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移民として暮らすパリ 02 パリオリンピック開催時期の私

4月に桜と共に新学年が始まる日本と違い、フランスの学年は9月始まりである。この部分を書いているのは9月2日。7月の2週目からの長いバカンスが終わり、幼稚園、小学校、中学校、高校は今日から新学年が始まる。日本だと校庭や講堂に生徒が整列して校長先生の話を聞く始業式の日だと思うが、フランスの学校には始まりや終わりをマークする式典はない。 私には今日から小学校2年の孫と、幼稚園の年長組の孫がいるが、幼稚園や小学校の入学式や卒業式などもなかった。新しい学校、友達、先生に初めて出会う日が本人や親にとって特別な日であることはどこの国でも同じだと思うが、特別行事として式典を行うかどうかというのは国によって違うようだ。 日本のように入学式や卒業式などがあると、子供にはどんな服を着せようか、自分は何を着て行こうかと考えて親の準備が大変だ。しかし、そのおかげで、着飾った親子が校門で撮った笑顔の写真が一生の思い出になるだろう。日本では始業式の日は授業はないと思うが、式典のないフランスでは初日から通常授業だ。新生活の始まりを味わう余裕がないまま、学業がいつの間にかスタートしてしまう、という感じだ。

👉 フランスのリュックサック

今回は、パリオリンピック開催時期前後の話であるが、オリンピックそのものについて何か語るわけではなく、あくまでもその時期の私の話である。

今年はオリンピック開催のためパリ市内の色々なところが通行止めになるということが、5、6月ごろから話題に上っていた。場所によっては、住人でもQRコードを前もって取得しておかないと、自分の住まい周辺も自由に動き回れない、ということだった。そして、そんな話をする人は、オリンピック関係者や観光客で溢れてうるさく、おまけに規制されて自由のないパリなんか抜け出し、静かなところに避難するしかないねと、皆、口を揃えて言っていた。 例年なら、