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15 日本語教育のユニバーサルデザイン ~読み書き困難への対応から考える~

日本語教育のユニバーサルデザインの宣伝ビラ

日本語教師読本シリーズ < 日本語教育のユニバーサルデザイン

 

『日本語教師読本シリーズ 15 日本語教育のユニバーサルデザイン ~読み書き困難への対応から考える~』

発達性読み書き障害(発達性ディスレクシア)がある日本語学習者への試行錯誤と研究を元に、日本語教育と障害について考え続ける著者が書いた、様々な試みや研究の紹介です。

 

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どんな本?

発達性読み書き障害(発達性ディスレクシア)がある日本語学習者への試行錯誤と研究を元に、日本語教育と障害について考え続ける著者が書いた、様々な試みや研究の紹介です。

教育現場で実際に出会う障害には、どういう傾向があり、どう気づき、とらえ、どういう支援に繋げていけば良いのか、今の体制の中でのベストのチョイスとは何かを考えます。

また、日常的に起こる問題をFAQ形式で整理し、いろんな語られ方がされる学習障害とその受けとめ方に関する著者なりの提案もまとめました。

著者紹介

橋本洋輔
国際教養大学 日本語プログラム

 

中身を覗いてみよう
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目次
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イントロダクション「学習者に寄り添う」とは

第1章 「障害」はカリキュラムの中にある
―21世紀の障害観と学びのユニバーサルデザイン

 1 漫画の中の障害観
 2 国の取り組み
 3 学びのユニバーサルデザイン
 4 障害モデル      国際生活機能分類
 5 ICTの活用
 6 社会を変える

第2章 言語使用の背景にあるもの
―社会的土台と身体的土台―

 1 言語使用の背景 社会的土台
 2 言語使用の背景 身体的土台
 3 読み書き困難のノートテイク体験
付録:認識のイリュージョン

第3章 代表的な発達障害と二次障害

 1 LD(学習障害)、特に発達性ディスレクシアについて
  『うちの子は字がかけない』
  発達性ディスレクシアの定義と体験 言語による違い
  聴覚バイパス法 しかし…
 2 ADHD(注意欠如・多動症)について
 3 ASD(自閉スペクトラム症)について
 4 二次障害について
 5 「自分にはできない」という絶望から立ち直るために

第4章 年齢に応じた考え方

 1 発達性ディスレクシアのある児童生徒の特徴
 【就学前】 【小学校1~2年生】 【小学校3~4年生】
 【小学校5~6年生】 【中学生以上】
 2 読み書き困難のある子どもへの対応
 3 就学前の対応
  小学1~2年生の対応 漢字についての対応
  小学校3~4年生への対応 小学校5~6年生への対応
  中学生以上への対応

第5章 巷の疑問を考えてみる(FAQ)

1 自分の障害を伝える方法・道筋
2 派生的な障害の種類
3 デジタル環境での調整
4 アプリやウェブ上のサービスの活用
5 辞書について
6 障害の認知の自由
7 障害の認知が必要なケース
8 教師以外のサポート体制
9 周囲の協力の是非
10 周囲のサポートの負担
11 進学先に求めること
12 学校や企業の対応の指針
13 公的な規格
14 成功体験をどうとらえるか
15 向き不向き
16 読み書き障害のハンディキャップ
17 キャリア設計
18 特別支援学級

第6章 まとめ

後書き

 

本編からちょっとだけ…

🗨 漫画の中の障害観

さて、唐突ですが、皆さんは、漫画はお好きでしょうか。私は大好きです。発達性ディスレクシア(発達性読み書き障害)をきっかけに、特別支援教育に関心を持つようになってからいくつかの漫画を読みましたが、読んだ数は少ないながら、これはと思う漫画が3つあります。

・戸部けいこ『光とともに…〜自閉症児を抱えて〜』 秋田書店
・杉本亜未『ファンタジウム』講談社
・うおやま『ヤンキー君と白杖ガール』KADOKAWA
: https://www.pixiv.net/users/32485395 など

これらのうち、『ヤンキー君と白杖ガール』はかなりの部分がネットで~



🗨 ノートテイク
読み書きの困難がない場合、私たちは、授業や講演を聴いている際、容易にメモをとることができます。話を聴いたり、板書やスライドを見たりして、重要だと思った点を書き留めることで理解を整理し、さらに後から見返すことでより深く記憶に定着させることもできます。実際、学校教育でもこのノートテイクの技能が非常に重要視されますし、今まさにこの講座を聞きながらノートテイクをしているところだろうと思います。私たちの多くが実感する通り、ノートテイクは非常に重要な学習の技法です。

しかし、ノートテイクが学習の助けになるためには、実は大事な条件があります。それは



🗨 言語による違い
実際、発達性ディスレクシアは、どの言語を読み書きするかで発生頻度が異なることが分かっています。上の図は、Taeko Wydellらの「粒性(つぶせい)と透明性の仮説」をあらわしたものです。粒性というのは、その言語の一文字が、音のどの単位を表しているか、ということを示します。例えば、イタリア語であればローマ字と同じように、”k”という文字は/k/という音素と対応しており、”a”は/a/という音と対応しています。文字が表す音の粒の単位が小さい、ということになります。一方、ひらがなやカタカナは、「か」という文字に対応するのは/k//a/という音節です。イタリア語などより、文字が表す音の粒が大きいです。最後の漢字は、例えば「漢」という字は表語文字ですから

 

🗨 年齢に応じた考え方
【小学校3~4年生】

このあたりから学習内容が一気に高度化し、読み書きの重要性も大きくなります。読んだり書いたりして学べないことが次第に足かせになってきて、知的能力が十分高い児童でも、学力的な遅れが見られ始めます。1~2年生の時から少しずつ溜まってきた学習の積み残しが大きく影響し始めるのです。学校での勉強ができないことで劣等感を覚えたり、勉強が嫌になってきたり、あるいはそれを周囲に悟られないように、


 

参考文献・資料

著者による参考文献のリストです。本編の巻末にも同じものがあります。オンラインで読めるものはURLがあります。
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梅津八三(1997)『重複障害児との相互輔生―行動体制と信号系活動』東京大学出版会


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トレイシー・E・ホール、アン・マイヤー、デイビッド・H・ローズ著、バーンズ亀山静子訳(2018)『UDL 学びのユニバーサルデザイン クラス全員の学びを変える授業アプローチ』東洋館出版社

一般社団法人日本LD学会編(2017)『LD・ADHD等関連用語集 第4版』日本文化科学社


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千葉リョウコ(2017)『うちの子は字が書けない 発達性読み書き障害の息子がいます』ポプラ社

宇野彰、春原則子、金子真人、Taeko N. Wydell(2017)『改訂版 標準 読み書きスクリーニング検査―正確性と流暢性の評価―』(STRAW-R)インテルナ出版株式会社

橋本洋輔(2018)「日本人の発達性ディスレクシア当事者へのインタビュー」『ことばと文字第九号』公益財団法人 日本のローマ字社

ロバート・L・ケーゲル、リン・カーン・ケーゲル著、小野真、佐久間徹、酒井亮吉翻訳(2016)『発達障がい児のための新しいABA療育PRT®〈Pivottal Response Treatment®の理論と実践〉』有限会社二瓶社


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宇野彰、千葉リョウコ(2020)『「うちの子は字が書けないかも」と思ったら』ポプラ社


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▷ *『ヤンキー君と白杖ガール』(著・うおやま/KADOKAWA刊)のコミックスより一部ストーリーの概要を引用をしております。

作者のうおやま様、発行元のKADOKAWA様に感謝申しあげます。

▷ このシリーズには編集部責任編集のオマケの日本語教師読本Wikiがあります。テーマに応じた情報を随時追加&更新しています。

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