11 あなたの知らないバイリンガルの世界

日本語教師読本シリーズ < あなたの知らないバイリンガルの世界

 

『日本語教師読本シリーズ 11 あなたの知らないバイリンガルの世界』

豊富な実例でわかりやすくバイリンガルについて解説。日本語教師、外国人児童を指導する小中高教師、二つの環境にいる子どもたちの養育中の方、またバイリンガルご自身など、バイリンガルについて知りたい方に。

 

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どんな本?

 二人のバイリンガルの子どもを育てた母親であり、自らもバイリンガルである著者が豊富な実例でわかりやすくバイリンガルについて解説。日本語教師、外国人児童を指導する小中高教師、二つの環境にいる子どもたちの養育中の方、またバイリンガルご自身など、バイリンガルについて知りたい方にぜひ読んでほしいです。

  • 「あの人はバイリンガル」どんな基準で言ってる?
  • 外国語が上手だからバイリンガル?
  • どの言語も中途半端になることってある?
  • バイリンガルの子どもは、頭の中でどう言語を使い分けているのか?
  • 子どもの母語は親が決めるのか?
  • いろいろな家庭の言語の教育の紹介
  • 多言語環境をどう作っていったらいいのか
  • 多文化環境。言語以外の違いの共存

著者紹介

呉 禧受(おひす)
名古屋大学 国際言語センター 非常勤講師
https://heesu.yoonlab.net/

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中身を覗いてみよう
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目次
はじめに
本書の目的ーバイリンガルについての寛大で正しい理解を

1章 バイリンガル(Bilingual)とはそもそも何?
 1節 一般的に認識されているバイリンガル
  これまでのバイリンガルに対する認識
  バイリンガルの2言語習得の特徴
  モノリンガル中心の見解から抜け出す
  どんな人がバイリンガル?
  自分の言語能力を低く評価するバイリンガル
 2節 様々なバイリンガルの分類―言語能力による分類の危険性
  バランスバイリンガルと偏重バイリンガル
  産出バイリンガルと受容バイリンガル
  同時バイリンガルと継続バイリンガル
  緊急バイリンガル(Emergent Bilinguals)
  バイリンガルの特徴をセミリンガルと誤解しないために
  バイリンガルの言語能力の差―どうして生じるのか
  バイリンガルの言語能力をどう評価するか

2章 バイリンガルの言語使用の特徴
 1節 コードスイッチング(Code-Switching)について
  コードスイッチングを行う理由
  バイリンガル児童のコードスイッチング
  バイリンガル児童のコードスイッチングをどう指導するか
2節 バイリンガルは言葉をどもるの!?

3章 バイリンガル教育について考えてみましょう
  言語とは何か
 1節 私の家族とその周辺の話
  2言語またはそれ以上の言語に囲まれている子どもたち
  どうしてバイリンガルにならなければいけないか?―バイリンガルになる利点
  私の試行錯誤
 2節 One parent one languageの必要と可能性
  家族の状況と親の言語選択
 3節 トランスランゲージング(Translanguaging)
 4節バイリンガルに育てる環境作り 
  日本語教師としてできること
  親としてできること
  子どもの権利としてのバイリンガル教育

4章 バイカルチュラル(Bicultural)とは?
  文化とは何か
 1節  バイカルチュラルとは
 2節 バイリンガルとバイカルチュラル

5章 まとめ ~異文化理解を目指して~
 「当たり前」から抜け出す 言語と文化、そして異文化理解

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本編からちょっとだけ…

🗨 理想のバイリンガル

 人々が作り上げた「理想のバイリンガル」や「ダメなバイリンガル」の考え方によってバイリンガル自身が自分の言語能力に悩んだり自信が持てなかったりする場合が多々あります。実際に、「片方の言語はペラペラではない」ことや「文法や単語をよく間違える」ことを意識しすぎて、自身の言語能力をなかなか認めようとしないバイリンガルが多くいます。



🗨 ニューヨークのKさん
 研究のために1年あまり滞在していたニューヨークで何人かの韓国出身のバイリンガルに出会いました。4人家族の長女のKさんはアメリカで生まれ育ったとは考えられないほど韓国語が上手でした。看護師として働くKさんは上手な韓国語で私の5歳の娘とバービー人形で遊んでくれました。職場の病院では英語が不自由な韓国人の患者さんに韓国語で対応しているそうです。
 移民1世で朝から晩までクリーニング屋さんとデリーで働くKさんの両親は生活が忙しく、Kさんを韓国語学校に連れていくことができなかったそうです。韓国語や日本語補習校は通常土曜日に授業があります。Kさんのお母さんは、お店をやっていると…



🗨 **から来ました
 私たちはよく○○人という言い方をします。私は日本語教師という職業がら、日々様々な国から来た留学生と接するのですが、学期の初めは彼らの慣れない名前より○○人の学生という言い方の方がよりわかりやすい時があります。「○○の国の出身」は、すなわち「○○人」であると考えることがよくあるのです。
 以前、私が教える中級の日本語のクラスで、同じ国同士でその国の文化を調べて紹介する活動を行ったことがあります。国別にグループを作って作業を始めようとしたとき、


 

参考文献・資料

著者による参考文献のリストです。本編の巻末にも同じものがあります。オンラインで読めるものはURLがあります。

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フランソワ グロジャン(2018)バイリンガルの世界へようこそ: 複数の言語を話すということ、勁草書房.
中島和子(なかじまかずこ) (2016) バイリンガル教育の方法: 12 歲までに親と教師ができること. アルク.
山本雅代 (やまもとまさよ)(2010) バイリンガル幼児ー「受容バイリンガル」 はどのように言語を使用しているか (特集 言語接触の世界)-(言語接触のなかに生きる人々). 日本語学, 29(14), pp. 170-182.
山本 雅代(やまもとまさよ)(2013)「受容バイリンガルの言語使用」『言語と文化』16、pp.37-46.
山本雅代(やまもとまさよ), 井狩幸男(いかりゆきお), 田浦秀幸(たうらひでゆき), 難波和彦(なんばかずひこ)(2014) バイリンガリズム入門. 大修館書店.
山本 雅代(やまもとまさよ)(2017)「受容バイリンガルの言語使用と言語環境:母親の言語使用の経年変化に焦点を絞って」『言語と文化』20、pp.17-31.
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【辞書】
Weblio国語辞典 https://www.weblio.jp/(2021年8月に閲覧).

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【辞書】
『広辞苑(第6版)』(2008)岩波書店.

【ウェブサイト】
Multilingualism & Diversity Lectures 2017:「Ofelia García – Translanguaging」  
https://www.youtube.com/watch?v=5l1CcrRrck0(2021年8月に閲覧).

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ここをクリックしてください

難波和彦(なんばはるひこ)(2014)「第13章 バイカルチュラリズム」、山本雅代編著『バイリンガリズム入門』、大修館書店、pp.191-205.
フランソワ グロジャン(2018)『バイリンガルの世界へようこそ: 複数の言語を話すということ』、勁草書房.
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【ウェブサイト】
Harvard Business Review: 「The Costs of Code-Switching 」           
https://hbr.org/2019/11/the-costs-of-codeswitching(2021年8月に閲覧).
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原沢 伊都夫(2013)『異文化理解入門』研究社.

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