発信者情報開示請求

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発信者情報開示請求

ネットの中傷被害は昔からありましたが、2017年ごろから個人の訴訟も増えているようです。現在のところ、個人の中傷被害では警察へ被害届を出して受理され捜査となる可能性は大きくはありませんが、通信会社や関連の会社への発信者情報開示請求は受理されることが増えています。この開示請求は中傷が書き込まれた場所(掲示板の運営者とかブログの提供会社とかヤフーだとかです)に対して行います。個人でも可能ですし、弁護士に相談して一緒に作成して提出すれば受理される可能性は高まります。また訴訟をして裁判所が開示が妥当であると判断が出ればほぼ100%開示されますので開示請求の度に訴訟を起こすほうが確実だと言われています。

つまり今は、中傷被害は弁護士に相談して訴訟で解決する問題となりつつあります。情報開示請求も通ることが多くなり、主に都会の弁護士事務所では、積極的に扱おうというムードがあるようです。

👉 「ネットのトラブル解決します」という民間の業者もネットで検索するとたくさん出てきます。しかし、その種の業者は法的な解決ではなく探偵事務所的なものにすぎません。あなたへの中傷を請け負ったところである可能性もあります。警察か弁護士に相談する方法をお勧めします。

中傷被害を受けて、やりたいことは、まず該当の記事の削除がひとつ。もうひとつは犯人を特定して謝罪を要求したり損害賠償をすることだと思います。最初に間違ってはいけないことは、相談は弁護士など法律に基づいた解決でやることです。ネットには中傷被害を解決するという民間の会社もあります。そこには相談しない。ネットで検索すると被害者に同情しつつ解決します!というようなサイトがたくさん出てきます。安易な解決ではなく、まず関連の法律を知り、判例を知り、どんなケースがあるのかを調べる。法律にのっとってやるべきです。

弁護士ドットコムのネット 誹謗中傷の検索結果

まず、中傷の書き込みの日付を確認し、新しいもの(名誉毀損の時効は3年くらいと言われていますし、法律によるネット中傷の犯人特定は書き込みから三ヶ月くらいが勝負です)であれば、動く価値があります。

まずは相談し、相談した記録を残しましょう。 サイバー警察というのがあります。ここにメール。 https://www.npa.go.jp/cyber/soudan.htm おそらく地元の警察に相談しろと言われます(ここは相談したという記録を残してもらうためにやる)。で、最寄りの警察に相談に行くことをおすすめします。警察で被害届を出して受理されるところまではいかないかもしれませんが、相談があったという記録は残ります。

法務省の人権相談窓口にもフォームがあります。これも送ってみましょう。アドバイス程度の返事しか返ってこなくても、記録として。 http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken88.html

http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken113.html

このサイトに関連の法律と請求のフォームのPDFがあります。ここの書式を使って個人で請求できます。請求フォームはどのケースでも使えるものなので、相手に問い合わせて案内される書式でも大丈夫です。

プロバイダ責任制限法関連情報Webサイト http://www.isplaw.jp/

削除依頼は比較的簡単です。それが妥当な依頼であるなら個人でもきちんとやれば対応してくれます。まずはネット上のフォームや掲示板の主催者の連絡先などにコンタクトします。

ネット上に連絡先がないとか対応してくれない、という場合は「送信防止措置依頼書」を送ることになります。こちらはプロバイダ責任制限法によって対応しないといけなくなるので、なんらかの回答を文書で得られることになるはずです。

ただし、プロバイダには表現の自由を守るという立場もあり、プロバイダ責任制限法は、微妙なバランスの元にある法律です。これで削除されなければ、情報開示請求も通らない可能性が高いです。

👉 送信防止措置依頼書は、次の発信者情報開示請求書と一緒に送ることが多いですが、とりあえず削除依頼だけでいいなら、依頼書だけでも大丈夫です。

プロバイダ責任制限法関連情報Webサイトによる発信者情報開示請求のフォームです。 http://www.isplaw.jp/d_form.pdf

「三ヶ月が勝負」

  1. まず書き込みをされた場所の提供者への請求をする。
  2. ほとんどの場合、実名や住所はわからないままで、IPアドレスと書き込みの日時が開示される
  3. 開示されたIPアドレスから利用したプロバイダ、携帯の通信会社がわかる。
  4. プロバイダや通信会社に開示請求をする。
  5. 受理されれば名前や住所などが開示される。
  6. 損害賠償請求をする。

この4のプロバイダ、通信会社の実名、住所の開示が大きなハードルとなります。通信会社も個人情報保護の立場から相応の理由がなければ開示できないからです。昔は警察から捜査依頼があるとか裁判所からの開示請求がないと出さないと言われていましたが、今は、法務部が妥当だと判断すれば開示する方向になってきています。

被害を受けた箇所をプリントアウトして開示請求や削除請求に同梱します。(A4のファイルで資料ファイルを作ります)。プリントアウトはブラウザーのURLを入れて印刷します。書き込みがあった日時、URLなどわかるかぎりの情報を記録しておいてください。犯人によって削除される可能性もありますので、その場合は一時的に魚拓で保存しておくという方法もあります。(ただし後で削除できなくなるリスクもあります)。作った冊子はその後の請求でも必要になる可能性があるのでマスターを作って、提出の再にコピーを作って提出することにしたほうがいいです。

プロバイダや通信会社はIPアドレスと日時がわかれば、契約者を特定できるが、データは三ヶ月で廃棄してもいいことになっているので、中傷被害を受けた日数から4)までを三ヶ月以内にやらないといけない。弁護士と共にやるなら中傷が書き込まれた日付から一ヶ月以内にコンタクトしないと厳しいです。時間がなければ、自分で上からフォームをダウンロードして送ったほうがいいと思います。

IPアドレスでプロバイダを突き止めるのはネットにあるIPアドレス検索ですぐにわかります。

プロバイダや通信会社が開示すれば、名前と住所が特定できますので、名誉毀損や損害賠償請求になります。開示されたということは、勝てる可能性がかなり高いということなので、訴訟になると思います。

👉 希に、個人を特定でできない場合があります。ネットカフェは会員制など今はかなり個人の特定ができるようになっていて、裁判となると提出には応じるはずですが、特殊なスマホや、減ってはいますが、簡易ネット接続端末などからの書き込みの場合です。その場合も、そのネット端末がおいてあるところには監視カメラがありますので、その記録の開示を求めることができます。まずはその端末を置いている会社に連絡をし、設置しているところを管理している会社に開示の請求書を送ります。プロバイダや通信会社からの開示請求が通っているので、個人でもきちんと請求すれば、回答は来ます。後は、設置した会社と、その建物がある地域の警察にその回答を持って、報告することができます。被害届が受理されるかどうかはケースバイケースですが、捜査資料として記録はされますので、将来、別件で何かあった場合、犯人を追い詰めるひとつの材料にはなるはずです。

上記の順番は、すべて個人でもできます。その場合は書類代だけです。請求はフォームを埋めることも重要です。どう書けばいいかも、ネットを検索すればだいたい検討がつきます。「困った」「不快だった」と書くだけでなく、感情的にならず「こういうことが起きて、こういう被害を受けた、そしれこれはこういう法律に違反している」と淡々と書いて、証拠になるものでファイルを作り、一緒に送って、きちんと証明することが重要です。

中傷被害が明らかで、証拠もきちんと揃っているなら、個人でやっても削除の対応はほぼしてくれます。開示請求も応じてくれる可能性はあります。

個人でやる場合、最後まで、開示されてからどうするか、という問題があります。その先も内容証明を送り損害賠償請求を個人でやることも可能ですが、文面によってはややこしいことになる可能性があるので、ここで弁護士に相談して方向性を決めるのがよいと思います。ここまで来れば損害賠償請求は勝てる可能性が高いので、着手金を払い、成功報酬を払っても赤字にはならないはずです。

弁護士に依頼する場合、相場はいろいろです。相談だけなら、どこも30分5000円くらいでやってくれます。法テラスなら無料ですが、収入制限(収入が高い人は法テラス利用はできない)がありますし、ネット関連の専門家は、大都市でもいないことがほとんどだそうです。

弁護士に依頼する場合支払うお金は、着手金と成功報酬があります。情報開示請求の場合、だいたいの相場が、着手金が10万くらいで成功報酬が10~15万くらいです。開示の順番だと、最初の開示請求(開示されたら成功報酬が発生)、二度目の開示請求(開示されたら成功報酬が発生)、損害賠償請求(請求が通ったら成功報酬が発生)の3回をすべて訴訟を起こしてやると、その都度の着手金と成功報酬で50~100万ということになります。

毎回訴訟をおこすほうが確実ですが、普通に請求すれば開示されるだろうという案件であれば、最初の請求は書類作成だけでいくこともあるそうです。弁護に作って貰った方が開示される確率が高いとは言えると思いますし、訴訟を起こしてやるほうが(そして訴訟を起こす価値があるかの判断も弁護士に相談してからやったほうが)確実であるとは言えると思います。

しかし、損害賠償請求で得られる金額は、今のところ、10~50万くらいと言われています。よほどのことがないかぎり50万を超えることはないそうです。中傷被害は、それによって法人が損失を被ったなど、具体的な損害が証明されないかぎり、赤字になるのが実態のようです。それでも個人を特定でき裁判まで持って行ければ、その後の安心は(逆恨みをされる可能性は0ではないですが)得られるというメリットはあります。もちろん、被害が他に人に及ぶ可能性は低くなりますし社会的な意義は大きいものだと思います。

今は個人で開示請求をするケースが増えており、ネット被害専門の弁護士や相談窓口は増えています。中には?なところもあるようですので、ネットが得意だという弁護士への相談を(30分5000円くらいです)何度かやって、信頼できるという人にお願いするという手順をふんだほうがいいと思います。

ネット中傷とその対策について|片瀬久美子|note

https://note.com/katasekumiko/n/nf2cae4fc223d 

きょうからネット中傷の犯人特定が迅速に 発信者情報の開示手続、留意点は?(前田恒彦) - 個人 - Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/byline/maedatsunehiko/20221001-00317229




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  • 最終更新: 2022/10/06 22:45
  • by webjapanese