日本語教育の謎理論

ツイッターのモーメントという機能でまとめていたものですが、数が増えわかりにくくなってきたこと、ツイッターのアカウントを持ってないと読めないこともあり、ここに転載しました。

いずれも、普通に論文を検索するとほぼ何もでてこない謎の理論で盛り上がってるというのを採集しました。これらを疑似科学であると断定するものではなく「私には理解しがたい」と記すだけです。

こういうものは、「わかる!」「前からそういうことあると思ってた」みたいなことが書いてあります。で、それの信者になる前に、そのワードと、例えば 疑似科学 Pseudo とか トンデモ 批判 Criticism みたいな語と組み合わせて検索してみましょう。Wikipediaは特に日本語のはダメです。英語のWikipedia では、たいてい Criticismという項目があり、フランスではカルト認定されているとか、検証不足で教育で用いることは禁止されている、みたいなことがわかることがあります。

出てくる名前にも注目しましょう。大学関係者でもちゃんと論文を書いてる人なのか?は重要な指標になります。

研究者検索 http://researchmap.jp/search/
論文検索 CiNii http://ci.nii.ac.jp/
論文検索 Jstage https://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja/
論文検索(英語) https://scholar.google.co.jp/schhp?hl=ja

 現在、CiNiiからJstageに移行中とのことですが、日本語教育関係は、まだCiNiiのほうが多いです。

 「今、日本語教育、こんなカンジなんですよ、どうしたらいいでしょうか?」という話をしてたら、心理学の研究者の方に、これを勧められました。 
「英語教育学と認知心理学のクロスポイント: 小学校から大学までの英語学習を考える」太田 信夫

 明治大学の疑似科学に関するサイトでは、いろんなものが扱われてます。http://www.sciencecomlabo.jp/

2010年以降、特にネットを介して、NLP心理学はヒューマンアカデミーなどの日本語教師養成講座を介して、日本語教育関係者に浸透しはじめているようです。2015年あたりからは「繋がる系」でよくわからないものも出てきてます。その他、いろいろです。何かあったらまたこのページに追加します。

 

 

タタミゼ

タタミゼという言葉自体は、英語をしゃべってる時は人格変わるよね~みたいな話の日本語版です。言語学者の鈴木孝夫氏がおおまじめにとりあげたことで、だんだん「日本語が世界平和を作る」みたいな話になっていってます。言語によって世界の捉え方が違う、というのは、諸説あるようで、まだコレという結論は出てないようですが、**語を勉強したら**人みたいになる、というようなざっくりとした荒唐無稽なものは、みたことがありません。しかも、その「**人みたい」は、スペイン人=情熱的とか、ドイツ人=厳格 みたいな絵に描いたようなステレオタイプを前提にしたものであり、日本人は「きまじめ」「マナーがいい」みたいなことで、さらに「女性が従順になる(!)」みたいなことになっています。新潮45の読者(とか武田鉄矢とか…)には響く内容ということかもしれません。。。

 一般論として英語を話す時はアメリカ人っぽくなる、イギリス英語だと~みたいな話はありますよ。でもたいたいの場合上達するとだんだん落ち着いてくるもんです。下手な間はボディランゲージなど、いろんなもので補わないといけないし、まず友好的な人間だと伝えるために相手の文化に過剰に適応しようという気持ちにもなりますから。

最近では、施 光恒九州大学准教授という人が、伝道者的なことをしてるみたいです。慶応大学にタタミゼプロジェクトというのがあるそうで、そこで、「これからの日本の言語政策に向けて――英語化批判、および「タタミゼ」型秩序形成の可能性について」という学会発表をしているとありました。「タタミゼ」型秩序形成…。

いずれにしても、「日本語学校から報告がある」というのが結構重要な根拠になっているようで、報告者として、コミュニカ学院という日本語学校の名前もあがってます。コミュニカ学院の学院長は日本語教育学会の理事(2017~)でもあります。

このタタミゼに関しては、日本語学校や日本語教育関係の組織でも講演が行われています。日本語学校の経営者などにもかなり支持されているようです。こういう人達にとって「日本語を学ぶことが日本人的な優秀さを身につけることに繋がる」という考えは歓迎すべきことのようです。留学生に日本語を教えてサポートするのが日本語教育の役割だったはずなんですが、留学生を「日本的成熟(?)に導かなければならない」あるいは「日本化」しなければならない、と考える日本語教育関係者は、東南アジアにシフトが始まった2000年代後半から特に増えたように思います。

 ただ、昔から日本語学校業界には日本語教育でサポートするというだけではなく、実際に帰国して指導的立場になった人も多いことから、そういうエリート教育を支えているという自負は、一部に、あったように思います。

 


 

また、これとは別に、金谷武洋という人が、日本語に主語はない。欧米の文法観に囚われているのだ、日本語はすばらしい。みたいなざっくりした理論で同じような人達のハートを開拓しつつあるようです。

これには専門家から公開質問状的な批判(日本語教師の方は必読だと思います)なども出ていますが、回答はなかったようです。日本語教育関係者にもファンは多く、SNSでも時々引用されているのをみます。現在、日本語教育に大きな影響力を持つ、やさしい日本語ツーリズムとThe日本語Learning Communityの主催者の電通の吉開章氏の論文でも参考文献としてあがっていました。
文法の話は、専門家にお任せで、とスルーしていたんですが、上の論文にもあるように、2010年以降は、困ったことに、日本語を学ぶと、気持ちがやさしくなるとか、日本語が世界を平和にするとか「日本語脳」がどうこう、みたいなことを言い出しているようです。日本語はすごく人気があって(どの調査でも学習者は減少してますが)、カナダ人が日本語を勉強すると攻撃的な性格がおだやかになり、ジョンレノンは日本語を勉強したから日本的、と、言語学博士が言うこととは思えないけども、いかにも今の日本で受けそうな、人気がでそうなことを書いたり語ったりしているようです。

 他にもジャーナリストが書いた日本語の論理性のおかげでノーベル賞が多いみたいな本は結構新書や選書にたくさんあります。血液型占い的な広がりを見せていて、武田鉄矢みたいな人を夢中にさせてるようです。

この世には学術的に否定されていても、論文として発表されてなくても「学者が実感したんだから本当だろう」と考える人がかなりいて、さらに、そういう人達は学者の信用度を偏差値が高い大学とか海外の大学の博士(困ったことにタタミゼ系のことを言う学者もそうです)みたいなことで決めます。で、そういう人達は「日本語を勉強するとウンコが臭くなくなるんです」と言われてもちょっと信じると思います。これは仕方ないかもしれない。でも、せめて日々、日本語教えてる人達くらいは冷静に判断しましょうよ、と思うのですが。。。

 


 

 

NLP心理学

ヒューマンアカデミーの日本語教師養成講座では、講師にNLP心理学の資格を持つ講師も多く、NLP講座のオープン講座への参加を勧めているようです。

日本語教師向けに行われた銀座校の授業では

“相手の視線の動きから脳のどこ(どの感覚)にアクセスしているかを実践!”
” 相手の優位感覚(視覚・聴覚・体感覚)を見つけて ”
” 視線の動きで、脳のどこにアクセスしているかがわかるのです”
” 会場からは、最初から最後まで へぇ~!へぇ~ッ と初めて聞くことに感嘆の言葉”

ということだったとサイトに書いてありました。こんなことを教えているのかと驚きました。

学習者の適性に注目しよう、適性に応じて教え方をアレンジし、学び方のアドバイスもしないといけない、という話には説得力があります。そのプロセスで、学習者のタイプをいくつかわけて考えてみる、というのもひとつの頭の体操としていいかもしれないという気もします。ただし、そこから「3つのタイプにしぼられる」「それはこのテストでだいたいわかる」「このタイプにはこういう教え方はいけない!」というのは飛躍がすぎる。こういう飛躍はよく疑似科学で行われるロジックです。

日本語教育に限らず語学教育では、学習者の個人差をどうとらえるかという研究はあります。

これは大阪外国語大学の真嶋 潤子氏が、学習スタイルに関する研究をまとめられたものです。NLP心理学が主張するVAK(視覚:Visual、聴覚:Auditiory、触覚:Kinestheticの3つのうちどれかの感覚が強いみたいなタイプに分かれるみたいな話)のような、ざっくりとした分類があった。それが、いろんな検証によって否定され、今も注意深く検証されている最中であることが書かれています。

文化庁のシラバスには、心理学関係の項目はありますが、もちろん、NLP心理学とは無縁です。心理学の世界では、そもそも無視されている存在のようです。日本語教師養成講座で例えシラバス外の無料講座であっても、講座への誘導が行われているとしたら、かなり問題なのではと思います。これがいいのではあれば、シラバスと対立するものも、無料で参加強制でなければ、どんどん入れてもいいという理屈になってしまいます。これから教師になり学習者と対峙していく人達に、根拠もなく学習者は3つのパターンに分かれるなどということを教えるのは、あってはならないと、私は、思います。

 「視線の動きで脳にどこかにアクセスしてる」みたいなことをこれから教師になる人に教えるのもひどい。私はもちろん専門家じゃないですが、脳のどこかで処理しているみたいな話は、全然確定してなかったんじゃ?と思います。日本語教育関係者でこれが正しいと言う人は名前を出してそう主張してもらいたいところです。誰かいるんでしょうか?


□ NLPは、英語版Wikipediaでは、疑似科学のリストに入っている。
□ その他のNLP関連の記事
米軍でのNLPセラピーに問題があったという2013年のBBCの記事
Neuro Linguistic Programming: Mental health veterans therapy fear – BBC News
http://ow.ly/Qk6T30eC0C2
■ 論文
□ Neuro‐linguistic programming: cargo cult psychology?
http://www.emeraldinsight.com/doi/abs/10.1108/17581184200900014
□ The Eyes Don’t Have It: Lie Detection and Neuro-Linguistic Programming
 (視線の動きによってどうこう、というのはウソだったという論文)
http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0040259
□ the Skeptic’s Dictionary(疑似科学、オカルト辞書) neuro-linguistic programming (NLP)
http://skepdic.com/neurolin.html
□ GoogleTrendでも、いろいろな問題、論文、記事などの影響で、検索数はじわじわと下がっている。
https://trends.google.co.jp/trends/explore?date=all&q=Neuro%20Linguistic%20Programming
□ 右脳左脳に個人差がある俗説を否定する研究結果
An Evaluation of the Left-Brain vs. Right-Brain Hypothesis with Resting State Functional Connectivity Magnetic Resonance Imaging
http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0071275
■ 新聞記事
□ VAKは迷信のようなものという記事
Students taught pseudo-scientific ‘rubbish’, experts warn
http://ow.ly/h7ze30eDQpa
□ ラーニングスタイルというジャンルそのものへのWikipediaの批判
https://en.wikipedia.org/wiki/Learning_styles#Criticism
□ ラーニングスタイルという「神話」に関するWIREDの記事
All You Need to Know About the ‘Learning Styles’ Myth, in Two Minutes | WIRED
http://ow.ly/7ERT30eDQRr
□ NLPにエビデンスはないというガーディアンの記事(2006年)
Just a slogan in search of a meaning
http://ow.ly/cq4m30eDwDL
□ NLPの教育利用には問題があるというガーディアンの記事(2008年)
https://www.theguardian.com/education/2008/feb/26/schools.teaching

 


 

キャプチャ画像

 基金の村上氏はツイートでもNLPでよく用いられるVAKという評価法を紹介しています。

 このVAKの亜流のようなものを扱った著書もよく日本語教育関係者に紹介されています。

NLP心理学の人達でもこういうVAKは疑似科学だ、ホントは***(これもかなり怪しいもの)だという悲しい論争があるようです。

 

特定のソフトで「繋がれば」なにかが起きる理論?

繋がる系?

日本語教育には「繋がる系」というジャンルがあるようです。教師や学習者同士で、いや社会と繋がって、教室外と繋がる、、、というようなことです。たしかに今、学習者は教室や教材、教師からだけ学ぶのではないという側面は強くなっています。それを取り込んでいかねばというのはわかりますが、今のところは、まだちゃんと観察も行われていないという印象です。また、関わる研究者の人達のネットの知識も危ういところがあるように思います。遅ればせながらSNSやスカイプを体験して「これはスゴい!」という興奮がまだ静まってない人達というのか。。。

 もちろん学習者が自律的に「お勉強」以外のところでどんどん上達していく、という例は昔からあったわけです。ネットでそういう人達が増えているのも事実ですが、じゃあネットの発達で日本の英語学習者の英語力が飛躍的に伸びたか?というとそうでもない、ということもあります。繋がる系の人達には、ちょっと落ち着いて、まずは観察してみようよ、と言いたいです。

 

zoom周辺

このzoomというソフトを使っての「繋がる系」の主催者やその周辺にいる人達は、このzoomというソフトの会社と代理店契約をしているようです(サイトのFAQの本文中に一度だけ出てきます。あまり知られたくなさそうです)。プロモーションと自らの活動を一緒にやってるということのようで、セミナー主催者は接続の人数制限などがあるのでセミナーをやるなら有料アカウントが必要になりますし、顧客も無料版では45分までという制限があるので、そのうち有料アカウントをとることになるという仕組みになってます。

「自らの活動」ですが、どうやら自然農法とかオーガニックなどの信奉者が多く、教育関係者が多いようです。右脳が感性で左脳がロジックで、みたいな例えや、「3S(スクリーン、スポーツ、Sex)に穢された現代人!」みたいな表現も出てきます。謎の水を100CC5000円くらいで売ってたりします。どうやら、穢れたものを廃して自然な状態に人を置けば自然といろんなことが生まれる、対話もわき出てくる、という考えがあり、それをアクティブラーニングとか、反転授業などでの支柱となる理論に、ということらしいです。アクティブラーニング系の学会などでも発表をしています。2015年ごろから日本語学習者に注目しはじめ、日本語教育関係者からもFacebookを通じてアプローチがあって、交流が始まったようです。

 3S政策というのは、こういうカンジでよく語られるワードです。

 言うまでも無く、語学教育におけるいろんな授業の方法は日々の試行錯誤であったり、検証してデータをとったりで考え、行っていくものなので、こういう自然農法みたいな発想ありきで進めるものではありません。念のため。

zoomというソフトは「普通」

zoomというのは、いわゆるネット会議用のソフトです。無料版ではウェブミーティングは45分までという制限があります。この点、スカイプやハングアウトとは大きく違います。日本ではほぼ無名、米でもシェア10位ぐらい?比較サイトでもユーザーが少ないのであまり情報がないことも多いです。スカイプやハングアウトでのテレビ電話で複数で会議するシステム。機能としては「普通」です。同ジャンルのシェアトップのCISCOの人が始めたベンチャーなので、同時接続時の安定性の技術だけは引き継いでCISCOの廉価版的なもので勝負というようなところのようです。知り合い同士の通話機能に加えて、SNSのように、イベントをやって、それを不特定多数に告知できる。というソーシャル的な機能があり、それが集客に便利だと、日本では、セミナービジネス関係者中心に広まっているそうです。もちろん、この機能はSNSと組み合わせてやればいいわけですし、スカイプを買ったMicrosoftのほうが圧倒的に強いでしょう。唯一のウリである同時接続の安定性というのは、回線状態の影響を大きく受けるので技術的な多少のアドバンテージではどうにもなりません。

つまり、どう考えても、ウェブ会議のソフトは、一対一や複数相手のビデオ会話であれば、無料で制限時間もないスカイプやGoogleのハングアウトで十分です。ハングアウトもビデオ会話で同時で10人、会話だけなら150人まで可能です。本格的にウェブ会議システムを導入するならば、ハングアウトからChrome Box に移行するのが最も安く(ハードが8人用で35000円、20人用で20万くらい)信頼性もありますし、もうちょっと本格的にやるなら、世界シェアトップのCISCOスカイプのビジネスなどを素直に使えばよく、価格もシェアトップのCISCOが年間5万円くらい(同時接続は200人まで)、スカイプビジネスはzoomより安い5000円ほどです。

 Market Share Web Conferencing などで検索しても、存在感はほぼありません。満足度ではハングアウトと同じ数値ではありますが、ユーザー人気では新興戦力に抜かれ、トップではシェアを争うところとして紹介されることはほぼありません。トップシェアのCISCOから出た2011年スタートのベンチャーとしてはかなり厳しいと思います。

自己啓発系?

ちなみに最近は自己啓発などのセミナーは、リアルからオンラインセミナーに移行しており、顧客を囲い込んで、さらに、セミナーから個人のコンサルティングに誘導して、それを高額で行う(最初は1時間8000円で、会員にしたりしつつ1時間数万円になったりする)ということになっているようです。

このzoomというソフトの日本語版紹介サイトも、セミナー主催者に対して、活用方法などを有料でアドバイスするというような販売戦略をとっているようで、セミナーの主催者がその顧客や潜在的な顧客として新規開拓をしたりで、ユーザーがふえていて、おそらく、ユーザーのほとんどは、セミナー主催者経由で増えているはずです。セミナー主催者か、セミナーの顧客予備軍みたいな人達が中心ではないかと思います。zoomでアカウントを取るということは「そういうコミュニティに入る」という側面が大きいということです。日本では、IT系のサイトなどでは、ほぼ紹介されていません。

このソフトはサイトにアクセスすると自動的にエクゼファイルのダウンロードが始まる、という恐い仕様(それが普通になったらウイルスをばらまくのも簡単になってしまいます)になっているので、サイトは紹介しません。もちろんインストールは推奨しません。無料でも使えますが、45分までで、有料サービスは年間15000円ほどで基本有料アカウントに誘導するというビジネスモデルです(しかも高いです。Skypeのビジネスは年間5000円)。ペアで推奨されるUMUというソフトも最初無料で有料で、有料への誘導が強いです。アフィリエイトのような仕組みで特定のサイトから無料でアカウントを作ると、紹介者と紐つくようなシステムになっています。例えば、有料アカウントに移行すれば紹介者にボーナスということになっている可能性が高いです。代理店契約の細かいことはわかりませんが。

もちろん、このzoomというソフトを使うことはこの記事では推奨しません。zoomに技術的なアドバンテージはないと思いますので(あれば業界トップになってるはず)セミナーの顧客予備軍になる気がないのなら、無料で時間制限なく使い続けられ、ユーザーも多いスカイプやGoogleのハングアウトが安心感もあり、いいと思います。というか、会社でウェブ会議をするならCISCOでいいし、個人ユーザーの法人の間くらいの人ならスカイプでやって不満ならスカイプビジネスにアップグレードか、ハングアウトからChrom Boxに移行するか、が普通です。で、個人ユーザーなら無料のスカイプかハングアウトの二択です。その他のやり方を選ぶメリットはほぼないはずです。

 シェアの低い米国企業が販促で自己啓発系のグループを使うのはよくある話です。特に海外では数字を出すとこに丸投げ、というのもよくある話。ネットワーク販売も多いです。米国はそういうビジネス形態の本場といってもいいと思います(アムなんとか、とか…)。

 

日本語教育関係者への広がり

このzoom周辺のイベントの日本語教育関係者の関与は、2015年あたりから?のようですが、2017年に目立ち始めました。国際交流基金の日本語上級専門家の村上吉文氏をはじめとする複数の日本語上級専門家、アクラスの嶋田和子氏、日本語教育学会副会長の神吉宇一准教授、カンタベリー大学の荻野雅由氏という日本語教育のど真ん中みたいな人達が関わっています。大学の日本語関係の教員も「エバンジェリスト」として活躍されているそうです。これだけの人達が名前を出して関わっている以上、学会からもお墨付きと受け取る人は多いでしょう。今後広がっていく可能性は大きいです。私には、その理屈はさっぱりわかりませんし、日本語教育学会のトップみたいな人達が右脳とか左脳などと言ってるのは恥ずかしいという気持ちしかないですが。

しかしまだ教師の間でやっているうちはいいのですが、日本語教育関係者が日本語学習者を勧誘するようになってきました。言うまでもなく日本語学習者は、コミュニティがどういうものなのか判断できるだけの情報も日本語能力もありませんから、そこが日本語学習が目的の場なのか、セミナーへの勧誘が目的のイベントなのか、わからないまま参加することになります。教師や大学関係者が紹介すれば、特に注意することもなく入っていってしまうと思います。

zoomというソフトをインストールすれば、いろんな勧誘が始まるはずです。顧客としての魅力だけでなく、日本人の顧客の獲得のためにも、外国人との交流イベントなどはぜひともやりたいというセミナー主催者は多いでしょう。ネット以前の時代から、よくわからない組織や宗教団代の広告塔的な存在として利用されてしまっている日本語学習者は結構いました。こういう仲介を、日本語教育関係者はやってはならないと、私は、思います。

 

 

アクラスでのzoomを使ったイベント

 https://archive.is/7tMxe 

 ここから引用 http://masatotahara.com/

 

日本語教育関係者

 

イベントのその後。広がり

 

日本語学習者への拡散

このzoomの人達は日本語学習者のグループも主催しています。そこでzoomをダウンロードさせて日本語の練習をしようというイベントも活発になってきています。基金の村上氏など国際交流基金関係者も学習者に勧めています。ひとたび学習者がzoomをダウンロードし、ユーザー登録すれば、おそらくいろいろなセミナー関係者からのイベントへの勧誘も増えてしまうでしょう。日本語の知識がない学習者が、それが、単なる交流の場なのか、セミナービジネスの場か、自己啓発グループなのか、あるいは宗教団体なのか、を正しく判断できるかは疑問です。