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概要

いろんな特技や語学、仕事のキャリアを持つ日本語教師がいます。そして、自分の強みを生かす、ということはよく語られます。しかし、そもそもの日本語教師の強みである「日本語を教えることができる」ということがきちんと評価されなければどうにもなりません。そのためには、日本語教師が働く場所である学校や会社が、労働関連の法律を守り、経験を評価し、スキルに応じて報酬がアップする場所になることが最低限の条件です。資格を取得した後、安定して日本語を教えるスキルを磨ける場所であり、あるいは海外で働いた経験を生かせる場所であるために、国内の日本語教育機関の働く環境の健全化は最も大事です。そのためにはまず日本語教師が労働関係の法律を知ることが第一歩です。

👉 日本語教師が置かれている現状に関しては日本語教師に整理しました。

仕事と法律

仕事をする人というのは、意外と法律で守られています。そして日本語学校業界はこれらの法律を守っていません。日本語教育機関がこれらの法律を守り、働き方改革に従って健全化していくだけで、かなり日本語教師という仕事はよいものになるはずです。まずは日本語教師が法律を知ることがそのはじめの一歩です。

例えば、日本語学校のような小さな組織ではベテラン教師などが「自主的に」サービス残業をするようなことがよくあり、これが結果として日本語教師の労働環境を悪化させているということがあります。これは「あの学校は教師や職員にサービス残業を強いている」「労働時間に応じた報酬を支払っていない」と学校を追求すべきことです。しかし、日本語教師に向けて「サービス残業するな!」と非難する声が(同業者からも)時々出ます。「安い時給で働くな!」というのも同じです*1

日本語教育の世界ではこういうことがよく起こります。サービス残業をする私達の同業者は、善意でやっていると自分を納得させつつも、実は、雇用主との関係を良好に保たないといけない、という心理的なプレッシャーを負っているかもしれません。酷い学校で働き続ける職員や教師にも個々の事情があるかもしれません。地方で転職が難しいのかもしれません。

学校や業界への批判はせずに「学校や業界の構造の維持に加担している」として同業者を非難してしまう人達にも、実は、同じような、雇用主や業界との関係は保ちたい、学校や業界に直接批判を向けるのは怖いという心理があるんだろうと思います。長年続いてきた「日本語学校業界は狭いところ」だから学校や業界を批判はできないという見えない強いタブー意識がこういう歪みを生んでいるとしたら、とても悲しい状況です。

同業者同士で批判しあうより、日本語教師でまとまって学校や業界を健全化する方向に持って行くべきです。そのためにも労働関連の法律を知り、どういうやり方があるかを考えましょう。例え合意があるとしても、雇用主と雇用者というパワーバランスの中で業務に必要な仕事を結果としてさせておいて報酬を支払わないのは明らかに違法なんですから。あとはどう詰めていくかだけです。

労働関連の法律の種類

労働法はいろんな種類があります。重要なものだけでも、労働契約法、労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法、職業安定法、雇用保険法、雇用対策法、労働者災害補償保険法、男女雇用機会均等法、育児・介護休業法、若者雇用促進法、パートタイム労働法、労働者派遣法、労働組合法、労働関係調整法、過労死等防止対策推進法など、いろんな法律があり、例えば、雇用対策法では、年齢制限してはいけないとあり、男女雇用機会均等法では男女差別が禁止されています。その関連の法律もまだまだあります。すべての労働には法律があり、守ってくれるのだということを知ることがスタートラインです。

労働に関する法令の一覧 (日本)

厚労省はわかりやすいパンフレットをいくつか作っています。以下の2つだけでも目を通すことをお勧めします。ひとつめは学習者向けの教材としても役立ちそうです。「学習塾~」は似たような環境である日本語学校にもほど当てはまるはずです。

知って役立つ労働法 厚労省
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12600000-Seisakutoukatsukan/0000044295.pdf 

学習塾における講師等の労働条件の 確保・改善のポイント - 厚生労働省
https://jsite.mhlw.go.jp/kanagawa-roudoukyoku/var/rev0/0120/1443/20182221457.pdf 
👉 保存したもの

現実にどんな問題が起こり、訴訟があり、解決されてきたかは、ここに判例などが紹介されています。 弁護士ドットコムの「講師」の法律相談
https://www.bengo4.com/c_5/bbs/%E8%AC%9B%E5%B8%AB/

👉 参考 講師・インストラクターの労働市場 - 独立行政法人 労働政策研究・研修機構

労働法は日本語教師にとって、自身を守るだけでなく学習者の労働環境をウォッチするためにも、極めて大事な法律です。特に民間の日本語学校業界には他の業界ではすでに過去のものとなった労働慣行が残っており、日本語学校業界だけが時代の進歩から取り残されています。

労働関係の問題は、よく言われるように、単純に労基法違反であるから労基署に行けば解決するという問題ではないということから出発すべきです。問題がある時にどうやれば解決するかはケースバイケースです。労基法の知識だけではなく、どのような裁判があって、判例があるかがポイントです。

学習者の労働環境に関しては、日本語学校などは労基法違反であろうと、学費返済のために働き続けて貰わないといけないという立場ですから、基本見て見ぬふりです。日本語教師は最も近くにいる労働者として、これをウォッチする必要があると思います。まず母語での日本の労基法の説明と労基署などの案内ができ、自らもしっかり理解して、オカシナことに気づけないといけない。また、外国人の労働問題が専門で窓口をもっている多言語対応の弁護士グループなどの連絡先を示すなどの情報提供ができるようにしておきたいと思います。一時滞在の人や移民は、ビザの取得や延長を人質にとられており、労働環境に対して簡単には声をあげられないのはどこの国も同じです。おそらく日本語教師は学習者の唯一の味方です。

基本的な法律と窓口一覧

労働基準法
:最も基本的な法律。すべてに優先する。例えば会社と結んだ契約よりも上位。労基法と略される。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S22/S22HO049.html
労働基準法に関するQ&A 厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/faq/faq_kijyunhou.html
労働契約法
:2008年施行。個々の契約形態に関する法律を定めたもの。契約が労基法にのっとったものであるかのガイドライン的な法律。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H19/H19HO128.html
労働契約法のポイント 厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudoukeiyaku01/dl/08.pdf

全国の労働基準監督署の所在地
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/location.html
厚生省 労働基準関係情報メール窓口(匿名での申し立てができる)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/mail_madoguchi.html
東京都労働相談情報センター
http://www.hataraku.metro.tokyo.jp/soudan-c/center/
弁護士ドットコム 相談
https://www.bengo4.com/

会社単位でない組合には加入できるものもありますし、相談も可能です。
連合 労働相談(労働相談を受け付けています)
http://www.jtuc-rengo.or.jp/soudan/index.html
全労連 ホットライン(相談ホットラインなどがあります)
http://www.zenroren.gr.jp/jp/soudan/
個別指導塾ユニオン(小規模学習塾の講師が中心で裁判でもコマ給問題の改善などいろいろ実績があります)
http://kobetsu-union.com/
首都圏大学非常勤講師組合(首都圏の大学、専門学校の非常勤なら加入できるそうです)
http://hijokin.web.fc2.com/

東京労働局 パンフレット「労働基準法のあらまし」 (PDF)
http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/jirei_toukei/pamphlet_leaflet/roudou_kijun/_84882.html
知っておきたい働く時のルール(PDF)
http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/jirei_toukei/pamphlet_leaflet/roudou_kijun/_116683.html
労働厚生省 FAQ
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/faq/faq_kijyunhou.html
東京弁護士会
http://www.toben.or.jp/
大阪弁護士会
http://soudan.osakaben.or.jp/
弁護士ドットコム 労働
https://www.bengo4.com/c_5/

労基署などでの通報も含め、会社のことを通報しても法律で保護されます。近年ますます強化されています。退職者の通報も可能になりそうです。 公益通報者保護法と制度の概要について | 消費者庁
http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_system/whisleblower_protection_system/overview/

日本語教育の現場と法律

日本語教育関係者の傾向として「やらなければならないことを探す」のではなく「やらなくてもいいことを探す」というタイプの人が多いということがあります。特に日本語教育機関の経営者や業界の組織に「やらなくてもいいことを探す」という体質があるのは致命的です。しかし法律からは逃れられません。日本語教育の市場が拡大し、社会からの監視の目が厳しくなっていることに日本語教育関係者はまだ気づいていません。日本語教師は自己防衛のためにも仕事に関する法律はしっかり知っておくことが大事です。

👉 日本語学校業界で「やるべきことを探し、実行する人」にはまだ会ったことがありません。

就職活動・求人の問題

日本語教育業界の大きな特色は、日振協やJaLSAなどの業界団体が日本語学校の健全化や日本語教師の働く環境の改善のために努力をほぼ何もしない、ということです。ここ10年で不祥事が明るみになった日本語学校が所属していた業界団体は、この両団体の比率に応じたものでした。つまりどこかに所属しているからといって、良質校であるという証明にはなりません。2010年代、最悪の事件だった東日本国際アカデミーは日振協の会員でしたし、JaLSAは結成当初の2000年はじめから留学生のアルバイト時間の制限撤廃を主張しつづけています。

👉 日本語教育業界事件史

それは求人に現れています。求人は、不祥事が起きたときに業界関係者が必ず口にする「一部の悪質な学校(の問題)」を入り口で選別する最も大きなチャンスです。リクルート業界ではガイドラインを設け、悪質なところは求人は出せないようにして安心して働ける環境を作るのが普通ですが、日本語教育機関の求人は日本語教師の人手不足もあり、ほとんどの求人サイトやイベントなどで、どんな学校でもノーチェックで求人ができます。募集手段は何でもいいから人を集めてくるなら歓迎という姿勢です。

通常はどんな業界団体にもある求人に関するガイドラインもチェックもないので、日本語教育学会や日本語教育振興協会にある求人でさえ、ガイドラインは文言だけで、文書による雇用条件の確認や審査などは行われておらず、その変わりに免責事項だけが長々と書かれています。求人にある日本語教育機関は教育機関かもしれないし、学校という名の地元に外国人労働者を提供をする人材派遣会社かもしれないし、人身売買の組織かもしれません。

またこの業界特有のわかりにくさがあるのは、教育熱心で学習者思いの善良な「先輩」や教務主任がサービス残業を強要してくるような職場が多いということです。評判のいい日本語学校が日本語教師の過酷な自己犠牲によって成り立っているというケースは多いようです。つい最近も、ある日本語学校の校長はブログで「面接時にコマ給(45分1600円)には+1時間超の授業関連の拘束があり、合計2時間の労働時間も含まれると伝えている。ウチは他の学校より(面接時に伝えて了承を得ているだけ)フェアだ」と書いていて、これにイイネをする関係者がいました。しかしこれは、実質的な拘束時間に対して時給換算で800円となり、東京にあるこの学校では最低賃金以下になり、単純に違法です。そういうことを知らない「善良な」人達が学校を運営しています。

👉 試用期間は明確な規定はないものの、正規雇用が前提となっており、1~3ヶ月が妥当なものだと言われています。つまり非常勤では適用はないというのが常識なところのようです。また、最低賃金法では、試用期間中は最大20%減額できるとなっていますが、これは地元の労働基準監督署の許可が必要です。ただしこの減額許可を得ていない場合がほとんどで、減額された場合は労基署に確認をして、無許可なら学校に労基署で確認したと伝えた上でさっさと辞めたほうが得策だと思います。

求人においては、紹介者は責任を負うことはなく、すべて日本語教師がリスクを負うことになっています。日本語教師のキャリアのスタートが超リスキーなギャンブルから始まるのです。

仕事を探す時は、雇用する会社だけでなく、斡旋&紹介者や求人を掲載しているところに、きちんと質問しましょう。いろいろと尋ねると雇ってもらえなくなるのではないかと考えるかもしれませんが、雇ってもらえなくなるリスクより、きちんと応えられない紹介者を通じて後ろ暗いところがある学校、会社に就職してしまうリスクのほうが圧倒的に大きいのです。まず、どういう法律があるのかを知り、自分で基準を作り、自分なりのフィルタリングをしないと、どんなことになっても責任をとってくれる人はいない業界です。幸い、働き方改革もあり、今は、求人の際の情報開示の法律は厳しくなってきています。最低限開示しなければならない情報は何か、紹介者にはどういう責任があるか、何を尋ねてもいいか、法的に応えなければならない義務がある条項は何か、などをしっかり知っておきましょう。

どんな日本語教育機関を選ぶかはとても重要な最初の選択になりますので、詳しく書いていきます。

👉 同時に日本語教師も「教務室の雰囲気がいい」くらいのことで安易に人に仕事を紹介したり仲介したりしない、というのも大事だと思います。以下にあるような最低限の情報公開がなされているかを確認し、本当にそこが会社として組織として信頼できるのかを考えてからにしましょう。

基本的な知識

求人は十分な情報がない場合、法律違反になる可能性があります。一般的に、十分なスペースがあるのに(ネット上では常に十分なスペースはあるはず)、業務内容、契約機関、就業場所、時間、休日など、保険関連などが明確に書かれていないのは、問題とされます。

職業安定法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S22/S22HO141.html

求人の際に最低限明示しないといけないこと

職業安定法により雇用前に必ず「書面で」明確にしないといけないことがあります。つまり、SNSなどで「詳しくはDMで」「フォームで」あるいはイベントで口頭のボンヤリした説明だけで済まそうという紹介、斡旋、求人をするところはアウトです。

2018年1月の改正で以下が追加になりました。

上は非常勤講師の問題に関するツイートです。つまり最初の契約は雇用者が支払う金額がきちんと出せるような形になっていないといけない、ということだと思います。

日本語教育関係の求人サイトの問題

90年代は、日本語教師の就職活動は養成講座の紹介か、凡人社の書店内にある求人の貼り紙くらいでした。今はネットに求人サイトがたくさんあります。2010年以降は一般の求人サイトやハローワークにも求人が載るようになりました。今も日本語教育業界の求人サイトは昔の貼り紙掲示板感覚でやっていて、掲載はするけど責任はとらないよ、というものばかりです。かなり注意が必要です。

職業紹介をする場合は厚労省に登録する必要があり、登録して斡旋を行う場合、厳しい法律があります。 厚労省 労働者派遣事業・職業紹介事業等
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/haken-shoukai/index.html

日本語教師や職員の求人は、一般的には、業界内部のいろいろなサイトやイベントなどを通じて行われています。2016年には人手不足からか日振協でも求人の掲載をはじめました。日本語教育学会でも求人を掲載しています。ただし、これらの求人サイトは、ほとんどの場合、本来ならば必要な厚労省への職業斡旋の届け出をしていません。「掲載してくれと言われたから善意でやっている」という建て前です。

こういう場合、個々の求人サイトなどが、どういうガイドラインで行っているか、文書での確認はどうか、ということを確認する必要があります。たいていの場合、全面的な免責だけでなく、ほぼノーチェックで掲載しているだけです。

しかし「掲載しているだけ」にも関わらず日本語教師の求人サイトは紹介料や成功報酬的なものを受け取っているところがかなりあると思われます。これは斡旋による手数料ではない紹介での謝礼の受け取りだという理屈です。職業紹介事業許可範囲でない人材紹介料(常用雇用労働者の転籍)として受け取れば、斡旋ではないので、厚労省に登録も必要ない。業界にはガイドラインもない。免責事項を書いたので問題が起きても逃れることができる(と業者は考えている)。求人広告だけでなく、就職斡旋イベントなど個人単位のものでも、この報酬が原資となっていることが多いようです。こういう職業斡旋や紹介が主な窓口になってしまっている業界というのも、まともな業界では、あまりないのです。

職業紹介ビジネスのスキマ

具体的な企業の斡旋をするのは、原則として職業安定法の職業紹介事業となり厚労省に届け出が必要です。

職業紹介事業に係る法令・指針 |厚生労働省

しかし、厚労省に届け出をしなくても、仕事の斡旋で紹介者はお金を受け取ることができることになっています。つまり「スキマ」があります。民間の求人サイトや個人で紹介をする人は紹介先と人材紹介契約書などを交わし、利益を得ていることがほとんどです。どういう契約になっているか、見せて貰いましょう。

厚労省 労働者派遣事業・職業紹介事業等
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/haken-shoukai/index.html
職業紹介事業制度の概要 (厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/haken-shoukai01.html
職業紹介をめぐる法的な問題について
http://shokugyo-kyokai.or.jp/shiryou/shokugyo/01-2.html

職業紹介に関する法律・規制

最近は、契約時に守秘義務項目を入れてあるからネットに書き込んだりできないと説明をするところが増えているそうです。しかし当然のことならが違法行為を口封じすることは出来ません。告発は可能です。リスクを負ってネットであれこれ書く前に、法律にのっとってしかるべき機関に問い合わせをするほうがダメージを与えることはできます。すぐに対応してくれなくても公的機関というのは原則、データはストックしておきますから、クレームがたまれば突如動くこともあります。

職業の斡旋、紹介は、届け出をしてもしなくても、労働者派遣法における規制があります。 「業として行われない―反復継続の意思をもって行われない―労働者派遣をもその規制対象としている(労働者派遣法2条2号、26条、39条、43条、44条等)」

厚労省の職業安定法関連のページ

特に、職業の斡旋で成功報酬を会社からではなく紹介した人に請求することはできないことになっている、ということも日本語教師は覚えておいたほうがいいです。紹介したからと教師に手数料を請求するところはアウトです。職業安定法39条で「労働者の募集を行う者及び第三十六条第一項又は第三項の規定により労働者の募集に従事する者は、募集に応じた労働者から、その募集に関し、いかなる名義でも、報酬を受けてはならない。」とあります。

その他関連文書など

民間企業が行うインターネットによる求人情報・求職者情報提供と職業紹介との区分に関する基準について|厚生労働省
http://www2.mhlw.go.jp/topics/seido/anteikyoku/minkan/
|Q&A|確かめよう労働条件:労働条件に関する総合情報サイト|厚生労働省
http://www.check-roudou.mhlw.go.jp/

👉 就職した学校や会社に問題があった場合のことは様々な問題への対処にも整理しています。

この紹介者の責任を追及する場合、紹介者に形式上の責任はないとしても、紹介先で問題があった場合、サイト上で免責にチェックをしてクリックしても、書面でサインしても、違法であることが明らかになった場合は、当事者の学校、法人は責任を追及されますし、紹介者の責任を問うことは可能です。消費者契約法によって、紹介者、斡旋者に責任が生じる可能性はあります。消費者庁のサイトに電話相談のホットラインもフォームもあります。紹介者に対しても責任を追及できるか、法テラス(一定収入以下の人は無料で相談できます県や市に相談窓口があります)などを利用して弁護士に相談する価値はあるというわけです。そのためにも紹介時の保証や約束(雇用条件が明記してあることはもちろん)は文書で要求し、それを保存しておくことをおすすめします。そして、そこをきちんとしないところはダウトです。上の公益社団法人全国求人情報協会(求人に関する苦情や相談窓口もあります)の倫理綱領・掲載基準の項目を参考にしてください。

👉 キャリアに関する相談などを受ける仕事はキャリアコンサルタントという国家資格があります。国家資格なので守秘義務を守る、誇大広告をしてはならないなどの倫理綱領があり、違反すると資格を失います。就職の紹介やイベントの主催者などに、キャリコンの資格の有無を確認することはひとつのフィルターになるとは思います。ただし、キャリコンはアドバイスまでで、職業斡旋はできません。また、キャリコンの資格があるとしても、一般的なキャリコンの方法論が、今の劣悪な労働環境が放置されたままの日本語学校業界で機能するのかは疑問です。そのへんを踏まえた日本語教育業界におけるキャリアに関する考え方を自分のサイトなりにきちんと表明してほしいものです。どちらかというと法人側(日本語学校側)から仕事をもらう立場のキャリアコンサルタントは、日本語学校業界に対してフェアに提案ができるのだろうか?という点も疑問です。

👉 「DMください」は論外  : 日本語教育の世界では、昔から「知り合いが※※国で日本語教師を探してる」ぐらいのノリで海外の仕事の求人を広告することがありました。今もSNSで似たようなことがあります。しかし、もう求人は、責任者がきちんと公の場で条件を提示して透明性を確保しながらやるべきことになっています。いい人そうだから、善意でやってるみたいだからと、うっかりDMを送るのも、募集するのもやめましょう。

仕事を紹介、斡旋する場合どういう説明責任が生じるのかは、次の項目が参考になると思います。

👉 紹介をめぐる法的な問題等については一般財団法人 日本職業協会にも情報があります。職業紹介をめぐる法的な問題等について

職業紹介、斡旋、求人の最低限のモラルとは?

職業紹介に関しては届け出もそうですが、業界での倫理規定があります。例えば、リクルート系の企業が加盟している公益社団法人全国求人情報協会倫理綱領・掲載基準では、職業を斡旋、紹介する場合は、その会社の求人内容が

  1. 掲載内容が正確かどうか確認し人事担当者の捺印が必要。
  2. 過去にトラブルがなかったか確認
  3. 新規の掲載の場合は訪問するなどして所在の確認をとる。
  4. 監督官庁の許認可が必要な事業ならその確認が必要
  5. 労基法違反の事実がある、あるいはあった場合掲載不可(つまり確認が必要)
  6. 応募者が負担を強いられる研修(労基法違反)などがある場合は掲載不可
  7. 労働問題などで争議になっているところは掲載不可
  8. データ更新日、情報の出所を明記

でなければならないとなっています。 職業の紹介や斡旋というのは紹介された当事者にとって大きなリスクを伴うもので、一般社会では、仕事を紹介する者にはこのくらいの責任は生じるのだ、という参考として紹介をする当事者だけでなく日本語教師も覚えておいて、どのような場合も、紹介者、紹介する業者は、上のことをやっているか確認し、紹介者の信用度を測る指標にしてください。口約束ではなく、文書(日付、名前、住所、会社名、署名、印鑑があるもの)を発行してもらうことが重要です。

個人情報の勝手な利用

2019年の8月にリクナビが収集したデータを分析加工したものを企業に販売していたということが報じられました。こういう紹介者、仲介者に提供した個人情報がどう使われるのかは、きちんとした説明があっても、それがきちんとしたものに見えても、こういうことが起こります。つまり仲介者、紹介者は基本的には企業がスポンサーであって、日本語教師のために動いているわけではないということに注意しておくべきです。 エントリーシートなどで例えば「必須」などとあっても、個人情報は極力書かない。名前と捨てメアドくらいにしておいたほうが無難だと思います。

リクナビ、「就活生の内定辞退予測を企業に提供」報道に対し説明 「提供先が合否判定に使わないよう確約していた」 - ねとらぼ
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1908/02/news079.html

求職者の個人情報の取扱いについて | 大阪労働局
https://jsite.mhlw.go.jp/osaka-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/shokugyou_shoukai/hourei_seido/kosei/privacy.html

海外の求人は安くても仕方が無い?

よくアジアなどで現地通貨で月給3万円くらいでの募集があります。2016年によくみかけたNECのインドの日本語教育機関の募集も6万円前後でした。一般的に、日本語教師の求人は現地通貨、現地のレートなので安くてもいいだろう、それでも仕方が無いという風潮があります。しかし、NECは同じインドの法人の求人でマネージャーの月給は駐在員レベルの月給20万円代からになっていました。つまり相場によって都合良く設定されているということだと思われます。日本語教師は現地基準で募集しても集まる、的なことでしょう。では、法律的にはどうなのか?

独立行政法人 労働政策研究・研修機構 海外に派遣されている労働者には、日本の労働法規は適用されるのでしょうか。 http://www.jil.go.jp/rodoqa/11_jakunen/11-Q06.html

個別のケースでの適用の範囲は

ということのようです。ただ慣習的に

海外赴任と日本の労働法の適用
http://www.tokyokeikyo.jp/laborlawQ%26A/52kaigai.houtekiyou.pdf

海外で労働基準法違反があった場合、「労働基準法違反行為が国外で行われた場合には,刑法総則の定めるところにより罰則は適用されない。ただし日本国内にある使用者に責任がある場合にはこの使用者は処罰される。」とのことです。また、「海外に管理、指揮命令を行う独立した事業所がないところへ赴任させる場合は、労働基準法が適用される」という記述もありました。つまり、指揮系統が日本にあり、日本で雇用契約が結ばれるなら、日本の給料に準じるのが常識的なセンだということでしょうか。これらは基本、日本の会社で雇用して現地に出張、出向、などのケースです。現地企業に一時的に所属するみたいな複雑なケースもあります。

基本的に、契約時に現地の法律優先と提示して契約したら、それは現地の法律に従うものとなる、ということのようです。つまり現地並みの報酬での募集の場合は日本の労働基準法適用外だ、と考えていい。現地法人の雇用で、求人の際に出ている会社や学校法人が日本にあっても、それは基本的には仲介程度のことという可能性が大きい。おそらく契約時に交わす書類では日本の労働基準法に準拠しない旨が書かれているはずです。かなり注意が必要です。賃金だけでなく、残業や勤務時間、ケガや病気の際の保証など、法的な保護もない可能性が極めて高いわけです(口約束程度のことはするかもしれませんが)。

Q6.海外に派遣されている労働者には、日本の労働法規は適用されるのでしょうか。|労働政策研究・研修機構(JILPT)
http://www.jil.go.jp/rodoqa/11_jakunen/11-Q06.html

ベトナムの労働法(日本語訳) https://www.jica.go.jp/project/vietnam/021/legal/ku57pq00001j1wzj-att/legal_34.pdf

ベトナムの外国人就業規制についてもJETROに資料があります。
https://www.jetro.go.jp/world/asia/vn/invest_05.html

👉 ただし、「責任がある場合には」トラブルがあった場合、労基署に申し立てをすれば、労基法適用外とはいっても責任者は処罰される可能性もありとのころですから相談する価値はあると思います。日本語教師を派遣するような場合、現地との提携関係があるでしょうから、一時的な仲介とはいえず、日本の会社名で、その信頼で募集した以上は「責任がある」とみなされる可能性もあると思います。

👉 また、労働基準法に準拠しないような形で海外の仕事を紹介、斡旋、仲介するようなことは、国内で法務省に認定された日本語教育機関としてふさわしいのか?また学校法人が行ってもいいことなのか? 疑問が残ります。今のところ日本語教育業界にはルールはないようです。規制と監視が必要なところではと思います。仮に現地の教育に貢献するのが目的であるならば、自分の学校で給料を支払って自分の学校の教師として責任を持って質保証し、派遣すればいいのです。

自分で開拓する

新たなジャンルの開拓は、仲介者、紹介者を頼らず、自分で事前に調べ、訪ねて自ら担当者と話をし、聞くべきことをきちんと聞き、文書で確認をとったほうがいと思います。日本語教育が必要だと思う会社のサイトを探し、その会社の身体検査を自分でやって、いいと思ったら、できれば、ハローワークや正式な職業斡旋業者を介してコンタクトする。

できれば、日本語教育関連ではないところ、例えば外食チェーンなど、大手で「少なくとも日本語学校や技能実習の送り出し機関よりは」コンプライアンス意識も高く、メディアや業界団体などからの監視があるところ、に「自前で日本語教育やりませんか?」とコンタクトしてみるほうが将来性はあると思います。

ハローワークはネットでのマッチングを始めるようです。→ 2020年1月6日からハローワークのサービスが充実します!

👉 代表者や役員の名前(会社名より個人名のほうがボロが出やすい)でググるだけでなく、ツイッターでも何かつぶやかれてないか検索:してみましょう。

👉 これから本格的にリセッションに入っていく、社会保険が破綻しかかっている国で、経営者や業界団体のモラルが低く非正規雇用の比率が7割近い、しかも労働者の組織も発言権もない業界で、法律的な保護が圧倒的に手薄な、日本語以外でも全体として単価が下がり続けているフリーランスとして生きていくのは無謀です。

若者雇用促進法

若者雇用促進法はいわゆるブラック企業と呼ばれているところに罰則を設けるための法律です。2016年の3月から施行。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000097679.html

これを利用して情報開示請求をした記事がありました。
http://www.mynewsjapan.com/reports/2242

この改定にともなって、優良企業を認定する制度もできました。 ユースイエール認定企業
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000123441.pdf
→ 若者対象とはいえ「学卒3年以内での募集を行っていること」なので、日本語学校も対象になるはずです。その他の条件は、待遇や求人の透明性、職業訓練制度がきちんとしている、など職場の環境に関することです。

ユースエール認定企業は、こちらに 若者雇用促進総合サイト
https://wakamono-koyou-sokushin.mhlw.go.jp/search/service/top.action
→日本語学校は登録無しです。

*「離職率」の理解も。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%A2%E8%81%B7%E7%8E%87

いわゆるブラック企業の名前公表

2017年5月から労働基準法違反の企業は名前が公表されることになりました。毎月追加で、1年で掲載修了となるそうです。公表されるのはここです。日本語学校でも強制労働で書類送検となった豊栄グループが入っています。日本語学校が入るのは珍しいと思いますが、日本語学校の学生のアルバイト先などが入ってないか検索してチェックする価値はあります。 http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/151106.html

契約前後の問題

「当校規定」によるはダメ

これも、本来ならアウトですが、日本語学校の求人ではよく見ます。

職業紹介における労働条件等の明示について
http://shokugyo-kyokai.or.jp/shiryou/shokugyo/01-7.html

これは求人を掲載する側の責任が大きく、まず待遇に関してきちんと確認をとっているか、という問題があります。確認を取らずに掲載したら本来ならアウトです。次に待遇を明示すべきか、ですが、これも、明示しなければならないという考え方が一般的です。「当校規定による」というところへの応募はリスクが高いと考えて置いたほうがいいと思います。結果として待遇に問題がなかったとしても、コンプライアンス的に問題がある会社、組織という可能性があるからです。

コマ数契約は問題が多い

日本語学校の求人、契約はほとんどの場合コマ給契約です。コマ給はこれまで学校がサービス残業を強いる隠れ蓑になってきており、トラブルが多く、学校に指導が行われる判例もあります。それらを受け、厚労省では、コマ給の場合は授業などの拘束時間外でどういう仕事があるかを明記し、その報酬を支払うことを労働条件通知書に記載するというガイドラインを設けています。

これを守っていない日本語学校は問題です。

2017年の厚労省の「指針」

「使用者の明示または黙示の指示により労働者が業務に従事する時間は労働時間に当たる」ということになりました。そして、「「過少申告」が行われていないかどうか、企業側に実態調査をするよう求めた。」とのことです。2016年から働き方改革の流れで、新たにこれまで曖昧だった準備や勉強の時間が労働時間であると明確に認められることになりそうです。

・会社や上司の指示がなくても、結果として業務に必要な勉強などをしなければならなくなった時はその時間は労働時間と認められる。

これは、コマ数契約の際、問題になる点です。コマ数契約は、授業の準備の時間などは労働時間に入れないという考え方をより進めたものですから、今の流れとは反対になります。また、研修や勉強など仕事に必要な勉強の時間も労働時間です。これは教師にとっては大きな変化です。

学習塾における講師等の労働条件の確保・改善のポイント(厚労省)
https://jsite.mhlw.go.jp/kanagawa-roudoukyoku/var/rev0/0120/1443/20182221457.pdf

厚労省によるコマ給の際の説明責任に関するガイドラインです。こちらにダウンロードしたものがあります。以下の画像はそのガイドラインの抜粋です。かなり細かいことを労働条件通知書に書く義務があります。授業時間以外の時間をきちんと計測し、時間に応じた報酬を支払わねばならないとなっています。

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2020年3月6日 コロナウイルス対策の関連質問で吉川元氏の質問に答えて、厚労省は、上記の件は学習塾を念頭に作ったものだが、当然日本語学校にも適用されると答弁。

*立憲民主党 吉川元氏は、質問時間のほとんどを使って日本語学校と教師の待遇について質問。24分ごろから都内の日本語学校に労基署から是正勧告があった件を質問している。
https://youtu.be/CbC0k0ZfXMs?t=1456

労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン(厚労省)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/roudouzikan/070614-2.html

これまでの悪しき慣行

日本語学校のコマ給とは授業ひとつの給料という計算方法でたいていの場合45分です。コマ給1500~1800円ぐらいが相場で、1時間にすると、コマ給で1500円ならば2000円なのでよさそうに見えますが、大きな問題があります。

古い日本語学校の慣行として、これまでは、日本語学校の1コマ(45分)のコマ給には、前後の拘束時間で合計2時間くらいが暗黙の了解として含まれていました。そのことを「うちは事前に説明し納得してもらって契約している」と自慢してる日本語学校のブログ記事に関係者の賛同のコメントがついてましたが(つい最近、2016年です)、説明しようが納得しようが違法です。これは、つまりコマ給で1500円で付随する業務の報酬を払わないこと、実質2時間で1500円なので、時給は750円、最低時給以下ですから、訴えられたら終わりです。日本語学校業界は、こういう関係者の無知が常識化している怖い世界でもあります。

国内でも予備校などでは、このコマ給は問題となり、裁判で学校側が負けるケースが続いており、現在は、コマ給は前後の時間も考慮するなら明確に説明した上で割増し料金で求人を出す(3000~4000円など)か、時給でタイムカードできちんとやるか(こちらのほうが多い)に転換しています。日本語学校の非常勤も時給計算で募集すべきです。コマ給で求人を出しているところは、ツイッターなどで、コマ給怖っ!などとツイートして撲滅しましょう。

授業が連続する場合

また、非常勤の契約の場合、複数のコマが続くことがほとんどだと思います。連続の場合、休憩時間が10分あるとして、その10分をどう考えるか、英会話学校のNOVAでは、コマ数契約だったそうで、いろいろ訴訟も起きているようです。
http://www.generalunion.org/jp/nova-g/1342-shakai

つまり、ノバでは、授業前後の2分づつは労働時間だとしてカウントするが、残りの6分はカウントしない。この6分は、3コマ続くと18分、それが月20日なら360分で6時間分です。時給が2000円なら1万2千円。年間で14万4000円。かなり大きいのです。

弁護士ドットコムの「非常勤 コマ」での検索結果

就職差別

会社が差別に関してどういう姿勢なのか、例えばその会社のコンタクトフォームに現れるなどと言われます。不要な個人情報を収集しようとしていないか、性別の項目は必要か?どういう選択肢があるか?などです。しかし日本語学校業界ではこの指標は役に立ちません。ほぼすべての日本語学校のサイトのすべてのコンタクトフォーム(教師や顧客の問い合わせ、応募など)にはあれこれと不要と思われる項目があり、性別の項目の選択肢には男女しかないからです。

👉 ここに2017年に文科省に基本情報を提出した現在稼働していると思われる日本語学校のリストとサイトのURLがあるので、知ってる学校のフォームを覗いてみて下さい。

公正な採用選考の基準 (厚生労働省)

http://www2.mhlw.go.jp/topics/topics/saiyo/saiyo1.htm

就職差別につながるおそれのある不適切な質問の例 (大阪労働基準局)
http://osaka-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/hourei_seido_tetsuzuki/shokugyou_shoukai/hourei_seido/kosei/futeki.html

後述する社会保険制度の関連で、既婚者、(つまり学校側の社会保険の負担がなく、配偶者の扶養で雇える人)を優先的に雇用しようという動きも出てくるかもしれません。おそらく、これまでもそういう傾向(既婚者が優遇される)があったとは思いますが。

性的少数者に対する仕事関連の法的保護

いろいろな条件をクリアし、性同一性障害と認められた場合は、2003年に成立した性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律 によって保護されることになった。ただしこれは戸籍など文書上のこと。

性的少数者に関する包括的なものは、現在のところ、法律の規定されたものはなく、男女雇用機会均等法にも記述はなく、海外からも批判されている。ただ、文科省のいじめ防止の方針のガイドラインがある。文科省管理下にある日本語学校において、就職や職場で差別的なことが行われた場合、告発があれば、日本語教育機関としての適格性の判断に影響を及ぼす可能性はある。

平成29年3月16日「いじめの防止等のための基本的な方針」の改定及び「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」の策定について(通知):文部科学省
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1400142.htm 

障害者差別解消法リーフレット - 内閣府
https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/sabekai_leaflet.html

労働条件通知書

特に日本語学校で関係が濃そうなものをピックアップしてみます。労働条件通知書をくれない学校もあるらしく、ある意味では「早めにやめたほうがいい学校」として、わかりやすい最初の目安になります。

労働基準法15条では、賃金や労働時間に関しては、書面で交付する義務を企業側に課しています。会社は、雇用者に正式に文書で契約形態を通知しなければなりません。常勤でも非常勤でも、労働条件通知書は必ず出さなければなりません。契約時に、これ出さない学校は、(言わないと出さないところも)労働基準法を知らないか、守ろうという気が無いわけで、早めにやめたほうがいいでしょう。

必ず書かれていないとダメなもの(絶対的明示事項)

  1. 労働契約の期間
  2. 就業の場所、従事する業務の内容
  3. 始業・就業の自国。所定労働時間を超える労働の有無
  4. 休憩、休日、休暇、就業時転換(シフト制の場合の説明)
  5. 賃金(退職手当、ボーナス規程、計算方法、支払い方法、支払い時期、昇給のルールなど)
  6. 退職に関する規則、退職事由と手続き等の明示
  7. 期間契約の場合、更新のルール。

制度があり、必要であれば書かなければならないもの(相対的明示事項)

  1. 退職手当
  2. ボーナス規程
  3. 食費など付随的な事項
  4. 安全、衛生に関する規程
  5. 職業訓練に関する事項
  6. 災害補償及び業務外のケガなどの規程
  7. 表彰、制裁などに関すること
  8. 休職に関すること

*非常勤に対しては以下も明示義務があります。

  1. 昇給の有無
  2. 退職手当の有無
  3. 賞与の有無

*厚労省のガイドラインでコマ給の場合、授業時間以外で、労働条件通知書に明示し、時間に応じて報酬を支払わなければいけないとなっているもの

授業の準備・片付け、生徒からの質問・相談対応、テスト監督・採点、報告書作成、スケジュール作成・管理、システム入力、ミーティング、テキスト等作成、生徒・保護者との面談、保護者への連絡、販売促進活動、講師研修、朝礼・終礼、生徒の出迎え・見送り、清掃、戸締まり 等

👉 コマ給に関してはコマ給は問題が多いを参照してください。

厚労省による労働条件通知書のサンプルフォームです。

http://www.mhlw.go.jp/topics/2007/06/dl/tp0605-1l.pdf

同僚が誰ももらっていない、そういう習慣が無い、あるいは職員には出すけど教師にはいちいち出さない、というような学校は早めに転職を考えたほうがいいと思います。長くいないと決めたのなら、労基署に言って、労基署から労働条件通知書を出せと指導してもらい、受け取っておいたほうがいいです。でないと辞める際にもめる可能性があります(特にそういうところは契約やお金にルーズな場合が多い)。学校で労働条件通知書を出すにようになれば、辞める際の同僚教師への置き土産にもなります。労基署も「あそこは…」と要注意リストに入れるかもしれません。これも大きな置き土産です。まずは管轄の労働基準監督署にメールを送ることからやってみては?

雇用契約書との違い

労働条件通知書は、会社が雇用者に通知するもので、労働基準法が根拠。雇用契約書(正式には労働契約書)は、会社と雇用者との合意事項で、労働契約法が根拠です。労働基準法のほうが強いので、労働条件通知書は義務ですし、罰則があります。雇用契約書は罰則もないし、交わさなくてもいいことになっています。労働条件通知書は、通知書を出さない、内容に違反があった場合の罰則は原則30万円で、パート(非常勤)の場合は、+10万円となっています。雇用契約書の中に労働条件通知書で書かなければならない事項をすべて入れ込めば、雇用契約書で代替えできることになっているとのこと。

契約期間

労基法では期間の契約は3年までというルールがありました。これは強制労働などで長期間雇用契約が続いたりというリスクを考慮したもので、留学生にとっては、いろいろな歯止めになっている側面があります。

ただ、2004年に改正され最長5年まで大丈夫ということになりました。ただし高度な専門職に限るという条件付きです。

労働契約期間の条件について http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/dl/keiyaku._a.pdf

これをみるかぎりでは、だいたい年収で1千万くらいのポジションに限るということのようです。また有期の工事などの期間限定のケースも特例となるとなっています。

労働契約法

労働契約法 http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H19/H19HO128.html
労働契約法について (パンフ 厚労省)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/keiyaku/roudoukeiyaku01/index.html
労働基準法と労働契約法はどこが違うのですか?
http://j-net21.smrj.go.jp/well/qa/entry/Q0590.html

業務委託契約という抜け道

業務委託契約は法律用語ではないので、法律上は「請負契約」(民)法632条)または「委任契約」(民法643条)とされるとのことです。

民間の学校では、講師を業務委託契約にすることで、実質的な残業代の未払いなどいろんなトラブルが起きており、裁判にもなっています。そもそも業務委託契約は、指揮命令権がありません。仕事の進め方について指示が出せない(つまり授業のやり方に関して指示を出すことはできないはずです)、遅刻や欠勤で処分もできない、というもので、決まった時間に来て、授業を行い、授業関連の仕事もしなければならない非常勤講師に適用するのは無理があるのではと思われます。また、仕事の実態が雇用契約であれば、偽装契約とみなされてしまい、雇用契約と同じ義務を負うことになります。つまり、他の非常勤講師が雇用契約であれば、その講師と同じ仕事をやっているのであれば、確実に偽装契約とみなされるはずです。

首都圏大学非常勤講師組合・速報
https://uupltokyo.exblog.jp/tags/%E5%81%BD%E8%A3%85%E8%AB%8B%E8%B2%A0/ 

この記事によると

文部科学省が2016年6月に大学関係者に配布した文書(「大学が当該大学以外の教育施設等と連携協力して授業を実施する際の留意点について」)によれば、「成績評価」などの業務は、授業担当教員によって行われ、請負契約による従業員が授業担当教員となることはできないとされています。

とのことです。日本語学校の質的管理に関して、文科省の管理下となった以上は、学校教育法は重要な法律になったと考えられます。日本語学校の授業は国によって時間数も決められています。業務委託契約で行われた授業をこの授業時間に含めることはおかしいのではないかと思います。

👉 弁護士ドットコムの「業務委託 講師」の検索結果

契約後のいろいろ

36協定

36協定が締結されていて、それが労働基準監督署に提出されていないと、残業を命じるのは違法ということになります。日本語学校の場合、組合があることは少なく、これがちゃんと締結されているかはあやしいです。確認の方法は2つあり、ひとつは雇用者に「見せて下さい」というものと、労働基準監督署に開示請求する方法ですが、後者は難しいようです。前者は雇用主は見せないと違法です。根拠は以下に
http://www.soumu.go.jp/menu_sinsei/jyouhou_koukai/index.html

これも、問題は「目を付けられる」的なことでしょうか。一人で言うのは勇気がいるなら、教師で話し合って見せてと言うぐらいしかないかもしれません。あるいは、転職が決まったら、堂々と「見せて」と言い、内容に問題がないか、確認し、他の教師にも配る。ついでに労基署に届け出があるかも確認することを同僚への置き土産としてやるのはどうでしょうか?

👉 就業規則も見せてもらいましょう。雇用者はちゃんと見えるところに掲示するか、置いておく義務があります。これがないとか非常勤は見られないみたいな学校はダウトです。

勉強会、研修という名のサービス残業の強制

まず大前提にあるのは、労働基準法で会社は仕事に必要な研修は、会社の費用で行う義務がある、と決められている、ということです。これを勉強会としてやって、逃れようというところがあります。無料だから感謝しろというところもありますが、これは就業時間内にやるか、時間外なら残業として時給を払ってやるべきことなのです。

最近は、実質的に学校が主催するようなものがあるようです。専任の教師や教務担当が(時には校長の指示のもと)、「自主的に」勉強会をする。参加費は無料でお茶などが出る。でも、それは、本来やるべき研修を時給を払わずにやってるだけです。労基法では、その仕事に必要な研修の類いを賃金を払わずに就業時間外にすることは違反です。

研修期間中に賃金が発生するか
http://www.asahi-net.or.jp/~zi3h-kwrz/practicewage.html

研修はその会社(学校)で働いている場合は、参加が義務か義務的であれば、ほぼ賃金は発生する。つまり時給を払って研修しなければならないということです。また仮にその会社で働いてなくても、義務的なもので、そこで働くことになるなら、受けた時間の時給は支払わなければならない可能性がある。この可能性とは研修を受けることが条件になっていれば支払わなければならない可能性が高い、と解釈してもいいのではと思います。

ポイントは「参加が義務的であるかどうか」ですが「義務じゃないよ」ということになっていても、参加によって採用や昇進などに影響するならアウトで、実質的に義務だとみなされるはずです。専任でも、非常勤でも、査定(昇進や非常勤なら専任になるための査定)に影響するつまり、義務であるかどうかは別として外部の研修を学校が主催するのは、かぎりなくグレーな行為に近づくこととなります。就業時間内にやって時給を支払えばいいだけの話ですから。やっているところは、学校としての見識が問われると言ってもいいと思います。長くいるべき学校ではないと思います。

勉強会という名前でも同じことですが、「勉強会 労働基準法」で検索するとたくさん出てくるのでは以下は典型的な例です。 残業代が出ない終業後の勉強会について(教えてGoo)
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/6731746.html

採用前や面接合格後の本採用前の研修

日本語学校で、採用前や、採用後に勉強会と称して研修をやるところが結構あります。無料だから親切だと感じる人もいるようですし、学校側も「しっかりとやってます」的に宣伝したりしてます。有料の研修をして正式に就職したら返金みたいなところもあります。ただし、これは「実態として」ほぼ参加が義務となっているので、業務として行われていることです。学校は時給を払う義務があるはずです。今は、まともな会社は、こういうことはしません。ちゃんと就業時間内にやります。少なくとも訴えられたら、ほぼアウトなはずです。状況的に雇用する側が強いので訴訟になることが少ないだけです。

抗議はしにくいかもしれません。なんせ現在進行形で採用されたとか採用してほしい、という立場でしょうし。でも、こういうことをする学校は、基本、教師を育てるコストは払いたくないという考えであることはハッキリしています。学校で最も大事な教えることにお金を使わない学校です。そこで働くことになったのなら、すでに最初にひとつダウトからのスタートです。遅くとも、もうひとつ、怪しいと感じることがあったら、さっさと転職を考えたほうがいいでしょう。いろいろ調べたかぎりでは、まともなところは、常勤や非常勤を就業時間内にちゃんと育てるところが多いようです。そりゃそうです。教師をどう育てるかは、語学学校にとって最重要課題であるはずですから。

無期転換ルール

有期契約と無期契約の違いは契約期間があるかどうかですが、無期契約ではそれなりの理由がないと解雇できないので、移行できるならしたほうがいい、ということです。当然会社はしたくないので、「5年で雇い止め」ということが起こります。ですが、特に理由もなく、無期への転換を避けるための雇い止めは労働契約法違反です。裁判になったら働いているほうが有利です。「有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたときに、労働者の申し込みによって企業などの使用者が無期労働契約に転換しなければならない」というものです。これは私達が権利を行使しないと何も起きません。

申し込みができる条件

  1. 2回以上有期労働契約を締結(更新)している
  2. その期間が通算5年を超えている
  3. 有期労働契約の契約期間が満了を迎える前に無期労働契約締結の申込みをした

です。また5年間で半年契約してない期間があったらその前の期間は計算に入れることができません。基本継続していることが大事。2回以上の契約は、日本語学校の場合の期間の契約は年単位は少ないかもしれません。まして5年単位というのも考えにくいので、クリアしやすいと思います。問題は日本語学校側が、非常勤は5年以内に契約を解除する方針だったり、半年のブランクを意図的に作られることでしょうか。

3)ですが、申し込みのタイミングは、1年契約ならば、5年契約を消化した6年目です。3年契約なら2度目の契約で5年を消化するので、2度目にします。で7年目からは無期契約ということになります。申し込みをしたら雇い主は断れない(解雇するしかないので相当の理由が必要。普通は無理です)ので、申し込む権利を得たら早めにすることが大事です。「無期転換 申し込み」などで検索して確認してください。

また、申し込みができる間(1年契約なら6年目の契約中、3年契約なら2度目の契約中)に申し込みをしないと、次の契約をしないと言われたら権利は消えてしまいます。タイミングを逃さずすることが重要です。

👉 法律が変わったのは2012年なので、適用されるのは、2013年の4月以降の契約からです。

申し込みの方法

無期転換申込書
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/keiyaku/kaisei/dl/pamphlet15.pdf

説明はこの申込書様式がある厚労省のページにあります。
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/keiyaku/kaisei/pamphlet.html

権利が発生する可能性が出てきたら、自分が申し込みができるのか、確認して(労働基準局などで相談すれば教えてくれるはずです)、できれば、同じ考えの人とともに、直接責任者(校長ではなく理事長などに)に渡すのがいいと思います。受け取ったら受理証というのを渡さないといけないので、受理通知書も印刷して一緒にあげてもいいと思います。「受理通知書をいただかないといけないらしいので、すみませんが、ちょっとこちらを作っていただけますか?」と。

受理通知書
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/keiyaku/kaisei/dl/pamphlet15.pdf

普通の経営者なら、心の中で「キター!」と思っても、「あーはいはい、ちょっと待っててね。後から出します。その前にちょっと話をしようか」ということになるかもしれません。ただ、長期にわたって雇用している非常勤が多い日本語学校は、基本、無期雇用に転換されるのは絶対に困ると考えていると思います。そこから、じわじわと無期転換は困る、しないで、という話が続くかもしれません。三ヶ月契約なら、時間切れまで粘られるかも。無期転換する意志があるなら、期限があるので、対処お願いします。ときっぱり伝えることが大事です。

事前に会社に通達、相談しないで突然渡すのはちょっと…、というなら、まず話し合ってでいいと思います。どういう形がいいのか、まだできたばかりの法律なので、よくはわかりません。しかし、なあなあ、グズグズにしないで、きちんと権利は行使するつもりでやったほうがいいと思います。

👉 長く働いている非常勤には、それとなく尋ねてくるかもしれません。「非常勤の契約もそろそろ4年ですけど、今後のことに関して、何かお考えがありますか?あ、特にない?じゃあ、いいのいいの。じゃあねー」みたいな。

会社は、申し込みを受けたら、無期に転換するか、正社員として雇うかという選択をします。

2018年が最初のヤマだと言われています。

2018年に大量発生する「無期契約社員」はどんな社員か? | プレジデントオンライン | PRESIDENT Online
http://ow.ly/sQTJ309ATQm
無期契約社員と正社員との違い – 弁護士ドットコム
http://ow.ly/yo9G309ATTc
有期契約労働者の円滑な無期転換のためのハンドブック 厚労省
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000138212.html
無期転換ルールQ&A
労働契約法に基づく「無期転換ルール」への対応について
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000099928.html
(石川労働局のサイトにあったものを保存したものです。よくファイルのURLが変わるので)

判例など

弁護士ドットコムの「講師」の法律相談
https://www.bengo4.com/c_5/bbs/%E8%AC%9B%E5%B8%AB/

□ 大学方面はちゃんと問題にされるので話題も多い。

5年雇い止め、和解になった早稲田の件
http://biz-journal.jp/2014/06/post_5050.html
来学期から東京大学非常勤を辞めることになりました
http://d.hatena.ne.jp/saebou/20151221/p1
日米における大学非常勤講師の位置づけ
http://togetter.com/li/16041
東大では非常勤は教職員に含まれない?
http://togetter.com/li/834091

労働時間を記録しよう!

タイムカード以外にも証拠となるものはたくさんあります。「労働時間 記録 証拠」などで検索してみましょう。

専任(社員)の人は定時を過ぎたら、非常勤の人はタイムカード外の労働で働いた時間が記録されない状況になったら、請求するかどうかは別にして、とりあえず記録しておきましょう。メモでも有効と言われていますが、客観的に「そこにいたこと」「時間」がわかるもののほうがいいと言われています。タイムカード以外にも労働時間を記録する方法は意外とたくさんあります。

社内、学校内で

パソコンでの作業が終わったら、業務が終わったので帰宅しますなどとメールを上司などに送る。会社のパソコンの送信時間が残ります。可能なら、BCCで自分の個人アドレス宛にも送る。

スマホで会社の時計があるところで時計を入れて写真を撮り、これもメールやLINEで自分宛に送っておく。

残業で買い物に行った時のレシートなども撮っておく。経費請求として残るはずなので、写メも。

自宅での作業の時間もメモっておく。Googleドキュメントで作成すると、履歴に作業者と時間が残るのでワードより有効かもしれません。

会社が委託している警備会社やビルなどの警備記録に出社、退社時間の記録が残っている可能性があります。

遠足など学校外のイベント

2020年の日本語学校の現状

1月 日本語学校に労基署から是正勧告

2020年のはじめには、千駄ヶ谷日本語教育研究所付属日本語学校を経営するベスト・コミュニケーションズという会社が、非常勤の日本語教師に違法残業を強要していたと新宿労働基準監督署から是正勧告を受け、ヤフーニュースなど各所で報道されました。1975年に設立された名門校で実質的な代表者は、全養協(全国日本語教師養成協議会)の代表などを歴任し、日本語教育推進法関連の会議などにも出席する人物でした。

しかしこの事件に対しては、SNSなどでも実名のアカウントや学校などに認知されているアカウントの人による言及はほとんど無く、学校関係者も口を閉ざしました。この件ばかりは学生のアルバイト問題のように「一部の学校の問題」ではないことを、皆が知っているからだと思われます。労働組合の組織の団体交渉は広がっているようですが、零細企業が多い日本語学校ではネットでさえ声が上げにくい状況があり、なかなか広がっていかない模様です。

7月 学校関係者による情報発信

ちょうど2020年の時点の学校関係者の考え方がわかる動画ありました。日本語学校関係者の現状認識の記録として貴重な資料になると思いましたので、以下引用させていただきます。なかなか業界内部のことがわからない状況で貴重な情報提供に感謝します。

新世界語学院の学校長、東京三立学院の教務主任、ミッドリーム日本語学の校長という方々で、うちお二人は東京の日振協の教師研修の委員でもあるまさに日本語学校のど真ん中という人達による対談です。以下概要をまとめてみます。

概要

非常勤

👉 非常勤講師は週40コマやっても日本語学校が稼働しているのはせいぜい年間40週程度なので1600コマにしかならない。実質的な天井というのコマ給2500円で「手取り」が400万。(ただし週40コマは体力的にも仕事を安定して確保できないという意味からも不可能だと思われる。実際は1000コマでもハード)

専任

コロナ

動画をみた印象

現場の感覚は、90年代とまったく変わらないという印象でした。コマ給は当然のものとして語られ、授業準備は労働時間に入れないこともやはり当然のこととして語られる。年収で手取り300万台(実質300万以下)くらいで昇給はあまり期待できないがとりあえず「稼げる」「食っていける」「やる気が伝われば就職できる」ということに結論に導きたいという意図を感じる動画でした。後半では「日本語教師のやりがい」が熱心に語られ、授業準備を自宅でやることが「誰もが通る苦労話」としてたのしげに語られるのも90年代と同じ。「実家なら食べていける」ことが仕方ないこととして語られることも同じ。収入などの議論にも関わらず調査に基づくものではなく「自分の身近な例」で語られること、客観的なデータがないという問題にも触れられないのもやはり、90年代から続く日本語学校業界の議論のままという印象です。比較的若い世代の方々でもこういう認識なのだなということを改めて確認できました。

👉 ただ「すごく稼いでいる人もいる」という特殊な例が強調され「可能性がある」とし「だから食えないというのはウソだ」というようなレトリックは2020年代的かもしれませんし、「自分の強みを持っている人は採用時に有利」と言うけど、あくまでそれは採用されるかどうかであって、その強みに対して報酬を設定されているのかは語られない(ほぼ設定はされていない)のも、とても日本的で今風かもしれません。

また、このチャンネルの他の動画で「履歴書で誤字脱字がある人はそれだけで採用しない」という校長氏の強気な発言もあり、学校関係者の意識の中で、2015年以降の教師の買い手市場が完全に終わったことが窺えました。

90年代から教師の待遇の問題として続いてきた最も大きな問題であるコマ給の問題は学校関係者にはまったく問題として意識されておらず、前述の授業準備の話しも含め、この対談の数ヶ月前の千駄ヶ谷日本語教育研究所付属日本語学校が新宿労働基準監督署から是正勧告を受けたニュースは、残念ながら業界には影響を及ぼしていないという印象です。

今後の展望に関しては、2018年に留学から就労へという大きな方針転換があり、今後、留学生と学校は減少は確実となったタイミングでコロナが来たということは語られておらず、天災とも言えるコロナ禍が過ぎれば、東日本大震災のようにV字回復するかのような話になっていました。しかし、コロナ問題だけをみても、8月現在、東南アジアで感染は広がっており(ベトナムでの感染が広がったと報道されはじめたのはこの動画の公開の5日前)日本がハイリスク国になりつつある(という認識になったのは動画公開の半月以上前)。入国規制が解除されても見通しが明るいとは言えないという現状認識ではなかったようです。留学から就労サポートへの転換、オンライン化など「次の話」がほとんど聞けませんでした。

👉 ここで出た教師採用時の模擬授業は本物の生徒相手にフル時間でやるという話しは時々聞きますが、この種の協力で、生徒に対する報酬がきちんと支払われているかも気になりました。

補足

社会保障

2010年代後半の働き方改革によって社会保障制度は大きく変わりました。方向としては、これまでより労基法の適用が厳しくなり、情報公開も進める。非正規も社会保障を適用し、介護や育児のサポートが手厚くなるというものです。

働き方改革というのは簡単に言うと「日本の社会保障制度は厳しい。今後ますます厳しくなる、だから家族で働ける人は働いてくれ、その代わり非正規も手厚くするから」ということだと思います。政策として受け入れるかどうは別として、働いている日本語教師にとっては悪くない変化です。日本語学校業界がまともであれば。。。

日本語学校の非常勤講師の社会保険加入率は調査はありませんが、1割前後のはずです。昔から、日本語学校は非常勤講師が社会保険の適用の条件に達しないように担当時間を調整することが行われており、コマ数契約にこだわるのも、業務委託で授業を担当させることがあるのも、社会保険の適用逃れという側面があると思われます。

このこのままだと、2020年代は、日本語教師は社会保証がない社会の底辺の仕事になる可能性が高いです。

これは2016年8月から置いているアンケート「日本語教師への10の質問」の結果です。
http://bit.ly/2W2hsbH

社会保障改革 |厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/shakaihoshou/kaikaku.html

我が国社会保障制度の構成と概況
https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000474989.pdf
社会保障制度改革の全体像
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/shakaihoshou/dl/260328_01.pdf

社会保険制度は2019年10月から変わる

厚労省による社会保障の国際的な比較動画

概要

2019年の10月1日から社会保険は中小零細企業にも適用が拡大されると言われています。ほとんどの日本語学校の非常勤講師も対象になるはずです。

社会保険とは、いろいろ考え方はありますが、基本的には「健康保険」「厚生年金」「介護保険」「労災保険」「雇用保険」のことです。会社に入ると、会社と個人で折半して払うことになり支払いは会社給料から天引きされる、というシステムです。社会保険は従業員5人以上が常に働いているところは加入義務があります。対象は正社員だけでなく、契約社員やパートにも適用されます。一般的な正社員の所定労働時間は週5日、一日8時間となっているので週40時間を目安とし、おおむね四分の三以上働き、二ヶ月以上雇用見込みの場合は、会社は社会保険に加入できるようにしなければならないことになってます。「月に120時間以上」が目安となっているという話もあります。この「おおむね」の解釈でこれまで問題になってきた歴史があり、会社側は四分の三以上にならないよう(小ずるく)調整する、あれこれと少なく解釈して要件に満たないとする、で、契約社員やパートに訴えられて裁判に、ということがあったとのこと。

日本語学校も90年代にすべて加入すべしという通達があったようです。90年代に「無理だよ」「社会保険大変だよ」という日本語学校経営者の声を聞いたことがあります。現在は、専任の教員は社会保険に入ることが法務省の日本語教育機関の認定の要件となっています。 http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri07_00044.html

自己負担分の目安と社会保険加入のメリット

健康保険は、給与の5%前後が自己負担。自営業の国民健康保険よりも自己負担は減り、出産手当て金(出産で42万円、産後休業分で56日×一日の報酬額)や傷病手当金(ケガや病気で会社を休んだ時に一日の報酬額の三分の二が支給)など手厚くなります。厚生年金は、給与の8-9%前後が自己負担。国民年金に+され、支給額もかなり多くなります。厚生年金の支払い額は国民年金も含まれているので支払う額としては一本化されます。

介護保険は40才になったら支払うシステムで、労災保険は全額会社負担。仕事でケガをしたり病気をしたりしたときの保証をしてくれます。

雇用保険は給与の約0.5%が自己負担とのことです。会社の加入義務は他の保険より厳しく、週20時間働く人で31日以上雇用の見込みがある場合は会社が加入する義務があり罰則もあります。失業時の再就職までの期間、失業手当(7,000円前後×90~150日分)等が給付されます。また、育児・介護休養の際の補償(給与の約67%)もされます。

すべて合わせると、給料の15%近くは引かれるわけです。20万円なら3万円。ただ、健康保険、介護保険は、自営業になっても払う(合計で15000円くらい?)ので、年金も増えて、いろいろ手厚くなりますし、仕事をしている間のケガ病気の保障もある、日本語教育業界は失業のリスクは高いし、今は、扶養でいいといっても、例えば、経済的な自立がないことが、将来、離婚という選択肢の障害になるかもしれない、となると、長い目でみれば、やはり加入したほうが圧倒的に得という気がします。

社会保険拡大の経緯

2016年10月

2016年10月からパートタイムであっても一定の条件を満たす人は、社会保険に加入することになりました。また結婚していて配偶者の扶養下でいられる上限の金額が年収で106万円となります。

*日本年金機構 平成28年10月より短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大が始まります。 http://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2016/0516.html

パートタイムで社会保険に加入できる要件は

  1. 週所定労働時間が20時間以上
  2. 年収が106万円以上
  3. 月収が88,000円以上 
  4. 雇用期間が1年以上
  5. 企業規模が従業員501名以上(*平成31年9月30日までの時限措置)

2024年にかけて段階的に「51名以上」に移行する方向。

👉 厚生労働省 短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大

👉 2017年、パートの扶養控除の年収の上限は150万円になりました。

月収の計算は日本語学校のように休みが多少あっても、基本、週の労働時間×52週を12で割るで出る額でよさそうです。ただし、これは「いちおうの目安」とのこと。2017年の4月からは、労使の合意があれば、社会保険への加入はできることになりました。学校で、教師で話し合って提案することができるわけです。

いろいろと訴訟も起こっています。 ベルリッツの講師、日本年金機構に勝訴
http://generalunion.org/jp/2014-08-06-05-33-55/1473-2016-07-14-02-35-15

&color(grey,white){👉 2017年に決まった扶養控除の上限額の150万円は、仮に時給1500円で計算すると、ちょうど1000時間です。日本語学校は実働は、年40週くらいでしょうか?40週で計算すると、週25時間。つまり扶養がいいという人にとってはもっと働けるようになった、ということになるわけです。日本語学校にとっては有利な法改正です。学校は、社会保険を払わずに済む、結婚していて扶養でやる人を雇いたいという傾向は強くなるかもしれませんが、もちろん、結婚している、してない、する予定があるないで、採用不採用を決めるのも、面接時に関連の質問をするのも、採用後に妊娠結婚で退職を迫るのも、男女雇用均等法違反です。 }

社会保険に関しておかしいなと思ったら

社会保険の管轄はいろいろ違うので相談する先が違います。学校がきちんと説明しない、加入させない、みたいなことは、先にあげた全国労働基準監督署でいいと思いますが、個別の問い合わせ、相談なら、以下に。

□ 雇用保険未加入の相談先は全国ハローワーク。
http://www.mhlw.go.jp/kyujin/hwmap.html
□ 労災保険未加入の相談先は労働基準監督署の労働保険適用担当
都道府県労働局(労働基準監督署、公共職業安定所)所在地一覧
http://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shozaiannai/roudoukyoku/
□ 健康保険未加入の相談先は全国健康保険協会の近くの支部
http://www.kyoukaikenpo.or.jp/
□ 厚生年金未加入の相談先は日本年金機構
http://www.nenkin.go.jp/section/tel/

その他リンク *年金機能強化法
http://www.gov-online.go.jp/useful/article/201407/1.html

離婚後の社会保険
http://www.rikonmondai.jp/problem/hoken/

育児休暇に関する新しい法律

「次世代育成支援対策推進法」というのがあります。

1999年(H11)に成立した少子化社会対策基本法に基づき、2005年にスタートした施策で、主に育児休暇に関してきちんと取りましょうという政策。最初は従業員301人以上の企業に計画を提出させ、認定基準を満たしたところには「認定企業(くるみん認定企業)」として名簿に載せて公開、というものだったが、2011年以降は中小企業にも拡大された。今後はほとんどの日本語学校があてはまる「従業員100人以下の企業」も努力義務から義務へとなる可能性は高い。(女性が多い日本語教育業界では注目すべき施策であるが、2016年秋の時点で、日本語教育業界で話題になったことはない。認定された学校も見当たらない)

次世代育成支援対策推進法の概要
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/jisedai-suisinhou-gaiyou.html
その後の改正と中小企業、100人以下の企業への適用拡大など。
http://www.mhlw.go.jp/seisaku/2009/02/01.html
基準認定企業の一覧
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/jisedai/kijuntekigou/index.html

パンフレット(認定基準などの解説がある)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/26.html

日本語学校の役職に関する法律

学校によって、教務主任やその他役職があるケースがあると思います。教務のトップとその下にいくつか役職があるケースもあると思います。法務省の規定上も、日本語学校には「主任」という役職があります。

ロ 留学告示別表第1の1の表若しくは別表第1の2の表,別表第2又は別表第3に掲げる日本語教育機関の常勤の日本語教員として3年以上の経験を有する者であること。

と3年以上の経験が必要です。これは教務主任として届け出をすることになっています。事実上の教務のトップという位置づけです。この教務主任は労働基準法上の「管理監督者」にあたるのか?(残業代はなくても仕方ないのか?)に関しては、はっきりとした記述はありません。一見、届け出をする必要があること、主任になるための条件が法務省の新基準でハッキリしていることから、管理監督者にあたりそうな気がしますが、肝心の主任の手当てなどのガイドラインもガイドラインを守るための罰則などもありません。

しかし、労基法上も、管理監督者は、以下の3つの条件をクリアしてなければならないとなっています。

  1. 経営者と一体的な立場で仕事をしている。
  2. 出社、退社や勤務時間について減額な制限を受けていない。
  3. その地位にふさわしい待遇がなされている。

会社によって幅があってもいいとされていますが、判例をみても、形ばかりの金額では完全にアウトで、勤務時間で自由な裁量権がなかった場合も、ほぼアウトです。教務全般の人事権もほぼ持っていないといけない。教務主任がそういう待遇を受けているという話はほぼ聞きません。こうなると、日本語学校でこれにあたるのは校長か大手の学生数がかなり多い(500人以上とか)ところの教務主任くらいでしょうか。それでもワンマン経営が多い日本語学校で、「経営者と一体的な立場で仕事をしている」をクリアしているところは少ないはずです。ほとんどの場合、教務の役職は、労基法上は「管理監督者」にはあたらないのではないか、と思われます。

その他、職場でのいろいろな問題と法律

労災

労災は、雇用されていれば常勤でも非常勤でも、受け取る権利があります。ただし全額会社負担なので、会社は、払いたくない。会社の中で暴力を振るわれたとかなら明白ですが、通勤途中でケガをしたみたいなことだと、寄り道中なら払わなくてもいいので、いろいろと詮索されると思います。 ケガだけでなく病気も該当します。メンタルな病気もです。過労死などもまず労災の支払いがあり、加えて損害賠償という話になります。

ケガをしたり病気になったりの場合は、学校ではなくまず地元の労働局に相談してみましょう。「労働局 県名」で出てくると思います。そのうえで学校に申請するなりを決めてください。問題なったら早めに弁護士や司法書士に相談でもいいと思います。

ハラスメント

まず、日本語学校の場合、明らかに男性のほうが厚遇である、というケースはあるように思います。例えば、採用時は同じ、つまり「雇用機会」は同じであっても、専任への道となると男性有利というケースが多いようです。もちろん、こういうことも「男女雇用機会均等法」で禁じられています。しかるべきところに相談、通報する選択肢はあります。 日本語学校業界では、採用や昇進などに関してハラスメントは起きていますが「そういうものだ」と見逃したり、退職して終わりになったりということで、問題は顕在化しないまま数十年が経過した、というのが実態ではないかと思います。

厚生労働省 職場でのセクシュアルハラスメントでお悩みの方へ
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku06/

セクハラ110番 セクハラの裁判例
http://110sekuhara.com/saibanrei/sh11.html

厚生労働省 パワハラについて(明るい職場応援団)
https://www.no-pawahara.mhlw.go.jp/

厚生労働省 パワハラの裁判例(明るい職場応援団)~  https://www.no-pawahara.mhlw.go.jp/foundation/judicail-precedent/

弁護士ドットコム ハラスメント
https://www.bengo4.com/c_5/c_1623/

法務省 人権ホットライン
http://www.moj.go.jp/JINKEN/index_soudan.html

弁護士ドットコム 偏見 差別
https://c-3.bengo4.com/bbs/%E5%81%8F%E8%A6%8B+%E5%B7%AE%E5%88%A5/

いわゆるヘイトスピーチ関連

日本語教育業界は外国人相手だから異文化理解にすぐれているだろう、意識は高いだろうと考えている人は多いですが、学校関係者、日本語教師も含め、全然そんなことはないと思います。例えば、日本語学校のサイトをみても、ほぼすべての学校のフォームには性別の項目があり、99%男女の選択肢しかありません。日本語学校に就職する場合も様々な問題があったはずですが、誰もアクションを起こしてきませんでした。日本語教育関係者が付き合うのはせいぜい3,4カ国の人達です。中国、韓国、ベトナム事情に詳しくても、その他の国や、国際的なプロトコルは知らないままで人権感覚も低いということはよくあります。

この点に関しては、ホテル業界や外資系企業や多国籍企業はもちろん、大手のIT企業や海外とも仕事をする国内一般企業のほうが昔から蓄積があり、圧倒的にまともです。日本語学校と日本語教師は異文化の理解者の先駆的でもなく先頭に立つ業界でもありません。

日本語学校は、ほぼ、はじめて外国に行くというような若者相手の仕事で、トラブルが絶えません。慣れてない人は、最初は、いろいろなストレスを感じる職場でもあります。日本語学校で実際に働くことになると、職員、教師はもちろん、経営者に至るまで、日常的に「**人は質が悪いから監視が必要」「**人は好きじゃない」というようなセリフが聞かれるところはあります。

最近の傾向でいうと、2010年以降特に日本語学校の主力が東南アジアに移ったことで東アジア圏に対するヘイトスピーチが増えています。日本語学校の業界団体の役員クラスの学校経営者がブログのコメント欄で「(程度の低い)**国と付き合いがなくなってせいせいした」という書き込みをしていた例もありますし、ツイッター上でも日本語学校の校長による問題投稿などがありました。これらはすべて2015年以降に起きています(どちらかというとIT関係が苦手な日本語教育関係者が、ネットで書き込んだりするようになったのがこの頃から、という事情もあります)。

仮に欧州の留学生相手の教育機関の関係者がSNSなどで同じ発言をしたら、学校や関連組織が即座に謝罪のコメントを出し、処分をする。それだけでなく、新たな啓発プログラムを作り再発防止をやると宣言するという事態になるのではと思われます。当事者は一発レッドカードかもしれません。特に移民問題を抱え火種となっている国々では、今は、ヘイトスピーチというのは人権問題に加えて、さまざまな犯罪の呼び水となるリスクをはらむ危険行為という認識となっています。

2016年に日本でできた法律です。

本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H28/H28HO068.html

法務省によるヘイトスピーチ実態調査
http://www.moj.go.jp/content/001201158.pdf

法務省では、この法律に基づき、以下のような実態調査や啓発活動をしています。 ヘイトスピーチに焦点を当てた啓発活動
http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken04_00108.html

法律は「不当な差別的言動の解消」が目的だと、いうことになっています。文科省ではこの法律に基づいた学校などでのとりくみを以下のページにまとめています。2017年以降、日本語学校は文科省監督下になったので、問題化される可能性は高くなったと考えるべきです。 外国人の人権尊重に関する実践事例
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/jinken/jirei/1384042.htm

不十分である、という意見はさまざまですが、代表的なものとしては、国際NGOのヒューマンライツ・ナウのものがあります。 http://hrn.or.jp/activity/6884/

しかし今のところは「推進の取り組み」ということで、明確な禁止事項も罰則もありませんし、「言動」に対する注意喚起までですが、この「推進の取り組み」は今後発展して差別禁止法的なものになっていく可能性はあります。法務省と文科省は取り組みに熱心な省庁ということになっているので、日本語学校は例えば学校の設置者の適正の判断において、影響を受けることになるはずです。

関連論文

ヘイトスピーチの憲法的研究-ヘイトスピーチの規制可能性について 2016:日本の事情と各国事情
http://ow.ly/I4uG30b2H4W

イギリスのヘイト・スピーチ関連法令 2015:イギリスの法令の翻訳
http://ow.ly/qLz730b2GTr

〈研究ノート〉ドイツの「反イスラム化愛国者運動」とヘイトスピーチ 関西学院大学リポジトリ
http://ow.ly/QeDQ30b4pnQ

転職や辞める際の法律いろいろ

2つのパターンに分けて考えてみます。

  1. 他の仕事から日本語学校へ、またその逆
  2. 日本語学校から日本語学校への転職

失業保険

失業保険に関しては、雇用保険に加入していれば受け取れます。申請が必要なのでググってください。ただし、雇用保険に加入していないと支払われません。日本語学校だと非常勤はほとんど加入してないはずです。専任は社会保険全加入になってますから「おそらく」大丈夫ですが、中には一旦加入しておいて、その後こっそり抜けるという悪質なとこともあるそうです。

また、就職先が決まった場合はまた再就職手当てなどが受け取れます。再就職先が今の職場より給料が安い場合は「就業促進定着手当」がもらえることがあります。一般の会社から日本語学校に就職した場合は、このケースが多いのでは?と思います。その他、いろんな補助がありますので、ハローワークなどで、尋ねてみてください。

ハローワークインターネットサービス – 就職促進給付
https://www.hellowork.go.jp/insurance/insurance_stepup.html

給料が未払い&学校が倒産した

未払い賃金立替払制度

日振協の事業報告書によると廃校となるのは年に5校前後のようです。日振協の加盟校は6割弱なので、全体では、おそらく年に7~10校くらい廃校になっているはずです。また廃校にならずとも、学生が集まらないまま休眠中(買ってくるところがあったら売るかも)みたいなところもあると思います。2017年で法務省で認可された学校が550校前後で、文科省にデータを提出したのが370校前後。データ提出をしていない学校は理由はわかりませんが、稼働してない可能性が高いので、ざっくりと400校くらいは稼働していて、年10校が消える。40校に1校くらいのペースでつぶれているということになります。2015年以降、数ばかり増えたといこともあり、2020年以降、増えそうです。

未払い賃金立替払制度など、倒産の場合の保証は、学校法人や株式会社、個人経営などの運営形態によって、また倒産の形態によって違うとのこと。しかしはっきりと法律上の倒産ではなくても事実上倒産状態(事業がストップとか給料が未払い状態)なら、国が未払いの給料を保障してくれる制度があります。問い合わせてみて下さい。上限88万円~296万円くらいまでで、8割くらいは受け取れる可能性があるようです。仮に50万くらいが戻ってきて、質魚保険が月15万、3ヶ月間出れば、再就職のための資金にはなりますし、独立の資金にもなります。

未払賃金立替払制度の概要 |厚生労働省
http://ow.ly/ykL0309Zx1j

独立法人労働者健康安全機構 (問い合わせ先があります)
https://www.johas.go.jp/tabid/417/Default.aspx

日本語学校の学生と労働関係の法律

入管法で

日本語学校には28時間というバイトの枠があり、これを越えるとわかると、わりと簡単に入管法違反で学生と理事長が逮捕されます。「実際は28時間以上働いている」などと言われていかにも黙認されているようですが、はっきりとした証拠が掴めれば動きます。これは法務省の入管の仕事なので、入管の窓口がよいと思います。ウェブ上にもフォームがあります。

入国管理局には情報を受ける窓口があります。不法就労が疑われる場合は、ここです。

総合窓口
http://www.immi-moj.go.jp/zyouhou/index.html

各地域の入管の連絡先
http://www.immi-moj.go.jp/soshiki/index.html

ただし違反していて、その事実を知っていたという証拠がなければ起訴猶予などで有罪にまではなりません。組織として28時間以上働くことが前提となった学生募集をしたとか、そういう契約がみつかったということになれば、執行猶予が1年くらいの有罪判決になることが多いようです。有罪となると告示では、一定の年数(5年など)学校の設置者にはなれないことになっていますが、コンサルティングなど周辺の仕事はできるようです。

労基法で

しかし、28時間は守っていても、労基法上違法な形で働かされているケースがあります。法務省=入管は、28時間には厳しくても、労基法に関してはスルーです。労基法は厚労省。通報先は、その地域の労働基準監督署です。動いてくれという申告、告発は本人じゃないとできないというのが原則ですが、家族や弁護士なども可能です。情報提供ならば、第三者でも最初のリンク集にある「労働基準関係情報メール窓口」宛てに匿名でメールで可能です。

技能実習生

日本語学校の学生が技能実習生と同じところで働いているケースがあります。また、最近は、日本語学校では技能実習生の請け負いをするところが増えてきました。学校にとっては重要な取引先です。ここ何十年も、8割近い技能実習生の受け入れ企業がなんらかの違反をしているという調査結果がありますので、常態化していて「ああいうのが普通だから」「ひどいところに較べると良心的」とスルーされるようになっています。

留学生と違って、学校やコンビニなどのバイト先で日本社会と接するわけではありませんし日本語能力も総じて低い。技能実習生の周囲に味方はいません。つまり、技能実習生の労働環境に関して、利害関係が薄く、問題に気づいて、法的な対処まで導くことができるのは、日本語教師だけかもしれません。

厚生労働省 外国人技能実習生の実習実施機関に対する平成26年の監督指導、送検の状況を公表します。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000098716.html

まともな賃金が払われていない、残業代がない、居住費生活費と称していろいろと天引きされている、仲介業者が不当に利益を得ている、いろんなところで、少しづつ、いろんなところがお金を抜いている、というような構造があり、さらに、パワハラ、セクハラ、虐待に近いことが行われている(けど、出身国で同じような環境だったので実習生は気づかないということもある)。教室で寝ている生徒が受け取っている報酬は時給換算で300円くらいで、気づかずに満足している、という可能性があるわけです。

技能実習生は研修だから労働基準法は適用されない、という人がいます。制度の開始時はそうでしたが、今は違います。以下のPDFをざっと眺めておきましょう。 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002ag3s-att/2r9852000002ag9v.pdf

労働基準法は、あらゆる契約に優先するので、契約時に時給300円だったというのはレッドカードです。地域ごとに決まっている最低賃金は支払わなければなりませんし、時間外手当ては割り増しですし、残業は一ヶ月45時間を越えてはいけません。給料から勝手に天引きするのは違法ですし、休暇がない、休み時間がない、貯金させるみたいなことも禁止です。

技能実習生の受け入れ先も、悪気はなく「お互いに了解済み」「日本人ももっと働いている」という理屈で、ずるずるとヒドい労働環境となっているケースは多いようです。例えば、スマホを一瞬でも預かるようなことをするところは、追跡アプリを仕込む可能性があります。いろんな可能性を知っておいてほうがいいし、知ってて見過ごすとなると、生徒募集から関わる学校もありますし、おかしなところと提携している日本語学校が処罰の対象になる可能性はあります。日本語教師は、生徒の話を聞いておかしいなと思ったら、それとなく確認して、対処することはできます。

技能実習生に関しては、管理する組織である外国人技能実習機構が2017年にできました。 http://www.otit.go.jp/
札幌、仙台、東京、水戸、長野、名古屋、富山、大阪、広島、高松、松山、福岡、熊本に窓口があり電話で通報を受け付けています。 http://www.otit.go.jp/

👉 追跡アプリはその人がいる場所をGPS機能を使って調べるものです。一時「彼氏チェック」的なアプリとして話題になりました。たくさんあります。「追跡アプリ 検出」などで検索すると、追跡アプリを探し出すアプリがいろいろと紹介されているページが現れます。参考記事~

公的な管理組織もありますが、利害関係がない第三者の立場で動いてくれそうなところは、労働基準監督署か、弁護士団体、しかありません。

外国人技能実習生問題弁護士連絡会
http://kenbenren.www.k-chuolaw.com/

日本弁護士連合会の意見書
http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/opinion/year/2013/130620_4.html

神奈川県弁護士会~  外国人労働者と技能実習生のための無料電話相談
http://www.kanaben.or.jp/news/event/2012/post-40.html

厚生労働省 技能実習生のみなさんへ(日中インドネシア、ベトナム、タガログ語の労働基準法などの説明パンフ)
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/foreigner/technical_intern/

国内で技能実習生のことを管轄しているのは、公益財団法人 国際研修協力機構(JITCO ジツコ)でしたが、2016年からは外国人技能実習機構がより厳しく管理していくことになりました。2つの組織となったことで、JITCOも以前より厳しく監視するようになったという話もあります。

政府系の管理機構

JITCO 問い合わせは
http://www.jitco.or.jp/about/inquiry.html

実習生の労働環境に関するガイドラインもあり、セクハラ関連や、妊娠、出産などでの不利益取り扱いの禁止、など細かい規則が書かれています。労働基準法以外の部分で、ここに書かれていることに違反していれば即アウトと考えていいはずです。ただしここはあくまで管理団体で、問題を通報しても動かないと思います。

新しい外国人技能実習機構は入管OBもいて捜査権があります。管理や摘発が中心ということでしょうか。JITCOよりはすぐに動いてくれそうです。
http://www.otit.go.jp/

日本語学校の学生との契約の違法性

学校の費用をローンで支払うケースで、奨学金という名目で結構悪質なことが行われたりしています。奨学金という名前でなくても、ローンの返済が就労が前提である場合は違法性が増し、さらに特定の就労先での勤務でなけれならない、と就労先が固定されると、違法性は高くなります。よって、奨学金にはかなりいろいろな規制があり、リスクがあります。就労とセットのものは、ほぼ日本ではありません。新聞奨学生も、違法性が指摘されたりしています。日本語学校の留学生がらみのローンは、2010年以降、従来の現地で借金をして、日本でアルバイトをして返済する、という形ではなく、日本語学校がバイト先とグループ会社を作り、そこでの就労を前提に学費の返済計画(ローン)を組み、学生を募集する、というタイプがあるようです。今は、技能実習生が働くような場所やそれ以外でも人手不足ですから、斡旋仲介ができる留学ビザ(技能実習生は斡旋で利益をあげるのは禁止)の学生はターゲットになっています。

労働基準法に違反する可能性

17条
使用者は、前借金その他労働することを条件とする前貸の債権と賃金を相殺してはならない。

これで、ほぼ学費のローンと就労契約のセットはアウトになるはずです。日本にこの種のローンがない理由もこれです。ただ「奨学金」という名目ならやれると考える人はいるようですが、名前だけ変えても、同じです。これがなぜか留学生相手だとOKになっているのは不思議です。これらは訴訟があって、はじめて契約が無効になるので、訴訟ができない留学生という立場を利用した悪質なスキマビジネスだと考えることができます。少なくとも日本語教育関係者が関与すべき領域ではないと思います。

3条
労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。

賃金格差があった場合、これにふれます。2017年以降、特に外国人相手の賃金は厳しく監視される方向です。

5条 (強制労働の禁止)
使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によつて、労働者の意思に反して労働を強制してはならない。

ローンと学費が結びつくと、まずこれがひっかかります。後述しますが、暴力的な、ということがなくても、高額の返済計画があれば「労働者の就労を強制する経済的足止め策の一種」と判断される判例がありました。

14条 労働契約は3年を越えてはいけない。(2003年の改正で1年から3年に)

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000036407.pdf

日本語学校での滞在上限は2年3カ月ですが、専門学校とセットになっているような場合、3年を越えての就労前提でのローンが組まれる可能性があります。

15条  
使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。

奨学金名目でも、ローン返済が就労前提になっている場合、あらかじめ賃金、労働時間が明示されていなかったらアウトです。別になっていても、労働契約がなかったらアウト。これは今後、時給が最低賃金だったりした場合、3条の違反となる可能性があるので、最初はうやむやにするケースがあると思います。

16条
「賠償予定の禁止」

留学生の場合、進学できないとか、仕送りが途絶えたとか病気だとかで、帰国せざるを得ないということはよくあります。その場合、就労前提のローンでは「全額返金」となっている場合がありますが、これに違約金、損害賠償金をかしてはいけない、ということです。

👉 この履行できなかった場合の「全額返金」は国内では(ケースバイケースですが)認めれることもあります。が、留学生の場合、途中で解約となった場合、全額を帰国後に支払うことになります。日本語学校の学費2年分なら約150万円、例えばベトナムなら平均年収は30万円ですから、賃金格差はだいたい13倍、1950万円相当の借金を背負うことになります。

18条  
使用者は、労働契約に附随して貯蓄の契約をさせ、又は貯蓄金を管理する契約をしてはならない。

これも留学生に無駄遣いをさせないために「貯蓄は日本の文化」などと言って強制するところがあるようです。で貯蓄だからと天引きすると、、、

24条  
賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。

これはいわゆる天引きはダメということです。全額でなければならない。例外は社会保険などです。貯蓄だと言って天引きした分を経営者が理屈をつけて使うケースも多いです。ケガした際の治療費とか。

お礼奉公か奨学金か

お礼奉公とは、医療関係で行われている奨学金制度(のようなもの?)で、病院からお金を借り看護学校などの費用にあてる、国家試験に合格した後、一定期間その病院に看護師として勤務すれば、返済が免除になるという制度があります。おそらくEPAの下敷きになったと思われます。しかし、就労とパッケージでのローンは違法性が高い、そこで「一定期間勤務する」のをあくまで紳士協定で「お礼奉公」と呼ぶということのようです。就労と学費のローンのパッケージという点で人材派遣系の日本語学校の留学生ローンと似ています。

参考サイト
お礼奉公契約は有効ですか/弁護士河原崎法律事務所
http://ow.ly/6z5r307zlNU
いわゆる看護師の奨学金制度のお礼奉公に関する判例が載っています。就労をもって奨学金ローンを組むという意味では今の留学生ローンと形態が似ており、参考になるはずです。

この中で注目すべき判例があります。

2002年11月1日大阪地裁判決:修学資金などの返還または免除の合意契約は,その条項の形式的な規定の仕方からのみ判断するのではなく,貸与契約の目的・趣旨などから,当該契約が,本来本人が負担すべき費用を使用者が貸与し,一定期間勤務すればその返還債務を免除するというものであれば労基法16条に違反しないが,使用者がその業務に関し,技能者養成の一環として使用者の費用で修学させ,修学後に労働者を自分のところで確保するために一定期間の勤務を約束させるものであれば,労基法16条に違反する 看護学校への入学につき,入学金,授業料,施設設備費などを貸し付ける「看護婦等修学資金貸与契約」,およびその契約に対する連帯保証契約が,労働者の就労を強制する経済的足止め策の一種であるとして,労基法14条および16条の禁止規定に違反するとされ,看護学校退学者らに対する賃金返還請求が棄却された

👉 判例の詳細

つまり、就労が人手不足など雇用者の都合で行われたことは労基法の16条違反と判断され、さらに、奨学金の範囲内であっても、経済的足止めとなるような額であれば、14条違反となる、とされたというケースです。

これは外国人留学生の奨学金、返済ローンにあてはまるケースが多いはずです。留学生の場合、日本語学校の1年分の学費100万円以下であっても、日本で働いて返すことができない以上、賃金格差を加味すると、東南アジアのどこの国であっても10倍にはなりますから、1000万円です。これは、契約形態そのものが労働者の就労を強制する経済的足止め策の一種となる可能性があると言えるのではと思います。裁判になれば、就労先と学費ローンの債権者の関係が少しでも証明されれば、アウトなのではと思います。また、そのことを知りつつ学生集めを委託した日本語学校も違法性を問われる可能性があります。

今後は労基法の監視も厳しくなる

特に留学生はこれまで労基法での監視は甘かったと思います。28時間は時々摘発されても、学費ローンと返済計画の契約の問題や労働環境など、これまで、労基法での問題となっていないのは、留学生が訴訟を起こしていない、訴訟をおこす費用も時間もない、からだと思われます。日本語学校は法務省管轄下ですが、主に入管方面なので、労基法との問題などはあまり考えられていないのでは、という気がします。しかし、今後は、技能実習生の監視をするという新しい機構に入管の人が入るとのことですし、日本語学校と就労の問題は注目されると思います。

法務省の見解は、入国時の審査において同意があるのならOK。しかし、労働関連の法律に抵触するのならアウト、ということでした。 奨学金の貸与を受ける留学生が,上記3(2)のとおり,労働条件について理解し,了承しているのであれば,在留資格「留学」に係る入国・在留審査においては差し支えないこととして取り扱います。
http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri07_00155.html

大阪府のガイドラインです。かなり厳しい内容です。 在留資格「介護」による外国人留学生受入れガイドライン  http://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/attach/hodo-30469_4.pdf

資料など

日本語非常勤講師の雇用契約から業務委託変更の是非について - 弁護士ドットコム
https://www.bengo4.com/c_5/c_1625/c_1499/b_655463/

帰国後、1ヶ月経ってからの請求書は有効か - 弁護士ドットコム
:「ベトナムで日本語教師をしてましたが、体調を崩し退職届を書いて帰国しました~」
https://www.bengo4.com/kokusai/1116/b_572530/

(アメリカの日本語補習校)外国での日本人からの不当な解雇。日本の法律は適用されますか? - 弁護士ドットコム
https://www.bengo4.com/c_5/c_1225/b_735511/

(中国の日本語学校の)現地採用の定義と社会保険の支払い義務について - 弁護士ドットコム
https://www.bengo4.com/c_5/c_1629/c_1310/b_433866/

その他弁護士ドットコムの「日本語学校」での検索結果

研究

論文

「日本語教師は食べていけない」言説 : その起こりと定着
https://ci.nii.ac.jp/naid/120005648378

「日本語教師は食べていけない」言説 : 『月刊日本語』の分析から
https://ci.nii.ac.jp/naid/120006310042

 

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*1 こういうことは言っても実効性はほとんどないという意味でも、批判が学校や会社、業界側に向かず本質的な問題が曖昧になるという意味でも言う価値が無いものだと思います

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