概要

誰のために

このWikiは、個々の日本語教師のために作っています。何かを書く時に、どういうスタンスで書くのかと考える時に、いつも念頭に日本語教師のために書くというつもりで書いています。業界でも日本語教育界でもなく、個々の日本語教師にとってどうなのかという視点です。労働問題を多く扱うこともそのひとつです。

ICTの活用について書く際は、ほとんどの場合、日本語教師は比較的高収入とは言えず、学校や教室などでも金額的な投資は期待できない、つまり、あまりお金はかけられないという前提で書かれています。新しいものを追いかけて、あちこちアカウントを作るのではなく、可能なかぎりOS間の互換性があり、新たにアカウントをとったり、ソフトをインストールしなくて済む方法で、後は「Googleで済むならGoogleで」というスタンス*1です。しかし、これは海外の教育関係者(世界的に公教育への国の補助は退潮気味です)のICTに対する感覚と近いものだと思います。

👉 新しいベンチャーは「Googleでは出来ないこと」で勝負するしかないのですが、ちょっと待てばGoogleでもできるようになるとか、Googleのサービスを組み合わせればできる、ということはよくあります。このWikiは、「基本、Googleをしっかり使いこなせれば済むからいいか」とようないうスタンスです。

👉 ただし、日本国内の日本語教育のことを書く場合、最も弱い立場であるのは、日本語学習者であるとも考えています。日本語教師と日本語学習者の利益が対立するならば、日本語学習者のことを優先して書くということがあります。コロナ下についての項目などでは、はっきりと日本語教師の利益よりも日本語学習者の立場で書くという選択をしています。

Wikiという場所

この日本語教師Wikiは、日本語教師や日本語教育に関心がある人が、項目別に情報を蓄積&シェアするオープンな場所として作られたものです。ネット上のコミュニティに所属しなくても、SNSをやらなくても、ネットに接続さえできれば日本語教育に関するあれこれをシェアできる場が必要だと考えました。ユーザー登録はなく、ログインも個人情報収集もありません。Wikipediaのように誰でも閲覧できます。

Wikipediaのように定義をするような辞典的なものを目指すものではなく、基本的な情報源を示し、概要的な知識を仕入れ、その先を調べるための出発点、ポータル的なページを作るというのがコンセプトです。ネット上で探したほうがいいテーマのページは無理してあれこれ書いたりしないことにしてます。製作スタートは2018年の年末。公開は2019年6月。ほとんどのページは、まだ基本的な項目を埋めただけです。数年かけて作っていく予定ですが、更新もあまり期待しないでください。

Wikiのスクリプト(pukiwiki)を使っていますが、誰でも編集可能にすると管理が大変なので、最初から項目を作り、削除や修正、追加のご指摘があれば、それを受けけて管理者が修正作業をするというやり方で管理します。従って、Wikiというよりカード型のデータベースのようなものになっています(設定ミスなどで編集可になっていても編集はしないでください)。pukiwikiはかなり古いスクリプトですが、これを使うのは、新しめのスクリプトを運用する時間がないこと、また、データベースを使わず、設置したディレクトリ内で完結しているので、移行がしやすいという理由もあります。

内容について

記述に間違いはたくさんあると思います。修正しながら、願わくばご指摘をいただきながらよりよいものにしていきたいと考えています。内容に誤りがある、リンクが外れている、新しい情報を追加してほしい、というような場合は、このページの下で御案内しているフォームでお知らせください。

ICT関連の項目に限っては、比較的苦手な人も多いことが予想されるので、基本的なところから少し説明を加えました。なるべく偏りのない視点で、クールに淡々とした記述を心がけますが、ネットの世界のアレコレは、通り一遍の建て前だけではしっかり説明できないので、テーマによっては、ある程度の見方、切り口が必要なこともあります。日本語教育の世界の一般的な解釈とは違うことも多々あります。ご了承ください。

このWikiは日本語教師読本シリーズ:という書籍のシリーズの企画としてスタートしました。シリーズの書籍のサポート、付加的な情報なども兼ねています。

👉 MacOS方面はやや弱いです。このWikiを主に書いている担当は、マック(OS8まで)、Windows(97~現在),、Linux(Ubuntu、elementaryなど簡易的なもの)のあれこれ、iOS(初代iPadまで)、Android(3~)はひととおり使ってきており、サイト制作と電子書籍制作の経験がありますがプログラミングの知識はありません。ここでは基本、なるべくOSに依存しないものを中心に扱っていきます。昔スタッフ向けに書いたもの(1999年からすべてオンライン上で仕事をしています)や、一部、日本語教育サクサク(CC BY NC SA 4.0です)で書いたもの、作った画像などを流用しています。

もろもろご容赦ください

もちろん、誤字脱字などケアレスミス、事実誤認など、フォームでお知らせいただけるとありがたいです。

一般的な項目について

トップページを親、そこからリンクがあるページを子と考えると、地理でいうと、国→九州→福岡など三階層までです。つまりトップにある項目がほぼすべてです。日本語の教材やなどに関しては、一からの記述は目指しません。情報へのリンクが中心です。なるべく国際機関や政府など公的など一次情報へのリンクを置きます。

その他の一般的な項目、例えば「タイ語」「Office」みたいな項目はググればよりよい情報源にアクセスできますし、本家のWikipediaも充実していますから改めて0から記述する必要はあまりないはずです。どのページも基本情報はほどほどですが、全体を見渡して、整理してあるページはあまりないので、その「俯瞰でみる」ということが出来るというメリットがあるかもしれないということと、例えば「タイ語を母語とする日本語学習者に関すること」は他ではあまり整理されたものがありませんし、ここで蓄積していく価値はあると思います。掲示板で追加情報を投稿してくださるとありがたいです。

日本語教育関係の法律、規制、組織、在留資格に関することは、おそらくあと5年くらいは、ぼんやりと作って様子をみるみたいなことになりそうです。細かいことはバタバタと変わったりする可能性大なので、基本的なこととソースへのリンクだけで、細かいことは追いかけないことにします。

ICT関連の説明について

どこから

日本語教師は比較的デジタル関係に弱い人が多く、職場でも活用はかなり遅れています。大学関係者や民間の「詳しい人」のレベルも他の業界に比べると決して高くはないので、あまりよい説明がネットになく、冷静な客観的な紹介記事が少ない傾向があるように思います。

この日本語教師Wikiではデジタルを、はしゃぐことなく、淡々と、メリットだけでなくリスクなどもしっかりおさえつつ、必要であれば注意喚起的なこともきちんと書いていこうと考えています。

このWikiのICTに関する初期状態の記述は可能な限り「メールはなんとかできるワードでプリントは作れる人」に向けての説明から始めるようにしています。問題なく使えている人でも、ただ慣れているだけで、基本的なことを見落としていることがあります。ジャンルによって得意、不得意もあります。そういう人の確認にも使えると思います。

どこまで

このWikiですべてを説明するのは無理です。詳しいソフトの使い方や設定などは、無理やりに0から書くよりも、専門家が書いたサイトや動画で確認するのが効率的です。

ここでは「何かを作りたい、やりたい」と考えた時に、それをやるために

の見当が付くことが大事だと考えています。それがわかれば、ネットで見たモノが「どうやって作られていて」「どの程度の時間、コストがかかりスキルが必要なのか」もわかります。検索するために、基本的なキーワードが出てくるようになることも重要で、そのためにも基本的なことは広く浅くでも抑えておいたほうがいいと思います。

日々忙しい教師にとっては、実際にやれなくても、こういうことがわかるということが大事です。わかっていれば自分でできなくてもわかっている人と共同作業ができますし、外注も上手にできます。デジタルに関してわからないまま、あるいは中途半端な知識で、丸投げで外注して悲惨なものを作っている日本語教育関係者は多いです。

このWikiを利用して「自分でできるようになる」のは、例えば音声や動画の編集ならシンプルなソフトでファイルを開いて、秒単位くらいでざっくりと切り貼り編集ができるようになるところまで、日本語能力試験でいうとN3くらいまでです。

それでも動画制作はユーチューバー入門編程度にはなっていると思いますからスタートラインにはたてます。その先の細かいこと(動画の凝った編集をするとか、音声を埋め込む教材を作るとか、細かいソフトの使い方など)は、おそらく、もっと詳しい人によるいい説明がネット上にありますから書かないようにしました。自分がやりたいことを考えて、このWikiを出発点にすれば、やりたいことに必要なことを探せるようになるはずです。

メールとホームページを見るまではできるけど…と一度は諦めた方も、このWikiを手がかりに再挑戦してください。今は、90年代のパソコンの操作より、格段にトラブルも少なく、簡単になっていることも重要です。ソフトもかつてより初心者向けのものは扱いやすくなっていて、ほぼすべてのジャンルで無料のオープンソースのソフトがあり、日本語教育で使えそうなフリー素材も90年代に比べると圧倒的に増えています。簡単なものなら誰でも何でも作れますし、やる気さえあればプロ並みの作品もほぼ無料で作れ、すぐにネットで公開&販売できるのも2010年以降のデジタルの世界の新しい特徴です。再チャレンジする価値はあります。

「日本語のネット社会」をどう考えるか

ツールの選択や使い方は情報を収集して判断すればいいのですが、SNSなど、ネットのことをどう解釈し説明するかは、その人の考え方が反映されます。残念ながら、私どもはネットを「単に人と繋がれる素晴らしい世界」とは考えていません。特に2010年代後半のSNS時代以降は、かなり注意が必要な場所としてとらえています。きちんとリスクを書き、距離をおいて客観的に説明していこう、というスタンスです。

このWikiでは、日本語でやりとりされるネットの世界をひとまず「日本語のネット社会」として切り取りとることにします。そして、このWikiでは「ネットはもはや特殊な、語学の勉強の場として活用するだけの場所ではなく、すでにひとつの社会でもある」と考えます。日本語のネット社会と日本語以外のそれとは違うところもあります。日本語のネット社会の中でも所属する場所によって見えてくる光景がかなり違うという傾向も強くなっています。そして「日本語教師は日本語のネット社会の特徴を、学習者が飛び込む社会のひとつとして、学習者のために基本的なことを理解しておく必要がある」とも考えています。

学習者にとっての日本語のネット社会はいいことだけではありません。ネット社会において、テキストのやり取りが主流である以上、一般社会よりも日本語の能力(特に読み書き)が低いことは不利に働くリスクがあります。どちらかというと注意点を中心にピックアップしていくことになります。もちろん、教師が推奨しなくても、日本語が上達し、日本で生活するようになれば、LINEを交換し、食べログで店を調べ、SNSで情報収集をするようになる可能性は高いです。地方ではネットでないと買えないものはたくさんあります。もはや日本には書店も銀行もない地域のほうが多いのですから。しかし、その付き合い方の濃淡はいろいろで学習者が選択すべきことです。

このWikiに書いてあるのはあくまでひとつの切り口です。日本語教師が学習者のためのよいガイド役になるために身につける知識はどういうものがあるのかを考え、あなたなりの日本語のネット社会に対する見方や、教師として学習者にすべきアドバイスを考えてみて下さい。

デジタル関係得意だよという方へ

最初にデジタルネイティブなどと呼ばれた世代は今40代です。もうデジタルやネットの活用は普通のことであり、日本語学校でも本格的な導入が始まりつつあります。アナログ対デジタルの対立の時代は終わりです。アナログからデジテルに適応してきた世代も、最初からデジタルだったよという世代も、苦手な人達を足手まといの「旧世代」などと突き放すのではなく、デジタルデバイドの問題としてとらえ、丁寧にしっかり向き合っていく時期です。

一般の会社や海外の教育現場では、苦手な教師には研修があります。日本語教育ではそういう導入コストを考えない傾向があり、多少できる人たちが、辛抱強く、苦手な人達にデジタルのメリットを説明し、経験してもらい、実感してもらうということを丁寧にやっていく必要があります。今は長く日本語教育を支えてきた教師と若い教師の間に分断があり、デジタルがその分断を大きくしている*2残念な状況です。

しかし、日常的に使っているものを0から説明するのが意外と難しく、面倒であるのは言語と同じです。「digital as a second language」と捉え直して教えることは日本語教師は得意なはずです。

特に、成人後にアナログからデジタルに適応してきた世代が「自分も苦労して適応したんだから努力しろ」「未だにできないやつは切り捨てろ」となってしまう傾向があります。しかしこの世代は両者の橋渡し役になれる可能性があります。知識と経験がある人をアナログだからという理由だけで排除するのは日本語教育にとっても大きな損失です。たとえ相手が「デジタルなんて」という先入観を持っていたとしても、安易に「アナログ世代だ」というようなラベリングはしない。日本語教師を新旧世代というような敵味方に分けない。学習者のためにどう有効で効果的なのかを軸に辛抱強く対話と説明を続けるしかありません。

これからは、デジタルに強い日本語教師とは、学習ツールをたくさん知っていて活用の方法を教えるだけではなく、日本語のネット社会の特質をしっかりと観察、分析し、事前にきちんと注意喚起ができる能力も必要になってくるはずです。

このWikiを利用してください。このWikiは、CC BY SAなので、著作権表示などのルールさえ守れば、連絡不要で、印刷&コピー可です。学校や勉強会などの基礎資料やたたき台として好きなように修正して活用して下さい。

👉 「デジタルはそこそこ活用してます」という人のほうが、クラウド上の共有ファイルの設定を間違ってデータを流出させるみたいな大きなミスをしがちです。おそらく日本語教育でも、これから本格的に活用が始まることになります。そうなると「絶対に流出させてはいけない文書」にどうアクセス権を設定し管理するかというような難しい問題が出てきます。今、なんとなく使えている人は基本的なところから、もう一度さらったほうがいいと思います。

Navigation

around,center

このQRコードはトップページのURLです。スマホ、タブレット対応です。

合計およそ300の項目があり、すべてのページにはトップページからリンクがあります。Google系とOffice系、技能実習制度などは、その概要を書いた親ページと個別のソフトなどを書いた子ページがあり、その場合は、「Google系 >」というようなナビゲーションが左上に出ます。迷ったら、左上のアイコンをクリックするといつでもトップページに戻れる、ということだけおぼえておいてください。

すべてのページには下のほうに同じものがあります。CCのライセンス表示と検索窓などがあり、右下にある以下のアイコン群は編集管理用です。クリックしないでください。

around,center

ついでに以下のことをおぼえておくとほぼ迷わないと思います。

👉 他の場所にあるPDFなどを開いた時に文字が書けていたり、フォントがおかしいのはブラウザーの問題です。ChromeだとPDF Viewerという機能拡張で解決します。他のブラウザーでも機能拡張があるはずです。

強調について

マーカーでやっていますが、時代によって色が違います。2021年の時点では以下の3つがありますが、今のところ、カーキに移行中です。

これはカーキ色です。
これはアンティークホワイトでやったもの
これは一番強調っぽい赤ですが、多いとちょっと読みにくいですね。

ちなみに引用は文字色を以下の色にします。

この引用方法でやることにしています。ちょっとわかりにくいですが、ご了承ください。マーカーは強調でも使います。

最初からマーカーを入れるのは、あまりいいことではないとは思うのですが、長文記事が多く、重要な部分が読まれないことも多いようなので、悩みどころです。あまり使わないようにしてます。

情報を寄せてください。

この日本語教師Wikiは、最初に基本的な情報だけ書いてあります。訂正や情報追加したい時、修正すべき、という時は掲示板に投稿してください。ただし、ライセンスはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承 4.0 国際 ライセンスです。投稿でお寄せいただいた情報も同じライセンスでの掲載となり、名目上の著作権者にwebjapanese.com がなることに同意したこととみなされます*3

このページの一番下にフォームへのリンクがあります。

匿名性の尊重

掲示板でお送りいただいたノウハウ、情報を本編ページに反映する際は、原則として(訂正、修正、短いデータ提供を除く)提供者のお名前も記事の最後に(投稿者名)で入れます。投稿者名が匿名希望の場合は、名前を空欄で投稿も可能です。その場合は(匿名)の情報として扱われます。

掲示板へのリンクはここやトップページの他、各ページの一番下の検索窓の右にもテキストリンクがあります。

運営方針

運営主体

このWikiは、webjapaneseによって運営されています。このサイトに関することやプライバシーポリシーなどは、サイトのトップのAbout usに書いてあります。

日本語教師読本シリーズという書籍のサポートも兼ねていますので、書籍ページからのリンクがあり、関連のページの一番下に書籍の紹介があります。

ライセンス

このWikiのすべてのデータ、ユーザーが投稿した記事のライセンスはWikipediaとほぼ同じ、クリエイティブ・コモンズの CC BY SAとします。誰でも、商用、非商用問わず二次利用できます。ページをコピーして使ってもいい、改変してもいい、なんなら売ってもいい、というライセンスです。私達もその権利者の一人として書籍化する可能性もあります。また、運営者が変わることもあります。あなたが投稿したものもCC BY SAとなり、誰かに書籍化され販売される可能性があることも理解しておいてください。改変してもいいライセンスにしているのは、記述に間違いがあった場合自由に修正できるように、です。できれば間違いがあれば、掲示板を通じてご指摘くださると助かります。

もちろん、上記のライセンスであるのは、オリジナルのテキスト情報だけです。リンクや引用された動画などはその対象ではありません。

👉 2010代以降、ブログ文化の終焉で一時停滞していた個人による情報の発信はSNSの登場でまた増えましたが、情報発信が個人のブランディングのひとつだという考えが広まり、情報は拡散されても、集約されません。匿名含む、いろんな人の知見を集めて整理し、シェアする場所は、個人の宣伝の場にはならないこともあり、作りにくくなっています。ライセンスをCCにするのは、もう一度、ネット上の情報共有のあり方を考えてみるという試みでもあります。

利用する際は

CCライセンスは付ける際の説明はあっても、使う場合にどうすればいいのか、解説しているページは少ないですが、著作権表示をどう記載するのかは、クリエイティブコモンズのFAQを参照してください。

サイトの継続

このWikiのシステムはやや古く、セキュリティもいまひとつです。悪意をもった攻撃でダメージを受ける可能性があります。掲示板はスパムやいたずらが増えたら、よりセキュリティの高いフォームのみにする可能性があります。サイト自体の継続が難しくなったら閉鎖する予定ですが、同じライセンスで引き継いでくださる方を公募し、ログデータごとお譲りします。

pukiwikiを設置する知識とサーバーがあれば簡単に移行*4できます。こういうサイトは運営者がちゃんと続けるのか?が懸念材料なわけですが、継続できなくなれば引き継ぎの人を探す努力はします。引き継ぎ後は著作権者が変わる可能性があります。また、このライセンスの引き継ぎの可能性に関しても同意いただいたものとします。長く無償で利用できるアーカイブとして続けるための方法です。ご了承ください。

👉 バックアップは時々とりますが、このpukiwiki自体がやや古いスクリプトで実質的に開発も終了しており、セキュリティ関係もいまひとつなので、データの保証は難しいです。努力はしますが。

広告

アマゾンのアソシエイトプログラムを利用しています。アソシエイトプログラムは、アマゾンの審査を経て参加し、このプログラムを経由してリンクを作り、そのURLを商品のリンクとして使うことによって、商品が購入されれば3~%程度の紹介料が入るというシステムです。書籍はほぼ3~4%、本来なら書店に入る分なのでこのプログラムの紹介料が本の価格に上乗せされているわけではありません(もちろん書店の利益は本の価格にあらかじめ盛り込まれているというような意味ではされてますが)。特定の書籍の紹介料が高いということもないので、このプログラムによって紹介する書籍がコントロールされるわけでもありません。レンタルサーバーの経費くらいにはなればいいなと考えています*5。この2つの他は、広告やどこかに誘導する的なものはありません。

👉 アマゾンの紹介料率は本は安く(3%)、食品やビールなんかは高い(8%)ので、サイトの維持に協力してやろうという方はこのリンクからビールなんかを定期的に買って下さい。サイト作りというのは、まったく割に合わないのです。

書籍の紹介で使用している書影はアマゾンのアソシエイトで提供されているものです。以下のようなツイートはあるものの、各社の書影の著作権ははっきりしないのですが、書籍の紹介目的のコンテンツであれば利用してもよいと判断していますが、問題があれば、お知らせください。

編集方針

この種のものは、読むだけの人のほうが大多数で、多くの投稿や批判、議論によって、バランスのとれたものとなる、というところまではいかないと思います。特に日本語教育業界ではネット上で批判したり議論することを避ける傾向があり、ネットによるフィルタリングがあまり機能しません。残念なことですが。

つまり、最初の記述によって性格がきまりがちです。そして、当然、寄せられた情報の取捨選択も必要になるので編集方針が必要です。どういう編集方針なのかは、個々の記述をみていただくのが一番早いと思います。確実でない情報は避け、検証がされていないものは軽々しくは扱わず、セキュリティ上安心感がないサービスは積極的には紹介しない、というような傾向はあると思います。

特にネットのサービスの紹介に関しては慎重です。教育の世界では、場合によっては学習者の学習データなどがサービス提供者に使われることがありますし、学習者にアカウントを作らせることになると、かなりの個人情報を預ける可能性もあるからです。また、サービスそのものには問題がなくてもユーザーコミュニティがアウト、みたいな微妙なケースもあります。この種のことは、ある程度ネットに関する知識や経験がある人とそうでない人が見える風景がかなり違います。

基本的に、ここは最新情報を紹介するところではありません。そのサービスがそこそこシェアもとり、ユーザーの評価も出て、試してみてもいいかもとなって、はじめてページを作る、くらいです。やや保守的に映るかもしれませんが、安易にセキュリティに問題があるサービスを拡散するよりいいかなと考えてます。

分類・用語について

引用について

基本的な考え方

このWikiは、CC BY SAです。つまりクリエイティブコモンズのルールに従っていただければ、引用だけでなく、転載、印刷、二次加工も事前の承諾なしでできます。(引用であることを明示し、同じライセンスでここのWikiの該当ページ、もしくはトップのURLがあれば大丈夫です)

同時に、ネット上だけでなく、国などの文書や論文などかも引用のルールに従って引用をします。引用であれば、事前の了承が不要というのが国際的なルールです。ただし引用のルールはやや違います。大事なことは事前の了承は不要だということでで、つまり引用されたことに対してNOは言えないということです。これはパブリックな場所に自分の考えを投稿することと引き換えに負うべき責任のひとつと言ってもいいと思います。(ただし誹謗中傷の類いであれば抗議はできますし、場合によっては取り下げるべきケースはあると思います。裁判も起きています)

これはSNSやブログの記事でも同じです。利用規程にもその旨が書いてあるはずです。SNSでは「全文引用」で「引用元のURLを示してあれば」ほぼ引用とみなされます。ここのようにWikiやブログ上でも貼り付け引用は、ツイッターでいうとRTが断りなしで可能なように、事前の断りなしにできます。それができることでSNS上でコミュニケーションが生まれ、情報が訂正されるという健全性が担保されるということになっています。特定のSNS上での引用は他の媒体(他のSNSやブログなど)からでも同様ということになっています。

特にツイッターの引用RTは、「バーカ」みたいな文言と共に行われることがあるので、そういう「引用」とごっちゃになっている感があります。引用して何かを言うこと自体がだめなことだと考える人は増えています。しかし、ここでいう引用は、きちんと引用したうえで、意見を展開する場合です。本来、引用RTや、他の場所への貼り付けはOKということの確認をしておきたいと思います。

👉 ツイッターは初期のRTは、全文ではなく一部の引用が可能でしたが、今は仕様上はできなくなっています。これだと引用の要件を満たさない可能性があるからです。

👉 かつて流行ったmixiのようなクローズドなSNSや、ツイッターの非公開アカウントの投稿の引用は、社会的な意義がある(例えばクローズドな中で違法なやり取りが行われているなど)と認められないかぎり難しいとされています。ただし、非公開アカウトで多数を相手に一方的な誹謗中傷が行われたり、事実でないことを拡散される例は多く、これも裁判になっています。こうなると非公開の場所でも証拠の保存が必要なので記録までは認められると考えるのが妥当です。2020年代は知り合い同士の小さなクローズドなコミュニティは増えているので、このへんは微妙なところです。

ブログでも、全文ではなく部分であって、引用が全体の一部であり必要なものであれば許されると解釈するのが妥当なセンだと思いますが、ブログについては、個々で要連絡などとライセンス規定をしている人がいますから、長文を引用していいかは微妙かもしれません。

つまり、ルールの範囲において、引用はします。事前の了承はいただきません。それが国際的なルールであり、そのルールを元に、パブリックな場所に書かれたことを元に議論するのがフェアな場だとされているからです。このへんは、日本語教育関係者にはあまり理解されていない可能性があるので、あえて強調して書いてみました。

もうひとつ、私どもに引用のルールとして、個人攻撃のための引用はしないということがあります。当然のようですが、違法性の指摘をしても、個人への攻撃だという反論を受けることがあります。私どもでは、個人の発言のネガティブな引用の場合は、その内容に問題があり、社会に知らしめる目的がある場合にのみ引用をします。

また、私どものSNSアカウントは投稿記事の閲覧には一切制限を設けていませんし、ブロックも、明らかな宣伝目的のもの(どこかのビーチの宣伝みたいなフォローはかつて多かったです)以外はしていません。日本語教育関係者は一切ブロックしていません。2018年の3月でリプ対応は原則やめましたが、リプもRTも引用も自由です。時間もないので、特に反論はしないことがほとんどです。時間をおいて関連のWikiを示すツイートそすることがあるくらいです。

→ 著作物が自由に使える場合 | 文化庁
→ 著作権法上の引用要件を満たしているのに、かさねて許諾を得る必要はあるのか | STORIA法律事務所

その他、具体的なこと

👉 一般的に、印刷されたり出版されたものとは違い、ネットの記事やSNSは削除され永久に消えてしまうことが結構あります。それゆえに、スクショも含め、記録され引用されることは、ネットの価値を高めるものであるとも考えています。

スクショでの引用について

2022年での違法判決を受けて、しないことにしました。ただし、この判決には問題があり、議論があります。

スクリーンショットによるツイート引用は著作権侵害との判決(栗原潔) - 個人 - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/byline/kuriharakiyoshi/20211229-00274965

ネットに詳しい法律関係者からはかなり批判が出ていました。どうなるかはわかりませんが、また違う判決で上書きされる可能性は高いような気がします。つまり、引用する側の考え方次第です。

私どもとしては、今のところ、社会的に意義があり「逃げ得」が起きそうなケースではスクショの引用もありだと考えています。

👉 その後、イイネは違法性が問われないなど、いろんな判例が出てきています。ケースバイケースということだと思います。

引用された箇所

国の文書から文章を引用する場合はこのWikiのスクリプトのオリジナルの方法ではレイアウトが崩れることがあるので試行錯誤中です。2021年の時点ではマーカーで色を変えることにしています。

この引用方法でやることにしています。ちょっとわかりにくいですが、ご了承ください。マーカーは強調でも使います。

これまでの引用とその経緯などの例

具体的な例として示します。以下はツイッターの引用に関するやり取りです。

「意図と違う形で引用されたり、誹謗中傷のたぐい」は、簡単にいうと、曲げて解釈して印象して論評したり、引用したうえで「バカ」と言うようなことです。当然そういう引用はしません。

事前の通知はしません。その理由は以下のツイートにあります。これは個人的な解釈ではなく、一般的な引用についての法的解釈に基づいています。

その他、ツイッターからも多数引用しています。「無断で使うな」というクレームがあった場合、ここを御案内しています。

肖像権への配慮について

日本語教育関係のネット上の投稿は、特に学生の肖像権についての配慮が薄いものが多く、引用する際に頭が痛いところです。その配慮の無さを指摘するための引用でも、結果として拡散することに貢献してしまうという矛盾が生じます。

今のところは、記録することに社会的意義があると考えるものについては、URLの引用まではやることにしていますが、個人アカウントで肖像権的に問題がありそうなものは、そのままの引用はしないことにしています。

特に日本語学校関係者は、学生の顔だし写真をアップするのは止めたほうがいと思います。たとえ入学時に許諾をとってあるとしても、許諾がなければ入学できないなら無効ですし、別項目だとしても、入学許可や出席管理など強い管理下にある関係下で結ばれたものはやはり無効になることがあります。大人しくサンプル画像を使うべきです。

イベント写真は顔が写らないだけでなく、個人が特定できないような角度でとるか、ボカシを入れのが世界的な常識です。日本語学校のFB上の写真垂れ流しは恥ずかしいです。

日本語教師Wikiが扱わないもの

スタートの2017年はかなり限定したものでしたが、少しづつ扱う内容は広がってきました。

しかし初期のコンセプトである「なるべく長く続けるために管理が大変なものは扱わない」は継続中です。安易にシェアできないもの、Wikiとして蓄積していく方法があまり向かないジャンルというものがあるように思います。以下は扱いが難しいと考えるものです。

日本語教育の世界は、議論において言葉の定義が厳密にされない傾向が強いと思います。特に新しい教授法や「あり方」の議論で顕著です。混乱を避けるため、扱う場合は、基本的な情報の整理に徹して、あとは一次ソースのリンク、その他の情報へのリンクだけにとどめるということにします。

この日本語教師Wikiの目的は日常の授業などで試行錯誤している教師のネット検索のスタート地点になることです。議論の場にはせずに、大きなテーマは基本的な記述とリンクなどを中心に作っていきます。

以下、扱わないテーマとその理由です。

日本語のあれこれ

文法や具体的な教え方なども扱いません。ベータ版では文型や語彙、目的別など500ページくらいの項目を作ってみましたが、それらはすでに学校や書籍などにいろいろと蓄積があり、ネット上にアクセスできる情報も多いので、管理的な負担も考え、やらないことにしました。

授業のアイデア、活性化的なこと

授業の工夫やアイデアは、教室で現役でバリバリ授業をやってる人が、できればチームで、ネット上に集約する場所を作るのがいいと思います。ひとつ決定版があれば十分ですが、まだありません。ライセンスの定義や徹底などちゃんとやるのはかなり大変です。スポンサー広告もあまり期待できないので、まずはお金のことは横において「必要だからやる」「やるからには責任をもって長く続ける」という人が現れないと難しいかもしれません。

細かなアイデアなどはSNSなどでも話題になりますので、そちらで追ってみてください。Togetterとか、NAVERなどでまとめてみるのもいいと思います。

業務の効率化的なこと

基本的な環境整備などは扱いますが、その先の細かいところまでは。変化が激しいところなので、個々の現場で専門家に相談しながら考えるのが一番だと思います。業務の効率化はまず一人一人のデジタル関係の知識の底上げをすることが重要なので、このWikiはそこでお役にたてればと考えています。

日本事情的なこと

学習者の言語や国の教育制度などの重要な項目は扱いますが、いわゆる日本事情的なもの、能、歌舞伎からマンガ、アニメまで、日本語教師が知っておいたほうがいいと言われることは昔から多いわけですが、今は、ネット上にいくらでもよいサイトがありますので検索してみてください。

ただし、日本語教育の論点など、一部では扱うケースもあります。

個人のサイトの紹介など

個人のサイトやアカウントを紹介するしないは、その個人の「ブランディング」に対してあれこれと関与することになり、いろいろと面倒なのです。公的なサイト、大学の研究者個人によるサイトなどは紹介する可能性があります。

👉 個人のSNSアカウントやブログを紹介するのは、その人がどういう考えで、どういう意図で紹介しているのか、をきちんと調べる必要があり、一部誤った記述があった場合どうするかなど、安易に紹介するのはいろいろとリスキーなのです。]]

「これが新しい!」的なもの

扱わないわけではありませんが、やや慎重です。

「これが便利!」というようなものは毎月のように発表され、沸き立つわけですが、ネット上のサービスの栄枯盛衰*6は激しく、ノート系、クラウドサービス、動画通信など、話題になって飛びつくと、数年で競争に敗れて消え、登録したデータも消え、解約は英語のみ対応で複雑なシステムだったりして、解約できないまま、自分の個人情報とともにどこかのベンチャーに売られたりします。プライバシーポリシーをよく読むと個人情報の扱いがかなり乱暴だったりということも結構あります。ユーザーの囲い込み優先でデータのエクスポートなどもできなかったりして、結果、サービス停止でデータが消失することもあります。

個人で使うのであればいいのですが、教育関連の場合、サービスによっては、学習者にアカウントを取得させないといけないものや、学校単位でアカウントを作るということに発展する可能性もありますし、やや慎重にならざるを得ません。学校で本格的に法人アカウントや学習者にアカウントを取ってもらい導入し、使おうとする場合、3年くらいで終了するかもしれないサービスだと躊躇します。どこかが吸収するとか買収されるみたいなことなら、少なくともアカウントの継続やデータの保護などもある可能性があるので、なんとかなるのですが、最近は、ユーザーが少なければ即死で終わり、個人情報は宙に浮いたまま、ということも増えました。

新しいサービスは、何かひとつかふたつは従来のものより便利だったりするものですが、GoogleやSkype、Microsoft、Appleがやってるサービスでもそこそこ代替できたり、ちょっと待てば、その機能を取り込んだり、ホントに先進的なら買収するかも、ということで様子見になることが多いです。それなりに安心感があるところの、ひとつのアカウントでやれたほうが、教師も学習者も楽で、いろいろ連携もでき、リスクも少ないです。ICTの活用が進んでる国の教育関係者(特に欧州)の多くは、だいたいこんなスタンスだと思います。

長く続きそうなサービスかどうかを見分けるポイントは、やはり長く続いてきたものであること、と、MSやGoogleなど大きなところがやってるか親会社のところです。まずは、そこそこ個人情報管理なども信頼できるGoogleやApple、Microsoftなどが提供するサービスをしっかり使いこなすことをまずは覚えるほうがいいのではと思います。

👉 もちろん、GoogleやAmazonが永遠に続くと信じているわけではなく、あれだけのユーザーがいれば、ユーザーから監視されているし、潰れてもどこかが受け皿になるだろう、というようなことが念頭にあるわけです。

このWikiにないことは…

扱わないことはたくさんありますので、ググってみてください。教材の共有の試みは少し増えてきましたし、現役の教師によるコミュニティはたくさんあります。国内だけでなく海外の大学のサイトにも注目してみてください。学習者自身が作ったサイトも充実しています。日本語だけでなくやはり英語でもググることは重要です。Redditで、japanese languageで検索するといろんな書き込みや学習方法の情報交換が行われています。

この「読本」編集部の基本的な考え方と提案

このWikiをはじめ、ネット上の発信では、日本語教育に関することを考える際の素材の提供をするという考え方に基づいてコンテンツ展開をしていますが「言語政策」のようなテーマや、「論点」のようなテーマでは、いろんな問題の切り口や、事実関係を元にした構成などにどうしても、一定の考え方、見方が必要になります。そういうことをクリアにしておく意味でも、私どもの基本的な考え方を表明しておいたほうがいいと考えました。もちろん、まだ判断がつかないこと、考えが及ばないことはありますし、考え方は変わります。あくまで参考です。

日本語の教え方などに関すること

ここの最初で書いたとおりです。最良の特定の方法があると考えていません。私どもは日本語のプライベートレッスン専業の日本語教師グループが出発点ですので、最良の方法を考えるよりも、個々の学習者に適した方法をいかに考えるかが重要だというスタンスでした。

また、特定の方法を国の方針として決める必要もないと考えています。2010年の改革を経て、担当省庁別にCan-doがあるみたいな状況が生まれていることを残念に思ってます。国の仕事で最も重要なのは日本語教育のサポート体制をどう設計するかです。どう教えるかは無くてもまったくかまわないということに、日本語教育関係者は気づくべきだと考えています。

今、来日する人達の日本語教育がうまくいっていないのは、単純に学習する機会が与えられてないからです。それを整備しないまま、よい方法、シラバスを決めることには違和感しかありません。

日本語教育の政策について

これは説明するのは簡単ではありません、以下に、ずらずらと書いてみます。

2013年前後に、課題整理に関するワーキンググループ | 文化庁(2012) でCEFRを軸にやっていくという方針が決まったということを受けて考えはじめ、2015年の3月に「日本語教育あれこれ」という日本国内の日本語教育の公的サポートについてブログ記事を書きました。基本的にはここに書いたことと変わっていません。以下、現時点でのことについて簡単に整理します。

留学系の人達

留学政策は、留学生数を追うことをやめることが最も重要だと考えています。

以下は、実現は難しいものもあるとは思いますが、仮にすべて実現しなくても、情報公開、透明化はマストだと考えています。

日本語教育機関の基本情報の国よる公開は2017年に一度おこなったきりストップしています。これを再開し、多言語で発信すべきです。(できればPDFではなく、過去の記録も含めて検索できるテキストデータベースのサイトを作る。

上の基本情報に含まれないものでも、例えば、適正校・非適正校も公開すべき情報です。CEFRのA2の合格率など、国が決めた学校の質的判断の判断基準であり、許認可に関わる重要な学校の質的保証のためという理屈があるならば、学習者には、文科省がネットで多言語で公開するのが筋ですし、働く場所を選ぶ教師にとっても重要な基本情報です。

2010年代に日本語学校の学生数は9万人、学校は800校となりました。おそらく稼働している学校は500校弱です。これを本来の留学目的に絞り、自己資金で留学費用をまかなえる人達に絞るべきだというのが基本です。2000年前後までの平均であった、3万人、2~300校規模あたりが適正な数ではないかと思います。

就労系の日本語教育

これは2015年のブログ記事の「日本語教育の新しい時代」に書いたこととほとんど同じです。

日本国内の日本語のニーズの地理的な分布はハッキリしませんが、技能実習生や特定技能の受け入れ機関や日本語学校のマッピングされた地図で少し分かります。以下は、私どもが作った日本語教育マップというものです。特定技能の受け入れ機関や日本語学校などがレイヤーで整理しました。レイヤーとは、それぞれ別の地図ですが重ねることもできるというものです。

地域的な問題

最初の2つは北海道、東北の技能実習生制度と特定技能関連の事務所などの地図です。

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次の2つは同じ地域の日本語学校の分布。就労系の組織と留学生の日本語学校ではかなり違い、日本語学校で就労系の人達を手当てするのは難しいということはわかります。

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以下は例としてとりあげてみた釧路市です。2019年の時点で民間の日本学校は無いようです。左は就労系の事務所などで、右は介護施設です。

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人口は約175000人。37%が65才以上とのことなので高齢者は約65000人。介護職員は3人あたりに1人の介護職員と言われています。要支援2以上の入居者3人に対して1人以上の介護職員または看護職員の配置が義務付けられているとことなので、入居しない人がいるとしても、その他の介護サービスがありますから「3人の1人」で計算するとして、仮に65000人が要介護となると21500人の介護職員が必要ということになります。外国人介護職員は施設ごとに上限がありましたが、次第に緩和されてます。地方は人手の確保が難しいですが、仮に1割が外国人介護士としても2150人。

釧路市はその他、技能実習生が1000人超いるとのことです。
北海道における在留外国人の現状と課題
https://www.hkk.or.jp/kenkyusho/file/jyosei_rep_r01-03.pdf

この介護と技能実習生だけでも3000人超の外国人が暮らすことになります。これが外国人介護士の比率が3割になると7500人。人口(17万5000人)の5%近くです。7500人の日本語学習者がいるとも考えられます。日本語教師が学習者100人に1人必要だとして、75人が必要ということになります。

医療のほうでも、おそらく百人単位で外国人看護士が必要になってくると思います。介護、看護の在留資格はいくつかあり、長期滞在、家族帯同も可能なものが多いので、当然、家庭を持ちということになり、児童の日本語教育も必要になります。

一般的に「外国人が集住している」と思われていないところでも、今後、外国人が増え、日本語学習の必要性が出てくる、ということがわかると思います。

釧路市には北海道教育大学のキャンパスがあるようで、留学生もいるとのこと。2021年の時点で、ググったところでは、日本語を学習できる場所はボランティア教室がいくつかあるだけです。

釧路市は、人口減少で産業が少ない地域ですが、観光地でもあります。17万の人口は過疎地とは言い難い。地方都市としては、それほど特殊なではないと思います。街道沿いにはロードサイド店があるようなところです。上の予想は、現在と将来の日本の地方の今後の姿で、以下は、それを受けての私どもの考えです。

以下は釧路市の中学校の分布です。各中学に日本語教師が少なくとも1人いるとなれば、かなり心強いんじゃないかという気がします。

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あとは、いろいろと試算してみてください。例えば…

中学は全国に約2万あります。中学校の学区で全国を2万の地域に分けた時に、2016年の時点では、訪問通所介護の施設は約4つあり、滞在型の施設が3つの学区で2つくらいあることになります。介護職員数は、4×8人で32人と、80人÷3で27人なので合計59人です。このうち外国人介護士は最大約30人です。この30人は、全国どこでもこのくらいの数がいる、ということが重要です。これまでのように外国人を大量に雇う工場がある地域だけでなく、都会も田舎も同じです。しかも、どちらかというと田舎のほうが、高齢化が進み介護施設で働く若い人は不足しがちです。

中学校にひとつ地域の日本語教育の基地があり、その上は方言区域などで組織化すれば、方言研究と共に進めることもできます。ひとつの件に中学校の数だけ公務員の日本語教師がおり、ネットで繋がれば、海外の継承日本語の人達と共に生活日本語の研究、研修、育成のネットワークを構築することができます。

人数的な問題

日本語教育の言語政策国内に日本語教育が必要な人は何人いるのか?に少しまとめたものがあります。

2021年の時点で、国も日本語教育関係者も数えたことがないのでハッキリしない。ざっくりと言えば、留学生(30万人)と技能実習生制度と特定技能(45万人)だけで、75万人で、この人達はほぼ日本語のレベルは0に近い形で来日する。永住者など、すでに住んでいる人で日本語学習のサポートが必要な人は10万人以上はいて、その他の在留資格で来日し、日本語の学習が必要な人も10万人前後はいるとすると、だいたい100万人±数十万人はいるという計算になる。

児童は義務教育がありますが、就労系の人達(75万人)のうち、15万人くらいは介護、看護の予定なので、ここは技能試験でも日本語要素が多く、事実上、日本語教育はマストとなっていると考えていいと思います。就労系の残りの60万人をどうするか、というのがテーマになります。

特に特定技能の家族帯同、永住となると日本語学習を義務化すべきではないかという議論があります。しかし、現状、まったく日本語学習の機会が与えられていない状況で義務化や試験による足切りからはじめることには違和感も覚えます。なにしろ、この人達は、日本が人手不足で呼んだ人達であって、欧州のように来てしまった人達とは違う。まずは日本語学習機会を整備するのが先です。そして、整備し、受講できる体制(授業時間は就労と同じ時給が支給されるなど)を作れば、受講は促進され、日本語は十分に上達するはずです。

その数も試算してみます。

2019年の時点で技能実習生制度で、41万人で3号(4~5年)まで進んだのは約25000人。3年前の2016年(H28)はだいたい30万人だったので、約8.3%です。60万人の8.3%は、49800人、4年目に進むのが約5万人です。5年目に到達し、6年目、つまり特定技能2号に進むのは(ここからは完全に推定ですが)5年以上労働力を確保するのが特定技能の目的でもあるので、特定技能2号に高いハードルは課せない。とはいえ、4年目までに8.3%に減ってしまうわけですから、特定技能の2号に進むのは多く見積もっても、約20%の10000人くらいと考えてみます。

この1万人のうち、家族帯同や永住を希望する人が何人いるのか?

おそらく10年働くことができれば満足で、貯金と技術をもって帰国する人も多数いるのではと思われます。例えば20才で来日した人は35才ですから、親世代の世話が現実的になってくる年齢でもあります。家族帯同は配偶者と子のみで、親は呼べませんから帰国という選択肢は大きくなりそうです。1割が永住希望するとして、1000人です。この1000人に、来日時から、500時間の無償の日本語学習機会が与えられていれば、10年後には、十分に日本で生活できる日本語能力は身につくのではと思います。特定技能2号に進み、永住が視野になってきて勉強をはじめても、5年ありますから、永住申請ができる10年目にN3をクリアするのは難しくなく、N2も可能ではないかと思います。無理に学習を義務化したり、試験で足切りを設ける必要はないと思われます。

混在することになります

この公的な日本語学習ネットワークでは留学以外の日本語学習者が混在することになります。在留資格別になると必ず省庁別になりますが、これからは就労系の人達も家族帯同、永住視野になると、生活者でもあり児童となるので、混在のほうが自然です。すべて「生活している人」として考えてよいはずです。これまでの日本語教育の問題点は、留学、生活、就労と分けてきたことにあると考えています。それぞれの省庁とその在留資格と、そこと関係の深い日本語教育関係者がぶら下がっていて、互いに、他の在留資格の人を学習者とみなさないみたいなところがあります。児童の日本語教育の人は就労系の日本語教育のことをほぼ知らない。逆も同じ。留学の人は留学以外にまったく関心がない。そしてそこから外れた、未就学の児童や、日本語教育に積極的で無い厚労省の技能実習生制度の日本語教育は20年以上も未整備で、今も何もない。論文が少ないのは、予算もなく、書いても評価されなかったからでしょう。

海外の日本語教育政策

海外の日本語教育政策を国内と分ける必要はなくなると考えています。今のように大都市にリアル教室を運営する意義は薄く、ネット活用を軸にすべきです。そして、それは国内の日本語教育ネットワークの延長でやれるはずです。海外での大事な仕事は、今でもそれが主流だと思いますが、現地への日本語教育のコーディネートではないでしょうか。文化庁のコーディネーターと同じ役割を国際日本語教育コーディネーターとして、そういう資質をもった人を募集すればいいと思います。

省庁が自前で日本語教育の研究部門を持ち「専門家」を育成するのは、日本で日本語教育の研究が盛んでなかった時代は必要だったかもしれませんが、今は不要です。そこはもう国内の大学でやれるので、基金は、そことの仲介役でよいはずです。研究、教材開発、ネット展開は、国内で国立国語研究所の日本語教育部門などに一元化したほうがよいと思います。

主な書き手について

一応、どんな人間が書いているのかも少し補足します。


骨格になる部分を編集者が書き、場合によっては専門家にみてもらうという形です。今後複数人で進めていきたいのですが、このWikiを収益化するのは無理で、出版のほうも厳しいので、おそらく今後もこの体制が続くと思います。学部卒で特に専門知識もなく、プログラミングの知識もないまま泥縄式でネットのことを覚えただけの人間が書いているだけです。いろんなテーマがあるので主な書き手のキャリアについてざっくり書きますと…

👉 今後、担当が変わる可能性もあるので書き手の名前は匿名のままですが、特に隠しているわけでもありません。2018年に個人情報晒し的ないやがらせがあったりしたので、家族の心配などもあり、一応ふせているだけです。

👉 パソコン通信(日本語フォーラム)については、ここに少し説明があります。「語文研究社の竹添点氏が私財を投じて開設したプライベートフォーラムで、一般的な日本語の問題の他に、外国人を対象とする日本語教育を扱う会議室もあった」というものでした。少なくとも私が覗いていたころ(90年代半ばから後半にかけて?)は、他のオーディオや模型など趣味的なところと比べると活発だったとは言えないという印象でした。

免責など

このWikiの文責はwebjapanese編集部にあります。ただし、2019年7月1日に公開した後は、ここに掲載しているすべての記事は不特定多数による投稿により修正されます。内容と情報源の確実性を保証するものではありません。記述を元に何かをする場合は、すべて自己責任で行ってください。削除依頼に関しては申し出を受け、それが妥当なものと判断すれば速やかに対処いたしますが、一時的であっても、Wiki上に書かれたことで被ったトラブル、被害については、運営者であるwebjapaneseは一切の責任を負いません。 また、 CC BY SAであるのは、元々の記述と投稿者によって寄せられた情報のみで、外部から引用されたり埋め込まれたものはその対象ではありません。

謝辞など

一部地図などは以下のサイトの地図を使わせていただいています。
CraftMAP
http://www.craftmap.box-i.net/
白地図専門店(フリーの地図素材)
http://www.freemap.jp/

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■ 対応できないもの

ただし、返信などは期待しないでください。

現在検討中の課題

特にありません。

履歴

2019年4月:β版公開
2019年7月:正式公開
2020年3月:オンライン授業などを追加。
2020年6月:トップ項目の構成、日本語教材に関してなど改訂中。

 

 
日本語教師読本 Wikiについて日本語教師読本シリーズについてhttps://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0/deed.ja

*1 もちろんGoogleだって全面的に信頼しているわけではなく、ウォッチの対象です
*2 SNS上でデジタルに否定的な人達を煽ったり切り捨てたりするのは、相手に届かない場所であざ笑う行為に過ぎず対立を煽るだけで不毛ですが、ネットでは人気があるコンテンツです。
*3 ただし、このWikiにある情報は、オリジナルの記述に限り、CC BY SAなので、すべての人が商用利用も含め、このWikiのデータを利用することができます。
*4 Pukiwikiはデータベースを使いませんので、ファイルとログデータを移動して、パーミッションを設定するだけです。リンク外れ対策でログのURLは一部修正する必要があります。できれば大学のような継続的に運営できるところにお譲りしたいと考えています。スタート時で70MBくらいです
*5 がおそらく無理でしょう。このサイトは1997年から運営していますが、黒字になったことはありません。
*6 MIXI、Myspaceの時代は5年くらいでした。Facebook、Twitterの時代は10年になろうとしていますが、世界中でここまでシェアをとらないと10年もたないよ、ということかもしれません。ツイッターやFacebookで話題になったVine,VALU、WindowsRT,Mastodon,Google+,Google Reader,storify,は今どうなっているでしょうか?

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