41 ベトナム語話者に教える

日本語教師読本シリーズ < ベトナム語話者に教える

 

基本情報
​​​ベトナム語の音声、文法、文字の特徴から方言、歴史。漢字学習のポイント、就労系のベトナム人日本語学習者の状況の分析など、ベトナム語話者の日本語学習者をあらゆる角度から分析した一冊。

冨田健次 大阪外国語大学・大阪大学元教授(ベトナム語)、Phan Thi My Loan  大阪大学大学院人文学研究科外国学専攻准教授、道上史絵 立命館大学理工学部准教授 著

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どんな本?

「 第1章を担当した冨田は、50年以上にわたって一貫してベトナム語を専門とし、主として日本語母語話者へのベトナム語教育に携わりながら、「漢字文化圏」の中国、朝鮮・韓国とベトナム(越南)との言語的・文化的関りについて思考を重ね、言語学的手法を用いた比較文化論的論考を続けている」

「 第2章を執筆したファン・ティ・ミー・ロアンは、ベトナム語母語話者であり、約30年に及ぶ年月、日本語を学習し、研究し、教育に携わりつつ、現在は母語であるベトナム語を日本人学習者に専門的に教授する仕事にも従事し、両言語習得者の立場から、日越両国の両言語教育・研究・実践の様々な問題点を指摘し改革を提案し続ける貴重な人材です」

「第3章を担当した道上は、日本語母語話者ですが、初期にベトナム語を専門的に習得した後、外国人への日本語教育に転進し、日本国内外の多くの日本語教育機関に関わり、その教育体制、内容、実践の制度的問題点をつぶさに検証し、改革の必要性についても提言を続けている若手研究者の一人です」

(以上、まえがきより抜粋)

​​​ベトナム語の音声、文法、文字の特徴から方言、歴史。漢字学習のポイント、就労系のベトナム人日本語学習者の状況の分析など、ベトナム語話者をあらゆる角度から分析した一冊です。

ベトナム語話者に日本語を教えることになった時に最初に読むべき本というだけでなく、豊富な参考文献は、さらなる研究の最良のガイド役でもあります。

著者紹介

冨田健次

一般社団法人べトナミスト・クラブ代表
大阪外国語大学・大阪大学元教授(ベトナム語)

Phan Thi My Loan

大阪大学大学院人文学研究科外国学専攻准教授

道上史絵

立命館大学理工学部准教授(日本語教育)

 

中身を覗いてみよう
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目次
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1章 ベトナム人日本語学習者の母語「ベトナム語」とは?

 1.名称
 2.分布・人口
 3.系統と歴史
 4.方言と共通語
 5.文字
 6.音声・音韻的特徴
   母音
   音節頭子音
   音節末子音
   声調
   音節
 7.文法的特徴-類型的特徴
   語順
   文法小辞
   単位名詞(類別詞)
   単一語
   反復語
   付加語
   複合語
   借用語
   呼称代名詞

2 章 ベトナム人日本語学習者への日本語教育

 1 はじめに
   日本語との出会い
   ベトナム人日本語学習者
   ベトナムにおける日本語学習・教育の現状と問題点
   なぜ日本語を勉強するベトナム人が増え続けているのか.
 2 ベトナム人を対象とした日本語教育
  ベトナムの日本語教育機関における日本語漢字指導法
  ベトナム語母語話者の漢字語学習における潜在武器「漢越語」
                         
  漢越語のデメリット:母語の影響

3 章 日本語教育を「文脈」で捉える

 1.はじめに
 2.日本語教師を続ける中で感じた疑問
 3.ベトナム人技能実習生との出会い
 4.「文脈」で捉える
 5.技能実習制度とは
 6.技能実習制度の問題点
 7.技能実習制度と日本語教育
 8.ベトナム人技能実習生はなぜ日本へ来るのか
 9.ベトナム人技能実習生のリアリティ
 10.社会の中で日本語教育を捉える

 

本編からちょっとだけ…

🗨 ベトナム語の方言
ベトナム語の方言研究は、長い戦乱ののち、現在ようやく緒についたばかりというのが真相であり、まだその分類を厳密になしうる段階に至っていませんが、従来の分類に基づいて、下のようなおおまかな方言区分を設けることが可能だと思います。



🗨 ベトナム語での意味
ベトナム人日本語学習者(中国語学習者、韓国語学習者も同様です)は漢字を見た時にそれを漢越音に置き換えてからそのベトナム語での意味を理解するのが一般的です。これは、日本語の漢字に「音読み」と「訓読み」があることと同じです。以上の動詞を例に挙げて見てみましょう。



🗨 日本語教育の「基礎研究」
 では日本語教育における基礎研究とは何でしょうか。そのヒントを与えてくれるのが山田(2003)と細川(2012)です。山田(2003)は、日本語教育を歴史的、社会的な「文脈」という視点から捉え直す必要性を主張します。山田が言う「文脈から捉える」とは、日本語教育を個別の事象、つまり教室という限られた空間や、授業(コース)といった限られた時間、日本語を教え、学ぶという限られた場だけではなく、より広く歴史的、社会的な背景と共に捉えることです。それは例えば目の前にいる学習者にどうやって教えるか、と考えるのではなく「なぜこの学習者は私の目の前にいるのか」、を考えることだと言います(p.11)。さらに細川(2012)も重要な示唆を与えてくれます。細川は、日本語教育に必要なことは、目の前の教育内容と教育方法の呪縛から抜け出し、「何を」「どのように」ではなく、まず「なぜ」という問いを持つことだと言います(p.36)。


 

参考文献・資料

著者による参考文献のリストです。本編の巻末にも同じものがあります。オンラインで読めるものはURLがあります。

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清水政明(2016)「ベトナムの漢字文化」京都民際日本語学校日本語教師養成講座(2016年1月30日)
白石麻子(1998)「ベトナム人の日本語学習者に対する漢語の類推力を高める指導」、pp.97-122
冨田健次(2001)『ベトナム語 はじめの一歩まえ』DHC、p.170
濱川祐紀代[編](2010)『日本語教師のための実践・漢字指導』くろしお出版、pp.3-4
Phan Thi My Loan・道上史絵・比留間洋一(2021)「ベトナム人中上級日本語学習者はいかに漢字・漢字語彙を習得したか―漢越語の利用に関する予備的なインタビュー調査より- 」『日本語教育方法研究会誌』 28(1) 、pp.16-17
Phan Thi My Loan・道上史絵・比留間洋一(2022)「ベトナム人中上級日本語学習者の漢字習得における漢越語利用―介護福祉士国家試験対策の考案に向けた基礎研究―」『外国語教育のフロンティア』5、大阪大学大学院言語文化研究科、pp.55-72
松田真希子・タンティキムテュエン・ゴミントュイ・金村久美・中平勝子・三上喜貴(2008)「ベトナム語母語話者にとって漢越語知識は日本語学習にどの程度有利に働くか ―日越漢字語の一致度に基づく分析―」『世界の日本語教育』18、pp.21-33
松田真希子(2016)『ベトナム語母語話者のための日本語教育 ベトナム人の日本語学習における困難点改善のための提案』、春風者、p.16
村上雄太郎・今井昭夫(2011)「現代ベトナム語における漢越語の研究(2) 日本語にもベトナム語にも使われる「漢語」のうち、意味・用法の違うもの」『東京外大 東南アジア学』第16巻、東京大国語大学外国語学部東南アジア課程研究室、pp.17-39

参考ウェブサイト

国際交流基金(2019)「日本語試験「日本語能力試験(JLPT)」2019年の年間受験応募者数は過去最多の136万6020人~海外受験者数は対前年比15%増、東 南・南アジア地域の伸び顕著~」、Press Release 2019年11月28 日 No.2019-036
https://www.jpf.go.jp/j/about/press/2019/dl/2019-036.pdf(最終閲覧日 2022年8月4日)

国際交流基金(2019)「過去最多 142の国・地域で日本語教育 2018年度「海外日本語教育機関調査」結果(速報) 日本語教育機関数、教師数、学習者数 いずれも増加」、Press Release 2019 年10月8日 No.2019-029
https://www.jpf.go.jp/j/about/press/2019/dl/2019-029.pdf(最終閲覧日2022年8月4日)

国際交流基金(2020)「ベトナム(2020年度)日本語教育国・地域別情報」
https://www.jpf.go.jp/j/project/japanese/survey/area/country/2020/vietnam.html#KANKYO
(最終閲覧日 2022年8月7日)

国際交流基金(2022)2021年度海外日本語教育機関調査結果概要
https://www.jpf.go.jp/j/about/press/2022/dl/2022-023-02_1228.pdf(最終閲覧日 2023/1/12)


ここをクリックしてください

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明石純一(2010)『入国管理政策「1990年体制」の成立と展開』 ナカニシヤ出版
斎藤善久(2015)「ベトナムにおける「労働力輸出」産業の実体と問題点」『季刊労働法』248号(2015年春季) 労働開発研究会 pp.208-220 ― (2018)「日本で働くベトナム人労働者-問題状況とその背景-」『連合総研 レポート:資料・情報・意見』 No.337 公益財団法人連合総合生活開発研究所 pp.15-19
巣内尚子(2019)「「失踪」と呼ぶな 技能実習生のレジスタンス」『現代思想』47(5) 青土社 pp. 18-33
中川康弘(2021)「日本語教育の諸政策にある「共生」に関する一考察」『JournalCAJLE』 Vol.22 カナダ日本語教育振興会 pp.1-23
福永由佳(2020)『成人教育(adult education)としての日本語教育 在日パキスタン人コミュニティの言語使用・言語学習のリアリティから考える』 ココ出版
細川英雄(2012)『日本語教育学研究3「ことばの市民」になる:言語文化教育学の思想と実践』 ココ出版
道上史絵(2021)「第4章 ベトナム人と外国人技能実習制度」真嶋潤子編著『技能実習制度と日本語教育』 大阪大学出版会 pp.105-121
宮島喬・鈴木江理子(2019)『新版 外国人受け入れを問う』 岩波書店
牟田和男(2021)「第2章 外国人労働者受け入れの経緯と概要」真嶋潤子編著『技能実習生と日本語教育』 大阪大学出版会 pp.29-80
山田泉(2003)「第1章 日本語教育の文脈を考える」岡崎洋三・西口光一・山田泉編著『人間主義の日本語教育』 凡人社 pp.9-43

参考ウェブサイト

しんぶん赤旗(2020年12月31日)「日本共産党の藤野保史衆院議員の問い合わせによる法務省の回答」
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik20/2020-12-31/2020123101_04_1.html(最終閲覧2022年9月19日)

法務省 技能実習制度の運用に関するプロジェクトチーム「調査・検討結果報告書」
https://www.moj.go.jp/isa/content/930004167.pdf(最終閲覧2022年9月19日)

- 「令和4年6月末現在における在留外国人について」(最終閲覧2022年2月12日)
https://www.moj.go.jp/isa/publications/press/13_00028.html

United States Department of State. (2022). Trafficking in Persons Report: Japan.
https://www.state.gov/wp-content/uploads/2022/08/22-00757-TIP-REPORT_ 072822inaccessible.pdf (最終閲覧2022年9月18日)



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