第02回 日中同形語の話
みなさん、こんにちは。日本語教師の建石始です。現在、私は神戸女学院大学で日本語教師の資格取得を目指す学部生や日本語研究者を目指す大学院生に日本語教育や日本語文法について教えています。 さて、今回は日中同形語についてお話ししたいと思います。みなさんは日中同形語という言葉を聞いたことがありますか。日中同形語について具体的な話をする前に、まずは日本語と中国語の漢字の話から始めましょう。 1.日本語の漢字と中国語の漢字 みなさんは日本語では何種類の文字が使われていると思いますか。また、中国語では何種類の文字が使われていると思いますか。実は、日本語では、漢字、ひらがな、カタカナ、ローマ字、数字・記号という5種類の文字が使われているのに対して、中国語では、漢字、ローマ字、数字・記号という3種類が使われています。 日本語と中国語ではいずれも「漢字」が使われるため、同じ漢字が使われると考えてしまいますが、実際には全く異なるものとなっています。
この回の執筆者
- 書いた人:建石 始(中国語話者のための日本語教育研究会)
- 神戸女学院大学文学部教授。専門は現代日本語文法、日本語教育文法。
- 著作:『中国語話者に教える』、『日本語の限定詞の機能』