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リレー連載 中国語話者のための日本語教育 08 コロケーション習得の話

 皆さん、こんにちは。日本語教師の劉瑞利です。専門は日本語教育、第二言語習得です。特に中国語を母語とする日本語学習者の語彙習得に関心を持って研究しています。現在、中国の中山大学で日本語を教えています。  今日は、言語学習において非常に興味深いトピックであるコロケーション(collocation)について話したいと思います。コロケーションとは、特定の単語が自然によく一緒に使われるパターンのことです。例えば、日常的によく使われる「お茶を入れる」という表現はコロケーションの典型的な例の一つです。日本語ではこのような表現を「連語」と呼ぶこともありますが、最近は「コロケーション」と呼ぶ学者が増えています。  中国語母語話者の日本語使用に、「*ビタミンを食べる」という表現を見かけることがありますが、これは、実は中国語のコロケーション、“吃维生素”をそのまま日本語に訳したものです。言いたいことは分かりますが、日本人ならそうは言わないため、不自然に感じられます。このような表現がなぜ生じるのでしょうか、そしてどうすれば克服できるのでしょうか。今回は、コロケーションの習得が難しい理由と、それを効果的に学ぶ方法について考えてみたいと思います。

  • 書いた人:劉 瑞利中国語話者のための日本語教育研究会
  • 中山大学外国語学院日本語学科副教授。専門は日本語教育・第二言語習得。中国河南省生まれ。お茶の水女子大学大学院博士後期課程修了。
  • 著作:《中国日语学习者名动搭配习得研究》(北京大学出版社,2024)、「第一言語との一致性,コロケーションの頻度,共起強度がコロケーションの習得難易度に与える影響―中国人上級日本語学習者の産出調査を通して―」(『日本語教育』188号,2024)など。