連載3回目の今回は、教室の中のICT(情報通信技術)について書いてみようと思います。
私が駆け出しの日本語教師だった頃というと、もう20年以上も前になりますが、その当時と比べて日本語教育の現場はすっかり変わりました。
まず、教室の風景が様変わりしました。かつてのリスニング教材というと、カセットテープ、音声CDでした。当時、リスニング教材はあくまで教師用であって、学習者はリスニング教材を持っていませんでした。教師が教室にカセットデッキやCDプレーヤーを持っていって、リスニング教材を学生に聞かせていました。今は出版社の学習サポートサイトがとても充実しているので、学習者は音声ファイルを自分で、しかもほとんどの場合無料でダウンロードして聴くことができます。
みなさんは、国際交流基金が制作した総合日本語教科書『まるごと』をご存じでしょうか。これまではスリ―エーネットワーク『みんなの日本語』を主教材として使用している日本語教育機関が多かったのですが、徐々にこの『まるごと』に切り替えている機関が増えているように思います。さて、この『まるごと』ですが、学習サポートサイト『まるごとサイト』があります。