08 教えるためのフォントの知識

日本語教師読本シリーズ < 教えるためのフォントの知識

 

『日本語教師読本シリーズ 8 教えるためのフォントの知識』

フォントの魅力、楽しみ方から、フォントの基本、その種類と特徴まで、フォントの研究者がわかりやすく解説、「読みやすさ」に関する研究の歴史を詳しく紹介します。

 

お買い求めは

📱 電子書籍版 1280円(消費税込み)

Amazon(日)で買う

アメリカ | イギリス | ドイツ | フランス | スペイン | イタリア | オランダ | カナダ | ブラジル | メキシコ | インド | オーストラリア | のストアで買うことができます。


📚 印刷版 1780円(税込み)

Amazon(日)で買う

アメリカ | イギリス | ドイツ | フランス | スペイン | イタリア | オランダ | ポーランド | スウェーデン | カナダ | オーストラリア | のストアで買うことができます。

電子はもちろん、印刷版も日本国内と同じ価格、送料、配達日で購入できます。海外在住の方へのプレゼントにもどうぞ。

👉 電子書籍は専用ハードがなくても携帯やタブレット、PC上で、アマゾン提供の無料のアプリで読めます。詳しくはアマゾンのヘルプをご覧ください。

どんな本?

フォントの魅力、楽しみ方から、フォントの基本、その種類と特徴まで、フォントの研究者がわかりやすく解説、「読みやすさ」に関する研究の歴史を詳しく紹介します。デジタル化がぐんと進んだ2020年代、すべての教育関係者にとって必須の知識です。教育におけるフォントの活用、使いこなしのヒントが満載です。

  • フォントの幅の違いはどういう区分がある?
  • デジタルフォントの歴史と現在
  • ゴシック、明朝、教科書、UDフォント、それぞれの特徴は?
  • フォント研究の歴史
  • ゴシックと明朝体はどう使い分けたらいいのか?
  • UDフォントは本当に読みやすいのか
  • 「教育用フォント」って
  • 手書きフォントの読みやすさの検証
  • 「視覚的不快感」って何?
  • ディスレクシアとUDフォント

著者紹介

大西まどか
東京女子大学 非常勤講師
博士 (生涯人間科学)

来歴
2011年3月に東京女子大学現代文化学部卒業後、インフラエンジニアとして2年勤務。
東京女子大学大学院人間科学研究科で視覚科学を専攻、2018年博士号を取得。
取得後は、大学の非常勤講師に加え、企業で心理学・人間科学の研究開発コンサルティングやHCDコンサルティングなどを行っている。

https://mohnishiii.github.io/
https://www.researchgate.net/profile/Madoka_Ohnishi

 

中身を覗いてみよう
ここをクリックすると目次が出てきます!
目次

はじめに

1章 フォントの基礎

 1節 フォントのきほん
   フォントの構成要素 等幅フォントとプロポーショナルフォント
   JIS漢字水準と文字コード デジタルフォントの歴史と種別
   フォントファミリーとバリアブルフォント

 2節 主な書体の紹介
   明朝体 ゴシック体 教科書体 UDフォント 文字の幅 
  欧文フォント 多言語対応の試み

 3節 フォントの選び方

2章 フォントと読みやすさ

 1節 読みやすさの評価方法
   主観評価とパフォーマンス評価

 2節 フォントデザインと読みやすさ
   どのデザイン要素が読みやすさに影響するか?
   セリフ(明朝体・ゴシック体)と読みやすさの関係
   ウェイト(線幅)と読みやすさの関係 レイアウトと読みやすさの関係
   ユニバーサルデザインフォントは読みやすいのか?

3章 フォントと印象

 1節 印象をはかる方法
   「良い印象」とは何だろう? セマンティックディファレンシャル (SD)法

 2節 フォントの印象に関する研究例
   研究事例の紹介 これらの研究に共通すること

 3節 文章の内容とフォントの関係
   フォントと文章の内容が印象に与える影響は?  
   いろいろな文脈に配慮する

4章 フォントと教育

 1節 教育現場のフォント
   文字の工夫と学習効果 逆転の発想?「読みにくさ」の活用

 2節 手書きフォント
   学習者には手書き文字は読みにくい? 
   文字の認知モデル:鋳型モデル, パンデモニウムモデル
   「典型的な字形」と手書き文字
   経験がフォントの見え方に影響する?

 3節 もうひとつの側面:視覚的不快感
   視覚的不快感とは? ディスレクシア(読字障害)

まとめ:よりよい教材をつくるために

フォントの紹介と活用

👉 開く時にクリックしたところをもう一度クリックすると閉じることができます。

 

本編からちょっとだけ…

🗨 読みやすさの評価方法

読みやすさの中には、いろいろな細かい分類があります。専門的には、その細かい分類を指標として、検討されることが多いです。視認性、可読性、判読性、誘目性など、いろいろな指標がつかわれます。たとえば、視認性(legibility)は、個々の文字の区別しやすさ、可読性(Readability)は単語や文章などの理解しやすさや読みやすさを示すことが多いように思います。誘目性は人目をひきつけるかどうか、判読性は誤読しにくいかどうか、という指標として

🗨 文章理解の成績比較

文字情報のわかりやすい伝達方法について検討した研究があります。清原らは、印刷物とコンピュータで百科事典の文章を提示して参加者に読ませ、文章の内容に関するテストを行って、テスト成績のパフォーマンスを評価しました。提示する文章のフォントや文字の大きさを変えて、明朝体とゴシック体を用意し、それぞれ6段階の文字の大きさで読んでもらいました。その結果、印刷物であってもコンピュータであっても

🗨 ユニバーサルデザインフォントは読みやすいのか?

さきほども出てきたUDフォントというのはなんだろう、と思った方もいるかもしれません。UDフォントはユニバーサルデザインフォントの略で、いろいろな方に読みやすくなるようデザインされたフォントのことです。もちろん読みやすい資料をつくりたいと思っている読者のみなさんの中には、UDフォントをよく使う、という方もいらっしゃることでしょう。


 

参考文献・資料

著者による参考文献のリストです。本編の巻末にも同じものがあります。オンラインで読めるものはURLがあります。

ここをクリックしてください
嘘じゃないフォントの話 第5回目 マンガの空気を生み出す「文字」
https://www.cinra.net/column/morisawa/morisawa05-1?device=desktop&tmp=1

文部科学省 拡大教科書の標準的な規格について
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoukasho/1282361.htm

👉 開く時にクリックしたところをもう一度クリックすると閉じることができます。


ここをクリックしてください
Tinker (1963) . Legibility of Print, Iowa State University Press.
Arditi (2004). Adjustable typography: an approach to enhancing low vision text accessibility. Ergonomics, 47(5), 469-482.
小田・江坂・中野 (1993). フォントの見やすさ―視力低下がある場合,標準的な3つの書体はどれが一番読みやすいか? 第 2 回視覚障害リハビリテーション研究発表大会論文集, 50-53.
清原・中山・木村・清水・清水 (2003). 文章の表示メディアと表示形式が文章理解に与える影響,日本教育工学雑誌,27,p.117
Mansfield, J. S., Legge, G. E., & Bane, M. C. (1996). Psychophysics of reading. XV: Font effects in normal and low vision. Investigative Ophthalmology & Visual Science, 37(8), 1492-1501.
Arditi, A., & Cho, J. (2005). Serifs and font legibility. Vision research, 45(23), 2926-2933.
石田・天野 (2009). 視覚障害学生の読みやすい文字について,筑波技術大学テクノレポート,17,pp.6-10.
三枝・竹本・窪田・佐々木・石坂(2013). 電子書籍リーダーの日本語フォントの読みやすさの比較,映像情報メディア学会年次大会講演予稿集,pp.36-7.
舟川・小田 (1997). ローパス・フィルタリング法による形状の視認性評価. 照明学会誌, 81(5), 438-445.
Bernard, J. B., Kumar, G., Junge, J., & Chung, S. T. (2013). The effect of letter-stroke boldness on reading speed in central and peripheral vision. Vision research, 84, 33-42.
舟川 (2000). 文字の可読性に関する実験的研究. 照明学会誌, 84(11), 785-792.
川嶋・小田・藤田・中村・香川 (2000). 字詰まり効果と読書困難⑵,第8回視覚障害
リハビリテーション研究発表大会論文集,pp.101-104.
Oda, K., Ohnishi, M., Otsukuni, T., Takahashi, A., Kawamura, S., & Suzuki, A. (2015). Influence of Aspect Ratio and Character Spacing on the Readability of Japanese Fonts. In The 1st International Conference on Advanced Imaging, 486–489.
鷲巣 (2009). 文字のユニバーサルデザイン─ ユニバーサルデザイン視点から見た読みやすい文字の研究開発経緯─. 日本印刷学会誌, 46(3), 131-136.
宮崎・日比野・小山・間淵 (2011). デジタルデバイス用ユニバーサルデザインフォント 「LIM Uni-Type」 開発. デザイン学研究作品集, 16(1), 58-61.
内山 (2005). 家電製品本体のユニバーサルデザインフォント研究. 松下テクニカルジャーナル, 51(4).
袴田・大谷・酒井・桜田・太田・岡嶋 (2011). ユニバーサルデザインフォント開発の取り組み. NEC 技報, 64(2), 45-49.

👉 開く時にクリックしたところをもう一度クリックすると閉じることができます。


ここをクリックしてください
Osgood, C. E., Suci, G. J., & Tannenbaum, P. H. (1957). The measurement of meaning (No. 47). University of Illinois press.
李・崔・小山・日比野 (2017). 文字の太さによる印象の変化. デザイン学研究, 63(5), 5_101-5_108.
内山・佐藤 (2012). 書体と製品の印象に関する研究. 日本デザイン学会研究発表大会概要集, 59, 266.
竹原 (2013). 銘柄の書体と酒瓶形状の組み合わせにおける酒の印象構造および金額評価. 日本感性工学会論文誌, 12(2), 255-263.
木村・田口 (1997). 印刷文書における仮名書体の印象 情報処理学会論文誌, 38(11), 2209-2216.
宮代・原田 (2016). 語義と視覚表現の意味の一致が単語処理に及ぼす影響: プライミング効果による検討. 認知科学, 23(2), 118-134.
香曽我部・相澤・井上・戸ケ瀬 (2014). フォントと色による印象評価尺度作成と保育の文字環境. 宮城教育大学情報処理センター研究紀要: COMMUE, (21), 3-10.

👉 開く時にクリックしたところをもう一度クリックすると閉じることができます。


ここをクリックしてください
高嶋・桐山 (2016). 日本語学習教材における情報デザイン. 日本語教育方法研究会誌, 22(3), 2-3.
Peters, E. (2012). Learning German formulaic sequences: The effect of two attention-drawing techniques. The Language Learning Journal, 40(1), 65-79.
Diemand-Yauman, C., Oppenheimer, D. M., & Vaughan, E. B. (2011). Fortune favors the bold (and the Italicized): effects of disfluency on educational outcomes. Cognition, 118(1), 111-115.
根岸・小玉 (2018). 日本語フォントタイプの変更による学習効果の促進 工学教育, 66(4), 4_8-4_12.
Yue, C. L., Castel, A. D., & Bjork, R. A. (2013). When disfluency is—and is not—a desirable difficulty: The influence of typeface clarity on metacognitive judgments and memory. Memory & cognition, 41(2), 229-241.
渡邊 (2016). 外国語学習における絵本多読の効果―絵本多読の経験がある学習者へのインタビュー―. 一橋大学国際教育センター紀要, 7, 71-82.
Grainger, J., Rey, A., & Dufau, S. (2008). Letter perception: From pixels to pandemonium. Trends in cognitive sciences, 12(10), 381-387.
Wilkins, A. J. (1995). Visual stress. Oxford University Press.
Imaizumi, S., Koyama, S., & Tanno, Y. (2018). Development of the Japanese version of the Visual Discomfort Scale. PloS one, 13(1), e0191094.
谷・後藤・宇野・内山・山中 (2016). 発達性ディスレクシア児童の音読における書体の影響. 音声言語医学, 57(2), 238-245.
朱 (2016). 発達性ディスレクシアに特化した欧文書体の特徴. 研究報告コンピュータと教育 (CE), 2016(4), 1-9.
一般社団法人日本ディスレクシア協会 https://jdyslexia.com/

👉 開く時にクリックしたところをもう一度クリックすると閉じることができます。


ここをクリックしてください
色のコントラストチェッカー
https://lab.syncer.jp/Tool/Color-Contrast-Checker/
伝わるデザイン 研究発表のユニバーサルデザイン 書体の使い分け
https://tsutawarudesign.com/yomiyasuku1.html

👉 開く時にクリックしたところをもう一度クリックすると閉じることができます。



▷ このシリーズには編集部責任編集のオマケの日本語教師読本Wikiがあります。テーマに応じた情報を随時追加&更新しています。

タグ , , , , , . ブックマークする パーマリンク.

コメントは受け付けていません。