肖像権

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肖像権

イベントの写真や映像などを公開する際に考えるべきことです。ここは同意書や承諾書ととったからOKということではないことに注意です。日本語学習機関において、学校や教師は学習者の出席や成績管理をしている立場であり、その意志がなくても同意や承諾に強制力が働く可能性があります。NOとは言いにくい立場で交わされた文書は無効になることがあります。妥当なものであるかの検討が必要ですし、同意書にサインをもらうことになっても十分な説明が必要です。

学校の写真などはFacebookなどで公開されていますが、教師や理事長の顔はないのに学生の顔が出ていることがよくあります。文書での了解はとってあるのか?あまり期待できません。本人が長い期間、自分のFacebookやインスタグラムなどで自分の顔を公開していて、公開するリスクを理解していて、文書で公開してもよいというサインがあれえばOKかなと思います。ただし、若い頃の判断であり、一度はOKを出しても後でやはりイヤだと言われることがあります。基本的には顔は映らないようにするのが無難です。ボンヤリと、本人以外が特定できないレベルならセーフかもしれません。いずれにしても許可なく顔をネットで出すということは将来にわたってかなり大きなリスクを負うことを自覚すべきです。

日本語学校の場合、教師は成績をつけ、学校は生徒をかなり強く管理している状況なので。快くOKと言ってくれても文書で「この写真をここに掲載することを許可します」ときちんと書いて、日付とサインをとることでもないかぎり難しいです。口頭だと、後で「やっぱりイヤだった」「NOと言えない状況だった」と言われたら厳しいからです。

職員や教師は?

学校職員や専任講師の名前や写真をサイトに掲載するケースは双方の了解があれば、問題ないとは思います。しかし掲載を強要することは微妙です。逆に法人の責任者の名前などは公開すべき種類のものだと思います。

人以外の問題

また、街並みを写して公開するのはどこまで大丈夫か?は、かなり難しい問題です。しかし原則として、公道上にあるものは、肖像権は主張しにくいと言われています。ただし、この場合も個人の家や、個人が特定できる形で映っている場合は問題になるかもしれません。

もちろん、明らかに第三者に迷惑がかかる可能性が高いものは問題ですが、基本「当事者に訴えられたら裁判でどうなるかわからない」ということなので、肖像権に違反しているしていないではなく、結局、公開する人がどこまでリスクを負うかという側面が強いです。画像や動画の公開では、電話番号(看板のものは個々の判断)や個人の住所がわかるもの、検索すれば個人までいきつくもの(車のナンバーなどもグレーです)には注意したほうがいいと思います。

商標が映っている場合

商品やロゴが写ってる場合、風景の一部としてあるならセーフという話もありますが、キャプションによっては問題になったりするそうです。教材などの写真で明らかに特定できる商品の写真を使うのはリスキーだと思います。ただこれも総合判断です。問題になる可能性があるということだけは意識しておいたほうがいいと思います。

同意書

以上のことをふまえた上でそれでも掲載したい場合は今は企業のサイトでも学校でも、本人か保護者に同意書にサインをしてからということになっています。一度とればOKではなく、掲載のたびに「何についての同意か」を書いてサインをもらう必要があります。

イベントのライブ配信なども事前の説明と承諾書へのサインが必要です。テレビ局やネット系企業などの承諾書のひな形はネット上にいろいろありますから、一枚作っておいて、イベント時に配布するか事前にPDFでダウンロートしてきたもらい、サインを貰うだけです。

あの有名人は昔うちで勉強していた、私が教えていた、ということを書くことは当然本人の許諾が必要になる部類のことだと思います。また現役で通っていたり、勤務している場合はたとえ本人の許諾があっても公開するのはリスクが伴います(例えば将来ストーキング行為の被害を受けるようになった場合など)。これらのことは文書で了解をとることは通常難しいでしょうから、やはり避けたほうが無難だと思います。

履歴書など、個人情報が含まれる文書は、雇用関係が終われば廃棄もしくは返却すべきものだと思います。面接などで不採用ならば今は、返却するところがほとんどです。

教師不足もあり、連絡先としてキープしておきたい時は、本人の了承が必要になるはずです。また教師も個人情報が気になるなら返却や廃棄を要求したほうがよいと思います。2019年の時点では返却、廃棄は法的な拘束力はありませんので(ただし個人情報が漏れた場合は管理責任は問われると思います)

在籍していた時の情報などをネットに書き込んだりするのはNGです。「**さんはいい教師だった」ということでもです。在籍していた事実と評価は語らないというのは、これまでも企業が守るモラルとして存在していましたがネットでは特に注意が必要だと思います。

SKE松村さん「履歴書」暴露騒動に学ぶ「採用情報」の扱い方…個人情報保護法と職安法 - 弁護士ドットコム
https://www.bengo4.com/internet/n_9315/

👉 時々ネットで学習者の答案を公開しているのを見ます。当然掲載の許可は取ってると思いますが、許可とってることは書いたほうがいいのではと思います。ただ、この種のものは、基本的に教師>生徒の立場での許可は疑問だと思います。教師は成績をつけたりする立場なわけなので同意に強制があったとみなされる可能性はあります。いろいろ基準は難しいですが、答案の公開は原則やめたほうがいいのではと思います。匿名であっても、個人が特定されなくても「おかしな間違い」として勝手にアップする人のコンテンツにするのは常識的に問題があります。そういうものはネット、SNSで「おもしろ解答」とか「がんばった作文や文字」としてウケますが、やめるべきですし、学校は、きちんとガイドラインを作って禁止すべきだと思います。

ネットに関するルール、ガイドラインがない学校はまだあるかもしれません。

学校側が、ガイドラインを作るなら

  • 事前の許可なく学内、校舎の撮影などは禁止。
  • 学生、学校、学校で使う配布物など学校に所属するものを撮影してネット上で公開するのは禁止。
  • 学生、職員の肖像権を侵す可能性があるもの、個人情報が漏れるリスクがあることをネット上に書くことは禁止。

がベースになるでしょうか。ただし個人としてネットで発言する自由まで規制することはできないので、例えば、学校の名前をネットに出すなとか、経営方針についてつぶやくな、みたいなことは、基本守秘義務の範囲でしかできないと考えておくべきです。




研究

デジタルアーカイブにおける『肖像権ガイドライン』の試み | 日本組織内弁護士協会|JILA
https://jila.jp/2022/03/2474/

自然言語系AIサービスと著作権侵害 | STORIA法律事務所
https://storialaw.jp/blog/8267

文化財と著作権 - 全国遺跡報告総覧
https://sitereports.nabunken.go.jp/ja/115734

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  • 最終更新: 2022/10/20 19:47
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