第01回 格助詞の話
皆さん、こんにちは。日本語教師の杉村泰です。現在、私は名古屋大学で日本語教師や日本語研究者を目指す大学院生に日本語文法を教えています。
さて、今回は格助詞についてお話しします。助詞と言うと、名詞や動詞に比べて補助的で意味の軽いもののように聞こえます。しかし、格助詞は文の骨格を作るとても重要な成分です。これがしっかりしていないと、意味的・構文的に間違った文になってしまいます。そこで今回はイメージ図を使って、初級日本語学習者に分かりやすく格助詞を教える方法についてお話ししたいと思います。
1.動作の相手を表す「に」と「と」
格助詞の「に」と「と」には動作の相手を表す機能があります。それでは例(1)と例(2)の「に」と「と」はどう違うでしょうか。
(1) 私は彼{に/と}似ている。
(2) 私は彼{に/と}比べて少し背が高い。
これだけ見ても、両者の違いはあまりよく分からないかもしれません。日本語の教科書や文法書では、例(3)を使って、「彼に会う」は私の方から一方的に彼に会うことを表し、「彼と会う」は私と彼がお互いに会うことを表すといった説明のなされることがあります。しかし、実際には両者の違いはそれほど明確ではないと思います。
(3) 私は昨日彼{に/と}会いました。
このような場合は、例(4)や例(5)のように意味の違いがはっきりした例で説明する必要があります。例(4)の「彼に話す」は私が話し、彼は聞くだけなのに対し、「彼と話す」は私と彼がお互いに話をするという意味になります。例(5)の「彼に相談する」と「彼と相談する」も同じです。
(4) 私は彼{に/と}話しました。
(5) 私は彼{に/と}相談しました。
さらに例(6)の「彼に恋をする」は片思いで、「彼と恋をする」は両思いであるという違いがあります。また、例(7)の「彼にキスをする」と「彼とキスをする」は、キスをする場所が違います。
(6) 私は彼{に/と}恋をしています。
(7) 私は彼{に/と}キスをしました。
以上のことから、「彼に~」は主体が「に」格で表される人に一方的に働きかけることを表し、「彼と~」は主体が「と」格で表される人と相互動作をすることを表すという違いのあることが分かります。ここから「に」は広義の「着点」を表し、「と」は相互動作の「相手」を表すことが分かります。これを図示すると、それぞれ図1、図2のようになります。
図1 「私は彼に~」のイメージ 図2 「私は彼と~」のイメージ
また、次の例(8)の「に」と「と」の違いは当事者の責任問題に関わります。これを図1と図2を応用して考えると、「に」を使った場合は私一人の責任になり、「と」を使った場合は私と車の両方の責任になるということになります。
(8) 私は車{に/と}ぶつかりました。
なお、自分は絶対に悪くない、相手が一方的に悪いと言いたい場合は、日本語話者なら「車にぶつけられた」のように受身文にするか、「車がぶつかってきた」のように「てくる」を使います。しかし、このような時に「てくる」が使える学習者は滅多にいません。ただし、これは視点の問題なので、ここではこれ以上立ち入らないことにします。
2.場所を表す「で」と「に」
次に場所を表す「で」と「に」について見ていきます。例(9a)の「庭で」と例(9b)の「庭に」はどう違うでしょうか。このような場合、学習者の母語を使って、訳し方の違いで教えるのも一つの方法です。
(9)a. 私は庭で洗濯物を干す。 (我在院子晒洗的衣物。)
b. 私は庭に洗濯物を干す。 (我到院子里晒洗的衣物。)
しかし、日文中訳に頼らなくても、例(10)のように一文に「で」と「に」の両方が出てくる文を使い、「で」は主体(「私」)の行動範囲を表し、「に」は対象(「洗濯物」)の移動先(着点)を表すと説明すれば、学習者は「で」と「に」の違いが分かります。
(10) 私は 庭で 物干し竿に 洗濯物を干す。
例(11)と例(12)も同様です。学習者には日文中訳を利用するだけでなく、例(10)や例(12)のような「~で~に」構文を使って教えると効率よく教えられます。
(11)a. 私は庭でゴミを捨てた。 (我在院子扔垃圾。)
b. 私は庭にゴミを捨てた。 (我把垃圾扔到了院子。)
(12) 私は 庭で ゴミ箱に ゴミを捨てた。
ここで場所を表す「で」と「に」のイメージを図示すると、「で」は図3、「に」は図4のようになります。図3は主体がある範囲内で何らかの活動をしていることを表し、図4は主体が「を」格の対象を「に」格の着点に移動させることを表しています。
図3 場所を表す「で」のイメージ 図4 場所を表す「に」のイメージ
一方、上の例(9)~(12)は他動詞の例でしたが、自動詞の場合は「を」格の対象がありません。そこで自動詞の場合は、「で」は主体の行動範囲を表し、「に」は主体の移動先を表すと教えます。例えば、例(13a)は主体が山の中にいて、そこで何かに登ったことを表し、例(13b)は主体が山を目的地として、そこに登ったことを表しています。この場合、例(13a)は主体がどこに登ったのかが不明で、情報不足の感じがするため、普通は例(14)のように「~で~に」構文で表されます。このことからも、学習者には「~で~に」構文を使って教えるのがよいと思います。
(13)a. 私は山で登った。 (我在山里爬上了。)
b. 私は山に登った。 (我爬上了山。)
(14) 私は 山で 木に 登った。
例(15)~(17)も自動詞文です。この場合は上の例に比べて「で」と「に」の違いがはっきりしませんが、「で」は主体の行動範囲、「に」は主体の移動先を表すと説明すれば、何となく両者の違いが分かります。
(15)a. 私はベッドで寝た。 (我用床睡觉。)
b. 私はベッドに寝た。 (我躺在床。)
(16)a. 私はホテルで泊まった。 (我在饭店住。)
b. 私はホテルに泊まった。 (我住在饭店。)
(17)a. 私は北京で生まれた。 (我在北京出生。)
b. 私は北京に生まれた。 (我出生在北京。)
例(15)~(17)の二つの文の違いを敢えて説明すれば、例(15a)の「ベッドで寝る」は布団や地面ではなくベッドという範囲で寝るという意味を表し、(15b)の「ベッドに寝る」は主体がベッドに寝転がるという意味を表します。例(16a)の「ホテルで泊まる」は民宿や友達の家ではなくホテルという範囲で泊まるという意味を表し、(16b)の「ホテルに泊まる」は移動の目的地がホテルであるという意味を表します。例(17a)の「北京で生まれる」は出生地が他の場所ではなく北京であるという意味を表し、(17b)の「北京に生まれる」(これは文学的表現になる)は生まれる前の世界から北京にやってきたという意味を表します。ただし、これらの場合、実際にははっきり区別して使われているわけではありません。
ところで、次の例(18)~(21)は中国語話者にとって「で」と「に」の区別が難しい例です。次の文の括弧の中には「で」と「に」のうちどちらを入れたらいいでしょうか。
(18) 私は日本( )留学しています。
(19) 私はホテル( )コーヒーを飲みに行きました。
(20) 電車が突然橋の上( )止まった。
(21) 私は毎日電車( )座って通学します。
例(18)は日本語話者の約9割が「に」を選択するのに対し、中国語話者はN1合格者でも「で」を選びやすい表現です。これは日本語の「留学」は「勉強するためによそに行く/よそに留まる」という着点指向の意味を表すのに対し、中国語の“留学”は「よそに行って勉強する」という範囲指向の意味を表すという違いによります。
例(19)は日本語話者は「で」も「に」も同じぐらい選択するのに対し、中国語話者は「で」を選びやすい表現です。この場合、「ホテルでコーヒーを飲みに行く」と言うと、コーヒーを飲む場所がホテルであるという意味になり、「ホテルにコーヒーを飲みに行く」と言うと、コーヒーを飲むためにホテルに行くという意味になります。しかし、中国語話者は「ホテル」など施設を表す名詞には「で」を付けたくなるようです。
例(20)は日本語話者は「で」も「に」も同じぐらい選択するのに対し、中国語話者は「に」を選びやすい表現です。この場合、「橋の上で止まる」と言うと、電車の進行が橋の上で遮られるという意味になり、「橋の上に止まる」と言うと、電車の止まる位置が橋の上であるという意味になります。しかし、中国語話者は「~の上」のような方向を表す表現があると「に」を付けたくなるようです。
例(21)は日本語話者の約9割が「で」を選択するのに対し、中国語話者はN1合格者でも「に」を選びやすい表現です。これは初級で習う「椅子に座る」の影響であると思われます。しかし、「電車に座る」と言うと電車の屋根に座るようなイメージになるため、日本語話者は「で」を使うのが普通です。これも例(22)のように「~で~に」構文を使えば、「電車で」は動作主の行動範囲を表し、「座席に」は主体の着点を表すことがはっきりします。ただし、普通電車の屋根に座ることはなく、「電車に座る」と言えば座席に座ることだと分かるため、「に」でも間違いではありません。
(22) 私は毎日 電車で 座席に 座って通学します。
以上、同じ場所を表す格助詞でも、「で」は範囲を表し、「に」は着点を表すという違いがあります。このイメージの違いを教えれば、学習者の理解がぐんとよくなります。
「で」=範囲 □
「に」=着点 →・
3.時間を表す「に」と「で」
最後に時間を表す「に」と「で」の話をします。ここは「に」「で」の順番の方が説明しやすいため、この順番でお話しします。まず、例(23a)と例(23b)はどう違うでしょうか。
(23)a. 私は10時に寝ます。 (我10点睡觉)
b. 私は10時で寝ます。 (中国語の直訳はない)
中国語話者に聞くと、日本語を習い始めたばかりの人でもN1に合格している人でも、「10時に寝る」は分かるけど「10時で寝る」は聞いたことがないと言う人がほとんどです。しかし、日本の日常会話では時々使われる表現なので、初級から教えておいた方がよいと思います。この場合も「に」は着点を表し、「で」は範囲を表すということで説明ができます。
まず、「10時に寝る」は単に寝る時間が10時であるという「時点」を表します。これに対し、「10時で寝る」は「時間の範囲」を表します。ただし、寝ている範囲ではなく、起きている範囲を表す点に注意が必要です。と言っても、言葉による説明だけでは分かりにくいので、図5のような図を使って説明するとイメージがつかみやすくなります。
図5 時間を表す「に」と「で」のイメージ
すなわち、「10時に」は時間軸上のある一点を指すだけなのに対し、「10時で」は起きている時間は10時までで、ここで時間を区切って寝るという意味を表します。この時、普通ならもっと遅くまで起きているが、今回は特別に早く寝るというニュアンスが伴います。そのため、例(24)のように日常の習慣的な場合には「に」しか使えず、例(25)のように特別に時間を区切る場合に「で」が使われやすくなります。
(24) 私は毎日10時{に/*で}寝ます。
(25) 私は明日朝が早いので、今日は10時{に/で}寝ます。
そのため、この「で」は「これでニュースを終わります」の「で」と同じであると同じであると説明すれば分かりやすいです。
例(26)~(28)も図5を応用して説明できます。例(26)で「10月に」は単に店を閉める時期を述べるだけなのに対し、「10月で」はこれまで営業してきた店がこれで終わってしまうという寂寥感が伴います。例(27)で「3月に」は単に帰国時期を述べるだけで、一時帰国の場合にも使えるのに対し、「3月で」はこれまでの外国生活が終わり、完全に帰国するという意味になります。例(28)も「3月に」だと一時的な里帰りかもしれませんが、「3月で」だと永遠に帰ってこないという意味になります。
(26) この店は今年の10月{に/で}閉めます。
(27) 私は来年の3月{に/で}中国へ帰ります。
(28) (妻が夫に)3月{に/で}実家へ帰ります。
以上、場所の場合と同様に、時間を表す場合にも、「に」は着点を表し、「で」は範囲を表すことを見てきました。今回の話はこれで終わりです。そのうちにまた格助詞のイメージについて話をしたいと思います。
第01回 浅谈格助词
大家好。我是日语教师杉村泰(Sugimura Yasushi)。目前,我在名古屋大学教授日语语法,授课的对象是将来有志于成为日语教师或研究学者的硕士生和博士生。
今天,我想谈谈日语的格助词。提到助词,可能相比较于名词和动词,助词听起来像是辅助性的,且作用似乎也较小。但是,格助词是构成句子骨架的非常重要的组成部分。如果使用不当,整个句子的语义和句法都会出现错误。因此,这次我想通过形象的图示,来探讨如何用通俗易懂的方式向初级日语学习者教授格助词。
1.表示动作对象的“に”和“と”
格助词“に”和“と”都可以表示动作的对象。那么,例句(1)和(2)中的“に”和“と”有什么区别呢?
(1) 私は彼{に/と}似ている。
(2) 私は彼{に/と}比べて少し背が高い。
仅看这两个例句,可能无法分辨出两者之间的区别。在日语教科书和语法书中,常用例句(3)来解释,“彼に会う”是指我单方面见他,而“彼と会う”是指我们双方见面。但实际上,两者的区别并不那么明显。
(3) 私は昨日彼{に/と}会いました。
在这种情况下,有必要用例句(4)和例句(5)这样语义差异明显的例子来解释两者之间的区别。例(4)中“彼に話す”表示我单方面对他说话,他只听;而“彼と話す”表示我们两个都说话,互相交谈。例(5)中的“彼に相談する”和“彼と相談する”也是同样的。
(4) 私は彼{に/と}話しました。
(5) 私は彼{に/と}相談しました。
此外,例句(6)中的“彼に恋をする”表示单方面地喜欢,“彼と恋をする”表示彼此互相喜欢。另外,例(7)中的“彼にキスをする”和“彼とキスをする”在吻的位置上也有区别。
(6) 私は彼{に/と}恋をしています。
(7) 私は彼{に/と}キスをしました。
从上文可以看出,“彼に~”和“彼と~”是有区别的,“彼に~”表达的是主语对“に”表示的对象进行单方面的行为,“彼と~”表达的是主语与“と”表示的对象的互动行为。由此可见,“に”表示广义上的“到达点”,而“と”则表示互动行为的“对象”。如果用图进行阐明两者之间的区别的话,如图1和图2所示。
图1 “私は彼に~”的意象图式 图2 “私は彼と~”的意象图式
在下面的例子(8)中,“に”和“と”的区别也与当事人的责任问题有关。如果我们应用图1和图2来考虑这个问题,就会发现如果使用“に”,就意味着责任只在我,而如果使用“と”,则意味着我和汽车双方都有责任。
(8) 私は車{に/と}ぶつかりました。
另外,如果想表达自己绝对没有错,是对方单方面有错,日语母语话者通常会使用被动句,如“車にぶつけられた”,或使用“てくる”的语法,如“車がぶつかってきた”。但是,日语学习者在这种情况下很少使用“てくる”。这是语言学的视角问题,我们在此不再详细讨论。
2.表示地点场所的“で”和“に”
接下来,我们来看看表示地点场所的“で”和“に”。例句(9a)中的“庭で”和例句(9b)中的“庭に”有什么区别呢? 在这种情况下,一种教学方法是使用学习者的母语,通过翻译上的差异进行教学。
(9)a. 私は庭で洗濯物を干す。 (我在院子晒洗的衣物。)
b. 私は庭に洗濯物を干す。 (我到院子里晒洗的衣物。)
不过,如果学习者不依赖日译汉,而是通过同时在一个句子中使用“で”和“に”,如例句(10),并解释“で”表示主语(私)的动作范围,而“に”表示宾语(洗濯物)的移动位置(到达点),学习者就能理解“で”和“に”的区别。
(10) 私は 庭で 物干し竿に 洗濯物を干す。
例句(11)和(12)也是同样。除了可以通过日译汉的教学方法,还可以通过“~で~に”这样的句法结构,如例句(10)和(12),对学习者进行有效地教学。
(11)a. 私は庭でゴミを捨てた。 (我在院子扔垃圾。)
b. 私は庭にゴミを捨てた。 (我把垃圾扔到了院子。)
(12) 私は 庭で ゴミ箱に ゴミを捨てた。
如果将表示地点场所的“で”和“に”的意象进行图式化,图3是“で”的意象图式,图4是“に”的意象图式。图3表示主语在一定范围内进行某种活动,而图4表示主语把用助词“を”表示的宾语移动到助词“に”表示的地点(到达点)。
图3 表示地点场所的“で”的意象图式 图4 表示地点场所的“に”的意象图式
另一方面,上述例句(9)~(12)都是涉及到及物动词的例子,但在不及物动词的情况下,没有用助词“を”提示的宾语。因此,在不及物动词的情况下,可以教学生“で”表示主语的动作范围,而“に”表示主语动作或行为的目的地。如例句(13a)表示主语(私)在山里并爬上了山里的某个地方,而例(13b)表示主语把山作为目的地并爬上了山。在这种情况下,例句(13a)是因为没有明确主语爬到的具体地方,给人一种信息不足的感觉,通常用“~で~に”的句法结构来表达,如例句(14)。因此,这也说明用“~で~に”这样的句法结构来教学生是有效的。
(13)a. 私は山で登った。 (我在山里爬上了。)
b. 私は山に登った。 (我爬上了山。)
(14) 私は 山で 木に 登った。
例句(15)~(17)也是不及物动词的句子。在这种情况下,“で”和“に”的区别没有上面的例子那么明显,但如果解释“で”表示主语动作或行为的范围,而“に”表示主语动作或行为的目的地,就能明白两者之间的区别了。
(15)a. 私はベッドで寝た。 (我用床睡觉。)
b. 私はベッドに寝た。 (我躺在床。)
(16)a. 私はホテルで泊まった。 (我在酒店住。)
b. 私はホテルに泊まった。 (我住在酒店。)
(17)a. 私は北京で生まれた。 (我在北京出生。)
b. 私は北京に生まれた。 (我出生在北京。)
如果我们硬要解释例句(15)~(17)中的句子的不同,可以发现:例(15a)中的“ベッドで寝る”表示主语在床上睡觉,而不是被褥上或地面上;而例(15b)中的“ベッドに寝る”表示主语躺在床上。例(16a)中的“ホテルで泊まる”表示在酒店范围内住宿,而不是住宿到民宿或朋友家;而例(16b)中的“ホテルに泊まる”则表示移动的目的地是酒店。例(17a)中的“北京で生まれる”表示出生地是北京而不是其他地方;而例(17b)中的“北京に生まれる”(文学常用表达)表示人从出生前的世界来到北京。不过,在这些例子中,“で”和“に”的使用并没有明确被区分。
顺便提一下,下面的例句(18)~(21)是汉语母语者很难区分“で”和“に”的例子。 你觉得下面句子中的括号里,「で」和「に」哪个更合适呢?
(18) 私は日本( )留学しています。
(19) 私はホテル( )コーヒーを飲みに行きました。
(20) 電車が突然橋の上( )止まった。
(21) 私は毎日電車( )座って通学します。
在例句(18)中,大约90%的日语母语者会选择“に”,而汉语母语者,即使是已经通过 N1 的人,也倾向于选择“で”。这是因为日语中“留学”侧重的是“为了学习而外出/留在某地学习”,强调的是到达点;而汉语中“留学”则侧重于“去别的地方学习”,强调的是范围。
在例句(19)中,日语母语者同样可能选择“で”和“に”,而汉语母语者更倾向于选择“で”。在这种情况下,如果说“ホテルでコーヒーを飲みに行く”表示喝咖啡的地方是酒店;而说“ホテルにコーヒーを飲みに行く”表示主语要去酒店喝咖啡。然而,汉语母语者似乎喜欢在描述设施的名词后加上“で”,如“ホテル”。
在例句(20)中,日语母语者同样可能会选择“で”或“に”,而汉语母语者更倾向于选择“に”。在这个例子中,“橋の上で止まる”表示火车在桥上前进受阻,而说“橋の上に止まる”表示火车停在的位置是桥上。然而,汉语母语者在表示方向的表达时似乎更倾向于选择助词“に”,如「~の上」。
在例(21)中,大约90%的日语母语者会选择“で”,而汉语母语者,即使是已经通过N1的人也更倾向于选择“に”。这可能是受初级阶段学习的“椅子に座る”的影响。然而,日语母语者通常使用“で”,因为“電車に座る”会让人联想到坐在电车顶上。这也可以通过使用“~で~に”的句法结构来说明,如例句(22)中“電車で”表示主语动作或行为的范围,“座席に”表示主语的到达点。不过,使用“に”也没有错,因为我们通常不会坐在火车顶上,而当我们说“電車に座る”时,我们知道主语一定是坐在座位上。
(22) 私は毎日 電車で 座席に 座って通学します。
如上文所述,同样表示地点场所的格助词,“で”表示动作或行为的范围,而“に”表示到达点。通过教授格助词“で”和“に”的意象图式的差异,可以帮助学生更好地理解并掌握。
「で」=范围 □
「に」=到达点 →・
3.表示时间的“に”と“で”
最后,我们来谈谈表示时间的“に”和“で”。为了更容易解释两者的区别,我们将按照“に”和“で”的这个顺序来进行讨论。首先,来看一下例句(23a)和(23b)有什么不同?
(23)a. 私は10時に寝ます。 (我10点睡觉)
b. 私は10時で寝ます。 (没有汉语直译)
询问了多位中文母语者后发现,无论是刚开始学习日语的人,还是已经通过N1考试的人,大多数人都表示明白“10時に寝る”的意思,但几乎没人听过“10時で寝る”这种日语表达。然而,在日本,日常会话中有时会用到这种表达方式。因此,最好从初级阶段就开始教授这种用法。这种情况也和表示地点场所的“に”和“で”同样,可能说“に”表示到达点,“で”表示范围。
首先,“10時に寝る”只是表示一个“时间点”,即上床睡觉的时间是10点。相比之下,“10時で寝る”表示的是一个“时间范围”。不过,需要注意的是,它表示的是主语醒来的时间范围,而不是主语睡着的时间范围。然而,仅用文字很难解释这一点,因此使用图5这样的意象图式的话,就会更容易理解。
图5 表示时间的“に”和“で”的意象图式
换句话说,“10時に”仅指时间轴上的一个点;而“10時で”表示主语醒着的时间是只到十点,十点将时间分隔,随即进入睡眠状态。此时,这其中还有一个细微差别,即主语通常会醒得更晚,但这次因为有事情,决定早早睡下。因此,在日常习惯用语中只能使用“に”如例(24),而“で”则更多地用于特意把时间分隔,如例(25)。
(24) 私は毎日10時{に/*で}寝ます。
(25) 私は明日朝が早いので、今日は10時{に/で}寝ます。
因此,如果我们解释这个“で”与“これでニュースを終わります”中的“で”的用法相同时,就很容易理解了。
例句(26)~例句(28)也可以用图5来解释。在例句(26)中,“10月に”只是简单地说明了商店将于何时关门,而“10月で”则伴随着一种落寞感,即商店已经经营了这么久,现在就要关门了。在例(27)中,“3月に”只表示何时回国,可用于暂时回国的情况,而“3月で”则意味着主语在国外的生活即将结束,将彻底回国。例(28)如果是“3月に”,则表示暂时回娘家,但“3月で”则意味着永远不会回来。
(26) この店は今年の10月{に/で}閉めます。
(27) 私は来年の3月{に/で}中国へ帰ります。
(28) (妻が夫に)3月{に/で}実家へ帰ります。
如前文所述,和表示地点的情况一样,在表示时间时,“に”表示到达点,“で“表示范围。本次讨论就到这里,关于格助词的意象图式,我们之后再继续一起探讨。
(中国語訳:郝文文・名古屋大学大学院生)
第01回 淺談格助詞
大家好。我是日語教師杉村泰(Sugimura Yasushi)。目前,我在名古屋大學教授日語語法,授課的對象是將來有志於成為日語教師或研究學者的碩士生和博士生。
今天,我想談談日語的格助詞。提到助詞,可能相比較於名詞和動詞,助詞聽起來像是輔助性的,且作用似乎也較小。但是,格助詞是構成句子骨架的非常重要的組成部分。如果使用不當,整個句子的語義和句法都會出現錯誤。因此,這次我想通過形象的圖示,來探討如何用通俗易懂的方式向初級日語學習者教授格助詞。
1.表示動作對象的“に”和“と”
格助詞“に”和“と”都可以表示動作的對象。那麼,例句(1)和(2)中的“に”和“と”有什麼區別呢?
(1) 私は彼{に/と}似ている。
(2) 私は彼{に/と}比べて少し背が高い。
僅看這兩個例句,可能無法分辨出兩者之間的區別。在日語教科書和語法書中,常用例句(3)來解釋,“彼に会う”是指我單方面見他,而“彼と会う”是指我們雙方見面。但實際上,兩者的區別並不那麼明顯。
(3) 私は昨日彼{に/と}会いました。
在這種情況下,有必要用例句(4)和例句(5)這樣語義差異明顯的例子來解釋兩者之間的區別。例(4)中“彼に話す”表示我單方面對他說話,他只聽;而“彼と話す”表示我們兩個都說話,互相交談。例(5)中的“彼に相談する”和“彼と相談する”也是同樣的。
(4) 私は彼{に/と}話しました。
(5) 私は彼{に/と}相談しました。
此外,例句(6)中的“彼に恋をする”表示單方面地喜歡,“彼と恋をする”表示彼此互相喜歡。另外,例(7)中的“彼にキスをする”和“彼とキスをする”在吻的位置上也有區別。
(6) 私は彼{に/と}恋をしています。
(7) 私は彼{に/と}キスをしました。
從上文可以看出,“彼に~”和“彼と~”是有區別的,“彼に~”表達的是主語對“に”表示的對象進行單方面的行為,“彼と~”表達的是主語與“と”表示的對象的互動行為。由此可見,“に”表示廣義上的“到達點”,而“と”則表示互動行為的“對象”。如果用圖進行闡明兩者之間的區別的話,如圖1和圖2所示。
圖1 “私は彼に~”的意象圖式 圖2 “私は彼と~”的意象圖式
在下面的例子(8)中,“に”和“と”的區別也與當事人的責任問題有關。如果我們應用圖1和圖2來考慮這個問題,就會發現如果使用“に”,就意味著責任只在我,而如果使用“と”,則意味著我和汽車雙方都有責任。
(8) 私は車{に/と}ぶつかりました。
另外,如果想表達自己絕對沒有錯,是對方單方面有錯,日語母語話者通常會使用被動句,如“車にぶつけられた”,或使用“てくる”的語法,如“車がぶつかってきた”。但是,日語學習者在這種情況下很少使用“てくる”。這是語言學的視角問題,我們在此不再詳細討論。
2.表示地點場所的“で”和“に”
接下來,我們來看看表示地點場所的“で”和“に”。例句(9a)中的“庭で”和例句(9b)中的“庭に”有什麼區別呢? 在這種情況下,一種教學方法是使用學習者的母語,通過翻譯上的差異進行教學。
(9)a. 私は庭で洗濯物を干す。 (我在院子曬洗的衣物。)
b. 私は庭に洗濯物を干す。 (我到院子裡曬洗的衣物。)
不過,如果學習者不依賴日譯漢,而是通過同時在一個句子中使用“で”和“に”,如例句(10),並解釋“で”表示主語(私)的動作範圍,而“に”表示賓語(洗濯物)的移動位置(到達點),學習者就能理解“で”和“に”的區別。
(10) 私は 庭で 物干し竿に 洗濯物を干す。
例句(11)和(12)也是同樣。除了可以通過日譯漢的教學方法,還可以通過“~で~に”這樣的句法結構,如例句(10)和(12),對學習者進行有效地教學。
(11)a. 私は庭でゴミを捨てた。 (我在院子扔垃圾。)
b. 私は庭にゴミを捨てた。 (我把垃圾扔到了院子。)
(12) 私は 庭で ゴミ箱に ゴミを捨てた。
如果將表示地點場所的“で”和“に”的意象進行圖式化,圖3是“で”的意象圖式,圖4是“に”的意象圖式。圖3表示主語在一定範圍內進行某種活動,而圖4表示主語把用助詞“を”表示的賓語移動到助詞“に”表示的地點(到達點)。
圖3 表示地點場所的“で”的意象圖式 圖4 表示地點場所的“に”的意象圖式
另一方面,上述例句(9)~(12)都是涉及到及物動詞的例子,但在不及物動詞的情況下,沒有用助詞“を”提示的賓語。因此,在不及物動詞的情況下,可以教學生“で”表示主語的動作範圍,而“に”表示主語動作或行為的目的地。如例句(13a)表示主語(私)在山裡並爬上了山裡的某個地方,而例(13b)表示主語把山作為目的地並爬上了山。在這種情況下,例句(13a)是因為沒有明確主語爬到的具體地方,給人一種信息不足的感覺,通常用“~で~に”的句法結構來表達,如例句(14)。因此,這也說明用“~で~に”這樣的句法結構來教學生是有效的。
(13)a. 私は山で登った。 (我在山裡爬上了。)
b. 私は山に登った。 (我爬上了山。)
(14) 私は 山で 木に 登った。
例句(15)~(17)也是不及物動詞的句子。在這種情況下,“で”和“に”的區別沒有上面的例子那麼明顯,但如果解釋“で”表示主語動作或行為的範圍,而“に”表示主語動作或行為的目的地,就能明白兩者之間的區別了。
(15)a. 私はベッドで寝た。 (我用床睡覺。)
b. 私はベッドに寝た。 (我躺在床。)
(16)a. 私はホテルで泊まった。 (我在飯店住。)
b. 私はホテルに泊まった。 (我住在飯店。)
(17)a. 私は北京で生まれた。 (我在北京出生。)
b. 私は北京に生まれた。 (我出生在北京。)
如果我們硬要解釋例句(15)~(17)中的句子的不同,可以發現:例(15a)中的“ベッドで寝る”表示主語在床上睡覺,而不是被褥上或地面上;而例(15b)中的“ベッドに寝る”表示主語躺在床上。例(16a)中的“ホテルで泊まる”表示在飯店範圍內住宿,而不是住宿到民宿或朋友家;而例(16b)中的“ホテルに泊まる”則表示移動的目的地是飯店。例(17a)中的“北京で生まれる”表示出生地是北京而不是其他地方;而例(17b)中的“北京に生まれる”(文學常用表達)表示人從出生前的世界來到北京。不過,在這些例子中,“で”和“に”的使用並沒有明確被區分。
順便提一下,下面的例句(18)~(21)是漢語母語者很難區分“で”和“に”的例子。 你覺得下面句子中的括號裡,「で」和「に」哪個更合適呢?
(18) 私は日本( )留学しています。
(19) 私はホテル( )コーヒーを飲みに行きました。
(20) 電車が突然橋の上( )止まった。
(21) 私は毎日電車( )座って通学します。
在例句(18)中,大約90%的日語母語者會選擇“に”,而漢語母語者,即使是已經通過 N1 的人,也傾向於選擇“で”。這是因為日語中“留學”側重的是“為了學習而外出/留在某地學習”,強調的是到達點;而漢語中“留學”則側重於“去別的地方學習”,強調的是範圍。
在例句(19)中,日語母語者同樣可能選擇“で”和“に”,而漢語母語者更傾向於選擇“で”。在這種情況下,如果說“ホテルでコーヒーを飲みに行く”表示喝咖啡的地方是飯店;而說“ホテルにコーヒーを飲みに行く”表示主語要去飯店喝咖啡。然而,漢語母語者似乎喜歡在描述設施的名詞後加上“で”,如“ホテル”。
在例句(20)中,日語母語者同樣可能會選擇“で”或“に”,而漢語母語者更傾向於選擇“に”。在這個例子中,“橋の上で止まる”表示火車在橋上前進受阻,而說“橋の上に止まる”表示火車停在的位置是橋上。然而,漢語母語者在表示方向的表達時似乎更傾向於選擇助詞“に”,如「~の上」。
在例(21)中,大約90%的日語母語者會選擇“で”,而漢語母語者,即使是已經通過N1的人也更傾向於選擇“に”。這可能是受初級階段學習的“椅子に座る”的影響。然而,日語母語者通常使用“で”,因為“電車に座る”會讓人聯想到坐在電車頂上。這也可以通過使用“~で~に”的句法結構來說明,如例句(22)中“電車で”表示主語動作或行為的範圍,“座席に”表示主語的到達點。不過,使用“に”也沒有錯,因為我們通常不會坐在火車頂上,而當我們說“電車に座る”時,我們知道主語一定是坐在座位上。
(22) 私は毎日 電車で 座席に 座って通学します。
如上文所述,同樣表示地點場所的格助詞,“で”表示動作或行為的範圍,而“に”表示到達點。通過教授格助詞“で”和“に”的意象圖式的差異,可以幫助學生更好地理解並掌握。
「で」=範圍 □
「に」=到達點 →・
3.表示時間的“に”と“で”
最後,我們來談談表示時間的“に”和“で”。為了更容易解釋兩者的區別,我們將按照“に”和“で”的這個順序來進行討論。首先,來看一下例句(23a)和(23b)有什麼不同?
(23)a. 私は10時に寝ます。 (我10点睡觉)
b. 私は10時で寝ます。 (沒有漢語直譯)
詢問了多位中文母語者後發現,無論是剛開始學習日語的人,還是已經通過N1考試的人,大多數人都表示明白“10時に寢る”的意思,但幾乎沒人聽過“10時で寢る”這種日語表達。然而,在日本,日常會話中有時會用到這種表達方式。因此,最好從初級階段就開始教授這種用法。這種情況也和表示地點場所的“に”和“で”同樣,可能說“に”表示到達點,“で”表示範圍。
首先,“10時に寢る”只是表示一個“時間點”,即上床睡覺的時間是10點。相比之下,“10時で寢る”表示的是一個“時間範圍”。不過,需要注意的是,它表示的是主語醒來的時間範圍,而不是主語睡著的時間範圍。然而,僅用文字很難解釋這一點,因此使用圖5這樣的意象圖式的話,就會更容易理解。
圖5 表示時間的“に”和“で”的意象圖式
換句話說,“10時に”僅指時間軸上的一個點;而“10時で”表示主語醒著的時間是隻到十點,十點將時間分隔,隨即進入睡眠狀態。此時,這其中還有一個細微差別,即主語通常會醒得更晚,但這次因為有事情,決定早早睡下。因此,在日常習慣用語中只能使用“に”如例(24),而“で”則更多地用於特意把時間分隔,如例(25)。
(24) 私は毎日10時{に/*で}寝ます。
(25) 私は明日朝が早いので、今日は10時{に/で}寝ます。
因此,如果我們解釋這個“で”與“これでニュースを終わります”中的“で”的用法相同時,就很容易理解了。
例句(26)~例句(28)也可以用圖5來解釋。在例句(26)中,“10月に”只是簡單地說明了商店將於何時關門,而“10月で”則伴隨著一種落寞感,即商店已經經營了這麼久,現在就要關門了。在例(27)中,“3月に”只表示何時回國,可用於暫時回國的情況,而“3月で”則意味著主語在國外的生活即將結束,將徹底回國。例(28)如果是“3月に”,則表示暫時回孃(娘?)家,但“3月で”則意味著永遠不會回來。
(26) この店は今年の10月{に/で}閉めます。
(27) 私は来年の3月{に/で}中国へ帰ります。
(28) (妻が夫に)3月{に/で}実家へ帰ります。
如前文所述,和表示地點的情況一樣,在表示時間時,“に”表示到達點,“で“表示範圍。本次討論就到這裡,關於格助詞的意象圖式,我們之後再繼續一起探討。
(中国語訳:郝文文・名古屋大学大学院生)
- 書いた人:杉村 泰(中国語話者のための日本語教育研究会)
- 名古屋大学大学院人文学研究科教授。専門は日本語学・日本語教育。中国滞在歴2年。
- 著作:『中国語話者に教える』
- 郝文文・名古屋大学大学院生 訳