビジネスチャンスでもあるので、これら試験の選択の公平性を保つためには、例えば日本語教育学会などが責任を持つような形の第三者機関による厳しい監視が必要。

👉 この文書にはない国際交流基金日本語基礎テストは、この種の調査も免除される形でいち早く採用&実施されており、特定技能関連を決めた官邸周辺からは例外的な特別扱いを受けている。国の「特定技能は別枠(日本語能力を足かせにしたくない)」という考えの現れとも言える。水面下で基金がそれに応じて急遽作成したのがこのテストである、という可能性が高い。

👉 今後、日本語の試験の主催者が政治家に献金したり、みたいなことが出てくるかもしれません。そこまで取材するメディアがあるかどうかは?

入管の以下のページで公表され、時々更新される。 日本語教育機関の告示基準に基づく各種報告について | 出入国在留管理庁
https://www.moj.go.jp/isa/publications/materials/nyuukokukanri07_00218.html

👉 下のほうにある「〇 日本語能力に関しCEFRのA2相当以上のレベルであることを証明するための試験のリスト 」

CEFRで行くという理由も特に示されず、CEFR準拠であるかどうかのガイドラインもなく、審査のプロセスもブラックボックス。そもそも日本語教育の世界でCEFRとは何かという定まった解釈もない(英語教育の世界では侃々諤々の議論が長く続いているんですが)まま、形式的にCEFRに対応していて、あとは安定して運営できる体力があれば通るということになっていると思います。おそらく試験の度にチェックがあり、組織的な大規模カンニングなど大きなトラブルが明るみに出たら一発レッドカード。運営コストは膨大なものになるけど受験料はあまり上げられない(自己負担も無理なので法人負担が可能な額の範囲になるはず)、競争なのでシェアを延ばすためにセミナーやら説明会やらも大変。つまり、試験そのものでは利益は出ないと思われます。シェアが伸びず、民間の試験は対策問題集やセミナーなどでも補填できなければ撤退となる可能性も高いのでは。

しかし、ここを目指さないと日本語の試験としては生き残れないので、内々に出たガイドライン(受験料とか試験管理、カンニング対策などいろいろ)を満たすために上の文化庁リストにあるところが必死でやっているんじゃないかと思います。数年もすれば10くらいの試験が認定され、残りは何か生き残る道を探すか消えるかになりそうです(ただし世界的には日本語学習者減少の中、ビジネス日本語、実用日本語と個性を出しても能試に負け続けた歴史があり、例えば「A2後」で勝負するのも茨の道かもしれません)。

法務省にCEFRと日本語能力のことを知ってる人がいるとは考えにくいので、官邸周辺に「もう日本語もCEFRなんだ、日本語はすべてこれで行くんだ」というチームがあって、そこが特定技能も留学もコントロールしていて、ガイドラインを出したり認可したりをすべてやっているんじゃないかという気がします。国際交流基金日本語基礎テストをはじめ、いろんなところが「うちは最初からCEFR志向だった」みたいなことを突然語り出すようになっているのは面白い現象です1)

将来、仮に移民問題が本格的な政治課題となり政権が変わり、日本語能力の問題がクローズアップされることになったら「なぜあの時CEFR準拠にしたのか?」は誰も説明できないということになりそうです。

CBT

現在、基金の試験はCBTだが、方式や実施した検証などの報告はない。以下は大学入試センターのもの。

https://webjapanese.com/dokuhon/files/CBT1.png

https://webjapanese.com/dokuhon/files/CBT2.png

CBT報告書|大学入試センター
https://www.dnc.ac.jp/research/cbt/cbt_houkoku.html

日本語教育関係者の間では、日本語能力試験日本留学試験以外は、模擬試験的なものとして知られているものがいくつかあるくらいだったが、2015年以降、在留資格の日本語要件の目安として能試以外も認定される試験が出てきたことで、模擬試験から脱してと色めき立っているというのが、日本語関連試験の状況。

出版社系の試験は対策問題集などとセットで、日本語学校系は受験者数で勝負、社団法人、財団法人など資格試験系は政治力で勝負というところ?

以下、個別のページに飛びます。おそらく今後、日本語に関する試験は乱立し混乱することが予想されるので、このWikiでは、主なものだけを扱います。

  1. 日本語能力試験:1984年スタート。受験者数と認知度は圧倒的。受験者も世界中に分布しており、平均的な日本語学習者のデータが集まる試験。ただし、2010年に大幅な改訂があり、4つの級から5つになった。主催は国際交流基金と日本国際教育支援協会
  2. 日本留学試験:2002年に私費外国人留学生統一試験から移行。主催は文科省系の関連団体の日本学生支援機構。ほとんどの大学で入学試験の参考とされる。
  3. bjtビジネス日本語能力テスト :1986年開始(含むJLRT聴読解テスト)。長年ビジネス日本語の試験として続いているが、受験者数は少なく、関連の企業では参考にされると言われているものの、「ビジネス日本語」というコンセプトもしっかりとした説明がないまま。

能試の模擬試験的な存在として知られていた試験(2015年以降、ビザ認定の目安となる可能性が出てきたのでアピール中?)

官製の新試験

  • 国際交流基金日本語基礎テスト:特定技能の日本語の能力をはかるために、2019年に突如として作られたテスト、アジアの特定技能の対象国のみ。主催は国際交流基金。

以下は、ページは作らず概要だけ紹介します。リンクはそれぞれの試験のサイト。

👉 ほとんどの場合、能試準拠のテストで、かつては能試の模擬試験的な存在だったものが、2015年以降、ビザの認定の目安となるために実施回数を増やし、いろんな人脈で補強し(おそらくは政官に働きかけて)アピール中、というものが多いという印象。いつ始まって、過去に何人、どういう属性の受験者数がいて、試験の作問に関するデータ(作成者、プロセス)などが公開されていないのが特徴。開催国が限定されているケースが多く、作問などはそのへんの影響を受けているのかはわからない。受験する価値があるかは未知数だが、在留資格と結びつけば、受験者数が増える可能性はある。

    • :ビジネスよりで、CEFRをベースに能試にも準拠、などと書いてある。中国ベトナムスリランカ、日本で実施されているとのこと。日振協周辺の日本語学校関係者が主催法人の関係者となっている。しかし過去の受験者数などのデータや作問などの論文は見当たらない。
    • :2009年スタート?中国語検定などをやっている財団法人主催。「日本語教育分野で活躍している専門家と教授が開発したテスト」とあるが名前も関連論文も見当たらない。受験者関連のデータもない。
    • :生活職能がテーマとのこと。公益財団法人が主催だが、受験者や作問に関するデータはない。
    • :能試準拠の試験。漢字の検定などをやっていた社団法人による試験。受験者数などデータは見たらない。法務省入管認証とデカデカと書いてあるのは、技能実習生の介護で認定の目安となったという意味(現在流動的)?日本語教育関係者の名前は見当たらない。
    • :2013年スタート。資格試験を手広くやっている民間会社が主催。受験者数などデータはわからない。活動実態がよくわからない(2019年5月の時点で故人が代表のまま)外国人雇用協議会というところが関係している?

- JPT日本語能力試験 韓国の民間企業が行う試験。韓国国内で広く活用され、ベトナムなど海外でも行われている。
http://exam.ybmnet.co.kr/jpt/japan/

筑波日本語テスト集
オンラインのテスト
https://ttbj.cegloc.tsukuba.ac.jp/

技能実習制度などで独自に利用される試験などもあります。その他わかる範囲です。

特に規定はないが、一般にN3もしくは小学生低学年程度の読み書き能力と、もうちょっと高度な話す聞く能力が必要と言われている。面接や申請の手続きの中で確認されるが「要確認」となった場合にテスト的なものが出される「ことがある」とのこと。searchが、総合すると、大きなハードルというわけではなく、読み書きの確認テストのために、小学校低学年(日本語教育の知識があるとは思えないので)の漢字と名前を書いたりはクリアしておいたほうがいい、というところのようです。

豪州中国韓国、その他、公的なもの民間のもの、無数にあると思いますが、目にとまったものだけ。

主に国内で実施されるものとしては、読売新聞社が主催の日本語検定があり、次いで朝日新聞社の語彙・読解力検定がある。いずれも中高生を中心に受験の代替としても利用されていてシェアを伸ばしている。

その他、かなりの数があるが、一般的に知られていて、就職時や進学時に参考とされるものは、ほぼ上の2つだけと言ってもいい。あとは特定の職種で採用されるものはあるものの、玉石混淆(単なる資格ビジネス的なものがほとんど)なので、日本語教育にも関係がありそうなものがあれば今後、ピックアップします。

⚡️ 「日本語関連の検定試験コレクション」 https://twitter.com/i/moments/812056837382017024 

* 関連研究・論文 [#g63d130a]




主に国内で実施されるものとしては、読売新聞社が主催の日本語検定があり、次いで朝日新聞社の語彙・読解力検定がある。いずれも中高生を中心に受験の代替としても利用されていてシェアを伸ばしている。

その他、かなりの数があるが、一般的に知られていて、就職時や進学時に参考とされるものは、ほぼ上の2つだけと言ってもいい。あとは特定の職種で採用されるものはあるものの、玉石混淆(単なる資格ビジネス的なものがほとんど)なので、日本語教育にも関係がありそうなものがあれば今後、ピックアップします。

⚡️ 「日本語関連の検定試験コレクション」
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研究

👉 ウォッシュバック(効果)とは、試験が語学の学習に影響を与えるという考え方。

これからの英語教育の話を続けよう|第15回 「入試が変わらないから英語教育に成果が出ない」に根拠はない:政策効果の観点から見た「外部試験」論議

てっ取り早く日本語力をテストするなら百羅漢が良さげ


1)
日本語能力試験も2010年の改定で無理矢理JFスタンダードに寄せてきてましたが、Can-doリストまで作っていて、合格者にアンケートをした結果を根拠にしたのか、「話せる」とか「書ける」ということにもなっています。」
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  • 最終更新: 2023/02/01 20:45
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