コンテンツへスキップ

【memo】国家試験の問題の開示の法的判断とIRT

国家試験の公開、非公開関連

公務員試験は人事院に請求すれば入手できます。医師、弁護士、看護、気象予報士など、弁護士などの国家試験は、ほとんどの場合公開され、過去問は無料でダウンロードできます。また、IRT(項目応答理論)を採用していても過去問は普通に公開されています。

【ChatGPT】日本の国家試験で過去問が公開されているものをリストアップしてください。
https://chatgpt.com/share/673fa753-6294-8013-8dcf-24faeb094f60

医師国家試験などは学生達の申し立てによって公開されたということがありました。他の試験も公開されているケースは多いです。つまり、国家試験は主催者が問題を公開するかしないかは、基本、主催の団体の単なる「村の掟」に過ぎず、法的に妥当かどうかは、いろいろと争われているようです。

教員試験の過去問も地方自治体から無料でダウンロードできます。

過去の試験問題|採用情報|東京都公立学校教員採用ポータルサイト https://www.kyoinsaiyopr.metro.tokyo.lg.jp/recruit/exam.html

その他の地域 https://www.google.com/search?q=%E6%95%99%E5%93%A1%E8%A9%A6%E9%A8%93+%E9%81%8E%E5%8E%BB%E5%95%8F

医師国家試験の他、第107回助産師国家試験、第110回保健師国家試験、第113回看護師国家試験なども厚労省のページで無料公開されており、その他、キャリアコンサルタント試験、社会福祉士国家試験、自動車整備士資格、知的財産管理技能検定、などなど。国会試験の過去問の公開は、「わが国の公的な大規模試験では,実施した試験問題を公開する実務は,「日本的テスト文化」の特徴の1つとして挙げられている.背景の1つには,総務省が勧告によって,国家試験の試験問題について一律に公開を要請していることあると考えられる.」と以下の論文でも書かれているように、公開のもののほうが多い模様。

わが国の国家試験における試験問題公開の現状と傾向 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jart/9/1/9_165/_article/-char/ja/

試験は公開すべきという申し立てが行われていて法的な判断が下ったケースがいろいろあるようです。総務省の情報公開・個人情報保護審査会での審査結果についての資料がありました。

わが国の公的試験における試験問題公開の判断基準-情報公開制度における事例-
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jart/12/1/12_19/_pdf/-char/ja

以下は上の論文関連のスライド

日本テスト学会161225講演会_若林昌子170130提出.pptx https://www.jartest.jp/pdf/10-2wakabayashi.pdf

総務省|情報公開・個人情報保護審査会|情報公開・個人情報保護審査会 https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/singi/jyouhou/

以下は開示すべきとなった例の理由です。

医師国家試験の問題用紙

  • 最終的に,過去に出題され,開示されていたかどうかは,その試験問題が良質かどうかとは本来かかわりない
  • 過去の試験問題を学習して知識を得ることは問題ない⇒過去の試験問題を通じて学習し試験に臨んだとしても,正しい評価ができないということはないと認識している点が,判断に大きく影響

司法書士資格認定試験

  • 試験問題を開示することにより,内容が推測可能となる
  • 解答が画一化する懸念は想定
  • 開示された試験問題から推測し得る程度,全体に占める割合が重要⇒開示することによる試験問題作成の負担増を認めながらも,それはやむを得ないことであり,公的な試験に求められる透明性に対しては,試験問題を開示することをもって担保するほうが重要であると判断していることがわかる

国家資格に関する総務省の調査

総務省|報道資料|検査検定、資格認定等に係る利用者の負担軽減に関する調査 <調査結果に基づく勧告> https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/50299.html

上の「資料6 資格制度概況調査結果PDF」に公開、非公開は書かれていないが、概要がありました。
https://www.soumu.go.jp/main_content/000131825.pdf

情報公開請求のやり方

主催する省庁に情報開示請求をするようです。費用は基本300円の収入印紙と郵便代。受け取り費用は3000円程度かかることがあるようです。誰でもできます。

情報公開制度の概要:文部科学省 https://www.mext.go.jp/b_menu/koukai/main_b16.htm

開示請求等窓口一覧:文部科学省 https://www.mext.go.jp/b_menu/koukai/mado.htm

文部科学省における行政文書の開示決定等に係る審査基準:文部科学省 https://www.mext.go.jp/b_menu/koukai/kijyun/kijyun.htm

過去に文科省に開示請求をした件の論文がありました。
全国学力調査結果非公開決定処分取消請求事件
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jichisoken/38/404/38_54/_pdf

→ 公務員試験の情報開示請求の例

公務員試験は人事院で管理しているそうなので、そこに情報公開請求をする。以下にやり方と窓口があるので事前に相談してやるのがよさそうです。

https://www.jinji.go.jp/shinsei/jyohokoukai_annai.html

以下に請求手続きについての説明がありました。

国家公務員試験 過去問請求方法を解説 | 国家総合職(化学・生物・薬学)試験対策 https://kaseiyaku.com/kakomonseikyu/840/

請求書のひな形
https://www.jinji.go.jp/content/900039761.pdf
上の情報公開請求の例がある「わが国の公的試験における試験問題公開の判断基準」などを読んで対策を練ったほうがよさそうです。

主催者が個別に開示請求があればするという例もあるようです。

実技試験の審査内容及び筆記試験の正答数を知りたい場合の手続き(自己情報開示等請求書) – 公益財団法人 理容師美容師試験研修センター https://www.rbc.or.jp/exam/request_selfinfo/

今回の登録日本語教員試験は、民間資格とは言え、これまで文科省が作ったシラバスに従って行われた来た日本語教師の資格を事実上剥奪し、新たに新しい基準でふるいをかける形の試験になるので、その問題を開示することは、旧資格者への説明責任としても重要ではないかと思います。開示請求の他、いろいろと声を上げていくことは可能なのでは。

日本語教育関連とIRT

日本語能力試験は項目応答理論でやってるので公開できないという理屈がありますが、実はIRTを採用している試験でも過去問が公式で公開されている例は多い。

IRT=Item Response Theory(項目反応理論)(項目応答理論)

項目応答理論 – Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A0%85%E7%9B%AE%E5%BF%9C%E7%AD%94%E7%90%86%E8%AB%96

上にある項目応答理論を採用しているとされているテストのほとんどは過去問が無料でダウンロードできる。日本語教育関連のみできないことが多い。

【ChatGPT】
Item Response Theoryを採用している試験で過去問を公開しているものをリストアップしてください。
https://chatgpt.com/share/673fa891-43f4-8013-8ca7-26f768879cb1

【ChatGPT】
Item Response Theoryを採用している試験は過去問を公開できないという考え方は正しいですか?
https://chatgpt.com/share/673fa84a-8200-8013-98c3-ca848f97fb6c

CBT化とIRT

どうやら国家試験のCBT化は既定路線のようで医師国家試験などもCBT化せよとなっている模様。予算削減の手段となっているのではと思われる。CBT化に伴ってIRT採用の動きもあるようです。

【資料1】IRTの概要とCBT化への適用可能性 https://www.mext.go.jp/content/20210511-mxt_chousa02-000014819-2.pdf

こういうものもありました。

採点基準が非公開な国家試験の採点基準を自然言語処理で解析して、論述問題を採点できる問題集サービス化につなげる挑戦中 #Python – Qiita https://qiita.com/t-e/items/0bdd6db0d565df59e543