10 現代日本語をちゃんと説明するための古典文法入門

日本語教師読本シリーズ < 現代日本語をちゃんと説明するための古典文法入門

 

『日本語教師読本シリーズ 10 現代日本語をちゃんと説明するための古典文法入門』

「トッピングなし」「若かりし頃」、最新の古典文法理論で現代語の中に潜む古典っぽい表現を解説。現代語をしっかり説明するために必須の古典文法の知識を楽しく学べます。

 

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どんな本?

現在のリアルな日本語で使われる、そして日本語教育の世界ではこっそりスルーされている「トッピングなし」「若かりし頃」「2人して待ち合わせの時間に遅れた」あるいは、ことわざの中に残る古典的表現をどう説明するか?

最新の古典文法理論で現代語の中に潜む古典っぽい表現を解説。現代語をしっかり説明するために必須の古典文法の知識を楽しく学べます。

日本語教育との橋渡しをするために以下の3つの方針で書かれています。

  1. 国立国語研究所の『日本語歴史コーパス 平安時代編』を参照し古典文法の項目を絞り込んだ。
  2. 解説は学校で学ぶ古典文法をベースにしつつも最新の研究を盛り込んだ。文型はできるだけ日本語教育で使われている表現(な形容詞など)で示すことを心掛けた。
  3. 現代語に生き残っている古典語の表現を古典語から現代語への変化についても補足しつつ解説した。

昔勉強した古典をちょっと思い出しながら、最新の古典文法の考え方も知ることができます。

著者紹介

深澤 愛
ふかざわ あい 
近畿大学准教授

 

中身を覗いてみよう
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目次
はじめに

1章 現代語に息づく古い日本語
 1 古語がひょっこり顔を出す
 2 古典文法を学ぶ面白さ
 3 日本語教育への橋渡し―3つの方針―

2章 古典文法と日本語教育文法
 1 学校の古文の文法
 2 古典文法における品詞のとらえ方
 3 古典文法における活用形
 4 歴史的仮名遣い

3章 動詞・形容詞・形容動詞

 1 動詞―「駐車場あり」―
  1 活用の種類 ―語形のバリエーションの作り方―
  2 動詞の活用
  3 活用形ごとの現代語との対応
 2 形容詞―「すばらしき世界」―
  1 ク活用とシク活用
  2 形容詞の活用
  3 現代語とは異なる形容詞

 3 形容動詞―「静かなるドン」―
  1 2種類の「〇〇なり」
  2 形容動詞の活用
  3 現代語とは異なる形容動詞

4章 助動詞・助詞
 1 助動詞―「言わぬが花」―
  1 断定を表す「なり」
  2 打消を表す「ず」
  3 推量を表す「む」
  4 推定を表す「べし」
  5 時を表す6つの助動詞
 2 助詞―「急がば回れ」―
  1 格助詞
  2 接続助詞「ば」
  3 接続助詞「ど」「とも」
  4 接続助詞「に」
  5 係助詞(係り結び、疑問文)

5章 現代に生きる古典語を見つけたら   
 1 辞書
 2 古典文法の文法書
 3 古文を読んでみたいと思ったら
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本編からちょっとだけ…

🗨 ことわざの中に古典語がよく残るのは…
ことわざの中に古典語がよく残るのは、Bの権威性やCの格調の高さなどの効果を求めてのことと考えられます。「推し、燃ゆ」「すばらしき世界」「青きヴァンパイアの悩み」など作品のタイトルに古典語が使われる場合も、古典語のもつB・Cの効果を期待している面があるでしょう。

サッカーゲームのサブタイトルにあった「蒼き侍」、新聞のスポーツに関する記事の見出しの「若きエース」



🗨 日本語教育への橋渡し―3つの方針―
日本語教育への橋渡し―3つの方針―

現代語の中で定型表現やことわざ、固い表現として生きる(古い)日本語についてよく知るために、古典語や古典文法について知る――そうして得た知識が現代日本語を教える皆さんにとっても有意義であることは言うまでもありません。

とはいえ、現代語に残る古典語的表現は多岐にわたります。1つ1つの表現に1つ1つ説明をほどこしていくのは現実的とは言えません。それよりも、古典文法そのものの説明をした方が応用できる知識となるのではないかと考えました。そこで、日本語教師が現代に生きる古典語を理解するための古典文法の解説を目指して次の3つの方針を立てました。

1つ目は、古典文法の全てを取り上げるのではなく、あえて項目を絞り込むことです。



🗨 「か」のルーツ
現代語の疑問文では「明日は晴れますか?」のように文末に「か」を付けるのが基本的な形です。この「か」のルーツはここで紹介した疑問を表す係助詞「か」です。鎌倉時代以降係り結びが衰退し、係助詞「か」は文末で疑問を表す用法が残ります。これが現代語に引き継がれています。

 

参考文献・資料

著者による参考文献のリストです。本編の巻末にも同じものがあります。オンラインで読めるものはURLがあります。

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宇佐見りん(うさみりん)(2020)『推し、燃ゆ』河出書房新社
海野つなみ(うみのつなみ)(2013-2020)『逃げるは恥だが役に立つ』講談社
金水敏(きんすいさとし)(2006)「現代に生きる古典日本語」2006日本語教育国際研究大会発表資料。ブログ「SK’s Linguistics」(http://skinsui.cocolog-nifty.com/linguistics/)に掲載。(最終閲覧日:2021年3月11日)
http://skinsui.cocolog-nifty.com/linguistics/files/CIJLE2006slide.pdf(スライド)
http://skinsui.cocolog-nifty.com/linguistics/files/CIJLE2006paper.pdf(ハンドアウト)
『朝日新聞デジタル』https://www.asahi.com/(最終閲覧日:2021年3月11日)
『産経ニュース』https://www.sankei.com/(最終閲覧日:2021年3月11日)
『毎日新聞デジタル』https://mainichi.jp/(最終閲覧日:2021年3月11日)
『毎日小学生新聞デジタル』https://mainichi.jp/maisho/(最終閲覧日:2021年3月11日)

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飛田良文(ひだよしふみ)ほか編(2007)『日本語学研究事典』明治書院
山室和也(やまむろかずや)(2013)「学校文法の歴史」『品詞別 学校文法講座 第一巻』中山緑朗、飯田晴巳監修、明治書院
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小林隆(こばやしたかし)(2006)『〈もっと知りたい! 日本語〉方言が明かす日本語の歴史』岩波書店
佐伯梅友・村上治・小松登美(さえきうめとも・むらかみおさむ・こまつとみ)(2012)『和泉式部集全釈 正集篇』笠間書院
吉田秋生(よしだあきみ)『海街diary 6 四月になれば彼女は』小学館
J.ロドリゲス著、土井忠生(どいただお)訳(1955)『日本大文典』三省堂
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青木理(あおきおさむ)(2020)「差別の“感染症対策”も」『毎日新聞デジタル』コラム「理の眼」、2020年3月18日、https://mainichi.jp/articles/20200318/ddf/012/070/006000c(最終閲覧日:2021年3月11日)
国立国語研究所『大英図書館蔵 天草版『平家物語』『伊曽保物語』『金句集』画像』https://dglb01.ninjal.ac.jp/BL_amakusa/(最終閲覧日:2021年3月11日)
小林隆(こばやしたかし)(2006)『〈もっと知りたい! 日本語〉方言が明かす日本語の歴史』岩波書店
『朝日新聞デジタル』https://www.asahi.com/(最終閲覧日:2021年3月11日)
『毎日新聞デジタル』https://mainichi.jp/(最終閲覧日:2021年3月11日)
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沖森卓也(おきもりたくや)編著(2010)『日本語ライブラリー 日本語史概説』朝倉書店
小田勝(おだまさる)(2015)『実例詳解古典文法総覧』和泉書院
国際交流基金日本語国際センター『みんなの教材サイト』(最終閲覧日:2021年3月11日)https://minnanokyozai.jp/kyozai/top/ja/render.do
国立国語研究所(2016)『日本語歴史コーパス 平安時代編』(最終閲覧日:2021年3月11日)https://pj.ninjal.ac.jp/corpus_center/chj/heian.html
時田昌瑞(ときたまさみず)(2000)『岩波ことわざ辞典』岩波書店
深澤愛(ふかざわあい)(2013)「外国人留学生の文語文法・古語学習について考える(1)-文語助動詞の場合-」『文学・芸術・文化』25-1
深澤愛(ふかざわあい)(2014a)「外国人留学生の文語文法・古語学習について考える(2)-文語動詞の場合-」『文学・芸術・文化』25-2
深澤愛(ふかざわあい)(2014b)「外国人留学生の文語文法・古語学習について考える(3)-文語形容詞の場合-」『文学・芸術・文化』26-1
深澤愛(ふかざわあい)(2015)「外国人留学生の文語文法・古語学習について考える(4)-格助詞・接続助詞の場合-」『文学・芸術・文化』27-1
深澤愛(ふかざわあい)(2016)「外国人留学生の文語文法・古語学習について考える(5)-係助詞・副助詞の場合 附・古文への適用-」『文学・芸術・文化』27-2
山口堯二(やまぐちぎょうじ)(2000)『シグマベスト 標準 新 古典文法』文英堂
『角川古語大辞典』(角川書店)JapanKnowledge版
『日本国語大辞典 第二版』(小学館)JapanKnowledge版
『新編日本古典文学全集』(小学館)JapanKnowledge版

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