入力と変換

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入力と変換

児童生徒の情報活用能力の把握に関する調査研究:文部科学省 https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/mext_00028.html

入力、変換に関しては、意外とまとまった記事がなく論文も少ない。Wikipediaの記述が充実している。どういう入力方法が主流となるかは、原則スピードだと言われているが、ひらがな入力とローマ字入力では、スピードではひらがな入力だと言われたが、覚えるキーが少ないローマ字入力が優勢となった。

2020年の時点で「最近の大学生はキーボード入力ができない」ということが起きており、困ったものだという文脈で語られたり、フリックだけだと高度な職業につけないなどと言われるが、ソフトウェアキーボードが主流になりつつある今、新しい多様な入力方法が出てくる可能性があり、キーボード入力は過去のものになる可能性もあります。

日本語入力システム-Wikipedia

日本語入力システムの一覧 - Wikipedia

キー配列 - Wikipedia

手書き文字認識 - Wikipedia

Youtubeは英語の説明動画は2020年代になって増えてきました。

japanese keyboard how - YouTube https://www.youtube.com/results?search_query=japanese++keyboard+how

How to use Japanese keyboard | How Japanese people type in Japanese? https://youtube.com/shorts/1z4KuOqZxHY?feature=share

入力方法

ローマ字入力のほうが覚えるキーが少ないことから普及が進んだ。ローマ字学習(ヘボン、訓令)との関連にも影響大。

ローマ字入力表 - ビギナーガイド - FMVサポート : 富士通パソコン https://azby.fmworld.net/usage/beginners_guide/romaji/

ひらがな入力は富士通のワープロで使われていた親指シフトがある。

Wikipedia おやゆびシフト

キーをみないでタイプすることをタッチタイピングと呼ぶ。かつてはブラインドタッチという呼び方があったが、ブラインドという名前に問題ありとして使われなくなった。

キーボード配列

日本でローマ字入力に使われるものは英語圏で一般的なQWERTY配列(クワーティはいれつ)。この配列を前提にしたローマ字入力をQWERTY入力と呼ぶこともある。

フリック入力

How to Use Japanese Keyboard on the Phone https://youtube.com/shorts/V2B9dgjbQxk?feature=share

日本語教育的には、ひらがなで入力するという点もキーボード入力との大きな違いです。ソフトウェアキーボードなので、IMEが対応していれば、iPhoneだけでなく、いろんなOSで利用できます。GoogleのIMEやATOKなどほとんどのIMEが対応しています。

人差し指だけの入力が多いようですが、親指だけという人もおり、早打ちの動画はYoutubeにたくさんありますが、競技的な世界になると両手で入力となるようです。フリックは片手で入力できるというのも大きなメリットのひとつです。

スマホの「フリック入力」から日本が見えてくる【西田宗千佳のイマトミライ】-Impress Watch https://www.watch.impress.co.jp/docs/series/nishida/1497700.html?s=09

GODAN

Googleが提案しているモバイル端末での入力方式です。あまり普及していませんが、ローマ字入力的なものなので、キーボード入力との相性はよさそうです。

GODAN入力とはなんですか?
https://support.google.com/ime/japanese/answer/2700298?hl=ja

スマホとタブレットの普及でソフトウェアキーボードが主流となり、特にモバイルOS用のIMEによって独自の変換方法が開発されているが、フリック入力以外はなかなか定着しない。手書きと音声入力は実用レベルで普及するかどうかは未知数。

手書き入力

手書き入力はゲームや電子辞書の時代(90年代)から普及しはじめ、スマホの普及でIMEに標準装備されるようになった。手書きによる漢字検索も可能になったことは日本語教育のおいて大きな変化といえる。Google入力に実装されている手書き入力の精度は高い。

音声入力

音声入力はOSやサービス単位で対応、非対応が決まる。ハードにマイクがあることが条件。

今はいろんなソフトに音声入力機能があります。パソコンにマイクがあれば、誰でもすぐに試せるものとしてはGoogle翻訳があります。
https://translate.google.co.jp/

Googleの新アプリが凄すぎる。リアルタイム文字変換の精度がエグい
https://www.buzzfeed.com/jp/yuikashima/google-livetranscribe

Otter Voice Meeting Notes - Otter.ai
:メディア関係者が原稿おこしで使っているという有料アプリ。 https://otter.ai/

Otterの紹介記事 (西田 宗千佳) | ブルーバックス | 講談社(1/5)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/66759

Live Transcribe 「音声文字変換」 聴覚に障害のある人のためのアプリ。音声で入力してテキスト化される一定期間で消えるのでコピペして保存する。
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.google.audio.hearing.visualization.accessibility.scribe&hl=ja

👉 Google ドキュメントと Google スライド、Evernoteでも音声入力ができます。

Cloud Speech-to-Text - 音声認識  |  Cloud Speech-to-Text API  |  Google Cloud
https://cloud.google.com/speech-to-text/?hl 

文字の配列や入力方法によってミスの種類も違ってくるので、入力方法は類推できることがある。また予測変換による間違いも。

海外のアマゾンなどで日本語入りのキーボードは安く売られている。

アルファベット系の言語の人にとってはローマ字入力のほうが移行は簡単なようだが、ほとんどの場合、日本語学習においてローマ字は補助的な意味しかなく、かなが軸になっていることを考えるとひらがな入力とという選択肢もある。また、フリックはひらがな入力なので日本語学習と親和性が高いとも言えるかもしれない。

80年代のワープロ時代は変換性能がハードを選択に大きく影響することもあり開発競争となっていた。パソコンの時代となってジャストシステムのATOKがプロユースとして知られることになったが、2000年代には各社の変換性能があがり、あまり話題にならなくなった。

90年代以降、IMEの辞書ファイルは個人製作でいろんな種類のものが作られ、多くはフリーで配布されたが、現在はIMEの会社がファイルとして配布することが多い。

2010年代に入り、各社、クラウド上に辞書などのデータを保存して他のOS上でも同じ環境で使えるような機能を実装しはじめた。これによって入力情報(ほぼすべての個人情報が含まれる)を勝手に取得し利用しているのではないかという疑惑があがり、実際にそういうことも起きたが現在は、情報の取得はされていない(ということになっている)。

予測変換とは「その文字でよく使われる単語を先回りして候補を示してくれる」というもので、モバイル環境では利用する人が多いことで知られています。この予測変換による誤変換は、タイプミスによるものとは違います。

日本語学習者の入門用として考えた時に考慮すべきポイントは?

+対応OSが多い:Widows,MacOS,iOS,Android,Linuxまでカバーしていれば、学習者は慣れたIMEで利用できて便利 +価格が無料:Google入力、Shimeji

となるとGoogle入力が第1候補?WindowsIMEは慣れても他のOSに対応していないので最初からGoogle入力のほうがいいかもしれない。教える際もインターフェイスや設定などが同じほうが便利という点も。

MicrosoftIME

  • 会社:Microsoft
  • 価格:Windowsの付属ソフト。単独での販売はない。
  • 対応OS:Widows
  • 入力方法:QWERTY配列、フリック

Microsoft日本語IMEの使い方・設定方法
https://support.microsoft.com/ja-jp/help/4462244/microsoft-ime

日本語入力にも大幅なテコ入れ? 「May 2020 Update」に導入された入力関連の改善 - 窓の杜
https://forest.watch.impress.co.jp/docs/shseri/win10may2020/1250197.html

MacOS入力

  • 会社:Apple
  • 価格:MacOSの付属ソフト。単独での販売はない。
  • 対応OS:MacOS、iOS
  • 入力方法:QWERTY配列、フリック、GODAN

Mac用日本語入力プログラムユーザガイド - Apple サポート
https://support.apple.com/ja-jp/guide/japanese-input-method/welcome/mac

macOS 10.15 Catalinaの日本語入力
https://applech2.com/archives/20190604-macos-10-15-catalina-improved-japanese-ime.html

  • 会社:Google
  • 価格:無料
  • 対応OS:Widows,MacOS,iOS,Android,Linux(名称はMozc)
  • 入力方法:QWERTY配列、フリック、GODAN、手書き

Google 日本語入力 – Google
https://www.google.co.jp/ime/

ATOK

  • 会社:ジャストシステム
  • 価格:8000円前後。月額300円からの課金制も。+一太郎で15000円なので自動ふりがな+簡易校正機能ソフトとしてパッケージで買う方法も。
  • 対応OS:Widows,MacOS,iOS,Android,Linux
  • 入力方法:QWERTY配列、フリック

ATOK.com | ジャストシステム
https://atok.com/index.html

2019年前後話題になった記事。ATOKは単文節変換が弱点?
さよならATOK、こんにちはGoogle日本語入力♪ - ケータイ Watch
https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/column/korekori/1188611.html

👉 一太郎2022からATOKは永続版でなく、1年版のサブスクになった

Shimeji

  • 会社:バイドゥ株式会社(百度)
  • 価格:無料
  • 対応OS:iOS,Android
  • 入力方法:QWERTY配列、フリック、GODAN

Baidu IME - 日本語入力
http://ime.baidu.jp/type/

初期(2013年ごろ)に入力情報が開発会社に送信されているということが明らかになり問題となったが、その後、送信は無くなった模様。

「Baidu IME」「Simeji」が変換文字列を無断で送信、NISCが省庁に注意喚起 -INTERNET Watch Watch
https://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/629165.html

Baidu IMEとSimejiの情報送信問題についてまとめてみた。 - piyolog
https://piyolog.hatenadiary.jp/entry/20131226/1388077755

Linuxの入力環境

OSの種類によっていろんなIMEがあり、性能は他のOS付属のIMEと遜色ない性能。Google入力(名称はMozc)もある。

その他

日本語教育において、入力と変換をどう導入すべきことなのかという議論はほとんど見当たらない。

初級段階での導入が検討されるべきだと思われますが、いつがよいのか議論が必要。キーボード入力をローマ字入力で、ということなら、学習者がアルファベット圏かどうか、教科書でローマ字をどう扱っているかに左右されそう。

動詞と一緒に説?

ほとんどのかな主体の初級教材では、ローマ字を使うとしても最初にひらがな、カタカナをやって、あいさつなどがあり名詞文など単純な文があり、初級前半の後半(4分の1)くらいで動詞が始まるまでには教材のローマ字表記も消え始めるという順番になっている。

動詞の活用は(教え方によっては)もう一度ローマ字に戻るタイミングでもあるので、ここでキーボードでの入力(ローマ字入力)と関連づけてやる方法もある?

2020年においては、キーボードでローマ字入力をすることができる、というのが最重要とされるが、モバイル環境ではフリックなど他の入力方法でないと難しい事情もあり(タブレットのソフトウェアキーボードの場合、7インチだと手が大きい人は厳しい)、フリック入力も導入する必要があるかもしれない。

👉 ただし、アルファベット圏はともかく、日本語の入力において、英語の入力に最適化されたQWERTY配列で、ローマ字で入力する現在の方法が見直される時がくる可能性は高いと思われる。それはソフトウェアキーボードの時代になって加速されるのではないか?

教え方としての日本語入力と変換の理解は、日本語ネイティブへのものとどこが違うのか?

👉 アジアなど2バイト文字の学習者の入力環境の調査と研究も必要。

これは、よく「もう手で書く機会は少ないから漢字は書けなくてもいい」「入力ベースでやれば『選べればいい』はず」と、現実の生活において必要かどうかで漢字学習における手書きの要不要が決まるような語られ方がされるが、漢字学習の必要性や、文字学習以外に波及する影響など考えるべきことは多く、それほど単純な問題ではない。

手書きの意義には、いろんな要素があり、総合的にどうなのかは、まだハッキリしない。「漢字は手で覚えろ!」と強要することは問題だが、ではその他に覚える方法として、どういう選択肢があるのか、あまり整理されていない。

「意味がわかればいい漢字」と「形もしっかり覚えておくべき漢字」「読める漢字」「書けなければならない漢字」などの区別があるとして、そういう分類を試みた人は少なく、実際にそういう分け方で十分であったのかという検証は、あまり見当たらず、なにをもって十分と定義しているのかもハッキリしない。語学学習は、ある段階で大丈夫であっても、その先の段階で問題となったり、先の段階に進む障害となったりすこともあるので、長期的な検証も必要。

今のところ、日本語ネイティブのほとんどは、文字は手で書いて覚えた人達で、それは現代の若い世代でも同じ。最初から入力ベースで日本語を学習したというケースは、ほとんどいない。


以下、いろいろと考える要素として、ずらずらと列挙してみてみた。

手で書くということ

日本語教育の世界には、手書きの学習をやるべきかどうかは、手書きの機会があるかどうかだけが判断材料になると考える教師もいる。そしてその結論は、どういう手書きの場面があるかという教師の想像力で決まってしまう。日本で生活していると手書きが必要な場面はここ数十年で減っている。そこで、「書く必要があるのは自分の名前と住所くらいだ」「いや、意外とブルーカーラーの職場では残っている」という議論になる。

書く(入力する)機会は減っているか?

手書きか入力かを横において、書く機会は減っているのか?も、あまり議論されない。言うまでもなく増えている。ネットは基本読み書きの世界なので、ここ数十年の会話重視路線で、読み書きの能力が相対的に下がるのは、ネット時代と逆行しているとも言える。

LINEやSlackなど、プライベートも仕事も、読み書きで済ます比率はコロナもあり、飛躍的に増えている。話す聞くよりも読み書きのほうが重要になっていると言ってもいい。この意味では、漢字を読み、入力する機会も飛躍的に増えていると言える。「入力できればいい」というのは、相対的に読み書きの重要性が低い時代での考え方であって、読み書きが重要になってきた2020年代は、また新たに考え直す必要があるとも言える。

👉 手書きだけに絞っても近年、宅急便のサインなどはタブレットに名前を書く式が増えている。名前ぐらいだとはいえ字を書く機会は以前より増えたとも言える。近年、キーボード入力はフリックにとって変わられる可能性があり、その先、どんな入力方法が流行るのかはわからない。手書き入力が主流になる可能性は0ではない。

書けるようになることと、効率的に覚える方法として書くこと

しかし、考えてみればわかるように、漢字がかけるようになることと、漢字を書くことが漢字の学習に役立つかどうかは別の問題。

漢字は日本語学習に必要か

漢字を書けるかどうかは横に置いて、漢字の形と意味を覚えることは日本語学習にとってどのくらい重要なのかも、あまり検証がない。「まったく書けないけどペラペラ」という学習者はネット時代以前から多数おり、生活に支障はほとんどない。ただし、日本で生活することが長くなると、いろいろと不便が出てくることになる。家族をもつと、文字を読み、書かざるを得なくなり、特に子どもを育てることがきっかけで、読み書きから勉強しなおすというケースは多い。

「数年滞在して帰国する人には漢字の学習は負担が大きい」と言われてきたが、2020年代以降は、特定技能で永住への道が開けたり、国内での就職を促進したりと、国の政策は、どちらかというと、日本で長期滞在する人が増えるような方向でもある。

漢字の形を記憶することに関して手で書いて覚えることは役に立つという検証結果は多く、この「覚える」には書き方を覚えるだけでなく、意味や読みも含まれる。形には、意味の物語があり、読みを示唆する情報もある。

さらに、ひとつの字だけではなく、偏や旁などのパーツの形を知ることによって多くの漢字のカテゴライズや意味の理解にも役に立つ。日本語は漢字の組み合わせでできた名詞が多く、この名詞が動詞になったり、形容詞になったりと語としての生産性も高い。漢字の知識は日本語の語彙の構築にかなり重要な役割を果たしていると考える日本語教育関係者は多いと思われる。

どうやって書くか

手書きで覚えたとしても、現実の場面では入力することが多い可能性は高い。つまり書く方法として、どちらを想定するかという問題もある。入力前提ならば、読みさえ正確に覚えていれば大丈夫と言われるが、逆にいうと、入力には音を確実に覚えておかねばならないという制約があるということになる。音声入力も同じ。手書きは形を覚えていれば「書ける」。

手書き入力も精度が上がっている

「書けなくても入力して変換候補から選べればいい」と言われるが、どんな変換候補が出るのかはまったく予想できない。これは変換ソフトによっても大きく違う。多数が使う語を正解と考える変換ソフトもあれば、規範として正しいとされている語が上位に来るタイプもある。設定によっても違う。

検索に必要なものは何か?

街中でみかけた漢字がある語はスマホで写真を撮ってスキャンすれば読みも意味もわかるようなアプリはすでに多数出ている。これは2010年代後半(スマホのカメラがかなり高解像度になったことも重要)からなので、そこそこ新しい技術です。ただ、すべて写真に撮れるわけではないので、目の前でみた語を書き取ることは必要になる。

何かを調べたと思ったときに重要なキーワードというものがある。例えば「仕様 型番 住所 法律 価格 ~」みたいな語で、これらの語を組み合わせとして、パッと出てくるかは、かなり検索力において重要になってくる。ひらがなでも「『型番』として検索しました」というようなことをしてくれる検索エンジンもあるが、すべてではない。「仕様」「使用」だと検索結果も違ってきてしまう。

いろいろな考え方

効果はさておき、学習効率の面で手書きは省略でよいという考え方もある。

□ あたらしい漢字指導のカタチ 外国にルーツを持つ児童生徒が学ぶために(kotoba news) 庵 功雄(一橋大学)| リベラルアーツ検定クイズ
http://www.la-kentei.com/kotoba_news/

□ 国際交流基金の生活Can-doでは手書きは必要な能力であると規定している。ただしどうやって「書く」のかはハッキリと定義されていない。入力が想定されていることが多いような印象。

□ 国際バカロレアの分類

初級では「読めて書かなけなければいけない漢字80字」と「読めて意味が分かればいい漢字80字」に分かれている。

Language ab initio course - International Baccalaureate®
https://www.ibo.org/programmes/diploma-programme/curriculum/language-acquisition/language-ab-initio-sl/

👉 『ドイツ語話者に教える』より引用。画像はこの書籍の作成時にwebjapanese編集部が作ったもの

漢字が必要かどうか、どういう学び方であるべきか、は、国語教育のほうが多数の研究がある。

→ CiNii Articles 検索 - 国語教育 漢字

その他

いろんなことが言われています。考える材料としてずらずらと。

-現状、キーボードで入力する能力の育成は重要だとしても、日本語の入力環境はソフトキーボードの時代になって多様化する可能性は高く、新たな入力方法が主流になることも視野に入れておくべきで、ソフトウェアキーボードに慣れておくという意味でフリック入力も重要です。手書き入力もかなり性能が上がっています。Google入力で手書きを選択して試せます。高齢者はもちろん日本語学習への活用もできそうです。

  • そして、もしかすると、日本語教育がかなりの部分を預けることになる、変換の仕組みを日本語教育関係者は、ちゃんと知っているでしょうか?今、日本語学習者に推奨すべき変換ソフトはなにか?という議論はあまりみかけない。日本語教育関係者は若い世代はもちろん、コロナで比較的高齢の世代もデジタルに詳しくなりつつあるが、一般の平均値が「5合目」だとすると、比べるとまだまだ低く「3合目」くらいと言える。変換ソフトの議論のような「5合目くらいの議論」はあまり見かけない。
  • キーボード入力は10本の指が必要ですが、フリックは1、2本、手書きは3本くらいで、使う指で考えると手書きの入力効率は悪くありませんし、文字の形をなぞるのは手書きのみです。まったく違う形の文字を覚えるのに指を動かすことは役に立つ可能性は高い。特に文字種が多い日本語では活用したほうがいいかもしれません。少なくとも、アルファベットの言語圏の「手書きvsタイピング」の類いの研究や検証は役に立たなさそうです。
  • 「手書きはもうほとんどしない」という人は、ほとんどの場合ホワイトカラーで白い壁に囲まれて仕事をしている人です。周囲をみると、まだまだ手書きは残ってます。特に医療や介護の世界、工場の日誌、報告書など外国人が多い場所で残っている。国内で外国人が働く機会がおおい職種で、きちんと調査すべき。役所で請求する文書から手書きが無くなる日は遠く、アパートを借りる契約でも署名と住所は書かねばならない。履歴書は完全に電子化されていない。
  • 子どもは学校で手書きを要求される。これは、当分の間、続きそう。
  • 音声入力、手書き入力、いろいろとあり、かなり性能は上がっているが、語学の学習用としては、もうひとつのブラッシュアップが必要という印象。
  • そもそも、話す能力がリーチする範囲は、大企業の社長か政治家にでもならないかぎり、せいぜい数人か、多くても教室にいる人数程度で、人間関係を良好に保つ程度の力しかありませんが、書く力を獲得することによって、ネット時代は、ブログやSNSに投稿し、それがよいものであれば、簡単に数千人に届き、場合によっては、数百万人の人にリーチする可能性があり社会を変える可能性すら秘めています。

トメハネ問題

手書きに関連してトメハネ問題というものがあります。これは国語教育の世界で先行して議論があり、ほぼ結論は出ています。

文科省の方針では、だいたいでいいよ、ということになった。2016年に200ページ超の文書が出ている。

常用漢字表の字体・字形に関する指針(報告) - 文化庁
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/hokoku/pdf/jitai_jikei_shishin.pdf

常用漢字表の字体・字形に関する指針(報告)について(2016年 2月)
:解説的な文書
https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/pdf/2016022902.pdf

サイト上で検索出来るタイプもある。

「常用漢字表の字体・字形に関する指針(報告)」の代表音訓索引 | 文化庁
https://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kokugo_shisaku/joyokanjihyo_sakuin/index.html

しかし、現場ではそうはなっていない模様。

当然、デジタル関係ではフォントとの関係がある。どういうフォントが正解かは、国語教育では書に模した教科書体が正しいという考え方が強く、日本語教育では、ネットで多様されるゴシック体でもいいのではという考え方がある。




研究

日本語入力方式の歴史-印刷100年の変革
https://www.jagat.or.jp/past_archives/story/4135.html

日本語入力プログラムの歴史(MS-DOS~Windows)
http://www4.airnet.ne.jp/koabe/com_inet/im/history1.html

なぜ漢字は正しく変換できる? 今日に生きる日本語入力技術のルーツ | Toshiba Clip
https://www.toshiba-clip.com/detail/1901

概要 | ジャストシステムの日本語テクノロジー 
https://www.atok.com/backnumber/tech/index.html

Shaping up ATOK to fit to your iPhone / iPad
https://www.slideshare.net/JSUXDesign/shaping-up

「ウェブ上における使用実態統計から改定常用漢字を考える」~高精度時間軸コーパスで見る「新しいウェブ」の言語現象
https://www.slideshare.net/mhagiwara/20100811-kanji-workshop-with-preciselytimed-corpus

「バーカ!」といっておけばすむ事態が、あまりに多すぎはしまいか|些事にこだわり|蓮實 重彦|webちくま
https://www.webchikuma.jp/articles/-/2773

外国人向けの日本語教育に最適なフォントをさがしています -外国で日本- 日本語 | 教えて!goo
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/3470250.html

端末の文字幅問題の傾向と対策 | IIJ Engineers Blog
:半角全角ではなくなってきたという話
https://eng-blog.iij.ad.jp/archives/12576

YouTubeで使われているフォントを調べてランキングを作った【テロップ編】|ヒラギノフォント公式note https://note.screen-hiragino.jp/n/n8944d14811c1

ローマ字

英語アルファベットによる日本語音声表記 | CiNii Research
https://cir.nii.ac.jp/crid/1390009224768054528

キーボードによる日本語入力スキルの指導方略 | CiNii Research
https://cir.nii.ac.jp/crid/1050006385649208960

会話教材におけるローマ字表記 - 早稲田大学リポジトリ 
https://waseda.repo.nii.ac.jp/record/25522/files/WasedaNihongoKyoikugaku_19_Kobayashi.pdf

入力と変換

漢字形状記憶の損失を防ぐ漢字入力方式
https://ci.nii.ac.jp/naid/120006027372

IT時代の文字入力と国語教育(自由研究発表)
https://ci.nii.ac.jp/naid/110009571293
ペン入力PCを活用したクラス活動の試み:―日本語クラスでのタブレットPCの使用
https://ci.nii.ac.jp/naid/110009497219
留学生教育におけるITリテラシー支援の現状と課題
https://ci.nii.ac.jp/naid/120002225780
学部留学生の情報リテラシー養成のための基礎調査
https://ci.nii.ac.jp/naid/130004715679
留学生向けコンピュータ教材の開発とその使用
https://ci.nii.ac.jp/naid/120005411645
ハノイのパソコン・インターネット事情と日本語教育
https://ci.nii.ac.jp/naid/110000032533
初心者は携帯電子辞典で漢字が効果的に引けるか
https://ci.nii.ac.jp/naid/110009496564
IT時代の文字入力と国語教育(自由研究発表)
https://ci.nii.ac.jp/naid/110009571293

Single-Hand Input Scheme for English and Japanese Text
https://pdfs.semanticscholar.org/4dfa/24459241f08d89560c69dc3ce18daeb6a2a8.pdf
Textual Features of Intercultural Internet Chat between Learners of Japanese and English
http://callej.org/journal/9-1/pasfield-neofitou.html

フォント

フォントと色による印象評価尺度作成と保育の文字環境
https://ci.nii.ac.jp/naid/120005456799
フォントの違いが弱視者の選好文字サイズに及ぼす影響
https://ci.nii.ac.jp/naid/130007008095
文字の読みやすさ 1 日本語オープンフォントの派生に関する考察
https://ci.nii.ac.jp/naid/120005614733
文字の大きさと読みやすさの評価
https://ci.nii.ac.jp/naid/130003379794
文字を書くことに対して「活字フォント」が与える影響について
https://ci.nii.ac.jp/naid/120000802518

日本語フォントタイプの変更による学習効果の促進
https://ci.nii.ac.jp/naid/130007420303
スタイルとウェイトが日本語フォントの読みやすさに与える影響:―既存フォントを用いた読書評価による検討―
https://ci.nii.ac.jp/naid/130006235005
既存フォントを使った読書評価実験によるフォントの読みやすさの検討
https://ci.nii.ac.jp/naid/130007008143
携帯電話を利用した日本語教育における漢字学習コンテンツの可能性 : 端末画面に表示される文字フォントと文章表示の問題点
https://ci.nii.ac.jp/naid/110004683730
発達性ディスレクシア児童の音読における書体の影響
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjlp/57/2/57_238/_pdf 

小画面ディスプレイに適した日本語フォントの可読性と判別性に関する研究
https://ci.nii.ac.jp/naid/130007772881
文字の長体化における読みやすさへの影響
https://ci.nii.ac.jp/naid/130007008141
フォントの違いが漢字の読みにもたらす影響
https://ci.nii.ac.jp/naid/130007005511

文字にまつわるユニバーサルデザイン : UDフォントを活用してみよう
https://ci.nii.ac.jp/naid/40022587035
ユニバーサルデザインフォントの評価に関する研究 -1:―ユニバーサルデザインフォントの美感性に関する調査
https://ci.nii.ac.jp/naid/130007477824
ユニバーサルデザインフォントの可読性:―ユニバーサルデザインフォントの評価に関する研究−2―
https://ci.nii.ac.jp/naid/130007665595
UDフォントによる組版の設定が文章の可読性に与える影響について(第2報)
https://ci.nii.ac.jp/naid/130005092526
視覚特性や提示条件が変化しても読み違いが起こりにくい金融コミュニケーション向けUDフォントの開発
https://ci.nii.ac.jp/naid/130004799945

手書きと学習

漢字の手書きは文章力の発達に独自の貢献をする―読み書き発達の二重経路モデルの提唱― | 京都大学
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2023-04-27-3

日本語における漢字の存在とその教え方の考察
http://commons.emich.edu/cgi/viewcontent.cgi?filename=10&article=1000&context=catj&type=additional

漢字習得のための書字練習とイメージング法の比較・考察
https://pjpf.princeton.edu/sites/pjpf/files/past/18th-pjpf/15_MurashimaPJPF-Proceeding.pdf

手書きメモとキーボードの比較 (効果,速さ,メリットデメリット,記憶の定着)
https://work-data.com/1972

日本人のキーボード入力と手書きによる記憶効果の脳科学的検証
https://ci.nii.ac.jp/naid/10029779937

手書きとフォントの文字形状の違いによる記憶効果の比較
https://dl.nkmr-lab.org/papers/182/paper.pdf

情報記録手法と記憶定着・理解度の関係についての実験報告 : 手書き記録時とキーボード記録時の差異について
https://ci.nii.ac.jp/naid/10025992230

非漢字圏初級漢字学習者が漢字学習に求めるもの
https://ci.nii.ac.jp/naid/130007885207

Writing medium’ s impact on memory: A comparison of paper vs. tablet
https://www.castledown.com/journals/tltl/article/?reference=575

以下は、新しい言語を学ぶならという視点での2021年の複数の研究が引用されています。語学教育に関しては手書きの有効性はありという考え方が優勢なのかもしれません。

新たな言語を学ぶときはタイピングよりも手書きの方が優れているとの研究結果 - GIGAZINE
https://gigazine.net/news/20210712-handwriting-better-typing-new-language/

The Effects of Handwriting Experience on Literacy Learning - Robert W. Wiley, Brenda Rapp, 2021
https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/0956797621993111

Hand-writing letters shown to be best technique for learning to read | Hub
https://hub.jhu.edu/2021/07/07/handwriting-more-effectively-teaches-reading-skills-brenda-rapp/

Handwriting Is Better Than Typing When Learning a New Language, Study Finds
https://www.sciencealert.com/handwriting-is-better-than-typing-when-learning-to-read-study-finds


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