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【memo】デジタル日本語学習チケットと優遇措置

日本語教育機関は国の「認定」を受けて、そこで働く日本語教師は国に「登録」する必要がある、という理屈になるようです。

在留カード

かつて外国人登録証と呼ばれていたものは、在留カードになりました。どういう理屈で変わったのかはわかりませんが、こちらでは「登録」というコンセプト、用語は古いということなのか、単に在留しているという事実を証明するというカードになった。

在留カードとは? | 出入国在留管理庁
https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/whatzairyu_00001.html

この在留カードにはICチップが埋め込まれていて、上に記載されている事項が記録されてます。

  • 氏名や生年月日、性別、国籍などの基本個人情報
  • 住所
  • 在留資格、在留期間と在留期間の満了日
  • 許可の種類と許可年月日
  • 在留カードの番号、交付年月日と有効期間の満了日
  • 就労制限の有無
  • 顔写真(16歳以上外国人のみ)
  • 出入国在留管理庁長官の職名と官印
  • 在留資格変更許可申請や在留期間更新許可申請があった場合はその旨
  • 資格外活動許可の有無
  • 資格外活動許可の概要

👉 以下のサイトを参考にしました。 在留カード確認アプリとは?偽造チェックだけでない!注意点や使い方も解説 – 外国人HR Lab. https://gaikokujinhr.jp/4882#outline__1

読み取りアプリは誰でもダウンロードできます。入管はこの活用を推奨しています。

在留カード等読取アプリケーション サポートページ | 出入国在留管理庁
https://www.moj.go.jp/isa/policies/policies/rcc-support.html

「在留カード等仕様書の公開について」 | 出入国在留管理庁
https://www.moj.go.jp/isa/applications/disclosure/120424_01.html

一般的にICチップの容量は2kb~1MBまでらしく、ここの仕様をざっと眺めましたが、そのへんは書いてなかった(と思います)仮に32KBだったとしても、1kで500文字くらい。写真があるとしても、まだまだ情報は入ります。必要なら、ICチップそのものをアップデートしてもいいとは思います。日本語学習関連のデータを入れるという案です。

👉 もちろん、この種の身分証明的なものに余計なデータを入れることは問題が起きる可能性があります。ある種の能力を基本情報として同列に考えることの問題性です。仮にそうならば、別途日本語学習に特化したICカードを作るのもありだと思います。日本語学習カードとして、日本語学習歴、レベルを証明するものにして、多くの優遇措置が受けられる的なカードとして。

 


 

  • 外国人登録証のICチップに500時間の日本語講習を受けるチケットがあり、好きな認定登録機関で受ける。
  • 認定日本語教育機関で1コマ受講して終了後に学校の読み取り機械にタッチすれば、500→499になったりするわけです。
  • 機関には受講数に従って補助金が割り当てられる。告示では年760単位で年間授業料の平均が70万くらいでしたから、1受講で1000円くらいでしょうか。認定教育機関に入るのは50人が週10コマ受講で月2000コマ=200万円。国(もしくは基金?後述)の負担額は一人500時間で50万円。10万人で500億。
  • 機関は学習者に選ばれる努力が必要になる。認定日本語教育機関すべてで受講可なので地域の教室も日本語学校も競争をすることになる。

機関がチケットほしさに、ちゃんと授業をやらない「楽な授業」をやる可能性があるのでは?という懸念がある、500時間が無駄に使われるという反対があるなら、300時間で一旦終了にしてN4合格なら、あと200時間分が解除になる仕組みなどを導入し、各機関の合格率が出るような方策もできそうです。

認定機関側はバウチャー的なやり方は反対だろうから、日本語教育業界が賛成することは無いでしょう。この提案と実現には政治判断が必要。でも多分それは期待できないという気もします。残念ですが。

日本語授業の受講は、義務ではなく権利であるという考え方が基本になるべきだと思います。当然、就労系の人は就業時間内なら時給も発生するし、いつでも希望すれば受講できる。認定機関から派遣された教師が職場で授業をすれば、同じ受講とみなされるから当然、時給は支払われる。500時間をデジタルで管理することによって、500時間の学習の権利が守られることにも繋がります。1コマ受講で1000円ならほぼ時給と同じ額になります。

登録証などのカードに、日本語学習歴と日本語能力を証明できる仕組みがあれば、例えばN2合格者は時給に200円上乗せされ、その分は基金から雇用者に還付される、みたいな活用も出来る。企業は自社のプリペイドカード的なサービスに「日本語能力割引き」を設定して優遇して外国人(数年で、国内に留学30万、就労70万、計100万人、近くいることになるはず)向けビジネスができる。交通機関や日本語教材出版社はICカードで証明した人には割引きするみたいなこともできそうです。

国や地方自治体で負担することの他に、この種の日本語学習のための基金は外国人を雇用する企業が雇用する外国人の人数と時間に応じて負担するみたいなこともできると思います。外国人を雇用するなら、企業は、その人数と時間に応じて応分の負担金を払う仕組みにする。10万人で500億なら50万人で2500億円。一人当たり?50万を税金なり基金なりで拠出できれば実現できることになりますから、例えば25万円を国が、10万円を地方自治体が、15万円は基金から、みたいなことはどうでしょうか。

👉 この基金は、日本語学習に特化したものとすれば、例えば、日本国内での進学の奨学金などにも活用もできそうです。就労系の在留資格で来日してもN2を取得した人は専門学校や大学への奨学金が支給される仕組みが作れます。

財務省のサイトによる

1年間で一人あたりの子どもに使われる税金の金額を紹介すると…
小学生は一人当たり約84万8000円、中学生では一人当たり約97万9000円、高校生全日制では一人当たり約91万3000円が使われています。

とのことなので、一人50万円は(しかも、1年ではなく滞在期間の学習コストなので1~10年くらい)妥当な金額と言えそうです。500時間は簡単なコミュニケーションができるにはほぼ十分な時間数なので、費用対効果は大きいです。

ハードルとして課すのではなく学習するメリットを作る

試験合格を在留資格の取得や延長のハードルにすることで勉強させようとするのではなく、合格したら、時給が上がり収入が増えるし、具体的な多くのメリットがあるとインセンティブを作ることは大事なのではと思います。国際問題は結構金で解決するのに、日本語能力は根性論で越えるべきハードルとして強制するというのはそもそも何か大きな勘違いがあるのではという気がします。

日本語学校や就労系受け入れ関係者も「試験頑張って!」とかSNSに投稿するだけじゃなく、学校の宣伝にもなり、今後質的判定の基準になる可能性が高いわけですから、N2合格なら3万円、N1なら5万円くらいは報奨金を出すとか、提携先に現金分のポイントをプレゼントさせるとか工夫すればいいのでは。

【追記】

「外国人在留カード+マイナンバーカード」一体の新カード発行へ – 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA214MO0R20C24A2000000/?s=09