2000年03月


 
03 / 02

「金は天下(てんか)のまわりもの」という言葉がある。

お金というものは、個人の所有物(しょゆうぶつ)ではなく、社会の 所有物であるといった意味で、日本では古くから言われていることばだそうだ。

いい例を知人に聞いた。彼はコンピューター学校の講師(こうし)。

東京に住むあるアメリカ人の仕事は、英語の家庭教師(かていきょうし)で、ある生徒が 高い授業料(じゅぎょうりょう)を払ってくれる。
彼女は、鉄道会社の会長の愛人(あいじん)だそうで、会長が買ってくれた マンションにひとりで住んでいる。1時間のレッスンを週一回やって 月10万円。

彼は、その高い授業料を、自分に投資(とうし)した。コンピューターの 授業をうけることにした。 その講師は、愛人のパトロンである会長の鉄道会社の沿線(えんせん)に 住んでいる。

毎日、切符(きっぷ)を買うたび、複雑な気持ちになるそうだ。

 


 
03 / 03

知人にやたらと気をつかう人がいる。

先日、一緒に昼ごはんをたべた。ふつうに話して40分ぐらいで 店を出た。
後日、その人が語ったところによると、その40分にこんなことを 考えていたそうだ。

「まず、店に入ったのが12時10分ごろだった。ふつうなら席は いっぱいのはず。
  しかし、席は空いていた。多分、あまり流行っていない 店だと思った」
「それで?」
「なるべく儲かるメニューを選ぼうと考えた。」
「えっ! 好きなものじゃなくて?」
「うん。それで、うどん定食を選んだ。麺類(めんるい)は仕入れ値が 安いから
  ね」
「なるほど」
「それから定食についている飲み物は、アイスコーヒー、これも、 仕入れ値は
  アイスティーの70%くらいなんだ」
「くわしいね」
「前にアルバイトしてたから」
「それから山本、うどんのつゆにわざび入れただろ」
「ああ」
「あれは、よくないよ。洗う手間がかかるんだ。おかずのカツにからしも
  つけちゃだめ。洗う時に手につくと、ピリピリすることがある」
「へえ」
「50分に店を出たのも理由がある」
「え」
「オフィス街だから、1時から休む人もいる。でもそういう人は、時間が 比較的
  自由になるから5分前くらいにオフィスを出ることができる」
「それで」
「10分前に店を出れば、席が空いている印象を与えることができるでしょ」
「そうだねえ」
「早すぎてもいけない。ウエイトレスはレジも兼ねていたから、なるべく 支払いが
  集中する時間に店を出たほうがいい」
「経験者ならではの意見だね」
「それに洗い場も一度にお皿が下がってきたほうがやりやすいんだ」
「ふうん、いつもそんなに気を使うの」
「うん、山本は、お皿を重ねただろ? あれはだめなんだ。油が他の お皿について
  洗いにくくなる」
「他になにか変なことした?」
「席が空いていたのに、窓際に座っただろ?」
「うん」
「席があいている時は、なるべくウエイターが運びやすいテーブルを 選んだ
  ほうが、楽なんだ」
「う~ん」

 


 
03 / 07

3月になって急にあたたかくなった。

まだ朝と夜の気温が低いので、この時期はかぜをひきやすい。
この季節(きせつ)は花粉症(かふんしょう)の季節でもある。 天気予報(てんきよほう)では、花粉の量も予報している。 花粉は杉(すぎ)の木の花から飛ぶ。

杉は、昔から日本にあった木だが、戦後、この木の植林(しょくりん)が進んで多くなったと言われている。

ここ10年、花粉症の人が急激に増えたのは杉の木が増えたことに加えて 食生活の変化で抵抗力(ていこうりょく)が低下したことも指摘 (してき)されている。

症状は、目がかゆい、涙(なみだ)がでる。鼻水が止まらない。など。
日本では、鼻水をすする音は、失礼ではない。 そばなどを食べる時は、音をたてるのがよいマナーと考えられている くらいだ。

この時期、電車の中などは、鼻水をすする音がよく聞かれる。 不快に感じる外国人もいるようだが、まあ我慢(がまん)してください。
我々も強烈(きょうれつ)な音で鼻をかむ外国人に驚かされることも しばしばなのだから。 ちなみに、これは、あまり日本ではよいマナーとは思われていない。

つい先日、花粉があまり飛ばない杉が開発されたというニュースを聞いた。
効果があらわれるのは50年後のことだそうだ。

 


 
03 / 07

電気製品(でんきせいひん)特にコンピューターのカタログを見て 目につくのが
「可能(かのう)」という言葉だ。

テレビ視聴(しちょう)も可能。 本体から冷蔵庫(れいぞうこ)などの電気製品をコントロールする ことが可能。 あなたの自伝(じでん)の出版も可能! といったかんじだ。

もちろん、それらの「可能」には、右上に小さな印(しるし)が ついている。
「#1」といったような。
下を見ると、すごく小さな字で、

「別途(べっと)インターネット対応の冷蔵庫が必要になります」 とか
「変換(へんかん)アダプターの購入が必要です」などと書いてある。

カタログには、大きな写真で、冷蔵庫のドアについたモニターをのぞく 女性の写真があったりする。 テレビを見るにも別売(べつう)りの機械が必要だし、パソコンで製本するにも ソフトやいいプリンター、なにより知識が必要だ。

もちろん、広告には、「 このコンピューターを買っても、 表計算(ひょうけいさん)をするには、時間と知識と才能が必要です」 とか、 「自分だけのオリジナルCDを作るのは、できないことはありませんが、 ほぼ不可能です。」とは書かない。

大袈裟(おおげさ)な広告を誇大(こだい)広告というが、この基準は 難しい。

 


 
03 / 08

東京の地下鉄が脱線(だっせん)事故をおこした。

現在のところ4名が死亡(しぼう)、死者は増えそうだ。

ニュースなどでは、死亡、重体(じゅうたい)、重傷(じゅうしょう) 軽傷(けいしょう)などと伝えられる。
重体は命に危険(きけん)があり、重傷は、さほど危険はないものの 後遺症(こういしょう)など、深刻な場合もある。 軽傷は、短い入院でなおるけがのことだそうだ。

今回の事故では、35名ちかくが死傷(ししょう)と伝えられた。 死亡を含む、けが人が35名程度いる。ということだ。

原因は不明(ふめい)。車両(しゃりょう)の故障(こしょう)の 可能性が高いらしい。事故がおこったのは、通勤のラッシュが終わりかけた ころ。一日中その路線は止まったが、一部は、すぐに動き出した。 翌朝には、全面的に復旧(ふっきゅう)するとのことだ。

都会の交通機関(こうつうきかん)は、わずか5センチほどの雪でも 止まることが多いが、復旧も早い。 東京に住んでいると自殺などで電車が止まることは、一ヶ月に一度は経験する。自分が乗った電車が人をはねた場合も車内アナウンスでそれをしることが できる。 2度経験がある。いやなものだ。

 


 
03 / 13

「読み書きそろばん」といって、江戸時代からこのみっつができないとよい商人にはなれなかったそうである。

そろばんは、今でもやっている学校はあるそうだが、計算機 (けいさんき)が普及(ふきゅう)してからは、ほとんど学校で教えることはなくなった。そろばん塾
(じゅく)もほとんど姿を消した。

上のそろばんは、戦前までは主流だった下に5つ玉があるタイプ。その後4つとなった。

東京駅には、コンピューターで切符代を計算した後、そろばんで、確認する職員が今もいるそうである。

 


 
03 / 14

東京にはいろいろな国からいろいろな人が来る。
両親が離婚して父親と世界中を回っている女の子は、母は精神障害 (せいしん しょうがい)があり、自分にもその血が流れているのだと、深刻な顔で、 声をひそめて話してくれた。あまり笑わないひとだった。 いつも2年くらいで次の国に行くことになるそうだ。 いつも父親とは別に暮らす。父親をあまり好きではないそうだ。
21才。
「必ず現地の人で10才くらい年上のボーフレンドを作ることにしてるの」
と言っていた。

頭が「ロウロウ」と鳴るという女性は、母国で大学教授だったが、 日本人の男性と結婚して日本に来た。

男性はトラックの運転手で外国語はできない。それでも結婚したころは、週末は夫婦で よく話したそうだ。時間がかかったけれども。

最近は、「辞書をひくのが面倒だ、日本語を勉強しろ」というように なったということだった。頭痛の話にも取り合ってくれない。

結局、「ロウロウ」は、脳の腫瘍(しゅよう)のことだった。 厳しい仏教国からきたその女性は、「癌(がん)です。よくなりません」と 毅然(きせん)とした態度で、病気のことを話してくれた。 夫は仕事が忙しいと、見舞いにもこないそうだ。 初級の生徒だった。辞書で癌(がん)とひいたのだろう。

コンピューター会社の社長をしている男は、友人二人と会社を作り 大成功した。

半年づつ交代で社長をやり、あとの半年は、自由に暮らす。 彼は、毎年、その半年を過す場所を変える。 日本では、ソニーの会長に会うのだといっていた。

日本について、日本人について、語りはじめると止まらない。 ただし英語で。何時間も。

「もう、やめよう。どこの本で読んだのか知らないけど、少しでも日本語 を勉強してくれないか。覚えた日本語で女の子でもナンパしたほうが 本なんかよりずっといいぞ」 というと少しはやる気になった。
最後のレッスンの日に、さよならと言うと。

「これから、日本で会った最高に知的な美人と食事をするんだ」 といっていた。 30分だけレッスンを延長して教科書には書いてない日本語を 少し教えた。

 


 
03 / 15

一期一会(いちごいちえ)パート2

「アメリカではあまりいいことがなかったのよ」と言っていた中年女性。 大きな青いひとみはいつも悲しげで、最初は、目を合わすことが、 ためらわれるほどだった。 ある日、バイクの話しをすると、「バイクはきらい、バイクの話もしたくない」 とふさぎ込んでしまった。

母国でサッカーのナショナルチームに入っていたという男は、 お金がないのでレッスンが受けられないと言っていた。 都心でウエイターをしていた。
一度、サッカーのレッスンと交換(こうかん) でレッスンをした。
ひらがなを教えた。
トラップのこつを教えてもらった。

しばらくして、アパートに行ってみると、引越していた。 感謝しているとのメッセージをもらった。地方でプロチームのテストを 受けるとのことだった。 しかし、その後、30才のアフリカ人が日本のプロリーグに採用されたという 話は聞かなかった。

同棲(どうせい)している若いカップルのアパートには半年ほど通った。

女性に、「彼、ハンサムだねえ」というと、うれしそうに、笑った。

最初、監視するようにレッスンを覗いていたハンサムは、家をあけるように なった。さえない日本人ということで、安心したのだろうか。
3ヶ月ほどすると、女性の顔が腫(は)れていることが多くなった。 そのことには触れてほしくない様子だった。

「それにしても」と、日本人の女性の悪口をいうことが多くなった。 けんかが絶えないようだった。ある日、アパートのドアに封筒が 貼ってあり、その日のレッスン料が入っていた。長野に引越すとのことだった。

二人いっしょかどうかはわからない。

 


 
03 / 16

最近、驚いたのは、ビデオを買おうと店を歩いていた時に 一緒にいた人に
「この映画90分しかないの、少ないわねえ」 と言われたことだ。
「少ない? 『短い』じゃなくて?』 というと、
「そうだけど、なんか損(そん)したかんじ」 と言った。

今年はDVDが圧倒的なスピードで普及すると言われている。
DVDは映画は、133分しか入らないそうだ。 映画の時間は長くなる傾向がある。現在は120分くらいの長さが平均だろうか。

どうも私は映画は90分だという感覚がある。 最近のハリウッド映画を見ていると30分くらいは無駄だという気がする。 ディレクターズカットなどといって、まだ長くなる傾向がある。 DVDの長さが90分だったら、もう少し、ハリウッドの監督も映画作りが うまくなるのではないだろうか。

 


 
03 / 17

日本人の男性とアメリカ人女性の会話。共に20代後半。

「あのね、日本人の若い人と外国人と決定的に違うように思うところが あるような
  気がするの」
「また、比較文化論(ひかくぶんかろん)?」
「……」
「うん。いいよ。続けて。例えば?」
「日本の人はね、男女に限らず、老いることを前提(ぜんてい)にして、生きて
  いるってかんじ。 彼らは、いつかは、死ぬことを意識(いしき)しながら
  生きているというかんじ。」
「彼らって、外国人のほうね。どういうこと?」
「日本人の男の人とつき合うと、いつも、5年とか、10年とか、もっと先を常に
  意識させられるの。アメリカ人って常に今しかないのよ」
「逆に言うと、死ぬことより老いることのほうが恐いってところがあるんじゃ
  ないか」
「そうかもね。アメリカ人って、いくつになっても若さを強調したがるし」
「老いを避けるのと、死を避(さ)けるのと、どっちが勇気があるんだろうね」
「さあ……」
「……」

この二人は2年つき合って別れたそうだ。

 


 
03 / 20

今日は春分の日。気温は10度を越えた。風が暖かい。

世界中を旅していて、住所が定まらないビジネスマンはいると思うが、 そういう人が、一年のうちで日本を訪れるとしたら、桜の時期かもしれない。
来週、南のほうから桜のニュースが届くはずである。

 


 
03 / 22

警察の不祥事(ふしょうじ)が続いている。

ビデオで女性のスカートの下を撮影(さつえい)したり、重要な事件の 合間にマージャンをしていたり、犯人から押収(おうしゅう)した 被害者(ひがいしゃ)の裸の写真を元に被害者を(!)強請(ゆす)ったり といろいろだ。

まあ、すでに一般にこのような事件は珍しくなくなっているのだから、 警察といえども、同じような比率で犯罪者がいても、驚くには値しない。 と個人的には考えている。

こういった報道の度に、第三者機関(だいさんしゃきかん)によるチェック とか、情報公開(じょうほうこうかい)の必要性(ひつようせい)といった 解答(かいとう)がメディアによって与えられることになっている。

ところで、第三者というのは、日本にいるのだろうか? 

よくジャーナリストや、批評家(ひひょうか)が、選ばれるが、彼らは 第三者だろうか? 感情的な報道の多いメディアに囲まれて多くの情報の 受け手でもある彼らが、第三者でいるのは、なかなか難しいことだ。
また、日本社会にいるかぎり、なんらかの利害関係の中で生きているのでは ないかという、一般の人の先入観はなかなか消えるものではない。

ひょっとすると、アイスランドあたりの公園でキスしているカップルでも つれてきて、決めさせたほうが、誰よりもまともな判断が できるのではないだろうか?
モンゴルの猟師(りょうし)なんかも信頼できそうだなあ。

 


 
03 / 22

離婚率(りこんりつ)は高まっている。

一度離婚した人を「ばついち」 という。二度は、「ばつに」
ばつは、×のことで、役所(やくしょ)で、書類にそういうふうに書かれるそうだ。
離婚した人には、これまで5人ほど会った。うち4人は女性。
離婚後は、女性は経済的な自立(じりつ)が難しく、苦労していたが おしなべて元気だった。

残る一人は、男性だが、彼は、失業(しつぎょう)して半年ほど職探しを しているうちに奥さんとうまくいかなくなり、離婚することになった。 子供は奥さんが引き取った。現在の日本の法律では、よほどのことが ないかぎり離婚後の親権(しんけん)は、女性に有利なのだそうだ。

彼から、「失業して離婚」というパターンが多いことを聞いた。 同じような境遇
(きょうぐう)の男性どうしで集まることもあるそうだ。 ものすごく盛り上がるということだが、帰ってから、皆、また、ものすごく 落ち込むそうだ。

男性が捨(す)てられる時代になりました。

 


 
03 / 23

地下鉄にサリンという毒(どく)ガスをまいたオウムという宗教団体 をおぼえてますか?

今は、アレフと名前を変え、事件に対してもいちおう謝罪(しゃざい)を している。 しかしながら、どうも、まだ、疑わしいというのが大方(おおかた) の見方(みかた)だ。

正式な謝罪(しゃざい)も遅れているし、教祖 (きょうそ)への忠誠心(ちゅうせいしん)は、続いているようである。 先日も教団(きょうだん)が経営しているコンピューター会社の脱税 (だつぜい)事件が発覚(はっかく)している。

いろいろな問題がおこっているが、なかでも、元信者への差別(さべつ)や 団体の施設(しせつ)の建設反対、信者の子供達への対応などが 未解決(みかいけつ)のものとしてあげられる。

特に信者(しんじゃ)の子供に対する対応では、政府も、義務教育 (ぎむきょういく)を受ける権利を認めながらも、反対する住民への 配慮(はいりょ)から断固(だんこ)とした態度は示せないようだ。
住民はほぼ100%、信者の子供の就学(しゅうがく)には反対のようである。 就学(しゅうがく)を拒否(きょひ)した自治体(じちたい)は多数ある。 大きなメディアにも子供の就学を強くうながすような論調は聞かれない。

もちろん教育を受ける権利は、憲法(けんぽう)にうたわれている。 国は、子供が教育を受ける権利を守る義務がある。 住民はともかく、政府は断固として就学をうながす態度を見せるべきだと 思うのだが、いかんせん、文部大臣(もんぶだいじん)は、有力政治家の 息子だ。つまり二世議員(にせいぎいん)である。 無難(ぶなん)に仕事をし、できるだけ長く議員を努め、できれば、 総理大臣(そうりだいじん)になりたいという輩(やから)だ。
はっきりとした意思表示(いしひょうじ)はしないだろう。

この国では、そういう人物が出世(しゅっせ)する。

どんな環境で育った子供でも、学校では、何かを学ぶかもしれない。 好きな異性(いせい)ができるかもしれない。 必ず、教団とは、違ったものの見方を得ることになるだろう。 子供同士の情報交換(じょうほうこうかん)能力はばかにできないのだ。 子供なんて、どうなるかわからないのだ。学校は社会の縮図(しゅくず) だとよく言われるが、ここに期待できない社会というのはよほど 力を失っているということだと思うのだが。

 


 
03 / 24

午後2時ごろの地下鉄はすいていることもある。40才くらいの女性 2人の会話

「どうだった」
「思ってたより聞きやすかったというか。。。」
「そう! そうでしょう! 私も通ってるのよ」
「ええ」
「なんか気持ちが軽くなったかんじでしょ!」
「ええ、そ、そうねえ」
「私も先生のお話を聞くようになってから、クヨクヨしなくなったの」
「ええ」
「また行きましょ! こんどやすださんも連れてきてよ」
「ああ、そうですね」
「先生のお話を10回聞くと、特別講話(こうわ)も聞くことができるのよ」

講話というのは辞書では、「いろいろな問題をわかりやすく説明する こと」ということになっているが、宗教関係の話で使うことが多い。

つまり、これは、一方の女性が、もう一方の女性を宗教団体の 会合(かいごう)に連れていった後、また来い、と誘っているのだ。

 


 
03 / 28

都心から電車で40分ほどのところに川崎(かわさき)という 場所があって、そこに野球場(やきゅうじょう)があった。

小さく狭いその球場は、スタンドの傾斜が急で、観客にとっては、 見やすかった。所属チームは人気がなく、いつもすいていたことも よかった。

なにより、球場には、名物があった。お好み焼きとラーメンだ。 ふたつとも町中でも営業できるほどの味と値段。特にラーメンは これを食べるために野球を見に行く人もいるほどだった。 いつも人でいっぱいで、店の人は忙しそうに働いていた。 家族でやっているのかは、わからないが、店の人々が仲がよいのも とてもいい雰囲気だった。

スポーツ施設(しせつ)や高速道路(こうそくどうろ)など 外に出られない場所には、必ず簡単な食べ物や麺類(めんるい)などを 売っているが、これがおいしいことは、ほとんどない。 ほとんど大手の会社が運営していて、人件費(じんけんひ)をおさえる ために誰でも調理できるように考えられている。
ほかに選択しがないので、皆、仕方なくそこの店で食べることになる。

川崎の球場は取り壊されることになった。新しい球場は千葉にある。 去年、行ってきたけれども、メジャーリーグ的なサービスが目玉(めだま) になっているこの球場は、やはり、つまらないところだった。

 


 
03 / 29

日本では英語の勉強を中学校の3年と高校の3年の6年にわたってやることになる。

無味乾燥(むみかんそう)だった英語の教科書も近年、工夫するように なった。
ビートルズの歌詞(かし)や、有名人の伝記(でんき)なども 採用(さいよう)れるようになった。

私は高校の時に、キング牧師(ぼくし)の有名な演説(えんぜつ)を 習った。 
I have a dream で始まる詩のような演説は、教師の お気に入りだったらしく、彼が、中空(ちゅうくう)を見つめながら、 読み上げた一節(いっせつ)は、少女の詩のように響いた。

が、後に、映像で、キング牧師の演説を聞いて驚いた。 熱気に囲まれた群集の中で、絞り出すようにして叩きつけられた言葉には 力がみなぎっていた。

演説というのは、やはり聞かなければならない。 声というのはすごいものだ。

 


 
03 / 30

インターネットでお金を稼いだ人のランキングがイギリスで発表され、 日本人が多いことが国内で報道されている。

なぜか? この答えは簡単で、インターネット関連の株の投資(とうし)は、 お金を持っている人が圧倒的に有利だからだ。

株価(かぶか)のゆれは、かつてないほどに激しく、大口の投資家の動向 (どうこう)に敏感(びんかん)に反応する。 こうなると、大口投資家は、無難な選択をしながら、冷静に売り抜けていけば 大怪我(けが)はしない。 この冷静さが、能力といえば言えるのだが、やはりアンフェアという印象は 拭(ぬぐ)えませんね。

経済に関する限り、日本は突出している。不景気だとか、競争力が落ちたとか 言われているが、日本経済が活力を失っているのは、膨大なお金が動かない ことによるもので、依然(いぜん)として、「お金がある」ということには、 変わりがない。

ここ5年で、まったく経済の様相(ようそう) は変わってしまった。おおざっぱに言うと、株価や為替(かわせ)の 動向も、一見、素人っぽく見えるようになったけれども、一歩、踏み込んで 考えると、さっぱりわからない。といったかんじ。

株価や為替の動きは、まるで生きている人間のようだが、だんだん、 人相(にんそう)が悪くなっている。

 


 

去年(1999年)、避妊薬(ひにんやく)のピルが解禁(かいきん) になった。 カナダ人と日本人の会話。共に女性

「あのさあ、ちょっと聞きにくいことなんだけど」
「え、何?」
「日本ではどんな避妊(ひにん)方法が一般的なの」
「う~ん、そうねえ、去年、からピルが使えるようになったんだけど」
「あんまり聞いたことない」
「まだ、副作用(ふくさよう)が恐いみたい、やっぱりまだコンドームが 多い
  んじゃないのかな」
「そう、体質(たいしつ)によるけど、副作用は大丈夫よ」
「うん、私は、最近、ピル、飲んでるけど」
「簡単には買えないんでしょ」
「いちお、処方箋(しょほうせん)がいるみたいよ」
「日本の人にこういうことって、聞きにくいのよ。ありがとう」

最近は「日本人の秘密(ひみつ)」などと言って、避妊や堕胎(だたい) の実態(じったい)を扱う本も増えている。

私のまわりには、ピルの解禁(かいきん)を喜んではいるけれども 結婚している人を除いて、実際に使っている人は少ないようだ。 処方箋(しょほうせん)が必要であることもネックになっているとのこと。

もっとも、調査したのは、2人だけですけど。やっぱり聞きにくいからね。

 



Bookmark the permalink.

Comments are closed.