09 子どもの日本語教育

日本語教師読本シリーズ < 子どもの日本語教育

 

基本情報
外国人の子どもはなぜ増えているのか、子どもへの日本語教育の歴史と現状、今、どんな日本語の指導が行われているのか、などをじっくり解説。子どもの日本語教育に関するわかりやすい入門の本です。

岡崎 渉 兵庫教育大学大学院学校教育研究科・助教 著

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どんな本?

子どもの日本語教育に携っていると、成人の日本語学習者に教えるときとは違った発見が多々あり、おもしろく感じます。小学生を相手にして初めて、学習者は教師に指示されたことであっても、やりたくなければ「やだ」と言える存在なのだということにも気づかされました(笑)。また、子どもについて学んだことをきっかけに、成人への日本語の授業でも、もっと効果的に学習者に母語を活用してもらえるんじゃないかとか、日本語を使わせることで否応なく生じる力関係といったことにも目が向くようになりました。(「あとがき」より)

子どもの日本語教育の若き研究者によるわかりやすい入門の本です。国の制度、実際に行なわれている方法、児童の教育の理論の紹介など、今、関わっている人、これからやってみようという人、外国人の子どもの教育を考える家族の方々、必読です!今、関わっている人、これからやってみようという人、外国人の子どもの教育を考える家族の方々、必読です!

  • 外国人の子どもはなぜ増えているのか
  • 子どもへの日本語教育の歴史と現状
  • 今、どんな日本語の指導が行われているのか
  • 学習者の母語の教育の必要性
  • 子どもに教える前に把握しておくべきこと
  • どう教えるのかよいのか
  • どんな教材を使い、どう評価をするべきか

著者紹介

岡崎 渉
兵庫教育大学大学院学校教育研究科・助教

 

中身を覗いてみよう
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目次

まえがき……001

第1章 「外国人の子ども」増加の背景 ……002
 1. 多文化化する日本社会 ……002
 2. 「外国人の子ども」とは誰のことか ……004
 3. 子どもたちの背景 ……005

第2章 外国人の子どもへの教育の現状 ……010
 1. 教育を受ける権利と不就学 ……010
 2. 在学状況 ……013
 3. 幼保施設 ……015
 4. 夜間中学校 ……016
 5. 高等学校 ……017
 6. 特別支援学校・学級 ……020

第3章 学校における日本語指導の現状 ……022
 1. 日本語指導が必要な児童生徒の在籍状況 ……022
 2. 日本語指導が必要な児童生徒の言語 ……025
 3. 日本語指導に関する制度 ……027
 4. 日本語指導の体制 ……029
 5. 日本語指導の担当者 ……032

第4章 バイリンガルの子どもの言語習得 ……034
 1. 2つの言語の関係 ……034
 2. 子どもの第二言語習得の特徴 ……036
 3. 学習言語 ……039
 4. 母語の大切さ ……041
 5. 日本の母語教育 ……043
 6. アイデンティティの支援 ……044

第5章 日本語指導の方法 ……047
 1. 指導に入る前に ……047
 2. 日本語指導のプログラム ……053
 3. 教材 ……062
 4. DLAによる評価 ……064
 5. 両言語を育てる教育 ……069

第6章 多文化共生の教育 ……074

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本編からちょっとだけ…

🗨 2. 「外国人の子ども」とは誰のことか
どう呼ぶのが正解?

外国人の子どもについて述べる前に、「外国人の子ども」という呼称と、それは誰のことを指すのかについて説明しておきます。というのは、日本で学ぶ成人日本語学習者であれば、その大多数は日本以外の国で生まれ育ち、国籍もその国であり、母語・母文化、アイデンティティの土台が確立された後に



🗨 バイリンガルのもつ2言語はどんな関係?
日本語指導が必要な子どもの多くは、その程度はともかく、2つ以上の言語が使える子どもです。それらの言語は、子どもの頭の中でどのような関係にあるのでしょうか。昔は、複数言語は頭の中でそれぞれ独立した競い合う関係にあり、一方の力が伸びると、もう一方の力が衰えるという否定的な捉え方がありました。

これに対し、バイリンガル教育研究の第一人者であるジム・カミンズ*は、「2言語共有説」を提唱しました。これは、バイリンガル話者の頭の中にある複数言語は、言語の表層面ではそれぞれ独立しているが、思考や認知に関わりが深い面は共有されており、互いに影響を与えあっているというものです



🗨 教材
学校の日本語指導では、各教科のように指定の教科書があるわけではないので、使用されている教科書は学校や自治体によって異なりますし、教科書自体を使用していない場合もあります。教科書をはじめ、子どもの日本語学習用の教材は、成人用に比べ、まだまだ充実しているとは言えませんが、市販のテキストは少しずつ増え始めています。その他に、大学や教育委員会、支援団体などが作成、公開している教材や学習指導案(教案)も利用させてもらうとよいでしょう。以下にその一例を掲載するので、参考にしてみてください。

 

参考文献・資料

著者による参考文献のリストです。本編の巻末にも同じものがあります。オンラインで読めるものはURLがあります。

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荒巻重人(あらまき しげと)・榎井縁(えのい ゆかり)・江原裕美(えはら ひろみ)・小島祥美(こじま よしみ)・志水宏吉(しみず こうきち)・南野奈津子(みなみの なつこ)・宮島喬(みやじま たかし)・山野良一(やまの りょういち)(編)『外国人の子ども白書―権利・貧困・教育・文化・国籍と共生の視点から―』明石書店
厚生労働省「令和元年(2019)人口動態統計の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei19/index.html(2020年11月30日閲覧)
ハタノ、リリアン・テルミ(2017)「ブラジル人の子どもたち」荒牧重人・榎井縁・江原裕美・小島祥美・志水宏吉・南野奈津子・宮島喬・山野良一(編)『外国人の子ども白書―権利・貧困・教育・文化・国籍と共生の視点から―』明石書店, pp.31-32.
法務省「在留外国人統計」(2019年12月末)
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00250012&tstat=000001018034&cycle=1&year=20190&month=24101212&tclass1=000001060399(2020年12月14日閲覧)

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朝日新聞(2018)「特別支援学級在籍率、外国人の子が日本人の倍 民間調査」(6月24日付)https://www.asahi.com/articles/ASL4T43HKL4TUHBI01G.html(2021年3月6日閲覧)
外国人生徒・中国帰国生等の高校入試を応援する有志の会「外国人生徒・中国帰国生等に対する2019年度高校入試の概要」https://www.kikokusha-center.or.jp/shien_joho/shingaku/kokonyushi/other/2018/190423houkokushoA2.pdf(2020年12月1日閲覧)
総務省「平成27年国勢調査 人口等基本集計(男女・年齢・配偶関係、世帯の構成、住居の状態など)」
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003153900(2020年11月30日閲覧)
毎日新聞(2019)「外国籍は通常の2倍 特別支援学級在籍率 日本語できず知的障害と判断か」(8月31日付)https://mainichi.jp/articles/20190831/k00/00m/040/156000c(2020年12月1日閲覧)
三菱UFJリサーチ&コンサルティング(2020)「保育所等における外国籍等の子ども・保護者への対応に関する調査研究事業報告書」https://www.murc.jp/wp-content/uploads/2020/04/koukai_200427_1_1.pdf(2020年12月1日閲覧)
文部科学省「外国人の子供の就学状況等調査結果について」(令和元年)https://www.mext.go.jp/content/20200326-mxt_kyousei01-000006114_02.pdf(2020年12月1日閲覧)
文部科学省「学校基本調査」(令和元年度)https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00400001&tstat=000001011528(2020年12月30日閲覧)
文部科学省「令和元年度夜間中学校に関する実態調査」https://www.mext.go.jp/content/20200619-mxt_syoto02-100003094_111.pdf(2020年12月1日閲覧)
ユニセフ「子どもの権利条約」
(2021年4月6日閲覧)
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日本語教育学会(2020)『外国人児童生徒等教育を担う教員の養成・研修のための「モデルプログラム」ガイドブック』
https://mo-mo-pro.com/report(2021年4月5日閲覧)
文部科学省「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査(平成30年度)」の結果について」
(2020年12月1日閲覧)
文部科学省『小学校学習指導要領(平成29年告示)』https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/09/05/1384661_4_3_2.pdf(2020年11月25日閲覧)
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Cummins, J. (1978). Educational Implications of Mother-Tongue Maintenance in Minority-language Children. The Canadian Modern Language Review. 34(3), 395-416.
Cummins, J. (1984). Bilingualism and Special Education: Issue in Assessment and Pedagogy. Clevedon, UK: Multilingual Matters.
高橋朋子(たかはし ともこ)(2015)「日本の母語教育の現状と課題」CAJLE Annual Conference Proceedings, pp.330-339. (2020年11月16日閲覧)
高橋朋子(たかはし ともこ)(2019)「中国にルーツを持つ子どもの母語・継承語教育」近藤ブラウン妃美(こんどう ぶらうん きみ)・坂本光代(さかもと みつよ)・西川朋美(にしかわ ともみ)(編)『親と子をつなぐ継承語教育―日本・外国にルーツをもつ子ども―』くろしお出版, pp.253-267.
西川朋美(にしかわ ともみ)・青木由香(あおき ゆか)(2018)『日本で生まれ育つ外国人の子どもの日本語力の盲点―簡単な和語動詞での隠れたつまずき―』ひつじ書房
バトラー後藤裕子(ごとう ゆうこ)(2011)『学習言語とは何か―教科学習に必要な言語能力―』三省堂
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愛知県教育委員会「日本語初期指導教室の在り方リーフレット『生き生きと学校生活を送るために』」
https://www.pref.aichi.jp/soshiki/gimukyoiku/shokishidoreef.html(2021年3月11日閲覧)
伊勢崎市教育研究所「つながる・ひろがるISESAKIステップ」https://www.city.isesaki.lg.jp/material/files/group/17/kisyakaiken2017_4_12-2.pdf(2020年1月3日閲覧)
カミンズ、ジム(著)・中島和子(なかじま かずこ))(訳著)(2011)『言語マイノリティを支える教育』慶應義塾大学出版会
齋藤ひろみ(さいとう ひろみ)(編著)・今澤悌(いまざわ やすし)・内田紀子(うちだ のりこ)・花島健司(はなじま けんじ)『外国人児童生徒のための支援ガイドブック―子どもたちのライフコースによりそって―』凡人社
田中祐輔(たなか ゆうすけ)(2019)「COSMOS―帰国・外国人児童のためのJSL国語教科書語彙シラバスデータベース―」
https://cosmos.education/(2020年12月30日閲覧)
東京外国語大学「『外国人児童生徒のためのJSL対話型アセスメントDLA』概要」https://youtu.be/f8QChp2FdLM(2021年2月22日閲覧)
日本障害者リハビリテーション協会「マルチメディアデイジー教科書」https://www.dinf.ne.jp/doc/daisy/book/daisytext.html(2020年12月28日閲覧)
ハタノ、リリアン・テルミ(2009)『マイノリティの名前はどのように扱われているのか―日本の公立学校におけるニューカマーの場合―』ひつじ書房
文部科学省「外国人児童生徒受入れの手引き」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/clarinet/002/1304668.htm(2021年3月11日閲覧)
文部科学省「外国人児童生徒のためのJSL対話型アセスメントDLA」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/clarinet/003/1345413.htm(2021年2月22日閲覧)
文部科学省「学校教育におけるJSLカリキュラムの開発について(小学校編)」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/clarinet/003/001/008.htm(2020年12月26日閲覧)
文部科学省「学校教育におけるJSLカリキュラム(中学校編)」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/clarinet/003/001/011.htm(2020年12月26日閲覧)
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佐藤郡衛(さとう ぐんえい)(2019)『多文化社会に生きる子どもの教育―外国人の子ども、海外で学ぶ子どもの現状と課題―』明石書店
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