2011年の東日本大震災の際は、エンジニアの判断で急遽サーバーを増強し情報インフラとして活用されました。この少し前から流行のきざしはありましたが、一般の人の認知度はこの時から上がり始めたと思います。
東日本大震災ツイートマッピング https://tweet.mapping.jp/
すでに使っている人は
すでにアカウントをお持ちの方は、最初からでも、好きなところからでもかまいません。最初の「基本的なあれこれ」だけでもざっと読んでいただければ、このページの方向性というか、考え方のようなものがわかると思います。
これからアカウントを作る人、作ったばかりの人
最初のカウントの作り方みたいなことは、半年ごとに仕様が変わったりしますので、作る時に検索するほうがいいと思います。そういうことよりも、ここは
そしてアカウントを作ってみるなら… https://twitter.com/
にアクセスします。
作り方はツイッター社の意向で時々変わりますが、だいたい以下のとおりです(2022年2月時点に確認したものです)。
SNSアカウントでの認証ではなく、メールアドレスとパスワードでのアカウント作りをお勧めします。メールアドレスと半角英数と数字の組み合わせで考えた8文字以上のパスワードを準備して、アクセスして作ってみて下さい。作る際に、あれこれと「どうするか?」を訊ねられます、基本全部「今はしない」にして進んで、ひとつだけフォローしなければならないので、出てくる推薦アカウントをひとつテキトーにフォローすれば、終了です。最初にやったことは、パスワードを含め、アカウントを作った後でも、ID名やニックネームでさえ、すべて変更可能です。
新しい機能や仕様の変更などのアナウンス、また不具合で動かないことなどもあるのでツイッター社のアカウントはフォローしたほうがいいかもしれません。
作ったらここに戻って、できれば最初の「基本的なあれこれ」から読んでみて下さい。アカウントを作ってからの、最初の注意事項から説明しています。
Twitter社の考え
Twitterは単なる企業だということは忘れないほうがいいと思います。サービス業なのでユーザー次第という要素はありますが、結構、ツイッター社は勝手にいろいろとルールや仕様を変える会社という印象です。2015年前後のイメージで語る人や書かれた本は、あまり意味がないかもしれません。アカウントを作る際にスキップしたサービス規約やプライバシポリシーは1度、ちゃんと読んでおいたほうがいいです。
アカウントを作るプロセスで了承したことになるものは以下のとおりです。読んでからのほうがいいですが、飛ばしたなら、改めて読んでみて下さい。すでに使っている人も、読んでないなら、改めて読んでみて下さい。第三者による引用を了承したことになっていたりと、意外と知らないことがあります。
サービス規約 | プライバシーポリシー の2つは重要です。TwitterにおけるCookieの用途 は、個人情報保護に関する細かい規定ですが、詳しくないとわからないかもしれません。ツイッター社のヘルプも意外と重要です。アカウントが無くても、ログオフした状態でも読めます。凍結されたり、のっとられたなどトラブルでログインできなくなった際などはここから問い合わせ可能です。
Twitter透明性センター には、統計情報などがあります。
SNSでは、仕様や機能がコミュニケーションのあり方に大きな影響を与えることもあり、ユーザーのコミュニケーションの方法が使用や機能に影響を与えることもあります。現代の「言語を使ったコミュニケーションの場」を知ることは、語学教師にとっては、結構重要でもあると思います。
ツイッターは、投稿時にリプライができる人を制限したり、ブロックしたり、ミュートしたり、非公開リストで読んだりと、多機能です。便利ではありますが、上級者はその機能を逆手にとってアンフェアなことをしたりもします。読むだけなら大丈夫ですが、投稿をして人と関わるレベルで活用するなら、自分を守る意味でも、そこそこのレベル(ここで言う中級くらい?)を目指したほうがよいと思います。
アカウントを「公開」で作ったら、設定をどうするかみたいなことからズラズラと書いてみます。
「繋がりたい!」と始めたとしても、最初はフォローはせず、誰にも知らせず、まずは「読む」「知る」に徹したほうがいいと思います。プロフィールに何も書かず、最初のフォローはNHKみたいなところだけにして、誰にも知らせなければスパム以外のリプは来ないはずです。プロフなどをみていろいろとリプがきてもスルーか、「ありがとうございます」くらいにしておいて観察期間と割り切りましょう。
👉 「一度の投稿で140字(英語などは280字)ですが、画像やURLは複数あっても文字数にはカウントされません。」みたいなことは、ここでは扱いません。「ツイッター 入門」でググってください。その時の最新情報を探した方が良いので。
設定でオフにしておくべき項目
これは密かに増えて、しかもオンになってたりするので、気をつけて情報収集をしておいたほうがいいです。設定の場所も時々変わります。2023年10月の時点では もっと見る >設定とサポート>設定とプライバシー>
で設定画面になります。大事な項目は「プライバシーと安全」「セキュリティとアカウントアクセス」です。以下、表示の順番が変わる可能性も高いので、いろいろ変わっても残すであろう設定と、それをどうするべきかだけをズラズラと書いてみます。初期設定でオフになっているものもありますが、いつデフォルトでオンになるかわかりません。
プライバシーと安全
位置情報をオンにすると自分がどこにいるか、そのサービス提供会社だけでなく投稿の度に世界中の人に知らせることになります。(場所が特定されるような内容、画像も同じです。投稿するならその場を離れて少し経ってからにしましょう。芸能人じゃなくても、ストーカーに目をつけられたら終わりです)
セキュリティとアカウントアクセス
Xに限らず、特にスマホの設定で連絡先と同期するとか連絡先をアップロードするというアプリは多いです。とにかく連絡先を取得しようとする。これはもちろんしないが正解で、すると勝手に連絡先に「~さんが**しました」などと近況を送ったりするアプリもあります。すべてのアプリで連絡先と同期しない、アップしないにしてください。
どういうカンジでスタートするか
最初は個人アカウントのフォローはせずに、メディアや公式アカだけで、読みたいアカウントは非公開リストに入れて、リストをブックマークして読みましょう。やり方は以下のとおり。
タイムラインの見え方
デフォルトの表示順は、時系列ではないので、右上のアイコンをクリックして「最新ツイート表示に切り替える」を選択して表示順を時系列に変えてください。
ここをクリックして…
「最新ツイート表示に切り替える」をクリックすると時系列になります。
まずは誰かをフォローして自分なりのタイムラインを作らないと読めないと考えている人は多いですが、フォロー0でも読むことはできます。
リストはデフォルトの「公開」では、リストに入れたら、そのことが相手に通知されますが「非公開」だとされませんから、相手に知られずツイートを読むことができます。「非公開リスト」で読むのは気楽で便利です。この観察期間だけでなく、この非公開リストで読むという人は結構います。
ツイートの右上の「・・・・」部分をクリックするとメニューがでますから「リストに追加削除」を選択します。
リストを作る画面(「新しいリストを作成」)はちなみにこんなかんじです。ここで非公開に設定します。
リストをいくつか作った後の「リストに追加画面」です。
初期画面(https://twitter.com/home)から自分のリストをみるには設定から「リスト」を選びます。
リストにもブロックやミュートしたものは現れません。
情報収集には便利です。定期的に「新たに投稿された***を含むツイート」を探すことができます。ただし標準の検索は、あまり優秀ではないので2語くらいまでです。
初期画面の標準の検索窓は、検索した後、その検索ワードやハッシュタグを保存することができます。1度保存したら、検索窓をクリックするだけでその最新の検索結果が出てきますから、気になるキーワードの最新の検索結果だけを読むことができます。ハッシュタグも保存できます。
まず何かの語で検索し、検索結果が出たら、右上の「・・・・」をクリックすれば保存画面がでます。
これを保存したら、次からは、検索窓をクリックしただけで、保存したワードが候補に出てきますから、選択すればその最新の検索結果が現れます。
ちなみに「検索設定」とは以下のようなものです。デフォルトではブロックしたりミュートしたアカウントは検索対象から外れますので、ブロックやミュートは読みたくないものを目に入らないようにする機能ですが、検索対象には入れることができるというわけです。
絞り込んだ検索結果を保存する
標準で普通に検索すると、例えば「日本語教師」だと「日本語」「教師」が別に使われているツイートも出てきます。これを「日本語教師」をひとつの語として完全に一致する検索結果にするのは「“日本語教師”」と「“」で囲った検索結果を保存すればOKです。
こういう絞り込む場合は高度な検索が便利です。上のようにするには、一番上の「次のキーワードすべて含む」ではなく、2番目の「次のキーワード全体を含む」で検索します。その他、いろいろと絞り込んで検索でき、その検索結果を保存することができます。
👉 高度な検索については、このページの下のほうで紹介しています。
期間を絞り込む機能も便利ですが、情報収集として使う場合は使わないほうがいいと思います。
2010年代前半にもよく動かなくなり、クジラの絵と共に「少々お待ちください」という静止画面になったりしていました。これは投稿が急激に増えた時にサーバーが対応できなくなったことが原因でした。2023年以降、サービスの改変で表示がおかしくなったり、ということが増えています。これは、運用のミスなど、もっと深刻な原因であることが多いようです。基本待つしかありません。
Twitterがおかしいなという時は、Facebookなどで「ツイッター落ちてるね」というような投稿が出てくるので確認できますが、Facebookを使わない人などは、ひとまずYahoo!リアルタイム検索を覗くのがいいと思います。リアルタイム検索というのは、ネットで新規の投稿を追っている検索エンジンのことです。
リアルタイム検索 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%A0%E6%A4%9C%E7%B4%A2
Yahooリアルタイム検索
三ヶ月くらいはRTもフォローもしないで読むだけにして、だいたい掴んできたら、本格的にスタートするのがいいと思います。といっても、ただ読むだけならフォロ-をせずに、非公開リストに読みたいアカウントを入れるだけでOKです。
非公開リストや検索を保存して読む間は、完全に読むツールですが、フォローしたり、公開リストに入れたり、イイネをすると、コミュニケーションの領域に踏み込むことになります。よく「SNSは人と繋がるツールだからどんどんやろう!」という説明がありますが、ツイッターは読むツール、読むものを探すツールとしても便利なので、踏み込むかどうかは個々の好き好きです。
人とのやり取りをするなら、フォローを始めて、投稿したりをするという選択肢もあります。自己紹介などを投稿して、やり取りを始めるという選択肢もあります。
👉 私どものツイッターアカウントは最初(2009)から誰もフォロ-せず、基本発信のみという方針でやってます。使い方いろいろです。
「ツイッターで情報収集をしたいとはじめました」など初心者アカウントだと知られてしまいます。親切な人が「ようこそ!」などとリプライをしてくれるかもしれませんが、その人はあなたをカモだと考えているかもしれません。あなたはすでに初心者だという情報を外部に漏らしており、初心者はいろんなことのターゲットになりやすいのは、一般社会と同じです。
ネットも同じですが、医療関係、法律関係のことは、専門のサイト(医療関係者専用の会員制サイトや弁護士ドットコムの記事を参考にするところまで)を除き、ネットで正解を探すのはやめるべきです。SMSでも質問しない。そういう質問に「専門家じゃないけど、こうじゃないですかね?」などと回答する人は多分、ネットで最もダメな部類の人達です。
日本語教育のことを単純に質問するのも避けたほうがいいのではと思います。するなら「私はこうやっていますが」と具体的に書いて、どうでしょうか?ということなら、いいかもしれません。
SNSはなにかを訊ねる場所でも、正解がある場所でもないとと考えた方がいいと思います。人のやり方を知ることはできるかもしれません。知りたいなら、自分のやり方もシェアしましょう。うまくできなかった例も失敗例のシェアも貴重です。
ホーム画面を見に行く習慣をつける
ある人をフォローしようとか、ツイートをRTしようと思ったら、その前にその人のホーム画面を見ることをお勧めします。
ホーム画面とは、その人のツイッターの初期ページのことで、 https://twitter.com/★★ の★★にアカウント名を入れたページのことです。ツイッター上で、その人のIDを「@webjapanesej」入れると、リンクが出来ますが、このリンクをクリックして飛ぶのもホームです。
例えば、私どもの日本語教育のアカウントならホーム画面はここです。
ホーム画面にはプロフィールなどその人のサイトのURLなど重要な情報もありますが、最も大事なのは、その人がどんなツイートをしてきた人なのか?です。
初期画面は「ツイート」ですが、その右のタブの「ツイートと返信」をクリックして、過去のツイートだけでなく、その人が、どういう返信をしているかも合わせて見ることが重要です。数ページリロードするくらいには見たほうがいいと思います。
時間があれば、どういうツイートに「いいね」をしているかも見ましょう。 ツイートは普通でも、乱暴な返信をしていたり、結構酷いツイートにイイネをしている人はそこそこいます。
誰にフォローされているか?
また、ホーム画面には「自分がフォローしている人がそのアカウントをフォローしているか」もアイコンが表示されます。上の赤で囲ったところです。これで「どういう人達にフォローされているのか、あるいはされていないのか」も少しわかります。
例えば、サブアカを作り、自分が重要と考える研究者などをフォローします。そのアカウントでチェックしたい人のアカウントのホーム画面をみると、自分が重要と考えている人からどのくらいフォローされているかがわかる、というわけです。日本語教育関係者にはフォローされていないけど、言語学関係者からのフォローは多い、ということが分かったりします。
有名人
日本ではツイッターやインスタで100万人を超える人はわずかで、その他はたいてい10万人をこえるかどうかです。ネットの中だけで有名という人のほとんどは数万人です。
ツイッターのメイン舞台、つまり「ツイッターで話題」みたいなことは、フォロワーが10万を越えるような人達がどの程度言及したりRTしたりするかで決まってきます。フォロワーが1万を越えると、あるいはツイートのRTが千を超えるとクソリプもたくさん飛んでくるようで、この人達は炎上対策も上手です。炎上の対策の王道は「無かったことにする」というものなので、検索してもなかなか出てきません。ツイッターに限らず、ネット上の炎上の記録はあまり無く、今のところtogetterで探すのが効率がいいようです。
Googleで「**に関連する まとめ」の**に名前を入れてこの2語で検索すると、togetterのログが出てきます。
日本語教育クラスタの一部に人気がある人達で調べてみると、いろいろとヒットします。フォローするかは、検索をしてからにしたほうがいいかもしれません。
👉 togetterのサイトで、タグやタイトルで検索するともっといろいろ出てきます。
日本語教育関係者
日本語教育関係者は最大でもフォロワーは1万くらいなので、ツイッターの表舞台ではなく、隅の小部屋のパーテーションで仕切られた一角、くらいです。Togetterは、自分でまとめを作らないかぎり作られません。
日本語教育関係のアカウントを紹介する記事はいろいろあるようですし、ツイッターの検索窓で「日本語教師」「日本語教育」で検索して「アカウント」をクリックすれば、有名アカウントは出てきます。私どものアカウントも含め、玉石混交ですし、最初は30くらいまでにして、自分の好みで選んでみてください。その中で、いいなと思うアカウントがフォローしているアカウントをフォローしてみる、という増やし方が一般的だと思います。一ヶ月もやれば、だいたい日本語教育関係者のアカウントは網羅できると思います。日本語教育関係だけに絞ると、アカウントそのものは1000近くあると思いますが、日常的に投稿するようなアクティブなものは、2019年の時点でも500程度ではないかと思います。鍵アカも多く、3割くらいではないかと思います。日本語教育関係者は日本語そのものに関する話題は少ないという印象です。
フォローしてタイムラインをみるという使い方だと記事を追えるのは300くらいまでですが、リスト中心に読むならもっと多くカバーできると思います。もちろん無理にフォローしなくてもリストだけで読むのもありです。
どんな人なのか調べる
肩書きはそれほど役にたちません。教授、准教授、なんとか専門家、なんとか協会会長、みたいな肩書きは日本語教育業界にはたくさんあります。ネット上のデマはこういう種類の人への盲信から始めることが多いということを念頭に置いておいたほうがいいと思います。残念ながら日本語教育でも同じだと思います。フォローする人をすべて調べるのは大変ですが、ツイートをみていてなんか変だなと思ったら、その人を深掘りしてチェックしてみてください。
👉 例えば、日本語教育関係者が語る著作権や個人情報保護のことは基本信用しないほうがいいと思います。
肩書きよりも過去にどんな発言をツイッターでしてきたかのほうが重要かもしれません。
慎重を期すなら、高度な検索で、その人の過去のツイートを検索できます。例えば、真ん中あたりにある空欄の「次のアカウントが送信」にその人のアカウントを指定して一番上の「次のキーワードをすべて含む」で検索すれば過去にその語を使ってツイートしたかが出てきます。「次のキーワード全体を含む」なら、入れた語と正確に一致したツイートだけに絞り込めます。フォローしている人のツイートに疑問があったら、改めて、その人の過去ツイを検索するみたいなこともできます。例えば「バカ発見器」「クソ」「クズ」「老害」みたいな要注意の人が使いがちな語で探す方法もありますし、「みん日」「文型シラバス」「技能実習生」などで検索すれば、これまで関連の語でどういう発言をしてきたかも見ることができます。この機会に、こういう語を使う人は要注意という語を考えてみて下さい。
👉 このことがもっと普及すると、ツイ消しも増えるかもしれませんが。
専門家であるかどうか
これは大学の研究者であればリサーチマップで出てくるはずです。大学に籍があっても名前も論文も出てこない人もいます。修士、博士とあっても同様です。このへんの解釈は、論文と研究者を参考にしてください。
研究者をさがす - researchmap https://researchmap.jp/researchers
「発言は所属組織とは関係ありません」
よく「発言は所属組織とは関係ありません」とプロフィールに書いているのをみかけますが、個人のアカウントであっても実名の場合は、日本語教育の世界では、だいたい、どこの誰かは、わかってしまいます。
しかし、むしろ「所属組織とは関係ありません」と書く人ほぼ、所属組織への忖度がにじみ出ることは多いです。日本語教育関係者はキャリアが長いと「お世話になっている省庁」というものができてきます。ネットに限らず、自分の所属機関だけでなく、この「お世話になっている省庁」に対する気の使い方は、よく見ているとわかります。特に、所属組織にとって都合の悪いことは言及しない、という忖度は、よく観察するとわかります。つまり、その人の資質は「何を語るか」ではなく「何を語らないか」によく現れます。結果として所属組織がわかるような人のツイートは、その組織の意向が結構すけてみえる、ということがあります。誰をフォロ-するかは、そのへんも考えつつ観察してください。
👉 一般に大学関係者は文科省、日本語学校関係者は法務省と文科省(文化庁)、国際交流基金関係者は外務省、就労系は特定技能は外務省(国際交流基金)、技能実習制度は厚労省、介護・看護は厚労省、EPAや海外就労系は経産省、みたいな省庁と関係が濃く。教科書も、みんなの日本語と凡人者は経産省系の組織が作ったもので今は独立して民間企業となっていて、まるごと、いろどりは、今も、税金、つまり外務省(国際交流基金)が基金の予算と特定技能の予算で作られています。
BOTというのは、投稿する原稿をあらかじめ用意しておいて、6時間毎などと指定して自動的に流す仕組みで、自前でスクリプトを書く方法もあれば、無料のBOTサービスを利用する方法もあります。BOTだけのアカウントもあれば、手動のツイートとの併用もあります。併用アカウントのBOTと手動ツイートの比率もさまざまです。
例えば、一ヶ月前にツイッター上で話題になったものを投稿するBOTなど、おもしろい切り口のものもあります。語学系で有名なのはいろんな言語のことをつぶやく「★★語たん」でしょうか。こちらのリストにいくつか登録しています。院生がやってるケースが多いようで、たまに専門家からツッコまれてアカウントを消したりということもあります。擬人化はいつも女の子になるのはどうなのか?みたいな議論もありますが、ためになるアカウントであることは確かです。「言語」にも追加しています。他にも言語学系のBOT的なアカウントもあります。
ただ、BOTは、違法性が高いグレーゾーンのものが多いという難点があります。特に、著作権違法の画像や動画、過去にバズったツイートのパクリなど、問題も多いところです。そういうアカウントをフォローしたり、RT、イイネをすると、著作権理解が甘いというレッテルを貼られてしまいますので、注意してください。単なる愉快犯みたいな人もいますが、ほとんどの場合、そうやってフォロワー数を稼いでビジネスに活用するために作られています。災害時のショッキングな動画などもありますし、インパクトが強い動画や画像を日時をごまかして貼るケースも多数あります。
いずれにしても、違法性が高いものはスルーが正解です。
日本語教育でも、誰かが作ったBOTが放置されている例が結構あります。以下は代表的なものです。検索するとひっかかるので迷惑でしかないです。「ツイートを報告」でツイッター社に通報すればそのうち消えるかもしれませんが、いたちごっこなのでスルーしかないようです。
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👉 BOTは学習用のアイデアへの応用もいろいろあります。
👉 2022年2月からツイッター社は問題がないBOTに認証マークを付けることになりました。ホーム画面に Automated account とあれば認証すみということらしいです。ただ100%確実かはわかりません。
以下は日本語教育以外のアカウントを中心に集めたリストです。 https://twitter.com/webjapanese/lists
日本語教育関係者は日本語に関する投稿や議論は少ないです。言語学や翻訳など他ジャンルの人のほうが明らかに多いと思います。Togetterの言語関連のまとめにこれまでの日本語関連のまとめをピックアップしていますので、覗いてみて下さい。
その他、法人かどうか、学校法人か、告示校か、肩書きに書いてある、医師免許を持っているか、行政書士か、弁護士か、特許があるか、などなど、「*** 検索」などで検索すればちゃんと調べるページが出てきます。気になったらググりましょう。
相手や自分をどう呼ぶか ネット上には、昔からやんわりとした共通認識があると思います。ネットならではというより国際的なルールである「相手が呼んで欲しい呼び方を使う」というものに準じているともいえます。
初期からいろんな流行り廃りがありましたが、今のところ以下の3つの方法が多いようです。
スクショツイートはスマホなどだと簡単ですが、PCだと慣れてないと難しいかもしれません。窓フォトなど、範囲を指定して画像化できるソフトを使うことが多いです。
ブログやnoteは、サービスが終了するとURLはリンク外れになるリスクはあります。
リアルタイム文字数カウント表示簡易エディタ 【爆速無料】文字数カウントアプリ11選【エクセル・ワード以外】
投稿、リアクションにおけるツイッターの「文脈」 一般的な投稿
ただの投稿とリプと引用RTは違うと理解されていますが、人によって解釈が結構違います。「ツイッターは気軽にリプライするもの」と考える人もいますし、「リプは街中で知らない人にいきなり意見するようなもの」と考える人もいます。SNSに慣れている人は後者の解釈をとる傾向がありますが、いずれにしても、ネット上でやり取りをすれば「知らない人」ではなくなるわけです。リアルで知らなくても、ネット上で知り合えば、友好的であればリプはOKと考える人が多数ということは言えそうです。
急に挨拶してくる人
あいさつがわりに「とても興味深いツイート、いつも楽しみにしています」などとリプしたり、ツイッターデビューという自己紹介投稿にそういう挨拶的なリプをしてくる人もいます。注意すべきは、この中にはネットビジネスのカモとして育てていこうみたいな人もいるということです。ビジネスに結びつけなくても、ネット上の「仲間」に入れようみたいなこともあります。SNS上では誰も「その人は気をつけたほうがいいよ」と言ってくれないので、自分でプロフや過去のツイートをみたりしてチェックするしかありません。ただ、たいていの場合、それくらいではわかりません。
もっと間接的な親しみの表現としてイイネ♡を使う人もいます。そこからあいさつ的なリプに移行して、ゆくゆくは普通にリプをする仲に…というプロセスを踏むわけです。
自己紹介やリアルで起きたことについての投稿は「つぶやき」の範疇ですが、ツイッター上のことについて言及するとなると、ちょっと違ってきます。RT(リツイート)やイイネも、ある種のツイッター上のことに関するリアクションです。
投稿じゃなくても、RT、イイネ、フォローすること自体がある種の相手へのメッセージになります。
他のツイートに対してなにがしかの意見表明をする手段がありますが、ツイッターではだいたい以下のような使われ方をしているようです。
共感というワードは人によりいろんな解釈がありそうで日本語としてはくせ者です。プロフィールなどで「RTは賛同ではない」と書いても、一般的な受け取り方はだいたいこうなっているという意味です。SNSでは外に向けての個人ルールの理解を期待するのは難しいです。ブックマークは一時的なものとして使えそうですが、ただズラズラと並べるだけなので使い勝手は悪そうです。
2010年代後半から2020年代にかけて、RTすることが違法性を問われることなども起き、RTよりイイネをする傾向が強くなっているように思います。
初心者を脱するようになると、いろいろ使い方が変わってきます。実名でなくてもクラスタ内ではなんとなく「あのアカウントはあの人」ということになってくると、なおさらツイッター上の関係は社交上維持しつつ、使い勝手を考えるということになってきます。
以下は、RTやイイネはしない、フォローもしない、という決断が重要です。
2000年代の初期は引用RTそのものが無く、引用する人が、全文ではなく一部を切り取ってするタイプの引用RTが多かったですが、引用は全文であるべきだといことから、今の全文引用のRTの仕様になっています。現在も切り取り引用はコピペでやればできないことはありませんが、かなり減ってきました。
SNSの使い方が自分のブランディング目的になってくると、単なるRTは減ってきます。他の人のツイートを評価するにしろ批判するにしろ、引用RTで、自分のコンテンツにしたい、というような気分になってくるようです。そういう人のホーム画面に行くとほぼすべて自分のツイートになっています。
そういうタイプの人を除き、引用RTよりも通常のRTのほうがフェアだという考え方はじわじわと広がっているように思います。引用RTはトラブルの元でもあり、特にネガティブなものは、減ってきました。
2010年代後半の「荒れたツイッター時代」を経て、SNSの仕様は、小さなコミュニティの仲間内で楽しくやる場のためのものへと向かいつつあります。
ただ、一方で、私たちが何かを感じ、考えるのは、ほとんどの場合、何かによってそれを喚起されたからで、世界で起きていることを報道で知り、何かを投稿するのも、言ってみれば現実を引用RTしているようなものではないかという気がします。報道も、また現実の引用RTであり、それによって社会に問題が起きたり、海外で戦争が起きたことを知る。時に個人のツイートでも知る。何かを書く際に、引用元を示すことはどちらかというとフェアな態度といえます。賛意であれ、批判であれ。
しかし、ツイッターでは、引用元を示すという行為が微妙な意味を持ち始めています。何かを投稿する際に、なにが元になってそう考えたかは、明確にしない方向は強くなってきています。#なんか見た というハッシュタグは、「分かる人にはわかる」という引用元の特定ですが、エアリプの比率も圧倒的に増えています。そもそもRT時代が激減しており、イイネにとってかわられています。こういう空気は支配的になりつつあると言えます。
日本では引用RT、結果として炎上のきっかけとなったりするもの、という認識が強くなりつつありますが、公の場に投稿されたものを、全文引用+投稿元のURLを明示した形での引用は正統なものであり、オープンな議論に必要な仕組みで、それは可能な限り公開されるべきだという考えがあるのだと思います。コミュニティのようなクローズドな場においても、そこは例外ではない、それをやりたいなら、Slackのような最初からクローズドな場所を、ということかもしれません。ビジネス的な棲み分けもあるでしょうけれども、SNSがデマやフェイクの発信元になれば信用を失うという側面もあるので、そこは結構、微妙な均衡があるということだと思います。
2020年にツイート投稿時に「全員」「フォローしているアカウント」「@ツイートしたアカウントのみ」の3段階でリプライを制限できるようになりました。余計な乱暴なリプなどが来ることを防止する機能だが、これを利用して、制限した上で、結構乱暴なことを言う人も増えました。なんとなく雑な、脇が甘いツイートだなと思って、制限がかかっているか調べると(リプを選択してみればわかる)、やっぱり制限しているというケースがよくあります。
これを使うかどうかは、その人のツイッターに使い方次第です。時々「失言癖がある人は使おう」という説明をみかけますが、制限しても読まれることは間違いないので、たいした効果はないという気もします。拡散こそされにくいですが、悪印象は蓄積されます。微妙な機能という気がします。
ハッシュタグは使われる投稿が多いとトレンドに表示されバズるという仕様になっていますが、このトレンドは、ユーザーが何をフォローしているかなどによって解析される「関心事は何か」によって変わります。つまりユーザーによって違いがあるのですが、多く使われると「多数が関心を寄せている」としてトレンドに載る可能性が高くなります。
しかし、テレビ番組やアイドルが好きな人達は、自分が好きな人をトレンドに乗せようと、また、政治的なメッセージを載せようと、無理矢理ハッシュタグ入りでツイートをすることが増え、次第にトレンドに意味が薄くなり、結果、ハッシュタグが話題の大きさの指標として信用されなくなり、一般の人の興味は薄れていきました。
現在、ハッシュタグはあまり活用されなくなってきているという印象ですが、話題を分けたり、特定のことについてディスカッションをする場合は便利なので使われています。しかし、2020年代はコミュニティ機能の登場で、話題を分けることができるようになり、また使われなくなりそうな気配もあります。
使い方
使い方はググってみてください。投稿画面で作ってみて、青くなったら成功です。初心者は結構つまずくポイントがいくつかあります。ツイッターやインスタでやや仕様が違います。ここではツイッターの使い方で。
# に続けて文字です。半角全角どちらもOKです。「いげた」で変換されます。 続ける文字は、日本語、アルファベット、数字です。記号はアンダーバー「_」のみ。 ハッシュタグの前後は半角か全角でスペースを入れる必要があります。(文頭、文末の場合はそれぞれ最初と最後は省略可能) 複数の語を使う場合はアンダーバー「_」で繋げます。 ハッシュタグにならないケース
です。数字や記号を使ってしまう失敗例が多いようです。
仲間内でハッシュタグを作る場合は簡単なものだと、他のものと重複する可能性があるので、あまり使われないようなものを考えたほうがいいです。日本語と英語の組み合わせだと短くても使えることが多いです。
エアリプというのは、リプや引用RTのように、特定のツイートや意見について明示しないまま、その話題についてツイートするという投稿のことです。直接やり合うつもりはないけど意見を言いたいという時に使われます。これは「直接じゃないからスルーしてくれ」というニュアンスが込められているという了解があります。2010年後半から増えたような印象があります。
エアリプより若干、何に対する意見表明かを出すハッシュタグもあります。
#なんかみた #なにかみた #何か見た
というハッシュタグです。いずれも「これはエアリプだ」と示したいという考えがあり、そこそこネット上であるいは、クラスタ上で話題になっていることに使われます。これも、話題に追っていない人にはわからない可能性があります。これも、直接の言及じゃないから、返信不要。スルーしてくれ、というニュアンスもあるようです。ハッシュタグはあまり使われなくなりつつありますが、これは生き残ってます。
フォロー関係ができ、投稿するようになると、イイネやRTがつくようになり、そのうち、投稿するたびにイイネやRTされるか気になってきます。最大の「SNSあるある」で、たいていの人がかかる「はしか」のようなものかもしれません。
誰かに評価されるのは単純にうれしいことですし、悪いことではないと思うのですが、ただ、だんだん病が深くなる人もいます。フォロワーを増やしたい、そのためにもRTやイイネを稼ぎたい。自分が承認されたような気分が高まります。
ということで、だんだん、RTされるようなこと、イイネされるようなこと、フォロワーが増えるようなことを、投稿しようということになっていく人がいます。その場その場で、タイムラインの空気だけよんで、共感を得られそうなことだけを考える。それが自分の思いや考えよりも優先されるようになる。等身大の自分からだんだん離れていき、SNSで支持されるような自分を自分でブランディングするようなことになっていきます。
当人だけでなく、周囲もタイムラインの空気の中でこの人、ついこの間言っていたことと矛盾するのでは?ということに気がつかないので、だんだん緩くなってきます。このへんはSNSに深入りするとマズいところです。
👉 よく「SNSで自分をブランディングして**稼ごう!」みたいな本があり、それを読んで始める人もいるようですが、そういうことを知らなくても、自分が認知され、承認され、賞賛されるという高揚感が制御できなくなっていき、自己ブランディング的なことに染まっていくことは結構あります。それに酔うだけか、セミナービジネスなどに結びつけるかの違いだけかもしれません。
「この絵カード、全部自分で作ったんです。朝4時までかかりました」って言ってる #日本語教師 がいました。
— HAIBARA📚日本語教師 (@HaibaraMLJT) April 8, 2023
でも、同じような絵はみん日やいらすとやにもあるし、別に絵が上手なわけでもありません。
では、この人は何のために自分で絵を描いているのでしょうか。答えは明日。
分かる人はリプ欄へ。
翌日の回答は昨日の答えは「自分で描いた絵を見せたいから」それだけ。というものでした。仕事で得意なことが生かせて、テンションがあがることは普通にあることでは?という気がしますが、それさえ嘲笑の対象にしようとすれば可能な例です。この種の「自動でできるのに人力でやることを嘲笑する」のは90年代から続くもので、誰でも簡単に、永遠に、作ることができます。AI時代は、自力でやろうとすることは何でも嘲笑の対象になりえますし。
しかしAI自身(23年4月ChatGPT3.5)は、あまりそういうことはしないようです。
イイネの数を追うようになると、無意識のうちにこういう「ウケそうなこと」を探すようになってきます。例えば、日本の場合、SNSはキーボードやフリックなどの入力のハードルがあるので、SNSを使う人は、ほとんど1970年代生まれ以降です。マジョリティは10~40代。2020年代なら50代。60代以上はかなり少ないので、基本、高齢者の悪口は歓迎されます。
そこそこデジタルに詳しい人しかないわけですから、当然、デジタルを使えない人の悪口も歓迎される。どこか、ネット上では数的にも圧倒的な与党なので安心して書けるという心理があると思います。
単なる楽しく欠席裁判をしているようなものですが、一見、上の世代に反抗する、なにか過激な行動、言動のような印象も保てる。この2つは鉄板といえます。
例えば、日本語教育に限らずSNSの世界で多くイイネされる投稿には、以下のようなものがあります。
のうちのどれかの要素が入っていて、かつ
みたいな要素があり、全体にポジティブな文脈、色づけがなされていると「正面からの悪口ではない」とされ、拡散されやすくなります。
これらは、日本語教育関係者でフォロワー数が多い人が好きそうな投稿でもありますから、そういう人にRTされたりする可能性も高く、コツコツ投稿しつづければ、特に中身がなくても、1年で数百人のフォロワーを獲得するのは難しくないと思います。ツイッター生活も3年、4年と長くなると、そういう投稿は「ああ…やってるな…」と分かってくるものですが、やはりそこそこにはバズりやすいので、定期的に繰り返されます。
👉 「まだ~てるの?」文型はネットで根強い人気があります。
こういう書き方に慣れてくると、デジタルが苦手な人を「(あの)アナログな人達」と呼んだり、自然にみん日の導入をわざわざ「小芝居」と呼んだりするようになります。こういう、賛同者がニヤリとするような揶揄を入れる姿勢が対話に発展することは難しいですが、元々対話を目指したものではなく、演説にイイネがつくかどうかだけが目的となってきている、というわけです。タイムラインは荒んでいきます。
👉 語学教育の議論では、モチベーションが低い学習者、ハンデある学習者を、「努力が足りない!」と追い詰めてはいけない、どうやって導いていくかだ、と盛んに語られますが、同業者に対しては嘲ったり揶揄したり切り捨てたりになるのは不思議です。
SNSで多いのは「今日、こういうことがあった / こういうことを言われた 怒っている / 感動した」という個人的な投稿です。
これに「ひどいですね」「共感します」「それはよくないです」「犯罪です」「怒りを禁じ得ません」「素晴らしいですね!」みたいな反応が起こる。SNSのメインディッシュと言ってもいいくらい頻繁に目にします。しかし、注意すべきことがたくさんあります。
投稿で起こったとされることは、投稿者によって切り取られた事実に過ぎません。ジャーナリストは評価とは別にファクトは切り離してみて、正確に描写するという訓練は(一応)受けており、それを公開するまでに、第三者のチェックが(一応)入っている。それでも注意すべきですが、一般の人はそういう視点は持っていないことがほとんどです。
また、SNSにおいて、こういう話題で悪者としてターゲットになりがちな「高齢の中高年、権力者」は、ネットを活用しておらず、SNS上では発言権も無いことが多いです。投稿者は、それをある程度見越している、つまり「私の投稿はこの人の目に入ることは多分ないだろう」と考えて投稿することが多い。つまり、投稿の登場人物が、この投稿をみて、反論することはほぼ無いということは、投稿者も「イイネ」をする人も、頭の中にうっすら持っている。(例えば投稿内で「××学校の理事長」みたいなことが示唆されており、学校の公式アカがあり、本人に届く可能性がある場合は投稿されないことがほとんどであり、仮に投稿されても、リプはほぼつかない)。
👉 2020年代であってもデジタルデバイドということもやはり念頭に置くべきだと思います。デジタル化が進めば進むほど、格差は広がっていきます。
仮にもう一方の当事者が現れて反論したとしても、より複雑になるだけです。つまり、この投稿に、投稿を読んだだけで、いいとか悪いとジャッジをすることは無理です。
この種の投稿は、そもそもしないほうがいい。LINEで知り合いに愚痴るならいいかもしれません。しかし不特定多数が目にする場で、そこで共感を得たいと投稿するのは疑問です。その起こったことが本当に酷いことで、投稿者が信頼に足る人や知り合いであっても、この話題で何かの教訓があると思っても、結果として何かの意見が生まれても、上のように曖昧な部分があるならば、それが何かに発展するとは思えません。投稿も、リアクションしないのが正解だと私は思います。
しかし、火事と喧嘩はSNSの花、というところが多分にあります。共感を追い、イイネを求めるという意識は誰もが持っている。こういう投稿は、今後も起き続けます。SNSはどういう場所であり、こういうことが起きるか、こういうことが起きた時に、どう振る舞うかというスタンスは決めておいたほうがいいと思います。
さらに考えてみる
これまでのことを大前提に「怒りの投稿」について、もう少し考えてみます。SNSは正当な怒りの表明をすることができる貴重な場所でもあるとも言えます。
まず考えられることは
ならば、当然、投稿して意見を表明したり、それに賛同したり反対したり、ということはできると言えそうです。例えば批判されている対象の人が反論でき、それも共有される可能性が高いほど、フェアな話題と言えそうです。ただし、投稿するならば、きちんと前後の文脈が辿れて、ファクトに近づく努力は必要ではないかと思います。SNSでは、ここがサボられがちです。だれかの切り取りを受けて発言してしまい、ソースやファクトが辿られず、議論が迷走し、きちんと進まないことが多いです。時間がとれないなど、これがきちんとできないならば、投稿しないという選択をしたほうがよいと思います。なんでもパッと感想を投稿するのは、自分がこの種の話題に敏感で、この種の話題では、こういうスタンスの人間であると表明したいという心理が隠されているように思います。起きたことへの関心より、自分のブランディング優先という意識が見え隠れします。
👉 ファクトの認識が曖昧なまま炎上となり、事実関係が明らかになると、なんとなくウヤムヤのままになるという例では、事例 2020年 学生支援緊急給付金問題がありました。
は書かれるべきだろうと思います。SNSでは、(ネット上に出てるような理由で)私も怒っているのだ、とここはよくサボられがちです。しかし、ネット上に出ている理由はいろんなバリエーションがあり、その投稿者がみているタイムラインにも偏りがあります。「なんとなく共有されている」と考えるのは間違いだと思います。あらためてきちんと自分の意見の論拠は示すべきです。これを書くためには、ある程度自分の考えを整理して言葉にしなければならない、これは面倒なわけですが、まさに、そういうことをきちんと表現できることが語学学習のひとつのゴールでもあるわけなので。日本語教師は、それをできなければいけないし、サボれないところではないかと思います。
👉 日本語教育関連では、例えばこういう炎上がありました。DV関連の問題例で炎上?→改訂へ(22)この炎上では、英語では怒りの理由が表明されることが多少ありましたが、日本語の日本語関係者による投稿では、「何が問題でなぜ批判されるべきなのか」はほぼ示されませんでしたし、そもそもどういうことだったのかを検証もきちんとされないままでした。批判の理由の説明が曖昧に放棄されるのは日本語のSNSの特徴のひとつだと言えるのかもしれません。
何かの話題についてパッと書いて投稿できるのがSNSのいいところですが、何をどう投稿するか、あるいはしないか、は、常に公開されています。パッと投稿しても、気が向いたら削除して無かったことにもできますが、100人フォロワーがいれば、少なくとも数十人の人が目にすることになります。考えたり、感じたりをしても、それをパプリックな場所に投稿するには時間をかけたほうがいいと思います。そして、常に最も有力な選択肢は「投稿しない」ということではないかと思います。それでも何か意見を表明するならば、多少は時間をかけたほうがいいです。
慣れた後のおさらい
キュレーション
ネットの情報収集で陥りやすいところですが、ネットの情報収集を誰か他の人に預けないことも重要です。2010年代の初期に流行ったキュレーションという語があります。ネットには情報が溢れているので自分がそれを上手に選択して整理します、というような意味で、それをやる人をキュレーターと呼びます。現代美術などから来た語です。
しかし、キュレーターを名乗る人は次々と炎上し、間違い、信用を失って消えていきました。例えば日本語教育の情報を収集し、善し悪しを判断するのは、実は、とても難しい作業です。セミナーのテーマの問題設定は正しいのか、講師はそのことについて専門的な知識を持っているのかをジャッジするのは不可能です。現在は、情報は、自分で集めて自分で善し悪しを判断するしかないということになったと思います。
ただ、今も、この語は「キュレーションサイト」みたいな形で残っています。一人、あるいは数人のグループで無数のジャンルに関するページを作り、1記事500円でライターに外注して作らせる、300くらいそういうサイトを作って更新作業を続けていけば、そこそこ収入になるというビジネスモデルです。ネットで台所用品などで検索すると、この種の「キッチン用品ランキング2022」みたいなサイトが山のようにでてきます。こういうサイトは検索の上位に表示されることだけを考えて作られたページで、広告収入が目的なので内容なスカスカです。ここ「数年のググっても何もわからないネット」状況はこのゴミみたいなサイトの乱立が大きく影響しています。
プロフに気をつけても、投稿記事を100くらいみれば住所などはかなり特定できると言われてます。しらないうちに漏らしている個人情報は多いです。「気にしてたら楽しくない!」というのもわかりますが、住所特定を業務にしているネット興信所みたいなビジネスは多いですし、ストーカー被害なども起きているので注意が必要です。
住所は、天気、地震関連や電車が遅れたみたいな投稿は、数回するだけで市ぐらいまでは特定できると言われています。 写真に写っているもの(電柱、ガードレール、看板)など、いろんなものがヒントになってしまいます。最近は解像度が高いので拡大すれば電柱の住所がみえたりします。 初期は「**なう」というような今どこにいるかを投稿するのが流行りましたが、これも有名人でなくても、リアルタイムでは投稿しないほうがいいと思います。カフェにいる的な投稿は、最低でも、そのカフェを出てちょっとしてからにしましょう。
Twitterの画像表示が変わったらしいので、1〜4枚それぞれに適している画像比率や特徴をまとめてみました。作品の「みせ方」に正解はないですが、ご自身の作品や写真の魅力を引き立ててくれる枚数や比率がきっとあると思います。投稿時に参考になれば嬉しいです。 pic.twitter.com/VUVoZgv61N
— TAKUYA YONEZAWA | 画家 (@takuyanokaiga) January 11, 2023
上は2023年1月時点のものです。
ツイッターに貼り付ける画像のサイズは何がいいのか、どうすれば、上下が切れたりせず、きちんと表示されるのかは基準がありますが、ツイッター社はたびたびその基準を変更します。これはユーザーのモニターの解像度やサイズによって調整されるので仕方ないのですが。
以下はツイッターにアップする画像についてです。
新聞やブログなどでは、その発信元の設定次第ですが、ブログでは「ツイートされた時に使われる画像」を設定することが多く、それが使われます。これがないものは、適当に大きな画像が使われたり、無しになったりになります。
動画やプロフィールの画像など、他にもいろいろありますが、そのへんは検索してみてください。
初級編で書いたリストで読むという方法は中級者以降では多いです。フォロワーしたりされたりが増えるとタイムラインで読むのは大変になるということもありますが、初級編で書いたように、非公開リストも活用すれば、ネット上の対人関係からも解放されるという側面もあり、気楽ということもあります。 タイムラインは見ずに、3つくらいのリストを巡回するのが、ツイッターの使い方という人はかなり多いはずです。
さらに複数垢を使う人も増えてきます。
「裏」などと言うと、怪しい印象ですが、今は複数アカウントを切り替える機能もツイッター社が提供していますから、複数のアカウントを持つのは普通のことです。「別アカ」と呼ぶことが増えました。
例えば、ブロックされたら相手のツイートは読めなくなりますが、サブのメアドなどで簡単にもうひとつのアカウントを作れば読むことはできます。公開アカで非公開リストで読めば相手に知られませんので、読むためだけの別アカを作る人は結構多いと言われています。非公開にすると「非公開からのフォローはお断り」という人がいるので、公開アカで非公開リストで読むのが便利です。
その人のツイートが見たくない場合はフォローを外せばいいんですが、最近はリストで読む人が増えているせいか、フォローをする / 外すという行為はあまり行われないようです。
そこで、ブロックとミュートが多用されるようになっています。これは、より強い拒絶の方法です。みたくない人のツイートはフォローしなければ、あまりタイムラインに流れてきませんが、RTされたりすると目にすることになります。また、自分のツイートを引用してあれこれと悪口を言われたりすることがあり、これらを防止する機能として有効ということもあり危ういことを投稿しがちな人ほどブロックを使います。
ブロックは相手に自分のツイートを表示させなくする機能です。
自分がブロックされているかどうかは、相手のホーム画面をみればわかります。Togetterなどで相手のアカウントのITを見つけたら、それを https://twitter.com/★★/ の★★のところに入れると、その人のホーム画面になります。ブロックされている場合、ブロックされていますと出ます。
👉 自分が誰にブロックされているか気になると思いますが、それを一覧などでみることはできません。誰にブロックされているかわかるという触れ込みのアプリやサービスなどは、ほぼ100%、個人情報を盗むための詐欺です。仕様を理解してないとトラップにひっかかるという例です。
ブロック機能は、スタート時からありました。ただし、2016年までは、ブロックは、その人のツイートは見えなくなりますが、自分のフォロワーがRTすると、タイムラインに表れました。つまり自分が気に入らない意見であっても、自分が認める人が賛成すれば目に入るという、ある意味では、フェアな仕様でした。
しかし、その後、乱暴なリプライなどが増え、目にしたくない方法としてじょじょに厳しいものになり、ブロックすれば、相手は読むこともRTも、引用することもできなくなっています。これによって批判として引用することはできなくなりました。議論の活性化にはマイナスですが、やむをえない仕様変更でした。
👉 炎上しがちな人は、自分に批判的な人に対してブロックを多用します。引用して批判されるツイートが拡散されるのを防ぐためです。批判を避ける手段としても活用されているというわけです。
ミュートは、ブロックの穏やかバージョンとして2014年に追加されました。相手に知られず、相手のツイートをタイムラインから消すことができます。当初はタイムライン上だけでしたが、他の人のRTも、検索結果も、と対象は広がっていて、一旦ミュートすると、そのアカウントが世界から消えるようなことになってきています。
ミュ-トは、アカウント、キーワード、会話の3種類のミュートがあり、対象になるアカウントや嫌なワードを登録すると、そのアカウントやワードを含むツイートは完全にタイムラインから消えます。ミュートしているアカウントは自分がミュートされていることを知る方法がありません。しかしフォローしているアカウントの場合は、リプなど会話関連は通知が来ますから、リプライには気づくことができます。例えば実名アカウントの場合、フォロー関係など表向きのことはあまり自由にできないけど、非公開リストとミュートを利用すれば、ネット上の関係は一見続いているけども、実質的な関係はないものとして使い続けることができる、というわけです。
このミュートという機能が登場したことは、ツイッターのコミュニティ形成に地味に影響を与え続けていると思われます。ツイッターの中で、不愉快なツイートは排除しつつ仲間内でやり取りをするコミュニティを作りやすくなったと言えます。また、ブロックは、ミュートすればいいのに「わざわざやる行為」となり、かなり強い拒絶の表現と捉えられるようになりました。またフォロー解除する必要もなくなったので、フォロワー数の価値も下がったと思います。
時々「SNSは気分よく使いたいからね」という投稿を見かけることがありますが、これは、そこそこ有名な人をミュートしたよ、ということを暗に示しているケースが多いようです。ミュートしていることは公言されることは少ないですが、音声や動画チャット、DMなどで「あいつの投稿はダメだから私はミュートしているよ」とジワジワと都合の悪いアカウントをミュートするように広めるみたいなことは行われているようです。
👉 アカウントのミュートとキーワードミュートともうひとつの会話ミュートは特定のツイート関連のリプライなどをミュートする機能です。自分のツイートが多数RTされた場合などに、リプライや巻き込みのツイートなどが増えた時に便利です。
👉 自分がミュートされているかどうは、わからないようになっています。
ブロックは自分も相手もツイートを読めなくなる機能でコミュケーションをシャットアウトする方法です。ブロックしたことは相手に知られます。ミュートは表面上の関係は維持しつつ密かにタイムラインやリスト上で相手のツイートを消すことができます。フォロー関係を維持しつつツイートは読まないなら、ミュートが便利と考える人はいます。
ブロックはあまり使われなくなりましたが、ミュートの登場で、ブロック自体が相対的にかなり強い拒絶の表現ということになりつつあります。また、フォローを外さないままでツイートを避けることができるため「フォローを外す」という行為も減ったようです。酷い炎上しても、フォロワーが減らないという現象が起きています。
RT、埋め込みはセーフ
ツイートそのものをブログなどに貼ったり、埋め込んだりすることを著作権違反とする意見はほぼ見当たりません。これはRTとほぼ同じ行為とみなされるようです。公的名場所に投稿されたものは、全文引用、引用元の明示などがあれば、引用されることは引き受けなければならない、という引用の原則の国際的な理解みたいなものがあります。
埋め込み機能はツイッター社が提供しているものであり、投稿者はアカウントを作る際に、ツイッター社の著作権の項目に同意している。よって公式の埋め込みはツイッター社の著作権に関する見解でも認められている行為とみなされているようです。オリジナルの所在がハッキリしており引用としてみなされ事前の了解も不要だという見解がほとんどです(ただし貼り付けた画像や動画が投稿者に著作権があるか、新聞記事からの引用などの場合に限ると思います。所在がはっきりしない画像や動画などは多分ダメ)。
ただし、明らかに引用の範囲を超えた中傷目的であるなど、問題がある場合、埋め込みで引用したツイートを削除しろと言われたら、当事者間の話し合いになるのではと思います。引用の方法がフェアなものではなく、不当におとしめることを目的とするものであるなら法的に問題となる可能性もあるとのこと。
TwitterでのTweetの著作権について… Togetter https://togetter.com/li/355934
Twitter サービス利用規約 https://twitter.com/tos?lang=ja#updateintlContent
スクショの引用は著作権侵害?
スクリーンショットによるツイート引用は著作権侵害との判決(栗原潔) - 個人 - Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/byline/kuriharakiyoshi/20211229-00274965
ネットに詳しい法律関係者からはかなり批判が出ていました。どうなるかはわかりませんが、また違う判決で上書きされる可能性は高いような気がします。
その後、異なる判決もでました。
ツイッターについて常識的判断を行った知財高裁判決:スクショを使っても著作権上適正な引用になり得る(栗原潔) - 個人 - Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/byline/kuriharakiyoshi/20221110-00323281
著作権侵害の例
人のツイートをそのまま自分のものとしてツイートするパクリ行為や画像などを勝手に使うことは著作権に違反しているという見解がほとんどです。ツイッター上には著作権侵害コンテンツが溢れてます。
などは、ほとんどのものが著作権侵害と言われています。RTはしないのが吉です。決定的瞬間や動物の動画なども、薬を飲ませたり、固定したりという虐待まがいのものから、編集で修正したものまで、まずフェイクの可能性があると考えたほうがいいと思います。仮に本物であっても、うかつに拡散することはその種のフェイクが金になるという構造を支えることになってしまいます。
英語圏でバズっている動画などを貼り付けて、日本語でちょっと説明を足してツイートする人達、というのがいます。これも著作権的にアウトですが「日本でも見習って欲しい」などと添えてツイートし、「考えさせられます」などということになって、なんとなくセーフになってる、という現象があります。ヒキの強い動画をパクってRTを稼ごうという意味で同じ種類のものです。
こういう例もあります。
「RTによる画像トリミングで著作人格権侵害」 知財高裁判決の意味と影響 弁護士が解説 - ITmedia NEWS https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1806/22/news016.html
日本語教育関係者がやりがちなものです。Facebookなどでは、日常的に学習者の画像が投稿されていますが、おそらく許可はとっていないはずです。また、テストのおもしろ回答、あの人(有名人)はうちの生徒だったみたいなものも、本人の個人情報ですから文書による許可がないかぎり訴えられたら負ける可能性が高いと思います。
原則として許可無く、個人が特定できる写真などをアップするのは訴えられたらアウトです。学校でそういうことをするところは、他の法律もあまり守られてない可能性が高そうです。
暴言だけでなく、個人情報を晒されたりといろんな被害があります。詳しくは様々な問題への対処でまとめていますが、重要なことだけ整理します。ストーカーなど現実での行為となると警察に相談したほうがいいです。
ネット上の暴言や名誉毀損だと警察はあまり扱ってくれません。今は、法律事務所でやってくれというスタンスのようです。しかし、いちおうサイバー警察や法務省の窓口などに「こういことが起きた」と送るだけ送ったほうがいいと思います。
2020年代は、SNSは小さなコミュニティ内で内向き志向になりそうです。そこで深刻な暴言や中傷を受ける被害は増える可能性も高いと思います。
まずは自分で動くことからスタートです。
相手が誰かわかっている時
相手が実名を出しているなら、ググって、どこの誰かを特定しましょう。わかったら、司法書士などに謝罪をとりつけられる可能性があるかも含め相談して「訴訟を含め検討中である」と内容証明を送ります。司法書士、弁護士、長く付き合うことになるので、何人かと話して前向きにやってくれて、信頼できる人を選んでください。ネットが専門というところもありますが、専門とうたってなくても、自分でネットを使っている若い世代でやる気がある人なら大丈夫だと思います。
👉 ネット上にそういう相談受けます、得意です、というサイトはありますが、近所で相談できる人を探したほうがいいと思います。ただしコンタクトしても返事がない場合もあります。弁護士は依頼を受けるかどうかは自分で決められるということになっていますので。
住所はわからないことが多いので、自分のアカウウントのDMを一時的に「誰からも受け付ける」にして、ツイッター上で、「内容証明をお送りしたいのでDMをお送りください。一時的にDMをオープンにしました」とリプをしてみましょう。所属先がわかったら「もしくは所属先経由でご連絡してもよろしいでしょうか?」でもいいと思います。相手がDMオープンでも、公開の場でやったほうがいいでしょう。あくまで冷静に淡々と。
ただし、これらのことをする前に、少なくとも次の開示公開請求の概要を理解し、最初の開示公開請求の文書を作り終えておいたほうがいいと思います。ただ相談から始めず、自分でも概要くらいは勉強しておかないと、ちゃんとやれないので。
詳しくは発信者情報開示請求を参照してください。ここでは概要とツイッター関連のことだけ。
ツイッターはブログの運営会社などと比べて、開示請求に応じないことが多いと言われていましたが、2020年代になってかなり変わってきたと言われています。ツイッター社の法的な窓口は以下に説明があります。
Twitterへの法的請求についてのよくある質問 | Twitterヘルプ https://help.twitter.com/ja/rules-and-policies/twitter-legal-faqs
発信者情報開示請求をして、特定することができます。定型文の書類をしかるべきところに送るだけなので個人でもできます。わりと通ります。様々な問題への対処を参照してください。 ただしツイッターやブログなどのサービス事業者は三ヶ月分くらいしか記録していないことがあるので、その三ヶ月の間に3往復くらいの請求をする必要があるので、早く動き出すことが重要です。 相手が投稿を消し、アカウントを消すこともあります。訴えるなどとは言わずにまず証拠を集め、記録しましょう。 削除されるまえにスクショをとり、ページを残すことが大事です。2種類のソフトを覚えておきましょう。簡単です。 記録するツール。無料で簡単で、似たようなソフト、アプリ、機能拡張はたくさんあります。スマホなどの全画面スクショ機能でも大丈夫です。
スクショを撮る:いろいろあります。窓フォトなど。 ページをそのまま残す:ブラウザーの機能拡張が便利です。これもFire shotなど 発信者情報開示請求は、まず投稿があった場所を提供している会社が最初、これが通って、記録をゲットしたら、次はそこに記載されているプロバイダに請求という2つのハードルがあります。クリアしたら、実名、住所がわかります。そこで損害賠償や名誉毀損で訴えるという手順です。
発信者情報開示請求は、2020年代になってかなり通りやすくなったと言われています。最初から弁護士に依頼すると、数十万かかり、賠償請求で得られる額より少ないということもあります。可能なら、すべて発信者情報開示請求を自力でやって、通ってから、弁護士や」司法書士に損害賠償請求を相談してみてください。これだと10万以下でやれる可能性があります。お金よりも、今後の安心のためにやったほうがいいということもあります。
👉 ツイッター社相手の情報開示請求は本社宛になるようなので、まずは法テラスなどで相談から始めることになると思います。一般的には地元の自治体で予約して2週間くらいかかります。早めに動きましょう。詳しくは様々な問題への対処を参照してください。
👉 暴言や名誉毀損をする人は、自分でもあまり自覚がないので、たいてい同じような被害にあった人がいます。被害を広げないためにも、訴訟はやったほうがいいと思います。
きちんと対処すると決めたら、ネット上では争わず、淡々と手続きを進めるほうがいいと思います。下手に調べたことを晒したり、進行中のことを書いたりしない。周囲も「名前をさらせ」「会社名を出せ」などと煽らない方が良いです。晒しても被害者にはメリットはないので。
以下、なんとなく共有されている感覚についてずらずらと書いてみます。
SNSは個人の好きなように使えばいいのですが「自分ルール」は基本理解されないということは頭の隅に置いておいたほうがいいと思います。
ある程度肯定的なものであるという色があるファボと違って、RTもフォローも元々賛同という意味はないのですが、RTは結果として拡散に協力することになりますし、フォローはフォロワー数となり、その人の発言力を強めることになります。「結果として拡散に貢献してしまう」ということは重要で、法律上もそう解釈されがちです。
自分ルールを設定しても、プロフを読んで「この人のRTは賛同じゃない」と覚えて読む人はほぼいないので、RTの一般的な理解はやはり「賛同」ですし、その人、ツイートにとってはメリットしかありません。特にフォローは「あの人もフォローしている」ということが分かるような仕組みがあるので、そのアカウントの信頼性を保証するようなことになります。そうしたくなければ、RTやファボはしない、読むのは非公開リストで、というのが無難な選択肢かもしれません。
2019年9月、名誉毀損の裁判で「RTは賛同である」という前提の判決がでました。 https://archive.is/W99xT
しかし、この判決は議論を呼び、今後、どうなるかはわかりません。今後もいろんな判決が出て、ケースバイケースだということになっていく可能性は高いと思います。
「いいね」名誉侵害認めず 伊藤さん敗訴、東京地裁 - 産経ニュース https://www.sankei.com/article/20220325-G2NK5WE6UVMT5AFM3LLO4DH2HE/
イイネは多種多様な使われ方があること、RTほど拡散要素が高くないという解釈もあっては上のような判決となりました。ただ、ブックマーク機能が出来て間もないので、「従来のイイネ的な使い方はブックマークでやればいいこと」みたいな解釈も成り立つので、危ういところかもしれません。一企業の仕様や方針がどこまで裁判に影響するのかは未知数ですが。
スパムフォローというのは、誰かが手動でやっているのではなく、ほとんどの場合、あるキーワードを設定して、そのワードをプロフィールやツイートで使った人のアカウントを集め、自動的にフォローするというプログラムを使っています。
自分がフォローされるということは、基本的にはうれしいことだと考える人が多いので、スパムフォローはそのままにしているところが多いですが、この種のスパムは、少なくとも最初の1年くらいは、まめにブロックしたほうがいいと思います。フォローされたらプロフと過去のツイートなどをみて、自分のアカウントをフォローする理由がないと思ったらブロックです。
👉 非公開アカウントにしても、スパムフォロー申請は来ます。拒否すればOKです。
👉 ハッキリしませんが、スパムフォローのピークは2016年あたりで今は少なくなっているような印象です。
30日以内ならフォロー関係もツイートも以前と同じままでログインするだけで復活できます。このことを知らないユーザーは多いので、炎上して「アカウントを削除します」と公言した後、ひっそりと復活している人もいます。フォロワー数が多ければ、宣伝アカとして売ることもできます。金になるわけです。
👉 これはインスタなど、同じような仕様があります。結構悪用されています。
中国では利用不可だが、いろんな抜け道はあるので利用者は多い。その他、いろんな国で利用不可、規制がある。EUは特に厳しく、14才以下はアカウントを作れず、ティーンエイジャーも親の同意が必要となっている。北米その他も州によっては同様の規制がある。
SNS規制が世界に拡大、マスク氏買収のTwitterに影響 | Japan Innovation Review powered by JBpress https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/70111
Twitter「EU規制を順守」 欧州委幹部と会談で - 日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR22CHP0S3A620C2000000/
【記事】 Twitterで「車を運転する権利」を支持した女性が懲役34年の刑に - GIGAZINE https://gigazine.net/news/20220818-saudi-women-right-prison/
【記事】YouTubeやX(Twitter)への投稿をめぐってサウジアラビアの男性に死刑判決 - GIGAZINE https://gigazine.net/news/20230831-saudi-arabia-man-death-penalty/?s=09
報道ヘリはジンバル安定化された超望遠カメラを搭載しているので、遥か遠距離から撮影しています。接近して撮影しておらずローター騒音で救助の声が聞こえなくなるという事はありません。報道各社に苦情を入れるのはお止めください。 https://t.co/aQ49GOXXwd
— JSF (@rockfish31) January 1, 2024
最も深刻なのは災害時の混乱です。天災だけでなくコロナのような事態もありました。遠い地域の紛争でも日本語教育関係者には身近かだったりすることもあります。Twitterはある種の興奮状態になります。
東日本大震災から10年が経過し、2020年代は、災害時にいかに共感を誘える投稿ができるかが、SNSのブランディングに重要だ、災害時こそがフォロワー数獲得の絶好の機会だ、と考えるタイプの人は増えています。
一緒になって騒がない
残念ながら災害時は過去の災害時の写真や動画を貼り付けたデマやフェイクは増えますし「こんなに氾濫しています!」というような投稿は必ず人気になって拡散され、結果として危険な行為を助長します。そういう動画を撮ったり、共感を得られるような投稿をしてこの際フォロワー数を増やそう、みたいな人も出てきます。災害時はお決まりの「*党の政策が」「*党の対応が」みたいなものも増え、SNSはある種の興奮状態になります。自然災害だけでなく、2020年のコロナウイルスの時も同じでした。
語らない
災害時のSNSで、特に自然災害などが起きている場合、最も推奨されるべきなのは「投稿も拡散もしない」だと思います。興奮してあれこれ投稿してもツイッター社のサーバーに負荷をかけるだけです。間違っても自分がキュレーターとして情報を整理して発信し混乱したタイムラインを静めなければ!などと考えないことです。 災害の興奮状態を利用して #新型肺炎 などとハッシュタグを入れて普段の自分の主張をからめながらアレコレ語る人も出てきます。これは情報収集する側にとっては単なるノイズです。
SNSではどういうことを語るかが注目されがちですが、どういうことを語らないかのほうが重要です。災害時は、語らない抑制が効く人であるかということが露わになる時期とも言えます。
拡散しない
知らない人の災害時の救急情報「今、**で3人孤立している」などの助けて情報、行方不明者、動物を探しているツイートは、RTしてもいいことはありません。過去にも「今、困ってます!」というような投稿が拡散され、ネットで話題になり「早く対応しろ!」と言う声におされて対応せざるを得なくなり、支援が集中して処理できなくなったり、発信できないところへの支援が遅れたりということも起こりましたし、「**(おむつ、ドッグフードなど)が不足しています!」という投稿が延々と何日間もRTされ、処理できない規模のものが一気に一箇所に届く、みたいなこともありました。
スマホで写真を撮って投稿しているなら消防署などにも通報済みなはずですし、今はSNS上の情報は公的機関が発表したタグで発信すれば確実に届きますし、救援にあたる人達はタグなしの投稿も収集はしています。どう対応するかの判断も含め現場の機関にまかせるのが妥当です。
今は、ツイッターなどでRTで拡散するなら消防、警察、NHKなどもので、新しいものに限るのが正解ということになっています。
災害時に日本語教師ができることはほぼ何も無い
日本語教育関係者で「やさしい日本語」で発信しようというアカウントも増えました。しかし、NHKなどは公式アカウントで、やさしい日本語で発信してますから、それをRTすれば済みます。やさしい日本語が書けるのと、災害情報を収集し仕分けし発信する能力は別です。避難指示が出たというような更新が必要な情報を発信するなら、その後その非難指示がどうなったかもきちんとフォローする必要がありますが、そこまでフォローをするのは無理ですから、やはり公的機関やNHKの発信を紹介するにとどめるのが正解です。
普通の人が災害時に価値ある情報を発信するハードルは高いと考えるべきです。以下の3つが揃う人ならばやる価値はあるかもしれません。
SNSで投稿した情報はすぐに古くなり、それが古いことを知らない人によって拡散されてしまうリスクがあります。SNSで状況の変化を投稿するのではなく、別の場所で1ページに集約し、そこで更新しつづけていくほうがいいと思います。基本的にはそのページの更新をリアルタイムで続けていくことができる人のみが、発信に関わるべきです。
普段日本語教師相手に発信しかしないアカウントが関係者のRT頼みで情報を出すことも(外国人への情報発信ならあの人というような例外的な立場を築いていて数千人のフォロワーがいるようなハブとなれる人か、特殊な言語での発信など希少価値があるもの以外は)ほぼ意味がないと思います。つまり、災害時に価値ある発信者になるためには、時間をかけて「情報を届けたい人達」からの信頼を得ていくことが必要です。
不安に便乗する人達
原発事故や感染症が広がったりというような予測がつかない状況では「この災害を経てこうなる」「こういう人は生き残れない」という話題は人気コンテンツになります。ネットをブランディングの場だと考えている人達は、いかに早く「収束後」を語るかを競います。コロナ時には無数のその種のセミナーがありました。
人々の不安に便乗するような空気に重ねるように、元々不安定な日本語教師という仕事に関して、さらに煽ったり、脅かしたりする人達も出てきます。「これから業界はこうなる」「生き残る教師はこれだ」みたいなことを書く。自分のブランディングだけでなく、自分が主催するビジネスに誘導する人も現れる。
災害の規模が大きいほど、災害が落ち着くと、誰が何をしたか、言ったかは忘れられてしまいます。こういう人達は、後から「あの時のあれ間違ってたじゃないか」となっても「あのときはみんなが手探りだった」とか「大筋では私が言ったとおりになった」など強弁したりするものです。数年もすれば、不安に便乗して膨れ上がったフォロワー数と知名度だけが残る、おまけに「不安が解消された」「言ったとおりになった」という崇拝者も獲得できる、ということを知っててやっているわけです。
👉 災害時くらいは人を煽ったり脅かしたりする物言いは休めばいいのにと思いますが、そういう人達は実は普段からそういう物言いが好きな人達なんですね。自らの不安もあってちょっとした興奮状態なんだと思います。SNS自体がそういう煽りを好むメディアへと変容したということなのかもしれません。
👉 「この時すでに予見していた」と後で言いたいためだけに、何年も予言めいたことばっかり書いてる人もいます。
発信しない
マイナー言語で情報発信ができるというのは価値があると思います。やさしい日本語が普及することで多言語対応が疎かになる傾向は今後出てくる可能性があり、その中にはやさしい日本語でフォローできない人も多数います。
しかし上で述べたように、これもNHKをはじめかなりの言語で対応されているので、そこにはないものが発信できれば、です。しかも、災害時の情報は正確でなければなりません。高い語学力が必要で、かつ正確な情報の仕分けができ、更新が必要な情報はきちんと投稿後もフォローしていく必要があります。古くなったツイートで誤解を生みそうなものを常に見直して削除するようなことも必要です。
「ポジティブな情報をとりあげて励まそう」みたいなことも不要です。これは単に偏った情報を拡散しているだけです。必要なのは「正確な情報」だけです。
災害情報を更新しながらしっかり伝えるツールとしては時系列が混乱しがちなSNSでは、普通の人の単発の投稿が機能するのは難しく「災害時にはこのアカウントだ」と信頼され、フォローされ、災害時に読まれ続けるアカウントになる必要があります。数年かけて、平時に学習者に向けて情報発信をして数と信頼を確保してはじめて情報のハブのひとつになれるかどうか、ということだと思います。
つまり、災害時に頼られるようなツイッターのアカウントを目指すのはあまりに大変です。災害時の更新情報は公的なアカウントやNHKにまかせて、ブログなどで固定情報を書いたページを作り、災害時に固定情報として引用されるようなものを目指すくらいでいいのではないでしょうか。
👉 神戸の震災(1995)、東日本大震災(2011)、熊本地震(2016)を経て、2019年の段階で、日本語教育学会、日振協、JaLSA、日本語学校や就労系の関連組織などが災害時にネットで何も発信していないのは恥ずべき事です。020年のコロナウイルスの際も水面下で国に申し入れをしたようですが、外に向けてコメントを出し学生を守る姿勢を発信することもありませんでした。多言語で何かを作る予算がないなら、確実なリソースのリンク集を作り、災害時にそのページをトップにする(スマホ対応であることはマストです)、そしてSNSなどで災害時にページのURLと共に投稿するだけなら1時間もあればできます。日本語教育関係者はSNSであれこれ投稿するよりも、まず自分の足下で自分が関わっている組織や学校などに働きかけることをすることが最も効率的な大きな貢献になります。日本語学校が在籍している学生の言語で情報を発信すればあっという間に日本語のネット社会が多言語情報で溢れることになるはずです。
👉 過去の日本語教育業界の災害対応について(モーメント):2011年3月11~21日の記録 | 2016年4月 熊本地震と日本語教育業界
住所が特定されるようなことをツイートしない
地震があった、震度が*だった、停電した、みたいなことは、住んでいる地域のことを区単位ぐらいで晒すことと同じです。自分はもちろん、「知人の*さんは停電しているらしい」みたいなことを投稿するのもNGです。
裏垢や住所を特定する業者(就活などでもかなり活用されているようです)は、高度な検索などで住所特定のため地震の日をピンポイントで検索します。
受信しない
タイムラインが興奮状態になったらSNSを休むことも選択肢のひとつに加えてください。公的なアカウントなどをリストにまとめてブックマークし、そのリストだけにするとか。
【参考】 Twitter における災害時のフェイクニュースの発生状況と一般利用者のフェイクニュース判断力の調査 https://www.sci.kanagawa-u.ac.jp/info/kuwabara/PDF/2019-ueda-win.pdf
「熊本地震でライオン脱走」Twitterにデマ拡散の男を逮捕 - ITmedia NEWS https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1607/21/news087.html
イーロンマスク買収後はより注意が必要
イーロンマスク買収後(22年10月)は、より情報インフラとしての信頼度は低下しています。
つまり、投稿していいことは無いだけでなくデメリットしかないという状況は、より悪化しています。被災者はSNSは覗くだけ。信頼すべきはNHKと自治体の災害情報のみ。それ以外の人もタイムラインを覗くまで。救助が届き始めるまでは拡散は一切しないのが正解であることは同じです。
私どもは多言語の災害用ページを作っています。個人的に案内が必要なら参考にしてください。
Emergency information | WEB JAPANESE BOOKS https://webjapanese.com/support/emergency-information
👉 東日本大震災の時1)に作ったもので、その後、いろいろ追加しています。場合によってはサイトのトップに持ってくる用でもありますが、2010年後半あたりから多言語災害情報は充実してきたので、最近はそこまではしません。
【参考】能登地震(24年1月)で起きたことなど
ポルトガル語、ネパール語など多言語で避難呼びかけ 兵庫の放送局の津波ニュース対応に称賛「素晴らしい」(1/2 ページ) - ねとらぼ https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2401/01/news059.html
東日本大震災の直後、国立国語研究所の研究者が一室に集まって、「被災地に向けて、我々言語学者が貢献できることはないか?」と話し合ったことがありました。原発事故で日本中が不安になっていた時期です。長時間の議論が続いた後、その場にいらっしゃった故宮島達夫先生(当時79歳)が一言。(続く)
— 丸山 岳彦 / Takehiko Maruyama (@maruyama_take) January 2, 2024
WHOのガイドラインがすべではないですが、この種のガイドラインがない以上は、これを参考にするしかなさそうです。
自殺対策を推進するためにメディア関係者に知ってもらいたい 基礎知識(2017年) https://www.mhlw.go.jp/content/000526937.pdf
戦争、紛争、クーデター、いろいろあります。日本語教育関係者にとっては結構身近な問題ですが、デマ、フェイクも、世界的規模になるので、巧妙になってきます。いろんな理由で言及できない人も出てきます。そして、授業の場で話題にするのは、かなり難しくなります。
ツイッターでいうと、個人が特定できる形で人の名前を出したり顔が出ている写真をアップすることで、その人が被害を受けるみたいなことも出てきます。自然災害より、かなり注意が必要になるわけですが、やはりSNS上は興奮状態になってしまいます。
現地からのツイートをRTするのも要注意です。位置が特定できたり、紛争後の政治体制によってはその投稿が理由で投獄されたりというリスクがあります。写真をあげる人が、そういうことに無頓着な場合もあります。「**には****という学習者がいて一緒に勉強した」みたいなことも含め、特定の人に関することは控えたほうが無難です。教師がその人の今の、本当の政治的なスタンスまで知っていることは少ないです。どういう立場で今、現地にいるのかわからないわけですから。
SNSで誤情報与える動画や画像が多数拡散、ロシアのウクライナ攻撃 - BBCニュース https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-60518843
2022年のロシアのウクライナ侵攻時に、ツイッター社は上のようなウクライナ語の連ツイをしました。内容は、過去のツイートなどからターゲットになるリスクなどがあるので、いろいろと対処してくれというもので、一時的にアカウントを凍結する方法などが書かれています。以下の記事で英語で説明されています。
Twitter tells Ukrainians how to protect their accounts from cyber attacks
ツイッター社は2022年24日のロシアのウクライナ侵攻の翌日からネット企業は国を相手にいろいろと動きが出てきました。
メタ、ウクライナ対応で特別部署を設置 ツイッターも対応呼びかけ(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/ae7ade426953c26b4d6dfcb9550d45893b704269
一週間後、ロシアでの利用制限がはじまったと報道され、10日後の3月5日、ロシア国内でSNSを利用するのは難しくなったようです。
ただ、仮にロシア国内でアクセスを止めようと考えれば、すぐに可能だったはずです。2010年前後には為政者が国単位で特定のサービスへの接続をカットしたり、ネット接続そのものをストップすることは可能になっています。独裁的な国家であれば、すぐにでも可能です。技術的な抜け道はいろいろあるとはいえ、戦時となれば、事実上難しくなると思います。
教師・学校の中立性
当然のことながら、日本には紛争地域から来た学生がいる可能性はあります。家族、友人、知人がなにかしら関わっているケースもあります。そういう場合でも、学校や教師は学習者が安心して学習できる環境を準備する職業的義務があると言えます。教室外でも国籍によって不当な扱うを受けないように配慮する。
戦争紛争などの際には、授業で政治的な話題は避けたほうが無難といえます。原則として、語学教育の場においては政治や宗教の話題も重要なトピックのひとつでタブーにする必要はないと思いますが、難しいタイミングというものはあると考えてよさそうです。語学の学校ならば、基本的にはそれを粛々とやる。戦時下でも語学学習の必要性に従って進めるということになるんでしょうか。教えている場所が戦争や紛争状態で日本語が必要なら(日本でそういうことが起こる可能性もありますから)、必要な日本語を学ぶことは大事です。
ここで問題になるのは教職員のSNSの個人アカウントでの発言の自由です。SNSでは誰もが自由に意見を表明し、論じる権利がある。それは職業によって制限されてはならないとは思います。ただ、実名でやる場合は学習者にはその発言は読まれていることも意識せざるをえません。仮にA国とB国が対立関係にあるとして、教師は実名のアカウントでB国を支持し、A国ヘの批判を日常的に行っている場合、教室において、A国の学生の学校での立場に与える影響は無いとはいえないということになります。平時でも微妙ですし、紛争や戦争、クーデターとなるとより難しくなるでしょう。これは難しい問題です。
何か言及しろという圧力
自分の足下の、自分が当事者であったり、身近に当事者がいる話題については、忖度や損得でスルーする人も、こと海外の紛争や戦争のような、当面、発言することで自身がたいして影響を受けないことに関しては「この問題にSNSで言及しないなんて!」みたいな投稿をする人がでてきます。ある種の興奮状態なので仕方ないとは言え、勝手なもんだなと思います。これもツイッターの風物詩のひとつだと思ってスルーしましょう。
ツイッターをどう使うかは個人の自由です。発言をしろと迫る人は、しばしば都合の悪いことは発言をするなと言いかねない人でもあると思います。
炎上や炎上マーケティングについてはTwitter研究にあります。
古くは90年代ごろにゲームを評した「クソゲー」という言い方がありました。今は「クソ美味い」というポジティブな使い方もありますし、fucking と同じような使い方をされるようになってきてます。これは悪いほうで、リプはリプライのことです。
「クソリプ」の定義はかなり幅があります。罵詈雑言のように明らかにダメなリプライではなく、ロジックが弱い、答えようがない、一見正しそうだけども現実的ではない、というようなリプライで、わざわざ書いてくる意味がないとされるリプライのこと、という意味で使われるようです。人により定義が異なるので、まっとうな批判のリプライを「クソリプ」として切り捨てるというケースもあります。
煽りぎみの脇があまい雑なツイートに対して飛んでくることが多く、多少は自業自得というところもあります。
2017年ごろからツイッターの仕様として、暴力的なワードが含まれるリプライは個人の設定関係なく、表示自体がされなくなっているようです。
2017年以降、ツイッターはかなり監視を強化していていますが、日本語圏は人手が足りないらしく、通報があり、禁止ワードがあれば、自動的に、わりと簡単にアカウントが凍結されるようになりました。これはSNS全体に広がる傾向で、場合によっては言論統制的なものに結びつくケースもあり、議論になっています。
→ 2019年冬に、この種のリプライを非表示にできる機能が追加されました。どういうリプライが非表示されたのかはわかるような仕組みになっています。
クソリプの分類にクソリプがついてクソリプが話題に - Togetter https://togetter.com/li/722471
ただ、通常のツイートも、ある意味では社会に対するエアクソリプかもしれないわけで、やはりクソかどうかの定義は難しいという気がします。
「利用規約と禁止用語」のところでも書きましたが、凍結はツイッター社が行うものです。ツイッター社の判断もありますが、誰かの虚偽の通報が元になることも多いようです。
ツイッター社のガイドラインに反するワードや第三者による通報で、ツイッター社によってアカウントが停止され、使えなくなることがあります。これを「凍結」などと呼びます。この作業は人力ではなく第三者から報告があれば特定のアカウントがツイッター社によってウォッチの対象となり、禁止ワードがあれば、機械的に凍結となるようで、禁止ワードが文脈は考慮されないこともあり、2017年以降、理由なく凍結されるえん罪が増えています。
解除を申請することは可能で、申請もやりやすくなりつつあるようです。つまり今後も凍結は機械的に行われ、申請解除で対応するという方針のようです。
ツイッター社による凍結の異議申し立てに関する案内 https://help.twitter.com/ja/managing-your-account/suspended-twitter-accounts
Twitterアカウントを凍結されて考えたこと|masanork @masanork|note(ノート) https://note.mu/masanork/n/n3f1b5ba48a72
第三者の虚偽の通報によって凍結となると少々大変です。以下に少し対処法があります。 https://webjapanese.com/dokuhon/index.php#f3ea0f72
ネット犯罪的なものです。2010年代後半に大量に普通の人が流入してきたので「カモ」が増え、犯罪も増えています。逮捕されたり大規模な詐欺は少なく、チマチマしたものが大量にあるとイメージしたほうがいいと思います。
パスやIDを使い回していたり、ツイッター関連のアプリを承認すると乗っ取られることがあります。有名なものはレイバンのサングラスの宣伝ツイートですが、他にもいろいろあります。
アカウントが乗っ取られた場合のヘルプ https://help.twitter.com/ja/safety-and-security/twitter-account-compromised
これは別にアカウントを作られて「なりすまされる」ということです。なりすましは、対象と同じアイコンを使い(簡単にダウンロードできます)、似たようなID名でその人になりすますことで、悪意あるツイートで被害が大きくなることがあります。ツイッターでは、この種のことには厳しくなりつつあるようで、被害を受けた場合、発信者情報開示請求を送ってみる価値はあります。
【注意喚起】バズり目的で何年も稼働してない鍵垢のツイートを加工コラで捏造し、晒して人に叩かせるアカウントが流行っています - Togetter https://togetter.com/li/1444674
ツイッターで顕著なのは他の人のツイートをそのままコピーしたパクリのツイート、パクツイです。多くRTされたツイートは、必ず同じパクツイが複数現れます。千単位でRTされている(「バズっている」などといいます)ツイートの文言で検索するとわかります。
海外面白画像、動画、かわいい動物などは、99%どこかから拾ってきたものでフォロワー数を稼いでお金に変えるというビジネスモデルです。
CMでスポーツ系のフェイク動画がありますが、今は、編集技術がなくても簡単に作れるようになっています。SNSに投稿する程度の解像度であれば、いくらでも作れます。個人が編集して、うその写真や動画に仕立て上げてSNSに投稿することが増えています。
フェイクでなくても、その画像、動画はもう10年以上前からネットで流通しているものである可能性が高いと思った方がいいと思います。本物であるなら、初見でおもしろいことは面白いし、それはそれでいいのですが、RTする意味はあまり無いでしょう。それにそういう画像、動画は著作権侵害の可能性が高いです。次の項目を読んでください。
SNSのページに書きましたが、これは自分が加害者となる可能性があります。ネットでは、集合写真などを投稿するのはNGです。了解を取ればいいということになっていますが、芸能人でもないかぎり、口約束の了解は後々トラブルになる可能性もあります。自分の写真以外は顔などが写らないよういしっかり加工するか、投稿しないほうが無難です。
ツレの息子
— おおがけさん 🍈 メロン 🚴♂️ (@oogakesanmelon) September 19, 2022
ツイッターで金配りを見つけて応募
→当選して2万円貰う
→その為に口座教える
→口座に200万振り込まれる
→間違って振り込んだので返金を
→野田阪神に200万持っていく
→御礼に10万もらって190万渡す
→ツレの息子先週受け子で逮捕
→否定してるため接見禁止
かつでは対応のアプリを探す必要がありましたが、標準機能でサポートされ、モバイルでもPCのブラウザー上でも切り替えができるようになりました。
ログインして高度な検索をクリックすれば出てきます。ブラウザーでブックマークしておきましょう。
SNSはリアルタイムで大量の投稿があることもあるせいか、どのサービスも検索機能は弱いです。高度な検索は、標準の検索より強力です。過去すべてのツイートが対象になりますし(標準の検索は過去100件くらいです)、検索対象の期間を絞ったり、条件で絞り込んだり、特定のアカウントの過去のツイートを対象に検索できます。ツイッターで検索する場合はこの検索を標準にしたほうがいいです。
最初にちょっと説明しましたが、特定のアカウントの過去のツイートを対象に検索できます。例えば、真ん中あたりにある空欄の「次のアカウントが送信」にその人のアカウントを指定して一番上の「次のキーワードをすべて含む」で検索すれば過去にその語を使ってツイートしたかが出てきます。「次のキーワード全体を含む」なら、入れた語と正確に一致したツイートだけに絞り込めます。フォローしている人のツイートに疑問があったら、改めて、その人の過去ツイを検索するみたいなこともできます。
👉 高度な検索ウインドウをスクロールダウンすれば、期日指定なども現れます。
さらにイイネやRTされたツイート、返信の数で、一定以上の数で絞り込んで検索することもできます。例えば
「日本語教師」を含むツイートで1000以上のイイネがついたもの(1万以上は該当なし) 「日本語教師」を含むツイートで1000以上のイイネがついたもの(1万以上は3件) 「日本語」を含むツイートで10万以上のイイネがついたもの(100万以上は該当なし) 「みん日」を含むツイートで50以上のイイネがついたもの:「みんなの日本語」よりみん日のようなレアワードのほうが検索では生きます。 こういう検索をして、多くファボが付いたものやRTされたツイートを探し、それをパクって名言BOTを作ったりして悪用するわけです。
いろんな検証もできる
期間を絞る機能を使うと以下のようなこともできます。これは特定技能からの引用です。これをみると、メディアを含め、ほとんどすべての人は特定技能のことを知らないままだということがわかります。
上の花畑牧場の問題は、2022年の2月24日に報道され、その後、メディアでも「技能実習生など」と報じられるケースが多かったこともあり、ツイッター上でも「技能実習生またか!」と騒がれました。
おそらくこれまでも、この種の問題は技能実習生制度と間違われて報じされ、騒がれたケースが結構あるのではと思いました。
ちょっと検証してみました。
これは、2022年2月23日から3月2日までで「花畑 技能実習」で検索したものです。無数のツイートがありました。
これは同じ期間で「花畑 特定技能」で検索したもの。わずか6件。私どものツイートの後もまったくありませんでした。
北海道新聞が特定技能だと報じたのは03/01 12:45で、花畑牧場が特定技能だと書いた文書を出したのは、2月28日なので、制度をきちんと知っている報道関係者なら、2月28日の時点で特定技能だとわかるはずですし、一般の人も続報を追っていれば、北海道新聞の報道で気づくはずですが、2月28日以降も、3月1日以降も技能実習制度として報じるメディアは多く、ツイッター上では完全に技能実習生制度の問題として語られ続けていました。
これは3月1日から3日のツイート。特定技能と書いたツイートはわずか2件。まったく訂正されないままでした。
3/1(火) 18:14の共同通信の記事でも在留資格には触れられないまま。 花畑牧場、ストライキ事前認識か ベトナム人側「主張違う」(共同通信) - Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/e8a287640f94ecd28262249a822cb0e816cf53f4
同じくログインしてここをクリックすれば以下の画面になります。これもブラウザーでブックマークしておくと便利です。
「はじめる」をクリックすると以下の画面に。
左上の ホーム ツイート 詳細 のタブをクリックすると、いろんな分析が出てきます。ツイートをクリックすると、自分のツイートがどのくらい表示され、URLを入れたなら、どのくらいクリックされたかがわかります。
意外と読まれてないものだなということもわかります。
以下は、アナライズ分析画面のキャプチャーです。これは教授法の議論が起きている最中に関連する論文のツイートを、(その議論に関係あると書かずに、いつものBOTとして)流したものです。フォロワーは約2500人です。
左からツイートで、数字はインプレッション、エンゲージメント、エンゲージメント率です。インプレッションはツイートをみた人の数。エンゲージメントは、RTをしたり、リンクをクリックした能動的なリアクションをした「合計の」人の数です。フォロワーは2500人のうち、通常のツイートは読まれる数でさえ、400くらい、15%程度だということがわかります。エンゲージメントはクリックやRTなど能動的なリアクションをした数の「合計」ですから、ツイート中のリンクをクリックしたのはおそらく半分以下として、せいぜい10人くらいです。
基本、ツイッターの話題とは関係ないものをBOTで流すことにしていますが、週一くらいで日本語教育関係者の話題をざっとみて、タイムラインに関わりがありそうなものを、BOTのデータから引っ張り出して流すこともあります。
つまり、フォロワーが多くても、話題のことに関係が濃くても、ツイートで引用した論文はほとんど読まれない。そして、アナリティックスを見るような人は、自分のツイートがたいして読まれないことも知っているということです。
これまでのツイートをまとめて見ることができます。これもツイッターのデフォルト機能です。簡単ですが、ちょっとだけ手間がかかります。
ツイッターの「設定とプライバシー」→「アカウント」→「データのアーカイブをダウンロード」に進む。
「アーカイブをリクエスト」をクリックすると「アーカイブをリクエスト中」になります。
待っていると24時間以内にメールでアーカイブの準備ができたと通知が来る。タイムラインとかメールで通知が来る(迷惑メールに振り分けられがち)おのでその指示に従って「設定プライバシー」→「アカウント」→「データのアーカイブをダウンロード」へ。 ダウンロードリンクからダウンロード→リストが出るのでそこからダウンロード。(10年、7万ツイートで1GBくらいでした)
ダウンロードすると以下のようなファイル構成になっているので…
そこのYour archive.html をブラウザーで開くと
となり、ツイート、モーメントを見たり検索したりができるようになります。
自分がネット上に過去に何を書いたかを持っておいたほうがいいと思いますので、年1くらい、正月明けなどにバックアップしておきましょう。
ビデオチャットはネット環境によって不安定になったり、人数制限が厳しいみたいなこともあり音声チャットが20年に流行しました。
スペースは、音声チャットで先行していたClubhouseの機能をツイッターが取り込んだ(パクった)形。Clubhouseはベンチャーということもあり、連絡帳情報を吸い上げたり(こちらを参照)、かなりの個人情報を中国系企業に売っていたりが発覚していたので、こちらのほうが多少は安心ということもありそう。
Twitterスペースについて https://help.twitter.com/ja/using-twitter/spaces
参加者は全員が知ることになります。誰にも知られずに見学ということはできない。
今のところ、OSによって機能が違うがそのうち解消される可能性も高い。ホストのみがコントロールできるという仕様はやや和らいだが、録画と公開はホスト限定、発言管理とミュートができる、など、やはり「主催者」の権限が強いという要素は、今のSNS的なもののトレンドに沿ったもの(かつては参加者の権限がフラットであること、フェアネスみたいなことが重視されていたが、これはある種のネット文化の反映だったが、そういうものがほぼ消えつつある)。荒れた場所にならない配慮とも言えるが、議論というよりは主催者の演説の場所という傾向が強い。
Clubhouseである程度の知名度を得た人は、まだ移行していないこともあり、この音声チャットはどうなるかはわからない。ツイッターのフォロワーが多い人、ブランディングの主戦場がツイッターの人は新しいSNSへの移行はしないほうが特とういことで、当然、こっちを活用するということになる。
同時発言は10人前後と、音声限定のわりには絞られたもので、収益化も難しくあくまでおまけ機能なので、これ以上良くなる可能性は薄そう。
clubhouseは招待制、スペースは、ツイッターアカウントがあれば誰でも参加可能。
clubhouseは、ホストの権限が強く、発言したい人は挙手して許可が必要。ホストがミュートや退室などをコントロールし、ホストがフォロ-している人が上位に表示されると、ホストの権限が強いが、スペースは、ホストは発言権を「全員」、「フォローしているアカウント」、「スピーカーとして招待したアカウントのみ」から選び設定する。
どちらも、ホストはユーザーを削除、報告、ブロック、退室をコントロールでき、発言権を付与する権限を持つという意味では、いたずら参加を想定した機能とはいえ、ホストの権限が強いものであると言えそうです。
2019年の9月に英語版でテスト導入、ブラウザ、iOSでスタートし、22年の1月にAndroidでも開始となりましたが、すべてのプラットホームで始まっているわけではないとのこと。
主催
というものです。基本、公開されるやり取りなので、非公開でなくてもいい、slackなどを作るほでもない人にとっては便利かもしれません。
ちなみにツイートの公開、非公開を整理すると、基本、ツイートは誰でも覗けますが…
というもので、タイムラインを邪魔せず、仲間同士で話す機能、というところ。
Twitterのコミュニティについて | Twitter ヘルプ https://help.twitter.com/ja/using-twitter/communities
2022年8月に全面的に採用となったとのこと。コミュニティが通常のツイートをクローズドにしたものなら、サークルはDMを複数人でやるみたいな方向のようですが、いずれも完全な閉じたものではなく、半公開の仕様なのでいろいろと穴がありそうです。
Twitterのサークルとコミュニティの違いを徹底解説 | App Story https://app-story.net/twitter-circle-community-difference-commentary/
結局、統合されたりしそうですが。。。
【記事】 旧Twitterの「サークル」機能終了へ メンバーだけに投稿表示 - ITmedia NEWS https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2309/22/news109.html
君たちはどう生きるか pic.twitter.com/15sS8jgBSv
— くまねこ (@kuma_neko_) July 12, 2023
2023年7月に正式採用となった機能。
ツイッターでは、ファクトチェックというより背景情報の追加という説明がされていて、議論のために何かの白黒をつけることが目的というより、判断材料を追加する場所にしたい模様。しかし早速、議論の手段のひとつとして使われることになっており、誤った背景情報の追加なども多い。新聞など大手メディアやインフルエンサーのツイートには、ことごとくこのコミュニティノートが付くみたいな事態にもなっている。フェイク動画や画像の指摘などは役に立ちそう。政治家や中小メディア関係者は一応歓迎というスタンスの人もいるが、当然、そういう人のツイートにもどんどんコミュニティノートが付き始めており、今後どうなるかはわからない。
ファクトチェック系のメディアなどは、この機能に批判的な論調が多く、時間をかけて検証して丁寧に記事を書くべきものが、いかにもファクトチェックを装って気軽に使われたり、論拠となる記事が弱かったり、ということが目立つことにも警戒心を強めている模様。今のところは、ファクトチェックという「テイ」で行われる議論のカードとしての利用が主というのも事実。
仕組み
詳しくはツイッターの説明参照。ざっくり書くと、誰もがノートをつけられるわけではなく、登録が必要。コミュニティーノートの参加者となる登録をし、他のコミュニティノートへの評価などを経てノート作成の権限を得た人のみがツイートにノートをつけられる。つけたコミュニティーノートは他の人の+評価があれば、表示される。というもの。日本語教育など小さなクラスタでは、表示されるところまで行くかは難しそうですが、登録だけはしてみます。
コミュニティーノートに(実は)ビビっている個人アカウントの特徴?
また、このコミュニティノート機能が出来たことで抑止力となって、主に個人アカウントによる弱めの炎上狙いの煽りがちのツイートが減っているという可能性もある。事実、あれだけツイッターの新機能への言及を積極的にする人がこの機能だけスルーされていることがある。コミュニティノートがつけば、自分のツイートの信頼性に傷がつくことは確かであるし、特に自分のツイートを日常的に目にするフォロワーには知られたくないこともある?
ツイッターによる説明
コミュニティノート https://communitynotes.twitter.com/guide/ja
Twitter は、コミュニティノートを紹介するアカウントを作った
https://twitter.com/HelpfulNotesJP
関連記事
Twitterのデマ拡散を防ぐ「コミュニティノート」は本当に信用できるのかアルゴリズムの仕組みを解説 - GIGAZINE https://gigazine.net/news/20230712-twitter-communitynote-algorithm/
コミュニティノートのオススメの使い方「新聞が貼らない一次ソースを補足」「割合を報じたときは数を、数を報じたときは割合を補足」 - Togetter https://togetter.com/li/2184613
Twitterのコミュニティノート、日本と全世界のデータ比較 - Togetter https://togetter.com/li/2191574
Twitter コミュティノートについて知って欲しいことを暑苦しく語る - フジイユウジ::ドットネット https://fujii-yuji.net/2023/twitter/community-notes?s=09
新たに出てくる「ノート」のタイムラインは、評価が少ないものが多く、評価が得られれば正式に投稿にノートとして表示されるので、これらを評価せよ、ということになっている。以降、他の人のノートを評価すると評価ポイントがつき、ある程度たまると自分もノートを作成できるという仕組み。つまりノート登録者コミュニティの投票によってノートが表示されるかが決まる仕組み。
【記事】X(旧Twitter)のコミュニティノートの表示・非表示を決めるアルゴリズムはどんな仕組みになっているのか - GIGAZINE https://gigazine.net/news/20230818-x-twitter-community-note-algorithm/
【記事】Twitterのユーザーの力でファクトチェックを行う「コミュニティノート」機能は全体の96%にあたる約3万件のノートが表示されないままになっている - GIGAZINE https://gigazine.net/news/20221220-twitter-community-notes-blind-spot/
これらの仕様を考えると、日本語教育関連もしくは移民関連の報道などでデータを示そうとノートをつけるまでの道のりは遠く、仮にノートを作成できても、それをチェックして公開にこぎつけるには、他にも多くの日本語教育関係者のノート参加者が必要であり、ほぼ絶望的という気がします。
今のSNS上の日本語教育関係者がSNS上で匿名で(自分のブランディングに利がないまま)、このようなことをするとは思えないですが、淡々とやってみます。
これはツイッター社のものと外部サービスでやる2つの方法があります。
外部サービスとして有名なのはTogetter です。 ツイッター社提供のものはモーメントです。 モーメントは自分でツイートして告知しないとあまり閲覧されないのが弱点ですが手軽です。最も有名なのがTogetterで、老舗なので、長く続きそうですし、アカウントを消しても記録として残るというところも記録として使いやすいです。ただし記録されたツイートもサービスもずっとあるかはわかりません。
まずはモーメントでまとめてみて、価値があると思ったらTogetterに移すというのがよさそうです。
👉 2010年に終了したサービスとしては、Naverというものがありました。ツイート以外のブログやサイトのページなどもまとめられますが、閲覧数に応じてお金が入るシステムということもあり、「ステマまとめ」も多く玉石混交でした。この種のサービスは訴訟がらみの削除依頼などが多く、維持が大変だった模様で、あっさりと終了となり、大量のまとめも消えました。
これはツイッター社提供のツールですが、まとめる系のひとつとして、ここで説明します。
https://twitter.com/アカウントID/moments でいろんなツイートのスクラップのようなものを作ることができます。
ツイッターのメニューから「モーメント」を選択し、出る画面で右上の小さなアイコンをクリックで新規作成、タイトルをつけ適当な写真を貼り一番下で「ツイートへのリンクから」を選び、そこにツイートのURL(投稿日時にリンクがある)をコピペすれば追加できます。細かいことはツイッターのヘルプか検索で。
以下は、私どもの日本語教育関係者向けアカウントのモーメントです。公開用というより記録として使っています。 https://twitter.com/webjapaneseJ/moments
ツイッターモーメントは何のため 中の人が語る「健全な会話」の模索:朝日新聞デジタル https://www.asahi.com/articles/ASQ6S3Q3YQ6NULEI00H.html
@webjapanese のモーメント機能(投稿をまとめる機能)で作ったものです。
22年末に廃止で新規追加ができなくなり、23年秋にはURLも探せなくなっていたので、ツイログで検索してみつかったものだけ、2023年10月22日に移動しました。
2016年4月 熊本地震と日本語教育業界 https://togetter.com/li/2245262
東日本大震災と日本語教育業界:2011年3月11~21日の記録 https://togetter.com/li/2245265
2017年 夏 日本語教師の求人コレクション https://togetter.com/li/2245268
『ろうと手話 やさしい日本語がひらく未来』に関する議論 - Togetter https://togetter.com/li/2245266
出井康博氏と神吉宇一氏のやりとり - Togetter https://togetter.com/li/2245267
フリーランスの日本語教師の収支の話 - Togetter https://togetter.com/li/2245269
EPA介護福祉士と勤務中の宗教行為の禁止などについて。 - Togetter https://togetter.com/li/2245271
やさしい日本語に関する観察と考察 - Togetter https://togetter.com/li/2245272
日本語教育関連の「有識者会議」 - Togetter https://togetter.com/li/2245273
21年12月~22年オミクロン以降の日本語学校、大学などの風景 - Togetter https://togetter.com/li/2245276
特定技能の外国人が来日時に銀行口座が作れず、給料の振り込みができないという件のまとめ - Togetter https://togetter.com/li/2245275
日本語関連の検定試験コレクション - Togetter https://togetter.com/li/2245274
やさしい日本語批判に対する庵氏のツイート - Togetter https://togetter.com/li/2245278
公開されている日本語能力試験の合格者数は正しい? - Togetter https://togetter.com/li/2245279
ツイートをまとめるサービスとして代表的なものです。
詳細検索は まとめを検索する - トゥギャッターの使い方・ヘルプ https://help.togetter.com/search にあります。
ある話題についてのいろんな人のツイートを集めて記録するというサイトです。一度にまとめて見られるのでとても便利ですし、過去にどういう議論があったかも知ることができます。ツイッターも日本で10年以上の歴史があり、かなり昔からのまとめがあるので、ほとんどの話題は出尽くしているとも言えます。同じような話題で同じ人が同じような投稿することは当然減りますから、リアルタイムで流れてくるツイートより読む価値は高く、内容は濃いとも言えます。ツイッターをはじめたら、まずこのまとめサイトを覗いておくことをお勧めします。
使い方はサイトをみてください。2010年代は、ツイッター上の議論があり、なんとなくまとめて読みたいなというムードが高まってきたら第三者がまとめを作る、ということでした。自説の主張や誹謗中傷、宣伝などのまとめを当事者が作ることは推奨されていないのですが、2010年代後半には、そういうものも増えてきました。
ツイートを消したり、アカウントを消しても記録として残ることが多く、そういう意味でも記録的な価値があります。
Togetterは炎上アーカイブとしても便利です。個人名、会社名で検索すると過去にネットで話題になった件が出てきます。今は「なかったこと」にしているところもあるので、就職するなど重要な時などは会社名(経営者名)などで検索してみることをおすすめします。
2022年6月に編集機能が変更になりました。
Togetterの「誰でも編集可能」機能の終了と、新しい共同編集機能のお知らせ|Togetter(トゥギャッター )|note
👉 ただし、かつて流行っていた同じようなサービスであるNAVERまとめがサービス終了したように、まとめサイトは削除要請への対応、法的な問題への対処など運営コストが高く、いつまで続くかはわかりません。
まとめの問題
新商品の宣伝に使ったのではというまとめも多数あります。また、例えば誰かが亡くなると、その人の話や死因を元にした健康情報をバッとあつめてまとめを作り小遣い稼ぎをする、みたいな人がいます。
元々Togetterは、ネット上での意見交換に価値があると考えた第三者が作るというのが建て前で自然発生的に生まれるということになっていましたが、自分で自分のツイートや自分が中心のやり取りをまとめるということも珍しくなくなりました。投稿を一方的に記録されるということもあり、訴訟めいたことも起きているようですので、今後、この種のサービスが続くのかは未知数です。
個人情報の削除権に関する最近の動向(総務省) https://www.soumu.go.jp/main_content/000355090.pdf
検索結果の削除に最高裁が初の判断 - BUSINESS LAWYERS https://www.businesslawyers.jp/articles/151
「まとめサイト」とは別物
個人がブログなどを使って作る「まとめサイト」はSNS以前からあります。2000年代は、2チャンネルなどの掲示板の投稿をまとめていましたが、今は、ツイッターの投稿をまとめたものが増えています。この種のまとめサイトは、噂レベルのものや根拠の薄いものなどを元にかなり恣意的な編集で問題となることが多く炎上することも多いです。今は「まとめサイト」と言うと、昔ながらのこの種のサイトを指す人と、Togetterにようなものを指す人と違いがあることに注意です。
Togetterの言語関連のまとめ Togetterの言語関連のまとめとして別のページにしました。
(2023年初頭のツイッターの仕様変更でほぼ全滅となりました。。。)
外部サービスもあります。Yahoo!リアルタイム検索はツイッターの検索が動かない時も動作しますし、ツイログは自分の過去ログを整理して公開するのに便利です(ツイッター社提供の履歴は自分が見る用、これは公開用に利用できます)。アカウントを削除すれば過去のツイートも消えますがツイートを削除するツールもあります。一括でやるものは黒歴史クリーナーが有名です。その他、関連サービスはたくさんありますが、中にはアカウントを乗っ取るものもあるので、有名なもの以外は注意が必要です。
ツイッター社は、広告収益が大きくなり、サードパーティに対してもツイート関連の広告の表示が制限されるものに対しては厳しくなりました。外部サービスは利益を出しにくくなり、以下で紹介するような老舗以外は生まれては消えを繰り返しています。老舗もいつ無くなるかはわかりません。
以下で紹介する基本的には、ツイッター社の機能だけで十分で、使う価値がある外部サービスは、まとめ系ぐらいではないかなと思います。
ツイッター社からも過去ログが取得できることはすでに説明しましたが、その場合、取得したデータは自分でみるだけのものです。外部サービスであるツイログは、オンライン上でツイートの履歴を作り、ネット上で公開するタイプのものです。初期(2009年)から多くの人に利用されていますが、2020年代になり、過去のツイートの発言を探されて批判されたりということが増えたことで、過去ログを公開するリスクを考える人が増えました。
それでも、過去ログを公開しつづけている人はまだいます。公開の場に投稿したものの責任を負うという意味でもフェアな態度だと思います。(ただし、過去のマズいツイートを削除している人も多く、そういうサービスを有料で請け負うコンサルもいるようです)
有名な人のIDをツイログの https://twilog.org/ の最後に https://twilog.org/yuumei などとペーストしてリロードすれば、その人がツイログを作っているかどうかがわかります。
→ ツイログのアカウントを作ってない人の過去ログは高度な検索で検索できます。
Twilog、API制限回避のため自動更新を停止 有料プラン導入で対応(1/3 ページ) - ねとらぼ https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2404/24/news085.html
サードパーティー(ツイッター社じゃない他の会社)のアプリから公式の時代になっています。
2010年代前半は、PC上も含め、慣れてくるとサードパーティ製の多機能なアプリで読むのが一般的でしたが、ツイッター社は広告収入が主となり、広告掲載の規制などを厳しくしたこともありサードパーティは廃れつつあります。かつては複数アカウントは公式が未対応でしたが、切り替えができるようになり、他社製を使う理由が減っていきました。
今は、iOS上、アンドロイド上で、強いサードパーティ製のアプリは1,2社です。モバイル上でも公式アプリを使う人が増えています。PCでも公式がほとんどではないかと思います。流行り廃りも激しいので、紹介は省略します。
👉 公式の機能追加にサードパーティがおいつけないケースが増えてきていることも、公式優位の理由です。
「これまでの累計の質問数は1400万件あり、このうち約2%にあたる30万件の質問が、自分の質問に自分で答える「自作自演」と明かした。」
質問箱が暴露「14万人以上が自作自演」 ⇒ 反発を受けて実装した新機能とは? | ハフポスト https://www.huffingtonpost.jp/2018/01/17/peing_a_23335512/
匿名で質問を受けて答えるというpeingは2018年に流行りましたが、後に、自分で自分に匿名で質問できる仕様になっていることが明らかになりプチ炎上し、その後、利用者は激減しました。ただ、まだ利用している日本語教育関係者はそこそこいます。この件、あまり知られていないのかもしれません。
サービス提供者はその後、仕様変更はせず、自作自演もありという前提で楽しんでくれということになりました。ある意味では大手を振って自作自演的な質問&回答ができることになったので、自作質問は増えたのではと思われます。以下の2021年の検証でも仕様は継続中とのことで、他の人にはわからない仕様だとのこと。
質問箱(Peing)で自分で質問するとバレる?他の人にわかる? | アプリポ https://downtownreport.net/app/peing-self-question-bareru/
自作自演が可能な仕様のまま使い続けるのは微妙なのでは、という気がします。この仕様について知らない人も増えていると思います。やはり利用を続けるなら、そういう仕様だと、リプや引用RTなどで、どこかわかるところに書いておいたほうフェアなんじゃないかという気はします。
👉 とはいっても毎回但し書きをいれるのは大変ですし、かといって大多数はすでにこの仕様を知らないので但し書きがないのも変です。利用はせずにブログかどこかに固定ページを作ってFAQを作り、たまに更新すればいいのでは…という気もします。
👉 運営会社にはIPアドレスなどから自作自演の質問はわかるようになっているとのことでした。
「なんとか診断」的なもの
時々流行ります。何かデータを入れて、「あなたはイギリス系日本人タイプ」みたいなものが出るというものです。いろいろとバリエーションがありますが、単に個人情報を集めるためにやってるものもあれば、初心者向けにパスワードをいれさせるものもあれば、ウイルス的なページに誘導するものもあるので、スルーが正解だと思います。
例え、名前や住所などを入れないとしても、基本的に、ネットに自分に関することを簡単に送信するもんじゃないです。
あとで読む的なもの
かつてはネットのページやSNSなどを後で読むためにストックするサービスがありましたが、これは公式アプリで読むならツイッターのブックマークで一時的に保存しておく。もしくは、GoogleKeepに保存するのが一番楽そうです。
PCでブラウザーで見ているならツイートをクリックして単独のツイートを表示させ その固定URL(https://twitter.com/webjapaneseJ/status/1494757041465802752 みたいなURLです)を保存します。Chromeなら、ページをツイートする拡張機能などでURLと概要を出してから保存すれば楽です。
スマホなどでサードパーティーアプリで読む場合は「シェア」経由でGoogleKeepに保存できます。
ツイッターを使ったものは、BOTなど、すでにほとんどのことは試されており、正直、それほどうまくいってません。スペースやコミュニティで学習者を取り込んで行こうということはあるかもしれませんが、基本的に日本以外のツイッターユーザーは、SNSは(特にツイッターは)自由に使うもので、ツイッター社会の中でさらに小さなコミュニティに所属したいという人は多くはありません。なかなかビジネスに繋がらないこともわかっています。SNSは個人や企業の宣伝場所としては有効でも、SNSの仕組みそのものを使って日本語学習に応用しようというものは、コミュニティ構築も含め、やや停滞感があることは事実です。
👉 SNSで学習者と繋がることについては議論がありますが、そもそも学校としてやるとなると、個人情報保護や労基法など、問題山積です。
ただ、日本語学習者のほとんどは、日本で友人ができればLINEを交換することになるはずです。大学や専門学校に入れば、大学のシステムでアカウントを取得し、チャットくらいはやることになります。SNSのアカウントを取得する可能性は高いです。母語でやれるとはいえ、日本語のネット社会の特徴なども含め、日本語教育のひとつとして扱う価値はあると思われます。
日本語教師も、学習者が飛び込んでいく日本語社会の一つとして、まったく知らないよりは、SNSのことを知っておいたほうがいいと思いますし、日本語の教えるシラバスの中に、そろそろ日本語のSNSのこともひととおり(リスクも含めて)整理してレクチャーするような授業はあってもいいような気がします。日本語が母語じゃない人が日本語でSNSをするのは結構いろんなリスクがあります。
SNS活用学習として
主にアジアの学習者の間で使われるフェイスブックでは、あいさつやエールの交換が主ですが、ツイッターは、情報収集やもうちょっと深い議論などがあります。そういう体験をしていない学習者は意外といますので、ツイッター体験学習というジャンルはあってもいいと思います。
練習用アカウントで「非公開アカ+相互フォロ-」から
授業の一環としてやる場合、ツイッターを利用して日本語で発信する練習からはじめるのはいろいろやり方があると思われます。無難にいくなら、まず同時にアカウントを作り、すべて非公開にして、相互フォローしあうことで、非公開のクローズドなコミュニティで練習するという方法があります。アカウント取得のためのメールアドレスは、学校のドメインで転送メアドを例えば tw_gakuseiNoNamae@gakkooNoNamae.jp などと発行すればOKです。あらかじめ非公開で相互フォローで30くらい作って置いて割り当てるのでもいいし、アカウント取得の練習を兼ねて、メアドだけ発行してやってもらうのでもいいと思います。クイズとしたりゲームをしながら基本的なことを学んでから、卒業ということにして、この学習用アカウントは修了といことにします。
その先は、自分でやりたい人はやってね、で終了。アカウントは閉鎖、転送用メールも返却でいいと思います。
👉 慣れてきたら、公開にして、スペースやコミュニティなどの機能も、個人情報保護には気をつけつつですが、活用可能ではないかと思います。
公開アカ研修
非公開アカを期間限定で公開にして、路上研修みたいなことをしてもいいと思います。匿名にして、課題を設けて、ツイッター上であれこれやってみます。
マニュアル配布
後は、自分でやるための簡単なレクチャーを配布でしょうか。ブロックやミュート、非公開リストで読むなど、リスクをふまえた機能の活用方法などは伝えておく必要はあると思います(こういう細かい仕様は意外と知らずに使っている人は多いです)。今はLINEのような知り合い同士のメッセージアプリのほうが重要なので、こういうオープンなSNSはやりたければやるだろう、ということでいいと思います。
レクチャーは、基本的な操作はやっているとして、そこでやれなかったこと、例えば、日本のアカウントは匿名が多いとか。相手に呼びかける時は、実名より、アカウント名かニックネームがいいこと、などSNSにあるような日本のSNS社会の慣習的なことと、アカウントの紹介でしょうか。やさしい日本語でつぶやくアカウントはもちろん、新聞社や災害情報など基本的なアカウントなどのリスト、学習者でも理解しやすいツイートが多いアカウントを案内して、あとはツイッターアカウントの紹介ディレクトリなどを紹介すれば、後は自分でやるのではと思います。
ツイナビ 有名アカウント紹介
https://twinavi.jp/account
研修修了で自前の公開アカへ
以上は、学校配布の仮メアドで作った仮アカウントでやります。運転免許でいう路上教習まではやる、みたいなイメージです。
ひととおり終わったら、アカウントは終了で、学校で責任をもって管理、削除(一ヶ月後に完全削除されるまでチェック)し、後はやりたいなら自分でアカウントをとってやってね、ということで授業としてのSNS講習は終了です。
SNSのアカウントを作るかどうかは、あくまで個人の自由なので、学校の学習サポート的なものをSNSでやるのは難しいと思います。学校ならLMSやslack、teamsなどを利用することになるのでは。ただ、教師個人の学習サポートとして、あるいはSNS上にいる人の学習サポートの入口としてツイッターやスペースやコミュニティーを利用する方法はありそうです。
ただ、コミュニティー維持は、構築の費用的なコストは限り無く0に近いですが、そこそこの人数を管理していくのはかなりの時間、手間をとられますし、個人情報管理などもちゃんとやるなら大変ですから、続けるのはかなり難しいです。例えばオープンソースの高機能掲示板チャットプログラムでやっても、広告はとれないし、トラブルは起きるしでなかなか…ということがあります。
ツイッターを軸にするコミュニティー構築は、非公開アカウントを作り、相互フォローをすれば簡易的な非公開のコミュニティーは作れますが、これならslackのほうが手軽かもしれません。LINEのオープンチャットを使っているところもあるようです。
👉 本当は、テキストベースで、きちんとログ管理があり、ノウハウが蓄積されていくようなものがあったほうがいいと思うのですが、有料で募集してもあまり人が集まりそうにありません。
以下は、ツイッターができること、です。いろんな場面で応用できると思います。
■ コメントを拾う
動画チャットは人数制限があり安定性に問題がありますが、配信ならそのへんの問題は解決します。配信時にコメントをする場所としては古くから活用されてきました。
テレビなどでもおなじみですが、ネットのライブ中継などの際にハッシュタグを決めてコメントを寄せてもらう。コメントを拾いながら授業なり補講などをすることができる。ライブ配信のコメントを拾う方法としてもよく使われます。
つまり「双方向」の一方をテキストにするということで、これだと回線も圧迫しないという利点があります。
ただしタイムラインが配信関係だけになってしまうこともあるので、事前に「*時から#なんとか というハッシュタグでこういことをやるので、タイムラインが少々騒がしくなります。不要な場合は、そのハッシュタグをミュートしてください」というようなお知らせを流すこともあります。
■ ハッシュタグ活用
イベントだけでなく、例えば、教材でハッシュタグを指定すれば、購入者の声を拾うことができる。また、授業でも、#**先生に質問 というようなタグを設定しておく、特定の授業のハッシュタグを作って質問自由ということにする。(リアルタイムで回答しなくても後日授業でフォローすればいい)
ハッシュタグは、日本語も英語も使える。一般的な語にすると、関係ないツイートもまじってしまうので工夫が必要。日本語ハッシュタグはあまり使われていないので、ひとひねりすれば、大丈夫です。 例えば #太平洋佐藤わからん17 を「太平洋日本語学校で17課について佐藤先生に質問するためのハッシュタグ」とすればほぼ大丈夫です。
■ 実況ツールという使い方
2010年代はじめは、ライブの出来事の実況中継をツイートするのが流行りました。今は現場の人がスマホでちょこっと印象に残ったことをツイートするくらいであまり行われていません。
講演会や講義などで、本格的な実況をするのも、おもしろいと思います。本格的にやるとは…
というものです。ハッシュタグを準備し、事前に実況するとアナウンスする(こういう略称を使うなどと共に)ことも重要です。そのアナウンスは画像にして実況中は固定ツイにする。ハッシュタグを使ってもタイムラインにツイートが増えるので、やや邪魔かもしれません。今なら、コミュニティー機能も使えそうです。「実況+コミュニティ」という組み合わせはよさそうです。
例
■ スペース、コミュニティを活用
上のように、これらを使えば、タイムラインを使わない選択肢も出てきました。今後は、これらも組み合わせツールとして活用できそうです。「#太平洋佐藤わからん」を辞書登録してもらえば、サクッと作れます。
最初に紹介しましたが、BOTとはあらかじめ登録したツイートを指定した時間に自動的にツイートするというシステムのことです。自分でスクリプトを書いて作ることも可能ですが、無料のサービスがあり、誰でも作れます。「ツイッター BOT」で検索すると無料のサービスがたくさんでてきます。長くやっているところでユーザーが多いところが無難ですが、老舗もいつまで続くかはわかりません。
BOTでフォローが増えれば、それを多くのフォロワーがいるアカウントとして広告に利用するみたいなことも行われる。バズったツイートをパクって載せる。うまくフォロワーを稼げなかったアカウントが幽霊船のようにそのまま放置されているものを時々みかける。そういうものは、検索で多数引っかかったりして邪魔になる。
例えば、クイズ的なツイートを時間差で回答を出しながらも作れるし、漢字や語彙などの学習BOTも作れる。すでに日本語学習者向けの学習BOTなどは一時期は漢字やクイズなど無数にありました。今はピークを過ぎて一部が残っているという状況です。
BOTは、無料で作ることができるサービスがある。「BOT 無料」で検索するといろいろ出てきます。ただし、ユーザー数が少ないまま終わることもあるので、登録したツイートはバックアップをとっておくことこと。
BOT用のアカウントを作ってもいいし、個人や組織のアカウントに通常のツイートに足すこともできる。
Twibot
https://twittbot.net/
Botbird
https://botbird.metabirds.net/
「ツイッター BOT」で検索するとたくさんでてきます。長くやっているところでユーザーが多いところが無難。
👉 BOTはツイッターでは上のようなもののことですが、一般的には「ROBOT」の略語で、投稿などを自動化する仕組みの総称として使われます。サービスによって語の定義が違うこともあるので注意してください。Slackはまたちょっと違ったりします。
診断メーカー
診断メーカー https://shindanmaker.com/
「なんとか診断」は個人情報収集目的のものも多いんですが、日本語のツイッターでは人気のコンテンツです。注意してやれば、診断を作って公開することも出来るので、日本語学習者向けで何かできそうです。
よくある語の使われ方をGoogleで検索して「★★★ページ出た」と書く人がいますが、Google検索のこの数字はあまりあてにならないと言われてます。
ツイッターのほうが(データとしてはわかりませんが、頻度についての現状把握では)いいという意見があります。調査は無理ですが、実際にどう使われているか、どういう人達に使われているかも、知ることができます。これはツイッターの大きなアドバンテージです。ざっくり知るなら標準の検索だけでもいいと思います。
爆笑 - Twitter検索 / Twitter
https://twitter.com/search?q=%E7%88%86%E7%AC%91&src=typed_query&f=live
苦笑 - Twitter検索 / Twitter
https://twitter.com/search?q=%E8%8B%A6%E7%AC%91&src=typed_query&f=live
微笑 - Twitter検索 / Twitter
https://twitter.com/search?q=%E5%BE%AE%E7%AC%91&src=typed_query&f=live
嘲笑 - Twitter検索 / Twitter
https://twitter.com/search?q=%E5%98%B2%E7%AC%91&src=typed_query&f=live
上のような簡単な語がどう使われているかを知るなら標準の検索で十分ですが、もうちょっと色々知りたいなら高度な検索を使ってほうがいいかもしれません。
just setting up my twttr
— jack (@jack) March 21, 2006
👉 ツイッター創設者のJack Patrick Dorseyの最初のツイート。
2006年スタート。米国発で、日本では2008年ごろから知られ始め、2010年のアラブの春から2011年の東日本大震災で、それまでネットを使っていた人はアカウントを取得するようになり、ブログからSNS(当時はツイッターは「マイクロブログ」と呼ばれました)へと以降しはじめた。2010年代後半に一般ユーザーが大量にアカウントを作るようになった。
初期から大幅に仕様が変わっている。特に2015~2017年に暴言リプが増え、大きく変わることになった。
2010年スタートのインスタグラムや、2012年前後にはWhatsAPPやSnapchatなどの個人間のメッセージアプリ(日本だとLINEのような基本的には非公開で仲間同士のメッセージ交換用ツール)が現れ、知り合いとの個人間の連絡はメッセージアプリ、SNSはコミュニケーションツールというより、情報収集のReader、ツールという棲み分けがハッキリしていきました。(ただし、日本では、この時期一旦離れた若い世代がツイッターに戻ってきたという調査結果もあります)
多数の日本語教育関係者が使うようになったのは2015年以降。
日本は比較的Facebookよりツイッターのほうがユーザーが多く、他国では逆。特に東南アジアはFacebookのほうが盛んなので、日本語学校関係者などはFacebookのほうが活用は盛ん。ツイッターアカウントはあっても発信のみであることがほとんど。 Twitter - Wikipedia が最も仕様の変遷などを追っていると思われる。
👉 Googleトレンドの「ツイッター」の検索結果です。日本で知られ始めたのは2009年で、2010年(アラブの春)、2011年(東日本大震災)でユーザー数が増え、その後右肩上がり。2020年でひとまずおちついた、ということことがわかります。
ツイッターは2008年ごろから日本でもユーザーが増え始め、2010年のアラブの春(「海外の情報がリアルタイムで!」という評判)から震災の2011年(速報性と「メディアにはない情報が!」とという人気?)にかけて爆発的に国内アカウントが増えました。日本のアクティブユーザー(アカウント数は休眠中のものも多いので、調査機関によって、過去一ヶ月くらいにログインしたユーザー数にする、などの基準がある)は、数千万という発表もありますが、実際は、企業のアカウントも多く、個人でも複数使っている、休眠中などがあり、個人と紐ついたアカウントで投稿もするようなアクティブなものは百万単位というところだと思います。
調査によると全世界で3億ちょっとで、日本が4500万人ということですが、実際は、ツイッターを利用している人数で考えると、十分の一くらいと考えるのが妥当だと思います。
2015年以降はスマホの普及によってインスタグラムなどの画像映像系アプリの台頭で、2018年以降はユーザー数は弱含みで推移という流れとなっています。
2022年の調査
2010年代後半は「ツイッターで盛り上がっているのは高齢層だけ」などと言われ、若者はLINEを使うと言われていましたが、2020年になり、テレビでもツイートが引用されることが増えたこともあり、若者層は増えていると言われていました。それを証明するような調査結果がでました。
【SNS】男女に人気のツイッター・利用率10~20代男女で7割超、女性に人気のインスタグラム・利用率10~20代女性で8割超(2022年2月15日)|レポート|NTTドコモ モバイル社会研究所
ツイッター上では意外という反応が多かったのは、年齢層によってフォローする対象がかなり違い、世代間のタイムラインも違うということでしょうか。若者層は知り合いの他には、スポーツ選手や芸能人が中心で、いわゆる「ネット知識人」的な人はほとんどフォローしていないということが言われています。
FBは原則実名で、一人1アカウントというルールがある。ツイッターは匿名で複数アカウントが作りやすいので、ツイッターのほうがネット的だと言われます。悪口も批判もあり、炎上もツイッターのほうが多い。デマも広がりやすい。何かを書いた場合、批判を受ける可能性が高いのはおそらくツイッターです。しかし比較的自由に発言できるツイッターではデマを暴くようなツイートも現れるので間違えば批判される健全さを好む人がツイッターを選ぶ、例えば、研究者はツイッターを好む傾向があるように思います。
両者の違いは、ネット上でもいろんなことが書かれている。Facebookはリアル社会の補填として使われるネット上の社交の場となっている。そういう使い方が合っている人にはほぼ唯一の選択肢。ツイッターとよく比較され、「リア充のFacebook、従来のネットユーザー中心のTwitter」というような分け方をされる。FBユーザーは実名ベースの健全性をアピールし、ツイッターユーザーは批判も生まれるツイッターの健全性をアピールする。「フェイスブック ツイッター 違い」で検索するといろんな面白い記事が出てくると思います。
ツイッターより数年早くスタートしたFacebookも、欧米では長くアカウントを持っていたユーザーが離れ始めているという傾向があるようです。アジアの新規ユーザーがその数を補填しているという状況です。Facebookはアジアで人気が高いようです。
アジアがターゲットである日本語学校では、2000年半ばごろから、自分の学校のサイトは半年更新しなくてもFacebookは週一で更新するところが多いです。出版社や関連の組織もFacebook重視です。おそらく2000年最初に、国よりサイト製作への助成があり、日本語学校関係者が一斉に似たようなサイトを作った時期がありましたが、発注先が同じところなのかサイトのデザインも同じで、コンサルティングとしてFacebookを活用せよ、という号令があったように思います。今も、この延長線上でやっている学校が多数あるということだと思います。
ツイッターのアカウントを取って発信をする日本語学校はほぼありません。日振協はツイッターをはじめたのは2018年ですが、報告、お知らせのみ。日本語教育学会は2015年ですが、お知らせをツイートするようになったのはつい最近です。
日本語学校や日本語教育関係、出版社のツイッターの特徴は、お知らせのみ、発信のみで、リプライをしても、対応しないことです。議論になったり、意見を募集して、あれこれと批判が届くことになることを警戒しているのだと思います。
公開アカと非公開アカ 非公開アカは「鍵アカ」と呼ばれます。非公開アカをフォローするには申請をし、許されればOKというプロセスが必要です。非公開アカでも一般のツイートは読むことができ、仲が良い人達の間で相互フォロ-関係をつくりやり取りもできます。
自分のツイートが仲間以外に出ないことで、気楽に発言できるということもあるようで、2010年代初期に比べるとかなり増えているような印象で。上の2017年の日本語教育関係者の調査でも2
3割が鍵アカでしたが、その後増えているような気がします。
👉 このページの説明は、基本、公開アカを前提としています。
これも似ていますが、初心者にはあまり知られていません。公開アカウントでリストに入れて、リストをブックマークしてリストで読む人は増えていますが、リストにも、「公開」と「非公開」が設定できます。非公開リストならば入れても相手に通知がいかないので、相手に知られずにその人のツイートを読むことができます。慣れてくるとこれを活用する人は増えます。逆にいうと、自分とはフォロー関係がない人にもツイートを読まれている可能性はあるということです。
ツイッターのルール
暴言や脅迫、差別的言動に対するTwitterのポリシー | Twitterヘルプ https://help.twitter.com/ja/rules-and-policies/hateful-conduct-policy
2010年代後半にツイッター社は規約を改正し、中傷や脅迫などに関わる投稿を禁止する方向に舵をとりました。具体的には用語の規制やなりすましが疑われるアカウントを凍結することになっています。監視は人力では無理なので、機械的に行われ、(おそらく)使われている語などによって、ダウトをつけて、多数のダウトがつくものを凍結するということになっていると思われます。
いきなり凍結ではなく、まず当人に警告が行き、続けた場合は仮凍結で該当のツイートを削除すれば解除、それでもだめなら完全に凍結で以降使えなくなるということのようです。おそらくアカウントを作る際に使ったメールアドレスは使えなくなります。
👉 ただし、メールアドレスは無限に作れるので、アカウントを新たに作りながら悪質なツイートを続けることは可能です。
当時の規制の発表は以下のとおり。
特定対象に向けた罵倒、嫌がらせを禁じます。Twitterがこれに該当すると考えるのは、以下の行為です。
複数のアカウントを使って特定個人にメッセージを送ること 他人を罵倒するメッセージを送ることのみがアカウントの目的である場合 報告された行為が、一方的または脅迫を含む場合
具体的には、人に向けて「殺す」などとリプライを送るとかなり高い確率で凍結されると言われており、以降、ネット上では「○す」みたいな言い換えが流行っています。死ねはセーフみたいな話もまことしやかに語られていますが、どういう用語がブラックリストなのか、これはリプだけなのか、メンションはどうか、通常のツイートでもだめか、みたいなことはハッキリとしないままです。特に「死ね」「殺す」は、ネット発でタブー化したようなところがあります。2015年以前はテレビでもネットでも「アホ」「バカ」くらいのニュアンスで普通に使われていた罵倒の表現ですが、2020年代は使って炎上したら謝罪必須みたいなムードがあります。
around,center 「興味がない」は広告ツイートだけでなくフォローしている人のツイートでも有効です。タイムラインに出てくるツイートはすべてではなくAIにより調整されていますので、その判断材料になります。 フォロー解除、リストに追加、ブロック、ミュート、もここからできます。 「ツイートを埋め込む」はブログなどに埋め込む際に使います。 「ツイートを報告」は悪質なツイートだとツイッター社に報告するものですが、これを組織的に悪用するケースもあり、これが凍結に繋がることがあります。 一般の通報システムも強化されていますが、この通報を悪用して気に入らないアカウントを凍結させるという行為もあり、なかなか難しい運営となっているようです。また、機械的に行われるので間違いも多く、誤って凍結されるケースも増えています。有名人などでも誤って凍結されるケースが多いようなので、いわゆるアンチのファンによって通報され、ある程度数がたまったらウォッチの対象となるということがあるようです。誤って警告が来たり凍結された場合はツイッターのサイトから申し立てをすることができます。しっかりやれば復活することも多いと言われています。
Twitter、個人への罵倒・脅迫を禁止へ | ハフポスト https://www.huffingtonpost.jp/2013/08/05/twitter-abuse_n_3705758.html
冗談で「殺す」と書いただけで永久凍結されることがある (#3269066) | スラド https://srad.jp/comment/3269066
「センシティブな内容」
主に画像や動画が対象です。かつてはエロ画像だけでしたが、残虐なものやデマ的なものも表示されないことがあります。AIでの画像解析による自動チェックなので、時々間違えるようですが、精度は上がっています。
言葉もチェック対象になっているので、決まった語だけでなく、文章表現などもひっかかることがあるようです。
読売新聞でさえ80万、地方の新聞社だと10万前後。ただ、大手の地方アイドルグループの公式アカが10万くらいで、その代表的なメンバーが3万くらいです。SNSは、個人が強い傾向があるとはいえ、平均でみると個人では最大限に成功しても1万くらいが天井といえそうです。
これは難しいです。よく自己承認欲求であるとか、中年が多いのはMidlife crisisのせいだ、とか、あるいは若い人にとってはネットで知名度が高いことが学校社会とは違う場所での評価として貴重だとか、と言われますが、それらの背景になっているものは、やはり具体的に利益に結びつくからというのが大きな背景にあると思います。つまり…
間接的にお金や安定などに結びつくものとしての知名度、影響力 直接的に仕事やお金に繋がること に結びつくということです。なんとなくそういうことなんだろう、ぐらいには理解されていますが、「SNSで稼ごう!」みたいな煽り記事は溢れてますが、実際のところをちゃんと書いているところは少ないので今の相場的なものも含め簡単に整理してみます。
これは単純に個人の承認欲求的なことだと解釈されていますが、今は様々なメリットがあります。メジャーなところは競争も激しく、費用対効果は薄れる一方ですが、意外と日本語教育のような地味で閉鎖的なところは、まだまだそれなりにメリットがあります。
外に向けて
ひとつは外部からの窓口となるという点です。たとえ虚名であっても、民間資格をとったぐらいでも、宣言するだけで、とりあえず「日本語教育の**に関心があり、専門的な知識がある」「日本語教育とビジネスの関係に興味がある」的なことをプロフに書いておけば、フォロワー数が増えることで、そのジャンルの専門的な知識があるのでないか?ということになっていきます。いつの間にかそのジャンルの第一人者になることも夢ではないようです。
👉 ただし、たいていのジャンルはちゃんと研究している人がいるので、その人達を怒らせたら終わりです。SNS上に日本語教育の研究者は少ないですが、SNSをみている人はそこそこいます。
日本語教育とはまったく関係ないところで、日本語教育関連のことが必要になったけども、どこに、だれにコンタクトしていいかわからないという人達の窓口になれるという点です。あまり深く考えずにググって上位にくるところ、フォロワー数が多い人、にコンタクトするという人は意外に多い。いろんなビジネスの話が飛び込んでくるということがあります。教育の世界は「ビジネスでやってるんじゃない!」という人も多いので、「ビジネス依頼受けます」的なことをわざわざ書く人は目立ちますし、「外」の人はそういう人が「話しやすい人だ」と考えるものです。 こういうことは今後増えていく可能性が高いと思います。
内に向けて
もうひとつ見逃しがちなのは、内に向けてのブランディングです。所属している組織や業界の中で「**に詳しい人である」という認知度があがることのメリットです。
日本語教育のようなデジタル活用が遅れているところでは、単にネットの有名人であるだけでデジタル方面に詳しいと思われがちですから、余計効果があります。「ウチで導入するシステムを検討中なんだけど」などとよく知らないことの相談を持ちかけられたら、「一般的には**なんかが使われてますよね」などとテキトーなことを言って「じゃあ詳しい人を紹介しますよ」などと言えばなんとかなるわけです。日本語教育業界にはツイッターのフォロワー数が多いだけで「デジタルやネットに詳しいから」と組織の中で居残り続けている人はいると思います。コロナを経て、民間の日本語学校でもICTに詳しい教師の価値はあがっていることでしょう。
👉 それほど詳しくないのに、SNSのブランディングには、看板が必要だからと無理をして「**に詳しい」という看板を背負ってしまう人は結構いて、痛々しいかんじになっています。無理はしないほうがいいと思います。
👉 ステマ依頼の例です。例としてあげられているアカウントはほぼパクツイアカ。パクツイをしてもフォロワーを稼ぐのは、こういう理由も大きいわけです。
ネットの広告媒体としてのネットの存在感は大きくなっています。
ツイッターはフォロワー数「1=0.1~1円くらい」などと言われます。ツイッターからブログに誘導して、ブログの広告も「1PV(閲覧)=0.1~.0.5円」、ただし、この誘導先が、YoutubeやTiktokになると、この稼げる閲覧数も大きくなりますから、得られるお金の額も増えます。
ツイッターでは、フォロワーが5000くらいになるとPR投稿の勧誘が届きはじめる、と言われています。ブログだとキーワードでの検索順位(つまり「マスカラ」で個人のブログが上位に来れば、広告依頼が来る、みたいなことです)が、Youtubeだとチャンネル登録者数(1万くらいが目安と言われてます)や閲覧回数(これも一万くらい)によって決まります。
ジャンルと舞台による
ただし、こういう指標の数字は、どういう層のフォロワーが多いかによってスポンサーが変わってくるのでケースバイケースです。若い女性に人気だと化粧品やダイエットなど割のいい宣伝案件が集まり、中高生のスポーツ好き男子もスポーツ系メーカーなど景気がいいところがありますが、日本語教育の5000は日本語教師養成講座か求人系のところから来るかどうか、くらいかもしれません。
この種の広告宣伝依頼は「案件」と呼ばれ、大小様々です。今はYoutubeやTiktokがメインの舞台で、インスタやツイッターはそこに誘導するためのツールとして評価されています。メインの舞台のほうが得られるお金は大きく、誘導ツールはそこそこです。
「ツイートがバズったら、その次のツイートは必ず見られるから、そこで宣伝しろ」と言われます。バズるとは(RTなどがあり多くの人に見られることになる)という意味です。SNSは宣伝場所として有効という事実はあります。フォロワー数が多いということは、それだけ宣伝効果が高いツールを持っているといことだとも認識されています。
👉 フォロワー数を売る商売というのもありますが、あまり使われなくなってきています。フォロワーを増やすためにたくさんフォローし、フォローバックをもらってある程度フォロワー数が増えたらフォローを解除する、みたいなことも行われます。フォローされている数が同じなら、フォローしている数が少ないほど強い、ビジネス的価値があるなどと言われるので。
👉 フォロワー数よりリストに入っているかが重要という意見もありますが、公開リストは使われなくなって来ていて、これも仕様の変更に伴って意味は薄れてきているように思います。フォロワー数が多いアカウント自体もお金になる
BOTを活用して、動物、子ども、感動話、衝撃映像、海外の動画や映像などをパクって日本語で補足を入れただけみたいな、単にフォロワー数を稼ぐだけが目的のアカウントもありますが、これは、そこで案件を流すというより、そのアカウントそのものを売買することも目的のひとつになっているようです。これは以下のふたつのツイッターの機能を使います。
少々炎上しても数ヶ月で忘れられてしまいますし、パクリなど少々荒っぽいことをしてフォロワー数を稼いでも、一旦アカウントを削除して、違うユーザー名、ニックネームにすれば、フォロワー数をそのまま残して別のアカウントになることができるわけです。これを企業やSNSでの知名度や宣伝媒体がほしいベンチャーなどに売るという方法があります。ベンチャーも自社のアカウントにはしませんが、イベント告知用としてちょっと使うくらいのことはできるというわけです。
このへんはツイッター社との仕様の変更との争いですが、こういう隙間をみつけてお金にするという人は多く、特に日本の人はそういうのが得意です。とにかくフォロワー数稼ぎだけやっておけば、後で何か金になるだろう、とやる人もいます。「かわいい動物BOT」はそこそこフォロワー数を集めたら、詐欺グループに売られて活用されるみたいなことも起きるわけです。
ツイッターは、自分の感想や考えをつぶやく場所ということになっていますが、フォロワー数を稼ごう、自分のブランディングをやろう、ということになると、そういうことからはどんどん離れていきます。
フォロワー数を稼ぐためのツイートとは
と言われます。すでに自分の考えを書くところから離れつつあるわけですが、さらに、だんだん野心が出てくると
少々挑発的、煽り気味に書く。ツイッター上で少数の敵を作るくらいがちょうどいい みたいなことになってきて、災害時のようなタイムラインが活性化される時にいかに共感を得られるツイートが書けるかが勝負だ、みたいなことになり、次第に、共感を得られるなら何でもいいとダークサイドに落ちる人も出てきます。
フォロワー数=影響力とはいえない側面
ただ、実際に影響力があるのかはかなり疑問です。ハッキリしているのは、フォロワー数は支持者の数ではないことことと、ツイートを読んでいる人の数でもないということです。
ツイッター社提供のツイート分析 https://analytics.twitter.com/
ログインした状態で上にアクセスすると、自分のツイートが何人に読まれたか、リンクを置いた場合は何人がリンクをクリックしたかなどがわかります。フォロワーは1000人いても確実にツイートを読んでいるのは2割前後です。この比率はおそらくフォロワーが増えるほど下がります。フォローはしていないけどリストで読んでる人がいるとして、それを足してもせいぜい25%くらい。「100人フォロワーがいても、読んでいるのはせいぜい25人で、しかもその25人は賛同者とは限らない」ということになります。
また初期と違ってフォローしたままでもミュートでツイートを読まなくて済むようになり、慣れてきたらリストで読むという人が増えました。結果、フォローをするとか外すという行為はあまり意味を持たなくなってきており、特にフォローを外すということをわざわざすることも減ったように思います。従って「フォロワーというのは増えることはあってもあまり減らない」仕組みになりつつあります。
炎上してもほとんど減りませんし、ツイートが数千人にRTされたとしてもフォロワー数の増加にはあまり繋がらないようになってきています。
しかし見た目の数はツイッターの仕様の変更の変遷などに詳しくない世間ではまだ有効ですし、マーケティング的には多少の意味があるので数に意味はないとわかっていても数を追う人はいます。
つまり、ツイッターでは、昔ほど、フォロワー数が多いということに意味はなくなりつつあるということです。企業などでは、まだ数にこだわるところは多いようですが。つまり、上で書いたメリットも、そのうち多数が気づき始めたら終わりです。
定期的にフォロワー数が何人から有名人の仲間入りで、何人からインフルエンサーか?フォローと被フォローの割合だ、リストに入るほうが価値がある、いや量より質だというような議論が起こります。フォロワーの数はなりふりかまわず集めれば、1000人くらいは簡単に超えるようです。
一般的には、ツイッターでは特定のクラスタの有名人はフォロワーは1000人を超えるくらい、いろんな話題についてツイートをしてクラスタ外でも知られるようになると数千人に。そこから上は本を出したりと他のメディアでも知られるようにならないと難しいと言われています。かつては、ツイッターをする人をツイッタラーと呼びフォロワーが多い人をアルファツイッタラーと呼びましたが、あまり定着せず、今は、単にネットで有名な人をインフルエンサーと呼ぶということになっています。
ネットで有名になった人、ブログ本を出したけど主戦場はネットというにとっては、1万人はネット有名人と呼ばれるための次なる壁ですが、芸能人などは無名でもアカウントを作っただけで1000人くらいのフォロワーは集まり、すぐに1万人くらいにはなります。*6
SNSを始めると、最初は有名人をフォローしてみる、ネットの有名人も、となりますが、多数のフォロワーを抱える人達はフォロワーへのアピールが上手いです。いかにもRTされそうなツイートをします。フォロワー数が増えると例えば「日本語教師」で検索すると「お勧めアカウント」で出てきたりしますし「フォロワーが多いからフォローする」という人がいるので、フォロワーは一度、数千になると、少々おかしなことを投稿して炎上してもあまり減ることはありません。
フォロワーは多く知名度は高いけど、まともな人からはもう相手にされていない、すでに過去の人、というネット有名人もいます。しかし数を維持するために、新規のフォロワーの開拓はやるので、ツイッターを始めたばかりだ(そしてある程度の期間、いろんな人をフォローしていないと)と見分けがつかない、ということがあるようです。
ただ、日本語教育だと個人では1万くらいがトップで、5000を超える人は数人です。個人で5000を超えるには、炎上覚悟で、日本語教育以外の人達を意識してターゲットにしていかないと無理なようです。
最大の組織である日本語教育学会も5000くらいで止まっています。その他、「業界では有名」という個人、組織やメディアでも2000くらいが限界みたいですから、日本語教育の世界では、日本語でやる場合は、5000、2000、1000あたりが、超有名、有名、そこそこ有名、という数字と言えそうです。学習者相手だと数万というアカウントもありますが、こちらは基本日本語学習がメインなのでまた違います。
👉 このへんのツイートが見える見えないみたいなマイナーチェンジはわかりにくいです。
SNSの基本的な仕様は、そのSNSのコミュニティとコミュニケーションに関する考え方があらわれます。ツイッターは基本的にはオープンなSNSですが、2016年以降は、様々な勧誘、ファイク投稿や暴言などが増え、その対応のコスト(発信者情報開示請求が増えてその対応が大変になったのではと想像されます)がかさむという事情があるのか、かなりデフォルトの設定でもクローズドな方向に進んでいるという印象です。ここでは、ツイッターの仕様とその仕様が意味するもの、を中心に書いてみます。
Twitter。先月から、引用RTが通知に現れない事があるようになったなあ。
— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) March 5, 2022
全部現れない仕様ならそれはそれでありと思うけど、現れたり現れなかったりするのが面倒。
ただ、細かい仕様変更を追うのは無理ですので、おおまかなものとその方向性に関してだけです。
最もわかりにくく、頻繁に仕様が変わるのは「誰にどこまでツイートが見えるのか」です。
基本的には、2010年代後半のクソリプ増大で、利用者が見たくないツイートは設定次第で目に入らないようにする方向で、変化しています。公開アカウントのRTは当然流れてきますが、設定で流れてこないようにすることは可能です。イイネも流れてくるようになりました。これも多少は制御できるようです。(詳しくはググってください)
非公開設定とブロック、ミュートは、ツイートを見ないように/見せないように、する機能です、組み合わせでいろんな調整ができます。
しかし、例えばツイートを誰にイイネされたかは、フォロー関係がないとわからないようになったり、みたいなこと。さらに非公開アカからのイイネで一方からしかフォローがないケースで、イイネをしたほうをフォローしている場合は…など、シンプルなようでして結構いろいろなパターンがあり、すべての検証は難しいです。その都度ググって確認するか、詳しく知りたい人は、2つアカウントを作ってアレコレと実験してみてください。
2022年代初頭の状況を、基本的なこと以外のことを中心にざっくり整理すると…
ブロックブロックされると、した人のツイートは完全に見られなくなります。RTなどで目にすることも無くなりました。別アカでみるしかありません。 モーメントなどでツイートを取得することもできません。ツイートのURLを入れても表示されません。 非公開
ツイートを見ることができるユーザーと非公開設定 https://help.twitter.com/ja/safety-and-security/public-and-protected-tweets
より詳しい仕様の変遷はWikipediaは比較的追っていると思います。 Twitter - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/Twitter
アルゴリズムの変遷 2010年代半ばは、毎日数通のスパムリプやスパムフォローが来ていました。1年くらいで目にすることは無くなりましたが、スパムが消えたわけではなく、迷惑メールと同様にフィルタリングされて届かなくなったり、自動的に削除されています。また広告も増え、ユーザーに最適化するためにユーザーの関心事についての情報を収集する度合いも増えています。ツイッター者は、ユーザーから大量の情報を取得し、タイムラインに流し、一般の人のツイートや外からのリプやRTなどを調整する傾向が強くなってきています。
リストで読む人が増えている中、タイムラインを見る人は減ったと言われていますが、まだ初心者を中心に多数派ではあるようです。おそらく日本語教育関係者もリストではなくタイムラインで読んでいる人のほうが多いような気がします。タイムラインはツイッター者の仕様の影響を受けやすいところです。
2010年代後半から、いわゆるクソリプ対策でフォローした人のツイートがそのままタイムラインに流れてくるということではなくなってきています。広告ツイートなども増え、かなりツイッター社の意向を反映したものになっています。
しかしアルゴリズムは、当然、秘中の秘なので推測するしかなく、このへんは広告畑の人達が敏感で、いろいろな議論がなされている。
Twitterアルゴリズムについての推論 / Twitter https://twitter.com/i/events/1294450488566407168
「ユーザーは、気づかないうちに異論を排除することに加担している。居心地は良くなるが、正してくれる人は視界に入らなくなる。」
Twitterのアルゴリズムを分析してみた。その仮説をもとにツイートを伸ばすパターンを分析してみた。体感的には2.5倍くらいに伸びた https://note.com/shintakai/n/n52a9c048866a
こういうことは、マーケティングにSNSを利用する人達にはあっという間に広がるので、ツイートの傾向も変えてしまう影響力を持ちます。企業だけでなく、「セルフブランディング」的な人達を相手にしたセミナーなどでも「最新情報」として拡散される。日本語教育の有名人(「セルフブランディング信者」で、SNSで知名度を上げたいという人達は結構います)にもすぐに波及していくわけです。
そういう人を除くと、一般的に日本語教育関係者にとってのアルゴリズムに関する知識は、SNSをコミュニケーションのツールとしてどう考えていくのか、ということを考えていく上で重要ということになりそうです。もはや、SNSのタイムラインを素直に受け取って考えるのは難しくなっているということです。
仕様や規定は多数の使い方の影響を受けて変更され、変更によって、多数も影響を受けるという関係になっています。
ツイッターは初期(~2010)から過渡期(~2015)を経て現在に至るまで、いろいろな仕様の変更を行っています。ユーザーが増え、なんとなくあるマナー的なことの維持が難しくなり、仕様の変更で対応しているということで、基本的にはデマや誹謗中傷対策が中心です。結果、設定を工夫すれば乱暴なリプライややり取りを見なくて済むようになりましたが、同時に、よりクローズドなSNSにもなりつつあります。
知らない人との交流は減り、結果、かなりクローズドなコミュニティーが出来て、それぞれのコミュニティー間の交流はほとんどない、大手メディアなどのアカウント以外はほとんど「仲間」のアカウント、仲間がブロックするアカウントはコミュニティーの人もブロックする、という人が増えています。タコツボ化が進んでいると指摘する人もいます(Facebookは仕様上、最初からそういう傾向が強いと思われます)。
リストで読む人が増え、ブロックよりミュートが利用されるということは、フォローを解除する必要も無くなったということです。つまり、フォロワーが自分のツイートを読んでいる可能性はますます下がっています。加えて、リプライや引用RTをする人も減っている。
フォロワーがたくさんいても、間違ったことや、おかしなことをツイートした時に、基本、だれも訂正はしてくれないまま放置される可能性が高くなったとも言えます。
👉 ネチケット的なマナーでの維持が難しくなったという側面もありますが、やはり具体的に名誉毀損などの訴訟が増え、サービス提供者自体が訴えられるリスクが増大したこともありますが、関連して、発信者条項開示請求が通りやすくなっていて、サービス事業者にとってその対応コストが大変だという事情も無視できないようです。
仕様変更のお知らせ、テスト
Twitterは、新たに会話の参加方法のテストを行います。
— Twitter Japan (@TwitterJP) May 21, 2020
✍️iOS、Android、https://t.co/3ItuU1abU5 上でツイートする前に、全員が返信(Twitterでのデフォルト設定) 、フォローしている人だけが返信、指定した人だけが返信できるかを選ぶことができるようになります👇https://t.co/XQc2mfGPw5 pic.twitter.com/uYP55BpxGl
テストは秘密に行われることもあれば、一部の地域でアナウンスしてから行われることもあります。採用される比率はわかりませんが、オープンな形でテストする場合はその後変わることが多いようです。ただ、ツイッターはユーザーの声はあまり聞かないという印象が強いです。
攻撃的な返信も非表示にすることが可能に。Twitterが新機能をテスト https://www.buzzfeed.com/jp/yutochiba/tuitohenoositenitwittergaotesuto
鍵アカはかつて普通に存在していましたが、2015年前後から、あまり推奨されないものとなりました。2015年前後に鍵アカでの通知が無くなったりという仕様変更があり、鍵アカ同士でフォローしあってクローズドなコミュニティを作っていたところは、維持が難しくなりました。
読むだけでいいという人には非公開のほうが便利ですが、鍵アカを乱暴なリプやストーカー的に活用する人もいるので、鍵アカの人のフォローは禁止(フォローされたらブロックする)という人もいます。
現在も鍵アカはあります。2017年ごろに1500人くらいのフォロワーの人を対象に調べたところ、日本語教育では3割くらいの人が鍵アカで利用しているようです。
2010年代ごろまでは、全文をRTする公式RTと、自分のコメントと共に引用する非公式RTがあり、非公式RTは多く使われていました。しかし、引用の際の切り取り方によっては元の文意が変わってしまうことがあり、中には引用文を改変する人も出てきて問題が起こり、RTは全文引用が基本の今の形(全文だけRTか、全文引用した形での引用RTかの二択)になりました。
現在でも、他のツイートをコピペなどで引用しながらのRTは可能ですが、あまりよいことではないとされています。元々、ネットで議論する際のルール的なコンセンサスが無く、仕様の変更によって整備されてきたという側面もある、ということかなと思います。
👉 鍵アカを引用RTしていいのかは議論が分かれるようですが、するならツイート主が特定できないようにアカウント名は削除したうえで「RT(鍵アカ)」などと補足をするというマナーが生まれつつあるようです。
デフォルトで自分がブロックしている人のリストを公開して共有することができるようになりました。その他、機能拡張やウェブのサービスなど「まとめてブロックする方法」はいくつかあります。フォロワーが千単位で多くなり、クソリプに悩まされてる人には便利かもしれませんが、普通の使い方をしていれば、収拾が付かない付かないほどクソリプが飛んでくることはないので、まとめてブロックするような必要はないと思います。
ただ、この種のまとめてブロックをする方法は「ある人がブロックしている人が自分にとっても有害かどうかはわからない」という問題があります。例えば「ひどいリプライをする人のブロックリストだから、これを自分のアカウントに取り込めば不愉快なツイートをみたりリプライが来る可能性は減ります」として配布するリストには、単にその人と考えが違うだけのアカウントも入っているわけです。ある種の宗教的なコミュニティでは有効かもしれませんが、基本的にブロックするしないの判断は自分でやるべきこと、という気がします。
フォロワー数が多く、もっと増やしたいと考えていて、政治や社会的に関心が高い話題について挑発的な投稿をするユーザーはクソリプが来る可能性が高くなります。しかし平均的なユーザーにとって今のSNSの問題はクソリプよりも怪しげなセミナーやマルチ商法などの勧誘のほうかなという気がします。
ステマサイトをはじくために引用の寄せ集め記事でよく使われる「いかがでしたか?」を使うというアイデアがありましたが(この種のアイデアは有名になると対策をされるので追いかけっこになりますが)同様に、そういうアカウントが使いがちなワードやフレーズやキーワードをミュートして弾くほうが有効かもしれません。
サンプルとして、ミュートワード候補として検索結果と共に書いてみます。
自分なりに弾きたいツイートの傾向をみつけてやってみるのはどうでしょうか。
2015年の秋に始まりました。選択肢は4つまで作れ、回答期間は最大七日間まで設定可能です。ツイッターのアカウントの分だけ回答できます。複数アカウントがあれば複数回答できることになります。
投票すれば途中経過をみることができます。 非公開アカウントのアンケートはフォロワーのみが見られます。 回答を誘導しないような質問の文章、しっかり区別できるような選択肢の作り方などに注意すれば、ちょっとやってみる、くらいの使い方はあるかもしれません。例えば、これまで何カ国に行ったかとか、ツイッターの設定をどうしているか、というようなことは有用な回答が得られる可能性があります。ただ、もちろんツイッターのアンケートには、ツイッターのアカウントを取得できる人という大きな偏りがある他に例えばアンケート主催者の日々の投稿を支持している人にしか伝わらず、主催者がブロックしている人は回答できないというようなこともあり、ツイッターのアンケートを調査結果を何かの根拠として示すのは難しいことは明らかです。アンケートや統計に関しては、守るべきルールや方法があります。調査・統計に少し資料がありますので参考にしてください。
👉 ツイッターのアンケートは、往々にして、アンケート主催者の日々の主張を確認するための宗教的な儀式のようなものになりがちです。
2017年以降、ヘイトスピーチの増加を受けてTwitter社はアカウント凍結を増やしています。が、かなりざっくりとした方法でやっているらしく(日本法人は全然人がいないという話があります)、NGワードの自動収集とユーザーからのクレームで割と簡単に凍結され、なかなか解除されないということもあり、凍結されたアカウントから申し立てがしやすくなったようです。
これを利用して気に入らないアカウントを凍結せよと徒党を組んでクレームを入れるみたいなことも行われていてます。
かつては有名人のアカウントや企業のアカウントはツイッター社に書類を送ればアカウント名の右に公式マーク(認証バッジ)が付きました。2016年には個人でも申請できるようになりましたが、その結果、「あいつを認証するのか?」みたいな騒ぎにもなり、2017年の11月に申請はストップ、認証はかなりの有名人でも(芸能人で事務所から正式に申請されても)認証マークは付かないようになっています。おそらく、認証の申請が一気に来て対応できなくなったこともあると思います。
認証マークが付かなくなったことによって、有名人のアカウントのなりすましが増え、本物のアカウントが凍結されたりということも起きていますが、2019年6月の時点でも認証システムは保留のままです。
公式マークが復活しました。対象は政府関係者、非営利団体、ニュース、エンターテインメント、スポーツ、活動家のアカウントの6つ。その他影響力があると認められる例外もあるそうですが、フォロワー数やメディアへの露出などかなり条件が厳しく、基本的には有名人への凍結誘導みたいないやがらせ対策としてできるもののようです。
【参考】
ツイッター社の説明 認証についてのよくある質問 https://help.twitter.com/ja/managing-your-account/twitter-verified-accounts
Twitter、アニメーションPNGの投稿を禁止–てんかん患者の安全を考慮 https://japan.cnet.com/article/35147353/
2010年代後半の荒れ方を受けて、暴言が目にとまらないような方向での仕様変更と、フォロワー同士で小さなクローズドなコミュニティを作る方向に転換。
スペース(音声チャット機能)
音声チャットのClubhouseをまねたスペース機能ができた。詳しくはスペースを参照
2019~20年にリプを承認しなければ非表示になるという機能が追加されました。いわゆるクソリプ対策の一つかと思われます。
そして2020年に、フォローしている人へのリプ(リプされた人が承認したものだけ)がすべてタイムラインに表示されるようになりました。以前はフォローしている人のリプしか表示されませんでした。これも結構大きな仕様変更で、どちらかというと表示する方向での変更は珍しいかもしれません。リプへの非承認が追加されたことで、それならリプの可視化はOKという判断になったんでしょうか。
2020年の春はいろいろと機能が追加されました。
PC上では、複数アカウントを登録して切り替えることできるようになった。 投稿の原稿を保存できるようになり、日時を指定して予約投稿が可能になった。 Tweet Deck の機能を公式でも取り入れる方向になったようです。別アカを持ってる人や企業などのアカウント運営にも配慮ということでしょうか。
例の炎上がリプライ禁止にしたせいで爆炎してしまった流れ。明日は我が身なので覚えておこう。 pic.twitter.com/NDJuJEEhhe
— ホームページを作る人のネタ帳🍰🐈Yamada_Nt (@yamada_nt) September 16, 2020
ツイート投稿時に「全員」「フォローしているアカウント」「@ツイートしたアカウントのみ」の3段階でリプライを制限できるようになりました。内向き志向はより強くなり、特に比較的クローズドな日本語教育クラスタは、集合知的な知恵は機能しなくなりそうです。SNSは、ネット上の言論の場というよりは、クローズドな小さなコミュニティのための場所となりつつあるようです。
これでひとつ、ネットはより「仲間同士の場」となりユルい投稿が増え、ネット上で居心地がいいクラスタだけでやり取りしていると、永遠にそのクラスタで共有している誤った認識や知識から抜け出せなくなる可能性が高くなったかもしれません。
【参考記事】Twitter、待望の“クソリプ防止機能”をついに実装 一方で「デマや間違いを指摘できなくなる」と懸念も (1/2) - ねとらぼ https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2008/12/news053.html
2020年11月10日、投稿が24時間で消えるという機能が追加された。 これは(たしか)Snapchatで始まり、インスタが採用して一般化した機能で「ストーリー機能」と呼ばれることもある。
投稿自体にパブリックな要素が減り、身内化が進むという流れのひとつになりそう。
👉 特に検証もエビデンスもないことを無責任に投稿するみたいなノリが加速しそう。。。
矢印 2021年8月に早くも廃止になりました。
アカウントの検索がトップ画面に追加
これまでも高度な検索でやれたが、アカウントのトップでできるようになった。簡単に過去ログの検索ができることで、都合の悪い過去ツイは削除する人が増えるかも。
Twitterアプリで「アカウントのツイート検索」が容易に - ITmedia NEWS https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2111/08/news113.html
写真・動画の無断投稿を禁じられる
「被写体の同意なしに投稿された写真・動画に対して報告があった場合、その投稿を削除するなどの措置(違反の程度や違反者の過去の違反歴によって異なる)を行う。」とのこと。これまでは住所などの個人情報に対して行われてきたが、写真や動画へと範囲拡大した。
個人の写真・動画の無断投稿を禁じるポリシー変更 - ITmedia NEWS https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2112/01/news074.html
まずは、ブロックまたはミュートしたアカウントからのお知らせが「#話題を検索」、メッセージ、通知のサイドタブ内にも表示されなくなりました。このアップデートはAndroidアプリ、iOSアプリ、ウェブに対応しています。
— Twitter Japan (@TwitterJP) January 12, 2022
ブロック、ミュートしたアカウントのツイートは、タイムラインだけでなく検索結果、その他のおすすめなどに出てこなくなり、完全にカットすることができるようになったとのこと。
これは、クソリプが頻繁に来るようなフォロワー数多めや有名人アカウントには便利ですが、一般のアカウントで普通のツイートをしている人にはほぼ不要な機能だと思われます。
ただ、そこそこ影響力がある人が「これらのアカウントはダメだからブロックやミュートを推奨する」みたいなことを言えば、それに従う人のタイムラインには、そのアカウントのツイートは、仮にその影響力がある人とは違う考え方の人がRTしたりでバズっても一切出てこなくなるわけで、「教祖=信者」的なクラスタにいる人には、そういう活用をされそうです。例えば、自分のブロックリストの共有などを推奨する人は増えそうです。
つまり、タコツボ化が進むような仕様となる傾向はまたひとつ進んだとも言えそうです。
これは元々ダメでしたが、最近よりダメになったという話ですが、そういう意見は多い模様。Togetterなどの人気の低迷で、過去に何を発言したのかはあまり問われない傾向も進んでいます。ある意味気楽に、自由に書き込みやすくなったと言えますが、信用性は低下することは避けられないかも。
Twitter検索、たった2週間前の記事URLの検索がほぼヒットしない(ツイートカウントは回っているのに)の端的にゴミでは。最近輪をかけて改悪されてない?
— あるごす (@argos_M1111) January 12, 2022
2021年からテストで2022年の1月にほぼすべてのプラットフォームでスタート。これも内向き志向の現れの一つと言えそうですが、スペースと違って、ツイートは原則公開される仕様。
詳しくは、コミュニティを参照してください。
後編集、埋め込みなどの機能拡張の議論 同時期にツイッターの基本に関わる仕様の変更の議論が起きた。ひとつはイーロンマスク氏が株式を取得し、投稿後にも編集できるようにと提案した件。
ツイッターに編集ボタン 投稿後に修正可能: 日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO59766590W2A400C2TB1000/
もうひとつは、埋め込みされたツイートが削除された後にツイート内容が残るのを完全に消そうという変更の件
Twitterの埋め込みツイートを削除した場合の表示方法、大騒動の末、結局元通りに【やじうまWatch】 - INTERNET Watch https://internet.watch.impress.co.jp/docs/yajiuma/1401735.html
いずれも、議論などが起こり、後で自分の発言を修正したり消したりということができるようにしようというもので、反対がおき、変わらなかった。欧米では、議論のルールとして、一旦公に発言したものをこっそり修正することはアンフェアな行為とみなされる。しかし日本ではこういう議論のルールについての議論はあまり起きない。
事件から10日後に発見されたが、真偽は不明。普通のよくあるツイートをするアカウントという印象。ワクチンは二回接種し、保守的な価値観を持ち、極端名差別的な志向もない。いちおう記録としてキャプチャーをいくつか残しておきます(左上からはじまり、右下が最後のツイート)。
Togetterには、全ツイートの記録があり、いろんな分析が残っていますが、一民間のサービスでもあり、削除要請には対応するしかなく、公的な組織がアーカイブ化しないかぎり残る可能性は0ではないかと思います。
さんざん報道された後ですが、7月19日にアカウントは凍結されていました。
ツイートのみで、RTは残っておらず、誰のどんなツイートにイイネをしたかも記録はないようです(警察などにはあるかも)。
RTされていた、引用されていたと分析されてしまうこともあり、引用しての議論もあり(SNSに慣れている人はそのうち消えるだろうとキャプチャを取っていました)、この凍結までの数日で、影響を与えたと思われたくない人などはブロックしてRTを表示させなくしたりと、いろんなことがあったと思われます。
報道後は、覗くたびにRTやイイネが増えていましたが、いつのイイネなのかがハッキリしないこともあり、犯行前から注目されていたという誤解も広がっていました。
その人の考え方、嗜好を知るためには、忖度、損得勘定でストップがかかりやすいツイートよりもRTのほうが意味は大きいような気がしますが、個人情報でもあり、なかなか難しいところです。これまでなら、警察に欧州されていた日記のタグイのものが、ネット上で共有されるみたいなことは、海外ではテロを起こした人のSNSの魚拓などが出回るのはよくありますが、日本ではSNSが広がったのが2015年以降くらいということもあり、あまり例がなく、発覚後のいろんな人の動きも含め、ネットに自分のログを残すこと、それが第三者に公開されているということはどういうことなのか?を考える機会になりそうです。
SNSは、何を投稿するかだけでなく、何にリアクションするか、何に反応しないか、言及しないか、どう変化したか、など、晒している個人情報は自分が意識しているよりも多いということも、この件で改めて意識する人が増えたようです。
その後の報道によると、
とあり「ツイッター社は憎悪や差別、新たな攻撃を引き起こしかねない投稿を禁じている。同社の担当者はこうした規約に違反したと認める一方、「凍結にいたる詳細等についてはお答えできません」とコメントした。 奈良県警は報道陣から「直接、または親族を通して(凍結を)要請したのか」と問われ、「お答えを差し控えさせていただく」と述べた。」
となっているので警察関係者からツイッター社に要請があり、ツイッター社がそれに応じた可能性が高そう。 山上容疑者のツイッター凍結 「憎悪や攻撃誘発禁止」の規約に違反? https://archive.ph/X3qZ1
「削除請求は、各国の法律に基づき、警察などの政府機関や個人を代理する弁護士などが行う。日本の削除請求は前回より27%増え、2万3555件だった。請求の96%は、金融犯罪、麻薬、売春などに関するものという。」
ツイートの削除請求、日本が最多の2.3万件 世界全体の半分占める:朝日新聞デジタル https://www.asahi.com/articles/ASQ7Y52FTQ7YUHBI00R.html
開始時からのツイッター社会の空気と環境の変化
挨拶のような大多数にとって正義であることならば人にストレスを与え続けることが正当化されるという意味で、このツイートが19万近くのいいねを獲得するというのは、ネット社会の変化を象徴するものだという気がします。
2022年10月27日買収完了。Xという名称への変更など大きな変更が相次ぐ。
the bird is freed
— Elon Musk (@elonmusk) October 28, 2022
イーロン・マスク氏のTwitter買収までの経緯と改革のまとめ https://www.manegy.com/news/detail/7103/
イーロン・マスクがTwitterの全体会議で語ったことがまともすぎて隙がなかった - Togetter
https://togetter.com/li/1971619
無数にあるので、貴重なものだけピックアップしてみます。
Twitter での 2年 · eed3si9n
かなり流動的で確定したものは少ないが、無数にあるので、そのうちまとめます。
Twitterの未来を左右する? 投稿をユーザーが評価する「コミュニティノート」本格展開へ(山口健太) - 個人 - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/byline/yamaguchikenta/20221211-00327856
その後、他のSNSの宣伝を禁止して、数日後に取り消したり…
@TwitterSupport(Twitter Support) Specifically, we will remove accounts created solely for the purpose of promoting other social platforms and content that contains links or usernames for the following platforms: Facebook, Instagram, Mastodon, Truth Social, Tribel, Nostr and Post.
CEO辞任すべきかツイッターで投票して辞任し、後任にトランプジュニアを指名したり…
Should I step down as head of Twitter? I will abide by the results of this poll.
— Elon Musk (@elonmusk) December 18, 2022
有料アカウントが本格的にスタート
「Twitter Blue」日本でも公開、月額980円 iOS版は400円上乗せ - ITmedia NEWS https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2301/11/news098.html
Twitterには誰のアカウントからでも自由にツイートできる「ゴッドモード」が存在することがアメリカ議会での元社員の証言で明らかに - GIGAZINE https://gigazine.net/news/20230125-twitter-god-mode/
Twitter、案件ツイートには#ad などの明示を義務付け - PC Watch https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1473888.html
3月末に突然アナウンスがあり公開に。 いろいろとツッコまれて、その後、不都合なところは削除したりとバタバタ。
なんかTwitter algorithm 色々消去してる?フォークしておいてよかったhttps://t.co/8cbWorXHcF
— Taiga Takano (@tg3517) April 1, 2023
GitHub - TakanoTaiga/the-algorithm: Source code for Twitter's Recommendation Algorithm https://github.com/TakanoTaiga/the-algorithm
Twitterの公開したアルゴリズムのソースコードで判明した「おすすめ」タイムラインに掲載されやすい投稿・掲載されにくい投稿まとめhttps://t.co/GbespYsrKy
— GIGAZINE(ギガジン) (@gigazine) April 3, 2023
ソースコードを分析した結果、いろんな傾向があるというツイートや記事が一斉にでました。日本語圏ではどういうツイートがバズるようになっているか、という記事が多いですが、英語圏ではアンフェアな誘導みたいな暴き方が多く、違いがよく出た騒ぎになってます。すでに3月末に有料アカウントしか「おすすめ」には表示されなくなるとアナウンスがありました。
NYTは認証を取らないと宣言しており、多数の有名人も賛同している。ツイッターは先行してNYTの認証を消したりと感情的な対応。認証が無くなれば、なりすましは増え混乱することは確実なので、チキンレース的な展開になっている。
アルゴリズム分析のツイート
Twitter just open-sourced their algorithm.
— Steven Tey (@steventey) March 31, 2023
Some initial takeaways:
◆ Your following to follower ratio matters.
◆ @TwitterBlue subscribers do get a boost in the algorithm.
Will keep adding more to this thread 👇
これを元ネタにしたツイートやnoteが多数ありました。こういう英語圏のツイートや記事を無断で日本語化してバズらせるみたいなものもAI以降爆発的に増えてます。ソースが示されることはほとんどなく「最新情報!」とだけ書かれることがほとんどで、情報感度が高い的なブランディングですが、いつ訴えられてもおかしくなさそうです。
ソース内にシャドウバンについて書かれていると聞いて。
— ogs (@featherogs) April 2, 2023
「このデータセットのサイズが大きいため、また誤ってアンフォローした場合の永続的な “shadow-banning” を防ぐため、過去90日間のアンフォローのみを保存します。」https://t.co/A5U0Ii05EB https://t.co/UZSkQQ5SOg pic.twitter.com/F6RZtHV5z3
ころころ仕様は変わるので、あまり追っても仕方ないですが。。。
Twitterがとうとう非ログイン状態で検索機能を使用させなくなってキモい
— Cheena (@cheenanet) April 22, 2023
Twitterの新規約すごいな
— サンドハウス🍬 (@C_cauliflower_9) April 19, 2023
5月18日以降Twitter上に貼られたコンテンツがAI学習に使われてもいいと同意したことになる
まあイーロン・マスクがAI事業立ち上げた時点でそうなるわなって
AI絵が嫌いな絵師は今後Twitterにイラスト貼れなくなるな
しかしPixivはAI絵の巣窟だし
絵師はどこ行くんだろう?
23年7月24日。 その後、数日でロゴが変わり、用語もツイートがポストに、RTはリポストになった。
旧ロゴ関連
twitter-logo-01282021.zip twitter-spaces-12152021.zip twitter-tweet-template-helvetica-01272021.zip twitter-partnership-lockups-01272021.zip
利用規約
23年8月8日 日本のタイムラインでも支払い額の提示があったというツイートが現れ始める。この支払いが行われるのは、条件をクリアした人のうち登録した人のみ。
インプレッションの数が金額になり、実際に支払いがされることが意識されることは、やはり全体のムード、投稿内容に影響を与えると思います。これまでもそうでしたら、よりなりふり構わずインパクトを狙う人達は増える。例え支払い対象でなくても。そういう空気の影響は受ける。そういう意味では23年の8月8日は大きな日です。
23年夏
X(旧Twitter)の短縮リンク(t.co)の古いものがリダイレクトされず、元のURLも表示されなくなってる – OREFOLDER https://www.orefolder.net/2023/08/x-t-co/
Twitterとは関係ありませんが、印象的なニュース。マスク氏は開戦当初はウクライナ支持だったが、じょじょにロシア寄りの姿勢になったと言われています。
イーロン・マスク氏 衛星通信網の利用 ウクライナの要請応じず | NHK | IT・ネット https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230909/k10014189921000.html?s=09
マスク氏はブロックは意味がないと語っている。
ブロックされたアカウントに対してブロックした側がメンションした場合、そのメンションに限りブロックされている側からでも見える様になる
(聴こえますか、アラブやパキスタン、イラン等にいるインプレゾンビのみなさん、、、カタコトでもいいので日本語でしゃべりながら地元の料理や音楽をカメラで撮ったもの、自分の日本語学習進捗をXにアップロードしインプレを稼ぐのです、、、そちらのほうがハラールです)
— 🌷𐬨𐬀𐬕𐬀𐬳𐬀𐬯𐬀𐬥 (@masayasan201911) May 13, 2024
日本語教育でも話題になりました。日本語の上達が何かポジティブなことに繋がるみたいな物語を期待しているのかもしれません。応援するというような人達も現れていますが、どういう形であれ、インプレで稼ぐみたいなことを助けることに何の意味もないと思います。この投稿主はバズったのでセオリー通り、バズったので宣伝をしてました。そもそもインプレで稼ぐこと自体に問題意識はない人なんだろうと思います。
【追記】翌月にはナイジェリアアカウントは激増し、なりすましも増え、カオスな状況に。日本語で投稿をしはじめたアカウントも英語に戻り、違法賭博サイトの仮パスを投稿したりと元通りに。
補足
ネット詐欺の発信源は90年代はオランダだったが、2000年以降、アフリカに移る。特にナイジェリアは英語が通じることもあり、ネット詐欺の老舗となっている。
2005年の記事 メール詐欺で成功するナイジェリアの失業者 | WIRED.jp
80年代以降 ナイジェリアの手紙 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%81%AE%E6%89%8B%E7%B4%99
2017年 ナイジェリア詐欺 | トレンドマイクロ セキュリティブログ https://blog.trendmicro.co.jp/archives/tag/%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%AA%E3%82%A2%E8%A9%90%E6%AC%BA
2023年 服役中にオンライン詐欺、1億円以上だまし取る ナイジェリア - CNN.co.jp https://www.cnn.co.jp/world/35145717.html
24年6月13日にスタート
24年10月に変更
FF外とは「あなたとはフォローしたりされたりという関係ではない」という意味で、リプライをする際に最初につけるフレーズとして「FF外から失礼します」などと使われます。「フォロー外ですみませんが」みたいなバリエーションもあります。一般にはそういう前置きは不要だと考える人が多いようで、一時、「なんでそんな前置きするの?」とツイッタ上でも話題になりました。その後沈静化したようですが、似たような表現で受け継がれ無くなりそうもありません。
「FF外」という言葉は2015年以前はほぼ使われておらず、このころから、ツイッターがオープンな場ではなくなり、クラスタ外からアレコレリプライを送ることに対して遠慮する空気が生まれたのかもしれません。ツイッターの仕様も、上で述べたように、基本的には、フォローしている、されていいるという関係を重視し、情報へのアクセス権を調整することで、暴言などが目に入らないような仕組みを作るという流れなので、当然、フォローするされるの関係は重視され、ツイッターの中でも「ウチソト」が前面に出てきた。それをふまえての「FF外」という表現の登場があったのかもしれません。
「FF外」Google トレンド
https://trends.google.co.jp/trends/explore?date=all&geo=JP&q=FF%E5%A4%96
一般に「FF外の人」は、議論されている文脈の理解が薄く、相手のツイートの流れではなく単独のツイートだけに反応することが多いので、往々にしてクソリプであることが多いと考えられています。しかし、フォローするされるという「関係」に配慮することなく自由に議論ができる、してもいいというのが本来のオープンなSNSのあり方だという考えが昔からあります。あまり気にせず、引用したりリプライはすればいい、後はその内容で判断されることだ、という考え方が今は支配的なのではないかと思います(今後はどうなるかはわかりません)。
2020年代に入り、クラスタの内向き志向は強まり、知らない人にリプをしたり引用RTする行為そのものが批判される空気は強くなってきました。
日本語教育クラスタでも、時々起こる「初級教科書」のこちらのような盛り上がりに直接参加することを避ける人は増えています。
#なんか見た というハッシュタグには、タイムラインで話題の(そうでもないこともある)件について、言及するけど、話題の中には入りたくない、というニュアンスがあります。文章もその話題についてのツイートだということを曖昧にするために検索対象になりそうなキーワードは避けることが多いようです。
RTが違法性を問われることに
ケースバイケースとはいえ、違法性が認定されるケースが出てきました。これを受けてか、RTは減り、イイネ志向は高まったと思います。「下手にRTすると、それに賛同していると思われる」という空気はSNSに大きな影を落としたように思います。
橋下氏、二審も勝訴 リツイート巡る名誉毀損: 日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60715910U0A620C2AC1000/
2021年、安易なRTは法的に名誉毀損を助けたとして違法だという判決が出ました。RTがどういう意図があろうと拡散を助ける側面はあり、それを重視した判決といえます。
中傷ツイート「RT」が賛同とみなされ賠償命令、「いいね」もアウトになる?(弁護士ドットコムニュース) - Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/718a3159fb92b1f3475a3d8d0591b60acf1d4655
これをある意味「利用した」行為もではじめました。数十万フォロワーを持つ府知事がこういうツイートをしたことは大きな影響を及ぼしたと思います。
水道橋さんは有名人で影響力があるのでリツイートされた方も同様に対応致します。
— 松井一郎(大阪市長) (@gogoichiro) February 13, 2022
2015年に「お気に入り」(favorate ★)は、「イイネ」(Like♡)に変更されました。ツイッター社としては、イイネのニュアンスのほうが気軽にできるだろうという読みがあったようです。つまりお気に入りは「RTするほどじゃない賛同」でイイネは「RTするほどじゃない共感」とやや弱くなったということです。
ツイッターは他の人に読んでほしいと思った記事をRTで拡散できるのが大きな特徴のひとつですが、「お気に入り」「いいね」があることで、ややブレているということが言われます。お気に入りがイイネになったことでよりハードルが下がり、結果としてRTが減り、書いたことが拡散されなくなってきているという指摘もあります。実感としてもイイネが増えているという印象です。
フォローしている人がイイネをしたかもわかるようになり、ますますイイネは増えていますが、元々イイネはFacebookにあったFacebookを象徴するような仕様であり、賛同というほど強い表現でもない(日本語のツイッター上だと「共感」というほどでもない程度?)ことから、あまり議論を喚起せず、ツイッター社の好みではないようですが、人気があるものをやめるわけにはいかないというところのようです。
ユーザーも、特に、自分の主張を書く人でこういう仕様に敏感な人は「賛同するならイイネではなくRTをしてほしい」ということを書くことがあります。
ツイッターの創業者もイイネはやめたいと考えているようで、時々廃止の噂がでます。 https://www.ted.com/talks/jack_dorsey_how_twitter_needs_to_change
上のRTの違法判決などもあり、ますます「RTよりイイネ」となりつつあるように思います。
ululun の記事にブクマ米。「たしかに twitter は議論に向かないな。 follow してない人の重要な発言とか、議論してる最中の雑音とか、いろいろ。ブコメじゃなくてブックマーク単位でクネクネできるツイッター的なものがあればいいかも。」
— 酒々井 しげる (@s_shisui) November 14, 2007
上はおそらく最古の「ツイッターは議論は向いていない」というフレーズです。
高度な検索で、「Twitterは議論に」で検索すると、2007年12月31日まで、つまり2007年代にすでに4件ヒット、2008年代までには9件ヒットし、2009年末までだと無数に出てきます。
つまりこのフレーズはSNSの初期から投稿され続けています。
しかし、多少、仕様上の問題はあったとしても、基本的に、誰でも発言権がある以上、発言が丁寧にロジカルに行われ、発言内容で判断される空気があれば、議論は成立するはずです。研究者における学会や論文などがある人と違い、一般の人は、他に議論する場などほぼ無いことを考えると、SNSで議論ができないとするのは、あまりに損失が大きいような気がします。言葉とコミュニケーションに関わる仕事に携わる者として、どこであろうと議論が成立するような方法、あり方を考えたほうが建設的だという気がします。
いきなりリプできない空気になったのは2015年より前?
「「FF外から失礼します」は2015年に登場した語です。このころすでに、知らない人にいきなりリプをするのは失礼かもという空気があったと言えます。2020年代は引用RTも忌避されるようになり、いよいよ、考えや意見を表明するのが難しくなってきました。
よく「ツイッターは議論に向いていない」と言われてきましたが、もはや「SNSは議論をする場所ではない」ということになりつつあります。
"ツイッターは議論に" - Twitter検索 / Twitter
「日本語は議論に向いていない」とか「日本語は論理的ではない」みたいな俗説には反論する日本語教育関係者も賛同する人は多いようです。ただ、ツイッターのどこが議論に向かないのかはあまり語られません。
このページの炎上のところに書きましたが、議論が感情的な対立になり炎上に発展することもあります。炎上から逃げる方法がいくつもあるように、議論から逃げる方法も多いです。
ツイッターで炎上になったら謝罪に追い込まれることがありますが、議論の結果、自分に非があったと認めて議論が終わることはほとんどありません。反論があっても、たいていの場合、論点をずらして終わり。特に、ツイッターでは、自分の主張に関するリプライの中から極端な主張をピックアップ:したりして議論の土台が成立しないようにし、わら人形論法で議論には負けなかったことにして逃げて終わりというのもよくみます。
誰でも発言権があり、議論はできますが、フォロワーの数が多いほうが有利であることは間違いありません。しかも、SNSのユーザーは「何が語られるかより誰が語るか」を重視する傾向がありますから、フォロワー数が多く知名度が高い人が有利という側面があります。それもあって、議論は成立しにくい空気があるのは確かです。
専門家同士の議論は成立することがある
コロナ下では、例えばオミクロン株について南アフリカの感染症の専門家が出たばかりの調査を手書きイラストでツイートし、瞬時に世界中の医療関係者が意見を出し、統計の専門家が訂正する、みたいなことが行われていました。言語学の研究者の間でもよく議論が起きます。何か結論を出す議論ではありませんが、有益な意見交換はできるということだと思います。
専門家とそうでない人の意見交換は何が違うのかを考えることが重要です。議論の前に何が共有されていて、どういう議論が期待され、ツイッターではどこまでが限界か?というラインも、だいたい共有されている。ツイッター以外の世界の充実度も関係が濃そうです。これは専門家の議論であって、ある程度のレベルの人のみが参加をゆるされるものだ、という理解が周囲いあるということも大きいような気がします。
例えば日本語教育の世界でも、「助数詞はこういう教え方をしているんだけども、どうだろうか?」という具体的なツイートがあれば、有益な意見交換に発展する可能性はあると思います。しかし、残念ながらそういう話題は少なく、今のところ「あの教授法はアリかナシか」みたいなざっくりとした居酒屋談義みたいな話題が好まれ、テーマの設定の時点で悲劇的な未来が決まっています。
英語圏では現在(2022)も、「それは違う」というリプが飛び交っているのを目にします。間違いの指摘や批判はよく引用RTで、反論が行われます。。英語圏では、パブリックな場所に自分の考えを投稿すれば、その責任を負うし、なにがしかのリアクションが飛んでくることはある、という前提があり、基本的にSNSの利用者には小さな覚悟のようなものがあるように思います。間違いを指摘されたり批判されることに対する耐性があるという印象です。
👉 例えば日本の掲示板は投稿者が削除できる仕様が多いですが、欧米の掲示板は投稿後の編集や削除は「フェアではない」と考える人が多く、実装されていても、「この記事は投稿後に投稿者によって編集された」と断りが出たりします。
「議論が怖い…」
— NHKニュース (@nhk_news) July 20, 2022
「意見を否定されたら自分を否定されたような気分になる」
SNSで、そんな声があがっています。
一方「議論することでほかの人と意見をすり合わせたり、違う見方を知って世界を広げたりできる」との指摘も。
議論ってやっぱり、怖いものでしょうか。https://t.co/haOvSHvp2E
しばしば述べていることですが、Twitter上で反論しても相手が説得されないのは所与の前提であり、それでも反論するのはツイートを見た人に判断の材料を提供するためです。
— 野田隼人 Atty. NODA Hayato J.D. (@nodahayato) May 21, 2023
議論を志向せず、自分に向けられた意見は、その人に返すのではなく、ひとつの代表例として、自分の補足に使うという方法があります。引用RTが直接的すぎると感じる場合はエアリプ的に「***というご意見があるようですが~」「***というお考えもあるかもしれません、しかし、それに対しては私はこう考えています~」と受けて、補足として使う、というものです。
それに対する意見が出れば、またエアリプとして対応する。直接リプが来た場合は引用RTもいいかもしれません。そして、代表的な意見が出て、それに対応できたと考えれば「後はこのやり取りをみた人の判断にまかせます」で終わるのもひとつの方法だと思います。
つまり反論に対してリプライして相手と議論をしたり説得するのではなく、補足として利用するという考え方です。代表的な、最も多い反論やリプライなどをピックアップしてきちんとしたことを「その他の人」に伝える、というスタンスで反論するのがいいのではないでしょうか。引用RTはその効果的な方法ですし、エアリプというやり方もあります。
読んでいる人は黙っててもそれぞれジャッジしているものなので、あとは、相手がどう考えようと、その他の読んだ人が判断すればいいと割り切って、しっかり書いたと思ったら、それで終わりにしたほうがいいと思います。リプによって新たな意見が喚起されたことも含めればこれもある種の対話といえます。これが静かな議論に発展するなら、なおいいのではという気がします。
👉 きちんと反論しておきたいと思ったら、ブログでツイートを引用してしっかり書けばいいと思います。今はレンタルブログでもnoteでも、ツイートを引用できます。ツイートは了承なしに引用してもOKということになっています。
👉 ただ、「他人のツイートをおかずにして、自分の言いたいことを言う」というのは、自分に向かってきたリプライならいいんですが、自分と関係ないツイート(多数RTされているものなど)を利用して自分の主張に使うというのは、かなり注意を要します。
togetterの言語関連のまとめなどを見ていると、すでに共通理解がある人によって進められる場合でも、最初に連ツイなどでテーマについて整理され、時に定義や資料が示され、途中でブログなどを書いたりで交通整理する人も現れる、ということもあります。
つまり、最初にしっかり整理されたものだけが良質な議論に発展する。SNSの議論が混乱しがちな原因でもある「粗雑な前提」「勝手な色づけ」は注意深く排除された上で、ファクトと自分の意見表明の部分も明確に切り分ける。ということを意識的に丁寧にやらないとダメだというコンセンサスがあります。単純な助け合いではなく、さりげなくスルーされるという厳しさもある。参加者同士で、繊細に議論の土俵をちょっとづつ作るみたいな行為が繰り返されます。
ただ、日本語教師クラスタでは…
と省略され、仲間同士でそういう空気が支配的だよね、と確認しあうものが主流です。最初から議論は期待されておらず、議論に発展しないように注意深く予防線が張られており、前提となっていることに対して少しでも違和感を表明すると空気を壊す存在として際立ってしまうという場所がすでに構築されている。
SNSは文字数の問題があるから、と言いつつ、長くしっかり書こうという人は現れません。
一般的にも、議論やディベートのあり方については、マナーではなくルールの問題として語られます。「揚げ足をとるな」「言葉尻をとらえるな」「煙に巻くな」みたいなことはマナーとして語るのは日常生活でもそうしろという道徳的なニュアンスがありますが、議論においては、単にルールと考えたほうがしっくりきます。
ネットで「論破」みたいなことの周辺でよく語られるアンフェアな語り方であるチェリーピッキングや、わら人形論法などについても、さらっておく必要がありそうです。あと、単純なことですが、自説に有利な論文や文献や調査だけを引用するみたいな比較的幼稚な手法も、日本語教育クラスタでは時々みかけます。
さまざまなバイアスも念頭においておくべきだと言われます。バイアスというのは、気がつきにくい「偏り」のことです。特に日本語教育のネットの言説で注意すべきは生存者バイアスでしょうか。長くキャリアを構築しにくい日本語教育の世界では、生き残った人の意見や理屈だけで語られるケースをよく見ます。
語学学習においてロジカルな議論ができるということは重要なゴールのひとつと考えられているはずなので、少しだけ考えてみます。ディベートというと海外と考えがちですが、比較的日本の小中高校あたりの教育関連の文書や論文が多数あります。少なくとも若い世代はどこかで勉強してきているということかもしれません。
小中高生のために書かれたと思われるものがありました。大阪府吹田市作成です。
これらのことが守られるだけで、ツイッターだろうと、なんだろうと議論はできそうな気がしてきますが、ネット上ではもうちょっと複雑な詭弁も用いられます。
いろいろ書籍などもありますが、少しだけピックアップしてみました。
良い議論を作るための考え方について -ルール解説 | 全国中学・高校ディベート選手権(ディベート甲子園) | NADE - 全国教室ディベート連盟
日本語教育の世界でも当然いろいろとあります。~
詳しくは用語事典的なサイトをみてください。気がついたものを集めてみます。
今「炎上」は誰かが愚かな投稿をして話題になり、さらにつるし上げになっている、みたいな状況を指すことが多いようです。「**が炎上している」は**という人物に非があるというニュアンスが強いです。しかし投稿内容に問題はなくても話題になり騒ぎになれば「炎上」という言葉が使われることもあります。切り分けが必要な気もしますが、まだ境界線は曖昧です。一応、日本語教師としては、今は結構幅がある使われ方をしていると認識しておいたほうがいいかもしれません。
何が炎上し、何が炎上しないかは、基準はありません。その時々のSNS上の流行りみたいなことに強く影響を受けます。LGBTの話題が多い時はその関連のものが増え、技能実習生の事件が報道されればしばらく外国人、労基法関連の炎上が目立ちます。ツイッター上での大炎上はほとんどの場合、フォロワー数が多い有名人が公益性が高い人や企業の公式アカウントが中心です。
例えば、Togetterで、日本語教育クラスタの一部に人気がある人達で調べてみると、かなり酷い炎上も含めいろいろとヒットします。フォローしたり引用するかは、まず検索をしてからにしたほうがいいかもしれません。
👉 togetterのサイトで、タグやタイトルで検索するともっといろいろ出てきます。
2010年代に入り、ネット上の個人の発信ツールがブログからSNSに移行し、炎上の主な舞台はツイッターになりました。炎上は一定の支持する人達がいないと拡散しないので、ある程度のフォロワーがいるのが条件になります。誰もがダメだということを書いても反応はされないので、8割ぐらいの人に批判されても2割ぐらいの人には支持されるようなことが炎上の条件かもしれません。
炎上はいろんな種類があり、まったくの被害者であるケースもありますし、煽り気味の脇が甘いことを書いてそれが災いして、ということも結構あります。ネットは基本的には「公の場」なのですが、あんまりそのへんが分からないまま使っていて…ということもあります。バイト先で店の商品で遊んでる写真を投稿するとダメみたいなことだけでなく、制限速度をオーバーしたことはネットには投稿できませんし、麻雀やゴルフはお金はかけないことになっています。意外とネットは不自由ということがわかってない人もいます。
炎上は罵詈雑言のリプライが来るだけでなく、実名や公式アカウントなどの場合、実社会でも謝罪を要求されたりということになるケースもあります。大きな規模の炎上になると、匿名であっても、実名探しが始まり、名前や所属先、顔写真あたりまではネットに晒される可能性があり、他のSNSのアカウントやブログなどネット上の情報も探されて「こんなことを書いてた」みたいなことも起きます。所属先がこの種の炎上やクレームに弱いところだとなると「こんな職員がいる」などと投書(わざわざ封書で送るみたいなこともあるそうです)を届けるみたいなことに発展することもあります。
👉 自分はネット上に個人情報や顔写真はないと思っていても、昔の知り合いが、Facebookで写真と共に「**での記念写真。右は多分同級生の**ちゃん」などという記事や写真から探されたりします。若い世代ほどこの種のことから逃げられなくなってます。
ほとんどの場合、訴訟を起こすようなことの一歩手前で行われるものなので、ちゃんと謝罪するとか、非がなければ、スルーか、必要なら補足するとか、で終わりなる。もしくは、長くても一ヶ月もすれば、みな飽きて終わり、ということになるようです。
政治がからむと燃えやすくなりややこしくなる
政府の政策や政党の主張など、そのずばりの政治的なテーマだけでなく、コロナ問題や入国規制などや日本語の教材の是非論争でも、政治性をからめて議論をしたがる人というのがいます。そういう人達は議論そのものが好きなので、炎上にも積極的に参加し、だんだんと反政府運動的なものになったり、政府支持の演説が始まったりします。あるスタンスが保守的で、一方がリベラルだという分け方がよくされてしまいますが、こうなると、問題の本質から離れていき混乱しがちです。わりと高年齢層に多いという印象です。
炎上に関するまとめ
:Togetterには多くの炎上の記録があります。結構酷い暴言を吐いて炎上したけども、何事もなかったように振る舞っているインフルエンサーは多いです。ツイッターを始めたばかりの人は、なんとなくネットの有名人をフォローする前に覗いておいたほうがいいと思います。 Togetter https://togetter.com/search?q=%E7%82%8E%E4%B8%8A&t=q
炎上の記録は消すことができる
過去の自分のツイートは削除すればいいですし、SNSの標準の検索は貧弱なので、半年もすれば検索対象外になります。後述しますが、炎上の消火のノウハウも知られています。ネットは詳しい人のほうが得をする場所でもあります。
ネットの興信所系の会社に依頼すれば、削除依頼を出させてネット上の記事を消すことも可能になっています。ブログやまとめ系のサイトだけでなく、ツイッターなどSNSの企業やGoogleにも、削除依頼の窓口があります。Googleはこの種の依頼に結構弱く、テキトーな理由でも、一時検索対象からはずされることがあり、そのまま放置されることがあります。Googleの検索対象から外されれば、ネット上から実質消えるみたいなことになります。
ネット生活が長いと過去の炎上の記憶を辿ってググることが多いですが、かなりの記事が消えていることに気づくことがたびたびあります。
名誉毀損など法的な問題があり削除依頼があるという正当なケースもありますが、これを悪用して炎上の記録を消すみたいなことがあるわけです。「ネット 削除依頼」で検索すると、法律事務所の他にそういうことを請け負う業者も多数ヒットします。大企業はもちろん、ネットの影響を受けやすいベンチャーや個人などはあれこれとやっているようです。
👉 日本語教育関係者をフォローしていると、ツイッターでかなりひどいツイートをして炎上し、すでに過去の人になったアカウントのツイートがRTされて来ることが結構あります。
炎上はすでに消火のノウハウも共有されていますが、過去の炎上を調べる方法もあります。詳しくは炎上のところを参照してください。
炎上から鎮火は同じようなプロセスを辿ります。大多数の人は炎上も密かに楽しんでおり、「火事と喧嘩は江戸の華」という伝統は続いています。
しかし、2020年となりSNS時代開始から10年を経て、やや定型化してきています。ネットを検索すればどうやって鎮火するかというマニュアル的な記事がたくさんでてきます。ここでは、いかに戦略的に炎上の鎮火が行われるかを整理してみます。まず、前提の整理です。
炎上当事者の数は多い
炎上ではたいていの場合、個人が対象と考えがちですが、その人の支持者、炎上の投稿にイイネをした人、RTした人、賛同した人も、息を潜めて、炎上が鎮火するのを待っています。謝罪にはまっさきにイイネをし、その後、何事もなかったかのように振る舞うなら、それを静かに後押しします。炎上を起こす人は、そこそこ拡散力がありネットでの影響力がある人で、その人が消えると困る人も周辺にたくさんいます。炎上した関連ツイートをブックマークしておき、誰がイイネやRTをしていたか(その後だまって取り消す人も結構います)を覗くとわかります。
炎上が鎮火するまでのプロセスには、この無言の信者的な人の存在が見え隠れします。中傷を受ける系の炎上の被害者の人はこのことを念頭に置いたほうがいいと思います。
ブロック
まず、炎上予防や初期消火、延焼を防ぐ方法として、ブロックは依然として(強制的な)鎮火の有力な手段です。森林火災の際に火が回る先の木を伐採するのと同じです。
2010年代後半の仕様変更によってブロックされると引用RTしても表示されなくなり、RTで拡散できなくなりましたから、主な批判者をブロックすれば、炎上ツイートが拡散されることはかなり減らせます。この仕様変更はヘイト的な炎上で必要以上に延焼することを防ぐ仕様変更でしたが、暴言の当事者が利用することもできるという弱点があります。ミュートのほうが多用される現在でも、ブランディングとしてSNSを活用する人にとってブロックは欠かせない武器となっています。
👉 自分がブロックした人を、ブロックリストを共有させて、自分への批判が届かないようにする、みたいなことも行われます。
2010年代前半のSNS有名人で、かなり酷い暴言をはいたり、謝ったことを拡散して炎上し、消えかかった人は多数います。多数の支持者を抱える人は、批判する人達をかたっぱしからブロックし、自分の信者達の減少を最小限にし、残った人達を囲い込んで守り、また新たな信者育成を、新規のネット参入者を中心にコツコツフォロワーを増やす作業を始めます。ネットの中心にはいなくなり、ツイッター上での存在感は薄まりますが、SNSにあまり詳しくない人達にとっては依然としてビジネスができるレベルでは有名人です。「SNSで稼ぐ!」的な本にも成功例として載っていたり、対談をしたりしています。
一見、ネットでは見なくなったようですが、今やネットの裾野は広がっており、リアルの講演や出版、イベントなどとネットの合わせ技というか隙間のようところにはある程度の市場があり「テレビには出なくなった人が実は地方公演でもっと稼いでいた」みたいなことが起きているようです。数千部売れる本の帯には「**万フォロワーを抱えるインフルエンサー!」という肩書きが書かれています。60代の審査員が選ぶネットナントカ賞に選ばれたりします。
そこそこネット経験がある人は、そういう道があるということが知られているので、ひどい炎上であっても、なんとか鎮火して生き残ろうとします。最初は「あんなことをして、まだ続けるつもりなのか」と受けとめられますが、みなそのうち忘れてしまいます。それを見越した鎮火のノウハウも確立しています。
👉 そういうネットの化石的な有名人のツイートがよく日本語教育関係者からのRTで廻ってくるんですね。遅れて参入した人は、過去の酷い炎上を知る手段はあまりないので。
炎上となったツイートの種類によって違う
ほとんどの場合、通常のツイートが広がり、RTやイイネで拡散されることによって広がり、炎上となりますが、特定の人へのリプライがRTされて炎上するケースもあります。単なる一般的な失言もあれば、特定の人相手にした暴言やエアリプが炎上というケースもあります。つまり通常のツイートが炎上する場合と特定の人への攻撃が問題になるケースの2つに分かれるということです。
特定の人に対するツイートの炎上でも、その内容に問題があるということになりますが、相手に謝罪すれば終わる可能性があります。通常のツイートの場合は、炎上したらどうするか、混乱する人もいますが、対処はそれほど変わらないようです。
以下は、どちらのケースにも当てはまる鎮火のパターンとして考えてみたものです。
👉 以下は、こうやって消火しましょう、ということではなく、こういう巧妙な消火ノウハウは共有されているから、いろいろ誤魔化されたり、躍らされたりしないようにしましょうね、という意図で書いてます。
炎上に気づくと、たいていの場合、なかったことにしてやり過ごそうとします。だんだん火がまわってきて対処しないと納まりそうにないと思ったら「そういう意図ではなかった」「誤解されている」と言い訳的な補足ツイートがされますが、ほとんどの場合効果はありません。中には本人の歪んだ認識がより露わになるみたいなことも起こり炎上は広がります。そこで「さあ、どうしようか」となります。ここまでで2~3日経過していることもあります。
しかしもはや炎上の歴史は長く、対処方法にもセオリーがあり、ちょっとググれば出てきます。基本、「いかに忘れてもらうか」がテーマになっています。悲しいかな、セオリーは大多数には当てはまり、まんまと鎮火となることが多いです。基本は「さっさと謝って、以降、無かったことにする」という手法がとられます。
炎上は往々にして広がると、批判が増え、数が増えることでエスカレートしていくようにみえます。繰り返される批判とその口調にうんざりした大多数が「終わってほしい」と願いだすと終わります。そして、当人だけでなく、その炎上ツイートや関連ツイートにイイネやRTをしてしまった人や支持者もとにかく形だけでも早く終わって欲しいと思っています。当事者は、エスカレートした(ようにみえる)批判を浴びつつ、(二次被害だとは言わずに)これが二次被害であるかのようなことを滲ませつつ、あれこれと策を弄して、終わって欲しい空気が醸成されるのを待ちます。批判の口調が荒くなってくるのも「終わってほしい空気の醸成」に役立つことを知っていますから、むしろ歓迎されるでしょう。的外れな批判も同様です。広がるとマズい解釈はやんわりと「それは違う」と指摘するところまでです。
👉 土下座的な謝罪をした後に、炎上には言及せず、関係ないツイートを続けることもあります。炎上を過去ログにでき、支持者には「たいしたことではない」という目配せになり、あえて「本当に反省しているの?」と批判の口調をエスカレートさせる効果もあるとされています。「本当に反省しているの?」というツイートは概して感情的になりがちで、それは炎上に対するウンザリした気分の演出に役立つという狙いがありますし、「きちんと謝っているのに!」という擁護が増えたりもします。消火のマニュアルはいろいろとよくでてきています。
たいていの場合、炎上うんざり的な空気が支配的になるまでわずか数日です。ツイッター界全体の炎上なら半月続くこともありますが、例えば日本語教育クラスタ内なら3日ぐらいじゃないでしょうか。つまり、基本、逃げられる。無理矢理に終わったことにして、終わったムードを作れば逃げ切れる、と考える人は多いと思います。1週間もすれば、本人も周囲も何事もなかったようにふるまうので、これを追えていなければ、何があったのかもわからないままです。該当の投稿や関連のあれこれも削除されることが多いですし。
以下は、一般的に言われている消火ノウハウです。SNSのコンサルなんかが、セミナーで語るようなものです。よく考えるとアンフェアなものばかりですが、あまり詳しくないままSNSを使っている大多数の人には有効なので、同じようなノウハウが共有されています。
SNSに素人みたいな人が素人ゆえに炎上することもありますが、大きな炎上はそこそこSNSを使いこなしている人が多く、上に述べたように対処方法もほぼ確立しており、ネットで検索すれば出てきますから、うまくやれば、SNSにあまり慣れていない人達をそこそこ納得させつつ無かったことにするのは難しくありません。多少の傷は負っても、別の大きな話題が出ればすぐに忘れられていきますし。1年もすれば「あの人何か炎上したような気がする」くらいになります。何か印象のいいことをやれば、簡単に上書きされます。
👉 不祥事を起こした日本語学校などが1年くらいして多文化共生イベントをやったりすることと同じです。よくあります。ほとんどの場合、不祥事は忘れられていて、日本語教育関係者が講師となり、SNSで拡散されていたりします。
数日で自動的に収束する
かつてにブログの炎上のように広がるまでに時間がかかり、場合によっては数週間も炎上が続く(といってもせいぜい2週間くらいですが)のとは違い、SNSの炎上は、長くもせいぜい1週間、クラスタ内の炎上なら3日もすれば終わります。
感情的な批判は炎上の安易な方法での収束を早める
Twitter上で道徳的怒りを示している人を見た人は,その怒りの程度を過大評価してしまうよという研究。その結果,集団の道徳的怒りも過大に感じ取り,攻撃的コミュニケーション規範があると信じるようになる。/ Overperception of moral outrage in online social networks… https://t.co/CLygkdSVo4
— Yuuko Morimoto (@myuuko) April 11, 2023
特にクラスタ内で留まる炎上は、感情的な批判が多ければ多いほど、批判を目にすることを回避したいというクラスタ内の人達の心理は強くなり、議論が出尽くさないまま早く収束してしまう傾向があると思います。日本語教育クラスタはそういう傾向が強いと思います。
2日もすれば「もうお腹いっぱい」というムードになり、形式的なものでいいから謝罪して早く終わって欲しいというようなことになります。クラスタ内の炎上であれば、なおさらクラスタ内の正常化のほうが大事みたいなことになるわけです。謝罪があればすぐに「もう謝罪したのだから」という空気が醸成されます。当事者が関係ないツイートをすれば、じわじわとイイネが増えていく、みたいなことが正常化への支持として行われることもあり、謝罪の受け入れで終わらせましょうよ、という密かなサインとして働くこともあるようです。後述する土下座的な謝罪(具体的なことは言わないまま、とにかく全面的に、派手に謝る)で終わりという公式が出来つつあり、収束の早道となりつつあります。当然、ネットの危機管理系コンサルなどがアドバイスする鎮火のノウハウにもこのことは生かされています。昨今は「不快な気持ちにさせたとしたことに謝罪」みたいな謝罪よりも全面謝罪のほうが収束が早いという考え方が主流で、コンサルなどもそうアドバイスするようです。
感情的な批判が利用されることも多い
批判が感情的になればなるほど謝罪からの収束は楽になります。感情的な批判が起きれば密かにブックマークし、多少は理解がある仲間に対して後で「こんな酷いリプが飛んできた」と示すこともできますし、場合によっては「いくらなんでもこんな言い方は酷いのでは」というカードとして使えます。批判を受けている間、じっとそういう利用価値がある投稿を集めているということは多いです。
つまり、炎上を実のあるものにしたいなら、感情は抑えて、冷静にロジカルに批判を行い、相手が時には認め、対応せざるをえない論理を展開するべきですし、日本語教師は自らの考えを表現することを教える立場でもあるので、できないことはないはずですが、そうはいかないのがSNSの炎上です。
👉 ネットの炎上は真剣でバッサリやる(ロジカルに追い詰める)ことに対する忌避感があり、竹刀で殴る、ハリセンで叩く(相手のダメージは少ないけど派手に見える)ぐらいがちょうどいいみたいな空気も一部であるような気がします。単にロジカルな議論をするのが苦手な人が多いのかもしれませが、
「仲間」からのサイン
ある人が炎上すると、その仲間的な人は擁護はせず、スルーすることがほとんどです。これは関わりたくないということもありますが、当事者がどういう対処をするのかがわからないので、下手に擁護はしないほうがいいという判断だと思います。
しかし、あえて関係のない通常のツイートをすることも多いです。これは「私はスルーしますよ」というサインでもあり、空気を変えるためにRTなどで使ってもいいですよ、密かな助け船でもあります。
炎上の最中、それまでその人の仲間だった人はほとんどの場合沈黙します。炎上したツイートにイイネをした人はそっと外したりします。炎上が終われば投稿した人の記憶は残っても黙っていた人のことは誰も覚えていないからです。ほとぼりが冷めたころに関係ない投稿をすることで「正常化」に密かに協力するみたいなことも多いです。
余計なことをしない
SNSをそこそこ使っている人は、SNSの空気は一週間もすれば消えることを知っています。「何もなかったように」ふるまえば、支持者(SNSの有名人には必ず取り巻き的な人達がいます)は「何もなかったことにしたいんだな」と忖度し、その話題には触れなくなるので、じわじわと、収束していきます。周囲も反応がないのでおもしろくないし、批判者のほうが、いつまでも批判的なマインドを持ち続けることを強いらるようなことになってきます。当然、楽しいことではないので、続かない。悪印象は残りますが、それを上書きするようなことがあれば、すぐに消えます。特に日本語教育のクラスタは人の入れ替わりも多いので1年もすれば新しい人達がかなりの数を占めます。結果、黙って無かったことにするのが最善策、ということは、よく語られます。
観測気球
炎上の当事者は、言い訳的な対応をした後、鎮火せず、炎上と言ってもいい状況が続く場合、しばらくは言及はないまま、炎上に関わっていない人のツイートをRTしたり、通常ツイートを続けることが多いです。これは炎上の当事者がよく行うある種の観測気球的なもので、関係ないツイートにどの程度イイネがつくか、誰がイイネをしてくれるか、みたいなことを知ることで、フォロワーにどう受けとめられているかを知り、どう対処するか、スルー可能か、みたいなことを探るみたいな行動と言えます。
スルーできなさそう、余計な反論はしないほうがいい、簡単な謝罪では終わらなそう、みたいなことになれば、2020年代は、後述する土下座的な謝罪で、とりあえず感情的な人達の気持ちを静めて、ただ謝罪し、時間をおいて「もう謝罪したのだからこれ以上追求するのは…」という空気になるまでやり過ごすという方法がとられます。
謝罪する
「形式的にでも謝ったほうが早いこともある」などということも効果的な鎮火方法としてアドバイスされるようです。炎上したら、どういう謝罪が求められているのかを見極めて、それにそったことを書いて投稿すればいいだけだ、つっぱねてブランドを既存するのは損だ、みたいな損得の論理で行われます。
土下座的謝罪が主流
「謝ったからいいではないか」という空気
こうやって炎上は、ほとんど曖昧なまま忘れられていきます。まさに火事のような事故としての記憶がぼんやりと残るだけです。
👉 薄めの支持者的な人は、謝罪を待っていますから、大多数の世間が納得できる程度の謝罪があればそれでOKというスタンスです。信者的な人はずっと黙ったままを通すことが多いようです。
ここまではアカウントを残し、無かったことにするという方法です。いずれも、早めに関係ないツイートもそこそこにして、該当ツイートを過去ログに押し流そうとして、半月もすれば終わりです。ただ、「逃げる」という選択肢もあります。
一時的にアカウントに鍵をかけて、ほとぼりが冷めるまで待つ、という方法があります。鍵をかければ引用されりRTされたりもしないので延焼を防ぐことができ、(日本語教育など)小さいコミュニティの、小規模の炎上なら、2週間もすればすっかり忘れられてしまいます。後で鍵を開けて何もなかったように振る舞えばいい、というわけです。(しかし、追いかけてあれこれ言わなくても、結構「黙って鍵かけて逃げた人」という印象は残るもんです)
数日もすれば、ほぼ終わります。炎上にかこつけて、ちょっと洒落たことを投稿してイイネを稼ごうという人達も消えていきます。 延焼は続いても一週間を超えることはありません。つぎつぎと話題は流れてきます。半月もすれば「なんかひどいことを言って炎上したけど謝った」ぐらいの記憶になり、数ヶ月で「なにがあったか忘れたけど謝ったりしてた人」となり「なんかあったような気がする」となります。 炎上はほとんどの場合、起こした本人やそれにイイネをした人、支持者は早く終わらそうとします。土下座的な謝罪が手っ取り早ければそれが選ばれる。炎上が終わった時に学ばれることは炎上のテーマよりも「余計なことを言わない方がいい」「うかつにイイネをするもんじゃない」という処世術だけということになりがちです。
ほとんどの場合、消火は、戦略的に行われます。ブランディングとしてSNSを活用するというマインドでやっている人は、無かったことにしたり、自分の意志と関係なく、ただ、どういう謝罪が望まれているかを考え、そのとおりにやることにそれほど抵抗はありません。なぜなら、それはこれまでやってきた、共感を得て、イイネを増やし、フォローワーを増やすという発想と同じだからです。ブランディングに必要なら効果的な鎮火を選択し、それを実行するだけです。 「謝罪がなってない!」という声もやがて消えます。炎上が楽しいのは初期だけで、数日もすれば、不快さが増してきて、早く終わればいいと考える人が多数を占めます。火事の後にどうなったかは、後で噂話として聞けば良いくらいの心境です。
つまり、上のような定型的な対応も、多くの人にとって効果があります。最初は少々抵抗があっても、一ヶ月もすれば「失言したけどちゃんと謝った人」というボンヤリした記憶に変わり、やがてそれも消えます。つまり、謝罪があってホッとしたりした時点で、完全に手のひらで踊らされているわけです。少数の人が去っても、多数が残れば問題ないですし、炎上が他のジャンルにまで派生すれば結果、フォロワーが増えたりして焼け太りとなることもあります。
今は、ネットに詳しい人は細々とした仕様を使ったテクニックを使って、あまり詳しくない人を相手にアンフェアで有利なゲームを進めようとしますし、そのことは悪いことではないという認識が一般的です。そういう意味からも、日常的に使うSNSの仕様や空気はやはりきちんと理解したほうがいいと思います。
仮に誰かに対する暴言リプが炎上したとします。相手が騒動の大きさが怖くなりアカごと削除したとします(これ結構起きます)。これは鎮火を早めます。炎上の当事者は相手のアカが完全に削除されるのを待って(1ヶ月)、該当のツイートをこっそり削除すれば、炎上関連のツイートはほぼ消えてしまうからです。
スクショをとっていても、しばらくしてまた話題に出すと「キャンセルカルチャーだ」と言われるかもしれませんし、「正確ではない、一部のキリトリだ」と言われれば、(元のツイートの前後は無いので)、炎上を知らない人は、そうかもしれないと思うかもしれません。やり取りが消えてしまうのは大きいです。
上のように、炎上は、もはや鎮火のノウハウがあり、それがかなり有効で、問題が残ったままでも、ぼんやりとした謝罪で大多数は納得し、「いさぎよい」とむしろ評価があがったり、注目されることでフォロワーが増えたりする焼け太りみたいなことも起こります。
こうなると、はたして炎上に付き合う価値があるのか?ということになっていますが、もちろん、炎上が誰かの何かを考えるきっかけになることはありますから、価値があるかどうかは、人によるとしか言えなさそうです。
しかし結局、同じSNS上であれこれやっても結局、タイムラインの水に流れてしまいます。一旦過去ログになってしまえば、検索対象からもすぐに外れますから、「謝ったら終わり」で無かったことになってしまいます。これを利用して、形式的に謝罪して、あとは無かったかのように通常のツイートをグイグイと始めて過去ログに追いやるみたいな人もいます。
つまり、SNS上で、おいつめるまで長々と続けても時間の浪費になりがちです。たいていのことは訴訟をする費用対効果は低いです。被害を受けたり、上のように定型文で逃げきろうという人を逃がすことが問題だと考えるなら、相手が謝罪した時点で、形式上の謝罪に終わらせないようにきちんとした謝罪の方法を提案する方法があります。
炎上の記憶があるうちにやったほうがいいと思います。なぜなら1年もすれば「過去のことを蒸し返して批判するなんて」「キャンセルカルチャーだ」ということになってしまいます。
大事なことはツイートなどの短文でなく、きちんと長い文章を書くことです。SNSの投稿は、Googleの検索対象ではありませんから、すぐに消えてしまいます。しっかり検索対象となるブログなどで、記事として必要な文字数を使ってしっかりロジカルに批判を書くことが重要です。
感情にまかせた短い投稿で得た共感はそのうち薄れます。必要なのは「共感」よりもロジカルな批判とそれへの「賛同」です。きちんと答えざるをえない批判をきちんとぶつけることです。
流れと手段
0)批判の投稿をする前に、問題の投稿、ツイート、ブログの記事のキャプチャをとる。
1)まず問題が起きたSNS上でしっかり謝罪させて、そこに記録として残してもらう。
2)SNS以外のところでネットの検索対象のところに記録として残す。
3)アカウントを捨てさせる。
キャプチャ関係リンク
最近はちょっと炎上したらツイートもブログも即削除で逃げるのが常道なので、まずは批判する前にキャプチャや魚拓をとっておくことをお勧めします。
ネット上に魚拓をとれば、そのURLをネット上で使うことができます。 https://archive.is/
ツイートなどはキャプチャソフトがあります。 窓フォトが使いやすいです。 https://www.vector.co.jp/soft/winnt/art/se487017.html
以下はChromeの機能拡張です。ページまるごと保存できます。 https://chrome.google.com/webstore/detail/take-webpage-screenshots/mcbpblocgmgfnpjjppndjkmgjaogfceg?hl=ja
どういう謝罪を要求したらいいのかは、上の鎮火のノウハウを逆手にとることを考えればいいと思います。とにかく、炎上した人は、そのことをいかに多数の人に忘れてもらうかを考えていますから、相手が非を認めたけども、逃げ腰だとわかったら、それができないような対応を求めればよいのです。以下のようなことが思い浮かびます。
期間は1年でも2年でもいいと思いますが、交渉してください。ただ、これはSNSのアカウントを持ってない人はアクセスしにくく、Googleの検索対象でもありません。アカウントを消せば終わりなのでネット上には記録に残らないという問題があります。さらに2)のSNS外での記録もするべきだと思います。
👉 ツイートを消して無かったことにする人も多いです。議論をしている間は反論しても、しばらくしてそっと削除する人もいます。反論しようと決めたら、事前に該当のツイートをキャプチャして保存しておくことをお勧めします。パソコンだと窓フォトというソフトが便利です。引用RTではなくキャプチャした画像を貼って反論するという方法もあります。これだと相手には通知が行かないので、反論だけしておこう、という場合はいいかもしれません。あるいは逃げたら「記録としてキャプチャを貼っておきます」とツイートしておくのも有効です。ブログは魚拓をとるという方法もあります。
第三者がnoteなどに記録するのが一番いいのですが、その負担が大きい場合、当事者が謝罪するなら、その謝罪の方法として自分自身に記録させて公開してもらうという方法があります。
これらをやれば、1)の引用RTの謝罪ツイートに「経緯は以下にまとめています」として入れればいいわけです。ただいずれも後から編集可なので、まずまとめてもらい、確認後は編集不可という約束にしましょう。
👉 SNSのキャプチャを撮り、それを貼り付けるのは、抗議されると削除しなければならないケースもあるようです。窓フォトというキャプチャーソフトが便利です。ページごとなら、ブラウザーの機能拡張も使えます。Fireshotは、PDFとPNG形式で保存できます。
👉 法的な問題などもあり、削除請求に応じたりでTogetterのような魚拓的なサービスは2020年代に入って存続が厳しくなりつつあります。Naverまとめもその問題で消えました。モーメント機能も、あまり利用されておらず、いつまで続くかわかりません。本人のブログなどがあれば、そこにまとめてもらうのが一番いいと思います。
これはあまり見ませんが、ひとつの方法、あるいは、相手に選ばせる一つの選択肢としてはアリだと思います。多数のフォロワーを持つ人は、それを捨てたくないと考えるから、あれこれと延命策を仕掛けてきます。どうやら本当に反省する気配がないなら「あなたのアカウントを捨てて、0から新規のアカウントで始めてください」と伝えるわけです。
もちろん、新たに作るアカウントも公開してもらいます。
ツイッターならアカウントは複数作れますので、発言する権利を奪うわけではありません。多くの人に伝える方法を一時的に絶つことはペナルティとしては悪くないと思います。きちんと謝罪をしたと認められ、かつ、その後もまともな発信を続ければ、新たにフォロワーを獲得できるかもしれません。
ツイッターのアカウントは削除しても30日以内なら、フォロワーやツイートをのこしたまま復活できますから、本当に捨てたのかはわからないままです。そこで、捨ててもらうアカウントを譲り受けて、こちらで処分することにしたほうがいいでしょう。こちらでメアドを用意してパスワードを決め知らせてもらい、それを受け取ったら、こちらでログインして、新たなパスにするだけです。
意外とされないのが、フォローを外すことと、イイネやRTを取り消すことです。この際、リストで読むことにして、フォローを外すのはひとつの手段だと思います。外せば相手に伝わりますので。
炎上に付き合うことの不毛性の理由のひとつとして2010年代半ば頃からはっきりしてきた、「SNSでは、挑発的に、わざと炎上させるくらいのことを言うのがマーケティング(自分のブランディング)としても正しい」という考え方があります。
炎上マーケティングとは? - Togetter https://togetter.com/li/374633
炎上は今や炎上マーケティングとして利用され、普通の人も自分のブランディングのために煽り気味に、断言気味に、書いて、炎上の一歩手前のボヤくらいになるのが好ましいと考える人は増えています。結果として注目され、名前を覚えられ、フォロワーが増えるという焼け太りというケースが多いからです。仮に致命的な失言をしたとしても、注目されフォロワーが増えれば少数の強烈な支持者も現れるので、その支持者相手にビジネスもできる、ということもあります。最初に書いたように今はフォロワーは増えても減らない傾向が強いので「数は取れる」わけです。常識的な、無難なことを投稿してもSNSで目立つことは不可能で多数に埋もれてしまう、それなら…というような発想です。
ツイッターは過去ログの検索もちゃんとできないし、話題も空気もすぐに変わりますから、よほど酷いことでも書かない限りすぐに「あーなんかたくさんRTされてた人」という程度の記憶しか残らないものです。一定の支持は得られるようなことでないと炎上しないので、その支持してくれる人の中ではポジティブな評価で知名度が上がります。結構酷いことを書いた有名人も無かったかのようにツイートを続け、相変わらず有名人のままということもよくあります。
コンサルだけではなく、広告会社も新興企業の人、起業好きの若者も多少の炎上はアリだと考えています。そういう投稿がネットの健全な議論にとって大きなノイズになることは関係ないのです。そして、そういう投稿にいちいち反応するのはバカバカしいわけです。
そういうこともあり、基本炎上付近には近づかないのが得策だと思います。おかしなツイートは、スルーするのが最も有効、どうしても何か言いたいなら、RTして次のツイートで感想を書く、引用RTで何か書くしかないですが、これは拡散には協力してしまうことになります。
炎上のメリット
あからさまなデマ、炎上ツイートをすることにはメリットがあります。デマでもフォロワーは増えますし、要注意アカウントなどというリストに入れる人がいます。結果としてそのアカウントの数字的な価値があがる。ほどよいところで、削除し、一ヶ月以内にID名だけ変えて、過去のツイートを全削除して再スタートすれば、最初からフォロワーが多いアカウントが作れる、というわけです。「削除しても一ヶ月くらいなら再びログインすれば復元できる」「ID名を変えてもフォロワー関係などはキープできる」というツイッターの仕様を利用した裏技です。たとえ、仕様が変わってできなくなっても、こういうスキマを利用したやり方は生まれます。やはり基本はスルーするのがいい、ということです。
ボヤマーケティング
SNSでは、炎上するとマイナスだけども、少々、挑発的な物言いをしたほうが拡散されやすいし、賛同者が増える。ぼんやりとフォローされるより、強い賛同者を集めたほうが、その先のセミナービジネスなどにも繋げやすい、というような考えの人は多いです。
例えば日本語教育では、デジタルが不得手な世代や、従来の教え方がよいと考える教師は、このボヤマーケの対象にしてよい、と考える人達がいます。挑発し、切り捨て、自分たちの時代であると投稿することは、当然、若い人が多くデジタルはそこそこ得意な人が多数派であるネットでは支持されます。
👉 日本語教育の世界にはこういう情報格差はもちろん為替格差など格差のスキマを利用している人は多いです。
SNSに限らずネットの「活用」は、損得が軸になりがちです。しかし、私どもはフェアであることを重視して運用しています。またSNSごとに使い分けは原則しません。SNSの中で完結させようとも考えていません。SNSは所詮、民間のサービス上のことですから、自前のサイトを持つ私どもは自分で書く場所を確保していますので、そこで書きます。SNS上の投稿は(検索機能が弱いこともあり)すぐに検索不可能なものとして消えていきますが、ブログなりで書けば検索エンジンの検索対象にもなります。当然、書いたことへの責任も負うことも意味します。そのこともSNSでのやり取りよりもフェアな対応であると考えています。
SNSはサービスによってローカルルールがあり、使われ方も違います。ネット上にある活用ノウハウは基本、損得が軸になっていますが、長く運用していくなら自分なりのルールを作ることが必要であると思います。倫理規定のようなもので、ネットにおけるフェアネスみたいなものに対する考え方です。「こういうことが起きたらこうする」というシミュレーションもやっておくべきです。それらを決めるためには、それがどういうツールなのかを知ることが重要です。「ちょっと詳しい人」にまかせるみたいなことはせず、きっちり調べて、議論し組織として運用方針を決めてから運用したほうがいいと思います。
では、フェアな態度とはどんなものか?これは難しいです。ネットには効果的な逃げ方はたくさん書かれていますが、どういう対応が誠実でフェアなのかは、ほとんど書かれていません。
日本語のネット社会には決まった考えはないような気がします。しかし、コミュニケーション、議論のルールを教えることもある語学教師にとって大事なテーマではないかと思います。
自分の投稿が炎上したらどうするか?で考えてみます。炎上すること自体は悪いこととは言えないので内容次第です。
自分に非がないと考えるケース
自分の投稿が正しいと信じるなら自分の考えを説明するだけです。効果的な説明方法に、典型的なリプライを引用RTして、同じように感じたであろう人達に対する補足説明として投稿するという方法があります。的外れなリプはスルーすればいいと思います。
自分に非があると考えた場合
自分が間違ったと思うなら、何が起きたのかを曖昧にせず、自分の問題の投稿は「削除せず」にそのツイートに引用RTで謝罪することです。「土下座的なあいまいな謝罪」ではなく明確に具体的に謝罪することが大事です。その引用RTにリプで具体的に何が起きて、どこに問題があったかをその経緯を知らない人にもわかるように書いて、自分のフォロワーが見られるようにする。それをホーム画面に(少なくとも一ヶ月くらいは必要でしょうか)ピン止めしておく。
これなら問題の投稿をみた人は、経緯を知ることができ、そのことに対する謝罪を理解できます。投稿で第三者を直接傷つけることでもないかぎり、問題投稿は削除しないほうがいいと思います。削除すると、謝罪もせず逃げたと、スクショを撮られて延々と批判され続ける可能性があります。問題投稿を残すことで、批判がしばらく続くかもしれませんが、受け入れるしかありません。
その他には?
上のようなことの他に、フェアなやり方とはどういうものでしょうか? 自分に非がある無いは別に考えてみます。
まずその反論に対する考え方をまとめた上で、自分に向かってくるリプなどの投稿ツイートを(複数あるならその中の代表的なものを)RTして、(間違ったかもしれない自分のツイートを読んだ)自分のフォロワーにも伝えるのがフェアな態度だと思います。
この時、複数ある場合、どういうものをピックアップするかも重要です。偏った、反論しやすいものを選ぶことは最もアンフェアな方法であると批判されても仕方がありません。厳しくても的を得る批判はRTする。
そして、指摘してくれた人にリプライをするのが負担なら、まとめて「感謝しておりそれをRTします」ということをツイートすればいいと思います。その後のやり取りも自分のフォロワーが追える程度に可能な限りRTで補足する。そして、自分に非があり謝罪するなら、そのプロセスも自分でRTする、というところでしょうか。
👉 両者をフォローしている人はこのやり取りを見ることができますが、どちらか一方だと、特に自分をフォローしているけど議論の相手をフォローしていない場合は、議論の文脈がきちんと伝わりませんので、そこをRTで補足していく、ということです。
つまり、誤りを認めるならば、まず、きちんと自分が理解できているかも疑うべきです。つまり謝罪の際に「どこに問題があったかと理解しているか」を経緯を見た人や自分のフォロワーに伝えることが大事だと思います。そこで、大多数が納得するならば、自分の理解は間違ってなかったことが確認できます。問題があればまた指摘が来るかもしれません。そこからは対話を繰り返すしかないと思います。当然「なんとなく気にくわない」という人もいます。そこはスルーしてもいいと思います。時間をかけて切り分けをしてけばいいと思います。
しかし、どこか平行線のまま終わることもあると思います。そこは解決できないなら、そのままにしておくしかありません。去る人は去るということになるのではと思います。
実際は…
しかし、残念ながら、こういうことは、日本語のネット社会ではあまり行われません。かなり厳しい指摘がきても、反論だけして終わり。自分への賛同のリプライをあわててRTして自分のフォロワーに知らせるけれど、分が悪い時は、自分のタイムラインには知らせないという人は結構多く、炎上が続いても、後はスルーして無かったことにするか、ツイートを削除するか、場合によってはアカウントを消して終わりになることがほとんどです。良くて「土下座謝罪」で、後は無かったことにするぐらいです。
ネットのコンサルも「スルーするのが一番(ブランディング的に)被害が少ない」などとアドバイスするようです。セルフブランディングとフェアな態度というものはしばしば対立します。そもそもSNS上で等身大ではない「ブランドとしての自分」を演じ続けるということに無理があるのではという気がします。
FacebookやX(twitter)、インスタなど、は、開始前に英語圏での使われ方を参考に方針を決めて、スタートしています。すべてのアカウントではこちらからフォローはしない、原則、やり取りはせず、発信のみ。ただし、宣伝だけでなく有益な情報シェアは積極的に行いつつ運用するというものです。2011年の東日本大震災を受けて、寄付を続けているハタチ基金へのフォローだけすることにしました。
この記事の書き手は、2009年12月前後に、公式、日本語公式、出版の3つのツイッターアカウントを作り、2022年にICTレッスン関連を追加しましが、2023年に、公式に一本化しました。開始当初から、
という方針で運用しています。幸か不幸か、日本語教育関係者とはお付き合いがなく、お世話になることもなかったので、誰ともフォロー関係を作らず、自由なスタンスで発言していくという考えではじめました。SNSの常として、ネット上でできた「関係」が忖度や損得を生み、発言の自由の維持の障害になることがあることをふまえたものでした。
最も投稿が多いのは日本語公式でしたが、2018年の3月末で原則として手動の投稿や対応を停止しました。現在は、BOT中心で積極的な投稿はしていません。(コロナのような大きなことが起き、何か貢献できる発信ができると思った時に短期間、発信を増やすことはありました)
過去のログはここにあります。
原則としてツイ消しはしませんが…
です。今見ると消したいものもありますが、全部残してます。
というところです。ネット上のサービスは、まずプライベシーポリシーを確認してからアカウントをとり、あれこれと試用運転してみて、運用のルールを作ってから本格的にスタートということにしています。SNSは交流までやる時間はないと判断してスタートしました。
日本語教育関係のツイートは、2018年3月までは平日はそこそこ読んでいましたが、今は、週に1,2度ざっとみるくらいです。すべて仕事上のグループのアカウントですし、今後、担当が変わる可能性もあるので投稿者の名前は書いていません。Facebookやインスタグラムはアカウントをとってゲートウエイとしてページを置いているだけです。
プライベートレッスンの宣伝をしていたこともあり、住所や名前は、20年間公開していたのですが、2018年3月に終了直前に個人情報を晒す的な被害にあい発信者情報開示請求をしたり、ということがありました。SNSの本格的な活用の最後に本格的なネットの被害を経験し、これで、ネットのことはひととおり全部経験したことになります。家族の心配もあり、ネット上では名前や住所は出さないということにしました。ご了承ください。
以下、仕事でネットの投稿の際に気をつけたほうがいいことをルール化する必要ができたので、改めて整理したものです。まず…
は2018年以降、決めている大原則です。つまり以下は、SNSではやり取りをしないというルールありきのもので、かつ、誰もフォローしていないという特殊なアカウントのルールでもあります。
これらは、リプや引用RTなど、人とやり取りをしない前提の運用ルールです。仮にやり取りをするとしてルールを追加するなら以下のようなグラデーションがあると思います…
全面的にリプなどやり取りをするなら、ルールは様々です。当然、「このラインから下はスルーする」というものを決めておいた方が良いです。人とやり取りするアカウントだと認知されれば、スパムや暴言リプは増えますから。
その他、アカウントの種別によって、いろいろローカルルールが必要になると思います。例えば、私どもの場合だと、出版物に関する言及は「確実に読んだ感想なら、どんなものでも(暴言じみたものでも)RTする」というルールで運用しています。これは著者の方々にも事前にお伝えしてあります。逆にいうと、よく出版社がやる「読んでないけど期待!」みたいな投稿には感謝しつつも、RTはしないことにしてます。この線引きも、私どもなりのフェアネスによるものです。
やり取りするしないに関わらず、こちらに非がある際は上の「フェアな対応」ルールに従って謝罪したり訂正したりが必要になります。
以上です。「これだと何も書けない」と言われたこともありますが、パブリックな場所は元々簡単に何でも書ける場所じゃないと考えたほうがいいと思います。書くことがなければ無いままでも全然問題ないです。自分ではない本物の専門家の意義深い投稿をRTなどで拡散するということもできます。「投稿しない」という抑制が効く人であるか、は、ネットを活用する際に最も重要なことだと考えています。
世界初公開|「#拡散の科学」なぜ人はリツイートするのか? https://marketing.twitter.com/ja/insights/kakusan
10分でできる!Twitterの検索結果をSpreadsheet出力方法 #GAS - Qiita https://qiita.com/saenuruki/items/39aaa0384bac572ad553
Twitter (X) 上の日本語を対象にした言語学的研究に関する覚え書き https://tsukuba.repo.nii.ac.jp/records/2010113
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